JP2009240116A - 車両用発電機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、電気負荷量や蓄電池の充電状態に左右されることの無い発電機の制御を実現し、蓄電池を過放電状態にすることなく、燃料消費量を低減させることを目的とする。
【解決手段】この発明は、発電機と、前記発電機によって充電される蓄電池と、前記蓄電池の充放電電流を検出する電流検出手段とを有する車両用発電機の制御装置において、車両の走行条件毎に異なる目標充放電電流値を設定し、前記目標充放電電流値と前記電流検出手段により検出された充放電電流値との差に応じてフィードバック補正値を設定し、前記フィードバック補正値に応じて発電機の発電電圧を制御する電圧制御手段を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は車両用発電機の制御装置に係り、特に、発電機によって充電される蓄電池の充放電電流を適正に管理し、発電機を駆動するエンジンを搭載した車両の燃料消費量を低減させる車両用発電機の制御装置に関する。
車両には、搭載したエンジンにより駆動される発電機(オルタネータ)と、発電機によって充電される蓄電池(バッテリ)と、蓄電池の充放電電流を検出する電流検出手段とを有し、検出した充放電電流値に基づいて発電機の発電電圧を制御する車両用発電機の制御装置を設けたものがある。この車両用発電機の制御装置は、発電機に設けたレギュレータによって、発電機の発電電圧を調整電圧に制御し、各種電気負荷に適切に電力を供給し、蓄電池を適切に充電している。
特開2006−94662号公報
従来の車両用発電機の制御装置には、調整電圧を可変可能なレギュレータを備えたオルタネータを使用して発電機を制御するものがある。この制御装置による制御は、車両の運転状態を区別し、その運転状態に応じてレギュレータの調整電圧を設定するものである。この制御装置における運転状態とは、アイドル時とそれ以外の通常走行時を指している。運転状態と調整電圧の関係に対する例外処理としては、発電率やエンジン回転数などの条件が付されている。このような制御装置には、多数回生発電と呼ばれる減速時の強制発電操作を行うものも提案されている。
特許第3250261号公報
また、従来の車両用発電機の制御装置には、アイドル時にのみ電流制御し、走行時には電圧制御を行うことで、畜電池の過充電を防止するものがある。
特開2007−074815号公報
さらに、従来の車両用発電機の制御装置には、電池保護の観点に立って、畜電池温度に基づいて調整電圧の調整を行うものがある。
特開2002−354704号公報
これらの特許文献1〜4の制御は、主に畜電池の過充電を予防することを目的としたものである。このような車両用発電機の制御装置には、過充電を予防するレベルから、燃費効果を得るために充放電のマネジメントをするものも提案されている。
さらにまた、従来の車両用発電機の制御装置には、レギュレータの調整電圧を高低2段階に切り替えて、制御電圧を2段階に制御するものがある(図17参照)。
特開2004−274842号公報 特開2005−348526号公報
しかしながら、前記特許文献5、6に開示される車両用発電機の制御装置は、レギュレータの調整電圧を低電圧側に切り替えた際に、車両で使用されている電気負荷の量がそのまま放電することになるため、畜電池への負荷が大きくなる懸念があり、電気負荷の量によっては制御を停止するなどの処置が必要なも問題がある。
これに対して、特許文献1〜4に開示される車両用発電機の制御装置のように、レギュレータの調整電圧を連続可変する方法でも、同様の制御が可能である。しかし、調整電圧を指示しただけでは、畜電池が実際に充電するか、放電するかが確実ではない。たとえ、温度等による補正を行ったとしても、畜電池がどういう挙動するかが確実とはいえない問題がある。
この発明は、電気負荷量や蓄電池の充電状態に左右されることの無い発電機の制御を実現し、蓄電池を過放電状態にすることなく、燃料消費量を低減させることを目的とする。
この発明は、発電機と、前記発電機によって充電される蓄電池と、前記蓄電池の充放電電流を検出する電流検出手段とを有する車両用発電機の制御装置において、車両の走行条件毎に異なる目標充放電電流値を設定し、前記目標充放電電流値と前記電流検出手段により検出された充放電電流値との差に応じてフィードバック補正値を設定し、前記フィードバック補正値に応じて発電機の発電電圧を制御する電圧制御手段を備えていることを特徴とする。
この発明の車両用発電機の制御装置は、走行条件毎に目標充放電電流値を設定し、目標充放電電流値になるように発電機の発電電圧を制御しているので、電気負荷量や蓄電池の充電状態に左右されることの無い発電機の制御を実現することが可能である。
これにより、この発明の車両用発電機の制御装置は、蓄電池を過放電状態にすることなく、燃料消費量を低減させるための発電量抑制制御を実現することができる。
以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
図1〜図15は、この発明の実施例を示すものである。図1は車両用発電機の制御装置のシステム構成図、図2は制御モードの優先順位及び目標値を示す図、図3は制御モードの遷移を示す図、図4は放電量管理についてのタイムチャート、図5は制御のフローチャート、図6はフィードバック補正偏差係数設定例を示す図、図7はフィードバック補正偏差係数特性を示す図、図8は各走行モード毎の目標充放電電流値とフィードバック偏差補正係数特性を示す図、図9は走行時発電カットモードにおける具体的な数値例を示す図、図10はアイドル時充電抑制モードにおける具体的な数値例を示す図、図11は回生モード時における具体的な数値例を示す図、図12は回生モード時のフィードバック補正偏差係数設定例を示す図、図13は回生モード時のフィードバック補正偏差係数特性を示す図、図14は各走行モードにおける制御電圧を示すタイムチャート、図15は回生モードからアイドル時充電抑制モードへ遷移した際の制御電圧のタイムチャートである。
図1において、1は車両用発電機の制御装置であり、車両のエンジンにより駆動されて発電する発電機としてのオルタネータ2と、オルタネータ2によって充電される蓄電池としてのバッテリ3と、電圧制御手段4とを備えている。制御装置1は、オルタネータ2の出力端子を第1電力線5によりバッテリ3のプラス(+)端子6に接続し、第1電力線5の途中から分岐した第2電力線7を電圧制御手段4に接続し、バッテリ2のマイナス(−)端子8を第3電力線9により接地している。
前記第1電力線5から分岐した第2電力線7には、バッテリ3側から電圧制御手段4側に向かって順次に、第1のフューズ10とイグニションスイッチ11と第2のフューズ12とを介設している。第1のフューズ10とイグニションスイッチ11との間の第2電力線7には、第4電力線13により電気負荷14を接続している。第2のフューズ12と電圧制御手段4との間の第2電力線7には、第5電力線15によりスタータモータ16を接続している。
前記オルタネータ2は、調整電圧を可変可能なレギュレータ17と、調整電圧の指示信号が入力するC端子18と、オルタネータ2の最大発電量に対する現在の発電量という比分率の信号を出力するFR端子19とを備えている。C端子18は、第1信号線20により電圧制御手段4に接続している。FR端子19は、第2信号線21により電圧制御手段4に接続している。
前記バッテリ3には、バッテリ3の温度を検出するバッテリ温度センサ22を設け、バッテリ3の充放電電流を検出する電流検出手段としての電流センサ23を設けている。バッテリ温度センサ22は、第3信号線24により電圧制御手段4に接続している。バッテリ温度センサ22は、電流受け入れ性が悪化する温度環境でバッテリ3の放電操作を行わないように監視する目的で設置されている。電流センサ23は、第4信号線25により電圧制御手段4に接続している。電流センサ23は、バッテリ3の充放電を管理するために、バッテリ3のマイナス(−)端子8に接続した第3電力線9に設けられている。
また、電圧制御手段4には、エンジン制御用の各種センサ26を第5信号線27により接続し、エンジン制御用の各種スイッチ28を第6信号線29により接続し、エンジン制御用のその他の信号部30を第7信号線31により接続している。
前記各種センサ26には、例えば、エンジンの水温センサ、吸気温センサ、吸気圧センサがあり、エンジン情報を入力する。前記各種スイッチ28は、電気負荷スイッチ(ELSW)である。電気負荷スイッチは、例えば、ライトスイッチ、ブロワスイッチ、リアデフォッガスイッチ、シートヒータスイッチ、パワーウインドウスイッチ等があり、ユーザが作動させることが可能な電気負荷の情報を入力する。
前記その他の信号部30には、アクセル開度センサ、スロットル開度センサがある。これらアクセル開度センサ、スロットル開度センサから入力する情報によりアイドルスイッチをソフト的に形成している場合は、これらの信号を利用する。実際にアイドルスイッチ入力がある場合は、その信号を使用する。
また、その他の信号部30には、電圧制御手段4がエンジン回転数の情報を利用するので、クランク角センサ、カム角センサも含まれる。
さらに、その他の信号部30には、電圧制御手段4が車速、シフトレンジ、ブレーキスイッチの情報を利用するので、それに関わる構成部品(車速センサなど)も同様に含まれる。ブレーキスイッチの情報は、減速の意思(ブレーキ踏み込み無し=惰行:減速したくない、ブレーキ踏み込み有り=減速:停止する意思あり)として利用する。
なお、その他の信号部30には、上記の情報が外部コントローラに由来のものであれば、その通信(CAN、LIN、や各種シリアル通信など)も対象となり、含まれる。
電圧制御手段4が利用する電圧情報は、バッテリ3の端子電圧、電圧制御手段4の入力電圧、オルタネータ2の出力端子電圧を選択する。電圧情報として、バッテリ3の端子電圧を選択する場合は、直接電源線(第2電力線7)を電圧制御手段4に引き込むので、メインリレー(イグニションスイッチ11)と連動して起動する保護リレーを追加する。電圧情報は、そのまま利用可能である。
電圧制御手段4に供給される入力電圧を電圧情報として利用する場合は、バッテリ3から各種の電気負荷14への分岐点よりも下流側に電圧制御手段4が接続されているため、実際のバッテリ電圧情報を示さない場合がある。前記入力電圧を電圧情報として利用する場合は、余分な追加部品や線がないために安価であるが、その配線上に流れる電流の大小により、配線による電圧降下しろが変わる可能性がある。
大きな電気負荷があり電圧降下が大きくなると、バッテリ電圧と制御電圧との乖離が大きくなるといった問題があるが、この補正については後述する。
オルタネータ2の電圧を利用する場合は、オルタネータ2にその機能があり、通信できる場合にはその情報を利用することが望ましい。専用の電圧配線を設けることも可能だが、その場合はバッテリ3の端子電圧の利用と同様に、保護リレーを設ける構成とする。
前記電圧制御手段4は、バッテリ温度センサ22、電流センサ23、各種センサ26、各種スイッチ28、その他の信号部30から情報を入力し、オルタネータ2のC端子18(調整電圧指示用ポート)にデューティ信号による出力を行う。このデューティ信号を受けたオルタネータ2は、レギュレータ17の回路内に予めデューティに対応して設定された調整電圧を出力する。レギュレータ17は、オルタネータ2の発電電圧を調整電圧に制御する。
この車両用発電機の制御装置1は、エンジンにより駆動されるオルタネータ2と、オルタネータ2によって充電されるバッテリ3と、バッテリ3の充放電電流を検出する電流センサ23とを有し、電圧制御手段4によって、車両の走行条件(走行モード)毎に異なる目標充放電電流値を設定し、目標充放電電流値と電流検出手段により検出された充放電電流値との差に応じてフィードバック補正値を設定し、電流センサ24により検出された充放電電流値が目標充放電電流値になるようにフィードバック補正値に応じてオルタネータ2の発電電圧を調整電圧に制御する。
電圧制御手段4は、目標充放電電流値を、走行モードが走行時発電カットモード時には、通常制御モード時と比較してバッテリ3の充放電状態が放電方向に制御される値に設定している。
また、電圧制御手段4は、走行時発電カットモードの実行時において、積算放電量が設定値を超えた場合には、実行を停止する。
さらに、電圧制御手段4は、目標充放電電流値を、走行モードがアイドル時充電抑制モード時、及び走行時充電抑制モード時には、通常モード時と比較して蓄電池の充放電状態が放電方向に制御される値であって、かつ走行時発電カットモード時と比較して蓄電池の充放電状態が充電方向に制御される値に設定している。
さらにまた、電圧制御手段4は、走行時発電カットモード、アイドル時充電抑制モード、走行時充電抑制モード、回生モード、通常モードの順に、優先的にモードを実行できるように設定されている。
次に、この実施例の作用を説明する。
車両用発電機の制御装置1は、バッテリ3の充放電電流を電流センサ23により検出(モニタ)し、規定した各走行条件(走行モード)にそれぞれ与えられた目標充放電電流値に対して、オルタネータ2に備えたレギュレータ17の調整電圧をフィードバック制御するものである。
制御装置1は、まず、目標とする充放電電流値を与え、それに収束するように電流センサ23が検出する充放電電流値をモニタしながら、レギュレータ17の調整電圧を調整していく。これにより、制御装置1は、放電時(走行時発電カットモード)には電気負荷14に影響されること無く一定の放電量を確保でき、アイドル時(アイドル時充電抑制モード)などの充電を抑制したい場合には実際に充放電電流のない発電電圧までフィードバック制御することを確実に行うことができる。
これにより、制御装置1は、電気負荷14やバッテリ3の状態に影響されることなく一定の燃費効果が得られ、かつバッテリ3の過放電を防止できるものである。
この車両用発電機の制御装置1は、車両の走行条件である走行モードを、図2に示すように、5つのモードに分類して設定している。
(1)、発進加速或いは加速中などの時間が限定的なモードにおいて、大きな目標放電を設定する走行時発電カットモード。
(2)、アイドル運転などのように終了時期を予想しづらい(発進加速時或いは加速中と比較して)アイドル時充電抑制モード。
(3)、減速燃料カットを目当てに強制充電を行う回生モード。
(4)、走行時発電カットが所定時間継続してもオフアイドル状態を保っている状態で、やはりバッテリ3への充電抑制を行う走行時抑制充電モード。
(5)、それ以外の通常(非制御)モード。
前記5つの走行モードは、図2に示すように、各モード毎に目標充放電電流、目標錠放電電圧、優先順位が設定されている。優先順位とは、優先順位の高いモードが優先的に起動することを意味している。図2においては、例えば、優先順位2のアイドル時充電抑制モードの制御が行われている時に、優先順位1の走行時発電カットモードの制御が起動した場合は、走行時発電カットモードの制御を優先的に行うために、アイドル時充電抑制モードの制御は終了する。走行時発電カットモード、アイドル時充電抑制モード、回生モードの各走行モードは、通常モードと比較すると、発電効率は低い状態である。
なお、図2において、アイドル時充電抑制モードの目標充放電電流(0+α)とは、アイドル時充電抑制モードでは0アンペアを基本とし、放電方向ならば若干量許容するという意味を表す。また、走行時充電抑制モードの目標充放電電流(0−β)とは、走行時充電抑制モードでは0アンペアを基本とし、充電方向ならば若干量許容するという意味を表す。
前記電圧制御手段4は、図3に示すように、FR情報、バッテリ電流、車速とエンジン回転数と水温と吸気温と電気負荷スイッチなどからなるエンジン情報、バッテリ温度、バッテリ電圧に基づいて、走行モードを遷移する。なお、図3において、記載される電圧、電流の値は参考値であり、a、β値は任意の定数である。
電圧制御手段4は、走行時発電カットモードにおいて、アクセルオンのままタイムアウト(制御時間が設定時間を越えた時)した場合で走行時充電抑制モードに遷移し、タイムアウト(制御時間が設定時間を越えた時)した場合、あるいはアクセルオフで通常モードに遷移し、スロットルオフ・減速時燃料カット発生で回生モードに遷移する。
電圧制御手段4は、アイドル時充電抑制モードにおいて、スロットルがオン状態に変化し、タイマが有効状態(制御時間が設定時間内にある時)で走行時発電カットモードに遷移し、シフトレンジD→N・車速上昇で通常モードに遷移する。
電圧制御手段4は、回生モードにおいて、燃料カット終了で通常モードに遷移し、アイドル移行でアイドル時充電抑制モードに遷移し、スロットルがオン状態に変化し、タイマが有効状態(制御時間が設定時間内にある時)で走行時発電カットモードに遷移し、走行時充電抑制モードに遷移する。
電圧制御手段4は、走行時充電抑制モードにおいて、タイムアウト(制御時間が設定時間を越えた時)した場合、あるいは車速が設定値以下に低下した場合で通常モードに遷移し、回生モードに遷移する。
電圧制御手段4は、通常モードにおいて、スロットルがオン状態に変化し、タイマが有効状態(制御時間が設定時間内にある時)で走行時発電カットモードに遷移し、アイドル移行でアイドル時充電抑制モードに遷移する。
前記5つの走行モードのうち、走行時発電カットモード、アイドル時充電抑制モード、走行時充電抑制モードは、以下のような前提条件(1)〜(9)を少なくとも1つ以上選択して使用する。
(1)、この制御で使用する入出力(通信を含む)が正常であること。
(2)、始動電流の回収のための時間が経過していること。
この条件目的は、放電を伴う操作をそれぞれ独立させるためである。これにより、始動放電による制御装置1ヘの影響度を小さくする(但し、時間が過ぎれば未回収でも制御可とする)ことができる。
尚、始動電流は非常に大きく、通常の電流センサで実測しようとすると、通常のレンジと切り替える必要がある。切り替え可能な電流センサである場合は、回収確認後、この条件をスキップしても良い。
始動電流を経験値でとる方法(エンジン水温毎の始動電流を予め決めておく)を取る場合は、その回収を電流センサ23の充電電流により回収した場合もスキップしても良い。
(3)、始動後の強制充電時間が経過していること。
これは、放電を開始する前に始動から一定の期間充電を促すことで、放電のリスクを低減することができる。
(4)、エンジンの水温が適正範囲内であること。
この制御における水温情報は、間接情報としてバッテリ温度の代用とすることが可能である。水温が適正範囲にあっても、バッテリ温度が適正範囲にあるとは限らないので、例えば吸気温と組み合わせて、この発明の出願人が出願した特開2005−016466のような外気温(この場合、バッテリ温度)推定ロジックを展開しても良い。
また、高負荷、熱害条件時には、電圧変動が他のシステムに影響を与えないように制限を与えることも可能である。
(5)、エンジンの吸気温が適正範囲内であること。
水温がエンジン情報であるのと同様に、吸気温は環境情報であるので、バッテリ(液)温度や(エンジン)水温など比熱も高く応答の悪いものに比べ、迅速な対応が可能となる情報である。
急激に気温が低下(天候の変化、登山による標高の変化)による温度変化によるバッテリ3へのダメージを軽減することが可能である。
(6)、電気負荷スイッチ(ELSW)条件がオフであること。
この制御は、電気負荷の大小が放電量に影響しないが、ライトやブロワなどは電圧の変化によりユーザーに不快なチラツキや音質の変化を与える可能性がある。このため、ライトやブロワがオンしている状態(電気負荷スイッチ条件がオン)では、この制御は行わない。
(7)、放電量が適正であること。
この条件は、過放電を防止するため、ひいては始動性の確保が目的である。バッテリ3の過放電を防止するため放電量を管理し、その値が適正であるかどうかを判断する。(放電量管理)
(8)、車速は適正範囲にあること。
車速の利用方法としては、高車速及び車両停車中のレーシングを除く領域である。車速は適正範囲外の場合は、高速度側、つまり巡航している状況、高負荷で走行している状況などが想定される。このような状況では、エンジン回転数も平均的に高く回収に向いていることと、高負荷で多量に燃料を使用している状況も想定され、燃費走行が出来ない状況などが想定されるので、除外対象となる。
(9)、バッテリ温度が適正範囲内であること。
バッテリ温度は、バッテリ3の電流受け入れ性に関係するパラメータである。バッテリ温度がこの範囲外では、放電した電流の回収が困難になることが想定される。
前記前提条件の一つである、(7)、放電量が適正であること(放電量管理)については、図4に示すように、管理される。放電量をZDCHGとすると、放電量は以下の式で与えられる。
ZDCHG=max(下限値、初期値ZDCHG0+積算電流量ZDCHGCUL+始動時放電電流ZDCRK)
前記初期値ZDCHG0は、以下のように設定される。
・バッテリ3を接続時に、ある固定植にイニシャライズされる。
・イグニションスイッチ11のオン時には、特定の条件成立時を除き、ZDCHG0=0とする。
前記積算電流量ZDCHGCULは、以下のように算出方法で算出される。
(1)、ZDCHG>下限値XDCHGMIN(例:下限値=−1%とする。)
この下限値(1%)よりも放電量ZDCHGが放電側にあるときには、前回の積算値に電流センサ23により検出された充放電電流を積算して算出する。
なお、−1%とは、バッテリ容量の1%に当たる電流量が、初期値に対して充電側に積算されたことを意味する。符号のマイナスは、充電方向を意味する。
(2)、ZDCHG≦下限値XDCHGMIN
この下限値に達した時の値を維持する。
(3)、ZDCHG>上限値XDCHGMAX(例:上限値=+1%とする。)
この上限値を超えたら、走行時発電カットモードは禁止される。但し、放電量の積算は継続し続ける。
これは、放電側の状態は、走行時発電カットモードを実行するか否かの可否要件の一つになっているため、正確な値を必要としているためである。
なお、+1%とは、バッテリ容量の1%に当たる電流量が、初期値に対して放電側に積算されたことを意味する。符号のプラスは、放電方向を意味する。
前記始動時放電電流ZDCRKは、以下のように設定される。
・エンジン始動1回に付き、始動終了後に付け加えられる電流値である。
・この電流値は、始動時水温に応じて、補正される。
次に、制御について説明する。
まず、前記5つの走行モードのうちの、走行時発電カットモード、アイドル時充電抑制モード、走行時充電抑制モードの制御について、説明する。
前記走行時発電カットモードの起動・終了条件は、以下のように設定される。
・起動条件
(1)、上述した前提条件(1)〜(9)中の、条件として選択されたものが全て成立。
(2)、トリガ条件としてアクセル開度が所定の開度未満の状態から、所定開度以上へと変化した。(電動スロットルなどはスロットル条件としても良い。電子スロットルシステムを搭載している場合は、スロットル側の信号を用いても良い。)
(3)、前回制御終了から所定時間以上経過している。(連続投入防止)
・終了条件
(1)、前提条件の何れかが不成立。
(2)、所定時間制御が継続した。(タイムアウト)
(3)、前回制御終了から所定時間以上経過していない。
前記アイドル充電抑制モードの起動・終了条件は、以下のように設定される。
・起動条件
(1)、上述した前提条件(1)〜(9)中の、条件として選択されたものが全て成立。
(2)、[選択条件]アイドルスイッチ条件あるいは車速条件(車速=0を必ず含む。上限を設定する。)で起動される。(車速条件を選択した場合、アイドルスイッチ条件は不要。)
・終了条件
(1)、起動条件が不成立。
(2)、走行時発電カットモードが起動。(上記車速条件を使う場合、走行時発電カットモードと速度条件が重なるため、優先順位をつける。)
前記走行時充電抑制モードの起動・終了条件は、以下のように設定される。
・起動条件
(1)走行時発電カットモードが、アイドル時充電抑制モード或いは回生モードに移行せずに終了した場合。(アクセルオンのまま走行時発電カットモードがタイムアウトした状態)
・終了条件
(1)、走行時発電カットモード、アイドル時充電抑制モード、回生モードが成立。
(2)、走行時充電抑制モードが所定時間経過。(タイムアウト)
(3)、車速低下。(アクセルオンで車速が低い状況はアイドル充電抑制モード起動条件の前記[選択条件]が車速であった場合、車速低下でアイドル時充電抑制モードに移行する。前記[選択条件]がアイドルスイッチを選択した場合は、通常モードに移行する。)
これら走行時発電カットモード、アイドル時充電抑制モード、走行時充電抑制モードの制御は、図5に示すように、共通の制御フローを有している。
図5において、走行時発電カットモード、またはアイドル時充電抑制モード、あるいは走行時充電抑制モードにおいて、制御がスタートすると(100)、オルタネータ2のC端子18に入力する調整電圧指示用のデューティ出力CDUTYを初期値に設定し(102)、初期調整電圧保持時間が経過したかを判断する(104)。
この判断(104)がNOの場合は、初期調整電圧保持時間の計時を継続する。この判断(104)がYESの場合は、フィードバック制御を行う(106)。
フィードバック制御(106)においては、
CDUTY(n)=CLIP(上限値、CDUTY(n−1)+徐励分KCDUTY、下限値)、
KCDUTY=比例ゲインGCDUTY*フィードバック偏差補正係数T_GAIN_P(電流差△I)、
△I=充放電電流測定値−指示中心電流ICNTR(+側は放電)、
によりデユーティ出力CDUTY(n)を求め、デユーティ出力CDUTY(n)をオルタネータ2のC端子18に入力し、指示中心電流(目標充放電電流値)に対してレギュレータ17の調整電圧をフィードバック制御する。
前記フィードバック制御中(106)に、モード条件が維持されているかを判断する(108)。この判断(108)がYESの場合は、現在の制御モードによるフィードバック制御を継続する。この判断(108)がNOの場合は、現在の制御モードを終了する(110)。現在の制御モードの終了後は、条件により他の制御モードに遷移する。
なお、図5のフローチャート内の式、
CLIP(上限値、CDUTY(n−1)+徐励分KCDUTY、下限値)とは、
(1)、CDUTY(n−1)+徐励分KCDUTY>上限値のとき、→上限値、
(2)、下限値≦CDUTY(n−1)+徐励分KCDUTY≦上限値のとき、→CDUTY(n−1)+徐励分KCDUTY
(3)、CDUTY(n−1)+徐励分KCDUTY<下限値のとき、→下限値
とすることである。徐励分は、オルタネータ2の発電量を徐々に増減するための成分である。
また、図5のフローチャート内の式の比例ゲインGCDUTYは、例えば以下のように設定する。
比例ゲインGCDUTYは、
徐励分KCDUTY=比例ゲインGCDUTY*フィードバック偏差補正係数T_GAIN_P
の式で与えられる。比例ゲインGCDUTYは定数であるが、フィードバック偏差補正係数T_GAIN_Pは不感帯を持ったテーブルとして表される。フィードバック偏差補正係数T_GAIN_Pは、図6・図7に示すように、例えば実電流と目標充放電電流との差△I=±2Aを不感帯とし、この不感帯を挟んで充電側と放電側との値をとるように設定する。
前記フィードバック偏差補正係数の設定については、図6に示すものだけでなく、例えばフィードバックを上昇/下降に分離して、下記式のように別個のテーブルとすることもできる。この場合は、不感帯にあたる部分がそれぞれのフィードバック終了閾値となる。
・△I>2AならKCDUTY(+)=上昇側徐励分、KCDUTY(−)=0
・△I<−2AならKCDUTY(−)=下降側徐励分、KCDUTY(+)=0
・それ以外は、現状維持とする。
また、前記走行時発電カットモードの目標充放電電流は、図8の右側部分に示すように、放電を目的とした位置(10[A])に設定される。走行時発電カットモードにおいては、一定値の放電量を確保(電気負荷量に影響されることの無い)できるようにレギュレータ17の調整電圧を調整する。目標充放電電流を無負荷電流程度(例10A)とした場合に、実電流、△I(電流差)、フィードバック偏差補正係数、CDUTYの傾向は、図9に示すようになる。
一方、アイドル時充電抑制モード及び走行時充電抑制モードの目標充放電電流は、バッテリ3への充電を抑制するため、図8の中央部分に示すように、0[A]を中心とした目標電流に設定される。アイドル時充電抑制モード及び走行時充電抑制モードにおいては、充電抑制(燃費向上のため)、目標充放電電流=0[A]となるようなレギュレータ17の調整電圧に調整する。目標充放電電流を0[A]とした場合に、実電流、△I(電流差)、フィードバック偏差補正係数、CDUTYの傾向は、図10に示すようになる。
次に、前記5つの走行モードのうちの、回生モードの制御について説明する。
前記回生モードの起動・終了条件は、以下のように設定される。
・起動条件
(1)、走行時発電カットモード、アイドル時充電抑制モードが起動していない。(走行時充電抑制モードは、回生モードより優先条件が下と規定)
(2)、減速時燃料カット。(燃料カットから復帰後ディレイ時間を含んでも良い)
・終了条件
(1)、起動条件不成立。
この回生モードは、以下のように、ブレーキ条件を加え、随意回生(強回生)、不随意回生(弱回生)に分岐させる。
・弱回生の分岐条件
(1)、回生起動条件成立後、一度もブレーキがONとなっていない。
・強回生の分岐条件
(1)、上記の弱回生の分岐条件以外。
いったん強回生となった場合は、弱回生には戻さない。これは、ユーザの意図しない減速をしないように、急激な発電を行わないようにする必要があるのと同時に、惰行時間が減少することにより再加速が必要となった場合、燃費効果としてマイナス要因となる可能性があるためである。
回生モードにおいては、回生モードにおける比例ゲインとフィードバック偏差補正係数と全開のデューティ出力とから今回のデューティ出力を求め、求めたデューティ出力をオルタネータ2のC単位18に入力し、目標充放電電流値に対してレギュレータ17の調整電圧をフィードバック制御する。
なお、強回生時も電流制限を目的にフィードバック制御を使用することができる。例えば目標充放電電流を、制限電流として使うために、図8の左側部分に示すように、例えば−30[A](マイナスは充電側)という目標充放電電流を与えることで、上記3つの制御(走行時発電カットモード、アイドル時充電抑制モード、走行時充電抑制モード)と同様に扱うことができる。目標充放電電流を無負荷電流程度(例−30A)とした場合に、実電流、△I(電流差)、フィードバック偏差補正係数、CDUTYの傾向は、図11に示すようになる。
但し、初期値や初期値の保持時間などは不要で、短時間の回収を図るためにゲインを、図12・図13に示すように設定する。フィードバック偏差補正係数T_GAIN_Pは、図12・図13に示すように、例えば実電流と目標充放電電流との差△I=−30A以下では調整電圧を制限し、−20A以上では調整電圧を上昇するように設定する。
さらに、前記5つの走行モードのうちの、通常モードの制御について説明する。
通常モードは、
(1)、発電効率の高い高回転状態、巡航する可能性の高い高車速状態、バッテリ保護の観点から始動電流回収と始動性維持を目的とし電池充電を主目的とする状態、
(2)、各種異常状態による非制御状態、
を指す。
通常モードは、イグニションスイッチ11をオンとした瞬間から前記4つのモード以外の状態であるが、その中でも幾つかの状態に分類する。通常モードを発電制御非作動時と考えると、イグニションスイッチ11のオン時、エンジン始動時、発電制御非制御時(エンジン稼動時)に分類され、以下のように制御される。
(1)、イグニションスイッチ11のオン。(エンジン停止)
CDUTYの初期値が与えられ、徐励操作は行わない
(2)、エンジンの始動時。
始動時水温により、CDUTYの初期値を再割り当てする。水温センサ異常時には、イグニションスイッチ11のオン時に与えられた初期値を使用する。
(3)、エンジンの稼動時。(前記4つのモード以外)
通常モードの制御のみ、目標「電圧」に向けてCDUTYの徐励操作を行う。
この車両用発電機の制御装置1は、上述のように、走行モード毎に、目標充放電電流値を設定し、目標充放電電流値になるように、電流センサ23の検出する充放電電流値をモニタしながら、オルタネータ2のC端子18へのデューテイ出力CDUTYを制御することで、レギュレータ17の調整電圧をデューティ制御する。CDUTY値は、前回のCDUTY 値に徐励分KCDUTYを加算して求める。KCDUTYは、比例ゲインGCDUTYに充放電電流に応じて変化するフィードバック偏差補正係数T_GAIN_Pを掛け合わせて求める。フィードバック偏差補正係数は、各走行モード毎に設定している。
これにより、制御装置1は、図14に示すように、制御電圧を、通常モード、アイドル時充電抑制モード、走行時発電カットモード、回生モード、走行時充電抑制モードに応じて多様に制御している。この制御においては、制御電圧を、通常モード:14.0V、アイドル時充電抑制モード:12.8〜13.2V、走行時発電カットモード:12.0〜12.8V、回生モード:14.0〜15.0V、走行時充電抑制モード:12.6〜13.2Vにそれぞれ制御している。
前記制御装置1による回生モードからアイドル時充電抑制モードへの遷移を説明する。制御装置1は、図15に示すように、走行時発電カットモードを起動中の車両が時間t1に減速を開始すると、走行時発電カットモードを終了して回生モードを起動し、時間t2に減速時燃料カットが終了してから復帰後ディレイ時間が経過した時間t3になると、回生モードを終了して走行時充電抑制モードを起動する。
制御装置1は、その後、時間t4にフィードバック禁止区間に入ると、走行時充電抑制モードを終了してアイドル時充電抑制モードを起動し、時間t5に電流フィードバック区画に入っても、条件に変化がないのでアイドル時充電抑制モードの起動を維持する。
目標充放電電圧とバッテリ電圧とは、走行時発電カットモード起動中から時間t3まで一致(例14.5V)している。目標充放電電圧は、時間t3になると一段階降下(13.2V)し、時間t4になるとさらに降下(13.0V)してその値を維持し、時間t5以降はある幅(12.8Vから13.2Vの間)にフィードバック制御される。
一方、バッテリ電圧は、時間t3になると緩やかに降下(13.2V以上)し、時間t4になるとさらに緩やか降下(13.0V以上)し、時間t5以降はある幅(12.8Vから13.2Vの間)に収束される。
このように、この車両用発電機の制御装置1は、電圧制御手段4により、走行モード毎に目標充放電電流値を設定し、目標充放電電流値になるようにオルタネータ2の発電電圧を制御しているので、電気負荷量やバッテリ3の充電状態に左右されることの無いオルタネータ2の制御を実現することが可能である。これにより、この車両用発電機の制御装置1は、バッテリ3を過放電状態にすることなく、燃料消費量を低減させるための発電量抑制制御を実現することができる。
前記電圧制御手段4は、目標充放電電流値を、走行モードが走行時発電カットモード時には、通常モード時と比較してバッテリ3の充放電状態が放電方向に制御される値に設定している。これにより、この車両用発電機の制御装置1は、走行条件として、バッテリ3の放電電流値を通常モード時よりも若干放電気味の制御とする走行時発電カットモードを備えているので、オルタネータ2の負荷を低減させることができ、エンジンに対する負荷量を減少させることが可能である。
また、前記電圧制御手段4は、走行時発電カットモードの実行時において、積算放電量が設定値を超えた場合には、実行を停止している。これにより、この車両用発電機の制御装置1は、バッテリ3の寿命に影響を与えるような状態では、走行時発電カットモードを実行しないので、充放電システムの信頼性を損なうことは無い。
さらに、前記電圧制御手段4は、目標充放電電流値を、走行モードがアイドル時充電抑制モード時、及び走行時充電抑制モード時には、通常モード時と比較してバッテリ3の充放電状態が放電方向に制御される値であって、かつ走行時発電カットモード時と比較してバッテリの充放電状態が充電方向に制御される値に設定している。これにより、この車両用発電機の制御装置1は、走行時発電カットモード実行直後、あるいはアイドル時充電抑制モードにおいても、積極的にバッテリ3を充電状態に制御しないような制御を行うので、エンジンに与える負荷量を軽減させることが可能であり、燃料消費量を低減させることが可能である。
さらにまた、前記電圧制御手段4は、走行時発電カットモード、アイドル時充電抑制モード、走行時充電抑制モード、回生モード、通常モードの順に、優先的にモードを実行できるように設定されている。これにより、この車両用発電機の制御装置1は、燃料消費量の低減量が多い制御を優先的に実行しているので、発電システム全体として、効果的な燃料消費量低減機能を備えることが可能である。
なお、上述の実施例においては、通常モードにおいて充放電電流による制御を行っていないが、通常モードを制御の一部として電流値によるフィードバックを行うこともできる。通常モードを制御の一部として電流値によるフィードバックを行う場合は、図16に示すように、目標充放電電流を設定する。この場合は、回生モードの電流制御例と同様に、目標充放電電流を電流制限として機能させることで達成できる。
回生モードとの違いは、(1)、徐励速度を遅めに設定し、(2)、目標電圧を同じ若しくは低めに設定し、(3)、制限電流を低めに設定する、ことである。
これにより、制御装置1は、通常モードを含めて、電気負荷量やバッテリ3の充電状態に左右されることの無いオルタネータ2の制御を実現し、バッテリ3を過放電状態にすることなく、燃料消費量を低減させるための発電量抑制制御を実現することができる。
この発明の車両用発電機の制御装置は、電気負荷量や、蓄電池の充電状態に左右されることの無い発電機の制御を実現し、蓄電池を過放電状態にすることなく、燃料消費量を低減させるための発電量抑制制御を実現するものであり、蓄電池を充電する発電機を搭載した車両に適用することができる。
実施例を示す車両用発電機の制御装置のシステム構成図である。 制御モードの優先順位及び目標値を示す図である。 制御モードの遷移を示す図である。 放電量管理についてのタイムチャートである。 走行時発電カットモード、アイドル時充電抑制モード、走行時充電抑制モードにおける制御のフローチャートである。 フィードバック補正偏差係数設定例を示す図である。 フィードバック補正偏差係数特性を示す図である。 各走行モード毎の目標充放電電流値とフィードバック偏差補正係数特性を示す図である。 走行時発電カットモードにおける具体的な数値例を示す図である。 アイドル時充電抑制モードにおける具体的な数値例を示す図である。 回生モード時における具体的な数値例を示す図である。 回生モード時のフィードバック補正偏差係数設定例を示す図である。 回生モード時のフィードバック補正偏差係数特性を示す図である。 各走行モードにおける制御電圧を示すタイムチャートである。 回生モードからアイドル時充電抑制モードへ遷移した際の制御電圧のタイムチャートである。 変形例を示す制御モードの優先順位及び目標値を示す図である。 従来例を示す制御電圧のタイムチャートである。
符号の説明
1 車両用発電機の制御装置
2 オルタネータ
3 バッテリ
4 電圧制御手段
11 イグニションスイッチ
14 電気負荷
16 スタータモータ
17 レギュレータ
18 C端子
19 FR端子
22 バッテリ温度センサ
23 電流センサ
26 各種センサ
28 各種スイッチ
30 その他の信号部

Claims (5)

  1. 発電機と、前記発電機によって充電される蓄電池と、
    前記蓄電池の充放電電流を検出する電流検出手段とを有する車両用発電機の制御装置において、
    車両の走行条件毎に異なる目標充放電電流値を設定し、
    前記目標充放電電流値と前記電流検出手段により検出された充放電電流値との差に応じてフィードバック補正値を設定し、
    前記フィードバック補正値に応じて発電機の発電電圧を制御する電圧制御手段を備えていることを特徴とする車両用発電機の制御装置。
  2. 前記電圧制御手段は、目標充放電電流値を、走行条件が走行時発電カットモード時には、通常制御モード時と比較して蓄電池の充放電状態が放電方向に制御される値に設定していることを特徴とする請求項1に記載の車両用発電機の制御装置。
  3. 前記電圧制御手段は、走行時発電カットモードの実行時において、積算放電量が設定値を超えた場合には、実行を停止することを特徴とする請求項2に記載の車両用発電機の制御装置。
  4. 前記電圧制御手段は、目標充放電電流値を、走行条件がアイドル時充電抑制モード時、及び走行時充電抑制モード時には、通常モード時と比較して蓄電池の充放電状態が放電方向に制御される値であって、かつ走行時発電カットモード時と比較して蓄電池の充放電状態が充電方向に制御される値に設定していることを特徴とする請求項1に記載の車両用発電機の制御装置。
  5. 前記電圧制御手段は、走行時発電カットモード、アイドル時充電抑制モード、走行時充電抑制モード、回生モード、通常モードの順に、優先的にモードを実行できるように設定されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用発電機の制御装置。
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