JP2002315221A - 充電システムおよび車両用発電制御装置 - Google Patents

充電システムおよび車両用発電制御装置

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JP2002315221A JP2001116681A JP2001116681A JP2002315221A JP 2002315221 A JP2002315221 A JP 2002315221A JP 2001116681 A JP2001116681 A JP 2001116681A JP 2001116681 A JP2001116681 A JP 2001116681A JP 2002315221 A JP2002315221 A JP 2002315221A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン回転の安定化と燃費低減を実現する
ことができる充電システムおよび車両用発電制御装置を
提供すること。 【解決手段】 車両用発電制御装置1、車両用発電機
2、バッテリ3、ECU80等によって充電システムが
構成されている。ECU80は、所定のデューティ比が
設定されたパルス信号を車両用発電制御装置1に向けて
送信する。車両用発電制御装置1では、受信したパルス
信号のデューティ比に応じた基準電圧を生成し、バッテ
リ電圧がこの基準電圧と一致するように車両用発電機2
の出力電圧を制御する。この基準電圧は、パルス信号の
デューティ比の上下限近傍ではほぼ一定になるように設
定され、その間ではデューティ比に対してほぼ線形の関
係となるように設定される。また、このパルス信号のデ
ューティ比が所定範囲にある場合には負荷応答制御が行
われ、それ以外の場合には負荷応答制御が行われない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車やトラック
等に搭載される車両用発電機によってバッテリの充電を
行う充電システム、およびこの車両用発電機の発電状態
を制御する車両用発電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両のエンジンにより回転駆動さ
れて発電を行う車両用発電機は、ICレギュレータと称
される車載用発電制御装置によって出力電圧が所定値と
なるように制御されている。
【0003】近年のエンジンの低アイドリング化や電気
負荷の増加、燃費低減のニーズに応えるために、車両の
走行状態、エンジンの動作状態、バッテリの充電状態、
電気負荷の使用量等の各種情報に基づいて、発電機の出
力電圧を可変する技術が特許第3070788号公報に
開示されている。この特許第3070788号公報に開
示された技術では、基準電圧に対応するデューティ信号
をエンジン制御装置(ECU)からICレギュレータに
送出し、この信号に対応した基準電圧となるように発電
機の出力電圧が制御されている。
【0004】また、近年の車両走行時の燃費低減の社会
的ニーズの高まりから、車両の走行状態やバッテリの充
電状態に基づいて発電機の仕事量を適宜変更して、必要
最小限の燃料にて充分な発電量を行うことが必要になっ
ている。具体的には、車両の加速時においては、発電機
の出力電圧を低く設定し(例えば最小電圧12V)、エ
ンジンに対する機械的負荷を低減することによって燃料
消費量を低減し、反対に、車両の減速時においては、発
電機の出力電圧を高く設定し(例えば最大電圧15
V)、発電機の発電量を多くしてバッテリを急速に充電
することにより、車両の慣性エネルギーを電力に変換
し、燃料の有効利用を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両の低燃
費化の要求から、最近の車両に搭載されたエンジンは低
アイドリング化されてきている。このため、電気負荷投
入時の車両用発電機の発電トルクが急増することによっ
てエンジン回転が不安定になること等を防止するため
に、負荷投入時に車両用発電機の発電量を徐々に増加さ
せる負荷応答制御を行うようにした車両用発電制御装置
が知られている。しかしながら、上述した特許第307
0788号公報に開示された技術を用いて、車両の減速
時に発電機の出力電圧を高くしようとした場合に上述し
た負荷応答制御を行うと、発電機の出力電圧が徐々にし
か増加しないため、車両の慣性エネルギーを有効利用す
ることによる燃費の低減を実現することができないこと
になる。
【0006】また、負荷応答制御を併用せずに、上述し
た特許第3070788号公報に開示された技術のみを
用いる場合には、車両の加速時に発電機の出力電圧を低
くすると、その後、出力電圧の設定を元に戻したとき
に、それまで放電状態だったバッテリに大きな充電電流
が流れるため、車両用発電機の発電トルクが急増するこ
とになり、エンジン回転が不安定になるおそれがある。
【0007】このように、発電電圧を可変する技術のみ
を用いた場合にはエンジン回転が不安定になり、これを
防止するために負荷応答制御を併用した場合には燃費低
減が難しいといという問題があった。本発明は、このよ
うな点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、エ
ンジン回転の安定化と燃費低減を実現することができる
充電システムおよび車両用発電制御装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の充電システムは、車両に搭載されたバ
ッテリと、バッテリに充電を行う車両用発電機と、車両
用発電機の出力電圧を制御する車両用発電制御装置と、
車両用発電制御装置に対して車両用発電機の発電状態を
指示する外部制御装置とを備えている。この車両用発電
制御装置は、外部制御装置から入力されるパルス信号の
デューティ比を検出するデューティ比検出手段と、車両
用発電機の界磁電流の増加を抑制する負荷応答制御手段
と、デューティ比検出手段によって検出されたデューテ
ィ比に対してほぼ線形の関係を有する電圧に車両用発電
機の出力電圧を調整する電圧制御手段と、デューティ比
検出手段によって検出されたデューティ比が所定範囲に
含まれているときに負荷応答制御手段の動作を無効にす
る無効制御手段とを備えている。外部制御装置は、車両
用発電制御装置に送信するパルス信号のデューティ比を
所定範囲内の値に設定することにより、負荷応答制御の
要否を選択することができるため、発電電圧の制御と負
荷応答制御とを互いの欠点を補うように併用することが
可能になる。これにより、エンジン回転の安定化と燃費
の低減とが可能になる。
【0009】また、上述した無効制御手段によって負荷
応答制御手段の動作が無効になるデューティ比の範囲に
は、電圧制御手段による調整電圧が最大となるデューテ
ィ比が含まれていることが望ましい。これにより、車両
の減速時に発電電圧を高く設定する際に負荷応答制御が
働かないようにすることができるため、車両の慣性エネ
ルギーを電力に変換してバッテリの充電を行うことが可
能になる。また、反対に車両の加速時に負荷応答制御を
働かせることにより、発電トルクの変動によってエンジ
ン回転が不安定になることを防止することができる。
【0010】また、上述した外部制御装置は、デューテ
ィ比演算手段とパルス生成手段を備えることが望まし
い。デューティ比演算手段は、所定の動作クロックに同
期した演算動作を行うことにより、バッテリの充電状態
と、車両の走行速度と、エンジンの運転状態と、エンジ
ンの負荷状態の少なくとも一つに基づいてパルス信号の
デューティ比を設定する。また、パルス生成手段は、ス
イッチング素子と、このスイッチング素子のオンオフ状
態を保持する保持手段とを有する。動作クロックに同期
してデューティ比演算手段によって保持手段の保持内容
が変更されてスイッチング素子のオンオフ状態が切り替
えられており、これにより、パルス信号の生成が行われ
る。これにより、外部制御装置から車両用発電制御装置
に向けてパルス信号を送出する際に、外部制御装置のソ
フトウエア上での割り込み処理によって信号送出を行う
ことが可能になり、通信用の特別なハードウエアが不要
になる。
【0011】また、上述したパルス生成手段から出力さ
れるパルス信号の周期は、動作クロックの周期の倍数で
あって、車両用発電機の時定数よりも短い値に設定され
ていることが望ましい。スイッチング素子のオンオフ状
態を所定クロック数毎にセット/リセットすることによ
り、所定のデューティ比を有するパルス信号を容易に生
成することが可能になる。また、パルス信号の周期を車
両用発電機の時定数よりも短い周期、好ましくはこの時
定数の2/3〜1/4程度に設定することにより、外部
制御装置から車両用発電機の出力電圧を制御する上で十
分な応答性が得られる。また、パルス信号を送出する処
理回数も必要以上に増やすことがないため、外部制御装
置の処理負担を軽減することができる。
【0012】また、デューティ比検出手段によって検出
されたデューティ比に対してほぼ線形の関係を有する基
準電圧を生成する基準電圧生成手段をさらに備えるとと
もに、上述した電圧制御手段は、基準電圧生成手段によ
って生成された基準電圧と、バッテリの端子電圧とを比
較することにより、車両用発電機の出力電圧の調整を行
うことが望ましい。生成した基準電圧とバッテリの端子
電圧との大小を比較するだけで車両用発電機の出力電圧
の調整を行うことができるため、出力電圧の調整を行う
ために必要な制御内容の簡略化が可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一実施形
態の充電システムについて、図面を参照しながら詳細に
説明する。図1は、本発明を適用した一実施形態の充電
システムの構成を示す図である。図1に示す本実施形態
の充電システムは、車両用発電制御装置1、車両用発電
機2、バッテリ3、ECU(エンジン制御装置)80を
含んで構成されている。
【0014】車両用発電制御装置1は、車両用発電機2
の出力電圧を所定範囲内に制御する。車両用発電制御装
置1の詳細については後述する。車両用発電機2は、固
定子に含まれる3相の固定子巻線21と、回転子に含ま
れる界磁巻線22と、固定子巻線21の3相出力を全波
整流する全波整流回路23とを含んで構成されている。
この車両用発電機2の出力電圧の制御は、界磁巻線22
に通電する界磁電流を調整することにより行われる。車
両用発電機2の出力端子(B端子)はバッテリ3やその
他の電気負荷4に接続されており、車両用発電機2から
これらに対して電流が供給される。
【0015】ECU80は、エンジン(図示せず)の制
御を行うとともに、バッテリ3の充電状態、車速、スロ
ットル開度等の情報に基づいて車両用発電制御装置1に
対して車両用発電機2の発電状態を指示する。このため
に、ECU80は、所定の制御プログラムを実行するC
PU81と、各種信号の入出力処理を行う入出力部(I
/O)82とを含んで構成されている。ECU80から
車両用発電制御装置1に対する指示は、デューティ比が
可変に設定されるパルス信号を送出することにより行わ
れる。このパルス信号の生成は、入出力部82内のスイ
ッチング素子としてのトランジスタ83およびレジスタ
(R)84を用いて行われる。なお、トランジスタ83
の保護を目的として送出ライン上に抵抗85が挿入され
ている。
【0016】図2は、レジスタ84およびトランジスタ
83を用いたパルス信号生成の概略を示す図である。C
PU81は、動作クロックに同期したタイミングで入出
力部82に対して割り込み処理を行って、レジスタ84
の内容をセット(“1”を格納)あるいはリセット
(“0”を格納)することができる。したがって、図2
に示すように、CPU81は、所定の周期で繰り返しレ
ジスタ84の内容をセットおよびリセットすることによ
り、トランジスタ83を所定周期でオンオフ制御し、こ
のオンオフ周期に対応するデューティ比を有するパルス
信号を生成することが可能になる。
【0017】なお、このようにして生成されるパルス信
号の周期を、車両用発電機2の時定数(200ms程
度)より短く、望ましくは2/3〜1/4程度に設定す
ることにより、ECU80が車両状態やバッテリ状態か
ら判定してパルス信号のデューティ比を変更し、これに
伴って車両用発電機2の出力電圧を変更する場合の充分
な応答速度を確保することができる。また、このように
してECU80によってパルス信号を生成する場合に
は、通信ドライバ等の専用のハードウエアの追加が不要
であり、構成の簡略化が可能となる。しかも、パルス信
号生成のために、レジスタ84の内容を書き換える回数
も1パルス当たり2回ですむため、パルス生成処理の負
担を低減することができる。
【0018】次に、車両用発電制御装置1の詳細構成に
ついて説明する。図1に示すように、車両用発電制御装
置1は、車両用発電機2の界磁巻線22に直列に接続さ
れて界磁電流を断続するパワートランジスタ11と、界
磁巻線22に並列に接続されてパワートランジスタ11
がオフ状態のときに界磁電流を還流させる還流ダイオー
ド12と、バッテリ3の端子電圧(バッテリ電圧)を監
視してこの電圧が所定範囲内に収まるようにパワートラ
ンジスタ11の断続状態を制御する制御回路50とを含
んで構成されている。
【0019】図3は、制御回路50の詳細な構成を示す
回路図である。図3に示すように、制御回路50は、波
形整形器51、周期カウンタ52、Lo時間カウンタ5
3、除算回路54、デューティ変換回路55、ラダー回
路56、電圧偏差検出回路57、PWM回路58、デュ
ーティ判定回路59、負荷応答制御回路60、OR(論
理和)回路61、AND(論理積)回路62を含んで構
成されている。
【0020】波形整形器51は、ECU80からC端子
に入力されたパルス信号に含まれるノイズを除去すると
ともに波形の整形を行う。周期カウンタ52は、波形整
形がなされた後のパルス信号の周期をカウントする。L
o時間カウンタ53は、波形整形がなされた後のパルス
信号のローレベル時間をカウントする。除算回路54
は、Lo時間カウンタ53によってカウントされたパル
ス信号のローレベル時間を、周期カウンタ52によって
カウントされたパルス信号の周期で除算することによ
り、このパルス信号のデューティ比を演算する。
【0021】図4は、除算回路54およびデューティ変
換回路55の構成を示す図である。図4に示すように、
除算回路54には除算結果レジスタ540が含まれてお
り、演算によって求められたパルス信号のデューティ比
がこの除算結果レジスタ540に格納される。本実施形
態では、パルス信号のデューティ比(0%から100
%)が6ビットデータで表されるものとし、6ビットの
除算結果レジスタ540が用いられている。但し、この
ビット数は、必要な車両用発電機2の出力電圧の分解能
に応じて適宜決めればよく、ビット数を増やすことで容
易に分解能を上げることができる。除算結果レジスタ5
40に格納されたデータは、デューティ変換回路55に
入力される。
【0022】図4に示すように、デューティ変換回路5
5は、EX−OR(排他的論理和)回路550、2つの
AND回路551、552、INV(論理反転)回路5
53、OR回路554を含んで構成されている。デュー
ティ変換回路55は、除算回路54から出力される6ビ
ットデータが入力されており、後段のラダー回路56に
入力する6ビットデータに変換する。この変換内容の詳
細については後述する。
【0023】ラダー回路56は、デューティ変換回路5
5から出力される6ビットデータに対応する基準電圧V
ref を生成する。図5は、ラダー回路56の詳細構成を
示す回路図である。図5に示すように、ラダー回路56
は、抵抗560、561、563〜574、バッファ回
路580〜585を含んで構成されている。抵抗563
〜574がはしご状に接続されており、これらが抵抗5
60、561からなる分圧回路の分圧点に接続されてい
る。バッファ回路580〜585の入力を選択的にハイ
レベルあるいはローレベルにすることで、はしご状に接
続された抵抗563〜574の全体抵抗を変化させるこ
とができるため、上述した分圧回路の分圧電圧が所定の
範囲内で任意に変化する。この分圧電圧が基準電圧Vre
f として外部に取り出される。
【0024】図6は、ラダー回路56によって生成され
る基準電圧Vref とパルス信号のデューティ比との関係
を示す図である。上述したように、パルス信号のデュー
ティ比は6ビットデータで表されているため、デューテ
ィ比0〜100%がデータ「0」〜「63」に対応して
おり、それぞれの値に対応した基準電圧Vref は以下の
ようになる。
【0025】データ「0」〜「4」 データ「0」〜「3」の場合には、除算結果レジスタ5
40の第2ビットD2〜第5ビットD5が全て“0”と
なるため、EX−OR回路550の出力が“0”とな
る。したがって、AND回路551、552の出力が
“0”に、OR回路554の出力が“1”になる。
【0026】また、データ「4」の場合には、除算結果
レジスタ540の第0ビットD0、第1ビットD1が
“0”、第2ビットD2が“1”となるため、AND回
路551、552の出力が“0”に、OR回路554の
出力が“1”になる。以上より、データ「0」〜「4」
については、デューティ変換回路55の出力が全て同じ
内容(第2ビットQ2が“1”、それ以外が全て
“0”)になり、ラダー回路56によって12Vの基準
電圧Vref が生成される。
【0027】データ「60」〜「63」 データ「60」〜「63」の場合には、除算結果レジス
タ540の第2ビットD2〜第5ビットD5が全て
“1”となるため、EX−OR回路550の出力が
“0”となる。したがって、AND回路551、552
の出力が“0”に、OR回路554の出力が“1”にな
る。
【0028】このように、データ「60」〜「63」に
ついては、デューティ変換回路55の出力が全て同じ内
容(第0ビットQ0、第1ビットQ1が“0”、それ以
外が全て“1”)になり、ラダー回路56によって15
Vの基準電圧Vref が生成される。
【0029】なお、上述したデータ以外の場合には、除
算結果レジスタ540の出力データがそのままデューテ
ィ変換回路55から出力されるため、ラダー回路56に
おいてパルス信号のデューティ比に対して線形の関係を
有する基準電圧Vref が生成される。
【0030】電圧偏差検出回路57は、上述したラダー
回路56によって生成された基準電圧Vref と、S端子
に印加されているバッテリ電圧とを比較し、その比較結
果に対応したローレベルあるいはハイレベルの信号を出
力する。PWM回路58は、電圧偏差検出回路57の出
力がハイレベルのときにPWM(パルス幅変調)を行っ
て、所定のデューティ比を有する駆動信号を生成してパ
ワートランジスタ11を駆動する。所定のデューティ比
の駆動信号がPWM回路58から出力されると、パワー
トランジスタ11がオンオフ制御されて、界磁巻線22
に対する通電が行われる。これにより、車両用発電機2
の出力電圧が上昇するため、バッテリ3の端子電圧も上
昇する。
【0031】デューティ判定回路59は、パルス信号の
デューティ比が所定の範囲に含まれるか否かを判定し、
含まれる場合には出力をローレベルからハイレベルに変
化させる。図7は、デューティ判定回路59の詳細構成
を示す図である。図7に示すように、デューティ判定回
路59は、AND回路556を含んで構成されている。
このAND回路556は、除算回路54内の除算結果レ
ジスタ540の出力の第3ビットD3、第4ビットD
4、第5ビットD5の論理積を求めて出力する。すなわ
ち、除算結果レジスタ540に格納された6ビットデー
タが「56」以上であるときに、デューティ判定回路5
9の出力がハイレベルになる。
【0032】負荷応答制御回路60は、界磁巻線22と
パワートランジスタ11の接続点に接続されており、パ
ワートランジスタ11の導通率を検出し、この導通率を
徐々に増加させる制御を行う。OR回路61は、2つの
入力端子を有しており、各入力端子にはデューティ判定
回路59あるいは負荷応答制御回路60が接続されてい
る。デューティ判定回路59の出力がローレベルのとき
(デューティ比に対応する6ビットデータが「0」〜
「55」の範囲にある場合)に、負荷応答制御回路60
の出力がOR回路61を介してAND回路62に入力さ
れ、上述した負荷応答制御が実施される。また、デュー
ティ判定回路59の出力がハイレベルのとき(デューテ
ィ比に対応する6ビットデータが「56」〜「63」の
範囲にある場合)に、負荷応答制御回路60の出力内容
にかかわらずOR回路61の出力がハイレベルに固定さ
れ、負荷応答制御回路60の出力がマスクされるため、
上述した負荷応答制御は実施されない。
【0033】上述したECU80が外部制御装置に、C
PU81がデューティ比演算手段に、レジスタ84が保
持手段にそれぞれ対応する。また、波形整形器51、周
期カウンタ52、Lo時間カウンタ53、除算回路54
がデューティ比検出手段に、デューティ変換回路55、
ラダー回路56が基準電圧生成手段に、デューティ判定
回路59、OR回路61が無効制御手段にそれぞれ対応
する。また、電圧偏差検出回路57、PWM回路58、
パワートランジスタ11あるいはこれらとデューティ変
換回路55、ラダー回路56を合わせた全体が電圧制御
手段に対応する。
【0034】本実施形態の充電システムはこのような構
成を有しており、次にその動作を説明する。図8は、本
実施形態の充電システムの全体動作を示す流れ図であ
り、ECU80による制御動作の手順が示されている。
【0035】ECU80内のCPU81は、車速の検出
(ステップ100)、スロットル開度の検出(ステップ
101)、バッテリ3の充電状態の検出(ステップ10
2)を行う。バッテリ3の充電状態は、例えば電流セン
サ5によって検出したバッテリ3の充放電電流値を積分
することにより判断することができる。なお、これらの
各出力動作は、順番を入れ替えて、あるいは並行して行
うことが可能である。
【0036】次に、CPU81は、検出した車速および
スロットル開度に基づいて、車両が加速状態にあるか否
か(ステップ103)、減速状態にあるか否か(ステッ
プ104)を判定する。車両が加速状態にある場合には
ステップ103の判定において肯定判断が行われ、次
に、CPU81は、送出するパルス信号のデューティ比
をa(例えば6.25%)に設定し(ステップ10
5)、このデューティ比となるように入出力部82内の
レジスタ84の内容を所定のタイミングで繰り返し書き
換えてパルス信号を生成して、車両用発電制御装置1に
向けて出力する(ステップ106)。車両用発電制御装
置1は、このパルス信号のデューティ比(6.25%)
を6ビットデータ「4」に変換し、対応する基準電圧V
ref を12Vに設定して車両用発電機2の出力電圧を制
御する。これにより、車両が加速状態にあるときには、
車両用発電機2の発電が停止あるいは抑制されるため、
エンジンの負荷が軽減され、燃費の向上が可能になる。
また、このとき、負荷応答制御が機能するため、加速動
作終了時等において基準電圧Vref が急に高くなった場
合であっても、車両用発電機2の発電量が徐々に増加す
るように制御され、エンジン回転の安定を図ることが可
能になる。
【0037】また、車両が減速状態にある場合には、ス
テップ103の判定において否定判断が、ステップ10
4の判定において肯定判断がそれぞれ行われ、次に、C
PU81は、送出するパルス信号のデューティ比をb
(例えば93.75%)に設定し(ステップ107)、
このデューティ比となるように入出力部82内のレジス
タ84の内容を所定のタイミングで繰り返し書き換えて
パルス信号を生成して、車両用発電制御装置1に向けて
出力する(ステップ106)。車両用発電制御装置1
は、このパルス信号のデューティ比(93.75%)を
6ビットデータ「60」に変換し、対応する基準電圧V
ref を15Vに設定して車両用発電機2の出力電圧を制
御する。これにより、車両が減速状態にあるときには、
車両用発電機2の発電量が増加し、しかもこのときは負
荷応答制御が行われないため、車両の慣性エネルギーを
電力に変換してバッテリ3を有効に充電することが可能
になる。
【0038】また、車両が加速状態および減速状態のい
ずれにもない場合には、ステップ104の判定において
否定判断が行われ、次に、CPU81は、バッテリ3の
充電状態が良好か否かを判定する(ステップ108)。
例えばバッテリ3の充電容量が95%以上の場合にはこ
の判定において肯定判断が行われ、次にCPU81は、
送出するパルス信号のデューティ比をc(例えば50
%)に設定し(ステップ109)、このデューティ比と
なるように入出力部82内のレジスタ84の内容を所定
のタイミングで繰り返し書き換えてパルス信号を生成し
て、車両用発電制御装置1に向けて出力する(ステップ
106)。車両用発電制御装置1は、このパルス信号の
デューティ比(50%)を6ビットデータ「31」に変
換し、対応する基準電圧Vref を13.5Vに設定して
車両用発電機2の出力電圧を制御する。このとき、負荷
応答制御も行われるため、エンジン回転も安定し、エン
ジンの振動等が抑制されてドライバビリティが向上す
る。
【0039】また、バッテリ3の充電状態が良好でない
場合(充電容量が95%未満の場合)にはステップ10
8の判定において否定判断が行われ、次に、CPU81
は、バッテリ3の充電状態に応じたパルス信号のデュー
ティ比を設定し(ステップ110)、このデューティ比
となるように入出力部82内のレジスタ84の内容を所
定のタイミングで繰り返し書き換えてパルス信号を生成
して、車両用発電制御装置1に向けて出力する(ステッ
プ106)。
【0040】図9は、車両減速時における負荷応答性の
有無を比較した結果を示す図である。例えば、バッテリ
3の充電状態が良好であって、ECU80から車両用発
電制御装置1に送信されるパルス信号のデューティ比が
50%であり、基準電圧Vref が13.5Vに設定され
ているものとする。車両がこのような状態から減速状態
に移行した場合に、ECU80は、車両用発電制御装置
1に送信するパルス信号のデューティ比を50%から1
00%に変更する。本実施形態では負荷応答制御が行わ
れないため、車両用発電制御装置1によって基準電圧が
15Vに変更されると、パワートランジスタ11の導通
率が直ちに100%になり、車両用発電機2の発電電力
が急激に増加する。したがって、車両の慣性エネルギー
を電力に変換してバッテリ3を有効に充電することが可
能になる。なお、図9において点線で示した特性は負荷
応答制御を行う場合の従来の動作を示すものであり、基
準電圧が15Vに変化してもパワートランジスタ11の
導通率がなだらかに上昇し、発電電力も少しずつ上昇す
る様子がわかる。
【0041】このように、本実施形態の充電システムで
は、ECU80は、車両用発電制御装置1に送信するパ
ルス信号のデューティ比を所定範囲内の値に設定するこ
とにより、負荷応答制御の要否を選択することができる
ため、発電電圧の制御と負荷応答制御とを互いの欠点を
補うように併用することが可能になる。これにより、エ
ンジン回転の安定化と燃費の低減とが可能になる。
【0042】特に、車両の減速時に発電電圧を高く設定
する際に負荷応答制御が働かないようにすることによ
り、車両の慣性エネルギーを電力に変換してバッテリの
充電を行うことが可能になる。また、反対に車両の加速
時に負荷応答制御を働かせることにより、発電トルクの
変動によってエンジン回転が不安定になることを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の充電システムの構成を示す図であ
る。
【図2】レジスタおよびトランジスタを用いたパルス信
号生成の概略を示す図である。
【図3】制御回路の詳細な構成を示す回路図である。
【図4】除算回路およびデューティ変換回路の構成を示
す図である。
【図5】ラダー回路の詳細構成を示す回路図である。
【図6】ラダー回路によって生成される基準電圧とパル
ス信号のデューティ比との関係を示す図である。
【図7】デューティ判定回路の詳細構成を示す図であ
る。
【図8】本実施形態の充電システムの全体動作を示す流
れ図である。
【図9】車両減速時における負荷応答性の有無を比較し
た結果を示す図である。
【符号の説明】
1 車両用発電制御装置 2 車両用発電機 3 バッテリ 11 パワートランジスタ 12 還流ダイオード 50 制御回路 51 波形整形器 52 周期カウンタ 53 Lo時間カウンタ 54 除算回路 55 デューティ変換回路 56 ラダー回路 57 電圧偏差検出回路 58 PWM回路 59 デューティ判定回路 60 負荷応答制御回路 80 ECU(エンジン制御装置) 81 CPU 82 入出力部(I/O) 83 トランジスタ 84 レジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02P 9/30 H02P 9/30 D Fターム(参考) 3G093 AA01 BA02 BA08 BA15 BA19 CA08 DA14 DB19 DB24 DB28 EB09 FA04 5G060 AA03 AA04 AA05 CA03 CA08 DA01 DB07 5H590 AA02 AA06 AA23 AA28 CA07 CA23 CC01 CC18 CC24 CC28 CD01 CE05 DD25 DD64 EB02 EB12 EB21 FA01 FA06 FB01 FB03 FC12 FC21 GA02 GB05 HA01 HA02 HA04 HA11 HA24 HB06 JA02 JA13 JA16 JB01 JB02 JB08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載されたバッテリと、前記バッ
    テリに充電を行う車両用発電機と、前記車両用発電機の
    出力電圧を制御する車両用発電制御装置と、前記車両用
    発電制御装置に対して前記車両用発電機の発電状態を指
    示する外部制御装置とを備える充電システムにおいて、 前記車両用発電制御装置は、 前記外部制御装置から入力されるパルス信号のデューテ
    ィ比を検出するデューティ比検出手段と、 前記車両用発電機の界磁電流の増加を抑制する負荷応答
    制御手段と、 前記デューティ比検出手段によって検出された前記デュ
    ーティ比に対してほぼ線形の関係を有する電圧に、前記
    車両用発電機の出力電圧を調整する電圧制御手段と、 前記デューティ比検出手段によって検出された前記デュ
    ーティ比が所定範囲に含まれているときに、前記負荷応
    答制御手段の動作を無効にする無効制御手段と、 を備えることを特徴とする充電システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記無効制御手段によって前記負荷応答制御手段の動作
    が無効になる前記デューティ比の範囲には、前記電圧制
    御手段による調整電圧が最大となる前記デューティ比が
    含まれていることを特徴とする充電システム。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記外部制御装置は、 所定の動作クロックに同期した演算動作を行うことによ
    り、前記バッテリの充電状態と、前記車両の走行速度
    と、エンジンの運転状態と、前記エンジンの負荷状態の
    少なくとも一つに基づいて前記パルス信号のデューティ
    比を設定するデューティ比演算手段と、 スイッチング素子と、このスイッチング素子のオンオフ
    状態を保持する保持手段とを有するパルス生成手段と、 を備え、前記動作クロックに同期して前記デューティ比
    演算手段によって前記保持手段の保持内容を変更して前
    記スイッチング素子のオンオフ状態を切り替えることに
    より、前記パルス信号の生成を行うことを特徴とする充
    電システム。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記パルス生成手段から出力される前記パルス信号の周
    期は、前記動作クロックの周期の倍数であって、前記車
    両用発電機の時定数よりも短い値に設定されていること
    を特徴とする充電システム。
  5. 【請求項5】 外部から入力されるパルス信号のデュー
    ティ比を検出するデューティ比検出手段と、 車両用発電機の界磁電流の増加を抑制する負荷応答制御
    手段と、 前記デューティ比検出手段によって検出された前記デュ
    ーティ比に対してほぼ線形の関係を有する電圧に、前記
    車両用発電機の出力電圧を調整する電圧制御手段と、 前記デューティ比検出手段によって検出された前記デュ
    ーティ比が所定範囲に含まれているときに、前記負荷応
    答制御手段の動作を無効にする無効制御手段と、 を備えることを特徴とする車両用発電制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記デューティ比検出手段によって検出された前記デュ
    ーティ比に対して、ほぼ線形の関係を有する基準電圧を
    生成する基準電圧生成手段をさらに備え、 前記電圧制御手段は、前記基準電圧生成手段によって生
    成された前記基準電圧と、バッテリの端子電圧とを比較
    することにより、前記車両用発電機の出力電圧の調整を
    行うことを特徴とする車両用発電制御装置。
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