JP2009238693A - 光電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

光電変換素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性が高く、かつ光電変換効率の高い光電変換素子およびこの製造方法を提供することである。
【解決手段】光電変換素子1は、色素が吸着された半導体を含む多孔質状の光電極2と、該光電極2に接して配置され、イオン液体および高比表面積活性炭を含む固体状または擬固体状の電荷輸送層3と、前記光電極2に電気的に接続される第1の電極4と、前記電荷輸送層3に電気的に接続される第2の電極5とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子およびその製造方法に関する。
色素増感型太陽電池は、色素が吸着された酸化物半導体から成る光電極と、該光電極に接して設けられる電荷輸送層と、起電力を取り出す一対の電極とを含んで構成される。電荷輸送層にヨウ素溶液を用いた色素増感型太陽電池では、光電変換効率が10%を超えるものも報告されている。
電荷輸送層にヨウ素溶液を用いると、電荷輸送層に添加されたヨウ素によって電極などが腐食するおそれがあり、またヨウ素溶液が揮発することに起因して光電変換特性が低下するおそれがある。さらに電荷輸送層が液状なので、破損によって電荷輸送層が漏れ出すことや、これによって光電変換効率が低下する恐れがある。
そこでヨウ素溶液の代わりとして、カーボンナノチューブおよび導電性ポリマーなどと、イオン液体とを混練して固体化した部材を電荷輸送層に用いた色素増感型太陽電池が提案されている。ヨウ素溶液の代わりにイオン液体を用いることで電極などの腐食を抑制することができ、またイオン液体は揮発性が極めて低いので、揮発に起因する光電変換特性の低下を抑制することができる。さらに固体状の電荷輸送層を形成するので、電荷輸送層の漏洩を防止することができ、これに伴う光電変換効率の低下を防ぐことができる。このように、イオン液体を固体化した部材を電荷輸送層に用いることで信頼性の高い色素増感型太陽電池を実現している(例えば特許文献1または2参照)。
特開2005−093075号公報 特開2007−227087号公報
イオン液体を固体状にした電荷輸送層を用いることで、色素増感型太陽電池の信頼性の向上を図っているが、ヨウ素溶液を電荷輸送層に用いた色素増感型太陽電池では、前述したように光電変換効率が10%を超えるものも報告されているのに対して、これに比べると固体状の電荷輸送層を用いた色素増感型太陽電池では、光電変換効率が必ずしも十分とはいえず、光電変換効率のさらなる向上が望まれている。
したがって本発明の目的は、信頼性が高く、かつ光電変換効率の高い光電変換素子およびこの製造方法を提供することである。
上記問題に鑑み本発明者は鋭意検討した結果、特定の材料を混合した電荷輸送層を用いることで信頼性の高く、かつ光電変換効率の高い光電変換素子を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、下記光電変換素子およびその製造方法を提供する。
本発明は、色素が吸着された半導体を含む多孔質状の光電極と、
該光電極に接して配置され、イオン液体および高比表面積活性炭を含む固体状または擬固体状の電荷輸送層と、
前記光電極に電気的に接続される第1の電極と、
前記電荷輸送層に電気的に接続される第2の電極とを含むことを特徴とする光電変換素子である。
また本発明は、前記高比表面積活性炭の比表面積が、1600m2/g以上であることを特徴とする光電変換素子である。
また本発明は、前記高比表面積活性炭の比表面積が、1900m2/g以上であることを特徴とする光電変換素子である。
また本発明は、前記高比表面積活性炭の細孔容積が、0.7cc/g以上であることを特徴とする光電変化素子である。
また本発明は、前記イオン液体が、ハロゲン化物アニオンを含むことを特徴とする光電変換素子である。
また本発明は、前記第1及び/又は第2の電極が、導電性高分子、酸化物半導体および金属から成る群から選ればれる少なくとも1種から成ることを特徴とする光電変換素子である。
また本発明は、前記光電極と、前記高比表面積活性炭とがイオン液体を介在して配置されることを特徴とする光電変換素子である。
また本発明は、前記第2の電極の少なくとも一部が、前記電荷輸送層に没入して配置されることを特徴とする光電変換素子である。
また本発明は、色素が吸着された半導体を含む多孔質状の光電極を形成する工程と、
イオン液体および高比表面積活性炭を混練して成る塗布液を前記光電極に塗布して、固体状または擬固体状の電荷輸送層を形成する工程と、
前記光電極に電気的に接続される第1の電極を形成する工程と、
前記電荷輸送層に電気的に接続される第2の電極を形成する工程とを含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法である。
本発明によれば、信頼性が高く、かつ光電変換効率の高い光電変換素子を実現することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の一形態の光電変換素子1を概略的に示す図である。本実施の形態の光電変換素子1は、色素が吸着された半導体を含む多孔質状の光電極2と、該光電極2に接して配置され、イオン液体および高比表面積活性炭を含む固体状または擬固体状の電荷輸送層3と、前記光電極2に電気的に接続される第1の電極4と、前記電荷輸送層3に電気的に接続される第2の電極5とを含む。本実施の形態における光電変換素子1は、基板6上に、第1の電極4、光電極2、電荷輸送層3、第2の電極5がこの順で積層されて構成される。光電変換素子1は、色素が吸着された半導体を含む多孔質状の光電極2を形成する工程と、イオン液体および高比表面積活性炭を混練して成る塗布液を前記光電極2に塗布して、固体状または擬固体状の電荷輸送層3を形成する工程と、前記光電極2に電気的に接続される第1の電極4を形成する工程と、前記電荷輸送層3に電気的に接続される第2の電極5を形成する工程とを含む本実施の形態の製造方法によって製造される。なお光電極2と電荷輸送層3とは、明確に層分離した状態ではなく、光電極2に形成される孔に輸送層3の一部が充填されることで、輸送層3が光電極2の領域にまで配置される。このように多孔質状の光電極2を用いることで、光電極2と電荷輸送層3との接触面積を可及的に大きくしている。
以下、光電変換素子1の各構成要素について、それぞれ製造方法とともに説明する。
基板1は、可撓性を示す板でも、剛性を示す板でもよく、光電変換素子1を製造する工程において変化しないものが好適に用いられる。また基板6は、高透過性(350nmより長波長側で、透過率が80%以上)を示すものが好ましく、通常、ガラス、プラスチックが用いられる。プラスチックを用いる場合は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、トリアセチルセルロース(TAC)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリアリレート(PAR);アートン(JSRの登録商標)、ゼオノア(日本ゼオンの登録商標)、アペル(三井化学の登録商標)やトーパス(Ticona社の登録商標)等の環状ポリオレフィン(COP);ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルフォン(PSF)、ポリアミド(PA)等を用いることができる。これらのプラスチックには、水分や酸素によって生じる素子内部の構成材料の劣化を防ぐために、ガスバリア性を向上させるための処理(ガスバリア物質で表面をコートする処理等)がなされていてもよい。なお光を基板1以外から取込む場合には、基板1に不透明の板を用いてもよい。また基板6は、電荷輸送層3などを保護する役割も有する。
第1の電極4は、第2の電極5とともに光起電力の取出し電極として機能する。第1及び/又は第2電極は、導電性高分子、酸化物半導体および金属から成る群から選ればれる少なくとも1種から成る。第1の電極4は、例えばインジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、アンチモンスズ酸化物(Antimon Tin Oxide:略称ATO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛、およびポリエチレンジオキシチオフェン、ポリアニリンなどから成る薄膜によって実現される。なお第1の電極4には、適宜添加物をドーピングしてもよく、例えばフッ素がドープされたSnO2から成る薄膜(FTO)を第1の電極4に用いてもよい。第1の電極4は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法スピンコート法などによって基板1上に形成される。
光電極2は、多孔質状の半導体に光増感色素が吸着された層である。多孔質状の半導体層は、例えば半導体微粒子を焼成することによって形成することができる。光電極2に用いられる半導体微粒子の一次粒径は、1nm〜5000nm程度であり、好ましくは5〜500nm程度である。なお全ての一次粒径がほぼ同程度の半導体微粒子を用いて多孔質状の半導体層を形成してもよく、また一次粒径の異なる半導体微粒子を用いて多孔質状の半導体層を形成してもよい。一次粒径の異なる半導体微粒子を用いた場合には、一次粒径の大きさ毎に微粒子の反射する光の波長が異なるので、広帯域の波長の光を反射または散乱させることができ、光電変換効率の向上を図ることができる。また、半導体微粒子の形状は、略球状でも、チューブ状や中空形状でもよい。
半導体微粒子の材質としては、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ストロンチウム、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ガリウム、酸化ニッケル、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸ナトリウム等の金属酸化物;ヨウ化銀、臭化銀、ヨウ化銅、臭化銅等の金属ハロゲン化物;硫化亜鉛、硫化チタン、硫化インジウム、硫化ビスマス、硫化カドミウム、硫化ジルコニウム、硫化タンタル、硫化モリブデン、硫化銀、硫化銅、硫化スズ、硫化タングステン、硫化アンチモン等の金属硫化物;セレン化カドミウム、セレン化ジルコニウム、セレン化亜鉛、セレン化チタン、セレン化インジウム、セレン化タングステン、セレン化モリブデン、セレン化ビスマス、セレン化鉛等の金属セレン化物;テルル化カドミウム、テルル化タングステン、テルル化モリブデン、テルル化亜鉛、テルル化ビスマス等の金属テルル化物;リン化亜鉛、リン化ガリウム、リン化インジウム、リン化カドミウム等の金属リン化物;ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物、シリコン、ゲルマニウム等が挙げられ、また、これらの2種以上の混合物であってもよい。混合物としては、例えば酸化亜鉛と酸化スズとの混合物、および酸化スズと酸化チタンとの混合物等を挙げられる。
これらの中でも、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ストロンチウム、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ガリウム、酸化ニッケル、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸ナトリウム、酸化亜鉛と酸化スズの混合物、酸化スズと酸化チタンの混合物等の金属酸化物が比較的安価で入手しやすく、また光増感色素が吸着されやすいことから好ましく、とりわけ酸化チタンがさらに好ましい。
半導体微粒子の表面には、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理などを行ってもよい。このメッキ処理により、半導体微粒子の表面積を増大させたり、半導体微粒子表面部の結晶性の純度を高めたり、半導体微粒子表面に存在する鉄等の不純物を覆い隠したり、半導体微粒子の相互の連結性、結合性を高めたりすることができる。半導体微粒子の表面積が大きいほど多くの光増感色素を吸着することができるので、表面積の大きい半導体微粒子が好ましい。多孔質状の半導体層を基板6上に形成した状態での表面積は、基板6の厚み方向に垂直な平面に多孔質状の半導体層を投影した投影面積に対して、10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがさらに好ましい。この上限は、通常、1000倍程度である。多孔質状の半導体層は、単層でも、複数層でもよく、通常は、複数層である。なお各層に用いられる半導体微粒子の一次粒径を互いに異ならせることによって、前述と同様に広帯域の波長の光を反射または散乱させることができ、光電変換効率の向上を図ることができる。
多孔質状の半導体層は、例えば半導体微粒子を含むスラリーを塗布法で成膜し、さらに焼成することで形成することができる。塗布法としては、例えばドクターブレード、スキージ、スピンコート、ディップコートやスクリーン印刷等を用いる手法が挙げられる。塗布法で成膜する場合、スラリー中の半導体微粒子の分散状態における平均粒径は、0.01nm〜100μmであることが好ましい。半導体微粒子を分散させる分散媒としては、半導体微粒子を均質に分散させ得るものであればよく、水;エタノール、イソプロパノール、t−ブタノールやテルピネオール等のアルコール溶媒;アセトン等のケトン溶媒等の有機溶媒が用いられ、また、これら水や有機溶媒の混合溶媒を用いてもよい。また分散液には、ポリエチレングリコール等のポリマー;Triton−X等の界面活性剤;酢酸、蟻酸、硝酸や塩酸等の有機酸又は無機酸;アセチルアセトン等のキレート剤を含んでいてもよい。
塗布法によってスラリーが成膜されると、次に所定の温度で焼成を行う。焼成は、基板6の耐熱温度よりも低い温度で行われる。例えばフッ素がドーピングされた酸化スズ膜(第1の電極4)付きガラス基板であれば、450℃から550℃程度で焼成を行う。なお、比較的低温で多孔質状の半導体層を形成する方法としては、水熱処理を施すHydrothermal法、分散された半導体粒子の分散液を基板に電着する泳動電着法、半導体ペーストを基板に塗布、乾燥後にプレスするプレス法等が挙げられる。
多孔質状の半導体層の第1の電極4側に接する部分2aは、他の領域に比べて稠密な半導体層であることが好ましい。例えば、粒径10nm程度の半導体微粒子が分散されたチタニアゾルをスピンコート法により第1の電極4上に塗布し、1μmの厚みの稠密な半導体層を形成し、さらに粒径が10nmよりも大きい半導体微粒子を用いて稠密な半導体層上に半導体層を設けて、半導体層を形成してもよい。第1の電極4に接して緻密な半導体層を設けることで、後述する電荷輸送層と第1電極4とが接する状態を防いで、電荷輸送層と第1の電極4との界面で生じる電荷再結合を抑制することができ、光電変換効率を向上することができる。
多孔質状の半導体層に吸着させる光増感色素には、可視光領域および/または赤外光領域において吸収を示す材料が好適に用いられ、種々の金属錯体や有機色素の一種または二種以上が用いられる。分子中にカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、カルボキシアルキル基等の官能基を有する光増感色素は、前述した半導体層への吸着が早いため好ましい。また、光電変換効率や耐久性に優れているため、光増感色素としては金属錯体が好ましい。光増感色素に用いられる金属錯体としては、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、特開平1−220380号公報や特公平5−504023号公報に記載のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛の錯体が挙げられる。
ルテニウム錯体系色素をさらに詳しく例示すれば、cis-ビス(イソチオシアネート)ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)-ルテニウム(II) ビス-テトラブチルアンモニウム、cis-ビス(イソチオシアネート)ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)-ルテニウム(II)、トリス(イソチオシアネート)−ルテニウム(II)-2,2':6',2"-テーピリジン-4,4',4"-トリカルボン酸トリス−テトラブチルアンモニウム、cis-ビス(イソチオシアネート)(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジノニル)ルテニウム(II)などが挙げられる。
光増感色素に用いられる有機色素としては、例えば、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン色素、スクアリリウム系色素などが挙げられる。シアニン系色素としては、具体的には、NK1194、NK3422(いずれも日本感光色素研究所製)などが挙げられる。メロシアニン系色素としては、具体的には、NK2426、NK2501(いずれも日本感光色素研究所製)が挙げられる。キサンテン系色素としては、例えば、ウラニン、エオシン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレセインなどが挙げられる。トリフェニルメタン色素としては、例えば、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレットが挙げられる。クマリン系色素としては、NKX−2677(林原生物化学研究所製)等が挙げられ、具体的には以下に示す構造単位を含む化合物などが挙げられる。インドリン系等の有機色素として、具体的には以下に示す構造単位を含む化合物などが挙げられる。
Figure 2009238693
多孔質状の半導体層に光増感色素を吸着させる方法としては、例えばよく乾燥させた多孔質状の半導体層が設けられた基板を、光増感色素を含む溶液に数時間浸漬する方法が用いられる。光増感色素を溶解させる溶媒としては、たとえばアセトニトリル、ターシャルブチルアルコール、エタノール、メタノール、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、トルエンなど、およびこれらの混合液を用いることができる。光増感色素の吸着は室温で行ってもよく、また加熱下で行ってもよく、さらに光増感色素を含む溶液を還流させながら行ってもよい。光増感色素の吸着は、半導体微粒子を基板に塗布する前に行っても、また半導体微粒子を基板に塗布した後に行ってもよく、半導体微粒子を基板に塗布した後に行う方が好ましい。また半導体微粒子を基板に塗布した後に加熱処理する場合、光増感色素の吸着は、加熱処理後に行うことが好ましくい。なお半導体層の表面には水が吸着するので、この水の吸着を防止するために、加熱処理後、可及的速やかに光増感色素を吸着させる方法が特に好ましい。なお半導体層に吸着されずに存在する未吸着の光増感色素が、電荷輸送層3中に浮遊することで増感効果が低減するおそれがあるので、このような未吸着の光増感色素を洗浄して除去する工程を設けることがさらに好ましく、これによって増感効果の低減を抑制することができる。
半導体層に吸着する光増感色素は、1種類のものでも、複数種類の色素を混合したものでもよい。光電変換素子1の用途が光電気化学電池である場合、太陽光などの照射光の波長域のなかで、できるだけ広範囲の波長域での光電変換が可能となるように、混合する光増感色素を選ぶことが好ましい。光増感色素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体微粒子1gに対して0.01〜1ミリモルが好ましい。このような色素量とすると、半導体層における増感効果が十分に得られ、半導体層に付着していない色素が浮遊することによる増感効果の低減を抑制する傾向にあることから好ましい。
光増感色素の吸着は、半導体層全体に同一の光増感色素を吸着させてもよく、半導体層を複数の領域に区切って、各領域毎に異なる種類の光増感色素を吸着させてもよい。例えば、半導体層を厚み方向に3層に区切り、波長300nm〜500nmの光を吸収する光増感色素を第一層目に吸着させ、波長500nm〜700nmの光を吸収する光増感色素を第二層目に吸着させ、700nm〜900nmの光を吸収する光増感色素を第三層目に吸着させる等の方法で、各層に吸収波長の異なる光増感色素を吸着させてもよい。これによって広範囲の波長域の光を光電変換可能な光電変換素子1を実現することができ、光電変換効率を向上させることができる。
半導体層に光増感色素を吸着させたのちに、光電極2に金属酸化皮膜を形成することが好ましい。金属酸化皮膜の膜厚は、電子のトンネル効果が生じる程度が好ましく、例えば数1nm〜数10nm程度である。金属酸化膜には、例えばTiO2、SnO2、WO3、ZnO、SiO2、ITO、BaTiO3、Nb25、In23、ZrO2、Ta25、La23、SrTiO3、Y23、Ho23、Bi23、CeO2、Al23からなる群から選択される1種または2種以上から成る膜が用いられ、これらのなかでもAl23、ZnOから成る膜が好適に用いられる。前記金属酸化物は、不純物がドープされたものや複合酸化物などであってもよい。金属酸化皮膜を形成することにより、光増感色素から注入された酸化物半導体中の電子が、電荷輸送層に移動することを防止でき、これによって光電変換効率を向上させることができる。
電荷輸送層3は、イオン液体および高比表面積活性炭を含み、固体状または擬固体状であり、例えばイオン液体および高比表面積活性炭を混練して成る塗布液を前記光電極2に塗布することで形成される。
イオン液体は、融点の低い塩である。イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融性塩が例示され、ハロゲン化物アニオンを含むことが好ましい。常温溶融性塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。常温溶融性塩のアニオンとしては、BF4 -、PF6 -、F(HF)n -、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CF3SO22 -]、ヨウ化物イオン、臭化物イオンなどが挙げられる。イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオン、またはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオン等からなる塩類を挙げることができる。
本実施の形態の電荷輸送層3に用いられる活性炭は、高比表面積の活性炭である。活性炭は、気体または溶液中の溶質などに対して強い吸着能を示す炭素質の物質であり、木炭などの炭素物質を原料として高温でガスや薬品と反応させることにより作られる微細孔を持つ炭素材料である。組成分の主体は無定形炭素であり、原料中の不純物に由来する無機成分(シリカ、アルミナ、鉄など)を含む。原料の種類には木材、ノコギリ、クズ、ヤシの実のカラ、リグニン、牛の骨、血液、亜炭、カッ炭、デイ炭、石灰などが上げられる。製法の大要は、前述した原料を炭化したのち活性化し精製する。活性炭は、黒色の微粉末または粒状品であり、内部は著しく多孔質である。木炭の内部比表面積が400m2/g程度であるのに対して、活性炭の比表面積は高く、1000m2〜3000m2/g程度のものがある。電荷輸送層3には、活性炭のうちでも比表面積の高い高比表面積の活性炭が用いられ、比表面積としては1400m2/g以上のものが用いられ、1600m2/g以上のものが好ましく、1700m2/g以上のものがさらに好ましく、1900m2/gのものがさらに好ましい。比表面積の計算方法としては、例えばBET法がある。このように、比表面積の高い活性炭を用いることで、イオン溶液を効率的に還元することができ、光電変換効率を向上させることができる。また前記高比表面積活性炭には、細孔容積が、例えば0.6cc/g以上のものが用いられ、0.7cc/g以上のものが好ましい。このように細孔容積の大きい活性炭を用いることで、光電変換効率を向上させることができる。このような高比表面積の活性炭には、市販のものを用いることができ、例えばクラレケミカル株式会社社製の活性炭などを用いることができる。
電荷輸送層3は、前述のイオン液体と活性炭とを混練することで得られる塗布液を、光電極2に塗布法で塗布することで形成される。混練には混練機、攪拌機、分散機、ミル等を用いてもよく、混練の手法はこれらに限定されない。活性炭とイオン液体との混合比は、用いる活性炭により適宜調整され、例えば塗布液が非流動的になるまで高比表面積活性炭を添加する。このような塗布液を用いることで、固体状または擬固体状の電荷輸送層3を形成することができる。擬固体状とは、流動性を示さない状態であって、例えばゲル状の状態である。活性炭は、イオン液体に対して25重量%以上添加することが好ましく、さらに好ましくは、95重量%以上であり、さらに好ましくは135重量%以上である。イオン液体と活性炭とを混練して得られる塗布液を光電極2に塗布する方法としては、ドクターブレード、スキージ、スピンコート、ディップコートやスクリーン印刷等を用いる手法が挙げられる。
イオン液体と活性炭とは、十分に混練することが好ましい。イオン液体と活性炭とが十分に混ざり合った材料で電荷輸送層3を形成すると、光電極2と活性炭との間にイオン液体が介在した状態の光電変換素子を構成することができる。このように、光電極2と活性炭との間にイオン液体が介在することで、光励起された光増感色素の電子が活性炭の触媒作用によって電荷輸送層3に移動してしまうことを防ぎ、半導体層、第1の電極4へと効率的に光励起された電子を移動させることができる。これによって光電変換効率の向上を図ることができる。なおイオン液体と活性炭とを十分に混練したとしても、一部の活性炭がイオン液体を介さずに光電極2に接触する状態もありうる。
第2の電極5は、電荷輸送層3に接するように設けられる。第2の電極は、例えば導電性高分子、酸化物半導体および金属から成る群から選ればれる少なくとも1種から成る。第2の電極5は、例えばITO、ATO、FTO、およびポリエチレンジオキシチオフェン、ポリアニリンなどから成る薄膜によって実現され、例えば第1の電極4と同様に、第1の電極4の形成される基板とは別の基板に予め薄膜状に形成されていてもよく、この薄膜が形成された基板を電荷輸送層3に圧着させることで、電荷輸送層3に電気的に接続される。第2の電極5は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などによって形成される。なお本実施の形態における第2の電極5は、電荷輸送層3に接して積層されるが、第2電極の少なくとも一部が、前記電荷輸送層3に没入して配置されてもよい。具体的には、棒状の第2の電極を電荷輸送層3に挿入してもよい。また例えば電荷輸送層3を2層に分けて、2つの層で第2の電極を挟持する構成にしてもよい。具体的にはまず1層目の電荷輸送層3を光電極2に積層して形成し、次に1層目の電荷輸送層上に第2の電極を形成し、さらに2層目の電荷輸送層を形成してもよい。通常であれば対向電極に相当する電極を形成するところ、活性層が触媒として機能することで、イオン溶液を効率的に還元することができ、これによって電荷輸送層が対向電極としても機能するので、このように対向電極を形成することなく、第2電極の少なくとも一部を前記電荷輸送層に没入させるだけで、第2の電極が起電力の取出し電極として有効に機能させることができる。また活性層が触媒として機能することで、イオン溶液を効率的に還元することができるので、白金、ポリエチレンジオキシチオフェンなどではなく、例えばITOで第2の電極5を形成したとしても、該第2の電極5が光起電力の取出し電極として有効に機能する。
光電変換特性の長期安定性のために、光電変換素子1は封止材で封止されることが好ましい。例えば光電極2および電荷輸送層3の側面は、封止材で覆われる。該封止材としては、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル製)等のアイオノマー樹脂;ガラスフリット;SX1170(Solaronix製)等のホットメルト接着剤;Amosil 4(Solaronix製)のような接着剤;BYNEL(デュポン製)を使用することができる。
以上説明した本実施の形態の光電変換素子1によれば、電荷輸送層3が固体状または擬固体状なので、電荷輸送層の漏洩を防止することができ、これに伴う光電変換効率の低下を防ぐことができる。また電荷輸送層3にイオン液体を用いることで、ヨウ素溶液を用いた場合に生じる電極などの腐食を抑制することができ、またイオン液体は揮発性が極めて低いので、揮発に起因する光電変換特性の低下を抑制することができる。また電荷輸送層3に用いる高比表面積の活性炭が速やかな還元作用を生じさせる触媒として機能し、電荷の移動を大幅に促進し、光電変換効率を向上させている。このようにイオン溶液と高比表面積の活性炭を含む電荷輸送層を構成することで、信頼性が高く、かつ光電変換効率の高い光電変換素子を実現している。
また触媒として機能する高比表面積の活性炭を用いることで、白金などの高コストな材料からなる電極を形成することなく、該白金よりも安い材料で電極として有効に機能する電極を実現することができる。またイオン液体に混合する材料として、カーボンナノチューブおよび導電性ポリマーなどに比べて低コストな高比表面積活性炭を用いるけれども、高い光電変換効率の光電変換素子を実現することができ、素子の低コスト化を図ることができる。また触媒として機能する高比表面積の活性炭を用いることで、例えば触媒作用を示す対向電極を用いる必要がなくなり、素子構造の簡素化を図ることで、素子の低コスト化を図ることができる。
次に、実施例等を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例により限定されるものではない。
<実施例1>
F(フッ素)がドープされたSnO2薄膜が形成された透明な導電性ガラス基板6上に、触媒化成工業株式会社製のチタニアゾルPASOL HPW-10Rをスピンコート法により塗布し、450℃で30分間焼成することで、稠密な半導体層2aを形成した。焼成後、さらにSolaronix社製チタニアペーストを塗布し、450℃で30分間焼成した。次にアセトニトリルとターシャルブチルとを1:1(体積比)で混合した混合溶媒にSolaronox社製のルテニウム色素(製品名Ruthenium 535-bisTBA)を混合させた溶液に、上記の半導体層を浸漬した。これにより10μm程度の膜厚の増感色素吸着メソポーラス二酸化チタンからなる光電極2を形成した。さらに1.5重量%のAluminum-s-butoxidを溶解したトルエン溶液に光電極2を10分間浸漬させることで洗浄を行った。次に、イオン液体1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムアイオダイドに対して、高比表面積活性炭を26重量%添加し、乳鉢で混練することで塗布液を用意した。高比表面積活性炭(クラレケミカル株式会社製、RP-20)は、BET比表面積1921m2/g、細孔容積0.82cc/g、メソ孔容積0.04cc/g、ミクロ孔容積0.78ccのものを使用した。この塗布液を光電極2に塗布することで電荷輸送層3を形成した。さらに光起電力取り出し電極としてITO膜(第2の電極5)が形成されたガラス基板を電荷輸送層3に圧着させることにより、実施例1の光電変換素子を作製した。
<比較例1>
電荷輸送層のみが実施例1と異なる比較例1の光電変換素子を作製した。電荷輸送層以外は、実施例1の光電変換素子と同様に作製したので、電荷輸送層の形成工程についてのみ説明する。電荷輸送層に用いられる塗布液を、イオン液体1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムアイオダイドに対して、単層カーボンナノチューブ(ALDRICH製、58970)を5重量%添加し、乳鉢で混練することで用意した。この塗布液を、実施例1と同様にして光電極に塗布することで電荷輸送層を形成した。
実施例1と比較例1の光電変換素子について、それぞれ光電変換特性を測定した。各光電変換素子について測定した短絡電流、開放端電圧、曲線因子(フィルファクター)、光電変換効率を表1に示す。また電流密度-電圧特性曲線を図2に示す。
Figure 2009238693
表1および図2に示すように、実施例1の光電変換素子によれば、電荷輸送層が擬固体状でありながら、カーボンナノチューブを用いて作製した比較例1の光電変換素子に比べて、短絡電流密度、開放端電圧、曲線因子が改善され、光電変換効率が大幅に上昇した。
<実施例2〜5>
1.5重量%のAluminum-s-butoxidを溶解したトルエン溶液に光電極を10分間浸漬させることで洗浄を行う工程を省略したことを除いて、実施例1の光電変換素子と同様にして各光電変換素子を作製した。なお各実施例では、イオン液体(1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムアイオダイド)に添加する活性炭の種類および活性炭の添加量が異なる。以下の説明では、各実施例に用いた活性炭の特性、およびイオン液体(1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムアイオダイド)に添加する活性炭の重量%のみについて説明する。
実施例2に用いた高比表面積活性炭は、BET比表面積2023m2/g、細孔容積0.87cc/g、メソ孔容積0.05cc/g、ミクロ孔容積0.82ccであり、該活性炭をイオン液体に対して137.5重量%添加した。
実施例3に用いた高比表面積活性炭(クラレケミカル株式会社製、PR−20)は、BET比表面積1921m2/g、細孔容積0.82cc/g、メソ孔容積0.04cc/g、ミクロ孔容積0.78ccであり、該活性炭をイオン液体に対して25重量%添加した。
実施例4に用いた高比表面積活性炭(クラレケミカル株式会社製、YP−17)は、BET比表面積1692m2/g、細孔容積0.77cc/g、メソ孔容積0.09cc/g、ミクロ孔容積0.69ccであり、該活性炭をイオン液体に対して25重量%添加した。
実施例5に用いた高比表面積活性炭(クラレケミカル株式会社製、RP−15)は、BET比表面積1494m2/g、細孔容積0.63cc/g、メソ孔容積0.03cc/g、ミクロ孔容積0.61ccであり、該活性炭をイオン液体に対して25重量%添加した。
<比較例2>
1.5重量%のAluminum-s-butoxidを溶解したトルエン溶液に光電極を10分間浸漬させることで洗浄を行う工程を省略し、イオン液体に添加する材料を比較例1と異ならせたことを除いて、比較例1と同様にして比較例2の光電変換素子を作製した。イオン液体(1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムアイオダイド)に対して、天然黒鉛を87.5重量%添加し、さらに混練した塗布液を用いて電荷輸送層を形成した。
<比較例3>
イオン液体に添加する材料を比較例2と異ならせて比較例4の光電変換素子を作製した。イオン液体(1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムアイオダイド)に対して、アセチレンブラックを98重量%添加し、さらに混練した塗布液を用いて電荷輸送層を形成した。
実施例2〜5、比較例2、3の各光電変換素子について、それぞれ光電変換特性を測定した。太陽電池特性の測定は分光計器株式会社製の分光感度測定装置CEP−2000型を用いて、素子に対するDC電圧印加を20mV/秒の定速で掃引することにより行った。各光電変換素子について測定した短絡電流、開放端電圧、曲線因子(フィルファクター)、光電変換効率を表2に示す。また電流密度-電圧特性曲線を図2に示す。
Figure 2009238693
表2および図3に示すように、実施例2〜4の光電変換素子によれば、電荷輸送層が擬固体状でありながら、比較例2、3の光電変換素子に比べて、短絡電流密度、開放端電圧、曲線因子が改善され、光電変換効率が大幅に上昇した。
本発明の実施の一形態の光電変換素子1を概略的に示す図である。 実施例1と比較例1の電流密度-電圧特性曲線を示す図である。 実施例2〜5、比較例2、3の電流密度-電圧特性曲線を示す図である。
符号の説明
1 光電変換素子
2 光電極
3 電荷輸送層
4 第1の電極
5 第2の電極
6 基板

Claims (9)

  1. 色素が吸着された半導体を含む多孔質状の光電極と、
    該光電極に接して配置され、イオン液体および高比表面積活性炭を含む固体状または擬固体状の電荷輸送層と、
    前記光電極に電気的に接続される第1の電極と、
    前記電荷輸送層に電気的に接続される第2の電極とを含むことを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記高比表面積活性炭の比表面積が、1600m2/g以上であることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  3. 前記高比表面積活性炭の比表面積が、1900m2/g以上であることを特徴とする請求項2記載の光電変換素子。
  4. 前記高比表面積活性炭の細孔容積が、0.7cc/g以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の光電変化素子。
  5. 前記イオン液体が、ハロゲン化物アニオンを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の光電変換素子。
  6. 前記第1及び/又は第2の電極が、導電性高分子、酸化物半導体および金属から成る群から選ればれる少なくとも1種から成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の光電変換素子。
  7. 前記光電極と、前記高比表面積活性炭とがイオン液体を介在して配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の光電変換素子。
  8. 前記第2の電極の少なくとも一部が、前記電荷輸送層に没入して配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の光電変換素子。
  9. 色素が吸着された半導体を含む多孔質状の光電極を形成する工程と、
    イオン液体および高比表面積活性炭を混練して成る塗布液を前記光電極に塗布して、固体状または擬固体状の電荷輸送層を形成する工程と、
    前記光電極に電気的に接続される第1の電極を形成する工程と、
    前記電荷輸送層に電気的に接続される第2の電極を形成する工程とを含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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