JP2009237288A - カラーフィルタの製造方法とカラーフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス基板上の少なくとも黒色感光硬化型樹脂組成部を用いた樹脂BMと感光硬化性着色樹脂組成物を用いた色材層よりなるカラーフィルタにおいて、色材層の膜厚を厚くしても、高位置精度の露光システムを使用しないで、段差の少ないカラーフィルタを得ることが第一の課題であり、色材層の膜厚精度を向上することが第二の課題であり、さらに表面が平滑なカラーフィルタを得ることが第三の課題である。
【課題を解決するための手段】第一に、カラーフィルタ基板の樹脂BMの開口部に凹部を形成し、色材層を凹部の底部から形成することで、色材層の膜厚を厚くする。第二に、所定の分光特性になるまで色材層を研磨する。第三に、色材層の表面をブラックマトリクス表面より高く形成し、表面平滑になるまで研磨することによって、所定の分光特性を得る。さらに、樹脂BMの研磨速度を色材層の研磨速度より遅くする。
【選択図】図6

Description

本発明はフォトリソグラフィ工程を用いる液晶ディスプレイ用カラーフィルタの製造方法に関し、特に黒色感光硬化型樹脂組成物を使用したブラックマトリクスと着色感光硬化型樹脂組成物を使用した色材層を有するカラーフィルタにおいて、色材層を厚くして色の再現範囲を広くするとともに色再現のバラツキを減少させたカラーフィルタに関する。
近年、液晶ディスプレイがテレビに使用されるようになり、CRT、PDP、リアープロジェクション、SED、有機EL等の各種の他の方式のテレビとの激しい画像表示品質競争、価格競争が展開されている。液晶テレビに使用されるカラーフィルタは、画像表示品質を大きく左右するので、色の再現域(範囲)が広く、色再現のバラツキが少ないカラーフィルタが求められている。
液晶ディスプレイに使用されるカラーフィルタは、少なくとも、ガラス基板の上に形成された開口部を有するブラックマトリクスと、そのブラックマトリクスの開口部に形成される画素部としての色材層よりなり、フォトリソグラフィ工程を使用して製造されている。ブラックマトリクス材には、遮光剤を含有する黒色感光硬化性樹脂組成物が使用され、色材層には赤(R)、緑(G)、青(B)の着色材を含有する3種類の着色感光硬化性樹脂組成物を使用するのが一般的である。通常、黒、赤、緑、青の着色材には顔料が使用されている。
色の再現域を広くするためには、カラーフィルタの各色材層の色を濃くするとともに透明度を高くする必要がある。色材層中の着色用顔料の割合を増加する方法は、これまでかなり検討され、また現在も検討されているが、ほぼ限界に達している。その理由は、着色用顔料成分を増加すると、相対的に樹脂成分が低下するので、感光感度が低下したり、機械的強度が低下したり、また色材成分粒子同士の凝集が発生して透明度が低下したりするからである。また、色材層の断面形状を順テーパ状に保つためにも着色用顔料の添加量は現状でほぼ限界である。さらに液晶ディスプレイを得るためには、カラーフィルタを形成した基板と、別途作成した電極基板とを、スペーサを介して対向させ、両基板間に液晶を封入する。顔料の割合を増すと、色材層の機械的強度が低下するので、液晶の厚さを制御するためのスペーサを色材上に形成した場合に、スペーサを支持することができなくなる。
また、色再現のばらつきを減少するには、色材層の膜厚のばらつきを減少する必要がある。色材層の膜厚は、通常1.0〜2.5μmである。膜厚のばらつきは、通常±5〜10%以下が好ましく、将来は±3%以下が求められると考えられる。
一方、低コスト化のためにカラーフィルタは1枚のガラス基板に面付けして製造されるようになっている。カラーフィルタ基板のサイズが大型になり、最近では面付けされるガラス基板は1辺が3m程度のものが検討されるようになってきている。面付けされるガラス基板の厚さムラもあり、このような大サイズのガラス基板に±5〜10%以下の膜厚のばらつきで色材層を形成することができる塗布装置は、非常に高価であり、また塗布速度を速くすることが難しいので、カラーフィルタの低コスト化の阻害要因になっている。
色材層の膜厚を増せば、従来の色材層を使用しても、各色材層の色濃度を上げることができる。さらに、色材層中の着色用顔料の割合を減らすことも可能である。着色用顔料の割合を減らすことによって、感度が向上し、機械強度が増し、着色用顔料同士の凝集の発
生が減るので、透明度が向上する。また、現像性が向上し、断面形状を順テーパ状にすることが容易になる。
また、スピンコート法、ダイコート法等のカラーフィルタ用の色材層の塗布方法では、色材層の膜厚精度は、塗布装置や塗布条件に依存するが、膜厚を増しても、膜厚精度の低下は少ない。従って、色材層の膜厚を増すことによって、相対的に膜厚精度を上げることができる。例えば、精度が全く膜厚に依存しないと仮定すると、色材層の膜厚が2.5±0.25μmであれば、膜厚精度は±10%であるが、5.0±0.25μmと厚くすると、膜厚精度は±5%となる。また、使用できる色材塗布装置の膜厚精度が±0.2μmであるとき、色濃度のばらつきを±2.5%以下にするには、色材層の厚さを8μmに設定すればよい。
色材層の膜厚を増すことは、上記のように大きな利点がある。しかし、現在のフォトリソグラフィ工程を使用するカラーフィルタの製造方法では、色材層の厚さを増すと、以下に説明するように、カラーフィルタ表面に発生する段差の段差量が増加する。
フォトリソグラフィ工程で製造した場合に発生するカラーフィルタ表面の段差について、図1に基づいて以下説明する。図1は、フォトリソグラフィ工程によって作成した黒色感光硬化型樹脂組成物よりなるブラックマトリクス(以下樹脂BMと略記)と着色感光硬化型樹脂組成物よりなる色材層を有するカラーフィルタの断面形状の説明図である。図1(a)に示すように、色材層3(R)、3(G)、3(B)の端部が樹脂BM2の上に乗り上げて、角状突起13になっている。
樹脂BM2に端部が乗り上げるように形成する理由は、画素部に色材層がない部分、すなわち白抜け欠陥、の発生を防止するためである。現在の露光装置ではパターン露光時の位置精度が必ずしも満足できるものではないので、乗り上げるように形成しなければ、白抜け欠陥が発生してしまう。このため、乗り上げを行うことで2種類の段差が発生する。すなわち、色材層端部表面と樹脂BM表面の間の段差(Δt)と、画素部の色材層表面と樹脂BMに乗上げている色材層の表面の段差(Δh)である。
カラーフィルタ上に段差が発生し、その段差量が大きいと、通常のTN(Twisted Nematic)方式、ASV(Advanced super view)方式、MVA(Maltidomain vertical alignment)方式等の液晶表示方式において、色材層の上に直接に透明導電膜を形成すると、断線発生の原因となり、また配向膜の配向処理において配向膜の剥がれ発生の原因となる。また、液晶のプレチルト角度よりも段差部の角度のほうが大きくなり液晶の配向不良の原因となる、このため、通常は、色材層の上にオーバーコート層を形成している。
オーバーコート層の一般的役割は、表面平坦化の他に、色材層中の不純物が液晶中に溶出するのを防止する、電気的特性(特に絶縁性、誘電性)の調整を行うという役割があるが、低コスト化のためオーバーコートなしの構成が増加している。また、平坦化にはオーバーコート層の厚さをかなり厚くする必要があるが、その他の目的では薄くてよい。
また、高画質化の要求に応える新しい液晶表示方式のひとつに、横電界方式(IPS方式、In−plane switching方式)があり、視野角、コントラスト比などの表示品質が優れているので、テレビ用途で特に有望とされている。このIPS方式ではカラーフィルタの表面が平滑であることが、良好な表示品質を得るために必要であり、表面の段差をできるだけ減少する方法が求められている。
図1(b)は色材層3の上にオーバーコート層4と、その上に透明導電膜5(膜厚0.
2μm程度)、さらにその上に配向膜6を形成した状態を示す図である。オーバーコート層の主な役割は、表面を平滑にして、透明導電膜の断線を防止すること、および配向膜の配向処理の際の剥がれを防止すること、液晶の配向不良を防止することである。
しかし、コスト低減のためオーバーコート層を省略することが近年多くなっている。この場合問題となるのは、第一に、図1(a)におけるΔt、すなわち樹脂BM上の色材層端面表面と樹脂BM表面の間の段差である。通常、フォトリソグラフィ工程で形成すると色材層の端部は垂直、または逆台形に近い形状になりやすい。その上に透明導電膜を蒸着法やスパッター法で形成するが、厚さが0.2μm程度なので、色材層の端部で亀裂が発生したり、断線したりしやすい。
段差Δtの大きさ(高さ)は基本的には色材層の膜厚に近くなる。従って、色材層を厚くすれば、この段差が大きくなる。通常、色材層の膜厚は赤(R)、緑(G)、青(B)で若干異なることもあるが、1.0〜2.5μmである。この段差を0.5μm以下にすれば問題が発生しないようにすることができる技術が開発されている。しかし、色材層の厚さを0.5μm以下にすることは、先に述べたように困難である。
一方、段差Δhは画素部内の色材層表面と樹脂BM上の色材層表面の段差により生じるため、段差Δhの大きさ(高さ)は樹脂BMの膜厚に近い。通常、樹脂BMの膜厚は1.0〜2.0μm程度である。この段差の形状は、色材層塗布時に樹脂BMの上に乗上げた色材層用の溶液が乾燥するまでに色材層用の溶液が画素部へ流動するので、比較的傾斜が緩やかであり、透明導電膜の亀裂、断線の原因になることはあまりない。しかし、後工程である配向膜の配向処理(ラビング)でこの凸部がその他の部分より強くラビングされて剥がれ、結果として液晶の配向が不良になってしまう。
色材層の厚さを増して、色再現域を広げるための方法が特許文献1に開示されている。しかし、前述したように、この方法では段差Δtの値(高さ)が大きくなり、透明導電膜が断線しやすかったり、液晶の配向不良が発生しやすかった。
一方、色材層と樹脂BMの表面が一致し、平滑性が優れたカラーフィルタを得るための方法が、特許文献2に開示されている。その方法は、透明基板に凹部を形成し、その凹部に樹脂BMを形成し、その樹脂BMを利用して、透明基板に凹部を形成し、そこに色材層を形成する方法である。樹脂BMの膜厚が厚くても、一部が透明基板内に埋没しているので、樹脂BM表面と画素部の色材層表面の高さを揃えることができる。
ただし、特許文献2において、通常の露光方法では樹脂BMの上に色材層の膜厚に近い段差が発生してしまう。そのため、特許文献2においては、段差が発生しないように、フォトマスクとして画素部のサイズより1.5μm小さいものを使用する方法や、印刷法やインクジェット法で色材層を樹脂BMの間に埋め込む方法を開示している。しかし、フォトマスクを使用する方法では、やはり高位置精度の露光システムが高価になり、装置コストが向上してしまう。また、色材層用インクを印刷法で埋め込む方法は、高位置精度の高価な印刷装置が必要である。
また、特許文献2の方法では、色材層を厚くするために樹脂BMの開口部を深くエッチングすると、樹脂BMと色材層の表面は近づくが、段差Δtは通常と同じく、厚くした色材層の厚さに近くになってしまう。
最も好ましいカラーフィルタは表面が平滑であり、かつ色材層の膜厚が所定の値であり、さらにオーバーコート層を形成することなしに透明導電膜と配向膜が形成されているものである。そのため、カラーフィルタの表面を研磨して、段差を除去する方法や、表面を平滑にする方法が検討されている。研磨によって角状突起を除去することは実際に行われている。また、表面を平滑になるまで研磨する方法も、種々提案されている。
平面の研磨法は、図2(a)に示すように、平板状の研磨板をカラーフィルタ基板12に押し当てて被研磨平面全体を研磨する平盤研磨方法と、図2(b)に示したロール状の研磨テープ10をカラーフィルタ基板12に押し当てて被研磨平面を線状に順次研磨する方法に大別される。なお、図2(b)では、ロール14は、研磨剤を塗布してある研磨テープ10を被研磨面に押し当てる役割を果たしている。
しかし、色材層を所定の膜厚±0.2μmのばらつきで研磨することは、現在は以下に述べるように技術的に難しく、実用化が遅れている。例えば、バフ研磨で色材層の表面を研磨して段差を小さくする方法が特許文献3に開示されているが、色材層の膜厚を所定の値にする方法は記載されていない。所定の厚さに研磨することができれば、色材層の塗布厚の精度を高くする必要がないので、安価な装置で高速に塗布することができるという大きな利点がある。
研磨パットで加圧した研磨布を押しつけ研磨する平盤研磨方法の一つであるオスカー式研磨機では基板の中央部の研磨より周辺部の研磨が速い(図2(a)参照)。その対策として特許文献4に開示されている方法は、カラーフィルタ基板の周辺部にダミー研磨用のダミーパターンを、色材層の形成時に同時に、面積で1〜20%設ける方法である。しかし、特許文献4においても色材層の膜厚を所定の値にする方法は記載されていない。
また、平盤研磨機では研磨圧力の偏りによって、周辺部が速く研磨されてしまうことを防止するための方法として、特許文献5では、研磨されない外枠(治具)をガラス基板の外周に嵌める方法を開示し、色度のばらつきを従来の約半分にすることができるとしている。しかし、色材層の厚さを所定の厚さにする方法は記載されていない。
一方、図2(b)の研磨方法においても、基板の両側、および研磨開始、研磨終了の両端部付近が内部より、余分に研磨される。この対策としては、ダミー研磨部を設けたり、外側に枠を置いたりする方法が知られている。
研磨によってカラーフィルタの表面を平滑にするとともに、色材層の膜厚を所定の値にする方法が、特許文献6に開示されている。すなわち、ブラックマトリクスをクロムやモリブデンで形成し、そのブラックマトリクスを耐エッチングレジストとして、ガラス基板をエッチングして凹形状の画素部を形成し、その画素部へ色材層を3色フォトリソグラフィ法で形成し、次に研磨して色材層の表面をブラックマトリクス面と同一にする方法である。この場合、色材層の膜厚は凹部の深さである。
図1(c)に特許文献6の方法で形成したカラーフィルタの断面を示す。このカラーフィルタでは基板1にクロムのブラックマトリクス(厚さ0.1μm程度)2を形成し、その開口部に凹部を形成し、そこに色材層3(R)、3(G)、3(R)を充填し、しかる後に研磨により平滑にしてカラーフィルタを作成している。図1(c)では、さらに透明導電膜5、配向膜6を形成した状態を示している。
特許文献6の方法では、ブラックマトリクスをクロムやモリブデンという硬い材料とし、研磨剤も、酸化セリウムを使用して、クロム膜やモリブデン膜を研磨ストップ層として作用させることで、ブラックマトリクスやガラス基板が研磨されないようにしている。しかし、クロムやモリブデン膜をブラックマトリクスとして使用することは、環境負荷への影響と、金属反射の点で、現在では使用されないので、特許文献6の方法は、現在では実用的な方法でない。
一方、樹脂BMの硬度は、クロムやモリブデンより低く、ほぼ色材層と同程度である。従って、色材層を研磨できる条件で研磨すると、カラーフィルタの表面は平滑になるが、樹脂BMは研磨ストップ層として作用せず、色材層への研磨を続けると樹脂BMが削られてしまう。そのため、樹脂BMを使用したカラーフィルタでは、樹脂BMが削られないように注意して研磨を行わねばならず、色材層の膜厚を研磨によって所定値とすることが難しい。
公知文献を以下に示す。
特開2002−207115号公報 特開平10−133011号公報 特開平11−218606号公報 特許第3034669号公報 特開2005−55598号公報 特開平6−308312号公報 特開2004−184582号公報 特開2001−239454号公報 特開2000−111724号公報
ガラス基板上の少なくとも黒色感光硬化型樹脂組成部を用いた樹脂BMと感光硬化性着色樹脂組成物を用いた色材層よりなるカラーフィルタにおいて、色材層の膜厚を厚くしても、高位置精度の露光システムを使用しないで、段差の少ないカラーフィルタを得ることが第一の課題であり、色材層の膜厚精度を向上することが第二の課題であり、さらに表面が平滑なカラーフィルタを得ることが第三の課題である。
請求項1の発明は、所定の開口パターンを有する黒色感光性樹脂組成物からなるブラックマトリクスと、前記ブラックマトリクスの開口部に形成された、所定の色の着色感光性樹脂組成物からなる色材層とを透明基板上に形成したカラーフィルタにおいて、
前記ブラックマトリクスの開口部に露出している透明基板部位に凹部を形成し、前記色材層は前記凹部を充填するよう前記凹部の底部から形成することで、前記色材層に所定の分光特性を与えるため前記色材層の膜厚を厚くし、色材層表面をブラックマトリクス表面よりも突出させても、前記色材層表面と前記ブラックマトリクス表面とで生じる段差を低減させたことを特徴とするカラーフィルタである。
請求項2の発明は、所定の開口パターンを有する黒色感光性樹脂組成物からなるブラックマトリクスと、前記ブラックマトリクスが開口部に形成された、所定の色の着色感光性樹脂組成物からなる色材層とを透明基板上に形成したカラーフィルタであって、
所定の開口パターンを有する黒色感光性樹脂組成物からなるブラックマトリクスを形成後に、前記ブラックマトリクスの開口部に露出している透明基板部位に凹部を形成する工程、色材層を前記凹部を充填するよう前記凹部の底部から形成する工程とを少なくとも有する請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項3の発明は、色材層を形成する際、色材層の表面をブラックマトリクス表面より高く形成し、色材層表面とブラックマトリクス表面とを表面平滑になるまで研磨することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法である。
請求項4の発明は、研磨時のブラックマトリクスの研磨速度を色材層の研磨速度より遅
くしたことを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタの製造方法である。
基本的には、色材層の膜厚を厚くして色再現範囲を広くしても、膜厚のばらつきが少ないカラーフィルタを提供した点、さらに表面が平滑なカラーフィルタを研磨によって製造する方法を提供した点である。
請求項1に記載の発明の効果は、色材層の膜厚が厚くても、透明基板の凹部に色材層を充填したことによって、樹脂BMの表面と色材層の表面の間の段差の少ないカラーフィルタとした点である。
請求項2に記載の発明の効果は、高アライメント精度(位置精度)の露光装置、製造ラインを使用しなくても、樹脂BMとの重なりのない、しかも白抜けのない色材層を有する請求項1に記載のカラーフィルタを提供した点である。
請求項3に記載の発明の効果は、研磨によって色材層の膜厚を所定の厚さにするので、塗布法で高精度の膜厚にするよりも安価に、一枚のカラーフィルタ内でも、また多数のカラーフィルタ間においても、膜厚の精度が高いカラーフィルタを提供することができる点である。
請求項4に記載の発明の効果は、樹脂BMが研磨ストップ層となり、樹脂BMが研磨されることがなくなる。そのため、色材層はその樹脂BMの表面と同じ膜厚まで研磨されるので、表面は平滑となる。また、樹脂BMの膜厚と凹部の深さとの合計が、所望される色材層の膜厚と同じになるように樹脂BMを形成すれば、その後に塗布する色材層の膜厚を高精度に管理する必要がなくなり、単に樹脂BMの膜厚より厚くするだけで、色材層の膜厚を仕様値の膜厚にすることができるようになる。
本発明請求項1に関する第一の方法について、図3に基づいて以下説明する。基本的には裏面露光法を使用して段差が小さいカラーフィルタを作成する方法である。
図3(a):カラーフィルタ用透明基板1上に通常のフォトリソグラフィ工程を使用して所定の開口部パターンを有する樹脂BMのパターン2を形成した後、ポストベーク(焼成)を行って、熱硬化する。
カラーフィルタ用透明基板としては、ガラス基板の他、ポリカーボネート、シクロポリオレフィン等のプラスチック基板を使用することができる。また樹脂BM用の黒色感光硬化性樹脂組成物としては、樹脂BMを形成する通常のカラーフィルタで使用されている、黒色顔料、感光硬化樹脂組成物、溶剤からなる黒色感光性樹脂を使用することができる。
例えば、黒色顔料としてはカーボンブラック、チタンブラック、四三酸化鉄、アニリンブラック、感光硬化性樹脂組成物としてはアクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂を主成分としたもの、溶剤としては2−エトキシエタノール、2−(2−2エトキシエトキシ)エタノール、2−n−ブトキシエタノール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等がある。
図3(b):次に、樹脂BM2の開口部に、画素部となる凹部をエッチングによって形成する。このとき樹脂BMは、耐エッチングレジストとして作用する。凹部の深さは、樹脂BMの厚さと凹部の深さの合計が、所定の色材層の厚さと一致するようにすることが、得られたカラーフィルタの表面が平滑に近くなるので好ましい。
エッチングの方法は、ガラス基板の場合には通常フッ化水素を使用する湿式法が好ましいが、フッ素系のガスを使用したプラズマエッチング法や液体ホーニング法、その他の方法でもよい。プラスチック基板の場合には、サンドブラスト法、液体ホーニング法、酸素を使用したプラズマアッシング法が好ましいが、それ以外の方法であってもよい。
なお、サンドブラスト法、液体ホーニング法、プラズマアッシング等の方法では、樹脂BMもエッチングされ、膜厚が減少するので、その分も見込んで、作成時に膜厚を設定することが必要である。
図3(c):1色目として、赤色色材層用の感光硬化性樹脂組成物の溶液を塗布し、溶剤を揮発し、予備加熱して所定の厚さの膜3’(R)を形成する。凹部に形成された赤色色材層の表面は、樹脂BMの表面と略同一平面になる。一方、樹脂BM2の上にある赤色色材層の厚さは、凹部の赤色色材層の厚さより、一般的に薄い。その理由は、溶液を塗布してから溶剤が揮発して流動性がなくなるまでの間に、樹脂BM上の溶液が凹部の方向へ流動するからである。溶液の塗布方法は、カラーフィルタの製造に通常使用されている方法、例えばスピンコート法、スリットコート法、ロールコート法等、を使用することができる。
赤色、緑色、青色の各色材層用の感光硬化性樹脂組成物としては、基本的には通常のカラーフィルタに使用されている着色用顔料、感光硬化性樹脂組成物、溶剤からなるものを使用することができる。ただし、色材層の膜厚と、色濃度を所定値にするために、着色用顔料の濃度を適宜調製する必要がある。例えば、色材層の膜厚を2倍とし、色濃度を従来と同じ色材層を作成するためには、着色用顔料の含有量を従来のものの半分にした色材層用感光硬化性樹脂組成物を使用する。色材層用溶液は3色ともに同じ厚さで所定の色濃度となるように着色顔料の含有量を調整したものを使用する。
ここで、赤色顔料としては、例えばC.I.Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッドB−CF」)、C.I.Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)がある。緑色顔料としては、例えばC.I.Pigment Green
36(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK6」)、C.I.Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエローY−5688」)がある。青色顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 15(東洋インキ製造社製「リアノールブルーES」)、C.I.Pigment Violet
23(BASF社製「バリオゲンバイオレット5890」)がある。
また、感光硬化性樹脂組成物としてはアクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂を主成分としたもの、溶剤としては2−エトキシエタノール、2−(2−2エトキシエトキシ)エタノール、2−n−ブトキシエタノール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等がある。
図3(d):フォトマスク7を介して、樹脂BM2を形成した面とは反対面側の基板1側から露光8して、赤色色材層の所定部を硬化して3’’(R)とする。使用するフォトマスク4は、特許文献2に記載されている、樹脂BMの開口部で仕切られた画素部サイズよりわずかに小さなパターンでなく、カラーフィルタの製造に通常使用されているパターン、すなわち画素部サイズより数μm〜20μm大きなパターンを有するフォトマスクを使用することができる。さらに、裏面露光の特徴である、樹脂BMがフォトマスクとなることを生かして、樹脂BM2(遮光部)の半分の幅まで大きな透過部を有するフォトマスクを使用することができる。その結果、露光装置に必要な位置精度は、特許文献2に記載
されている場合の1μm以下ではなく、数μm〜20μm、またはそれ以上の精度であればよい。
図3(e):所定の現像条件で現像して、未硬化部を除去し、水洗、乾燥する。得られる硬化パターン3(R)’’は開口部の周囲の部分が角状に盛り上がった断面形状となる。その後、2色目の着色感光硬化性樹脂組成物の溶液を塗布しても、硬化パターンが溶解しないように、加熱硬化して、赤色画素部を形成する。
図3(f):緑色画素部(3’’(G))、青色画素部(3’’(B))の硬化パターンを順次、1色目と同様にして形成する。なお、本実施の形態では、赤、緑、青の順に色を形成したが、この順番に限定するものではなく、1色目を含め、どの色から形成してもよい。
3色形成後、必要があれば所定の条件で色材層を加熱硬化してもよい。色材層の角(ツノ)状突起がその後の透明導電膜の形成や配向処理において問題とならない程度であれば、そのまま後工程、すなわち透明導電膜形成工程に進む。しかし、裏面露光法の場合は現像除去したはずの未硬化の色材が表面に付着し、水洗では除去することができない場合が多いので、研磨を行うことが好ましい。
図3(g):研磨して、カラーフィルタ表面を平滑にした状態である。通常、研磨すると樹脂BMも研磨されてしまうので、角状突起を除去すると共に、付着している未硬化色材を除去する程度の軽い研磨が好ましい。研磨の方法については、後に述べる。また、最後に加熱硬化(ポストベーク)して強度、耐久性を高くしても構わない。その後、透明導電膜形成工程へ進む。
次いで、以下に説明する本発明請求項1に関する第二の方法は、色材層用溶液中の溶剤が揮発する途中で、樹脂BM上の色材層用溶液が樹脂BMの表面ではじかれ、画素部(凹部)へ移動し、樹脂BM上に残らないようにする方法である。すなわち、樹脂BM表面を色材層用溶液に対して反発性にする方法である。露光装置として通常のカラーフィルタを製造する際に使用するものを使用することができる。
色材層用溶液への反発性を有する樹脂BMを得るには、樹脂BMの材料にシリコーン樹脂系やフッ素樹脂系のものを使用したり、樹脂BMに通常使用する樹脂にシリコーン系樹脂、シリコーン系オイル、フッ素系樹脂やフッ素系オイルを混合したりすることが可能である。また、樹脂BMの表面をフッ素プラズマ処理しても構わない。実際には、インクジェット方式でカラーフィルタを作成する場合に使用する撥インク性のブラックマトリクスの材料、及び製法を利用することができる。樹脂BMの厚さは色材層の厚さと同じにする。
色材層用溶液としては、色材層用溶液は3色ともに同じ厚さで所定の色濃度となるように着色顔料の含有量を調整したものを使用することが出来、第一の方法に記載したものを使用することができる。色材層用溶液の塗布方法は、例えばスピンコート、スロットコート、ロールコート等の、通常の色材用溶液の塗布方法を使用することができる。溶液の塗布は、1回の塗布で画素部の色材層の膜厚が所定の値になる量で塗布を行う前述した第1の方法と同様にすることができる。
なお、インクジェット法で溶液を塗布する場合、ブラックマトリクスはインク充填の領域を規定するためのものでもあるので、樹脂BMの表面と同じ高さの色材層を形成することは、難しい。しかし、本発明の方式の場合、この制約がないので、樹脂BMの表面と色材層の表面を同じ高さ、またはそれ以上にすることができる。
また、樹脂BMが色材層用溶液に反発性を有する場合、色材層用溶液を塗布する際に、画素部(凹部)に気泡が混入しやすいが、これは、塗布後に真空(減圧)脱泡をすることによって、防止することができる。この真空脱泡は、溶剤の揮発を兼用することができる。
本第二の方法において、溶剤を揮発した後の工程は、予備加熱し、露光し、現像・水洗・乾燥して、さらに加熱硬化する。この時の加熱硬化は、2色目の色材層用の溶液を塗布した際に、溶解しない程度でよい。使用する感光硬化性樹脂組成物の種類によっては、予備加熱によっても2色目を塗布した際に溶解しないようにすることができる。その場合には、予備加熱によって溶解しないようにする。予備加熱は通常70〜120℃、5〜60分間である。
完全に加熱硬化(ポストベーク)するのは、3色目を形成した後でよい。次いで、1色目の色材層を形成した後、2色目の色材層用の溶液を塗布し、1色目と同様にして2色目を形成する。続いて同様に3色目を形成する。3色目を形成した後に、耐性を向上するために加熱硬化する。その条件は通常230〜250℃、10〜60分間である。以後は、後工程である透明導電膜の形成に進む。
本第二の方法においては、色材層の膜厚が薄く、色材層より樹脂BMが高くなっても、透明導電膜の断線や配向膜の損傷の原因にならない限り、構わない。断線等の原因になる場合には、色材層を加熱硬化した後に、段差を研磨によって除去する方法を用いて、樹脂BMの頂上の部分を研磨する。樹脂BMと色材層が接する部分の表面の断面形状は順テーパ状なので、透明導電膜の断線の原因にはなりにくい。
つぎに、本発明の請求項3に記載の研磨による方法について、以下に説明する。本方法は、色材層が画素部(凹部)だけでなく樹脂BM上を含めたカラーフィルタ表面全面を覆っている構造(図4(e)参照)のカラーフィルタを形成する場合に、特に好都合な方法である。この構造においても、色材層の厚さは3色同じなので、同じ厚さで所定の色濃度となるように色材含有量を調整した色材層用溶液を使用する。
特許文献9には、色材層がカラーフィルタ表面全面を覆っていて、さらにオーバーコート層が形成されている構造が開示されている。特許文献9に記載の構造は、開口率を高くするためブラックマトリクスの幅を狭くしても、色材層同士を重なり合うように形成することで、フォトリソグラフィ工程の位置精度を高くする必要がなくなり、実際的である。
しかし、この構造では、段差も重なってしまうので、ほぼ2倍の段差になる。この対策として、特許文献9では、オーバーコート層を形成している。しかし、本発明の目的である膜厚の厚い色材層を形成すると、特許文献9の構造では段差はより高くなり、オーバーコート層をさらに厚くする必要がある。
一方、研磨によって段差を除去し、カラーフィルタの色材層の表面を平坦にするとともに、所定の厚さにすることが本発明の請求項3に記載の方法である。しかし、研磨を行うと、カラーフィルタの中央領域と周辺領域とで膜厚に差が生じる。そのため、研磨の際にカラーフィルタの各部位を均一な厚さにするために、色材層が形成されている部分の外周部にダミーパターンを形成する、または/および治具を置いて構わない。
周辺領域が速く研磨されることは、研磨方法として、加圧板を使用して平面状の研磨する方法であっても、加圧ロールを使用して線状に研磨する方法においても同様に生じる。すなわち、周辺領域(研磨方向の両側、および開始部分、終了部分)は研磨時に圧力が中
央部領域より強くなるので、周辺領域の研磨量が中央領域の研磨量より多くなるためと推測される。
そのため研磨にあたり、予めダミーパターンを形成しておくこと、または、治具を設置して研磨を行うことが、研磨後に各部位が均一な厚さとなったカラーフィルタを得る上で好ましい。
平面状研磨、線状研磨のいずれにおいても、色材層は加熱硬化してあってもよいし、加熱硬化してなくてもよい。
ここで、本発明者らは、色材層は加熱硬化するにつれて研磨されにくくなることを、見いだした。そのため、色材層の加熱硬化の条件をカラーフィルタの周辺領域と中央領域とで変えることは、研磨量を周辺領域と中央領域とで同じにする上で好ましい。なお、研磨速度が変化する加熱硬化条件の範囲は、使用する感光硬化性樹脂組成物の種類によって異なるが、通常100〜250℃、5〜60分間である。
加熱条件を変える場合には、平面研磨の場合でも、線状研磨の場合でも、以下のような試行錯誤によって加熱条件を決定する。すなわち、まず、研磨速度と加熱硬化条件の関係をテストによって求める。また、実際に使用する研磨機を用いて、全面を同じ加熱硬化条件で硬化したテスト用カラーフィルタを研磨して、研磨条件(研磨圧力、研磨剤の種類、回転数・送り速度等)と、周辺部と内部の研磨むらとの関係を求める。この二つのデータを基に、基板の加熱条件(温度、温度分布、時間)を周辺部と内部でどのように変えるかを仮に定める。なお、周辺部と内部の間は連続的に加熱温度を変化させる。その仮の条件で加熱硬化したカラーフィルタを実際に研磨して研磨量を測定し、その結果を基に加熱条件を修正する。これを繰り返して、研磨で平坦で均一な厚さの色材層を得ることができる加熱条件、研磨条件を決定する。
基板の加熱条件を周辺部と内部で変えて加熱するには、周辺部の加熱温度を内部より高くすることができる構造のホットプレートを使用する方法、遮蔽板を使用して加熱部分を調節することができる構造の加熱ランプシステムを使用する方法が好都合である。
研磨の終点は、色材層の膜厚、または/および色濃度で決定する。色材層の厚さは、3〜10μmが通常好ましい。しかしそれ以上の厚さ、例えば20μm、にすることも可能である。
以下に、図4に基づいて、加熱条件を変えて研磨を行う方法の工程を説明する。図4(a)は先に説明したエッチングなどを用いた方法で樹脂BM2の開口部より露出した基板1部位に凹部を形成した状態である。また、図4(b)は、通常の組成、粘度の色材層溶液を使用し、通常のフォトリソグラフィ工程で、凹部における表面の高さが樹脂BMの表面より高い赤色色材層3’’(R)を形成した図である。ここで、樹脂BMに乗り上げる色材層の端部部分は、色材の端部同士が樹脂BM上で重なり合うよう、大きめにする。露光装置には、一般的な位置合わせ精度の機能を有するものを使用することができる。図5(c)は、同様にして2色目の青色色材層3’’(B)を形成した図である。
次いで、3色目3’’(G)を形成した後、加熱温度を場所場所で変えて、色材層3の加熱硬化を行う(図4(d))。色材層の加熱温度を領域毎に変える方法としては、領域毎に加熱温度を変えることができるホットプレートを使用したり、遮熱板を使用した赤外線ランプ加熱装置を使用したりする方法がある。
図5は、加熱温度を場所場所で変えることができるホットプレート9を使用して、カラ
ーフィルタ基板12上の色材層を加熱硬化している状態を模式的に示している。図5(a)は上から見た状態であり、(b)は側面から見た状態である。図中のa部がカラーフィルタ基板の中央領域、c部がカラーフィルタの周辺領域としている。すなわち、ホットプレート9表面の温度は、図5において、c部の温度よりb部の温度を下げ、b部の温度よりa部の温度を下げている。すなわち、温度がc>b>aの順になるよう加熱温度を下げている。すなわちカラーフィルタの中央部領域の温度が周辺領域より低くなるよう、周辺領域から中央部領域にかけて連続的に加熱温度が低下するように加熱するものである。
このように3色目を形成すると、樹脂BMは色材層に覆われた状態となる。また、色材層が重なった部分の厚さは、最大で色材層の厚さの2倍程度になる。この状態で基板内で加熱硬化状態を変えて加熱し、均一に研磨することができるようにする。なお、色材層の形成順序はいずれの色からでも構わない。
次いで、図4(e)は、平面状研磨、または、線状研磨により、研磨を終了した状態である。図4(e)では、樹脂BMの上に色材層を残した状態で研磨を終了させているが、樹脂BMの上に色材層が残らないよう樹脂BMが露出するまで研磨を行ってもよく、さらには、色材層とともに樹脂BMまでも研磨することであってもよい。また、上述した説明では、樹脂BM上で色材層の端部同士が重なる場合につき説明したが、色材層が樹脂BM上で重ならないように形成してもよい。
本発明者らは、加熱硬化した樹脂BMの研磨速度は、加熱硬化しない色材層の研磨速度より、少なくとも5分の1以下にすることができることを見出し、請求項4に記載の発明、すなわち樹脂BMの表面を研磨の際に研磨をストップさせうる面、すなわち、研磨ストップ面とする方法に到った。また、さらに研磨速度の比を高める方法について、後に示す方法を見いだした。
請求項4の発明は、研磨の終点を樹脂BMの表面とする際に有効といえる。そのために、研磨時に樹脂BMを色材層より硬くし、色材層樹脂BMの研磨速度を色材層の研磨速度より遅くする方法とした。なお、色材層の膜厚精度を高くするには、樹脂BMの膜厚精度を高くする必要がある。
以下に、図6に基づいて請求項4に係わる発明に関するカラーフィルタの製造方法を説明する。図6(a):まず、カラーフィルタ用基板1に樹脂BM2を形成する。この場合、樹脂BMは通常のフォトリソグラフィ工程で作成してもよいが、膜厚を高精度にする必要がある場合には、転写法によってもよい。また、樹脂BMは後の研磨工程で研磨速度が色材層より遅いことが望ましい。その方法の一つは、以下に説明する方法、すなわち樹脂BMを加熱硬化し、色材層は加熱硬化しない方法があげられる。
熱硬化により研磨耐性を上げ研磨ストップ層として使用することができる樹脂BM材料としては、通常の樹脂BMに使用される遮光性感光硬化性樹脂組成物を使用することができる。例えば、感光硬化性アクリル系樹脂、感光硬化性カルド系樹脂、感光硬化性ポリイミド系樹脂を使用することができる。これらの樹脂系は感光硬化性を持つと共に、加熱硬化性を有する。加熱硬化した際に鉛筆引っ掻き強度が4H以上のものが研磨耐性の点で好ましい。
なお、研磨耐性を上げたとしても、樹脂BMの厚さは、研磨によって若干膜厚が減少するので、形成する樹脂BMの厚さは、所定の遮光率が得られる厚さより、研磨による目減り分だけ厚くするのが、望ましい。
次に、樹脂BMを耐エッチング層として、樹脂BMの開口部より露出した基板部位を、
図3(b)で使用した方法と同様の方法でエッチングして、基板に凹部を形成する。凹部の深さは、研磨終了時の色材層の厚さが所定の色濃度となる深さとする。
図6(b):次いで、色材層用の赤色感光硬化性樹脂組成物の溶液を塗布し、溶剤を揮発して乾燥させ、色材層の膜3’(R)を形成する。色材層の膜厚は樹脂BMの膜厚より多少厚ければよい。塗布装置としては、スロットコート装置などの押出し塗布方式の装置よりも高速塗布が可能であり、また安価な、ロールコート方式やナイフコート方式の装置を使用することができる。
図6(c):通常のフォトリソグラフィ工程に従いパターン露光、現像を行い、色材層の硬化パターン3’’(R)を形成する。なお、硬化パターン3’’(R)の硬さは、2色目以降のパターンを形成した際に、硬化パターン3’’(R)が変形しない程度に硬化する。
図6(d):同様にして2色目、3色目の硬化パターン3’’(G)、3’’(B)を形成する。なお、硬化パターン3’’(G)、硬化パターン3’’(B)、の硬さは、硬化パターン3’’(R)と同程度とする。なお、図6では、各色の端部同士が樹脂BM上で重なっていないが、各色の端部同士が樹脂BM上で重なるように形成してもよい。
図6(e):次いで、色材層を、樹脂BMが露出するまで研磨する。図ではロールを使用した線状研磨としているが、オスカー式研磨機等を使用する平面的な研磨でもよい。研磨方法については後に述べる。研磨により膜厚を薄くする程度は、テストによって求め、得られた研磨条件で研磨して、色材層の厚さが所定の厚さになるようにする。
図6(h):研磨後、所定の条件のポストベークを行って、色材層、及び樹脂BMを加熱硬化して、耐久性を向上し、所望のカラーフィルタを得る。
研磨の方法は、一般的に公知の方法を使用することができる。なかでも、オスカー式研磨機を使用する方法が、カラーフィルタ用等の大型のガラス基板を研磨する際に一般的に使用されているので、好ましい。また、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)を製造する際のリブ研磨等に使用される研磨テープを使用するロール研磨機でもよい。また、乾式研磨でも、砥液を使用する湿式研磨であってもよい。仕上げ研磨には湿式研磨のほうが色材層の表面に傷の発生が少なく好ましい。
研磨を終了させるタイミングは、研磨液中に樹脂BMが研磨された黒色が検出されてから所定の時間を経過した時点とすることが、実際的である。
カラーフィルタの色材層には、通常のカラーフィルタに使用される色材層を使用することができる。例えば、感光硬化性アクリル系樹脂に着色材として顔料を分散させたものを使用することができる。
3色のパターンを形成した後に、裏面(ガラス基板側、カラーフィルタ基板面側)から露光して、色材層を感光硬化してもよい。この工程によって、カラーフィルタ基板に近い部分の色材層部位の硬化が進行し、研磨耐性が若干向上し、研磨によって色材層があまりに容易に研磨されることがなくなる。一方、裏面露光時に樹脂BMが露光光を遮光するので、樹脂BM上の色材層は裏面露光によっては硬化しない。
また、研磨耐性を上げるために飽和しない程度に若干のポストベークを行ってもよい。本発明の場合、色材層を飽和するまで熱硬化させてしまうと、樹脂ブラックマトリクスの硬度に近くなってしまい、色材層との硬度差が少ないので、研磨において、両者は同じよ
うに研磨されてしまう。そのため、樹脂ブラックマトリクスの硬度より低くなるように色材層のポストベークを行う必要がある。
色材層の研磨時の研磨耐性が色によって異なる場合、必要に応じて、感光硬化性樹脂分の種類や配合割合を調整して、各色材層の研磨耐性を一致させるのが好ましい。そのために例えば、ガラス転位点の異なる樹脂の配合割合を調整したり、多官能モノマーの配合割合を調整する。
本発明者は、樹脂BMを研磨ストップ層とするために、研磨に使用する研磨剤より硬度の高い材料の粉末を樹脂BM材に分散させることが有効であることを見いだした。分散させる粉末としては、研磨剤用の粉末が好ましい。なぜならば、粒度が均一で微細で、また研磨テープに使用する場合において樹脂に分散させる方法が検討されているためである。
そのなかで、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ、チタンブラック、カーボランダム(炭化珪素)、等の硬度の高いものを使用するのが好ましい。粒子の形状としては、角張っているものでなく滑らかなものが好ましい。粒度は細かく、均一であることが好ましく、研磨剤として使用される材料の中から選定するのが好ましい。
また、粒度としては1000番以上、できれば4000番以上が好ましい。分散量としては、樹脂分に対して10質量%程度以上が好ましい。
なお、粒子を添加した分、カーボンブラックの量が減り、その分だけ遮光性が低下するので、樹脂BMの膜厚を増やす必要がある。しかし、樹脂BMに分散させる耐研磨剤として、チタンブラック、四三酸化鉄、カーボランダム等の黒色の材料を使用すれば、カーボンブラックの分散量を低下させても、膜厚をそれほど増加させることなく所定の遮光率を維持することができる。中でも四三酸化鉄は磁気テープ用として検討されたので、樹脂への分散方法が開発されていて、また粒子径が微細で(1μm以下)で粒度が揃った材料を得ることが容易であり、好ましい。
上記の場合に使用する研磨剤のモース硬度は樹脂BMに分散させた材料のモース硬度より2以上、好ましくは3以上硬度が低い材料が、樹脂BMの研磨速度が遅くなるので好ましい。
次に、研磨について述べる。研磨ストップ層を使用して効果がある研磨方法は、研磨機構に何らかのクッション層があり、単に機械的な隙間によって規定される膜厚まで研磨してしまうことがない研磨方法である。例えばテープ研磨法、オスカー式研磨法等がある。使用する研磨機は図2(a)、(b)に示した構造のどちらでもよい。また、乾式でもよく、砥液や液体を供給しながら研磨する湿式でもよい。
色材層を研磨する量が多い場合、特許文献7に記載されているように、研磨機表面のうねりや、基板の厚さムラ(偏肉)による研磨ムラを減少させるための研磨パッドの下の柔軟層の影響で、画素内の色材層も研磨されてしまう。その対策として、柔軟層と研磨パッドの間に硬質フィルム層を入れることは有効といえる。この方法はオスカー式研磨機ついて開示された方法であるが、特許文献8に記載されているように、研磨テープを使用したロール式研磨装置についても、金属ロールの上に柔軟層を設け、さらに硬質フィルム層を設けても構わない。
研磨ストップ層としての樹脂BMが研磨抵抗性を発揮するのは、表面が少し研磨され、分散した硬度の高い材料が表面に出た時点である。通常、0.1μm程度研磨されるとその状態になる。従って、予めその分だけ膜厚の厚い樹脂BMを形成しておくことが好まし
い。
研磨剤としては、オスカー研磨機、テープ研磨機のいずれにおいてもほほ同じものを使用する。例えば、硬度が高く研磨速度が速いが、樹脂BMも多少研磨される研磨剤の材料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、カーボランダム、がある。しかしこれらの材料はガラス基板をも研磨できるし、ガラス基板に傷を付けることがあるので、取り扱いに注意が必要である。中程度の硬さの研磨剤としては、酸化クロム、ベンガラ、光明丹、酸化セリウムがあり、低硬度の研磨剤としては、ヒュームドシリカ、炭酸カルシューム、タルク、桐炭、がある。樹脂BM、色材層の硬度、研磨速度、研磨条件などに応じて、これらを適宜使い分ける。
研磨剤の粒度としては、粗いほど(大きいほど)研磨速度が上がり、目詰まりも少ないが、研磨後の表面は粗くなる。一方、研磨剤の粒度が細かいと研磨速度が下がり研磨速度は遅くなるが、研磨後の表面の平滑性が高くなる。そのため、荒削り(粗研磨)には200〜400番の粒度のものを用い、仕上げには1000番以上、好ましくは2000番以上の粒度のものを使用するよう、工程により使い分けることが好ましい。
なお、研磨を、粗研磨と仕上げ研磨との2段階で行うことが都合の良い場合がある。例えば、BMの厚さが厚く、段差が大きくなり研磨量が大きい場合、または、色材層と樹脂BMの研磨(磨耗)量の比が5:1に近い場合である。
2段階で研磨する場合には、最初の粗研磨にはオスカー式研磨機を使用して全面研磨をすることが研磨速度を速く出来、研磨に要する時間を短縮できるので好ましい。粗研磨は基本的には樹脂BMの上面が露出する前に終了するようにする。この場合、樹脂BMと色材層の研磨(摩耗)速度の相対比が1:5程度であれば十分である。なお、この比は、場合によっては1:3程度であってもよい。研磨剤としては、硬度が高く、研磨剤としての寿命が長いアルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ等を使用すれば研磨速度を速くできる。
次いで、仕上げ研磨は、テープ式研磨機で研磨すると、研磨厚さを調節することができるので好ましい。樹脂BMと色材層の研磨速度の相対比は少なくとも1:5、望ましくは1:10程度が、樹脂BMの研磨量が少ないので好ましい。また、3色の色材層の研磨速度の相対比が1.0〜1.1の範囲に入るように、研磨剤の種類、研磨条件を制定する。研磨剤としては、硬度が低くカラーフィルタの表面にスクラッチ傷が発生せず、研磨速度の相対比が大きくなる材料、例えば炭酸カルシューム、酸化セリウム、ソフトシリカ、ベンガラ、光明丹、桐炭、を使用することが好ましい。
<実施例1>
前述した請求項1の第一の方法によって、色材層の厚さ6μmのカラーフィルタを形成する例について、図3に基づいて以下に説明する。
(黒色感光硬化性樹脂組成物の調製)
ブチルメタクリレート50部、メチルメタクリレート30部、メタクリル酸20部からなるアクリル樹脂の30%エチルセロソルブ溶液100gに対して、カーボンブラック10g、黄色顔料(BASF社製:「パリオトールイエローL1820」)10g、青色顔料(BASF社製:「ヘリオゲンブルーL6700F」)10g、紫色顔料(東洋インキ製造(株)製:「リオノゲンバイオレットRL」)10g、分散剤として(ゼネカ(株)製「ソルスパース#5000」)を5g加えて3本ロールで十分混練して黒色樹脂組成物を作成した。
次に、この黒色樹脂組成物100gに対して、光重合性モノマーとして、東亜合成(株)製:「アロニクスM310」を15g、光重合開始剤としてチバガイギー社製:「イルガキュア907」を5g加えて、エチルセロソルブで固形分20%になるように希釈して黒色感光硬化性樹脂組成物溶液(樹脂BM用溶液)とした。
次に、3色の色材層用の感光硬化型樹脂組成物を下記の手順で調製した。
(赤色顔料分散液の調製)
C.I.Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッドB−CF」)18質量部、C.I.Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)2質量部、アクリルワニス(固形分20質量%)108質量部を混合し、均一に攪拌した後、ガラスビーズを用いてサンドミルで5時間分散し、メッシュ目5.0μmフィルターでろ過して赤色顔料分散液を調製した。
(緑色顔料分散液の調製)
C.I.Pigment Green 36(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK6」)16質量部、C.I.Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエローY−5688」)8質量部、アクリルワニス(固形分20質量%)102質量部を混合し、赤色顔料分散液と同様にして緑色顔料分散液を調製した。
(青色顔料分散液の調製)
C.I.Pigment Blue 15(東洋インキ製造社製「リアノールブルーES」)50質量部、C.I.Pigment Violet 23(BASF社製「バリオゲンバイオレット5890」)2質量部、分散剤(ゼネカ社製「ソルスバース20000」)6質量部、アクリルワニス(固形分20質量%)200質量部を混合し、赤色顔料分散液と同様にして青色顔料分散液を調製した。
(赤色感光硬化性樹脂組成物の調製)
赤色顔料分散液:所定の膜厚で所定の色濃度になる量
(実施例1では6μm、実施例2では8μm、実施例3では4μmで所定の色濃度になる量)
モノマーTMP3A/大阪有機化学工業社製:13質量部
開始剤Irgacure907/チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:4質量部
増感剤EAB−F/保土ヶ谷化学社製:2質量部
溶剤シクロヘキサノン:257質量部
上記の材料を均一になるように混合攪拌した後、メッシュ目5μmのフィルターでろ過して赤色感光硬化性樹脂組成物を得た。
(緑色感光硬化性樹脂組成物の調製)
緑色顔料分散液:所定の膜厚で所定の色濃度になる量
(実施例1では6μm、実施例2では8μm、実施例3では4μmで所定の色濃度になる量)
モノマーTMP3A/大阪有機化学工業社製:14質量部
開始剤Irgacure907/チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:4質量部
増感剤EAB−F/保土ヶ谷化学社製:2質量部
溶剤シクロヘキサノン:257質量部
上記の材料を均一になるように混合攪拌した後、メッシュ目5μmのフィルターでろ過
して緑色感光硬化性樹脂組成物を得た。
(青色感光硬化性樹脂組成物の調製)
青色顔料分散液:所定の膜厚で所定の色濃度になる量
(実施例1では6μm、実施例2では8μm、実施例3では4μmで所定の色濃度になる量)
モノマーTMP3A/大阪有機化学工業社製:19質量部
開始剤Irgacure907/チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:4質量部
増感剤EAB−F/保土ヶ谷化学社製:2質量部
溶剤シクロヘキサノン:214質量部
上記の材料を均一になるように混合攪拌した後、メッシュ目5μmのフィルターでろ過して青色感光硬化性樹脂組成物を得た。
(BMの形成)
上記の樹脂BM用溶液をガラス基板(コーニング社製:「7059」厚さ1.1mm)上に、1000rpmで10秒間スピンコートし、クリーンオーブンを用いて90℃で30分間プリベークした。
次いで、線幅10μm、縦ピッチ100μm、横ピッチ300μmのブラックマトリクスパターンのフォトマスクを透明基板の黒色樹脂組成物側に密着させ、超高圧水銀灯を用いて200mJ/cm2 で露光した後、炭酸ナトリウムの1%水溶液に60秒間浸漬して現像し、さらにクリーンオーブンを用いて230℃で60分間のポストベークで加熱硬化し、図3(a)に示すように、ガラス基板1上に樹脂BM2を得た。得られた樹脂BMの膜厚は3.0μmであり、透過率は0.01%以下、反射率は0.8%であった。
(凹部の形成)
次に、このガラス基板を液温23℃に制御した緩衝フッ酸(橋本化成(株)製:「LAL800」)に30分間浸漬し、上記の樹脂BM2を耐エッチングマスクとしてガラス基板をエッチングし、図3(b)に示すように基板1に凹部を形成した。得られた凹部の深さは3.0μmであった。
(画素着色層の形成)
ブラックマトリクスを形成した基板に上記の赤色感光硬化性樹脂組成物(厚さ6μmで所望する色濃度となるように調製したもの)をポストベーク後の膜厚が6.0μmになるようにスピンコータを使用して塗布して乾燥させた。この塗膜をホットプレートを使用して、90℃で20分間プリベークして、図3(c)に示すように、厚さ6.2μmの色材層の膜3’(R)を得た。次いで、その上にポリビニルアルコールの水溶液を塗布し乾燥して、酸素遮断用の膜厚10μmのポリビニルアルコールの膜を形成した(図示せず)。
次に、画素部形成用の所定のパターンを有するフォトマスク7を用い、光源に超高圧水銀光灯ランプを用いて、ガラス基板側から所定の光量を露光8し、図3(d)に示すように、所定の部分を光硬化して3’’(R)とした。
次いで、所定のアルカリ系の現像液でポリビニルアルコール膜を溶解除去するともに、未硬化部分を溶解除去し、図3(e)に示すように、赤色色材層3’’(R)を得た。このようにして作成した赤色色材層3’’(R)を有するガラス基板をクリーンオーブン中で100℃で5分間加熱処理して赤色色材を部分硬化させ、赤色色材上に別の色の色材層溶液を塗布しても赤色色材が溶解しないようにした。
図3(f):次ぎに、上記の緑色色材層用溶液(厚さ6μmで所望する色濃度となるよ
うに調製したもの)及び、青色色材層用溶液(厚さ6μmで所望する色濃度となるように調製したもの)を使用して、赤色色材層と同様にして、厚さ6.0μmの緑色色材層3’’(G)、及び、厚さ6.1μmの青色の3’’(B)を得た。このようにして作成したカラーフィルタ基板は、樹脂BM上に角(ツノ)状の色材の突起が発生していた。
次いで、研磨機を使用して、3色の色材の厚さの相違による段差と角(ツノ)状となった色材の突起部分を研磨して除去し、図3(g)に示すように表面平坦としたカラーフィルタを得た。研磨にあたっては、オスカー式研磨機を使用し、研磨剤は酸化セリウムの平均粒径0.5μmとした。なお、研磨は予め行った予備実験により決定した、樹脂BM部は研磨されず、色材層が研磨される条件で行った。その後、クリーンオーブンを使用して、230℃30分間のポストベークで色材層を加熱硬化し、カラーフィルタを作成した。
次いで、カラーフィルタ表面に透明導電膜として厚さ0.2μmのネサ膜を公知のスパッター法で形成し、図7(a)に示したものを得た。そして、このカラーフィルタ基板を使用して作成したTN型液晶表示装置は、従来発生していた、段差による問題点、すなわち透明導電膜の断線や、角状突起による液晶の配向不良がない、表示品質が良好な液晶パネルであった。
<実施例2>
本発明の他の実施例につき、図5に基づいて以下に説明する。なお、本実施例では、色材層の設計厚さを8μmとしたが、この厚さは、研磨の終了時点で所望する色濃度(分光曲線の透過率)が得られる厚さとして決定した。
上述した実施例1と同様にして幅6μm、厚さ3μmの樹脂BM2を形成後に基板にエッチングを行い、図4(a)に示すように、基板1に凹部を作成した。本実施例では、エッチング時間を長くして、凹部の深さを6.0μmとした。
次いで、このガラス基板上に上記の赤色色材層用の赤色感光硬化性樹脂組成物(厚さ8μmで所望する色濃度となるように調整したもの)をロールコータを使用して塗布し、ホットプレートを使用して90℃で20分間プリベークして厚さ約9μmの色材層の膜を作成し、通常のカラーフィルタの製造に使用されるフォトマスクと露光装置を使用して露光した。次いで、所定の条件で現像し、図4(b)に示すように、赤色色材層3’’(R)を得た。なお、樹脂BMの幅が6μmと狭いので、色材層は樹脂BMの幅の半分を超えて形成されていた。すなわち、赤色色材層3’’(R)の端部は、樹脂BMの幅の半分以上を被覆していた。
次いで、クリーンオーブン中で100℃で5分間加熱処理して、赤色色材を部分硬化させ、赤色色材層上に他の色の色材層溶液を塗布しても、赤色色材層が溶解しないようにした。
次いで、上述した赤の工程と同様にして、上記の青色感光硬化性樹脂組成物(厚さ8μmで所望する色濃度となるように調整したもの)を使用して厚さ約9μmの青色色材層3’’(B)を形成し、さらに上記の緑色感光硬化性樹脂組成物(厚さ8μmで所望する色濃度となるように調整したもの)を使用して厚さ約9μmの緑色色材層3’’(G)を形成した(図4(c)、(d))。
なお、樹脂BMの幅が6μmと狭いので、各色材層は樹脂BMの幅の半分を超えて形成されていた。すなわち、各色材層の端部は、樹脂BMの幅の半分以上を被覆していた。そのため、各色材層は、樹脂BM上で重なり合っていた。
次いで、図4(d)に示すように、ホットプレート9の上に基板を置き、加熱を行った。この時、図5に示すように、基板周辺領域から内部領域にかけて加熱温度が低下するようにして加熱した。基板の各部位への加熱温度は、予め予備テストで求めた所定の条件としたもので、色材層の研磨速度が、基板の周辺領域でも内部領域でも均一になるようにした。すなわちホットプレートは、図5に示すように各部位で加熱温度を変えることができるものを使用した。
なお図4(d)は、色材層を場所場所で加熱温度を変えて、加熱硬化している状態を模式的に示しているもので、図4(d)では、説明の都合上、数画素分の図示しかしていないが、実際には、図5のように、カラーフィルタの周辺領域の温度が高く、カラーフィルタの中央部領域の温度が周辺領域より低くなるよう、周辺領域から中央部領域にかけて連続的に加熱温度が低下するように加熱するものである。
次いで、上述した実施例1と同様にオスカー式研磨機で研磨し、図4(e)に示すように、表面が平坦となったカラーフィルタを得た。その際、本実施例においては、研磨すべき層の厚さが約1μmと厚いので、2段階に分けて研磨した。第一段階は、研磨粒としてアルミナの粒度1000番を使用して研磨速度を速め、約0.9μm研磨した。その時点で、色材層の色濃度を微少分光光度系を使用して測定し、次に研磨すべき量を求めた。第二段階の研磨は研磨粒として炭酸カルシュームの4000番を使用して、表面に傷がつかないようゆっくり研磨した。研磨終了後、色濃度が所定範囲に入っていることを測定して確認してから、ホストベークによって色材層を加熱硬化し、目的のカラーフィルタを得た。
<実施例3>
本発明のその他の実施例につき、図6に基づいて以下に説明する。本実施例では、樹脂BMの黒色顔料として酸化鉄の微粒子を添加したものを使用し、研磨ではテープ研磨機を使用した。また、色材層の設計厚さを4μmとした。
まず、樹脂BM用組成物として、ブチルメタクリレート50部、メチルメタクリレート30部、メタクリル酸20部からなるアクリル樹脂の30%エチルセロソルブ溶液100gに対して、カーボンブラック10g、黄色顔料(BASF社製:「パリオトールイエローL1820」)5g、青色顔料(BASF社製:「ヘリオゲンブルーL6700F」)5g、紫色顔料(東洋インキ製造(株)製:「リオノゲンバイオレットRL」)5g、黒色酸化鉄顔料(C.I.ピグメントブラック26)15g、分散剤として(ゼネカ(株)製「ソルスパース#5000」)を5g加えて3本ロールで十分混練して作った黒色樹脂組成物を作成した。
次に、この黒色樹脂組成物100gに対して、光重合性モノマーとして、東亜合成(株)製:「アロニクスM310」を15g、光重合開始剤としてチバガイギー社製:「イルガキュア907」を5g加えて、エチルセロソルブで固形分20%になるように希釈して黒色感光硬化性樹脂組成物溶液(樹脂BM用溶液)とした。
次いで、上記の樹脂BM用溶液を使用し、上記実施例1と同様にしてガラス基板上に幅10μm、厚さ3μmの樹脂BM2を形成し、次に、樹脂BM2を耐エッチング層としてガラス基板にエッチングを行い、図6(a)に示すように、深さ1μmの凹部を形成した。
次いで、上述した実施例1と同様にして、上記の赤色色材層用溶液(厚さ4μmで所望の色濃度となるように調整したもの)を使用して、厚さ4.5μmの赤色色材層の硬化パターン3’’(R)と、上記の緑色色材層溶液(厚さ4μmで所望の色濃度となるように
調整したもの)を使用して厚さ約4.1μmの緑色色材層3’’(G)と、上記の青色色材層用溶液(厚さ4μmで所望の色濃度となるように調整したもの)を使用して厚さ約4.3μmの青色色材層3’’Bを形成した(図6(b)、(c)、(d)参照)。
本実施例では、いずれの色材層も樹脂BMの上で他の色の色材層と重ならないように形成したが、色材層同士が樹脂BM上で重なっていてもよい。
次いで、図6(e)に示すように、ロール式研磨機を使用し、ポリエステルベース研磨テープ10で、所定の条件で2回研磨して、色材層を樹脂BM2の表面まで研磨した。ここで所定の条件とは、予め行った研磨テストによって設定した、色材層が研磨むら、研磨傷なしに研磨できる範囲でできるだけ研磨速度が速い条件(砥粒の種類と粒度、テープ送り速度、基板移動速度、研磨圧力)をいう。
1回目の研磨は粗研磨とし、2000番のジルコニアを砥粒とする研磨テープを使用し色材層の厚さが約4.1μmになるまで研磨した。2回目の研磨は5000番の炭酸カルシュームを砥粒とする研磨テープを使用し、色材層の表面が樹脂BMの表面と一致するまで研磨した。なお、2回目の研磨の条件では、樹脂BMは研磨されないことを、研磨テストで確認している。最後にポストベークして色材層を加熱硬化して、樹脂BMの表面まで色材層を研磨して表面を平滑にしたカラーフィルタを得た。
図7(b)は、IPS方式の液晶表示装置に使用するために上記実施例3で形成したカラーフィルタにオーバーコート層、透明導電膜、配向膜を形成した状態を示す図である。オーバーコート層は表面を平坦にするために形成したのではなく、IPS方式では、色材層や樹脂BMの電気的特性が問題になるので、その影響をなくすために形成している。そのため、厚さ2μmで十分であった。
従来構成のカラーフィルタの説明図 色材層を形成したカラーフィルタ基板の研磨方法の説明図 本発明請求項1における第一のカラーフィルタ作成方法の説明図 本発明請求項2におけるカラーフィルタの作成方法の一例の説明図 ホットプレートによるカラーフィルタ基板の部分加熱方法の説明図 本発明請求項3、4によるカラーフィルタの作成方法の説明図 本発明によるカラーフィルタに透明導電膜等を形成して液晶表示装置用とした構造の例
符号の説明
1…カラーフィルタ用基板
2…黒色感光硬化型樹脂組成物によるブラックマトリクス(樹脂BM)
3(R)、3(G)、3(B)…色材層(加熱硬化後)
3’(R)、3’(G)、3’(B)…色材層用塗布膜(露光硬化前)
3’’(R)、3’’(G)、3’’(B)…色材層(露光硬化後)
4…オーバーコート層
5…透明導電層
6…配向膜
7…フォトマスク
8…露光光
9…ホットプレート
10…研磨テープ
11…砥粒
12…カラーフィルタ基板
13…(角状)突起
14…ロール

Claims (4)

  1. 所定の開口パターンを有する黒色感光性樹脂組成物からなるブラックマトリクスと、前記ブラックマトリクスの開口部に形成された、所定の色の着色感光性樹脂組成物からなる色材層とを透明基板上に形成したカラーフィルタにおいて、
    前記ブラックマトリクスの開口部に露出している透明基板部位に凹部を形成し、前記色材層は前記凹部を充填するよう前記凹部の底部から形成することで、前記色材層に所定の分光特性を与えるため前記色材層の膜厚を厚くし、色材層表面をブラックマトリクス表面よりも突出させても、前記色材層表面と前記ブラックマトリクス表面とで生じる段差を低減させたことを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 所定の開口パターンを有する黒色感光性樹脂組成物からなるブラックマトリクスと、前記ブラックマトリクスの開口部に形成された、所定の色の着色感光性樹脂組成物からなる色材層とを透明基板上に形成したカラーフィルタであって、
    所定の開口パターンを有する黒色感光性樹脂組成物からなるブラックマトリクスを形成後に、前記ブラックマトリクスの開口部に露出している透明基板部位に凹部を形成する工程、色材層を前記凹部を充填するよう前記凹部の底部から形成する工程とを少なくとも有する請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 色材層を形成する際、色材層の表面をブラックマトリクス表面より高く形成し、色材層表面とブラックマトリクス表面とを表面平滑になるまで研磨することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 研磨時のブラックマトリクスの研磨速度を色材層の研磨速度より遅くしたことを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタの製造方法。
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