JPH0545512A - 液晶表示装置用カラーフイルターおよびその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置用カラーフイルターおよびその製造方法

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JPH0545512A
JPH0545512A JP20288691A JP20288691A JPH0545512A JP H0545512 A JPH0545512 A JP H0545512A JP 20288691 A JP20288691 A JP 20288691A JP 20288691 A JP20288691 A JP 20288691A JP H0545512 A JPH0545512 A JP H0545512A
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liquid crystal
thickness
color filter
color
layer
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JP20288691A
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Takeyuki Dokou
武行 土公
Takehiko Ishida
武彦 石田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表示色毎に液晶層の厚さを正確に形成するこ
とができるカラーフィルター。 【構成】 カラーフィルター基板上に形成した着色画素
上に形成した保護層の表面をポリッシングによって平滑
化した後に、各着色画素の色毎に厚さの異なる透明樹脂
層を形成し、液晶層の厚さを光の波長に合わせて極めて
正確に設定することができるカラーフィルター。 【効果】 表示色に応じて液晶層の厚さを正確に設定す
ることができるので、コントラストを向上することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶表示装置に用い
られるカラーフィルターおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置に用いられるカラーフィル
ターは、透明基板上に赤(R)、緑(G)、青(B)の
各画素を規則正しく配列し、さらにこれら各画素の周囲
には光遮蔽するため黒色の合成樹脂組成物、金属蒸着膜
等でブラックマトリックスを形成して、各画素のコント
ラストを向上する工夫が成されている。
【0003】カラーフィルターの着色画素部分は、染色
法、顔料分散法、電着法、印刷法等の方法によって形成
されているが、一般には1〜数μmあるいは製造方法に
よっては数十μmの凹凸を有している。これらの凹凸を
平滑化して、液晶表示装置の一方の駆動用電極となるカ
ラーフィルター上に形成する透明導電性膜を安定な状態
で形成するために、着色画素上には保護層が設けられて
いる。保護層の材料としては、合成樹脂組成物が一般に
使用されており、より優れた平滑性を得るために種々の
材料開発、研究が行われている。
【0004】カラーフィルターの着色画素部分が、染色
法、顔料分散法、電着法等で形成されているものは表面
凹凸が小さい。これらの方法では、フォトリソグラフィ
ーや電着によって薄膜が形成されるので、着色画素が完
成した時点で凹凸は1〜数μm以内であり、保護層を塗
布することで0.2〜0.5μm以下の平滑性を得るこ
とが容易である。しかしフォトリソグラフィー法を多用
するためにコストが廉価にならない欠点がある。
【0005】カラーフィルターの着色画素部分が、印刷
法で形成できればコスト面で非常に有利と思われる。し
かし印刷法で色部分を形成できる技術はオフセット印刷
あるいはスクリーン印刷であり、印刷時に混入するゴミ
異物を考慮すると表面凹凸は数μm以上に達することが
通常である。
【0006】以上の如くカラーフィルターの製造方法を
比較すると印刷法が最も廉価に製造できる可能性を有し
ているが、表面凹凸が大きく高性能なカラーフィルター
は製造できない。またインキ材料中のゴミや異物はイン
キの粘度が大きく濾過が不可能であるために、印刷時の
ゴミや異物の混入によって高さの異常個所の発生が多
く、平滑化工程の採用でようやく実用化されるようにな
ってきた。しかも印刷法によるカラーフィルターはイン
キベース材料、顔料、保護層樹脂を選択することによっ
て高耐熱性を有するカラーフィルターを実現できる可能
性がある。
【0007】液晶表示装置は2枚のガラス基板をわずか
4〜6μmの間隙を設けて貼り合わせて、液晶材料を注
入した構造となっており、カラーフィルターに対向する
ガラス基板は、液晶駆動用の薄膜トランジスタ(以下T
FTと称す)等が縦横に配置されており、バックライト
で白色光を照射している。そして、TFT側の各画素の
電極とカラーフィルター側の透明電極に電圧を印加しな
いときに光が通過できる動作条件(ノーマリーホワイ
ト)もしくは逆に透明電極にで電圧を印加しないときに
は光が透過できない動作条件(ノーマリーブラック)に
よって使用されている。ノーマリーホワイトの動作条件
の場合には、電圧を印加しない場合に透過する光量を電
圧を印加して光を遮断しても漏れてくる光量で除した値
がコントラストとして表現されるが、電圧を印加して液
晶によって光を遮断しようとしても光は様々な要因によ
って漏れてくることが解明されている。その一因とし
て、光の波長によって液晶の透過率が異なる点、および
液晶層の厚みの問題が挙げられる。すなわち、液晶層を
通過する光は液晶の種類および液晶層の厚さによって変
化し、液晶材料が決まれば透過光量が零になる液晶層厚
が一義的に決まるが、液晶層の厚みの違いや入射光の波
長の違いによって透過する光量が変化する。これは一般
にTFT基板を使用した液晶表示装置に使用されている
TN液晶は、その複屈折が波長によって異なるためであ
る。
【0008】こうした問題を解決するために、波長依存
性の小さい液晶材料の開発とともに、液晶層の厚みを
R、G、Bの各色毎に変化させるために着色画素上に厚
みの異なるレリーフを設けたり、R、G、B各色毎に着
色画素の厚みを変えることなどが行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】カラー液晶表示装置
は、近年パーソナルコンピュータ等の表示用として大型
の装置が作られるようになり、画素の数が多い高精細度
型の要求も高まっており、表示品質の優れた装置の開発
が要望されている。
【0010】表示品質の向上のために、着色画素上に液
晶層の厚みを各色毎に異なるものとするために着色画素
上、あるいは着色画素上の透明保護層上に各色毎に厚さ
の異なるレリーフを形成する方法では、十分な効果を得
ることができなかった。これは、いずれの方法によって
形成した着色画素でも厚みが数μm程度の凹凸を有して
いるためにレリーフの高さを正確に形成しても液晶層の
厚みを正確に所定の厚みとすることができなかった。
【0011】また、着色画素自体の厚みを色毎に異なる
厚みとする方法においても、所定の厚みの着色画素を正
確に形成することは困難であるので、得られる液晶層の
厚みには数μm程度の誤差が生じ、精度の高いカラー液
晶表示装置を得ることができなかった。
【0012】本発明は、液晶層の厚みを極めて高精度に
調整することができるカラーフィルターおよびその製造
方法を提供することを目的とし、とくに、コントラスト
を飛躍的に向上した、特にTFT用の大型カラーフィル
ターの高性能化を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、カラー液晶表
示装置用のカラーフィルターにおいて、ブラックマトリ
ックスを形成した透明基板上に、着色画素を形成し、着
色画素上に保護層を形成し、次いで得られた保護層を研
磨粒子を用いて充分に平滑化し、平滑化した保護層上に
R、G、Bの少なくとも1色に対応した位置に透明樹脂
のレリーフを形成したものであり、下部の色部分に対応
して平滑化保護層上に厚みの異なる透明樹脂のレリーフ
を形成し、カラーフィルターが液晶表示装置に組み立て
られたときに液晶層の厚みを光の波長に応じて調整しコ
ントラストを向上するものである。
【0014】カラー液晶表示装置においては、一般的な
特性の液晶を使用した場合には液晶層厚がR(赤)>G
(緑)>B(青)の条件を満足させるために、0.5〜
0.8μmの段差を各色毎に再現性よく形成しなければ
ならない。そこで、本発明では透明基板上に、ブラック
マトリックスおよびR、G、Bの着色画素を形成し、さ
らに保護層を塗布してから、十分な平滑面を得るために
保護層を研磨粒子を用いて平滑化処理を施した後に感光
性透明樹脂層を所望の厚さに塗布して露光、現像を行
い、保護層下部の色部分に対応した位置の保護層上に色
に応じた厚みの透明樹脂のレリーフを形成することを特
徴としている。
【0015】着色画素の三色の色部分に対応して液晶層
厚がR(赤)>G(緑)>B(青)の条件を満足するた
めには、R(赤)の部分には透明樹脂層は形成せず、G
(緑)とB(青)色部分に対応してレリーフを形成すれ
ばよいことになる。保護層に平滑カラーフィルター処理
を施した後に感光性透明樹脂層を所望の厚さに塗布して
露光する際にB(青)色部分とG(緑)色部分の露光量
を調整することで、現像時の残膜率の差異を利用して簡
便な製造工程で高コントラストを有するカラーフィルタ
ーの製造ができる。
【0016】したがって本発明によれば各色部分に対応
してカラーフィルターの着色層上に任意の厚みの透明樹
脂層を形成することが可能となり、その結果カラー液晶
表示装置を形成した場合に、着色画素の色に応じた液晶
層の厚みを設定することができ、高性能なカラー液晶表
示装置を提供することができる。
【0017】
【作用】本発明は、透明基板上にブラックマトリックス
を形成した後に、R、G、Bの着色画素を形成し、次い
で保護層を形成した後に、保護層に平滑化処理を施し、
平滑面を得てから感光性透明樹脂を所定の厚さに塗布
し、下部の着色画素の各色に対応して露光、現像するこ
とにより、着色画素に応じた厚みの異なる透明樹脂のレ
リーフを形成することを特徴としており、下部の着色画
素に対応した高さの透明樹脂のレリーフを形成したカラ
ーフィルターの製造が可能である。また本発明を適用す
ることができる着色画素の製造方法は、染色法、顔料分
散法、電着法、印刷法等のいずれの方法であっても保護
樹脂層表面は平滑化処理によって、ほぼ完全な平滑面が
得られるので液晶層の厚さを所定の大きさに設定したカ
ラーフィルターの製造が可能である。
【0018】
【実施例】本発明を図面を参照して説明すると、図1
は、本発明のカラーフィルターの製造工程を示したもの
であるが、ガラス基板などの透明基板1上に金属クロム
等の金属、あるいはカーボンブラック、四三酸化鉄等の
顔料を混合した合成樹脂組成物からなるブラックマトリ
ックス2を形成する(図1(a))。次いで、顔料分散
法等の方法によって、R、G、Bの各色からなる着色画
素3を形成し(図1(b))、着色画素上には感光性樹
脂組成物の塗布膜を形成して露光し、保護層4を形成す
る(図1(c))。形成した保護層の表面は凹凸を有し
ているので、研磨材を使用して表面を平滑にする(図1
(d))。
【0019】研磨材によって平滑化した保護層上に感光
性透明樹脂層5を形成し(図1(e))、プリベークし
た後に露光と現像を行い各色毎に厚みの異なる透明樹脂
のレリーフ6を形成する(図1(f))。なお、透明樹
脂層の厚みは最も液晶の厚みを大とする色の部分には形
成しないようにして、他の色についてのみ厚みの異なる
レリーフ6を形成すことにより製造工程を簡単にするこ
とができる。形成した透明樹脂層上には、ITO膜7を
スパッタリングによって形成し、カラー液晶表示装置の
一方の透明電極とする。
【0020】そして、着色層上に形成する保護層として
光重合性アクリレートオリゴマーに一つの分子内に複数
の官能基を有する多官能光重合性アクリレートモノマー
を添加した感光性アクリル樹脂、光重合性アクリレート
オリゴマーとエポキシ樹脂との混合物に多官能光重合性
アクリレートモノマーを添加した感光性樹脂、エポキシ
アクリレートの一部のアクリレート基がエポキシ基であ
る光重合性アクリレートオリゴマーに多官能光重合性ア
クリレートモノマーを添加した感光性樹脂を使用したこ
とにより、橋かけ度を高めて剛直で硬度が大きい膜質と
である保護層が得られ、保護層上に厚い透明電極を形成
してもクラックやしわが発生せず、隣接する着色画素の
間に凹部が形成されたり、着色画素上に凹凸が形成され
ても、凹凸部に対応した位置の保護層の表面の凹凸はき
わめて小さくなり、表面の凹凸がきわめて少ない平坦性
の良好な保護層が得られる。
【0021】本発明のカラーフィルターの保護層に使用
可能な上記の光重合性アクリレートオリゴマーとして
は、分子量1000〜2000程度のものが好ましく、
ポリエステルアクリレートまたは、フェノールノボラッ
クエポキシアクリレート、o−クレゾールノボラックエ
ポキシアクリレート等のエポキシアクリレートあるい
は、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレ
ート、オリゴマアクリレート、アルキドアクリレート、
ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート、オリ
ゴマーのアクリレート基の一部をエポキシ基としたもの
をあげることができる。
【0022】また、光重合性樹脂組成物中に混合するこ
とができるエポキシ樹脂としては以下に化学構造式1で
示すフェノールノボラック型のエポキシ樹脂あるいは化
学構造式2で示すクレゾールノボラック型のエポキシ樹
脂をあげることができる。
【0023】
【化01】
【0024】エポキシアクリレートのアクリレート基の
一部をエポキシ基としたアクリレートオリゴマーを用い
る場合には、オリゴマー中のエポキシ基とアクリレート
基の割合は樹脂が紫外線で硬化する条件としてエポキシ
基をオリゴマー中10重量部〜40重量部とすることが
好ましい。
【0025】エポキシアクリレートをグリシジルエーテ
ルとアクリル酸の反応によって製造する場合にはこの前
駆体のエポキシ基を残留するようにすることによって製
造することができる。以下にこのようなオリゴマーの一
例を示す。
【0026】
【化02】
【0027】多官能光重合性アクリレートモノマーとし
ては、1,4ブタンジオールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0028】また、光重合性アクリレートモノマーある
いはオリゴマーにカルボキシル基等の酸性基をもたせる
とアルカリ水溶液によって現像することが可能となるの
で、有機溶剤による現像に比べて取り扱い、および廃液
処理が容易となり、経済性および安全性の面で好まし
い。
【0029】さらに光重合性樹脂中に開始剤としてベン
ゾフェノンあるいは、イルガキュアー184、イルガキ
ュアー907、イルガキュアー651(いずれもチバガ
イギー社商品名)、ダロキュアー(メルク社商品名)な
どを固形分比1〜3%程度添加してもよい。
【0030】さらに、エポキシ硬化剤としてアリールジ
アゾニウム塩の様な光カチオン触媒を添加するが、アミ
ン類のエポキシ硬化剤は樹脂の黄変性の問題があるので
好ましくない。
【0031】また、前記樹脂組成物の塗布前にシランカ
ップリング剤を透明基板に塗布あるいは前記樹脂組成物
中に添加する場合には、多くの市販のシランカップリン
グ剤を使用することにより接着強度を大きくすることが
可能であるが、とくにγ−(2アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン等を使用することが好ましい。
【0032】とくに好適な光重合性アクリレートオリゴ
マー、エポキシ樹脂、多官能性光重合性モノマーの配合
比例は以下のとおりである。
【0033】配合比例1 フェノールノボラックエポキシアクリレート …60% トリメチロールプロパントリアクリレート …17% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …20% イルガキュアー184 … 3% 配合比例2 o−クレゾールノボラックエポキシアクリレート …60% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …38% イルガキュアー184 … 2% 配合比例3 ポリウレタンアクリレート …50% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …48% イルガキュアー651 … 2% 配合比例4 メラミンアクリレート …70% トリメチロールプロパントリアクリレート …27% イルガキュアー184 … 3% 配合比例5 フェノールノボラックエポキシアクリレート …40% フェノールノボラック型エポキシ樹脂 …18% トリメチロールプロパントリアクリレート …17% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …20% イルガキュアー184 … 3% UVE1014(GE社製) … 2% 配合比例6 o−クレゾールノボラックエポキシアクリレート …40% クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 …18% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …38% イルガキュアー184 … 2% UVE1014(GE社製) … 2% 配合比例7 ポリウレタンアクリレート …35% フェノールノボラック型エポキシ樹脂 …13% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …48% UVE1014(GE社製) … 2% イルガキュアー651 … 2% 配合比例8 メラミンアクリレート …49% フェノールノボラック型エポキシ樹脂 …20% トリメチロールプロパントリアクリレート …27% UVE1014(GE社製) … 2% イルガキュアー184 … 2% 配合比例9 アクリレート基の約30%をエポキシ基とした フェノールノボラックエポキシアクリレート …60% トリメチロールプロパントリアクリレート …17% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …20% イルガキュアー184 … 3% 配合比例10 アクリレート基の約30%をエポキシ基とした o−クレゾールノボラックエポキシアクリレート …60% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …38% イルガキュアー184 … 2% 配合比例11 アクリレート基の約30%をエポキシ基とした ポリウレタンアクリレート …50% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …48% イルガキュアー651 … 2% 配合比例12 アクリレート基の約30%をエポキシ基とした メラミンアクリレート …70% トリメチロールプロパントリアクリレート …27% イルガキュアー184 … 3% 等をあげることができる。
【0034】また、保護層の塗布層の厚さは着色画素の
製造方法によっても異なるが、3μm以上の膜厚が必要
であり、厚さが10μmより厚いと塗布むらの問題が生
じるので3μm〜7μmとすることが適当である。
【0035】保護層の平滑化は、ポリッシングによって
行うことが好ましい。平滑化にはラッピングあるいはポ
リッシングを併用する等の方法があるが、ラッピングの
場合には端部において保護層の膜厚が異なってしまい、
干渉むらが発生してカラーフィルター面が着色しカラー
フィルターとして使用できないものになってしまうこと
がある。これに対して、ポリッシングでは表面を平坦に
するには比較的長時間を要するが、凸部を優先的に除去
して平坦化研磨を行うので、本発明の平滑化に適してお
り、本発明で使用した保護層の材料はガラス基板と比較
しても研磨速度が小さく平滑化に適している。また、ポ
リッシングには、片面大型研磨機を使用して研磨材には
粒径0.5〜1.0μm程度の研磨用のアルミナ粒子を
用いることができる。
【0036】また、平滑化された保護層上に形成する透
明樹脂層には透明な光感光性樹脂組成物であれば任意の
材料を使用することができるが、保護層と同一の材料を
使用するならば、保護層との接着強度が大きな透明樹脂
層を形成することが可能となる。また、本発明の保護層
の光感光性樹脂組成物は耐熱性、機械的強度にも優れて
いるので、膜厚の大きな透明導電膜をスパッタリング等
によって形成してもひび割れ等が生じることはなく、優
れたカラーフィルターを得ることが可能となる。
【0037】また、透明導電膜は必要に応じて所定の電
極パターンを形成することができる。
【0038】得られたカラーフィルターはTFT等を形
成した基板とを対向してシール材によって所定の間隔を
保持して接合し、液晶材料を注入した後に封口し、液晶
駆動回路をカラーフィルター側の端子および対向基板側
の端子と接続すれば、カラー液晶表示装置が完成する。
【0039】また、図2には、本発明のカラーフィルタ
ーの他の製造工程を示したものであるが、ガラス基板な
どの透明基板1上にあるいはカーボンブラック、四三酸
化鉄等の顔料を混合した合成樹脂組成物からなる塗布層
を形成し、所定のフォトマスクを介して露光して現像の
後にブラックマトリックス2を形成する(図1
(a))。次いで、印刷法によって、R、G、Bの各色
からなる着色画素3を形成し(図1(b))、着色画素
上には感光性樹脂組成物の塗布膜を形成して露光し、保
護層4を形成する(図1(c))。形成した保護層の表
面は下部の印刷によって形成した着色画素の凹凸を反映
して比較的大きな凹凸を有しているので、研磨材を使用
して表面を平滑にする(図1(d))。
【0040】研磨材によって平滑化した保護層上に感光
性透明樹脂層5を形成し(図1(e))、プリベークし
た後に青色の着色画素に対応する部分のみに露光と現像
を行い透明樹脂のレリーフ6を形成する(図1
(f))。次いで、保護層および透明樹脂層のレリーフ
上には、ITO膜7をスパッタリングによって形成し、
カラー液晶表示装置の一方の透明電極とする。
【0041】実施例1 大きさ300mm×400、厚さ1.1mmのガラス基
板上にスパッタリングによって厚さ100nmのクロム
膜を成膜した。次いでフォトレジストとしてOFPR−
800(東京応化工業(株)製)を1μmの厚さにスピ
ンコーターで塗布した後に、所定のフォトマスクを介し
て露光、現像し、次いでクロム膜をエッチングしてブラ
ックマトリックスを形成した。得られたクロム膜の光学
濃度は3.5であった。
【0042】ブラックマトリックスのピッチは、横11
0μm、縦330μmであり、線幅は35〜80μmの
開孔形状であった。
【0043】次に、赤色、緑色及び青色の顔料を、それ
ぞれ表1に示したような組成割合で感光性樹脂に分散さ
せて、赤色、緑色及び青色の着色感光性樹脂を作製す
る。
【0044】
【表1】
【0045】ブラックマトリックスを形成した基板上
に、赤色感光性樹脂を1.5μmの膜厚になるように塗
布し、その後温度70℃で30分間オ−ブン中で乾燥さ
せ、水銀ランプを用いて露光し、水によるスプレー現像
を1分間行い、赤色画素を形成すべき領域に赤色のレリ
ーフ画像を形成し、さらに150℃で30分間、加熱硬
化させた。
【0046】同様の工程を繰り返して、緑色画素を形成
すべき領域に緑色のレリーフ画素を形成し、青色画素を
形成すべき領域に青色のレリーフ画素を形成して着色層
を形成した。
【0047】続いて光硬化性アクリレートオリゴマーと
して、アクリレート基の約30%をエポキシ基としたo
−クレゾールノボラックエポキシアクリレート(分子量
1500〜2000)を50重量部、多官能重合性モノ
マーとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト(日本化薬(株)製DPHA)を50重量部混合し、
さらに光重合開始剤としてイルガキュアー(チバガイギ
ー社製)2重量部を混合した配合物を、エチルセロソル
ブアセテート200重量部中に溶解させ、その溶液10
gを用いてスピンコーターで前記着色層上に5.0μm
の厚さで塗布した。
【0048】次いで、基板の周辺部分には光が照射され
ないフォトマスクを配置したプロキシミティーアライナ
ーによって、2.0kWの超高圧水銀ランプによって紫
外線を10秒間照射した。続いて温度25℃の1,1,
2,2−テトラクロロエタンからなる現像液中に1分間
浸漬して、塗布膜の未硬化部分のみを除去した。
【0049】得られた保護層の表面は着色層の厚さに起
因する凹凸が大きいところでは1.0μmあった。次い
で保護層の表面を平均粒径1.0μmのアルミナの研磨
粒子を用いてポリッシュした。ポリッシュの条件を以下
に示す。 使用機械:スピードファム SP−800 (スピード
ファム社製) 研磨加重:60g/cm2 回転数 :40rpm 揺同数 :8回/分 研磨剤供給量:100ml/分 研磨剤 :バイカロックス1.0CR(バイカロックス
社製アルミナ研磨剤) ポリッシングを施すことによって保護層の表面の凹凸は
0.1μm以下となった。
【0050】平滑面が形成された保護層上に、保護層に
使用したものと同一の材料を1μmの厚さにスピンコー
ターで塗布し、カラーフィルターの着色層の青に対応し
た部分のみを照射することができるフォトマスクを用い
て1000mJ/cm2 の露光量で、同様に緑の部分に
ついては700mJ/cm2 の露光量でそれぞれ着色層
側から紫外線を照射して露光した。着色層の赤に対応す
る部分については露光を行わなかった。
【0051】続いて温度25℃の1,2−ジクロロエタ
ンからなる現像液中に1分間浸漬して、塗布膜の未硬化
部分のみを除去したところ、青色に対応した部分につい
ては0.8μm、緑色に対応した部分については0.5
μmの透明樹脂のレリーフが形成され、赤色に対応した
部分については透明な樹脂層は形成されなかった。
【0052】次いで、カラーフィルター基板に、液晶駆
動用の透明電極をマグネトロンスパッタリング法によっ
て、ITOをターゲットとして基板温度200℃におい
て成膜した。得られたITO膜の膜厚は140nmで、
表面抵抗は20Ω/□であった。
【0053】以上のようにして得られたカラーフィルタ
ーをTFTが形成された対向基板と貼り合わせて、液晶
を注入してカラー液晶表示装置とした場合には、青色の
着色画素に対応する部分の液晶層の厚さは、赤色の着色
画素に対応する部分の液晶層の厚さに比べて0.8μm
小さく、緑色の着色画素に対応する部分の厚さは、赤色
の着色画素に対応する部分の厚さに比べて0.5μm小
さくすることを極めて正確に実現することができるの
で、液晶層の厚さを光の波長に応じて調整することが可
能となる。
【0054】実施例2 大きさ300mm×400mm、厚さ1.1mmのガラ
ス基板を充分に洗浄し、ポリイミド前駆体として市販さ
れているパイラリンPI−2545(デュポン社製)の
14%溶液をポリアミック酸として使用し、これにポリ
アミック酸(100%換算)の1部に対してカーボンブ
ラックを1部加え、サンドミルで撹拌してカーボンブラ
ックを十分に分散し、得られた分散液にγ−ブチルラク
トンを加えて粘度調整をし、続いてエポキシシランとし
てγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ
・シリコーン(株)製 SH6020)を1重量%混合
した。
【0055】この液をガラス基板上に1.5μmの膜厚
でスピンコートし、130℃に加熱したホットプレート
上でプレベークして有機溶剤を除去した。ポリアミック
酸の塗布膜上にポジ型レジストとしてOFPR−800
(東京応化工業(株)製)を塗布し、90℃に加熱した
ホットプレート上でプレベークした。
【0056】フォトマスクを介して2.0kWの超高圧
水銀灯によって10秒間照射して基板に形成した塗布膜
を露光した後にNMD−3(東京応化工業(株)製)を
現像液としてフォトレジストの露光部分の除去と共に、
ポリアミック酸のエッチングを同時に行った。ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル中にカラーフィルター
を45秒間浸漬してポリアミック酸の塗布膜上のフォト
レジストの剥離を行った後に水で洗浄した。
【0057】ブラックマトリックスが形成された基板上
に、オフセット印刷用校正機にて赤色の紫外線硬化型着
色インキを、表面層の凹凸が±2.0μm、表面材質E
PDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)ゴム、緩
衝層付きのブランケットを使用し、水無し平板(東レ
(株)製)から転写して着色層を形成し、紫外線を照射
して着色インキの硬化処理を行った。次いで、同様にし
て緑色、青色の紫外線硬化型着色インキによって緑およ
び青の着色層を形成した。得られた着色層のパターンと
ブラックマトリックスとの間には約4〜5μmの凹凸を
有していた。
【0058】続いて実施例1と同様に、光硬化性アクリ
レートオリゴマーとして、アクリレート基の約30%を
エポキシ基としたo−クレゾールノボラックエポキシア
クリレート(分子量1500〜2000)を50重量
部、多官能重合性モノマーとして、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製DPHA)
を50重量部混合し、さらに光重合開始剤としてイルガ
キュアー(チバガイギー社製)2重量部を混合した配合
物を、エチルセロソルブアセテート200重量部中に溶
解させ、その溶液10gを用いてスピンコーターで前記
着色層上に5.0μmの厚さで塗布した後に紫外線露光
によって硬化処理を行った。
【0059】得られた保護層の表面は着色層の厚さに起
因する凹凸が大きいところでは1.0μmあった。次い
で保護層の表面を平均粒径1.0μmのアルミナの研磨
粒子を用いてポリッシュした。ポリッシングを施すこと
によって保護層の表面の凹凸は0.2μm以下となっ
た。平滑面が形成された保護層上に、保護層に使用した
ものと同一の材料を1.0μmの厚さにスピンコーター
で塗布し、カラーフィルターの着色層の青色に対応する
部分のみを照射できるフォトマスクを用いて1000m
J/cm2 の露光量で着色層側から紫外線を照射して露
光した。着色層の赤色および緑色に対応する部分につい
ては露光を行わなかった。
【0060】続いて、温度25℃の1,2−ジクロロエ
タンからなる現像液中に1分間浸漬して、塗布膜の未硬
化部分のみを除去したところ、青色に対応した部分につ
いては0.45μm、緑色に対応した部分については
0.5μmの透明な樹脂層が形成され、赤色に対応した
部分については透明な樹脂層は形成されなかった。
【0061】次いで、カラーフィルター基板に、液晶駆
動用の透明電極をマグネトロンスパッタリング法によっ
て、ITOをターゲットとして基板温度200℃におい
て成膜した。得られたITO膜の膜厚は140nmで、
表面抵抗は20Ω/□であった。
【0062】以上のようにして得られたカラーフィルタ
ーをTFTが形成された対向基板と貼り合わせて、液晶
を注入してカラー液晶表示装置とした場合には、青色の
着色画素に対応する部分の液晶層の厚さは、赤色および
緑色の着色画素に対応する部分の液晶層の厚さに比べて
0.45μm小さく、青色光に対する遮断効果が大きく
コントラストを向上する効果が得られる。
【0063】
【発明の効果】本発明は、カラー液晶表示装置用のカラ
ーフィルターの着色層上に設けた保護層を充分に平滑に
処理した後に、着色画素の各色に対応して異なる厚さの
透明樹脂層を形成したので、対向基板と接合して液晶表
示装置を形成した場合には、各色の波長に応じて液晶層
の厚さを極めて精度良く調整することができるので、液
晶表示装置のコントラストを飛躍的に向上したカラーフ
ィルターが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルターの1実施例の製造工
程を示す図。
【図2】本発明のカラーフィルターの他の実施例の製造
工程を示す図。
【符号の説明】
1…透明基板、2…ブラックマトリックス、3…着色画
素、4…保護層、5…感光性透明樹脂層、6…透明樹脂
のレリーフ、7…ITO膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に形成した着色画素上に、平
    滑化処理された保護層を有し、保護層上には下部の着色
    画素の少なくとも1色の位置の上部に対応して、色に応
    じた厚みの透明樹脂のレリーフを形成したことを特徴と
    する液晶表示装置用カラーフィルター。
  2. 【請求項2】 透明樹脂層が感光性樹脂で形成したこと
    を特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用カラーフ
    ィルター。
  3. 【請求項3】 透明基板上に形成した着色画素上に保護
    層を形成し、次いで保護層の表面を微細な研磨粒子を使
    用してポリッシング加工して平滑面を形成した後に、保
    護層上に感光性樹脂組成物を塗布し、着色画素の色に応
    じて露光量を変化させることによって下部の着色画素の
    位置の上部に対応して、色に応じた厚みの透明樹脂のレ
    リーフを形成することを特徴とする液晶表示装置用カラ
    ーフィルターの製造方法。
JP20288691A 1991-08-13 1991-08-13 液晶表示装置用カラーフイルターおよびその製造方法 Pending JPH0545512A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0756162A (ja) * 1993-08-19 1995-03-03 Sanyo Electric Co Ltd 液晶表示器
JP2009151095A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタおよびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0756162A (ja) * 1993-08-19 1995-03-03 Sanyo Electric Co Ltd 液晶表示器
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