図12は、従来のアクティブマトリクス型の液晶表示装置100の一例を示すブロック図である。液晶表示装置100は、液晶パネル110、ソースドライバ部120、ゲートドライバ部130および液晶コントローラ140を有している。ソースドライバ部120、ゲートドライバ部130および液晶コントローラ140は、液晶パネル110を駆動するための液晶ドライバを構成している。
ソースドライバ部120は、カスケード接続された複数のソースドライバ121を備えており、ソースドライバ121は、液晶パネル110のソース信号ライン(図示せず)に接続されている。ソースドライバ部120は、液晶コントローラ140からのサンプリングスタート信号SP2をラッチすることにより、液晶コントローラ140から入力された差動データを時分割する。各ソースドライバ121は、時分割された差動データをD/A(デジタル/アナログ)変換することにより、表示対象画素の明るさに応じた階調表示電圧を液晶パネル110のソース信号ラインに出力する。
ゲートドライバ部130は、カスケード接続された複数のゲートドライバ131を備えており、ゲートドライバ131は、液晶パネル110のゲート信号ライン(図示せず)に接続されている。
液晶コントローラ140は、タイミング生成回路141、画像データ処理回路142およびパネル出力データ整形回路143を備えている。
タイミング生成回路141は、ソースドライバ部120に入力されるサンプリングスタート信号SP1を生成するSP/RST信号生成回路1411を有している。SP/RST信号生成回路1411は、外部からの水平同期信号HSおよびサンプリングクロックCLKに基づいて、サンプリングスタート信号SP1を生成し、パネル出力データ整形回路143に出力する。また、タイミング生成回路141は、ソースドライバ部120に出力されるラッチスタート信号LS、並びに、ゲートドライバ部130に出力されるゲートスタート信号およびGSPゲートクロックGCKを生成する。
画像データ処理回路142は、垂直同期信号VS、水平同期信号HS、データイネーブル信号DEに基づいて画像データの処理を行い、処理された画像データをパネル出力データ整形回路143に出力する。
パネル出力データ整形回路143は、画像データおよびサンプリングクロックCLKを差動データおよび転送クロックDCLKにパラレル−シリアル変換する。パラレル−シリアル変換された差動データは、転送クロックDCLKとともに1〜n画素分ずつソースドライバ部120へ出力される。
また、パネル出力データ整形回路143は、パルス幅微調整回路1432および位相微調整回路1431を有している。パルス幅微調整回路1432は、SP/RST信号生成回路1411から入力されるサンプリングスタート信号SP1のパルス幅を微調整する回路であり、位相微調整回路1431は、サンプリングスタート信号SP1の位相を微調整する回路である。サンプリングスタート信号SP1は、このように位相およびパルス幅を微調整されてサンプリングスタート信号SP2となり、1ラインのデータの先頭で、ソースドライバ部120のカスケード接続された初段のソースドライバ121に出力される。
各ソースドライバ121が、1〜n画素分のデータ出力、すなわち1ライン分の画像データが出力された後、タイミング生成回路141からラッチスタート信号LSがソースドライバ部120へ出力される。これにより、ソースドライバ部120から液晶パネル110のソース信号ラインに、階調表示電圧が出力される。
この間、タイミング生成回路141は、垂直同期信号VSからゲートスタート信号GSPを生成して、1フレームのデータの先頭で、カスケード接続された初段のゲートドライバ131へ出力する。また、タイミング生成回路141は、ゲートクロックGCKを生成し、1ライン毎に各ゲートドライバ131へ出力する。これにより、ゲートドライバ部130から、液晶パネル110の各画素に設けられるTFTを順次オンするための走査信号が、ゲート信号ラインに出力される。なお、n画素×mラインで1フレーム分の画像データとなる。
続いて、液晶コントローラと液晶パネル間の転送方式の一つであるRSDS(Reduced Swing Differential Signaling)転送方式における、信号の伝送について説明する。
図13は、図12に示す液晶表示装置100において、RSDS転送方式を用いる場合における、液晶コントローラ140からソースドライバ部120へ出力される信号の波形の一例を示すタイミングチャートである。この場合、カスケード接続された初段のソースドライバ121は、サンプリングスタート信号SP2のハイレベル期間に、転送クロックDCLKの立ち下がりでラッチし、その2クロック後の立ち下がりから有効な差動データがソースドライバ部120に入力されると想定されている。すなわち、サンプリングスタート信号SP2のハイレベル期間に、転送クロックDCLKの立ち下がりでラッチした2クロック後の、転送クロックDCLKの立ち下がりから、立ち下がり、立ち上がり、立ち下がり・・・に同期して、差動データをソースドライバ121内に取り込んでいく。
また、SP/RST信号生成回路1411によって生成されたサンプリングスタート信号SP1は、パネル出力データ整形回路143のパルス幅微調整回路1432および位相微調整回路1431によって、ソースドライバ121にとって適当なタイミングに微調整される。続いて、サンプリングスタート信号SP1を生成するSP/RST信号生成回路1411の回路構成について説明する。
図14は、タイミング生成回路141に設けられるSP/RST信号生成回路1411の構成を示す回路図である。SP/RST信号生成回路1411は、3つのD型フリップフロップDFF1〜DFF3、インバータINV1、NANDゲートNAND1、カウンタCNT1、比較回路COMP1および開始位置設定回路1412を備えている。
D型フリップフロップDFF1、DFF2、インバータINV1およびNANDゲートNAND1は、水平同期信号HSの立ち下がりを検出するHS立ち下がり検出回路を構成している。フリップフロップDFF1のデータ入力端子には、水平同期信号HSが入力され、フリップフロップDFF1のデータ出力端子は、インバータINV1およびフリップフロップDFF2のデータ入力端子に接続されている。インバータINV1およびフリップフロップDFF2のデータ出力端子は、NANDゲートNAND1の2つの入力端子にそれぞれ接続される。NANDゲートNAND1の出力端子は、カウンタCNT1のリセット入力端子に接続されている。
フリップフロップDFF1〜DFF3およびカウンタCNT1のクロック入力端子にはサンプリングクロックCLKが入力される。カウンタCNT1は、nビット(nは整数)のカウント信号を比較回路COMP1の一方の入力端子に出力する。また、開始位置設定回路1412は、例えば、マルチビットの信号を保持するレジスタから構成されており、サンプリングスタート信号SP1を開始する(ハイレベルにする)タイミングを設定するための開始位置設定信号UPを、比較回路COMP1の他方の入力端子に出力する。開始位置設定信号UPもカウント信号と同じく、nビットである。
比較回路COMP1は、カウンタCNT1からのカウント信号と開始位置設定回路1412からの開始位置設定信号UPとを比較し、両者が一致した時のみ、ハイレベルの信号をフリップフロップDFF3のデータ入力端子に出力する。
フリップフロップDFF3のデータ出力端子からは、サンプリングスタート信号SP1が出力される。フリップフロップDFF3は、比較回路COMP1からの信号がハイレベルの場合、サンプリングクロックCLKの立ち上がりのタイミングで、サンプリングスタート信号SP1をハイレベルにする。
図15は、SP/RST信号生成回路1411およびソースドライバ部120における各信号の波形を示すタイミングチャートである。
フリップフロップDFF1に入力される水平同期信号HSが立ち下がると、NANDゲートNAND1は、1クロック周期のローレベルのパルスを出力する。このローレベルのパルスによってカウンタCNT1はリセットされ、次のサイクルから再度カウントアップを始める。
ここで、SP/RST信号生成回路1411では、カウンタCNT1が「1」をカウントした後にサンプリングスタート信号SP1がハイレベルとなるように設定されている。具体的には、カウンタCNT1が「1」をカウントすると、開始位置設定信号UPとカウント信号とが一致して、比較回路COMP1の出力がハイレベルになり、フリップフロップDFF3はサンプリングクロックCLKの立ち上がりに同期して、サンプリングスタート信号SP1をハイレベルにする。また、このサイクルでは、開始位置設定信号UPとカウント信号とが一致しなくなるため、比較回路COMP1の出力はローレベルになる。さらに、次のサイクルでフリップフロップDFF3は、サンプリングクロックCLKの立ち上がりに同期して、サンプリングスタート信号SP1をローレベルにする。その後、水平同期信号HSの立ち下がりによって再びカウンタCNT1がリセットされて、開始位置設定信号UPとカウント信号とが一致するまで、サンプリングスタート信号SP1がハイレベルになることはない。
フリップフロップDFF3から出力されたサンプリングスタート信号SP1は、図12に示すパルス幅微調整回路1432および位相微調整回路1431において、パルス幅および位相を調整され、カスケード接続された初段のソースドライバ121にサンプリングスタート信号SP2として出力される。ソースドライバ121は、サンプリングスタート信号SP2のハイレベル期間に、転送クロックDCLKの立ち下がりでラッチし、その2クロック後に、差動データを取り込む。
ここで、ソースドライバ121が、サンプリングスタート信号SP2を転送クロックDCLKの立ち下がりでラッチするためには、十分なセットアップタイムおよびホールドタイムを確保する必要がある。ここで、セットアップタイムとは、サンプリングスタート信号SP2の立ち上がりから転送クロックDCLKの立ち下がりまでの期間であり、ホールドタイムとは、転送クロックDCLKの立ち下がりからサンプリングスタート信号SP2の立ち下がりまでの期間である。したがって、転送クロックDCLKの立ち下がりが、ソースドライバ121に入力されるサンプリングスタート信号SP2のハイレベル期間の中心付近となるように、位相微調整回路1431は、SP/RST信号生成回路1411からのサンプリングスタート信号SP1の位相が調整する。なお、RSDS転送方式では、パルス幅微調整回路1432によるサンプリングスタート信号SP1のパルス幅は調整していない。
続いて、液晶コントローラと液晶パネル間の転送方式の一つであるminiLVDS(Low Voltage Differential Signaling)転送方式における、信号の伝送について説明する。
図16は、図12に示す液晶表示装置100において、miniLVDS転送方式を用いる場合における、液晶コントローラ140からソースドライバ部120へ出力される信号の波形の一例を示すタイミングチャートである。図12に示すソースドライバ121は、1ライン前のラッチスタート信号LSのハイレベル期間に転送クロックDCLKの立ち上がりでラッチすることでアクティブになる。ソースドライバ121がアクティブ状態の時、0番目の画像データDATA0に埋め込まれたリセット信号RST2のハイレベル期間に、転送クロックDCLKの立ち上がりで3CLK以上ラッチすることでリセット状態になる。その後、0番目の画像データDATA0のローレベル期間に転送クロックDCLKの立ち上がりで1CLKラッチすることでリセット解除となり、画像データサンプリング機能に移行する。リセットを解除した転送クロックDCLKの立ち上がりの次の立ち上がりから、立ち上がり、立ち下がり、立ち上がり・・・に同期して、データをソースドライバ内に取り込んでいく。また、リセット信号RST2のパルス幅は、miniLVDS転送方式の規格により50ns以上であることが定められている。
ソースドライバ121に入力されるリセット信号RST2も、サンプリングスタート信号SP2と同様に、図12に示す液晶表示装置100と同様の構成で生成される。すなわち、SP/RST信号生成回路1411においてリセット信号RST1が生成され、パネル出力データ整形回路143を経て、リセット信号RST2がソースドライバ部120に出力される。
ただし、miniLVDS転送方式では、リセット信号RST2のハイレベル期間に、転送クロックDCLKの立ち上がりで3CLK以上ラッチする必要があるので、リセット信号RST1は、パルス幅微調整回路1432においてパルス幅を広げられる。すなわち、図17に示すように、サンプリングスタート信号SP1と同様に、SP/RST信号生成回路1411において水平同期信号HSおよびサンプリングクロックCLKから生成されたリセット信号RST1は、パルス幅が1クロックであるのに対し、ソースドライバ部120に出力されるリセット信号RST2のパルス幅は、2クロックとなっている。
続いて、パルス幅微調整回路1432の回路構成について説明する。
図18は、パルス幅微調整回路1432の構成の一例を示す回路図である。パルス幅微調整回路1432は、リセット信号RST1のパルス幅を0.5クロック〜2クロックに微調整することができ、2つのセレクタMUX1、MUX2およびパラレルシリアル変換回路1433を備えている。セレクタMUX1は、2ビットのセレクト信号SPwidthに基づいて、4つの入力信号‘HHHH’‘HHHL’‘HHLL’‘HLLL’から1つを選択する。セレクタMUX2は、リセット信号RST1をセレクト信号として、セレクタMUX1の出力信号および信号‘LLLL’から1つを選択する。パラレルシリアル変換回路1433は、セレクタMUX2からの4ビット信号を1ビット信号に変換し、リセット信号RST2として出力する。
リセット信号RST2のパルス幅を2クロックにする場合、セレクト信号SPwidthを‘LL’に設定し、セレクタMUX1の出力信号が‘HHHH’となるようにする。セレクタMUX2は、リセット信号RST1がハイレベルの時、セレクタMUX1からの信号‘HHHH’を選択し、パラレルシリアル変換回路1433に出力する。したがって、パラレルシリアル変換回路1433から出力されるリセット信号RST2のパルス幅は、リセット信号RST1のパルス幅の2倍である2クロックとなる。
また、温度変化や経時変化による液晶パネル内での信号遅延の変動に起因するゴーストによる画像の劣化を防ぐ技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1では、液晶パネル内での信号遅延の変動を、基準信号REFに対するダミー素子から出力される信号MONITORの位相差として検出し、その差に基づき、タイミング信号の位相を調整することで、駆動信号生成部での信号遅延の変動に起因する、画像信号に対するサンプリング回路駆動信号の時間的なずれを補正している。
図19は、特許文献1の実施例に記載のタイミング供給部240および液晶パネル部210の概略構成を示す説明図である。また、図20は、特許文献1の実施例における適切な状態での各信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
図19において、タイミングジェネレータ260で生成されたサンプリングスタート信号DXIN、クロックCLXINおよびイネーブル信号ENBXINは、可変ディレイ素子254a〜254c、レベルシフタ255a〜255c,256を介して、サンプリングスタート信号DX、クロックCLX、反転クロックCLXNおよびイネーブル信号ENBXとして、液晶パネル部210に供給される。この時、サンプリングスタート信号DXは、データ線駆動回路220および3入力AND回路L1〜Lnと同一のガラス基板上に形成され、それらとほぼ同一の遅延量を持つダミー素子270、レベルシフタ255mを介して、モニター信号MONITORとして位相比較器251に入力される。
サンプリングスタート信号DXINは、適切な状態においてダミー素子270と等しくなるように設定される固定ディレイ素子253を介して、基準信号REFとして位相比較器251に入力される。基準信号REFとモニター信号MONITORとの位相差を位相比較器251で比較し、温度変化や経時変化などの原因によりモニター信号MONITORの位相が進んでいる場合は、位相比較器251からチャージダウンパルスCDが出力され、チャージポンプ252から可変ディレイ素子254a〜254cに供給する制御電圧VDの電圧レベルを下げ、サンプリングスタート信号DXを遅らせる。また、温度変化や経時変化などの原因によりモニター信号MONITORの位相が遅れている場合は、位相比較器251からチャージアップパルスCUが出力され、チャージポンプ252から可変ディレイ素子254a〜254cに供給する制御電圧VDの電圧レベルを上げ、サンプリングスタート信号DXを進ませる。
また、特許文献2にも、サンプリングスタート信号の位相を調整する構成が開示されている。これにより、データセットアップタイムおよびデータホールドタイムに余裕がなく、電源電圧の変動・周囲温度の変動・部品のばらつきなどにより、ソースドライバーが正規のタイミングで画像データをサンプリングすることが困難な状態になっても、正しい画像データサンプリングタイミングに調整することができる。
さらに、特許文献3には、サンプリングスタート信号のタイミングを調整するだけでなく、サンプリングスタート信号のパルス幅を拡張する構成が開示されている。
図21は、特許文献3に係る映像信号駆動回路300の構成を示す回路図である。映像信号駆動回路300は、ソースドライバに設けられ、複数のレジスタ331を備えるシフトレジスタ321、バッファ322、パルス幅拡張用論理回路323、タイミング調整回路324、バッファアンプ325および映像信号選択回路326を備えている。外部の駆動回路(図示せず)からのスタートパルスSTが、レベルシフタ回路(図示せず)を解してスタートパルスST’としてシフトレジスタ321に入力される。
図22は、映像信号駆動回路300の動作タイミングを示すタイミングチャートである。シフトレジスタ321の初段のレジスタ331は、スタートパルスST’のハイレベル期間内にクロック信号φ’が立ち上がると出力VOUT1を出力する。パルス幅拡張用論理回路323は、各レジスタ331の出力の論理和をとり、パルス幅を拡張した出力VOUT5、VOUT6を出力する。
特開2005−107353号公報(2005年4月21日公開)
特開平7−311561号公報(1995年11月28日公開)
特開2002−149126号公報(2002年5月24日公開)
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明すると以下の通りである。
図2は、本実施形態に係る液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。液晶表示装置1は、液晶パネル10、ソースドライバ部20、ゲートドライバ部30および液晶コントローラ40を有している。液晶パネル10、ソースドライバ部20およびゲートドライバ部30は、図12に示す液晶表示装置100における液晶パネル110、ソースドライバ部120およびゲートドライバ部130と略同一であるので、細部の説明を省略する。
一方、液晶表示装置1の液晶コントローラ40は、液晶表示装置100の液晶コントローラ140において、SP/RST信号生成回路1411の代わりにSP/RST信号生成回路411を設け、パルス幅微調整回路1432を設けない構成となっている。SP/RST信号生成回路411は、サンプリングスタート信号SP1の開始位置と終了位置とを設定する機能を有しており、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅を任意に設定することができる。これにより、液晶コントローラ40からソースドライバ部20への伝送品位が悪い状態であっても、従来のようにサンプリングスタート信号SP1のパルス幅をパネル出力データ整形回路43において調整する必要がない。すなわち、図18に示すパルス幅微調整回路1432のような複雑な回路を設ける必要がない。SP/RST信号生成回路411が発生するサンプリングスタート信号SP1は、パネル出力データ整形回路43の位相微調整回路1431によって位相のみ調整されて、サンプリングスタート信号SP2としてソースドライバ21に出力される。
続いて、SP/RST信号生成回路411において、サンプリングスタート信号SP1の開始位置と終了位置とを設定する構成について説明する。
図1は、SP/RST信号生成回路411の構成を示す回路図である。SP/RST信号生成回路411は、図14に示すSP/RST信号生成回路1411において、比較回路COMP2、インバータINV2、2つのセレクタMUX3、MUX4および終了位置設定回路413をさらに設けた構成である。
終了位置設定回路413は、開始位置設定回路1412と同様、例えば、マルチビットの信号を保持するレジスタから構成されており、サンプリングスタート信号SP1の終了位置を示す値が記憶されている。
比較回路COMP1には、カウンタCNT1からの出力信号と開始位置設定回路1412からの開始位置設定信号UPとが入力され、比較回路COMP1は両者が一致した場合のみ、ハイレベルの信号を出力する。比較回路COMP1からの出力信号は、インバータINV2を介してセレクタMUX3のセレクト入力端子に入力される。
比較回路COMP2には、カウンタCNT1からの出力信号と終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPとが入力され、比較回路COMP2は両者が一致した場合のみ、ハイレベルの信号を出力する。比較回路COMP2からの出力信号は、セレクタMUX4のセレクト入力端子に入力される。
セレクタMUX3には、ハイレベルの信号とフリップフロップDFF3の出力信号(すなわち、サンプリングスタート信号SP1)とが入力される。セレクタMUX3は、インバータINV2からのセレクト信号がローレベルの場合、ハイレベルの信号を出力し、セレクト信号がハイレベルの場合、フリップフロップDFF3からの出力信号を出力する。
セレクタMUX4には、セレクタMUX3からの出力信号とローレベルの信号とが入力される。セレクタMUX4は、比較回路COMP2からのセレクト信号がローレベルの場合、セレクタMUX3からの出力信号を出力し、セレクト信号がハイレベルの場合、ローレベルの信号を出力する。セレクタMUX4からの出力信号は、フリップフロップDFF3のデータ入力端子に入力される。
なお、SP/RST信号生成回路411の他の構成は、SP/RST信号生成回路1411と略同一であるので、細部の説明を省略する。
図3は、RSDS転送方式における、SP/RST信号生成回路411およびソースドライバ部20における各信号の波形を示すタイミングチャートである。
フリップフロップDFF1に水平同期信号HSの立ち下がりが入力されると、NANDゲートNAND1は、1クロック周期のローレベルの信号を出力する。このローレベルの信号によってカウンタCNT1はリセットされ、次のサイクルから再度カウントアップを始める。
ここで、SP/RST信号生成回路411では、サンプリングスタート信号SP1の開始位置は、カウンタCNT1が「1」をカウントした後に設定されており、開始位置設定回路1412からの開始位置設定信号UPは、「1」に設定されている。したがって、カウンタCNT1がリセットされた次のサイクルで、カウンタCNT1のカウント信号と開始位置設定信号UPとが一致し、比較回路COMP1の出力がハイレベルになる。
このとき、セレクタMUX3のセレクト入力端子に入力されるインバータINV2からのセレクト信号は、ローレベルになり、セレクタMUX3は、ハイレベルの信号を出力する。
一方、サンプリングスタート信号SP1の終了位置は、カウンタCNT1が「4」をカウントした後に設定されており、終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPは、「4」に設定されている。したがって、カウンタCNT1のカウント値が「4」になるまでは、比較回路COMP2に入力されるカウンタCNT1からの出力信号と終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPとは一致せず、比較回路COMP2の出力信号はローレベルのままである。
したがって、セレクタMUX4は、セレクタMUX3からの出力信号をフリップフロップDFF3に出力する。これにより、カウンタCNT1が「2」をカウントするタイミングで、サンプリングスタート信号SP1は、ハイレベルになる。
このとき、カウンタCNT1からの出力信号と開始位置設定回路1412からの開始位置設定信号UPとが一致しなくなるので、比較回路COMP1の出力信号はローレベルになる。したがって、セレクタMUX3のセレクト信号はハイレベルとなり、セレクタMUX3は、ハイレベルのサンプリングスタート信号SP1を出力する。このとき、セレクタMUX4のセレクト信号はローレベルのままであるので、セレクタMUX4は、セレクタMUX3からの出力信号、すなわちハイレベルの信号をDFF3に出力する。
これにより、次のサイクル(カウンタCNT1が「3」)においても、サンプリングスタート信号SP1はハイレベルのまま保持される。また、比較回路COMP1に入力されるカウンタCNT1からの出力信号および開始位置設定信号UPは一致しておらず、比較回路COMP2に入力されるカウンタCNT1からの出力信号および終了位置設定信号DPも一致していない。したがって、セレクタMUX3のセレクト信号およびセレクタMUX4のセレクト信号は、ともに前のサイクルと変化しない。
これにより、さらに次のサイクル(カウンタCNT1が「4」)においても、サンプリングスタート信号SP1はハイレベルのまま保持される。このとき、比較回路COMP2に入力されるカウンタCNT1からの出力信号と終了位置設定信号DPとが一致するので、比較回路COMP2はハイレベルの信号を出力する。したがって、セレクタMUX4は、ローレベルの信号を出力する。これにより、次のサイクル(カウンタCNT1が「5」)の開始とともに、サンプリングスタート信号SP1はローレベルとなる。
このように、SP/RST信号生成回路411では、サンプリングスタート信号SP1の開始位置および終了位置は、カウンタCNT1が「1」「4」をカウントした直後に設定されており、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅は3クロックとなっている。したがって、液晶コントローラ40からソースドライバ部20への伝送品位が悪い状態であっても、ソースドライバ21に入力されるサンプリングスタート信号SP2のパルス幅を十分に確保することができる。したがって、ソースドライバ21は、十分なセットアップタイムおよびホールドタイムをもって、サンプリングスタート信号SP2をラッチすることが可能となり、確実に差動データを取り込むことができる。
従来の構成では、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅を変更するために、図18に示すパルス幅微調整回路1432のような複雑な回路を設ける必要があった。また、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅の変更可能な範囲をさらに拡大するためには、セレクタMUX1やパラレルシリアル変換回路1433の規模を大きくする必要があるため、さらに回路構成を複雑にする必要があった。
これに対し、本実施形態に係るSP/RST信号生成回路411では、開始位置設定信号UPおよび終了位置設定信号DPの値を変更することにより、1クロックの単位で、サンプリングスタート信号SP1の開始位置と終了位置とを任意に設定することができる。すなわち、レジスタで構成される開始位置設定回路1412および終了位置設定回路413に記憶されている、開始位置を示す設定値および終了位置を示す設定値の少なくともいずれかを変更するだけで、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅を変更できる。
このように、本実施形態に係るSP/RST信号生成回路411では、従来構成に比べ簡単な構成で、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅を任意に設定できる。さらに、伝送品位が非常に悪く、従来の構成では、ソースドライバ21に入力されるべきサンプリングスタート信号SP2が消えてしまう状態であっても、変更可能なサンプリングスタート信号SP1のパルス幅の範囲が広いため、サンプリングスタート信号SP2のパルス幅を容易に確保することができる。
また、本実施形態ではソースドライバ部20に入力されるサンプリングスタート信号SP2のパルス幅を十分に確保することが容易であるため、サンプリングスタート信号SP2の位相を微調整しなくても、十分なセットアップタイムおよびホールドタイムをもってソースドライバ部20が差動データを取り込むことが可能となる。したがって、パネル出力データ整形回路43に設けられる位相微調整回路1431を不要とすることもでき、さらなる回路構成の簡略化を図ることができる。
図3では、RSDS転送方式におけるサンプリングスタート信号の生成について説明したが、本実施形態に係る構成は、miniLVDS転送方式におけるリセット信号の生成においても適用可能である。
図4は、miniLVDS転送方式における、SP/RST信号生成回路411およびソースドライバ部20における各信号の波形を示すタイミングチャートである。リセット信号RST1のパルス幅の設定は、図1におけるサンプリングスタート信号SP1のパルス幅の設定と略同様であるので、説明を省略する。
図4においては、リセット信号RST1の開始位置および終了位置は、それぞれカウンタCNT1が「1」および「5」をカウントした直後に設定されている。すなわち、リセット信号RST1のパルス幅は、4クロックとなっている。これにより、転送レートが倍の周波数になった場合であっても、リセット信号RST2のパルス幅を、miniLVDS転送方式の規格で定められている50ns以上とすることができる。
なお、リセット信号RST2のパルス幅も、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅と同様、液晶コントローラ40からソースドライバ部20への伝送品位に応じて、リセット信号RST2のパルス幅が50ns以上となるように、適宜設定すればよい。これにより、ソースドライバ21は、図12に示すパルス幅微調整回路1432を設けることなく、簡単な構成で確実に差動データを取り込むことができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について図5ないし図11に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態では、ソースドライバからサンプリングスタート信号を液晶コントローラへフィードバックし、そのフィードバック信号を元に、液晶コントローラでサンプリングスタート信号のパルス幅を自動的に最適な幅に調整する構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る液晶表示装置2の構成を示すブロック図である。液晶表示装置2は、液晶パネル10、ソースドライバ部220、ゲートドライバ部30および液晶コントローラ240を有しており、液晶パネル10およびゲートドライバ部30は、図2に示す液晶表示装置1の液晶パネル10およびゲートドライバ部30と略同一である。
液晶コントローラ240は、図2に示す液晶表示装置1の液晶コントローラ40において、SP/RST信号生成回路411の代わりにSP/RST信号生成回路2411を設けた構成である。また、ソースドライバ部220では、カスケード接続された最終段のソースドライバ21からフィードバック信号SPFBが出力され、フィードバック信号SPFBは、SP/RST信号生成回路2411に入力される。すなわち、フィードバック信号SPFBは、ソースドライバ部20に入力されるサンプリングスタート信号SP2が、ソースドライバ21内のシフトレジスタで転送クロックDCLKに同期して順にシフトされ、最終段のソースドライバ21から出力される信号である。SP/RST信号生成回路2411では、フィードバック信号SPFBのパルス幅とサンプリングスタート信号SP1のパルス幅とを比較し、その結果に基づいて、自動的にサンプリングスタート信号SP1のパルス幅を最適なパルス幅に設定する機能を有している。
これにより、カスケード接続された全てのソースドライバ21が、確実に差動データを取り込めるように、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅を自動的に設定することができる。
図6は、SP/RST信号生成回路2411の構成を示す回路図である。SP/RST信号生成回路2411は、図1に示すSP/RST信号生成回路411において、終了位置設定回路413と比較回路COMP2との間に終了位置調整回路414をさらに設けた構成である。終了位置調整回路414には、終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPの他、NANDゲートNAND1からの出力信号、サンプリングクロックCLK、フリップフロップDFF3の出力信号(サンプリングスタート信号SP1)およびフィードバック信号SPFBが入力され、終了位置調整回路414は、終了位置設定信号DP2を比較回路COMP2に出力する。
図7は、終了位置調整回路414の具体的な構成を示す回路図である。終了位置調整回路414は、ORゲートOR1、カウンタCNT2、レジスタRES1、比較回路COMP3、加算回路ADD1およびセレクタMUX5を備えている。ORゲートOR1およびレジスタRES1には、ともに、サンプリングスタート信号SP1(図6に示すフリップフロップDFF3からの出力信号)とフィードバック信号SPFBとが入力される。カウンタCNT2は、サンプリングクロックCLKの立ち上がり、立ち下がりの両方に同期して動作するダブルエッジングのカウンタであり、ORゲートOR1の出力信号は、カウンタCNT2のリセット入力端子に入力される。
これにより、サンプリングスタート信号SP1およびフィードバック信号SPFBのいずれかがハイレベルの期間に、カウンタCNT2は、サンプリングクロックCLKの立ち上がり、立ち下がりの両方に同期してカウントする。サンプリングスタート信号SP1およびフィードバック信号SPFBのパルス幅を示すカウンタCNT2のカウント値は、レジスタRES1によって保持される。比較回路COMP3は、サンプリングスタート信号SP1およびフィードバック信号SPFBのパルス幅を比較し、フィードバック信号SPFBのパルス幅のほうがサンプリングスタート信号SP1のパルス幅よりも小さい場合、ローレベルの信号を出力する。一方、比較回路COMP3は、フィードバック信号SPFBのパルス幅がサンプリングスタート信号SP1パルス幅よりも大きいか、またはサンプリングスタート信号SP1パルス幅と同一の場合は、ハイレベルの信号を出力する。なお、初期状態では、比較回路COMP3は、ハイレベルの信号を出力する。
比較回路COMP3の出力信号は、セレクタMUX5のセレクト入力端子にセレクト信号として入力される。セレクタMUX5には、加算回路ADD1の出力信号と終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPとが入力される。加算回路ADD1の一方の入力端子には、セレクタMUX5の出力信号(すなわち、終了位置設定信号DP2)が入力され、加算回路ADD1の他方の入力端子には、図6に示すNANDゲートNAND1からの出力信号が入力される。
セレクタMUX5のセレクト信号がハイレベルの場合、セレクタMUX5は、終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPを、終了位置設定信号DP2として図6に示す比較回路COMP2に出力する。すなわち、フィードバック信号SPFBのパルス幅がサンプリングスタート信号SP1パルス幅よりも大きいか、またはサンプリングスタート信号SP1パルス幅と同一の場合は、終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPが、そのまま終了位置設定信号DP2として比較回路COMP2に入力される。
一方、セレクタMUX5のセレクト信号がローレベルの場合、セレクタMUX5は、加算回路ADD1の出力信号を終了位置設定信号DP2として比較回路COMP2に出力する。図15に示すように、NANDゲートNAND1からの出力信号は、1クロックだけローレベルになるので、加算回路ADD1からの出力信号は、初期状態の終了位置設定信号DP2に「1」を加算した信号、すなわち終了位置設定信号DPに「1」を加算した信号を出力する。したがって、比較回路COMP2に入力される終了位置設定信号DP2は、終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPに「1」を加算した信号となる。
なお、終了位置設定信号DP2は、終了位置設定回路413にもフィードバックされる。終了位置設定信号DPと終了位置設定信号DP2とが異なる場合、終了位置設定回路413に記憶されている終了位置を示す値が上書きされて、終了位置設定回路413は、終了位置設定信号DP2と同一値を終了位置設定信号DPとして出力する。
続いて、終了位置調整回路414における信号波形について、図8〜図10に基づいて説明する。
図8は、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅とフィードバック信号SPFBのパルス幅とが等しい場合の、終了位置調整回路414における信号波形を示すタイミングチャートである。
まず、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅を、図7に示すカウンタCNT2でカウントする。最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅は、ソースドライバ部220が差動データを取り込むのに十分なパルス幅に設定されており、図8では、1クロックに設定されている。すなわち、図6に示す開始位置設定回路1412からの開始位置設定信号UPおよび終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPは、それぞれ「1」および「2」に設定されている。カウンタCNT2はダブルエッジカウンタであるので、「2」をカウントしてレジスタRES1にカウント値を出力する。
その後、ソースドライバ部220の最終段のソースドライバ21から終了位置調整回路414へフィードバック信号SPFBが入力されると(図8ではカウンタCNT1のカウント値が「685」の時)、カウンタCNT2はフィードバック信号SPFBのパルス幅をカウントする。フィードバック信号SPFBのパルス幅は、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅と同じく、1クロックであるので、カウンタCNT2は「2」をカウントしてレジスタRES1にカウント値を出力する。
比較回路COMP2は、レジスタRES1に保持された2つのカウント値、すなわち、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅のカウント値と、フィードバック信号SPFBのパルス幅のカウント値とを比較する。図8では、当該2つのカウント値は同一であるので、比較回路COMP2は、セレクタMUX5へハイレベルのセレクト信号を出力する。
これにより、セレクタMUX5は、終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPを選択するため、終了位置設定信号DPが、そのまま終了位置設定信号DP2として終了位置調整回路414から出力される。したがって、次のラインのサンプリングスタート信号SP1の終了位置は、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1の終了位置と同一であるため、次のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅も1クロックのまま変更されない。
また、終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPの値も変わらないので、比較回路COMP3からのセレクト信号がハイレベルである限り、終了位置設定信号DP2の値は、初期状態での終了位置設定信号DPの値と同一である。
図9は、フィードバック信号SPFBのパルス幅のほうがサンプリングスタート信号SP1のパルス幅よりも小さい場合の、終了位置調整回路414における信号波形を示すタイミングチャートである。図9においても、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅は、1クロックに設定されている。すなわち、図6に示す開始位置設定回路1412からの開始位置設定信号UPおよび終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPは、それぞれ「1」および「2」に設定されている。カウンタCNT2は「2」をカウントしてレジスタRES1にカウント値を出力する。
その後、ソースドライバ部220の最終段のソースドライバ21から終了位置調整回路414へフィードバック信号SPFBが入力されると(図9ではカウンタCNT1のカウント値が「685」の時)、カウンタCNT2はフィードバック信号SPFBのパルス幅をカウントする。フィードバック信号SPFBのパルス幅は、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅より小さい0.5クロックであるので、カウンタCNT2は「1」をカウントしてレジスタRES1にカウント値を出力する。
比較回路COMP3は、フィードバック信号SPFBのパルス幅のカウント値のほうが最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅のカウント値よりも小さいので、セレクタMUX5へローレベルのセレクト信号を出力する。
これにより、セレクタMUX5は、加算回路ADD1の出力を選択するため、終了位置設定信号DPに「1」を加算した信号が、終了位置設定信号DP2として終了位置調整回路414から出力される。したがって、次のラインのサンプリングスタート信号SP1の終了位置は「3」に変更されるため、当該サンプリングスタート信号SP1のパルス幅は2クロックに拡張される。
また、終了位置設定信号DPに「1」を加算された終了位置設定信号DP2は、終了位置設定回路413にも入力される。これにより、終了位置設定回路413の保持内容が上書きされ、終了位置設定信号DPの値は、初期状態における終了位置設定信号DPに「1」を加算された値となる。
その後、図示していないが、ソースドライバ部220から再度フィードバック信号SPFBが終了位置調整回路414に入力されると、カウンタCNT2は、当該フィードバック信号SPFBのパルス幅をカウントし、レジスタRES1にカウント値を保持する。比較回路COMP3は、再度フィードバックされたフィードバック信号SPFBのパルス幅に対応するカウント値を、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅に対応するカウント値(図9では「2」)と比較する。
比較回路COMP3は、最初のラインの場合と同様に、再度フィードバックされたフィードバック信号SPFBのパルス幅と、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅とが同一であれば、ハイレベルのセレクト信号を出力する。これにより、セレクタMUX1は、終了位置設定回路413からの終了位置設定信号DPを、そのままそのまま終了位置設定信号DP2として比較回路COMP2に出力する。ここで、終了位置設定信号DPの値は、初期状態における終了位置設定信号DPに「1」を加算された値であるので、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅は、次のラインにおいても2クロックままである。
なお、この2番目のラインにおいても、フィードバック信号SPFBのパルス幅が最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅よりも小さい場合、最初のラインと同様に、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅をさらに1クロック拡張させる。以後のラインにおいても、フィードバック信号SPFBのパルス幅が、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅と等しくなるか、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅よりも大きくなるまで、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅を1クロックずつ拡張していく。
これにより、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅は、ソースドライバ部220が差動データを取り込むのに十分なパルス幅に設定されているので、液晶ドライバ240からソースドライバ部220への伝送品位にバラツキがあっても、サンプリングスタート信号のパルス幅を自動的に最適な幅に調整することができる。したがって、ユーザ等により、終了位置設定回路413に保持されている値を別途設定し直す必要がない。
また、本実施形態では、ソースドライバ部220からフィードバック信号SPFBがフィードバックされない場合も、終了位置調整回路414は、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅を拡張する。
図10は、フィードバック信号SPFBがフィードバックされない場合における、終了位置調整回路414における信号波形を示すタイミングチャートである。図10では、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1に対するフィードバック信号SPFBがローレベルのままである(カウンタCNT1のカウント値が「685」の時点)。したがって、図7に示す比較回路COMP3は、フィードバック信号SPFBのパルス幅のカウント値のほうが最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅のカウント値よりも小さいので、セレクタMUX5へローレベルのセレクト信号を出力する。
これにより、セレクタMUX5は、加算回路ADD1の出力を選択するため、終了位置設定信号DPに「1」を加算した信号が、終了位置設定信号DP2として終了位置調整回路414から出力される。したがって、次のラインのサンプリングスタート信号SP1の終了位置は「3」に変更されるため、当該サンプリングスタート信号SP1のパルス幅は2クロックに拡張される。その後、フィードバック信号SPFBのパルス幅が最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅と等しくなるか、最初のラインのサンプリングスタート信号SP1のパルス幅よりも大きくなるまで、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅を1クロックずつ拡張していく。
本実施形態では、サンプリングスタート信号SP1の終了位置を遅らせることによりサンプリングスタート信号SP1のパルス幅を拡張させる構成について説明したが、これに限定されず、サンプリングスタート信号SP1の開始位置を早めることによりサンプリングスタート信号SP1のパルス幅を拡張させてもよい。例えば、初期状態で、開始位置を「5」、終了位置を「6」に設定し、フィードバック信号に基づいて、開始位置を「1」ずつ早めていってもよい。
図11は、SP/RST信号生成回路3411の構成を示す回路図である。SP/RST信号生成回路2411は、図1に示すSP/RST信号生成回路411において、開始位置設定回路1412と比較回路COMP1との間に開始位置調整回路415を設けた構成である。開始位置調整回路415には、ソースドライバ部220からのフィードバック信号SPFBがフィードバックされる。
開始位置調整回路415は、フィードバック信号SPFBのパルス幅がサンプリングスタート信号SP1のパルス幅よりも小さい場合、開始位置設定回路1412からの開始位置設定信号UPから「1」を減じた信号を開始位置設定信号UP2として比較回路COMP1に出力する。これにより、サンプリングスタート信号SP1の開始位置が早まるため、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅が拡張される。
一方、フィードバック信号SPFBのパルス幅がサンプリングスタート信号SP1パルス幅よりも大きいか、またはサンプリングスタート信号SP1パルス幅と同一の場合は、開始位置調整回路415は、開始位置設定回路1412からの開始位置設定信号UPを、そのまま開始位置設定信号UP2として比較回路COMP1に出力する。これにより、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅は変更されない。
開始位置調整回路415の具体的構成は、図7に示す加算回路ADD1を減算回路に置き換え、終了位置設定信号DPが入力されるセレクタMUX5の入力端子に、開始位置設定信号UPを入力することで実現される。
なお、本実施形態では、フィードバック信号SPFBは、ソースドライバ部220におけるカスケード接続された最終段のソースドライバ21から出力される構成であったが、最終段以外のソースドライバ21からの出力信号であってもよい。ただし、最終段のソースドライバ21は、次段にソースドライバが接続されないため、出力端子が使用されない。したがって、ソースドライバ間のカスケード接続から分岐させる必要がなく、容易にフィードバック可能である。また、カスケード接続された全てのソースドライバ間におけるサンプリングスタート信号SP2のパルスの損失を考慮して、サンプリングスタート信号SP1のパルス幅を調整できるので、全てのソースドライバ21が確実に差動データを取り込むことができる。
また、本実施形態では、開始位置調整回路415および終了位置調整回路414が、サンプリングスタート信号SP1を1クロックずつ拡張させる構成であったが、これに限定されず、拡張するパルス幅の単位は、0.5クロックや2クロック等、任意に設定してもよい。
また、本実施形態では、RSDS転送方式におけるサンプリングスタート信号SP1のパルス幅を自動的に調整する場合について説明したが、miniLVDS転送方式におけるリセット信号RST1、RSDS転送方式・miniLVDS転送方式におけるラッチ信号、および他の転送方式におけるタイミング信号のパルス幅を自動的に調整する場合にも適用可能である。
〔実施形態の総括〕
上記の各実施形態では、サンプリングスタート信号またはリセット信号の立ち上がり位置を開始位置、立ち下がり位置を終了位置としたが、立ち下がり位置を開始位置、立ち上がり位置を終了位置としてもよい。
また、各実施形態では、開始位置設定回路、開始位置調整回路、終了位置設定回路および終了位置調整回路をSP/RST信号生成回路内に設ける構成としていたが、これに限らず、開始位置設定回路、開始位置調整回路、終了位置設定回路および終了位置調整回路の少なくともいずれかを外部に設ける構成としてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。