JP2009237090A - トナー用外添剤、その製造方法及び電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー粒子からの離脱やトナー粒子への埋没が抑制され、高湿下でも使用可能なトナー用外添剤を提供することを課題とする。
【解決手段】トナー用外添剤としての少なくとも一つの偏平面を有する偏平状樹脂粒子であり、前記偏平面が0.2〜5μmの直径を有し、前記偏平状樹脂粒子が1.0重量%以下の20℃かつ相対湿度80%雰囲気下における水分吸着量を有することを特徴とするトナー用外添剤により上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、トナー用外添剤、その製造方法及び電子写真用トナーに関する。更に詳しくは、本発明は、複写機、レーザープリンター等に採用されている電子写真法、静電記録法等において、静電潜像を現像するために使用されるトナー用外添剤、その製造方法及び電子写真用トナーに関する。
静電手段によって光導電材料の表面に静電潜像を形成し、その静電潜像を現像する方法においては、用いられる現像剤の保存性(耐ブロッキング性)、搬送性、現像性、転写性、帯電性、定着性等の特性が重要である。今日まで数多くの現像剤の改良手法が提案されている。その中の一つの手法としてトナー粒子に添加剤を外添することが知られている。特開昭62−113158号公報(特許文献1)には無機の疎水性シリカ粒子を、特開平3−45978号公報(特許文献2)には有機のフッ素樹脂粒子を現像剤に添加するという技術が提案されている。
トナー粒子に無機、有機の粒子が外添されたトナーは、コピー数の増加につれて、粒子がトナー粒子表面からの離脱する現象や粒子がトナー粒子表面へ埋め込まれる現象(外添剤の埋没現象)が発生する。
このような外添剤の離脱や埋没を防止するための対策として、特開平8−220791号公報(特許文献3)では、平板状粒子を外添したトナーが提案されている。この特許文献3に記載のトナーによれば、コピー数が増加しても外添剤の埋没や離脱が発生せず、高画質な画像が得られるとされている。
また、特開平8−202074号公報(特許文献4)では、偏平状樹脂粒子を外添したトナーが提案されている。
特開昭62−113158号公報 特開平3−45978号公報 特開平8−220791号公報 特開平8−202074号公報
特許文献3に記載のトナーでは、依然として外添剤の離脱や埋没を抑制する効果が十分とは言えず、より効果の高い外添剤の開発が望まれていた。
また、特許文献4の偏平状樹脂粒子は、乳化重合時に界面活性剤を必要としているため、親水性であり、高湿下での運転時には水分により帯電量が不安定なるため耐久性の面で満足いくものではない。
離脱や埋没が抑制され、温度あるいは環境の変化に影響されにくく、常に安定した帯電性、現像性等の特性を有するトナー用外添剤の提供が望まれていた。
かくして本発明によれば、トナー用外添剤としての少なくとも一つの偏平面を有する偏平状樹脂粒子であり、前記偏平面が0.2〜5μmの直径を有し、前記偏平状樹脂粒子が1.0重量%以下の20℃かつ相対湿度80%雰囲気下における水分吸着量を有することを特徴とするトナー用外添剤が提供される。
更に、本発明によれば、上記トナー用外添剤の製造方法であって、前記偏平状樹脂粒子が、その原料である単量体又は単量体混合物を、種粒子の存在下、水溶性重合開始剤を用いて、水性媒体中、非水溶性有機溶剤及び界面活性剤の非存在下で重合させることにより得られることを特徴とするトナー用外添剤の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、少なくとも着色剤と結着樹脂で構成されるトナー粒子と、外添剤としての偏平状樹脂粒子とを含む電子写真用トナーであって、前記偏平状樹脂粒子が、少なくとも一つの偏平面を有し、かつ1.0重量%以下の20℃かつ相対湿度80%雰囲気下における水分吸着量を有し、前記偏平面が0.2〜5μmの直径を有することを特徴とする電子写真用トナーが提供される。
本発明のトナー用外添剤は、環境変動(温度、湿度等の変動)に対し極めて安定した特性(帯電性及び現像性等)をトナーに付与できる。外添剤が外添されたトナーは、耐久性に優れ、長期にわたって安定した高画質の画像が得られる。また、このトナーは、紙への定着性が優れており、カブリのない鮮明な画像を提供できる。
(トナー用外添剤:偏平状樹脂粒子)
本発明における「偏平状樹脂粒子」とは、少なくとも一つの偏平面を有し、偏平面が0.2〜5μmの直径を有する粒子である。この特異な形状により、偏平状樹脂粒子は、トナー粒子への付着性、分散性が従来の粒子と比較して極めて良好で、トナー粒子から非常に離脱しにくく、トナー粒子に非常に埋没しにくい。そのためキャリアのスペント(消耗)が防止され、安定した帯電と、耐久性能が向上したトナーが得られる。
また、より好ましい偏平状樹脂粒子の形状としては、平面形状が略円状で、図1の概略側面図に示すように、表面が凸状で、裏面(底部)が凹状であり、底部の直径(D)が0.2〜5μmで、この直径(D)と底部から凸状表面の先端までの厚み(H)との比(D/H)が1.5〜4の範囲にあり、凸状表面に対応した内径(d)0.1μm以上の凹状内面を底部に有する形状が挙げられる。
また、偏平状樹脂粒子が、その原料である単量体又は単量体混合物を、水溶性重合開始剤を用いて、種粒子の存在下、水性媒体中、非水溶性有機溶剤及び界面活性剤の非存在下で重合させることにより得られる粒子であることが好ましい。そのような粒子は吸湿性が低いため帯電の環境安定性に優れ、高湿下の過酷な環境下においても安定した画質を与えるトナーを提供できる。
以下、本発明のトナー用外添剤(単に外添剤ともいう)について詳細に説明する。外添剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子に外添させる剤である。
一般に、外添剤は、トナー粒子との間に働く静電気力等の付着力によりトナー粒子に付着している。一方で外添剤には現像器内における攪拌による遠心力や現像器の構成部材等との衝突による力等も作用している。このような力の作用が外添剤をトナー粒子表面から離脱、又はトナー粒子中に埋没させる方向に働く。しかし、本発明における偏平状樹脂粒子は、従来の球状の無機粒子あるいは有機粒子と比較して、粒子一個の重さに対して、トナー粒子との接触面積が大きいため、付着力が強く作用し、離脱が少ない。
また、外添剤のトナー粒子への埋没は、外添剤に直接押圧力が加わることにより生じる。それを防止するためには、トナー粒子との接触面積を広げ、外添剤に加わる押圧力を分散させることが有効である。具体的には、外添剤に偏平状樹脂粒子を用いれば、接触面積を大きくすることが有効である。また、樹脂粒子は、無機粒子に比べ、軟らかく、トナー粒子の硬さに近いため、埋没が生じにくい。
本発明の偏平状樹脂粒子は低吸湿性であることが好ましい。帯電特性は環境による影響が大きく、特に湿度による影響を受けやすい。それ故、トナーに外添される粒子の吸湿性が高いと帯電量が影響を受け、安定した特性を維持できないことがある。吸湿性は20℃かつ相対湿度(RH)80%雰囲気下に粒子を置き、5時間後の水分吸着量を測定することで評価でき、その値が1.0重量%以下であることが好ましい。より好ましい水分吸着量は、0.9重量%以下である。
また、本発明の偏平状樹脂粒子はフローテスターでの流出開始温度が250℃以下であることが好ましい。流出開始温度が250℃より高いと、トナーが紙に定着される工程において、トナーの紙への定着が妨げられることがあるため、高画質な印字を行うことができないことがある。より好ましい流出開始温度は180〜230℃である。
偏平状樹脂粒子は、その原料である単量体又は単量体混合物を、種粒子の存在下、水溶性重合開始剤を用いて、水性媒体中、非水溶性有機溶剤及び界面活性剤の非存在下で重合させることにより得ることができる。
具体的には、重量平均分子量5,000〜15,000のビニル系単量体を種粒子とし、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主成分とし、かつ架橋性ビニル系単量体を含む単量体混合物を種粒子に吸収させ、水溶性重合開始剤を用いて、非水溶性有機溶剤及び界面活性剤の非存在化で重合することにより得ることができる。
ビニル系重合体粒子からなる種粒子としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体、酢酸ビニル、あるいは他の共重合可能な単量体の単独重合体又はこれらのブロック、ラムダム、グラフト共重合体が挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
なお、種粒子用の単量体は、後述の偏平状樹脂粒子用の単量体と同一であるか、又は同系列のものであれば、透明性の偏平状樹脂粒子が得られやすいので好ましい。種粒子の製造方法は特に限定されないが、乳化重合、ソープフリー乳化重合あるいは懸濁重合等の方法を用いることができる。種粒子の粒子径の均一性や製造方法の簡便さを考慮すると、乳化重合及びソープフリー乳化重合法が好ましい。
種粒子の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定で、5,000〜150,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは10,000〜80,000、更に好ましくは15,000〜50,000である。重合開始剤の使用量の加減あるいは分子量調整剤の添加等により、種粒子の重量平均分子量をこの範囲に調整することができる。分子量調整剤としては、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類を使用できる。これらの分子量調整剤の添加量を加減することによっても、種粒子の重量平均分子量を調整できる。
種粒子の重量平均分子量が150,000より大きい場合には、得られる樹脂粒子の偏平の度合いが低下し、球状の粒子が混入することがある。すなわち、種粒子の重量平均分子量が150,000より大きくなると、種粒子の単量体吸収能力が小さくなり、単量体混合物の単量体が種粒子に吸収されないまま独自に重合するため、目的の形状とは異なる球状の粒子が生成するものと思われる。
他方、種粒子の重量平均分子量が5,000より小さい場合には、多量の分子量調整剤を使用しても、所望の種粒子が得られ難いばかりでなく、最終的に得られる偏平状樹脂粒子の強度が低下することがある。
なお、種粒子の大きさは特に限定されないが、通常0.1〜2μmの平均粒子径の球状粒子が使用される。種粒子の形状は特に限定されない。
偏平状樹脂粒子の原料の単量体としては、特に限定されず、公知の単量体をいずれも使用できる。例えば、以下の単量体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル等が挙げられる。
また、架橋性ビニル系単量体を含ませることで単量体混合物としてもよい。架橋性ビニル系単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の、重合性ビニル基を1分子中に2つ以上有する多官能性単量体が用いられる。この発明の架橋性ビニル系単量体の使用量は、単量体混合物の全量に対して3〜15重量%に調整される。
架橋性ビニル系単量体の比率が3重量%未満であると、偏平化の度合いが小さく球状に近い粒子が得られることがある。また、逆に架橋性ビニル系単量体の比率が15重量%より大きい場合も、同様の結果が得られることがある。なお、所望により、上記以外の共重合可能な単量体を併用することもできる。
そのような単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
この発明における単量体又は単量体混合物の使用量は、種粒子1重量部に対して3〜30重量部であることが好ましく、更に好ましくは5〜25重量部であり、特に好ましくは7〜19重量部である。
単量体又は単量体混合物の使用量が3重量部未満であると、得られる偏平状樹脂粒子の偏平化の度合いが小さくなりやすい。逆に、この使用量が30重量部を越えると、種粒子の単量体吸収能力が不充分となって、種粒子に吸収されない単量体が増え、そのため目的とする形状以外の微小な粒子が生成しやすい。
なお、単量体又は単量体混合物の種粒子への添加方法は特に限定されず、一度に、又は分割して、あるいは連続的に添加して、単量体又は単量体混合物を種粒子に吸収させることができる。
この発明では、水溶性重合開始剤として、水溶性のラジカル開始剤が用いられる。水溶性のラジカル開始剤としては例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、ベンゾイルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾ系化合物類、過硫酸カリウム−チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素−アスコルビン酸等のレドックス系開始剤等が挙げられる。
なお、この発明の方法でベンゾイルパーオキシド,アゾイソビスブチロニトリル等の油溶性重合開始剤を用いると、目的とする偏平状樹脂粒子が得られ難いので好ましくない。
水性媒体としては、特に限定されず、水、又は水と水溶性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール)との混合媒体が挙げられる。
重合温度は、65℃〜90℃であることが好ましく、更に好ましくは70℃〜80℃である。重合温度が65℃未満では偏平化の度合いが小さくなりやすく、逆に90℃を越えると重合開始剤が分解しやすく、重合開始剤の失活により重合が完結し難くなる。
また、偏平状樹脂粒子の製造には、分散安定剤を用いてもよい。好ましい分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子が挙げられる。
なお、この発明の方法により偏平状樹脂粒子の得られるメカニズムは明確ではないが、次のように推定される。まず、種粒子が単量体を吸収して膨潤した状態になる。次いで、水溶性重合開始剤で重合を行うため、水相で発生したラジカルが水相から単量体油滴に浸入する。単量体油滴の表面で反応が開始されるが、架橋性単量体を含有しているため、比較的低重合率の段階で粒子の外形が定まる。そして、重合の進行に伴い、単量体に溶解していた種粒子のポリマーが析出する。更に重合が進行して粒子内の重合収縮のひずみが増大する。析出した種粒子のポリマーと生成した架橋ポリマーの相溶性が高く、架橋性単量体の量が比較的少ないため、空孔は形成されず、重合収縮により中央部にくぼみが形成される。
(トナー)
トナーは、外添剤とトナー粒子とを含む。
トナー粒子は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含み、任意に電荷制御剤、ワックス等の他の成分を含む。
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、特に限定されないが、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用するのが好ましい。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。共重合モノマーとしては、p−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド等の他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデン等のN−ビニル化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させてもよい。
ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものであれば使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。まず、2価又は3価以上のアルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が例示される。
また、2価又は3価以上のカルボン酸成分としては、2価又は3価カルボン酸、この酸無水物又はこの低級アルキルエステルが用いられ、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル又はアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が例示される。
ポリエステル系樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、より好ましくは90〜140℃である。
また、結着樹脂として熱可塑性樹脂を100%使用する必要はなく、架橋剤や熱硬化性樹脂を添加することで、一部架橋構造を導入してもよい。このように一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性、形態保持性、耐久性等をより向上させることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂、シアネート系樹脂等を使用することができる。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等の1種又は2種以上の組み合わせが挙げられる。
また、結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50〜65℃が好ましく、より好ましくは50〜60℃である。ガラス転移点が上記範囲よりも低いと、得られたトナー同士が現像器内で融着し、保存安定性が低下してしまうことがある。また、樹脂強度が低いため、感光体へのトナー付着が生じる傾向がある。一方、ガラス転移点が上記範囲よりも高いと、トナーの低温定着性が低下してしまうことがある。
結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて比熱の変化点から求めることができる。具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、吸熱曲線を測定することで求めることができる。この場合、測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分で常温常湿下にて測定を行い、得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求める。
着色剤としては、例えば、黒色顔料としてアセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック;黄色顔料として黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ;橙色顔料として、赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK;赤色顔料としてベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B;紫色顔料としてマンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ;青色顔料として紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC;緑色顔料としてクロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG;白色顔料として亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を使用できる。
任意成分である電荷制御剤としては、公知の電荷制御剤を使用できる。正帯電性電荷制御剤としては、例えばニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、カルボキシル基含有脂肪酸変性ニグロシン染料、四級アンモニウム塩、アミン系化合物、有機金属化合物等を使用でき、負帯電性電荷制御剤としては、例えばオキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、金属錯塩染料やサリチル酸誘導体等を使用できる。
任意成分であるワックスとしては、例えば合成ポリエチレンワックス、合成ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の植物系ワックス、モンタンワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、エステル系ワックス、テフロン(登録商標)系ワックス等が挙げられる。トナー粒子には、本発明の効果を害しない範囲でその他の添加剤を添加してもよい。
次に、本発明の電子写真用トナーの製造方法について説明する。まず、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、ワックス等の添加剤を所定の配合比で混合し、溶融混練、粉砕、分級等の各工程を経てトナー粒子を作製する。ついで、該トナー粒子に偏平状樹脂粒子を外添することにより、本発明の電子写真用トナーを得ることができる。
各成分の配合量は、結着樹脂100重量部に対して、着色剤が好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜10重量部、電荷制御剤が好ましくは1〜10重量部、より好ましくは2〜7重量部、ワックスが好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜10重量部である。また、トナー粒子の平均粒子径は、5〜9μm程度であるのがよい。
偏平状樹脂粒子の外添は、機械式粉砕混合方法のような従来の方法、条件で行うことができ、例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、ターブラミキサー、ハイブリタイザー、ロッキングミキサー等を用いて、偏平状樹脂粒子とトナー粒子とを混合し撹拌することにより行うことができる。偏平状樹脂粒子の添加量は、トナー粒子100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜3重量部である。添加量が少なすぎると、所望の流動性及び環境性が得られず画像の劣化を招くことがある。多すぎると、帯電量の低下を招きカブリ等が生じることがある。
上記のようにして得られる電子写真用トナーは、トナー単独で現像剤として用いる一成分現像方式に使用してもよく、トナーとキャリアを混合して現像剤として用いる二成分現像方式に使用してもよい。
一成分現像方式としては、磁力を利用してトナーを搬送する磁性一成分現像方式と、静電力を利用してトナーを搬送する非磁性一成分現像方式とが挙げられる。磁性一成分現像方式に使用する場合には、トナー粒子中に上記した成分に加えて磁性粉を配合すればよい。
磁性粉材料としては、従来から公知のものを使用することができる。具体的には、例えばフェライト、マグネタイトを初めとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属もしくは合金又はこれらの元素を含む化合物、又は強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、又は二酸化クロム等を挙げることができる。磁性粉には、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の表面処理剤で表面処理を施して使用することもできる。磁性粉の配合量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
二成分現像方式に用いる場合には、本発明の電子写真用トナーとキャリアとを混合し撹拌して現像剤化する。トナーの添加量は、キャリア100重量部に対して好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜10重量部である。キャリアの平均粒子径は、20〜100μm程度であるのがよい。キャリアの平均粒子径は、例えばレーザ回析/散乱式粒度分布測定装置LS−200(ベックマンコールター社製)を用いて測定することができる。トナーとキャリアとの混合・撹拌には、例えばボールミル、ナウターミキサー、ロッキングミキサー等の混合機を用いることができる。
キャリアとしては、鉄、酸化鉄、還元鉄、フェライト、マグネタイト、ニッケル、コバルト等の金属、これらの合金や酸化物等からなる粒子、前記各材料の粒子を結着樹脂中に分散させた粒子等を使用することができる。これらの粒子は、十分な帯電性を付与するために、粒子表面が樹脂被覆されているのが好ましい。粒子表面を被覆する樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。粒子表面への樹脂被覆法としては、流動層式スプレードライ法、浸せき法等が挙げられる。
以下実施例を挙げて更に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」と表現されているのは特に断らなければ「重量部」をいうものとする。また、実施例中の種粒子及びトナー粒子の平均粒子径の測定方法、偏平状樹脂粒子のD、H、dの測定方法、水分吸着量、流出開始温度、種粒子の平均分子量は、以下の方法によって測定する。なお、実施例における粒子径、直径、厚み等の数値は、いずれも平均的な数値である。
(種粒子及びトナー粒子の平均粒子径の測定方法)
種粒子及びトナー粒子の平均粒子径は、ベックマンコールター社製のLS230型で測定する。具体的には、粒子0.1gと0.1%ノニオン性界面活性剤溶液10mlを投入し、ヤマト科学社製タッチミキサーTOUCHMIXER MT−31で2秒間混合する。この後、試験管を市販の超音波洗浄器であるヴェルボクリーア社製ULTRASONIC CLEANER VS−150を用いて10分間分散させる。分散させたものをベックマンコールター社製のLS230型にて超音波を照射しながら測定する。そのときの光学モデルは作製した粒子の屈折率にあわせる。
(重量平均分子量の測定方法)
種粒子の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される。なお、重量平均分子量(Mw)はポリスチレン(PS)換算重量平均分子量を意味する。
試料50mgをテトラヒドロフラン(THF)10ミリリットルに溶解させ、非水系0.45μmのクロマトディスクで濾過した上でクロマトグラフを用いて測定する。クロマトグラフの条件は下記の通りとする。
液体クロマトグラフ:東ソー社製、商品名「ゲルパーミエーションクロマトグラフ HLC−8020」
カラム:東ソー社製、商品名「TSKgel GMH−XL−L」φ7.8mm×30cm×2本
カラム温度:40℃
キャリアーガス:テトラヒドロフラン(THF)
キャリアーガス流量:1ミリリットル/分
注入・ポンプ温度:35℃
検出:RI
注入量:100マイクロリットル
検量線用標準ポリスチレン:昭和電工社製、商品名「shodex」重量平均分子量:1030000と東ソー社製、重量平均分子量:5480000、3840000、355000、102000、37900、9100、2630、870
(偏平状樹脂粒子のD、H、dの測定方法)
偏平状樹脂粒子の底部の直径D、底部から凸状表面の先端までの厚みH、凸状表面に対応した内径dは以下のようにして測定する(図1参照)。
走査型電子顕微鏡JSM−6360LV(日本電子社製)を用い5,000〜10,000倍で任意の30個の偏平状樹脂粒子を観察し、各部位を測定してその平均値を直径D、厚みH、内径dとする。
1)粒子平面形状の径を測定し、その最長径を底部の直径Dとする。
2)直径Dを中心にもつ面を底部としその面からの法線の最長径を厚みHとする。
3)直径D上の2つの頂点間距離を内径dとする。
(水分吸着量の測定方法)
偏平樹脂粒子を55℃で24時間乾燥させて、偏平樹脂粒子の乾燥重量(W1)を求める。次に乾燥させた偏平状樹脂粒子を25℃、80%RHの環境下に5時間保持して、偏平樹脂粒子の水分吸着後重量(W2)を求める。次式により水分吸着量を算出する。
水分吸着量(重量%)=100×(W2−W1)/W1
(流出開始温度の測定方法)
偏平状樹脂粒子の流出開始温度はフローテスターCFT−500D(島津製作所社製)を用いて測定する。温度上昇に伴い試料が荷重により圧縮されて内部空隙が消失する。さらなる温度上昇に伴い試料がダイ出口から流出しはじめる時の温度を流出開始温度とする。フローテスター測定の条件は下記のとおりである。
〔フローテスター測定条件〕
荷重:2.0MPa
昇温速度:6.0℃/分、
ダイ口径:1.0mm
ダイ長さ:1.0mm
「種粒子」
以下に示す合成例A〜Fにより種粒子を作製した。
(種粒子の合成例A)
攪拌機、温度計及び還流コンデンサーを備えたセパラブルフラスコに、水600g、メタクリル酸メチル100g及び分子量調整剤としてn−オクチルメルカプタン(n−OM)0.5gを仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5gを添加した後、8時間重合反応させた。得られたエマルジョンは、固形分14%を含有し、その固形成分は粒子径0.4μm、重量平均分子量45,000の真球状粒子であった。
(種粒子の合成例B,C,D)
n−OMの添加量を表1に示すように変えたこと以外は合成例Aと同様の方法で種粒子を得た。
(種粒子の合成例E)
重合温度を80℃としたこと以外は合成例Aと同様の方法で種粒子を得た。
(種粒子の合成例F)
n−OMの添加量を7gとし、重合温度を80℃としたこと以外は合成例Aと同様の方法で種粒子を得た。
「樹脂粒子」
以下に示す合成例1〜10により樹脂粒子を作製した。
(樹脂粒子の合成例1)
種粒子の合成例Aで製造したエマルジョン71.5g(種粒子としての固形分換算10g)、イオン交換水500g、メタクリル酸メチル47.5g及びエチレングリコールジメタクリレート2.5gを混合し、30℃で2時間攪拌して、種粒子に単量体を吸収させた。次に、この混合物を窒素気流下で70℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸カリウム0.5gを溶解したイオン交換水50gを添加し、5時間重合させた。その後、室温まで冷却し、孔径0.8μmの濾紙を用いて吸引濾過洗浄を行った後、60℃にて真空乾燥を行った。得られた樹脂粒子は、走査型電子顕微鏡により観察したところ、底部の直径(D)が1.1μm、底部から凸状表面の先端までの厚み(H)が0.6μmで、粒子の底部中央に凸状表面に対応した内径(直径:d)0.5μmの凹部を持つ偏平状樹脂粒子であった。この実施例で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。
(樹脂粒子の合成例2)
種粒子の合成例Bで製造したエマルジョンを用い、メタクリル酸メチルに変えメタクリル酸n−ブチルを用いたこと以外は合成例1と同様の方法で樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、表2に示すように、偏平状樹脂粒子であった。
(樹脂粒子の合成例3)
種粒子の合成例Dで製造したエマルジョンを用い、メタクリル酸メチル97g及びエチレングリコール3gとしたこと以外は合成例1と同様の方法で樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、表2に示すように、偏平状樹脂粒子であった。
(樹脂粒子の合成例4)
種粒子の合成例Eで製造したエマルジョンを用い、メタクリル酸ブチル40g及びエチレングリコールジメタクリレート10gを用いたこと以外は合成例1と同様の方法で樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、表2に示すように、偏平状樹脂粒子であった。
(樹脂粒子の合成例5)
種粒子の合成例Dで製造したエマルジョンを用い、メタクリル酸メチル99g及びエチレングリコールジメタクリレート1gを用いたこと以外は合成例1と同様の方法で樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、表2に示すように、真球状樹脂粒子であった。
(樹脂粒子の合成例6)
種粒子の合成例Bで製造したエマルジョンを用い、メタクリル酸メチル25g及びエチレングリコールジメタクリレート25gを用いたこと以外は合成例1と同様の方法で樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、表2に示すように、真球状樹脂粒子であった。
(樹脂粒子の合成例7)
種粒子の合成例Cで製造したエマルジョンを用いたこと以外は合成例1と同様の方法で樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、表2に示すように、真球状樹脂粒子であった。
(樹脂粒子の合成例8)
種粒子の合成例Fで製造したエマルジョンを用いたこと以外は合成例1と同様の方法で樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、表2に示すように、真球状樹脂粒子であった。
(樹脂粒子の合成例9)
種粒子の合成例Aで製造したエマルジョン71.5g(種粒子としての固形分換算10g)、イオン交換水500g、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.5g、メタクリル酸メチル47.5g及びエチレングリコールジメタクリレート2.5gを混合し、30℃で2時間攪拌して、種粒子に単量体を吸収させた。次に、この混合物を窒素気流下で70℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸カリウム0.5gを溶解したイオン交換水50gを添加し、5時間重合を行った。その後、室温まで冷却し、孔径0.8μmの濾紙を用いて吸引濾過洗浄を行った後、60℃にて真空乾燥を行った。得られた樹脂粒子を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、表2に示すように、偏平状樹脂粒子であった。
表2に合成例1〜10の原料、樹脂粒子の形状及び樹脂粒子の性質をまとめて示す。表2中、MMAはメタクリル酸メチル、BMAはメタクリル酸n−ブチル、IBMAはメタクリル酸イソブチル、EGDMAはエチレングリコールジメタクリレートを意味する。
「トナー」
実施例1
・スチレン−アクリル系樹脂:100部
(酸価:25、ガラス転移点(Tg):60℃、軟化点(Tm):120℃)
・帯電制御剤(スピロンブラックTRH;保土谷化学工業社製):3部
・カーボンブラック(モーガルL;キャボット社製):6部
・ワックス(ビスコール605P;三洋化成社製):5部
上記原料をヘンシェルミキサーにより十分混合し、得られた混合物を2軸押出機を用いて溶融混練した。混練物を冷却後、粗粉砕した。粗粉砕物をエアージェット方式による粉砕機で微粉砕した。更に得られた微粉砕物を気流式粉砕機により分級して、体積平均粒子径(D50)10.2μmのトナー粒子を得た。
このトナー粒子100重量部に対して、合成例1で製造した偏平状粒子を1.0重量部添加し、ヘンシェルミキサーを用いて3000rpmで10分間混合して電子写真用トナーを得た。
次に、シリコーン樹脂で表面をコーティングした平均粒子径80μmのフェライトキャリア(パウダーテック社「EF−60B」)に、上記で得られた電子写真用トナーをトナー濃度が5重量%になるように、均一に混合攪拌することで二成分現像剤を得た。
得られた二成分現像剤を用いて市販の普通紙高速複写機(IMAGIO NEO 601;リコー社製)にて温度20℃、相対湿度80%の雰囲気下で画出し及び連続30000(30K)枚の耐久試験を行った。結果を表3に示す。
実施例2
合成例2で製造した偏平状粒子を3g用いたこと以外は実施例1と同様にして、二成分現像剤を得、耐久試験を実施した。結果を表3に示す。
実施例3
合成例3で製造した偏平状粒子を5g用いたこと以外は実施例1と同様にして、二成分現像剤を得、耐久試験を実施した。結果を表3に示す。
実施例4
合成例4で製造した偏平状粒子を5g用いたこと以外は実施例1と同様にして、現像剤を得、耐久試験を実施した。結果を表3に示す。
比較例1
合成例5で製造した真球状粒子を3g用いたこと以外は実施例1と同様にして、現像剤を得、耐久試験を実施した。結果を表3に示す。
比較例2
合成例6で製造した真球状粒子を3g用いたこと以外は実施例1と同様にして、現像剤を得、耐久試験を実施した。結果を表3に示す。
比較例3
合成例7で製造した真球状粒子を3g用いたこと以外は実施例1と同様にして、現像剤を得、耐久試験を実施した。結果を表3に示す。
比較例4
合成例8で製造した真球状粒子を3g用いたこと以外は実施例1と同様にして、現像剤を得、耐久試験を実施した。結果を表3に示す。
比較例5
合成例9で製造した偏平状粒子を3g用いたこと以外は実施例1と同様にして、現像剤を得、耐久試験を実施した。結果を表3に示す。
表3中の各評価は以下のようにして行った。
(帯電量)
耐久試験前後の電子写真トナーの帯電量をブローオフ粉体帯電量測定装置(商品名:TB−203型、京セラケミカル社製)で測定した。
(画質)
複写した30000枚目以降の紙面における非画像部を目視で観察して以下のようにランクした
○:汚れ全くなし
×:汚れが多く、実用上問題あり
表3から、実施例1〜4の偏平状樹脂粒子を使用したトナーは、帯電量の変化が少なく、長期にわたって安定した高画質の画像が得られていることが分かる。
比較例1〜4の真球状樹脂粒子を使用したトナーは、帯電量の変化が大きく、安定した画質の画像が得られないことが分かる。
比較例5の吸湿性に劣る(水分吸着量が多い)偏平状樹脂粒子を使用したトナーは、帯電量の変化が大きく、安定した画質の画像が得られないことが分かる。
偏平状樹脂粒子の概略側面図である。 合成例1で得られた偏平状粒子の電子顕微鏡写真である。
符号の説明
D 底部の直径
H 底部から凸状表面の先端までの厚み
d 凸状表面に対応した内径

Claims (6)

  1. トナー用外添剤としての少なくとも一つの偏平面を有する偏平状樹脂粒子であり、前記偏平面が0.2〜5μmの直径を有し、前記偏平状樹脂粒子が1.0重量%以下の20℃かつ相対湿度80%雰囲気下における水分吸着量を有することを特徴とするトナー用外添剤。
  2. 前記偏平状樹脂粒子が、その原料である単量体又は単量体混合物を、水溶性重合開始剤を用いて、種粒子の存在下、水性媒体中、非水溶性有機溶剤及び界面活性剤の非存在下で重合させることにより得られる請求項1に記載のトナー用外添剤。
  3. 前記偏平状樹脂粒子が、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体混合物に由来する請求項1又は2に記載のトナー用外添剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー用外添剤の製造方法であって、前記偏平状樹脂粒子が、その原料である単量体又は混合物を、種粒子の存在下、水溶性重合開始剤を用いて、水性媒体中、非水溶性有機溶剤及び界面活性剤の非存在下で重合させることにより得られることを特徴とするトナー用外添剤の製造方法。
  5. 前記偏平状樹脂粒子が、重量平均分子量5,000〜150,000のビニル系重合体粒子からなる種粒子の存在下、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、かつ架橋性ビニル系単量体3〜15重量%を含む単量体混合物を、水溶性重合開始剤を用いて、水性媒体中、非水溶性有機溶剤及び界面活性剤の非存在下で重合させることにより得られる請求項4に記載のトナー用外添剤の製造方法。
  6. 少なくとも着色剤と結着樹脂で構成されるトナー粒子と、外添剤としての偏平状樹脂粒子とを含む電子写真用トナーであって、前記偏平状樹脂粒子が、少なくとも一つの偏平面を有し、かつ1.0重量%以下の20℃かつ相対湿度80%雰囲気下における水分吸着量を有し、前記偏平面が0.2〜5μmの直径を有することを特徴とする電子写真用トナー。
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