JP5622803B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Description
前記トナーコア粒子を被覆するシェル層と、からなる静電潜像現像用トナーであって、
前期シェル層は、球状の樹脂微粒子を用いて形成され、
前記樹脂微粒子のガラス転移点が50〜80℃であり、
前記静電潜像現像用トナーの表面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察する場合に、粒子径が6μm以上8μm以下のトナー粒子について、シェル層に球状の前記樹脂微粒子に由来する構造が観察されず、
前記静電潜像現像用トナーの断面を、透過型電子顕微鏡を用いて観察する場合に、前記シェル層の内部に、前記トナーコア粒子の表面に対して略垂直方向の、前記樹脂微粒子同士の界面に由来するクラックが観察される、静電潜像現像用トナーに関する。
また、本発明のトナーは、その表面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察する場合に、粒子径が6μm以上8μm以下のトナー粒子について、シェル層に球状の樹脂微粒子に由来する構造が観察されない。そして、本発明のトナーは、トナーの断面を、透過型電子顕微鏡を用いて観察する場合に、シェル層の内部に、トナーコア粒子の表面に対して略垂直方向の、樹脂微粒子同士の界面に由来するクラックが観察される。以下、トナーの構造と、トナーの材料とについて説明する。
本発明のトナーは、トナーコア粒子がその全表面をシェル層により被覆されている。静電潜像現像用トナーの表面のシェル層による被覆状態は、走査型電子顕微鏡(SEMを用いて確認できる。また、シェル層の平滑化の程度と、静電潜像現像用トナーのシェル層の内部とは、トナーの断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより確認できる。本発明のトナーの好適な一態様について、TEMを用いて観察されるトナーの断面の模式図を図1に示す。
I)球状の樹脂微粒子を、トナーコア粒子の表面に対して垂直方向に重ならないように、トナーコア粒子の表面に付着させて、トナーコア粒子の全表面を被覆する樹脂微粒子層を形成する工程、及び
II)樹脂微粒子層の外表面への外力の印加によって、樹脂微粒子層中の樹脂微粒子を変形させることにより、樹脂微粒子層の外表面を平滑化させてシェル層を形成する工程、
を含む方法により形成されている。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂を含むトナーコア粒子と、トナーコア粒子の全表面を被覆するシェル層と、からなる。トナーコア粒子は、結着樹脂中に、必要に応じ、離型剤、電荷制御剤、着色剤、磁性粉等を含んでいてもよい。また、本発明のトナーは所望によりその表面が、外添剤により処理されたものであってもよい。さらに、本発明のトナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。
本発明のトナーにおけるトナーコア粒子は、結着樹脂を含む。トナーコア粒子に含まれる結着樹脂は、従来からトナー用の結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に制限されない。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂のような熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、結着樹脂中の着色剤の分散性、トナーの帯電性、用紙に対する定着性の面から、ポリスチレン系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましい。以下、ポリスチレン系樹脂、及びポリエステル樹脂について説明する。
トナーコア粒子は、定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含むのが好ましい。トナーコア粒子に含むことができる離型剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。離型剤としてはワックスが好ましく、ワックスの例としては、カルナウバワックス、合成エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス、ライスワックスが挙げられる。これらの離型剤は2種以上を組み合わせて使用できる。このような離型剤をトナーに添加することにより、オフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生をより効率的に抑制することができる。
トナーコア粒子は、トナーの、帯電レベルや、所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で、電荷制御剤を含むのが好ましい。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
トナーコア粒子は、必要に応じて着色剤を含んでいてもよい。トナーコア粒子に含むことができる着色剤は、トナーの色に合わせて、公知の顔料や染料を用いることができる。トナーに添加可能な好適な着色剤の具体例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラックのような黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モノアゾイエロー、ジアゾイエローのような黄色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGKのような橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、モノアゾレッドのような赤色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキのような紫色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、フタロシアニンブルーのような青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGのような緑色顔料;亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛のような白色顔料;バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトのような体質顔料が挙げられる。これらの着色剤は、トナーを所望の色相に調整する目的等で2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の静電潜像現像用トナーは、所望により、トナーコア粒子にて、結着樹脂中に磁性粉を配合することにより、磁性1成分現像剤とすることができる。トナーを磁性1成分現像剤とする場合に用いる磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイトのような鉄;コバルト、ニッケル等の強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理等の強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
本発明の静電潜像現像用トナー中のシェル層を形成する樹脂微粒子は、トナーコア粒子を被覆できる限り特に限定されない。所定の構造のシェル層を形成しやすいことから、シェル層を形成する樹脂微粒子は、不飽和結合を有するモノマーの重合体が好ましい。また、樹脂微粒子は、ソープフリー乳化重合により合成可能な樹脂が好ましい。ソープフリー乳化重合で樹脂微粒子を製造すれば、粒子径が揃っており、界面活性剤を含まないか、殆ど含まない樹脂微粒子を調製できるからである。
CH2=C(R1)−(CO)−X−N(R2)(R3)
(式中、R1は水素又はメチル基を示す。R2及びR3は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。Xは−O−、−O−Q−又は−NHを示す。Qは炭素数1〜10のアルキレン基、フェニレン基、又はこれらの基の組合せを示す。)
測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計DSC−200を用い、JIS K 7121−1987に準拠した方法により、樹脂微粒子を構成する樹脂の吸熱曲線を測定することで樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移点を求めることができる。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用する。測定温度範囲25℃以上200℃以下、昇温速度10℃/分という条件で、常温常湿下にて測定して得られた樹脂微粒子を構成する樹脂の吸熱曲線より樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移点を求めることができる。
高化式フローテスター(CFT−500D(株式会社島津製作所製))を用いて樹脂微粒子を構成する樹脂の軟化点(F1/2)の測定を行う。測定試料作成用の成形型に樹脂微粒子を構成する樹脂約1.8gを充填し、4MPaの圧力を印加して、直径1cm長さ2cmの円柱状の樹脂微粒子のペレットを作成する。得られたペレットをフローテスターにセットし、プランジャー荷重:30kg、ダイ穴直径:1mm、ダイ長さ:1mm、昇温速度4℃/分、測定温度範囲70℃以上160℃以下という測定条件で樹脂微粒子を構成する樹脂の軟化点(Tm)を測定する。フローテスターの測定により得られた、温度(℃)とストローク(mm)とに関するS字カーブより、樹脂微粒子を構成する樹脂の軟化点(F1/2)を読み取る。
本発明のトナーは、トナーコア粒子の表面にシェル層を形成した後に、所望により外添剤により処理することができる。以下、外添剤により処理される粒子を、「トナー母粒子」とも記載する。
本発明の静電潜像現像用トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、キャリアとして磁性キャリアを用いるのが好ましい。
以上説明した静電潜像現像用トナーの製造方法は、トナーコア粒子とシェル層とが、それぞれ所定の構造となるように形成される限り特に限定されない。また、必要に応じて、シェル層で被覆されたトナーコア粒子をトナー母粒子として用いて、トナー母粒子の表面に、外添剤を付着させる外添処理を施してもよい。以上説明した静電潜像現像用トナーの好適な製造方法として、以下に、トナーコア粒子の製造方法と、シェル層の形成方法と、外添処理方法とを順に説明する。
トナーコア粒子を製造する方法は、結着樹脂中に着色剤、離型剤、電荷制御剤、磁性粉のような任意の成分を良好に分散できる限り特に限定されない。トナーコア粒子の好適な製造方法の具体例としては、結着樹脂と、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉等の成分とを混合機等により混合した後、一軸又は二軸押出機等の混練機により結着樹脂と結着樹脂に配合される成分とを溶融混練し、冷却された混練物を粉砕・分級する方法が挙げられる。トナーコア粒子の平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には5μm以上10μm以下が好ましい。
シェル層は、球状の樹脂微粒子を用いて形成される。そして、より具体的には、
I)球状の樹脂微粒子を、トナーコア粒子の表面に対して垂直方向に重ならないように、トナーコア粒子の表面に付着させて、トナーコア粒子の全表面を被覆する樹脂微粒子層を形成する工程、及び
II)樹脂微粒子層の外表面への外力の印加によって、樹脂微粒子層中の樹脂微粒子を変形させることにより、樹脂微粒子層の外表面を平滑化させてシェル層を形成する工程、
を含む方法により形成されている。
外添剤によるトナー母粒子の処理方法は特に限定されず、従来知られている方法に従ってトナー母粒子を処理できる。具体的には、外添剤の粒子がトナー母粒子中に埋没しないように処理条件を調整し、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーのような混合機によって、外添剤によるトナー母粒子の処理が行われる。
(ポリエステル樹脂の製造)
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物1960g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物780g、ドデセニル無水コハク酸257g、テレフタル酸770g、及び酸化ジブチル錫4gを反応容器に仕込んだ。次に、反応容器内を窒素雰囲気とし、撹拌しながら反応容器内部の温度を235℃まで上昇させた。次いで、同温度において8時間反応を行った後、反応容器内を8.3kPaに減圧して1時間反応を行った。その後、反応混合物を180℃に冷却し、所望の酸化となるようにトリメリット酸無水物を反応容器に添加した。次いで、10℃/時間の速度で反応混合物の温度を210℃まで昇温させて、同温度で反応を行った。反応終了後、反応容器の内容物を取り出し、冷却してポリエステル樹脂を得た。
(トナーコア粒子の製造)
結着樹脂(製造例1で得たポリエステル樹脂)89質量部、離型剤(ポリプロピレンワックス 660P(三洋化成株式会社製))5質量部、電荷制御剤(P−51(オリヱント化学工業株式会社製))1質量部、及び着色剤(カーボンブラック MA100(三菱化学株式会社製))5質量部を、混合機により混合し混合物を得た。次に、混合物を2軸押出機により溶融混練して混練物を得た。混練物を、粉砕機(ロートプレックス(株式会社東亜機械製作所製))により粗粉砕した後に、粗粉砕物を機械式粉砕機(ターボミル(ターボ工業株式会社製))により微粉砕して微粉砕物を得た。分級機(エルボージェット(日鉄鉱業株式会社製))によって微粉砕物を分級して、体積平均粒子径(D50)が7.0μmのトナーコア粒子を得た。トナーコア粒子の体積平均粒子径は、コールターカウンターマルチサイザー3(ベックマンコールター社製)を用いて測定した。
(樹脂微粒子Aの製造)
撹拌装置、温度計、冷却管、及び窒素導入装置を備えた1000mlの反応容器に、蒸留水450mlと、ドデシルアンモニウムクロライド0.52gとを仕込んだ。反応器の内容物を、窒素雰囲気下で撹拌しながら、反応容器内部の温度を80℃まで上昇させた。昇温後、反応容器に、濃度1質量%の過硫酸カリウム(重合開始剤)水溶液120gとイオン交換水200gとを加えた。次いで、アクリル酸ブチル15g、メタクリル酸メチル165g、及びn−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)3.6gからなる混合物を1.5時間かけて反応容器に滴下した後、さらに2時間かけて重合を行い、樹脂微粒子の水性分散液を得た。得られた樹脂微粒子の水性分散液を、フリーズドライにより乾燥して、樹脂微粒子を得た。樹脂微粒子の個数平均粒子径は、102nmであった。また、樹脂微粒子Aのガラス転移点(Tg)は49.6℃であり、軟化点は、188℃であった。
なお、樹脂微粒子の個数平均粒子径の測定方法は、まず、フィールドエミッション走査電子顕微鏡(JSM−6700F(日本電子株式会社製))を用いて、倍率100,000倍の樹脂微粒子の写真を撮影した。撮影した電子顕微鏡写真を必要に応じてさらに拡大し、50個以上の樹脂微粒子について定規、ノギス等を用いて、樹脂微粒子の個数平均粒径を測定した。
表1に記載の量のアクリル酸ブチル、及びメタクリル酸メチルを用いる他は、樹脂微粒子Aと同様にして、樹脂微粒子B〜Eを得た。得られた樹脂微粒子B〜Eの個数平均粒子径、ガラス転移点、及び軟化点を表1に記す。
表2に記載の使用量のドデシルアンモニウムクロライドを用いる他は、樹脂微粒子Aと同様にして、樹脂微粒子F〜Iを得た。得られた樹脂微粒子F〜Iの個数平均粒子径を表2に記す。
(トナー母粒子の調製)
製造例2で得られたトナーコア粒子100gに対して、製造例3で得られた樹脂微粒子A10gを用い、トナーコア粒子を樹脂微粒子Aにより被覆し、トナーコア粒子表面にシェル層を形成した。シェル化処理には粉体処理装置(マルチパーパスミキサー MP型(日本コークス工業株式会社製))を用い、粉体処理装置の処理槽内にトナーコア粒子と樹脂微粒子Aとを投入し、表1に記載の回転数、及び処理時間で処理してトナー母粒子を得た。なお、実施例1で、粉体処理装置の槽内温度が50℃以上60℃以下の範囲となるように制御した。
得られたトナー母粒子に、トナー母粒子の質量に対して、2.0質量%の酸化チタン(EC−100(チタン工業株式会社製))と、1.0質量%の疎水性シリカ(RA−200H(日本アエロジル株式会社製))とを加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)にて、回転周速30m/秒にて5分間、撹拌・混合して、トナーを得た。
製造例2で得られたトナーコア粒子100gに対して、製造例3で得られた樹脂微粒子A10gを用い、トナーコア粒子を樹脂微粒子Aにより被覆し、トナーコア粒子表面にシェル層を形成した。
シェル層の形成には表面改質装置(微粒子コーティング装置 SFP−01型(株式会社パウレック製))を用いた。トナーコア粒子を、表面改質装置の流動層中に、給気温度80℃で循環させた。製造例3で得られた樹脂微粒子Aの水性分散液の樹脂微粒子の濃度を調整して得た、樹脂微粒子10gを含む水性分散液300gを、スプレー速度5g/分で、60分間、表面改質装置の流動層中に噴霧し、トナー母粒子を得た。得られたトナー母粒子を、実施例1と同様に外添処理し、比較例3のトナーを得た。
下記方法に従って、実施例1、及び比較例1〜3のトナーの表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、トナーコア粒子のシェル層による被覆状態と、シェル層の表面の状態とを確認した。また、下記方法に従って、実施例1、及び比較例1〜3のトナーの断面の写真を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影した。得られたTEM写真を用いて、シェル層の表面状態と、シェル層の内部の状態と、シェル層の内表面の形状とを確認した。実施例1のトナーの断面のTEM写真を図2に示し、比較例1のトナーの断面のTEM写真を図3に示し、比較例3のトナーの断面のTEM写真を図4に示す。
走査型電子顕微鏡(JSM−6700F(日本電子株式会社製))を用いて、トナー粒子表面を、倍率10,000倍にて観察した。
<トナーの断面の撮影方法>
トナーを樹脂に包埋した試料を作成した。ミクロトーム(EM UC6(ライカ株式会社製))を用いて、得られた試料から厚さ200nmのトナーの断面観察用の薄片試料を作成した。得られた薄片試料を、透過型電子顕微鏡(TEM、JSM−6700F(日本電子株式会社製))を用いて倍率50,000倍にて観察し、任意のトナーの断面の画像を撮影した。
下記方法に従って、実施例1、及び比較例1〜3のトナーの定着性、及び耐熱保存性の評価を行った。各トナーの評価結果を表1に記す。なお、定着性評価には、下記[製造例4]で得た、2成分現像剤を用いた。
(2成分現像剤の調製)
キャリア(フェライトキャリア(パウダーテック株式会社製))と、フェライトキャリアの質量に対して10質量%のトナーとを、ボールミルにて30分間混合して2成分現像剤を調製した。
評価機として、評価用に改造したページプリンター(FS−C5016N(京セラドキュメントソリューションズ製))を用い、評価機は、電源を切った状態で10分間静置した後、電源を入れて使用した。そして、直径30mm、線速100mm/秒の定着ローラーにより、定着温度を180℃に設定して、常温常湿(20℃、65%RH)環境下にて評価画像を得た。得られた評価画像の、摩擦前の画像濃度を、グレタグマクベススペクトロアイ(グレタグマクベス社製)により測定した。
次いで、布帛により覆った1kgの分銅を用いて、分銅の自重のみが画像にかかるように10往復させて摩擦し、摩擦後の画像濃度を測定した。下式に従って、摩擦前後の画像濃度から定着率を算出した。算出した定着率から、下記基準に従って定着性を評価した。
○評価を合格とした。
定着率(%)=(摩擦後画像濃度/摩擦前画像濃度)×100
○:定着率が95%以上
△:定着率が90%以上95%未満
×:定着率が90%未満
トナーを、50℃にて100時間保存した。次いで、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)のマニュアルに従い、レオスタッド目盛り5、時間30秒の条件で、140メッシュ(目開き105μm)の篩によりトナーを篩別して、下式により凝集度(%)を求め、下記基準により評価した。○評価を合格とした。
(凝集度算出式)
凝集度(%)=篩上に残留したトナー質量/篩別前のトナーの質量×100
○:凝集度が20%以下
△:凝集度が20%超、50%以下
×:凝集度が50%超
表4に記載の種類の樹脂微粒子を用いる他は、実施例1と同様にして実施例2、3、及び参考例1、2のトナーを得た。
上記方法に従って、実施例2、3、及び参考例1、2のトナーの表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、トナーコア粒子のシェル層による被覆状態と、シェル層の表面の状態とを確認した。また、上記方法に従って実施例2、3、及び参考例1、2のトナーの断面の写真を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影した。得られたTEM写真により、シェル層の表面状態と、シェル層の内部の状態と、シェル層の内表面の形状とを確認した。
実施例1のトナーと同様にして、実施例2、3、及び参考例1、2のトナーの定着性と、耐熱保存性と、を評価した。各トナーの評価結果を表4に記す。
表5に記載の種類、及び量の樹脂微粒子を用いる他は、実施例1と同様にして実施例4〜6、及び参考例3、4のトナーを得た。
上記方法に従って、実施例4〜6、及び参考例3、4のトナーの表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、トナーコア粒子のシェル層による被覆状態と、シェル層の表面の状態とを確認した。また、上記方法に従って実施例4〜6、及び参考例3、4のトナーの断面の写真を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影した。得られたTEM写真により、シェル層の表面状態と、シェル層の内部の状態と、シェル層の内表面の形状とを確認した。
実施例1のトナーと同様にして、実施例4〜6、及び参考例3、4のトナーの定着性と、耐熱保存性と、を評価した。各トナーの評価結果を表4に記す。
102 トナーコア粒子
103 シェル層
104 クラック
105 凸部
Claims (3)
- 少なくとも結着樹脂を含むトナーコア粒子と、
前記トナーコア粒子を被覆するシェル層と、からなる静電潜像現像用トナーであって、
前期シェル層は、球状の樹脂微粒子を用いて、下記工程I)及びII):
I)球状の樹脂微粒子を、前記トナーコア粒子の表面に対して垂直方向に重ならないように、前記トナーコア粒子の表面に付着させて、前記トナーコア粒子の全表面を被覆する樹脂微粒子層を形成する工程、及び
II)前記樹脂微粒子層の外表面への外力の印加によって、前記樹脂微粒子層中の前記樹脂微粒子を変形させることにより、前記樹脂微粒子層の外表面を平滑化させてシェル層を形成する工程、
を含む方法により形成され、
前記樹脂微粒子のガラス転移点が50〜80℃であり、
前記静電潜像現像用トナーの表面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察する場合に、粒子径が6μm以上8μm以下のトナー粒子について、シェル層に球状の前記樹脂微粒子に由来する構造が観察されず、
前記静電潜像現像用トナーの断面を、透過型電子顕微鏡を用いて観察する場合に、前記シェル層の内部に、前記トナーコア粒子の表面に対して略垂直方向の、前記樹脂微粒子同士の界面に由来するクラックが観察される、静電潜像現像用トナー。 - 前記シェル層の厚さが0.045μm以上0.3μm以下である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記静電潜像現像用トナーの断面を、透過型電子顕微鏡を用いて観察する場合に、前記トナーコア粒子と前記シェル層との界面上、且つ、2つの前記クラック間に、前記シェル層が有する凸部が観察される、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
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