JP2009236243A - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 油圧緩衝器において、ピストンロッドの強度を低下させずに、ピストンロッドにバイパス路を設けること。
【解決手段】 油圧緩衝器10において、ピストンロッド13の小径部13Bの外面に該ピストンロッド13の長手方向に延在するバイパス路51を設けるとともに、ピストンロッド13の肩部13Cをテーパ状にし、ストッパピース80はピストンロッド13のテーパ状肩部13Cに着座するテーパ状内周部81を備えるとともに、ピストンロッド13のバイパス路51に連通してシリンダ12の油室12Aに開口する流路91、92を備えるもの。
【選択図】 図2

Description

本発明は油圧緩衝器に関する。
油圧緩衝器として、特許文献1に記載の如く、シリンダの油室に油液を収容し、シリンダに挿入されたピストンロッドの小径部に挿着したピストンをシリンダに摺動自在に嵌挿し、シリンダの油室をピストンにより上下の油室に区画し、上下の油室を連絡する流路をピストンに設け、ピストンに設けた流路を開閉するディスクバルブをピストンロッドの大径部と小径部の境界の肩部に係止されるストッパピースにより背面支持し、ピストンをバイパスして上下の油室を連絡するバイパス路をピストンロッドに設け、このバイパス路に減衰力調整部を設けてなるものがある。
実公平4-43633
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、ピストンロッドに設けた中空部をバイパス路としている。従って、ピストンロッドに中空部を設ける加工工数が増大するし、細径ピストンロッド(例えばロッド径12.5mmφ)では強度が低下してしまうため、実施できない。
尚、ピストンロッドの外面、特に小径部〜肩部の外面に渡る溝状バイパス路を設けることも考えられる。しかしながら、細径ピストンロッドでは、ストッパピースを背面支持する肩部の段差(例えば大径部12.5mmφ、小径部8mmφ)が小寸法になり、この小寸法の肩部に更に溝状バイパス路を設けることによって、ストッパピースのための肩部の荷重支持面積を極めて小さくする。これにより、ストッパピースに作用する支持面圧が過大になり、焼結合金製ストッパピースが変形、座屈してつぶれるおそれがある。
本発明の課題は、油圧緩衝器において、ピストンロッドの強度を低下させずに、ピストンロッドにバイパス路を設けることにある。
請求項1の発明は、シリンダの油室に油液を収容し、シリンダに挿入されたピストンロッドの小径部に挿着したピストンをシリンダに摺動自在に嵌挿し、シリンダの油室をピストンにより上下の油室に区画し、上下の油室を連絡する流路をピストンに設け、ピストンに設けた流路を開閉するディスクバルブをピストンロッドの大径部と小径部の境界の肩部に係止されるストッパピースにより背面支持し、ピストンをバイパスして上下の油室を連絡するバイパス路をピストンロッドに設け、このバイパス路に減衰力調整部を設けてなる油圧緩衝器において、ピストンロッドの小径部の外面に該ピストンロッドの長手方向に延在するバイパス路を設けるとともに、ピストンロッドの肩部をテーパ状にし、ストッパピースはピストンロッドのテーパ状肩部に着座するテーパ状内周部を備えるとともに、ピストンロッドのバイパス路に連通してシリンダの油室に開口する流路を備えるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記ストッパピースが、ピストンロッドの大径部に挿着されるストレート状大径内周部を前記テーパ状内周部の一側に連続して備えるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記ストッパピースが、ピストンロッドの小径部に挿着されるストレート状小径内周部を前記テーパ状内周部の他側に連続して備えるようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記ピストンロッドの外面に設けられるバイパス路が、ピストンロッドの長手方向に連続するようにフライス切削された単一平面からなるようにしたものである。
(請求項1)
(a)ピストンロッドの小径部の外面にバイパス路を設けたから、ピストンロッドに設けた中空部によりバイパス路を形成するものに比して、加工工数を減らし、ピストンロッドの強度の低下を回避できる。
(b)ピストンロッドのテーパ状肩部にストッパピースのテーパ状内周部を着座させ、ピストンロッドの小径部の外面に設けたバイパス路に連通する流路をピストンロッドのテーパ状肩部に設けることなく、ストッパピースの側に設けた。従って、細径ピストンロッドにおいて、ストッパピースを背面支持する肩部の段差(例えば大径部12.5mmφ、小径部8mmφ)が小寸法になっても、ストッパピースのための肩部の荷重支持面積を該肩部に流路を設けず、しかもこれをテーパ状にした分だけ大きくとることができる。これにより、ストッパピースに作用する支持面圧を小さ目にし、ストッパピースの変形、座屈を防止できる。
(請求項2)
(c)ストッパピースが、ピストンロッドの大径部に挿着されるストレート状大径内周部をテーパ状内周部の一側に連続して備えるものとした。ストッパピースがピストンロッドのバイパス路に連通してシリンダの油室に開口する流路を備えることによって強度低下する分を、ストッパピースのテーパ状内周部に連続するストレート状大径内周部の存在により補強できる。ストッパピースが上記流路に沿って割れる等を防止できる。
(請求項3)
(d)ストッパピースが、ピストンロッドの小径部に挿着されるストレート状小径内周部をテーパ状内周部の他側に連続して備えるものにした。ストッパピースがピストンロッドのバイパス路に連通してシリンダの油室に開口する流路を備えることによって強度低下する分を、ストッパピースのテーパ状内周部に連続するストレート状小径内周部の存在により補強できる。
(請求項4)
(e)ピストンロッドの外面に設けられるバイパス路が、ピストンロッドの長手方向に連続するようにフライス切削された単一平面からなるものにした。バイパス路を溝状とするものに比して、加工を容易にし、ピストンロッドの強度を一層向上できる。
図1は油圧緩衝器を示す模式断面図、図2は減衰力調整手段を示す断面図、図3は油圧緩衝器の油液の流れを示し、(A)は伸側行程の低周波域を示す模式図、(B)は伸側行程の高周波域を示す模式図、(C)は圧側行程を示す模式図、図4はスリットバルブを示す平面図、図5はスプリングを示す平面図、図6はストッパピースを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。
減衰力調整式油圧緩衝器10は、図1に示す如く、ダンパチューブ11にシリンダ12を内蔵した二重管からなる複筒式であり、油液を収容したシリンダ12にピストンロッド13を挿入し、ダンパチューブ11の下部に車軸側取付部を備えるとともに、ピストンロッド13の上部に車体側取付部14を備え、車両の懸架装置を構成する。
油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11の外周の下スプリングシート15と、ピストンロッド13の上端部の車体側取付部14に設けられた上スプリングシート(不図示)の間に懸架ばね16を介装する。
油圧緩衝器10は、シリンダ12に挿入されるピストンロッド13のためのロッドガイド17、ブッシュ18、オイルシール19を、ダンパチューブ11の上端加締部11Aとシリンダ12の上端部の間に挟圧固定している。
減衰力調整式油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置20とボトムバルブ装置40を有する。ピストンバルブ装置20とボトムバルブ装置40は、ピストンロッド13のシリンダ12への挿入端に設けた後述するピストン24がシリンダ12を摺動することによって生ずる油液の流れを制御して減衰力を発生させ、それらが発生する減衰力により、懸架ばね16による衝撃力の吸収に伴うピストンロッド13の伸縮振動を制振する。尚、ピストンロッド13は、大径部13Aと小径部13Bを有し、ピストンロッド13のシリンダ12への挿入端を小径部13Bとし、大径部13Aと小径部13Bの境界に段差状肩部13Cを設けている。
(ピストンバルブ装置20)
ピストンバルブ装置20は、図2に示す如く、シリンダ12に挿入されたピストンロッド13の小径部13Bの外周に、後に詳述するストッパピース80、ピストン24、バルブストッパ25を挿着し、これらを小径部13Bの先端螺子部21に螺着される、サブ伸側減衰バルブ60のためのバルブハウジング61により、ピストンロッド13の肩部13Cとの間に挟圧固定する。
ピストン24は、シリンダ12に摺動可能に嵌挿され、伸側流路31と圧側流路32を設け、ピストン24とバルブストッパ25の間にディスクバルブ状のメイン伸側減衰バルブ33の環状中央部を挟圧し、ピストン24とストッパピース80の間にディスクバルブ状の圧側減衰バルブ34の環状中央部を挟圧する。即ち、ピストンバルブ装置20は、ピストン24によりシリンダ12内をロッド側室12A(上油室)とピストン側室12B(下油室)に区画し、ロッド側室12Aとピストン側室12Bはピストン24に設けた伸側流路31及び該伸側流路31を開閉するメイン伸側減衰バルブ33と、圧側流路32及び該圧側流路32を開閉する圧側減衰バルブ34のそれぞれを介して連通される。即ち、油圧緩衝器10では、ピストン24に設けた圧側流路32を開閉する圧側減衰バルブ34がピストンロッド13の肩部13Cに係止されるストッパピース80により背面支持される。
従って、伸長時には、ロッド側室12Aの油が、ピストン24の伸側流路31を通り、メイン伸側減衰バルブ33を撓み変形させて開き、ピストン側室12Bに導かれ、伸側減衰力を発生させる。また、圧縮時には、ピストン側室12Bの油が、ピストン24の圧側流路32を通り、圧側減衰バルブ34を撓み変形させて開き、ロッド側室12Aに導かれ、圧側減衰力を発生させる。
(ボトムバルブ装置40)
油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11とシリンダ12の間隙をリザーバ室12Cとし、このリザーバ室12Cの内部を油室とガス室に区画している。そして、ボトムバルブ装置40は、シリンダ12の内部のピストン側室12Bとリザーバ室12Cとを仕切るボトムピース41をシリンダ12の下端部とダンパチューブ11の底部との間に配置し、ダンパチューブ11の底部とボトムピース41の間の空間をボトムピース41に設けた流路によりリザーバ室12Cに連絡可能にする。
ボトムバルブ装置40は、ボトムピース41に設けた圧側流路41Aと伸側流路(不図示)をそれぞれ開閉するボトムバルブとしての、ディスクバルブ42とチェックバルブ43を備える。
そして、伸長時には、シリンダ12から退出するピストンロッド13の退出容積分の油が、チェックバルブ43を押し開き、リザーバ室12Cからボトムピース41の伸側流路(不図示)経由でピストン側室12Bに補給される。圧縮時には、シリンダ12に進入するピストンロッド13の進入容積分の油が、ピストン側室12Bからボトムピース41の圧側流路41Aを通ってディスクバルブ42を撓み変形させて開き、リザーバ室12Cへ押出され、圧側減衰力を得る。
尚、油圧緩衝器10にあっては、シリンダ12のロッド側室12Aに位置するピストンロッド13まわりで、ピストン24の側(下側)に固定されたリバウンドシート46の上に、ピストンロッド13の伸切り時(油圧緩衝器10の最伸長状態)に圧縮変形せしめられるリバウンドラバー47を備えている。
しかるに、油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置20の減衰力、本実施例では伸側減衰力を調整するための伸側減衰力調整装置50を以下の如くに備える。
伸側減衰力調整装置50は、図2に示す如く、メイン伸側減衰バルブ33をバイパスしてロッド側室12Aとピストン側室12Bを連通するバイパス路51を後述する如くにピストンロッド13に設け、このバイパス路51にサブ伸側減衰バルブ60(減衰力調整部)を設ける。ピストンロッド13の小径部13Bに挿着されているメイン伸側減衰バルブ33のバルブストッパ25と、ピストンロッド13の小径部13Bの先端螺子部21に螺着されるバルブハウジング61の本体61A及びカラー61Bの間にディスクバルブ状のサブ伸側減衰バルブ60の環状中央部を挟圧する。即ち、伸側減衰力調整装置50は、バイパス路51の一端をロッド側室12Aに開口するとともに、バイパス路51の他端をバルブストッパ25に設けたサブ流路25Aに開口し、サブ伸側減衰バルブ60によりこのサブ流路25Aをピストン側室12Bに対して開閉する。
伸側減衰力調整装置50は、サブ伸側減衰バルブ60の背面側に、ロッド側室12A(伸長時に加圧される一方の油室)にスリットバルブ62のオリフィス62Aを介して連通する背圧室63を設け、背圧室63を板ばね71からなる隔壁体70により閉じる。スリットバルブ62は、サブ伸側減衰バルブ60の背面に添設され、メイン伸側減衰バルブ33のバルブストッパ25とバルブハウジング61の間に環状中央部を挟圧される。スリットバルブ62は、図4に示す如く、環状中央部の内周にスリットを備え、各スリットをオリフィス62Aとする。
伸側減衰力調整装置50は、バルブハウジング61をピストンロッド13の小径部13Bの先端螺子部21に螺着される本体61Aとカラー61Bの結合体からなるものとし、本体61Aの螺子部21に螺着される円板部aの外周側の上下に上下の環状部b、cを突設し、本体61Aの下環状部cの外周に有底カップ状のストッパ65を螺着して備える。バルブハウジング61は本体61Aの円板部aの周方向複数位置に複数の連絡孔61Cを設け、バルブハウジング61の内部で軸方向の両側に背圧室63を連続可能にする。
背圧室63は、サブ伸側減衰バルブ60のバルブハウジング61と、バルブハウジング61の本体61Aの上環状部bに摺動可能に設けられてスプリング66によりサブ伸側減衰バルブ60の背面に付勢されるバックアップカラー67と、バルブハウジング61の支持面68(本実施例ではストッパ65の外周側上面68)上に着座する隔壁体70により区画形成される。バックアップカラー67はバルブハウジング61の本体61Aの上環状部bの内周の環状溝に装填したシール材67Aに液密に上下に摺動し、バックアップカラー67の上端面をサブ伸側減衰バルブ60の背面に衝合する。スプリング66は、図5に示す如く、環状中央部の外周に十字状の張り出し部66Aを備え、バルブハウジング61のカラー61Bの外周に環状中央部の内周を挿着して本体61Aの円板部aの環状突出段差面上に支持され、張り出し部66Aの先端部の上にバックアップカラー67の下端面を支持する。
隔壁体70は、円板状の板ばね71の中心部に芯材73を設け、芯材73の軸方向における板ばね71の反対側に補助ばね72を設け、補助ばね72をバルブハウジング61の本体61Aの下環状部cの内周に段差状をなすように設けた下端支持面69に担持させ、補助ばね72の付勢力により板ばね71をストッパ65の支持面68に着座させる。本実施例では、補助ばね72も円板状の板ばねからなるものとしており、芯材73は膨出部73Aの軸方向の両側に細径部73B、73Cを突設し、細径部73Bに板ばね71の中央孔を装填し、細径部73Cに補助ばね72の中央孔を装填した状態で、板ばね71の外縁側端面をストッパ65の支持面68に載せて着座させ、補助ばね72の外縁側端面をバルブハウジング61の支持面69に載せて担持させる。隔壁体70の板ばね71はストッパ65の支持面68上にて固定保持されることなく、支持面68の面に沿って滑り移動自由とされ、板ばね71のばね定数を低く設定している。隔壁体70の補助ばね72もバルブハウジング61の支持面69に沿って滑り移動自由とされている。
隔壁体70は、伸側行程では、加圧されるロッド側室12Aの圧力がバイパス路51からオリフィス62Aを介して印加される背圧室63の圧力を受け、板ばね71が撓み、補助ばね72がバルブハウジング61の支持面69から離隔し、背圧室63の圧力が板ばね71と補助ばね72の間の中間室74にも及ぶ。伸側行程では、隔壁体70の板ばね71がストッパ65の衝合面65Bに衝合し、板ばね71の撓みを規制する。逆の圧側行程では、加圧されるピストン側室12Bの圧力がストッパ65の中央面に設けてある連通孔65Aから板ばね71に及び、補助ばね72が撓み、板ばね71はストッパ65の支持面68から離隔し、ピストン側室12Bの圧力が、中間室74にも及ぶ。圧側行程では、隔壁体70の芯材73がピストンロッド13の端面に衝合し、補助ばね72の撓みを規制する。隔壁体70は、上述の伸側行程と圧側行程を繰り返し、伸側行程ではロッド側室12Aの圧力の伝搬に遅れを生じさせ、圧側行程ではピストン側室12Bの圧力の伝搬に遅れを生じさせる。板ばね71と補助ばね72のばね定数を互いに独立に設定でき、板ばね71の積層枚数を少なくして伸側を弱く設定することによりロッド側室12Aから背圧室63への圧力伝搬遅れを発生させ、補助ばね72の積層枚数を多くして圧側を強く設定してピストン側室12Bの圧力伝搬遅れを若干とし、ピストンバルブ装置20及び伸側減衰力調整装置50の減衰力の応答速度を調整できる。
伸側減衰力調整装置50は、隔壁体70のストロークをストッパ65により規制し、そのストロークを1〜2mm程度の微小ストロークにすることができ、伸・圧行程の切換わり時の応答性を向上できる。尚、ストッパ65に設けた連通孔65Aをオリフィスとすることもできる。背圧室63の入口のオリフィス62Aよりもオリフィス65Aの流路面積を大きくすることにより、伸側行程での周波数依存性に影響することなく、圧側行程で圧側減衰バルブ34の開閉タイミングを周波数依存させて調整できる。
従って、油圧緩衝器10は伸側減衰力調整装置50を備えて以下の如くに動作する。
(1)伸側行程で、油圧緩衝器10のピストン速度が通常の低周波域にあるときには、図3(A)に示す如く、加圧されたロッド側室12Aの圧力は、オリフィス62Aによる圧力伝搬遅れを伴なうことなく背圧室63に伝わり、板ばね71からなる隔壁体70を押し込みストロークさせた後、背圧室63の圧力が上昇すると、この背圧室63の圧力を受けたサブ伸側減衰バルブ60は開くことなく、メイン伸側減衰バルブ33が開いて減衰力を発生させる。メイン伸側減衰バルブ33は通常走行時の操安性を良好とするように、サブ伸側減衰バルブ60よりも高い撓み剛性を備えていて通常必要な減衰力を発生させる。
(2)伸側行程で、車両が路面の凹凸に乗り、ピストン速度が高周波域に入ると、図3(B)に示す如く、加圧されたロッド側室12Aの圧力はオリフィス62Aによる圧力伝搬遅れを伴ない、背圧室63の圧力を上昇させず、サブ伸側減衰バルブ60は開き易くなって減衰力を低くする。
(3)圧側行程では、図3(C)に示す如く、圧側減衰バルブ34が開いて減衰力を発生させる。
油圧緩衝器10は、伸側減衰力調整装置50を備えて以下の作用効果を奏する。
(a)ピストン速度の低周波域で、板ばね71により付勢されている隔壁体70の押し込みストロークは小さく、背圧室63の圧力の上昇は早く、伸・圧行程の切換わり時にも違和感なく応答でき、応答速度が速い。また、板ばね71は占有スペースが小さく、ばねの積層枚数の調整によりばね力の設定も容易である。
サブ伸側減衰バルブ60の背圧室63に対する受圧面積、オリフィス62Aの流路面積、又は隔壁体70の板ばね71のばね定数の変更により、油圧緩衝器10が発生する減衰力の周波数特性を容易に調整できる。
(b)隔壁体70の板ばね71がバルブハウジング61の支持面68上にて移動自由とされることにより、板ばね71のばね定数を簡易に低くすることができる。ピストン速度の低周波域で、背圧室63の圧力上昇を早くし、応答速度を早くできる。
(c)隔壁体70が板ばね71の中心部に芯材73を設け、芯材73の軸方向における板ばね71の反対側に補助ばね72を設け、補助ばね72をバルブハウジング61に担持させ、該補助ばね72の付勢力により板ばね71をバルブハウジング61の支持面68上に着座させる。補助ばね72の付勢力により隔壁体70の板ばね71をバルブハウジング61の支持面68上に安定的に着座させることができる。
(d)メイン伸側減衰バルブ33とサブ伸側減衰バルブ60を備え、サブ伸側減衰バルブ60の背面側に背圧室63を設ける。メイン伸側減衰バルブ33の撓み剛性をサブ伸側減衰バルブ60の撓み剛性よりも大きくすることにより、ピストン速度が低周波域にある通常時にはメイン伸側減衰バルブ33によって高い減衰力を得ることができる。ピストン速度が高周波域に入ったときには、前述(a)により、サブ伸側減衰バルブ60が開き易くなって減衰力を低くし、微振動のブルブル感をなくすことができる。即ち、通常の低周波域ではメイン伸側減衰バルブ33がピストン速度の低速〜高速の広い範囲で安定した減衰力を提供して操安性を確保し、高周波微振動はサブ伸側減衰バルブ60が開くことによって吸収し、乗心地性を確保できる。
更に、通常の低周波域でも、サブ伸側減衰バルブ60の背圧室63に対する受圧面積を小さく設定することにより、メイン伸側減衰バルブ33の減衰力が大きくなったときにサブ伸側減衰バルブ60を開くようにし、減衰力の上限を設定する(高速ブローする)こともできる。
また、通常の低周波域でも、サブ伸側減衰バルブ60の背圧室63に対する受圧面積を小さく設定することにより、サブ伸側減衰バルブ60により減衰力を発生させ、サブ伸側減衰バルブ60の減衰力が大きくなったときにメイン伸側減衰バルブ33を開くようにし、減衰力の上限を設定する(高速ブローする)こともできる。
しかるに、油圧緩衝器10は、ピストンロッド13の強度を低下させずに、ピストンロッド13にバイパス路51を設けることができるようにするため、以下の構成を具備する。
油圧緩衝器10は、ピストンロッド13の小径部13Bの外面に、該ピストンロッド13の長手方向に延在するバイパス路51を設けるとともに、ピストンロッド13の肩部13Cをテーパ状にする。バイパス路51は、ピストンロッド13の小径部13Bにおける、ストッパピース80の下端側内周部(本実施例では後述するストレート状小径内周部83)が挿着される肩部13Cの直下部から、バルブストッパ25が挿着される先端螺子部21の直上部までの範囲に渡って延在する。本実施例の小径部13Bにおいて、バイパス路51が設けられている部分の横断面はD断面状をなし、バイパス路51はピストンロッド13の長手方向に連続するようにフライス切削された単一平面からなる。但し、バイパス路51は溝状をなすものでも良い。
他方、ストッパピース80は、図2、図6に示す如く、ピストンロッド13の小径部13Bの側から挿着されてテーパ状肩部13Cに係止されるものであり、本実施例では大径部13A、肩部13C、小径部13Bに渡って挿着される。ストッパピース80は、ピストンロッド13のテーパ状肩部13Cに着座するテーパ状内周部81を備えるとともに、ピストンロッド13の小径部13Bのバイパス路51の上端部に連続してシリンダ12のロッド側室12Aに開口する流路91を備える。本実施例の流路91は、ストッパピース80の内周の直径上で相対する2位置のそれぞれにおいて、ストッパピース80の軸方向に延在される溝状をなす。
本実施例のストッパピース80は、ピストンロッド13の大径部13Aに挿着されるストレート状大径内周部82をテーパ状内周部81の上端側に連続して備える。溝状流路91をテーパ状内周部81からストレート状大径内周部82に渡って延在するものにする。ピストンロッド13のテーパ状肩部13Cがストッパピース80に設けた流路91の溝を拡開させようとする力の作用と、流路91の溝を設けたことによるストッパピース80の薄肉化により、ストッパピース80の溝状流路91の周辺に生ずる応力を、テーパ状内周部81に連続するストレート状大径内周部82の存在により上方に延長されて山型になるストッパピース80の広い範囲に分散し、ストッパピース80を補強して溝状流路91の割れ等を防止するものである。
本実施例のストッパピース80は、ピストンロッド13の小径部13Bに挿着されるストレート状小径内周部83をテーパ状内周部81の下端側に連続して備える。ストレート状小径内周部83の軸方向の上側半部に、小径部13Bのバイパス路51の上端部に連通する環状流路92を設ける。ストッパピース80のストレート状小径内周部83の内周に設けられる環状流路92の直径上の2位置に、溝状流路91の下端部が交差して連通する。従って、ピストンロッド13の小径部13Bに設けたバイパス路51は、ストッパピース80の溝状流路91、環状流路92を介してシリンダ12のロッド側室12Aに連通するものになる。
尚、本実施例のストッパピース80は、圧側減衰バルブ34の最上層のディスクバルブに接する下端面を平坦状にし、ピストンロッド13の大径部13Aの周囲でロッド側室12Aに臨む上端面を外周に向けて下り勾配をなす裁頭円錐面状にしている。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ピストンロッド13の小径部13Bの外面にバイパス路51を設けたから、ピストンロッド13に設けた中空部によりバイパス路51を形成するものに比して、加工工数を減らし、ピストンロッド13の強度の低下を回避できる。
(b)ピストンロッド13のテーパ状肩部13Cにストッパピース80のテーパ状内周部81を着座させ、ピストンロッド13の小径部13Bの外面に設けたバイパス路51に連通する流路91をピストンロッド13のテーパ状肩部13Cに設けることなく、ストッパピース80の側に設けた。従って、細径ピストンロッド13において、ストッパピース80を背面支持する肩部13Cの段差(例えば大径部13A12.5mmφ、小径部13B8mmφ)が小寸法になっても、ストッパピース80のための肩部13Cの荷重支持面積を該肩部13Cに流路91を設けず、しかもこれをテーパ状にした分だけ大きくとることができる。これにより、ストッパピース80に作用する支持面圧を小さ目にし、ストッパピース80の変形、座屈を防止できる。
(c)ストッパピース80が、ピストンロッド13の小径部13Bに挿着されるストレート状小径内周部83を前記テーパ状内周部81の他側に連続して備えるものとした。ストッパピース80がピストンロッド13のバイパス路51に連通してシリンダ12のロッド側室12Aに開口する流路91を備えることによって強度低下する分を、ストッパピース80のテーパ状内周部81に連続するストレート状大径内周部82の存在により補強できる。ストッパピース80が上記流路91に沿って割れる等を防止できる。
(d)ストッパピース80が、ピストンロッド13の小径部13Bに挿着されるストレート状小径内周部83をテーパ状内周部81の他側に連続して備えるものにした。ストッパピース80がピストンロッド13のバイパス路51に連通してシリンダ12のロッド側室12Aに開口する流路91を備えることによって強度低下する分を、ストッパピース80のテーパ状内周部81に連続するストレート状小径内周部83の存在により補強できる。
(e)ピストンロッド13の外面に設けられるバイパス路51が、ピストンロッド13の長手方向に連続するようにフライス切削された単一平面からなるものにした。バイパス路51を溝状とするものに比して、加工を容易にし、ピストンロッド13の強度を一層向上できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明のストッパピースに設けられる流路は、ピストンロッドのバイパス路に連通してシリンダの油室に開口するものであれば良く、必ずしもストッパピースの内周に設けられて溝状をなすものに限定されず、ストッパピースに穿設されて孔状をなすものでも良い。
図1は油圧緩衝器を示す模式断面図である。 図2は減衰力調整手段を示す断面図である。 図3は油圧緩衝器の油液の流れを示し、(A)は伸側行程の低周波域を示す模式図、(B)は伸側行程の高周波域を示す模式図、(C)は圧側行程を示す模式図である。 図4はスリットバルブを示す平面図である。 図5はスプリングを示す平面図である。 図6はストッパピースを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。
符号の説明
10 油圧緩衝器
12 シリンダ
12A ロッド側室(油室)
12B ピストン側室(油室)
13 ピストンロッド
13A 大径部
13B 小径部
13C 肩部
24 ピストン
31 伸側流路
32 圧側流路
33 伸側減衰バルブ(ディスクバルブ)
34 圧側減衰バルブ(ディスクバルブ)
51 バイパス路
60 サブ伸側減衰バルブ(減衰力調整部)
80 ストッパピース
81 テーパ状内周部
82 ストレート状大径内周部
83 ストレート状小径内周部
91、92 流路

Claims (4)

  1. シリンダの油室に油液を収容し、
    シリンダに挿入されたピストンロッドの小径部に挿着したピストンをシリンダに摺動自在に嵌挿し、
    シリンダの油室をピストンにより上下の油室に区画し、上下の油室を連絡する流路をピストンに設け、
    ピストンに設けた流路を開閉するディスクバルブをピストンロッドの大径部と小径部の境界の肩部に係止されるストッパピースにより背面支持し、
    ピストンをバイパスして上下の油室を連絡するバイパス路をピストンロッドに設け、このバイパス路に減衰力調整部を設けてなる油圧緩衝器において、
    ピストンロッドの小径部の外面に該ピストンロッドの長手方向に延在するバイパス路を設けるとともに、ピストンロッドの肩部をテーパ状にし、
    ストッパピースはピストンロッドのテーパ状肩部に着座するテーパ状内周部を備えるとともに、ピストンロッドのバイパス路に連通してシリンダの油室に開口する流路を備えることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記ストッパピースが、ピストンロッドの大径部に挿着されるストレート状大径内周部を前記テーパ状内周部の一側に連続して備える請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記ストッパピースが、ピストンロッドの小径部に挿着されるストレート状小径内周部を前記テーパ状内周部の他側に連続して備える請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
  4. 前記ピストンロッドの外面に設けられるバイパス路が、ピストンロッドの長手方向に連続するようにフライス切削された単一平面からなる請求項1〜3のいずれかに記載の油圧緩衝器。
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