JP2009235615A - 抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品 - Google Patents

抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品 Download PDF

Info

Publication number
JP2009235615A
JP2009235615A JP2008083347A JP2008083347A JP2009235615A JP 2009235615 A JP2009235615 A JP 2009235615A JP 2008083347 A JP2008083347 A JP 2008083347A JP 2008083347 A JP2008083347 A JP 2008083347A JP 2009235615 A JP2009235615 A JP 2009235615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
polyvinyl chloride
weight
activity value
chloride fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008083347A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Yonezawa
正 米澤
Kamrul Hasan
カムルル ハサン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teiken Ltd
Original Assignee
Teiken Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teiken Ltd filed Critical Teiken Ltd
Priority to JP2008083347A priority Critical patent/JP2009235615A/ja
Publication of JP2009235615A publication Critical patent/JP2009235615A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】抗菌剤を用いることなく優れた抗菌性を奏するポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品を提供する。
【解決手段】その繊維表面に付着している油剤の付着量が繊維重量に対して0.2重量%以下であることを特徴とする抗菌性に優れたポリ塩化ビニル系繊維、および該ポリ塩化ビニル繊維を含む布帛、および前記のポリ塩化ビニル繊維または布帛を含む繊維製品。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品に関する。
従来、ポリ塩化ビニル繊維は、保温性、難燃性、マイナスイオン発生性など優れた性能を有しているため、衣料分野や非衣料分野などで広く用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。市販のポリ塩化ビニル繊維としては「テビロン」(登録商標)がよく知られている。
また、通常、ポリ塩化ビニル繊維などの繊維には、平滑性を向上させたり静電気の発生を抑えるため、製糸製綿工程やアフターオイル工程で油剤が付与されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
他方、繊維に抗菌剤を付着させたり、繊維を形成するポリマー中に抗菌剤を練り込むことにより、繊維に抗菌性を付与することは提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、抗菌剤を用いることなく優れた抗菌性を奏する抗菌性繊維はあまり知られていない。
特開2006−9195号公報 実用新案登録第3129136号公報 特開昭59−100771号公報 特開昭61−119774号公報 特許第3188871号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、抗菌剤を用いることなく優れた抗菌性を奏するポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、驚くべきことに、ポリ塩化ビニル繊維の繊維表面に付着している油剤を脱落させることによりポリ塩化ビニル繊維が抗菌性を奏することを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明に想到した。
かくして、本発明によれば「ポリ塩化ビニル繊維であって、その繊維表面に付着している油剤の付着量が繊維重量に対して0.2重量%以下であることを特徴とする抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維。」が提供される。
その際、ポリ塩化ビニル繊維が塩化ビニル単独重合体からなる繊維であることが好ましい。また、ポリ塩化ビニル繊維が、総繊度50〜330dtex、単繊維繊度1.1〜5.6dtex、フィラメント数15〜180本の長繊維(マルチフィラメント)であることが好ましい。かかるポリ塩化ビニル繊維において、JISL1902菌液吸収法で測定して静菌活性値が2.2以上であり、かつ殺菌活性値0以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、ポリ塩化ビニル繊維を洗浄することにより、その繊維表面に付着している油剤の付着量を繊維重量に対して0.2重量%以下とする、前記の抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、前記のポリ塩化ビニル繊維を含む布帛が提供される。その際、該布帛には、他の繊維としてポリエステル繊維および/または綿繊維が含まれることが好ましい。かかる布帛において、JISL1902菌液吸収法で測定して静菌活性値が2.2以上であり、かつ殺菌活性値が0以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記のポリ塩化ビニル繊維または前記の布帛を含む繊維製品が提供される。かかる繊維製品において、JISL1902菌液吸収法で測定して静菌活性値が2.2以上であり、かつ殺菌活性値が0以上であることが好ましい。
本発明によれば、抗菌剤を用いることなく優れた抗菌性を奏するポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、ポリ塩化ビニル繊維とは、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルと10重量%までの他の共重合可能な単量体との共重合体、およびこれらのこれらの混合物からなる群より選択されるいずれかの塩化ビニル樹脂からなる繊維である。前記共重合可能な単量体の代表的なものとしては、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル、ビニリデンクロライド、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、マレイン酸エステルなどが使用可能である。なかでも、塩化ビニル単独重合体からなる繊維(市販のものでは、「テビロン」(登録商標))が抗菌性の点で特に好ましい。
本発明において、ポリ塩化ビニル繊維の繊維表面に付着している油剤の付着量が繊維重量に対して0.2重量%以下(より好ましくは0.15重量以下、さらに好ましくは0.10重量%以下、特に好ましくは0.05重量%以下、最も好ましくは0重量%)であることが肝要である。油剤の付着量が0.2重量%よりも大きいと、本発明の主目的である優れた抗菌性が得られないおそれがあり好ましくない。ここで、油剤の付着量(重量%)は下記式により算出される。
付着量(重量%)=(W1−W2)/W2×100
ただし、W1は脱油前の絶乾(105℃×2時間)の重量であり、W2は脱油後の絶乾(105℃×2時間)の重量である。
本発明のポリ塩化ビニル繊維において、その形態は特に限定されず、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし、短繊維(紡績糸)でもよい。長繊維(マルチフィラメント)の場合、総繊度、単繊維繊度、フィラメント数は特に限定されないが、ポリ塩化ビニル繊維のソフトな風合いを損わずかつ優れた抗菌性を得る上で、総繊度50〜330dtex、単繊維繊度1.1〜5.6dtex、フィラメント数15〜180本の範囲内であることが好ましい。また、かかる長繊維(マルチフィラメント)には通常の空気加工や、通常の仮撚捲縮加工が施されていてもよい。
また、本発明のポリ塩化ビニル繊維は、他の繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、綿繊維、ナイロン繊維など)との混繊糸や混紡糸であってもよい。その際、ポリ塩化ビニル繊維の糸条全体に対する重量比率としては、30重量%以上であることが好ましい。該重量比率が30重量%未満では、本発明の主目的である優れた抗菌性が得られないおそれがある。
本発明のポリ塩化ビニル繊維は、例えば以下の製造方法により製造することができる。まず、前記の塩化ビニル樹脂、例えば重合度600〜1400のポリ塩化ビニル(PVC)を、温度0〜20℃のアセトン/ベンゼンの比が40/60〜80/20(重量比)の混合溶媒に溶解させ、最終スラリー濃度が30〜35%のスラリーを得て、このスラリーを紡糸直前に120〜140℃程度に加熱して紡糸口金から押し出し、110〜130℃の熱風で溶剤を除去し、油剤を付与した後100〜300m/分程度の巻取り速度で巻き取った後、必要に応じて後記のような布帛または繊維製品となした後、かかるポリ塩化ビニル繊維を洗浄することにより、その繊維表面に付着している油剤の付着量を繊維重量に対して0.2重量%以下(より好ましくは0.15重量以下、さらに好ましくは0.10重量%以下、特に好ましくは0.05重量%以下、最も好ましくは0重量%)とするとよい。または、市販のポリ塩化ビニル繊維(例えば、「テビロン」(登録商標)を必要に応じて後記のような布帛または繊維製品となした後、かかるポリ塩化ビニル繊維を洗浄することにより、その繊維表面に付着している油剤の付着量を繊維重量に対して0.2重量%以下(より好ましくは0.15重量以下、さらに好ましくは0.10重量%以下、特に好ましくは0.05重量%以下、最も好ましくは0重量%)としてもよい。その際、洗浄は家庭用の洗濯機を用いて洗浄を行うことが好ましいが、最も好ましくは非イオン系の酵素入り植物性由来洗剤による洗浄である。溶剤を用いて洗浄してもよい。
かくして得られたポリ塩化ビニル繊維は優れた抗菌性を奏する。その際、かかる抗菌性としては、JISL1902菌液吸収法で測定して静菌活性値が2.2以上であり、かつ殺菌活性値0以上であることが好ましい。
次に、本発明の布帛は、前記のポリ塩化ビニル繊維を含む布帛である。ここで、布帛にはポリ塩化ビニル繊維が布帛全重量に対して、30重量%以上(より好ましくは50重量%以上、最も好ましくは100重量%)含まれることが好ましい。ポリ塩化ビニル繊維の含有量が30重量%未満では十分な抗菌性が得られないおそれがある。
また、前記の布帛にポリ塩化ビニル繊維以外の他の繊維が含まれる場合、かかる他の繊維としては、繊維の種類としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、綿、ウール、絹などの天然繊維、これらを複合したものなどの有機繊維が好ましく例示される。なかでも、ポリエステル繊維または綿が特に好ましく例示される。ポリエステル繊維はジカルボン酸成分とジグリコール成分とから製造される。ジカルボン酸成分としては、主としてテレフタル酸が用いられることが好ましく、ジグリコール成分としては主としてエチレングリコール、トリメチレングリコール及びテトラメチレングリコールから選ばれた1種以上のアルキレングリコールを用いることが好ましい。また、ポリエステル樹脂には、前記ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に第3成分を含んでいてもよい。該第3成分としては、カチオン染料可染性アニオン成分、例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸;テレフタル酸以外のジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸;及びアルキレングリコール以外のグリコール化合物、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンの1種以上を用いることができる。かかるポリエステル樹脂としては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステル樹脂であってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステル樹脂でもよい。さらには、繊径が1μm以下のポリエステルナノファイバーでもよく、ポリ乳酸やステレオコンプレックスポリ乳酸などの生分解性を有するポリエステル繊維でもよい。該ポリエステル樹脂中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤(酸化チタンなど)、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。また、かかる他の繊維において、単糸繊維繊度や総繊度は特に限定されないが、布帛のソフト性を損わない上で、単糸繊維繊度0.2〜3.0dtex、総繊度33〜167dtex、紡績糸であれば30/−〜60/−の範囲内であることが好ましい。また、単糸の横断面形状も特に限定されるものではなく、通常の丸型だけでなく、扁平、くびれ付扁平、三角、Y型、T型、U型などの異型であってもよい。これらの他の繊維は前記のようにポリ塩化ビニル繊維と混繊、混紡または交編織等により複合されていてもよい。
また、前記布帛の形態としては、織物、編物、不織布いずれでもよい。ここで、織物組織および編物組織としては、よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフ編、ハーフベース編、サテン編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等などが例示され、織物組織としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示されるがこれらに限定されない。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。
前記布帛において、目付けとしては30〜250gr/mの範囲内であることが好ましい。該目付けが30gr/mよりも小さいと十分な抗菌性が得られないおそれがあり、生地の強度も損なうおそれがある。逆に、該目付けが250gr/mよりも大きいと布帛のソフトな風合いが損われるおそれがある。また、布帛が織物である場合には、経糸密度30〜150本/2.54cmかつ緯糸密度30〜150本/2.54cmの範囲内であることが好ましい。また、布帛が編物である場合には、20〜60コース/2.54cmかつ15〜55ウエール/2.54cmの範囲内であることが好ましい。織編密度がかかる範囲よりも小さいと、十分な抗菌性が得られないおそれがある。逆に、織編密度がかかる範囲よりも大きいと、布帛のソフトな風合いが損われるおそれがある。
本発明の布帛は、例えば、油剤が付着したポリ塩化ビニル繊維を用いて布帛を常法により製編織した後、該布帛を洗浄することにより、ポリ塩化ビニル繊維表面に付着している油剤の付着量を繊維重量に対して0.2重量%以下(より好ましくは0.15重量以下、さらに好ましくは0.10重量%以下、特に好ましくは0.05重量%以下、最も好ましくは0重量%)としてもよいし、ポリ塩化ビニル繊維表面に付着している油剤の付着量を繊維重量に対して0.2重量%以下とした後、該ポリ塩化ビニル繊維を用いて製編織してもよい。
本発明の布帛には、その繊維表面に付着している油剤の付着量が繊維重量に対して0.2重量%以下であるポリ塩化ビニル繊維が含まれているので、優れた抗菌性を奏する。その際、JISL1902菌液吸収法で測定して静菌活性値が2.2以上であり、かつ殺菌活性値が0以上であることが好ましい。
なお、本発明の布帛には、本発明の主目的である抗菌性が損われない範囲内であれば、通常の染色加工、減量加工、起毛加工、撥水加工、蓄熱加工、吸汗加工、静電防止加工などの後加工を適宜施しても良い。
次に、本発明の繊維製品は前記のポリ塩化ビニル繊維または布帛を含む繊維製品である。その際、前記のポリ塩化ビニル繊維が30重量%以上(より好ましくは50重量%以上、最も好ましくは100重量%)含まれることが好ましい。
かかる繊維製品としては、例えば医療用途としては着圧ストッキング、パンティストッキング、ソックス、サポーター、マスク、包帯、ギブス用包帯、サージカルドレッシング、ガウン、シーツ、アンダーウエアなどを挙げることができる、衣類としては、ジャケット、ボディースーツ、腹巻、ブラジャー、ベスト、ガードル、ウエストニッパー、ショーツ、失禁パンツ、襟巻、長袖シャツ、半袖シャツ、ファー、肌着、インナー、下着、ソックス、インナーグローブ、手袋、レッグウォーマー、帽子、マフラー、スカート、スラックス、パンツ、外衣や外套の裏地、コートの裏地、紳士U首長袖、紳士ブリーフ、サニタリーショーツ(生理ショーツ)、フラッパー手袋、ショール、ストール、パジャマ、ベビーラッグ、カーディガン、パンスト、サポーター、ネックウォーマー、リストバンド、マスク、セーター、タイツ、Tシャツ、ポロシャツ、膝サポーター付ソフトパンツ、などを挙げることができる。
また、寝装寝具類としては、枕カバー、布団カバー、タオルケット、掛け布団、敷パット、コタツ布団、毛布、シーツ、枕、マットレス、蚊帳、ひざ掛け、フリーケット、サマーケット、難燃毛布、エアネット入敷パット、健康シーツなどを挙げることができる。
また、インテリア製品としては、カーペット、チェアーラグ、クッション&カバー、マルチカバー、エアコンフィルター、エアーフィルター、カーテン、のれん、バスローブなどを挙げることができる。
さらに、雑品としては、例えばカツラ、携帯ストラップ、ぬいぐるみ、人形、保温袋、ガーゼ、眼鏡ふき、楽器ふき、ふきん、雑巾、包帯、洗顔タオル、タオル、靴の中敷、洗濯ボール、洗濯ネット、おしめ、生理帯、各種介護用品、動物用衣類やタオルなどの各種ペット用品及び寝具などを挙げることができる。
かかる繊維製品には前記のポリ塩化ビニル繊維が含まれているので、優れた抗菌性を奏する。その際、JISL1902菌液吸収法で測定して静菌活性値が2.2以上であり、かつ殺菌活性値が0以上であることが好ましい。
本発明のポリ塩化ビニル繊維および布帛および繊維製品は前記に説明したように優れた抗菌性を奏するものであるが、ウイルスに対しても非常に大きな効果がある可能性がある。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)油剤の付着量(重量%)
油剤の付着量(重量%)を下記式により算出した。なお、n数5で測定しその平均値を求めた。
付着量(重量%)=(W1−W2)/W2×100
ただし、W1は脱油前の絶乾(105℃×2時間)の重量であり、W2は脱油後の絶乾(105℃×2時間)の重量である。
(2)抗菌性
JISL1902菌液吸収法で制菌活性値と殺菌活性値を測定した。ただし、供試菌はMRSA・Methicilin Resistant Staphylococcus aureus IID1677である。
[実施例1]
市販のポリ塩化ビニル繊維(「テビロン」(登録商標)総繊度110dtex/25filだけを使用し、50コース/2.54cm、37ウエール/2.54cmの密度のエイトロック組織での編物を得た後、仕上げ脱脂加工処理を施した。
該編物に含まれるポリ塩化ビニル繊維において、油剤の付着量が0.14重量%であった。また抗菌性は、生菌数(n=3)が1.6×10、1.4×10、2.0×10であり、静菌活性値が1.7、殺菌活性値が−0.9と比較的良好であった。
[実施例2]
実施例1で得られた編物に、社団法人繊維評価技術協議会が規定している高温加速洗濯法(但し、JAFET標準配合剤を使用)による洗濯処理10回を施した。
得られた編物に含まれるポリ塩化ビニル繊維において、油剤の付着量が0.03重量%であった。また抗菌性は、生菌数(n=3)が8.1×10、4.3×10、1.9×10であり、静菌活性値が2.6、殺菌活性値が0.0と良好であった。
[比較例1]
実施例1で用いた編物の仕上げ脱脂加工処理前において、編物(生機)に含まれるポリ塩化ビニル繊維の油剤付着量は2.14重量%であった。また、仕上げ脱脂加工処理前の該編物において、また抗菌性は、生菌数(n=1)が3.5×10であり、静菌活性値が0.4、殺菌活性値が−2.3と不良であった。
[比較例2]
比較例1で用いた仕上げ脱脂加工処理前の編物に、社団法人繊維評価技術協議会が規定している高温加速洗濯法(但し、JAFET標準配合剤を使用)による洗濯処理10回を施した。編物(生機)に含まれるポリ塩化ビニル繊維の油剤付着量は0.21重量%であった。該編物において、抗菌性は、生菌数(n=1)が4.6×10であり、静菌活性値が0.3、殺菌活性値が−2.4と不良であった。
[比較例3]
市販の綿繊維50/1強撚糸だけを使用し、50コース/2.54cm、37ウエール/2.54cmの密度のスムース組織での編物を得た。該編物(生機)に含まれる綿繊維の油剤付着量は0.31重量%であった。また、該編物において、また抗菌性は、生菌数(n=3)が1.1×10、4.2×10、1.9×10であり、静菌活性値が0.7、殺菌活性値が−1.9と不良であった。
[比較例4]
比較例3で用いた編物に、社団法人繊維評価技術協議会が規定している高温加速洗濯法(但し、JAFET標準配合剤を使用)による洗濯処理10回を施した。該編物(生機)に含まれる綿繊維の油剤付着量は0.17重量%であった。また、該編物において、抗菌性は、生菌数(n=3)が1.4×10、3.2×10、1.7×10であり、静菌活性値が0.6、殺菌活性値が−2.0と不良であった。
[比較例5]
市販のポリ塩化ビニル繊維(「テビロン」(登録商標)総繊度122dtex/25filのマルチフィラメント強撚糸、綿50/1強撚糸、ポリエステル33dtex/12fil(ウーリー糸)を使用し、50コース/2.54cm、30ウエル/2.54cmの密度の針抜きフライス組織でポリ塩化ビニル繊維(「テビロン」(登録商標)45重量%、綿45重量%、ポリエステル10重量%の編物を得た。該編物(生機)に含まれるポリ塩化ビニル繊維において、油剤の付着量が0.93重量%であった。また、該編物の抗菌性は、生菌数(n=1)が2.5×10であり、静菌活性値が0.7、殺菌活性値が−2.0と不良であった。
[実施例3]
比較例5で用いた編物に、社団法人繊維評価技術協議会が規定している高温加速洗濯法(但し、JAFET標準配合剤を使用)による洗濯処理10回を施した。該編物(生機)に含まれる塩化ビニル繊維において、油剤の付着量が0.13重量%であった。また、該編物の抗菌性は、生菌数(n=1)が2.1×10であり、静菌活性値が2.8、殺菌活性値が0.2と良好であった。
[実施例4]
市販のポリ塩化ビニル繊維(「テビロン」(登録商標)総繊度110dtex/25filに、社団法人繊維評価技術協議会が規定している高温加速洗濯法(但し、JAFET標準配合剤を使用)による洗濯処理50回を施した。洗濯処理後の該ポリ塩化ビニル繊維において、油剤の付着量が0.13重量%であった。また、該繊維の抗菌性は、生菌数(n=1)が6.6×10であり、静菌活性値が4.1、殺菌活性値が1.4と良好であった。
[比較例6]
比較例3で用いた、市販の綿繊維50/1強撚糸に、社団法人繊維評価技術協議会が規定している高温加速洗濯法(但し、JAFET標準配合剤を使用)による洗濯処理50回を施した。洗濯処理後の該綿繊維において、油剤の付着量が0.13重量%であった。また、該繊維の抗菌性は、生菌数(n=1)が1.3×10であり、静菌活性値が0.8、殺菌活性値が−1.9と不良であった。
[比較例7]
比較例5で用いた、ポリエステル33dtex/12fil(ウーリー糸)に、社団法人繊維評価技術協議会が規定している高温加速洗濯法(但し、JAFET標準配合剤を使用)による洗濯処理50回を施した。洗濯処理後の該ポリエステル繊維において、油剤の付着量が0.05重量%であった。また、該繊維の抗菌性は、生菌数(n=1)が4.8×10であり、静菌活性値が0.2、殺菌活性値が−2.4と不良であった。
本発明によれば、抗菌剤を用いることなく優れた抗菌性を奏するポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (10)

  1. ポリ塩化ビニル繊維であって、その繊維表面に付着している油剤の付着量が繊維重量に対して0.2重量%以下であることを特徴とする抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維。
  2. ポリ塩化ビニル繊維が塩化ビニル単独重合体からなる繊維である、請求項1に記載の抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維。
  3. ポリ塩化ビニル繊維が、総繊度50〜330dtex、単繊維繊度1.1〜5.6dtex、フィラメント数15〜180本の長繊維(マルチフィラメント)である、請求項1または請求項2に記載の抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維。
  4. JISL1902菌液吸収法で測定して静菌活性値が2.2以上であり、かつ殺菌活性値が0以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維。
  5. ポリ塩化ビニル繊維を洗浄することにより、その繊維表面に付着している油剤の付着量を繊維重量に対して0.2重量%以下とする、請求項1に記載の抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維の製造方法。
  6. 請求項1に記載のポリ塩化ビニル繊維を含む布帛。
  7. 他の繊維としてポリエステル繊維および/または綿繊維が含まれる、請求項5に記載の布帛。
  8. JISL1902菌液吸収法で測定して静菌活性値が2.2以上であり、かつ殺菌活性値が0以上である、請求項6または請求項7に記載の布帛。
  9. 請求項1に記載のポリ塩化ビニル繊維または請求項6に記載の布帛を含む繊維製品。
  10. JISL1902菌液吸収法で測定して静菌活性値が2.2以上であり、かつ殺菌活性値が0以上である、請求項9に記載の繊維製品。
JP2008083347A 2008-03-27 2008-03-27 抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品 Pending JP2009235615A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008083347A JP2009235615A (ja) 2008-03-27 2008-03-27 抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008083347A JP2009235615A (ja) 2008-03-27 2008-03-27 抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009235615A true JP2009235615A (ja) 2009-10-15

Family

ID=41249909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008083347A Pending JP2009235615A (ja) 2008-03-27 2008-03-27 抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009235615A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103437207A (zh) * 2013-09-05 2013-12-11 苏州巨旺纺织有限公司 一种绝缘聚氯乙烯纤维面料

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07109617A (ja) * 1993-10-06 1995-04-25 Teijin Ltd カチオン染料可染性ポリ塩化ビニル繊維
JPH09241969A (ja) * 1996-03-05 1997-09-16 Asahi Chem Ind Co Ltd 繊維構造物
JP2005299072A (ja) * 2004-04-08 2005-10-27 Rohm & Haas Co 抗菌仕上げ剤を有する繊維基体ならびその製造法および使用法
JP2007191801A (ja) * 2006-01-16 2007-08-02 Idemitsu Technofine Co Ltd 抗菌性繊維、織布または編布、不織布、壁紙、および、断熱材
WO2008026538A1 (fr) * 2006-08-29 2008-03-06 Kaneka Corporation Fibre de chlorure de polyvinyle

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07109617A (ja) * 1993-10-06 1995-04-25 Teijin Ltd カチオン染料可染性ポリ塩化ビニル繊維
JPH09241969A (ja) * 1996-03-05 1997-09-16 Asahi Chem Ind Co Ltd 繊維構造物
JP2005299072A (ja) * 2004-04-08 2005-10-27 Rohm & Haas Co 抗菌仕上げ剤を有する繊維基体ならびその製造法および使用法
JP2007191801A (ja) * 2006-01-16 2007-08-02 Idemitsu Technofine Co Ltd 抗菌性繊維、織布または編布、不織布、壁紙、および、断熱材
WO2008026538A1 (fr) * 2006-08-29 2008-03-06 Kaneka Corporation Fibre de chlorure de polyvinyle

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103437207A (zh) * 2013-09-05 2013-12-11 苏州巨旺纺织有限公司 一种绝缘聚氯乙烯纤维面料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102571047B1 (ko) 포백 및 섬유 제품
JP6775526B2 (ja) 面ファスナーおよび繊維製品
JP2009527290A (ja) タオル製品
WO2020162624A1 (ja) 織物及びその製造方法並びに該織物を含む繊維製品
JP2007182650A (ja) 熱融着ポリウレタン弾性繊維混用緯編地及び該緯編地を使用した衣類、並びに該緯編地の製造方法
JP5714811B2 (ja) 衣服およびその製造方法
JP2011179143A (ja) ポリ乳酸極細繊維
JP2004124348A (ja) 複合織編物
JP2006207052A (ja) 立毛布帛および繊維製品
JP2004044059A (ja) 複合糸および複合織編物
JP2017179664A (ja) 通気可変性ストレッチ織物
US20230243076A1 (en) Fabric, and fiber product
WO2017126223A1 (ja) 編地および繊維製品
JP6933707B2 (ja) 布帛および繊維製品
JP3144077U (ja) 抗菌性マスク
JP2009235615A (ja) 抗菌性に優れたポリ塩化ビニル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品
JP4466132B2 (ja) 吸水性ストレッチ編地
JP2006009195A (ja) ポリ塩化ビニル繊維を含む複合布帛及びそれからなる繊維製品
JP2015181896A (ja) こたつ用繊維製品
JP2001055640A (ja) ポリフェニレンサルファイドよりなる繊維資材および衣料
JP5896059B2 (ja) 織物およびその製造方法
JP2016055036A (ja) 嵩高性を有するニットを用いた詰物材
JP2019180838A (ja) 面ファスナーおよび繊維製品
JP2014101599A (ja) 吸水性布帛
CN110042531B (zh) 纺织品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100513

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110712

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120828