JP2009235490A - レーザ熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯溝の表面に所望の硬化層分布を得ることができるようにする。
【解決手段】歯溝にレーザを照射して歯車Gを焼き入れする。その際、歯底gcを挟んで立ち上がる第1の歯面gaおよび第2の歯面gbに対し、それぞれ歯面の歯先から歯底方向に矩形状のパワー密度分布を有する第1のレーザL1および第2のレーザL2を照射する。さらに、第1の歯面gcと第2の歯面gbの間で第3のレーザL3を往復動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザによって歯車の表面を熱処理するレーザ熱処理装置に関する。
従来より、歯車の歯溝の表面にレーザを照射して熱処理するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の装置では、レーザ発振器から発振されたレーザを三角柱状のミラーにより2つに振り分けた後、各レーザを全反射ミラーで反射させ、歯底を挟んで立ち上がる一対の歯面に向けてそれぞれレーザを照射する。
特開昭60−215715号公報
ところで、歯車は用途に応じて要求される硬化層の分布が異なる。しかしながら、上記特許文献1記載の装置のように一対の歯面に向けてレーザを照射するだけでは、所望の硬化層の分布を得ることが難しい。
本発明によるレーザ熱処理装置は、歯溝にレーザを照射して歯車を焼き入れするレーザ熱処理装置であって、歯底を挟んで立ち上がる第1の歯面および第2の歯面に対し、それぞれ歯面の歯底から歯先方向に矩形状のパワー密度分布を有する第1のレーザおよび第2のレーザを照射する第1のレーザ照射手段および第2のレーザ照射手段と、歯溝に向けて第3のレーザを照射する第3のレーザ照射手段と、第3のレーザ照射手段により照射された第3のレーザを、第1の歯面と第2の歯面の間で往復動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、歯底を挟んで立ち上がる一対の歯面にそれぞれ矩形状のパワー密度分布を有するレーザを照射するとともに、この一対の歯面間を別のレーザを往復動させるようにしたので、歯溝表面に所望の硬化層の分布を得ることができる。
以下、図1〜図12を参照して本発明によるレーザ熱処理装置の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係るレーザ熱処理装置の概略構成を示す図であり、図2は、熱処理の対象物である歯車Gの歯溝の形状を示す斜視図である。なお、図1(a)は、熱処理の対象物である歯車Gを正面から見た図を、図1(b)は、歯車Gの回転中心Oを通る鉛直線VL上の部品の配置図を示している。
図2に示すように歯溝には、歯底gaから歯先gd,geに向けて立ち上がる一対の歯面ga,gbが形成される。なお、歯面ga,gbの歯先側は歯末面、歯底側は歯元面であり、歯溝の最低点r0(図5)をここでは歯底の中心または歯底の点と呼ぶ。
図1のレーザ熱処理装置では、歯車Gの頂部に位置する鉛直線VL上の歯溝に向け、それぞれ3方向からレーザL1〜L3が照射される。このレーザ熱処理装置は、3つのレーザ発振器および電源101と、各レーザ発振器101から発振されたレーザを伝送する3つの光ファイバFと、各光ファイバFによって伝送されたレーザを歯溝に向けて照射する3つの光学系1A〜1Cとを有する。
各光学系1A〜1Cはそれぞれ駆動系2によりて三軸方向(例えばXYZ軸方向)に移動可能であり、これによりレーザL1〜L3の照射位置を調整できる。駆動系2はモータなどのアクチュエータを含み、コントローラ100からの信号により駆動される。歯車Gは、その中心部がチャック3により支持され、モータ11の駆動によって矢印R1方向に回転可能である。モータ11の駆動により歯車Gを1ピッチづつ回転させることで、全ての歯溝の表面を焼き入れ処理することができる。
図1(b)に示すように鉛直線VL上の歯車Gの上方にはCCDユニット12が設けられている。CCDユニット12からの信号は画像処理ボード102に入力され、このCCDユニット12からの信号に基づき、画像処理ボード102は歯車Gの歯底位置を検出する。画像処理ボード102からの信号はコントローラ100に入力され、この入力信号に基づきコントローラ100はモータ11の駆動を制御(フィードバック制御)し、歯底の点(歯溝の最低点)を鉛直線VL上に位置させる。
図1(a)に示すように歯車Gを正面から見ると、光学系1Cは鉛直線VL上の歯車Gの上方に配置されている。一方、光学系1A,1Bはそれぞれ光学系1Cの両側に鉛直線VLに対して対称に、かつ歯面ga,gb(図2)に向けて配置されている。図1(b)に示すように歯車Gの上方には光学系1Cに面してスキャナーミラー14が配置され、光学系1Cを介したレーザL3は、スキャナーミラー14で反射されて歯溝の表面に照射される。
図3は、スキャナーミラー14の構成を示す斜視図である。スキャナーミラー14はモータ15の駆動により矢印方向に揺動可能である。コントローラ100からの信号によりスキャナーミラー14を揺動させることで、光学系1CからのレーザL3の照射位置を変更できる。なお、スキャナーミラー14の揺動支点P0は鉛直線VL上にある(図6)。
図2にはレーザL1〜L3の照射範囲を併せて示す。光学系1A,1Bを介したレーザL1,L2は、歯面ga,gbにそれぞれ照射される。一方、光学系1Cを介したレーザL3は、スキャナーミラー14の揺動により、歯底gcを経由して歯先gd,geにかけて照射可能である。レーザL1〜L3は、それぞれ光学系1A〜1Cの移動により歯幅方向Wに移動し、歯幅方向全面にレーザL1〜L3が照射される。
本実施の形態では、光学系1A,1BによりレーザL1,L2のパワー密度Pを矩形分布とする。以下、この点について説明する。図4(b)〜(d)は、それぞれ光学系1A,1Bの構成の一例を示す図である。なお、図4(a)は本実施の形態の比較例を示している。
図4(a)では、光ファイバーFからのレーザLが、コリメーションレンズ8によりコリメートされた後、集光レンズ9を介して照射されている。この場合のパワー密度Pは、図示のように光軸の中心部分にピークを有するガウス分布となる。
これに対し、図4(b)では、コリメーションレンズ8と集光レンズ9の間に、複数の円筒状レンズを平面上に並べて組み合わせたフライアイレンズ4が設けられている。これによりコリメーションレンズ8によりコリメートされたレーザLは、フライアイレンズ4を通過時に分割され、集光レンズ9によって光線方向を曲げられて、ワーク上で重畳される。その結果、パワー密度分布が均一化され、パワー密度Pは図のような矩形分布となる。
図4(c)は角柱の内面に4枚の平面反射鏡を対向して配置したカライドスコープ7を設けた例である。ファイバーFから出射されたレーザLは、カライドスコープ7内で多重反射されてパワー密度分布が均一化され、パワー密度Pが矩形分布となる。図4(d)では、スタック6内に複数の半導体素子5を配置し、これら半導体素子5から発振されたレーザLを積層し、さらに位相が90deg異なる2枚のシリンドリカルレンズ8を用いてレーザLを整形して、パワー密度Pを矩形分布としている。
図4(b)〜(d)において、歯車Gに向けて照射されるレーザLのスポットサイズを変更する場合には、照射方向と同軸方向の集光レンズ9もしくはシリンドリカルレンズ8と歯車Gとの距離を変更すればよい。なお、図4(b)〜(d)には光学系1A,1Bの構成を示したが、光学系1Cをこれと同様に構成し、レーザL3のパワー密度Pを矩形分布としてもよい(図10参照)。
図5は、レーザL1,L2の照射による歯溝表面の硬化層の分布を示す図である。歯面ga,gbにそれぞれ矩形分布のレーザL1,L2が照射されることにより、歯底gcから歯先gd,geにかけて入熱量が均一になり、歯溝表面に均一な硬化層(斜線領域Q)が形成される。本実施の形態では、さらに所定部位の硬化層を深くするため、以下のようにスキャナーミラー14を揺動させつつレーザL3をオンオフする。
図6は、レーザL3の照射部位の一例を示す図である。コントローラ100には、予めスキャナーミラー14を駆動するための波形信号が設定されている。コントローラ100は、この波形信号に応じてモータ15(図3)に制御信号を出力し、スキャナーミラー14の揺動振幅と周波数を制御する。例えば図のθの範囲に揺動振幅を制御する。さらに、コントローラ100は、波形信号に同期してレーザ発振器電源101に制御信号を出力し、レーザL3をオンオフさせる。例えば図6の領域aでレーザL3をオン(照射)させ、他の領域でオフさせる。これにより領域aにおける入熱量が増大し、領域aの硬化層を深くすることができ、歯車Gの強度を部分的に高めることができる。
図7〜図9により硬化層分布の具体例を説明する。図7(a)〜図9(a)は、それぞれ本実施の形態に係るレーザ熱処理装置により熱処理された歯溝表面の硬化層分布の一例を示す図であり、図7(b)〜図9(b)は、これら硬化層分布に対応したスキャナーミラー14の波形信号とレーザL3のオンオフ信号の変化を示す図である。
図7では、歯面ga,gbにそれぞれ矩形分布のレーザL1,L2を照射しつつ、歯面ga,gbの高さ方向中央領域でレーザL3をオンし、他の領域でレーザL3をオフしている。これにより歯面ga,gbの高さ方向中央領域、すなわち基準ピッチ円周辺の硬化層が深くなって歯面強度を高めることができ、例えば歯面ga,gbに高い面圧が作用する高モジュールの歯車に適した構成とすることができる。
図8では、歯面ga,gbにそれぞれ矩形分布のレーザL1,L2を照射しつつ、歯面ga,gbの歯元領域でレーザL3をオンし、他の領域でレーザL3をオフしている。これにより歯元の硬化層が深くなって歯元強度を高めることができ、例えば低モジュールで高速回転する歯車に適した構成とすることができる。
図9では、歯面ga,gbにそれぞれ矩形分布のレーザL1,L2を照射しつつ、歯元から歯底gcにかけてレーザL3をオンしている。これにより歯底の硬化層が深くなって歯底強度を高めることができ、歯底gcを起点にしたクラックの発生を防ぐことができる。
次に、レーザL3のスポット形状について説明する。図10(a),(b)は、それぞれレーザL3のパワー密度Pをガウス分布、矩形分布としたときのレーザL3のスポット形状を示す図である。なお、図ではレーザL3は歯底gcを照射しており、スキャナーミラー14の揺動によりレーザL3は矢印R1,R2方向に往復動しつつ、駆動系2の駆動により矢印W方向(歯幅方向)に進行する。
図のf1は、それぞれレーザL3のパワー密度分布の特性であり、f2は、それぞれレーザL3がオンされる部位(歯底)の入熱量の特性である。f2の特性は、レーザL3のオンによるパワー密度Pをスキャナーミラー14の周波数で積算し、これにレーザL1,L2の入熱量を加算して求められる。
図10(a)のガウス分布の場合は、レーザL3の中央にパワー密度Pのピークがある。このため、入熱量の特性f2は図示のように中央にピークを持つ分布となり、歯溝表面が溶融するおそれがある。これに対し図10(b)の矩形分布の場合は、レーザL3のオンにより入熱量を均一に高めることができ、歯溝表面の溶融を防ぐことができる。
図11は、歯幅に対して垂直なレーザL3の横方向のスポット幅を示す図である。歯先gdから歯底gcまでの長さ、厳密には歯先gdと歯面gaの交点r1から歯底の点r0までの長さをSとすると、図11(a)ではレーザL3のスポット幅Sh1はSの1/2倍程度であり、図11(b)ではSの1/4倍程度である。ここで、スポット幅Sh1が長いと、レーザL3の照射範囲が広くなるため、入熱の分解能が低下し、精密な硬化層分布を形成することができない。この点を考慮すると、スポット幅Sh1は少なくともSの1倍以下、好ましくはSの1/4倍程度とするのがよい。
本実施の形態では、駆動系2によってレーザL1〜L3をそれぞれ歯車Gの歯幅方向Wに進行させるが、その進行タイミングについて説明する。図12は、歯面ga,gbにレーザL1,L2が照射されているときのレーザL3の照射位置を示す図である。なお、図ではレーザL3が歯面gbを照射している。レーザL1〜L3は、コントローラ100から駆動系2に出力される制御信号によりその進行タイミングが制御される。
図12においてレーザL3の進行方向のスポット幅をSh2とすると、図12(a)では、スポット幅Sh2の分だけレーザL3がレーザL1,L2よりも先行している。図12(b)では、レーザL3がレーザL1,L2と同時進行している。図12(c)では、レーザL3がレーザL1,L2よりも遅れて進行している。図12(d)では、スポット幅Sh2の分だけレーザL3が遅れて進行している。図12(e)では、スポット幅Sh2よりも遅れてレーザL3が進行し、レーザL1,L2とレーザL3の照射領域が不連続となっている。なお、本実施の形態では、図12(c)または(d)のようにレーザL1〜L3の進行タイミングを設定しており、図12(a),(b),(e)は本実施の形態の比較例である。
図12の右側の特性a〜eは、それぞれ図12(a)〜(e)に対応した歯溝表面の温度変化の特性である。図12(a)の場合には、レーザL3がオンオフを繰り返す間に歯溝表面が冷え、熱が拡散する。このため、特性aに示すように温度上昇が小さく、焼き入れ可能温度であるA1点以上に温度を保持することができない。図12(b)の場合には、レーザL1〜L3が同時に照射されるため、特性bに示すように歯溝表面の温度上昇は大きい。しかし、冷える時間が速く、A1点以上の温度に長く保持することができないため、深い焼き入れが難しい。
これに対し、図12(c),(d)の場合には、レーザL1,L2の照射により歯溝表面を温度上昇させ、この温度が低下する前にレーザL3が照射される。このため、特性c、dに示すように長い時間A1点以上の温度を保持することができ、硬化層を深くすることができる。なお、図12(e)の場合には、レーザL1,L2の照射後、歯溝表面の温度が低下してからレーザL3が照射されるため、特性eに示すように温度上昇のピークが2つでき、A1点以上に温度を保持することができない。
本実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)歯底gcを挟んで立ち上がる一対の歯面ga,gbに対し、それぞれ歯面ga,gbの高さ方向(歯底から歯先方向)に矩形状のパワー密度分布を有するレーザL1,L2を照射するとともに、スキャナーミラー14の揺動により歯面ga,gbの間でレーザL3を往復動させながら照射するようにした。これにより歯溝表面の入熱量を部分的に増大することができ、所望の硬化層の分布を得ることができる。
(2)スキャナーミラー14の揺動に同期してレーザL3をオンオフするようにしたので、目標位置に精度良くレーザL3を照射することができる。
(3)歯底gcの中心rを通る鉛直線VL上にスキャナミラー14の揺動支点p0を設けるので、スキャナーミラー14を鉛直線VLに対して対称に揺動させるだけで歯面ga,gbに対称に焼き入れすることができ、構成が容易である。
(4)レーザL3の歯幅方向のパワー密度分布を矩形状のパワー密度分布としたので(図10)、歯溝表面への入熱量が均一となり、歯溝表面の溶融を防ぐことができる。
(5)レーザL1,L2を歯幅方向に進行させた後、レーザL1,L2とレーザL3が不連続となる前にレーザL3を進行させるようにしたので(図12)、A1点以上の温度に長い時間保持することができ、焼き入れ硬化層を深くすることができる。
(6)歯幅と垂直な方向、つまり歯車Gの外周方向のレーザL3のスポット幅Sh1を歯先と歯底の間の距離Sよりも短くするようにしたので(図12)、歯溝表面の入熱の分解能が高まり、精密な硬化層分布を形成することができる。
なお、上記実施の形態では、レーザ発振器電源101で発振したレーザL1を光学系1Aを介して歯面ga(第1の歯面)に照射し、レーザ発振器電源101で発振したレーザL2を光学系1Bを介して歯面gb(第2の歯面)に照射したが、第1のレーザ照射手段および第2のレーザ照射手段の構成はこれに限らない。また、レーザ発振器電源101で発振したレーザL3(第3のレーザ)を光学系1Cを介し、スキャナーミラー14で反射させて歯溝に向けて照射したが、第3のレーザ照射手段の構成もこれに限らない。
スキャナーミラー14の揺動により歯溝に沿ってレーザL3を揺動させるようにしたが、歯面ga,gbの間でレーザL3を往復動させるのであれば、他の移動手段を用いてもよい。揺動部材としてスキャナーミラー14ではなく、光学系1Cを揺動させてもよい。レーザ制御手段としてのコントローラ100からの信号により波形信号に同期させてレーザL3をオンオフさせるようにしたが、照射量をオンオフ制御するのではなく、増減制御するようにしてもよい。
駆動系2により歯幅方向にレーザL1〜L3を進行させるようにしたが、進行手段はいかなるものでもよい。コントローラ100からの信号により駆動系2の駆動を制御することで、レーザL1,L2を歯幅方向に同時に移動させた後、レーザL1,L2とレーザL3が不連続となる前にレーザL3を歯幅方向に移動させるようにしたが、進行制御手段はこれに限らない。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態のレーザ熱処理装置に限定されない。
本発明の実施の形態に係るレーザ熱処理装置の概略構成を示す図。 歯車の歯溝の形状を示す斜視図。 スキャナーミラーの構成を示す斜視図。 光学系の構成を示す図。 レーザL1,L2の照射による歯溝表面の硬化層分布を示す図。 レーザL3の照射部位を示す図。 本実施の形態に係るレーザ熱処理装置により熱処理された歯溝表面の硬化層の分布の一例を示す図。 本実施の形態に係るレーザ熱処理装置により熱処理された歯溝表面の硬化層の分布の他の例を示す図。 本実施の形態に係るレーザ熱処理装置により熱処理された歯溝表面の硬化層の分布のさらに別の例を示す図。 レーザL3のスポット形状とパワー密度分布と入熱量の関係を示す図。 レーザの横方向のスポット幅を示す図。 レーザL3の進行タイミングの違いによる歯溝表面の温度特性の変化を示す図。
符号の説明
1A〜1C 光学系
2 駆動系
14 スキャナーミラー
15 モータ
100 コントローラ
101 レーザ発振器電源
L1〜L3 レーザ
ga,gb 歯面
gc 歯底
P0 揺動支点

Claims (6)

  1. 歯溝にレーザを照射して歯車を焼き入れするレーザ熱処理装置であって、
    歯底を挟んで立ち上がる第1の歯面および第2の歯面に対し、それぞれ歯面の歯底から歯先方向に矩形状のパワー密度分布を有する第1のレーザおよび第2のレーザを照射する第1のレーザ照射手段および第2のレーザ照射手段と、
    歯溝に向けて第3のレーザを照射する第3のレーザ照射手段と、
    前記第3のレーザ照射手段により照射された第3のレーザを、前記第1の歯面と前記第2の歯面の間で往復動させる移動手段とを備えることを特徴とするレーザ熱処理装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ熱処理装置において、
    前記移動手段による第3のレーザの往復動に伴い、前記第3のレーザ照射手段による第3のレーザの照射量を制御するレーザ制御手段とを備えることを特徴とするレーザ熱処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のレーザ熱処理装置において、
    前記移動手段は、揺動部材の揺動により前記第3のレーザを往復動させ、
    前記揺動部材の揺動支点は、前記歯車の回転中心と歯溝の最低点とを結ぶ延長線上に設けられることを特徴とするレーザ熱処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ熱処理装置において、
    前記第3のレーザは、歯幅方向に矩形状のパワー密度分布を有することを特徴とするレーザ熱処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザ熱処理装置において、
    前記第1のレーザ、前記第2のレーザ、および前記第3のレーザを歯幅方向に進行させる進行手段と、
    前記第1のレーザおよび前記第2のレーザを歯幅方向に同時に進行させた後、前記第1のレーザおよび前記第2のレーザの照射領域が前記第3のレーザの照射領域に対して不連続となる前に、前記第3のレーザを歯幅方向に進行させる進行制御手段とをさらに備えることを特徴とするレーザ熱処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザ熱処理装置において、
    歯幅と垂直な方向における前記第3のレーザのスポット幅は、少なくとも歯先と歯底の間の距離よりも短いことを特徴とするレーザ熱処理装置。
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