JP2009235406A - 燃料油の酸化的脱硫 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒および酸素や過酸化水素等の酸化剤を用いて、燃料からイオウを除去する、イオウ含有燃料を精製する方法を提供する。
【解決手段】(a)約25〜約150℃の範囲の温度、及び約1〜約150気圧の範囲の圧力で燃料油を担持型外因性二元触媒及び酸素と接触させて第1の酸化混合物を得、(b)1種以上の酸化されたイオウ化合物を第1の酸化混合物から分離して精製燃料油を得ることからなる、イオウ含有燃料油を精製する方法。更に、イオウ含有燃料油を担持型外因性二元触媒及び酸素と接触させる前に脱アスファルト化する工程を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般に空気と触媒を用いてイオウ含有燃料油を精製する方法に関する実施形態を含む。
原油及び油留出物並びにガソリン、ケロシン、ディーゼル燃料、ナフサ、重油燃料、天然ガス、液化天然ガス及び液化石油ガスなどの精油製品を始めとする燃料油、並びに類似の炭化水素のような粗/化石燃料は、多くの異なるプロセスで、特に燃料源として、最も特定的には発電所で使用するのに有用である。これらの燃料のほとんど全てが、限定されることはないが硫化物、メルカプタン及びチオフェンのような天然の有機イオウ化合物を比較的高レベルで含有する。かかるイオウ化合物の存在下で生成する水素は、多くの化学的工程で使用される触媒、特に燃料電池プロセスで使用される触媒に対して毒作用があり、結果としてそれらの触媒の平均寿命を短くする。また、燃料電池プロセスにおける供給流中に存在すると、イオウ化合物は燃料電池スタック自身も害し得る。多くの粗燃料供給流中に存在し得る比較的高レベルのイオウ化合物のため、これらの供給流は脱硫する必要がある。
また、燃料の脱硫は、現在のイオウ放出の低減を要求する来るべき規制要件のために重要な問題になってきた。燃料からのイオウ除去における2つの主要な課題として、(i)ディーゼル燃料の大幅な脱硫(約500ppm(百万分率)から15ppm未満へのS含有量の低減)、及び(ii)エネルギー生産に使用する粗及び重油燃料からのイオウ除去(3〜4%から0.5%未満へのS含有量の低減)がある。水素を使用する従来の水素脱硫(HDS)法は、ディーゼル燃料の大幅な脱硫を行うには不充分であったばかりでなく、水素のコストが高いのと高い温度及び圧力を使用するために粗及び重油燃料から直接イオウを除去するには比較的高価でもある。代案として、過酸化水素、分子状酸素又はオゾンのような酸化剤を使用する酸化的脱硫(ODS)法は、HDS法で使用する操作条件と比べて要求される厳しい操作条件が多少緩和される。さらに、化学量論的酸化剤として酸素が使用できる場合、ODS法はHDS法よりコスト上有利であり得る。

米国特許第4492588号明細書 米国特許第6271173号明細書 米国特許第6368495号明細書 米国特許第6402939号明細書 米国特許第6402940号明細書 米国特許第6500219号明細書 米国特許第7276152号明細書 米国特許第7309416号明細書 米国特許出願公開第2004030814号明細書
従って、現代の工学的及び規制上の規格に合う脱硫燃料を提供するために燃料からイオウを除去するための効率的で費用効果的なODS法に対するニーズが存在する。
一実施形態では、本発明は、(a)約25〜約150℃の範囲の温度、及び約1〜約150気圧の範囲の圧力で燃料油を担持型外因性二元触媒及び酸素と接触させて第1の酸化混合物を得、(b)第1の酸化混合物から1種以上の酸化されたイオウ化合物を分離して精製燃料油を得ることを含む、イオウ含有燃料油を精製する方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、(a)約50〜約120℃の範囲の温度、及び約1〜約50気圧の範囲の圧力でイオウ含有燃料油を炭化水素系希釈剤、アルミナ担持外因性二元触媒、及び酸素と接触させて第1の酸化混合物を得、(b)第1の酸化混合物から1種以上の酸化されたイオウ化合物を分離し、(c)希釈剤を回収して精製燃料油を得ることを含む、イオウ含有燃料油を精製する方法を提供する。
さらに別の実施形態では、本発明は、(a)約50〜約120℃の範囲の温度、及び約1〜約50気圧の範囲の圧力で、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、アルキル置換ベンゾチオフェン、及びアルキル置換ジベンゾチオフェンを含むイオウ含有燃料油を、石油エーテル、担持型外因性二元触媒、及び酸素と接触させて、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、アルキル置換ベンゾチオフェン、及びアルキル置換ジベンゾチオフェンのスルホキシド及びスルホンを含む第1の酸化混合物を得、(b)第1の酸化混合物から1種以上の酸化されたイオウ化合物を分離し、(c)石油エーテルを回収して精製燃料油を得ることを含む、イオウ含有燃料油を精製する方法を提供する。
本発明の上記及びその他の特徴、局面、及び利点は、以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解できるであろう。
以下の明細書及び特許請求の範囲では、幾つかの用語を使用するが、以下の意味を有するものとして定義される
単数形態は、前後関係から明らかに他の意味を示さない限り、複数形態も包含する。
「任意」又は「場合により」とは、続いて記載されている事象又は状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、またその事象が起こる場合と起こらない場合とを包含することを意味する。
本明細書及び特許請求の範囲を通じて使用する場合、関連する基本的な機能を変化させることなく変わることが許される量的な表示を修飾するために近似語を適用することができる。従って、「約」及び「実質的に」のような用語により修飾された値は、特定されたその正確な値に限定されない。少なくとも幾つかの場合、近似語はその値を測定するための機器の精度に対応し得る。本明細書及び特許請求の範囲を通じて、範囲の限定は組み合わせても交換してもよく、かかる範囲は特定されており、前後関係や言語が他のことを示さない限り、そこに含まれる全ての部分範囲が包含される。
一実施形態では、本発明は、(a)約25〜約150℃の範囲の温度、及び約1〜約150気圧の範囲の圧力で燃料油を担持型外因性二元触媒及び酸素と接触させて第1の酸化混合物を得、(b)第1の酸化混合物から1種以上の酸化されたイオウ化合物を分離して精製燃料油を得ることからなる、イオウ含有燃料油を精製する方法を提供する。
一実施形態では、イオウ含有燃料油は原油、例えば Saudiスイート原油、West Texas産原油(WTI)、Dubai原油、及びBrent原油である。代わりの実施形態では、イオウ含有燃料油は、アスファルテン除去に付された原油である。一実施形態では、イオウ含有燃料油は、ガソリン、ケロシン、ディーゼル燃料、ナフサ、重油燃料、天然ガス、液化天然ガス及び液化石油ガスのような原油の留出物又はその他の精油製品である。一実施形態では、イオウ含有燃料油はジベンゾチオフェン、ベンゾチオフェン、アルキル置換ジベンゾチオフェン、及びアルキル置換ベンゾチオフェンを含む。
一実施形態では、イオウ含有燃料油は、イオウ含有燃料油の重量を基準にして5重量%未満のイオウを含む。別の実施形態では、イオウ含有燃料油は、イオウ含有燃料油の重量を基準にして3重量%未満のイオウを含む。別の実施形態では、イオウ含有燃料油は、イオウ含有燃料油の重量を基準にして2重量%未満のイオウを含む。
一実施形態では、担持型外因性二元触媒は金属酸化物からなる固体担体を含む。本明細書で使用する場合、用語「担持型外因性二元触媒」は、第1の反応混合物中でイオウ含有燃料油と組み合わせられる「担持型外部二元触媒」を意味する。一実施形態では、金属酸化物固体担体は、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、セリア、及び以上のものの2種以上の組合せからなる群から選択され得る。一実施形態では、固体担体はアルミナである。
一実施形態では、二元触媒は第1の成分、触媒及び第2の成分、促進剤からなる。一実施形態では、二元触媒は、バナジウム、マンガン及び銅の酸化物及び塩、並びにこれらの組合せからなる群から選択される第1の成分、並びにセリウム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅及びこれらの組合せの酸化物及び塩からなる群から選択される第2の成分を含む。別の実施形態では、第1の成分はバナジウムの酸化物又は塩からなる。さらに別の実施形態では、第1の成分はマンガンの酸化物又は塩からなる。別の実施形態では、第2の成分はコバルトの酸化物又は塩からなる。さらに別の実施形態では、第2の成分は銅の酸化物又は塩からなる。
一実施形態では、二元触媒は担体の重量を基準にして約1〜約10重量%に相当する量で存在する活性金属成分を含む。別の実施形態では、二元触媒は担体の重量を基準にして約2〜約8重量%に相当する量で存在する活性金属成分を含む。さらに別の実施形態では、二元触媒は担体の重量を基準にして約4〜約6重量%に相当する量で存在する活性金属成分を含む。
一実施形態では、活性金属成分の量が担体を基準にして約1〜約10重量%の範囲であるとき、酸化反応に使用する金属酸化物担体上の二元触媒の量はイオウ含有燃料油の量を基準にして約0.25〜約10重量%の範囲である。別の実施形態では、酸化反応に使用する金属酸化物担体上の二元触媒の量はイオウ含有燃料油の量を基準にして約0.5〜約8重量%の範囲である。さらに別の実施形態では、酸化反応に使用する金属酸化物担体上の二元触媒の量はイオウ含有燃料油の量を基準にして約1〜約5重量%の範囲である。当業者は、金属酸化物担体中に存在する活性金属含有量及び精製されるイオウ含有燃料油の量に基づいて、酸化反応に必要とされる金属酸化物担体上の金属触媒の量を容易に決定することができる。
一実施形態では、第2の成分の量は使用する第1の成分の量を基準にして約4〜約50重量%の範囲である。別の実施形態では、第2の成分の量は使用する第1の成分の量を基準にして約5〜約12重量%の範囲である。さらに別の実施形態では、第2の成分の量は使用する第1の成分の量を基準にして約6〜約10重量%の範囲である。
一実施形態では、1種以上の酸化されたイオウ化合物を、固液抽出法、例えば吸着法を用いて第1の酸化混合物から分離して、精製燃料油を得ることができる。一実施形態では、1種以上の酸化されたイオウ化合物を、液液抽出法を用いて第1の酸化混合物から分離して、精製燃料油を得ることができる。当業者は、十分な分離を達成するのに必要とされる方法と条件を容易に決定することができる。
一実施形態では、イオウ含有燃料油を精製する方法はさらに、担持型二元触媒を回収する段階を含む。一実施形態では、担持型二元触媒は、ろ過又は遠心分離/デカンテーションにより、当業者に公知の方法を用いて第1の酸化混合物から回収される。
一実施形態では、第1の酸化混合物を多孔質シリカ吸着材と接触させる。ここで、吸着材は、Brunauer−Emmett−Teller(BET)表面積値(全)が少なくとも約15m/gで、Barrett−Joyner−Halenda(BJH)細孔体積(全)が少なくとも約0.5cc/gであることを特徴とする。かかる多孔質吸着材及びその用途は2007年11月2日付で出願された同時係属中の米国特許出願第11/934298号(援用によりその全体が本明細書の一部をなす)に記載されている。イオウ含有燃料油がバナジウム化合物のような他の金属不純物を含む場合、かかる接触の結果、これら他の金属不純物又はその酸化生成物が第1の酸化混合物から除去される。
一実施形態では、酸化(すなわち、約25〜約150℃の範囲の温度、及び約1〜約150気圧の範囲の圧力で燃料油を担持型外因性二元触媒及び酸素と接触させて第1の酸化混合物を得ること)を実施する圧力は約1〜約150気圧の範囲である。別の実施形態では、酸化を実施する圧力は約5〜約45気圧の範囲である。さらに別の実施形態では、酸化を実施する圧力は約10〜約40気圧の範囲である。
一実施形態では、酸化を実施する温度は約25〜約150℃の範囲である。別の実施形態では、酸化を実施する温度は約50〜約120℃の範囲である。さらに別の実施形態では、酸化を実施する温度は約60〜約90℃の範囲である。
一実施形態では、イオウ含有燃料油と接触させるのに必要とされる酸素は不活性ガスとの混合物として提供される。使用する条件に対して適度に不活性であるガスの適切な非限定例としては窒素及びアルゴンがある。一実施形態では、酸素は空気として提供される。
別の実施形態では、イオウ含有燃料油は、そのイオウ含有燃料油を二元触媒及び酸素と接触させる前に脱アスファルト化される。イオウ含有燃料油の脱アスファルト化は当業者に公知の方法により実施することができる。通例、脱アスファルト化は、イオウ含有燃料油を不活性希釈剤と接触させ、得られた混合物をろ過又は遠心分離により不溶性のアスファルテンから燃料油を分離して脱アスファルト化された燃料油を得ることによって実施する。一実施形態では、不活性希釈剤は、液体飽和炭化水素、液体環式炭化水素、及び以上の不活性希釈剤の2種以上の混合物からなる群から選択される。液体環式炭化水素の適切な非限定例としてはシクロヘキサン、シクロヘプタン、及びデカリンがある。液体飽和炭化水素の適切な非限定例としてはプロパン、ブタン、及び石油エーテルがある。一実施形態では、イオウ含有燃料油を精製する方法はさらに、不活性希釈剤を回収する段階を含む。一実施形態では、不活性希釈剤は、蒸留により、当業者に公知の方法を用いて第1の酸化混合物から回収される。
別の実施形態では、本発明は、(a)イオウ含有燃料油を炭化水素系希釈剤、アルミナ担持外因性二元触媒、及び酸素と、約50〜約120℃の範囲の温度、及び約1〜約150気圧の範囲の圧力で接触させて第1の酸化混合物を得、(b)この第1の酸化混合物から1種以上の酸化されたイオウ化合物を分離し、(c)希釈剤を回収して精製燃料油を得ることからなる、イオウ含有燃料油を精製する方法を提供する。
さらに別の実施形態では、本発明は、(a)ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、アルキル置換ベンゾチオフェン、及びアルキル置換ジベンゾチオフェンを含むイオウ含有燃料油を、石油エーテル、担持型外因性二元触媒、及び酸素と、約50〜約120℃の範囲の温度、及び約1気圧〜約50気圧の範囲の圧力で接触させて、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、アルキル置換ベンゾチオフェン、及びアルキル置換ジベンゾチオフェンのスルホキシド及びスルホンを含む第1の酸化混合物を得、(b)この第1の酸化混合物から1種以上の酸化されたイオウ化合物を分離し、(c)石油エーテルを回収して精製燃料油を得ることからなる、イオウ含有燃料油を精製する方法を提供する。
以下の実施例は本発明に従う方法及び実施形態を例証するためのみのものであり、従って特許請求の範囲に限定を課すものと解してはならない。
ここで使用した試薬と幾つかの触媒はAldrich Chemical Companyから入手した。
触媒は、γ−アルミナ担体と遷移金属の硝酸塩又は酢酸塩の水溶液とを組み入れる当技術分野で公知のINCIPIENT WETNESS法を用いて調製した(1つの場合では、五酸化バナジウムの調製にバナジルアセチルアセトネートを使用した)。アルミナ担体への触媒の含浸後、試料を120℃で乾燥し、空気中約550℃で約5時間カ焼した。温度を、5℃/minの速度で120℃から約550℃まで上げた。使用した活性金属成分の量はアルミナ担体の重量を基準にして約5重量%であった。
実施例1〜9及び比較例CE−1〜CE−2イオウ含有燃料油モデル混合物に対する酸化的脱硫の影響
イオウを含有するモデル混合物は、テトラリン及びジオクチルスルフィド(DOS)、ベンゾチオフェン(BT)、及びジベンゾチオフェン(DBT)から調製した。ここで、イオウ含有化合物は2:2:3重量比で存在していた。モデル混合物は、Varian Saturn 2000 GCMSを用いて試験したとき約3重量%のイオウを含んでいることが示された。7ミリリットル(ml)の混合物と50ミリグラム(mg)の担持型外因性二元触媒を十字形様の磁気撹拌棒を備えた6つの4ドラムのバイアルの各々に入れた。バイアルをアルミニウム加熱ブロックに入れた。バイアルを入れたブロックを、磁気攪拌機を備えた1ガロンのオートクレーブに入れた。オートクレーブを、約150℃の温度で約6時間の間2000ポンド/平方インチの空気圧下に維持した。その後、オートクレーブの圧力を下げ、Varian Saturn 2000 GCMSを用いて、酸化された試料を分析した。結果を下記表1に示す。
Figure 2009235406
実施例1〜9は、一般に、二元触媒系が単一の触媒を含有する系(比較例1及び2)を凌ぐことを立証している。対応する単一の触媒系より優れていなかった二元触媒を含む系は、二元触媒の成分の相対量の点で十分に最適化されていないと考えられる(例えば、実施例9参照。ここでは、DBTとBTの転化効率が本発明の実施形態を表す他の実施例と比べて比較的低い)。
実施例1〜9の各々において、酸化されたイオウ化合物は、その目的に有効であるとして本明細書に開示したいずれかの技術を用いて反応混合物(第1の酸化混合物)から分離することができる。一実施形態では、実施例1の反応混合物をシリカゲルのパッドに通してろ過して酸化されたイオウ化合物と担持型外因性二元触媒の両方を除去する。これらはそこから回収することができる。
実施例10
まず最初に、Saudi原油100mlを体積比PE:油=2:1で石油エーテル(PE)と混合する。この混合物を2100rpmで10min遠心分離した後、デカントして固体アスファルテンを分離し、シリカを充填した吸着カラムに通して重金属を除去して、Spectro Phoenix II XRF分析器を用いて決定したイオウ含有量が約3.3重量%の脱アスファルト化された油画分を得る。6.4gの脱アスファルト化された油画分と担持型外因性二元触媒106mg(実施例3で使用したものと同じ)を、十字形磁気撹拌棒を備えた4ドラムのバイアルに入れる。バイアルをアルミニウム加熱ブロックに入れる。バイアルを入れたブロックを、磁気攪拌機を備えた1ガロンのオートクレーブに入れる。オートクレーブを温度約150℃で約6時間の間2000ポンド/平方インチの空気圧下に維持する。その後、オートクレーブの圧力を下げ、酸化された試料を2mlの75%酢酸で、次に2mlの水で洗浄する。油画分(6.1g)は、Spectro Phoenix II XRF分析器で分析して2.05重量%のイオウを含有していた。これは、原油のイオウ含有成分の37%が約95%の油の収率で対応する酸化誘導体(スルホン、スルホキシド)に転化されることを立証している。
一実施形態では、原油と石油エーテルを含む反応混合物を、シリカゲルのパッドに通してろ過して、酸化されたイオウ化合物と担持型外因性二元触媒の両方を除去する。これらはそれから回収することができる。一般に、酸化されたイオウ化合物は、本明細書でこの目的に有効であるとして開示したいずれかの技術を用いて、原油を含有する反応混合物(第1の酸化混合物)から分離することができる。
以上の実施例は単なる例示であり、本発明の特徴の幾つかのみを例証する役目を果たしている。後記特許請求の範囲は考えられる最大の範囲で本発明を特許請求するものであり、本明細書に記載した実施例は多種多様な全ての可能な実施形態から選択された実施形態の例示である。従って、出願人の意図するところは、後述の特許請求の範囲は本発明の特徴を例証するために利用した実施例の選択によって限定されることはないということである。特許請求の範囲で使用する場合、「含む」及びその文法上の変形語は論理的にいって、例えば、限定されることはないが、「から本質的になる」及び「からなる」のような種々異なる程度の用語を含めて意味するものである。必要であれば、範囲が示されているが、これらの範囲はその中に入る全ての部分範囲を包含する。これらの範囲内の変化は当業者には自明であるし、まだ公にされていなくても可能であれば後続の特許請求の範囲に入るものと考えられる。また、科学及び技術の進歩により、言語の不正確さのために現在では考えられていない等価物及び置換が可能になることも予想され、これらの変形もまた可能な場合後述の特許請求の範囲に入るものと考えられる。

Claims (10)

  1. イオウ含有燃料油を精製する方法であって、
    (a)燃料油を、担持型外因性二元触媒及び酸素と、約25〜約150℃の範囲の温度、及び約1〜約150気圧の範囲の圧力で接触させて第1の酸化混合物を得、
    (b)1種以上の酸化されたイオウ化合物を第1の酸化混合物から分離して精製燃料油を得る
    ことを含んでなる方法。
  2. イオウ含有燃料油が5重量%未満のイオウを含んでいる、請求項1記載の方法。
  3. 担持型外因性二元触媒が、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、セリア、及び以上のものの2種以上の組合せからなる群から選択される金属酸化物固体担体を含んでいる、請求項1記載の方法。
  4. 外因性二元触媒が、バナジウム、マンガン及び銅の酸化物及び塩、並びにこれらの組合せからなる群から選択される第1の成分と、セリウム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅及びこれらの組合せの酸化物及び塩からなる群から選択される第2の成分とを含んでいる、請求項1記載の方法。
  5. イオウ含有燃料油を二元触媒、過酸化水素及び水溶性酸と接触させる前に、イオウ含有燃料を不活性希釈剤と接触させることによりイオウ含有燃料油を脱アスファルト化する、請求項1記載の方法。
  6. 不活性希釈剤が、液体飽和炭化水素、液体環式炭化水素、及び以上の不活性希釈剤の2種以上の混合物からなる群から選択される、請求項5記載の方法。
  7. 不活性希釈剤が、プロパン、ブタン、石油エーテル、シクロヘキサン、デカリン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5記載の方法。
  8. さらに、二元触媒を回収する段階を含む、請求項1記載の方法。
  9. イオウ含有燃料油を精製する方法であって、
    (a)イオウ含有燃料油を、炭化水素系希釈剤、アルミナ担持外因性二元触媒、及び酸素と、約50〜約120℃の範囲の温度、及び約1〜約150気圧の範囲の圧力で接触させて第1の酸化混合物を得、
    (b)1種以上の酸化されたイオウ化合物を第1の酸化混合物から分離し、
    (c)希釈剤を回収して精製燃料油を得る
    ことを含んでなる方法。
  10. イオウ含有燃料油を精製する方法であって、
    (a)ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、アルキル置換ベンゾチオフェン、及びアルキル置換ジベンゾチオフェンを含むイオウ含有燃料油を、石油エーテル、担持型外因性二元触媒、及び酸素と、約50〜約120℃の範囲の温度、及び約1〜約150気圧の範囲の圧力で接触させて、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、アルキル置換ベンゾチオフェン、及びアルキル置換ジベンゾチオフェンのスルホキシド及びスルホンを含む第1の酸化混合物を得、
    (b)1種以上の酸化されたイオウ化合物を第1の酸化混合物から分離し、
    (c)石油エーテルを回収して精製燃料油を得る
    ことを含んでなる方法。
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