JP2009234581A - シートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃吸収(EA)機構付のシートベルト装置における安全性の向上を図る。
【解決手段】衝突の可能性のある段階で、予めシートベルト(302)の弛みを除き、衝突後、火薬式のベルト巻取り装置(104)によって乗員を座席に拘束する。更に、乗員とシートベルト(302)との接触部位の荷重をエネルギ吸収機構(EA)によって制限する。EA機構によって乗員が移動しても予めベルトの弛みが除かれているので、乗員はエアバッグ(500)が展開しているときにその範囲までには移動せず、展開途中のエアバッグに乗員の頭部が当たることを防止可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両衝突の際に乗員を効果的に座席に拘束して保護するる車両用シートベルト装置に関し、特に、拘束後の乗員の保護性能の向上を図ったシートベルト装置に関する。
従来、車両の乗員等を座席に安全に保持するためのシートベルト巻取装置(リトラクタ)においては、急な加速、衝突又は減速に反応する慣性感知手段によってベルト巻取装置を物理的にロックする緊急ロック機構を備えて乗員を効果的及び安全に拘束する緊急ロック式リトラクタが用いられている。このような緊急ロック式ベルト巻取装置としては、例えば特開昭50−79024号、特公昭59−21624号及び実公平2−45088号公報等に開示されたシートベルト巻取装置がある。更に、火薬式のベルト巻取装置(プリテンショナ)を設けて、衝突の際にベルトの弛みを瞬間的に除くようにしたシートベルト装置もある。
しかし、シートベルトを完全にロックした場合、車両が衝突したときに、乗員に対して衝突方向に慣性力が作用するため、シートベルトで拘束されている乗員は、シートベルトに押しつけられて胸部などにダメージを受ける虞がある。このため、ベルト張力が所定値を超えると、シートベルトがベルト巻取り装置から引出されるようにして乗員の受ける衝撃を緩和するようにした、EA(エネルギ吸収)機構を備えるシートベルト装置も提案されている。
また、衝突の衝撃によって乗員が衝突方向に移動すると、ハンドルや車内構造物に衝突する二次衝突も発生するため、衝突によってバッグを展開して乗員の安全を図るエアバッグ装置も使用される。
特開昭50−79024号公報 特公昭59−21624号公報 実公平 2−45088号公報
しかしながら、乗員が地厚の衣服を着ている場合等には、ベルトの引出し量が増える。プリテンショナが作動して所要のシートベルト張力による乗員の拘束状態となるまでに時間がかかると、ベルト巻取りの途中で乗員に作用する慣性力がシートベルトに作用する。シートベルトに加わる引出し荷重が所定値を超えるとEA機構が作動し、シートベルトを伸び出させる。その結果、乗員は衝突方向に移動し、展開中のエアバッグが頭部等に当たることが考えられる。また、衝突検出の判断が遅れた場合にも、同様に乗員は移動し、エアバッグの展開範囲内に入って展開中のエアバッグが展開速度で頭部等に当たることも考えられ得る。
よって、本発明は、EA機構を備えるシートベルト装置において、乗員の移動をより減少するようにした、シートベルト装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、EA機構を備えるシートベルト装置において、乗員の頭部などが展開途中のエアバッグに当たり難いようにした、シートベルト装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のシートベルト装置は、乗員を座席に拘束するシートベルトと、上記シートベルトの張力を可変する第1及び第2の張力可変手段と、車両の衝突を予知し、衝突の可能性に応じた衝突予知信号を出力する衝突予知手段と、車両の衝突を検出し、衝突検出信号を出力する衝突検出手段と、上記衝突検出信号によってエアバッグを展開し、乗員の二次衝突を防止するエアバッグ装置と、上記衝突予知信号と上記衝突検出信号によって、上記第1及び第2の張力可変手段を制御する制御手段と、上記シートベルトの張力が所定値を超えないように張力を制限する張力制限手段と、を備える。
かかる構成とすることによって、衝突前に第1の張力可変手段によって余分なシートベルトの弛みを除き、衝突の際に、シートベルトに乗員による慣性力が作用する前に、第2の張力可変手段によってベルト巻取りを完了する。このため、張力制限手段(EA機構)が作動しても乗員が衝突方向に好ましい量以上に移動することを防止可能であり、エアバッグ展開による乗員頭部等の叩かれを回避可能となる。
好ましくは、上記第1の張力可変手段は、モータによってシートベルトを引込み側あるいは送出し側に駆動し、上記第2の張力可変手段は、火薬の爆発力によってシートベルトを瞬時に引込み、上記張力制限手段は、シートベルトの引出しによって金属棒が捩れてベルト張力の増加を抑制する。
好ましくは、上記第1及び第2の張力可変手段、上記張力制限手段は、シートベルトの一端を巻取るベルト巻取装置に設けられる。
好ましくは、上記第1の張力可変手段及び上記張力制限手段は、シートベルトの一端を巻取るベルト巻取装置に設けられ、上記第2の張力可変手段はバックル部に設けられる。
好ましくは、上記第2張力可変手段及び上記張力制限手段はベルト巻取装置に設けられ、ベルト巻取装置にはシートベルトの引出しを電気的にロック可能な強制ロック手段が設けられ、上記第1の張力可変手段はバックル部に設けられる、好ましくは、上記第1の張力可変手段及び上記張力制限手段は、ベルト巻取装置に設けられ、上記第2の張力可変手段は、シートベルトの他端を車体に固定するラップベルト固定部に設けられる。
好ましくは、上記第2の張力可変手段及び上記張力制限手段はベルト巻取装置に設けられ、ベルト巻取装置にはシートベルトの引出しを電気的にロック可能な強制ロック手段が設けられ、上記第1の張力可変手段はラップベルト固定部に設けられる。
好ましくは、上記張力制限手段及び電気的にロック可能な強制ロック手段はベルト巻取装置に設けられ、第1の張力可変手段はバックル部に設けられ、上記第2の張力可変手段はラップベルト固定部に設けられる。
好ましくは、上記張力制限手段及び上記強制ロック手段はベルト巻取装置に設けられ、上記第2の張力可変手段はバックル部に設けられ、上記第1の張力可変手段はラップベルト固定部に設けられる。
好ましくは、上記張力制限手段及び上記強制ロック手段はベルト巻取装置に設けられ、上記第1及び第2の張力可変手段は、ラップベルト固定部に設けられる。
好ましくは、上記ベルト巻取装置が座席に固定される。ラップベルト部は座席に設けられる。
好ましくは、上記張力制限手段は、ねじれ軸、磁性流体を含む。
図1は、座席にチャイルドシートを載せたシートベルト装置の構成を説明する説明図である。 図2は、電動ベルト巻取装置の構成例を説明する説明図である。 図3は、ポテンショメータ111を説明する説明図である。 図4は、制御部200の構成を説明する機能ブロック図である。 図5は、モータの駆動回路の構成例を示す回路図である。 図6は、制御部による第1の張力可変手段の制御例を説明するフローチャートである。 図7は、制御部による第2の張力可変手段の制御例を説明するフローチャートである。 図8は、制御部によるエアバッグ装置の制御例を説明するフローチャートである。 図9は、制御部によるシートベルトロック機構の強制ロック動作を説明するフローチャートである。 図10は、シートベルト装置が作動した場合の、シートベルト張力の変化を説明するグラフである。 図11は、シートベルト巻取装置の一部分の例を示す斜視図である。 図12は、シートベルト巻取装置の他の部分の例を示す斜視図である。 図13は、図12に示すロック機構のラチェットホィール18の回転軸方向における断面図である。 図14は、シートベルトの急な引出し(シートベルト加速度)によるロック機構の作動を説明する説明図である。 図15は、ロックアーム26を説明する説明図である。 図16は、イナーシャプレート30を説明する説明図である。 図17は、シートベルト加速度によるロック機構の作動を説明する説明図である。 図18は、シートベルト加速度によるロック機構の作動を説明する説明図である。 図19は、シートベルト加速度によるロック機構の作動を説明す説明図である。 図20は、電磁的アクチュエータの動作(非ロック状態)を説明する説明図である。 図21は、電磁的アクチュエータの動作(ロック状態)を説明する説明図である。 図22は、他の電磁的アクチュエータの例を説明する説明図である。 図23は、バックル側にベルト張力可変手段としての電動ウインチが取付けられ、ベルト端部が座席に固定される例を示す説明図である。 図24は、ベルトの端部にベルト張力可変手段としての電動ウインチが取付けられている例を示す説明図である。 図25は、座席にベルト巻取り装置が設けられる例を示す説明図である。 図26は、バックル側にプリテンショナが設けられる例を示す説明図である。 図27は、シートベルト端部にプリテンショナが設けられる例を説明する説明図である。
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。
図1は、車両のシートベルト装置の例を示している。シートベルト装置は、乗員を座席301に拘束するシートベルト302を巻取る電動巻取装置100、シートベルト302を乗員の肩近傍で折返すスルーアンカ303、シートベルトを挿通して腰部に配置されるバックル304と係合するタングプレート305、シートベルト302の端部を車体に固定するアンカー306、バックルに内蔵されてベルト装着を検出するスイッチ307、ベルト巻取装置100のモータを制御する制御部200(図示せず)、車両の衝突を予知する衝突予知部401(図示せず)、衝突検出部402(図示せず)等によって構成される。また、ハンドルの中央部にはエアバッグ装置500が設けられている。助手席のダッシュボード部やドアにもエアバッグ装置が設けられている(図示せず)。
図2は、電動巻取り装置100の構成を概略的に説明する説明図である。同図において、電動巻取り装置100は、フレーム101を備えている。このフレーム101には、シートベルト302を巻回するリール103、リール103の左端側で結合し、リール回転の中心軸となるリールシャフト103aが回転自在に設けられる。リールシャフト103aの右端部には、シートベルト302の引出しをロックする後述のシートベルトロック機構102が設けられている。シートベルトロック機構102は、車両に所定の減速度が作用したときベルトの引出しをロックするVSI動作と、シートベルト302が所定の加速度で引出されたときにシートベルト302の引出しをロックするWSI動作とを備えている。また、このロック機構102には、ロック機構102を指令信号に応答して強制的に作動させる後述の電磁的アクチュエータ112が更に設けられている。電磁的アクチュエータ112は後述の制御部200の出力によって作動が制御される。シートベルトロック機構102は、シートベルト302引き出しのロック状態でも電動モータ110によるシートベルト302の巻取りが可能に構成されている。
上述したリールシャフト103aはねじれ軸であり、エネルギ吸収(EA)手段としての役割をも担っている。すなわち、シートベルトロック機構102によってリールシャフト103a(ねじれ軸)の右端がロックされた状態で、シートベルトが強い力で引出されてリール103が回転すると、リールシャフト103a自身が軸まわりにねじれて塑性変形する。それにより、シートベルト302が引出されてシートベルト302によって乗員の身体に作用する衝撃エネルギが吸収される。
プリテンショナ104は、図示しない衝突検出器の出力によって制御部200を介して作動し、リールシャフト103aをシートベルトの巻取り方向に回転し、シートベルトを強制的に巻取って乗員を座席に拘束する。プリテンショナ104は、例えば、火薬式プリテンショナであり、ガス発生器、ガス発生器から発生したガスを封止するシリンダ、シリンダ内をガス圧によって移動するピストン、ピストンの移動を、クラッチ機構を介してリール軸103aの回転運動に変換する伝達機構等によって構成される。
リール軸103aに固定されたプーリ105は、動力伝達用ベルト107を介して直流モータ110の軸に固定されたプーリ106と連結している。プーリ105、106の外周にはそれぞれ所定数の外歯が形成され、また、ベルト107の内周にも所定数の内歯が形成されている。リールシャフト用のプーリ105、モータ用のプーリ106、ベルト107の各歯山は過不足なく噛合っており、モータ110の回転は、リールシャフト103aに伝達される。モータ110は、フレーム101に少なくとも2点以上で固定されており、制御部200の出力によって動作する。
リールシャフト103aの最左端に設けられたポテンショメータ111は、図3に示すように、両端に電圧が印加される抵抗体と、リールシャフト103aの回転に連動する摺動子とによって構成される。そして、リールシャフト103a基準位置からの回転量に対応した電圧値を制御部200に出力する。これにより、例えば、ベルトの引出し量を推定することが出来る。また、ベルトの弛みのない状態の電圧値と、ベルトの引出された状態の電圧値とを比較することによってベルトの弛み量を推定することができる。
図4は、制御部200の概略構成を説明する機能ブロック図である。同図に示されるように、制御部200は、マイクロコンピュータシステムによって構成される。CPU201は、ROM202に保持される制御プログラムやデータをRAM203のワークエリアにロードしてモータ110及びシートベルトロック機構102を強制的に作動させる電磁的アクチュエータ(例えば、ソレノイド)112の動作を制御する。
同図に示す、衝突予知部401は、自車両と、前方車両等の障害物との衝突が生ずる可能性があるか、衝突を回避可能か回避不可であるかを判別する。例えば、レーザレーダ、超音波センサ、等の非接触型距離センサによって所定時間毎に自車と障害物との距離を計測する。この距離の時間的変化から相対速度を計算する。距離を相対速度で除算して衝突までの時間を計算する。該衝突時間が予め設定された所定時間T1以下なら、衝突の可能性があるとして衝突予知信号を出力する。この信号は、入力インタフェース204に供給され、RAM203内に設けられたフラグ領域(フラグレジスタ)の「衝突予知フラグ」をオンに設定する。これにより、CPU201に後述の割込み処理を開始させる。
バックルスイッチ307の出力は、入力インタフェース204を介して、RAM203内に設けられたフラグ領域にベルトの装着の有無に対応したフラグの設定を行う。
衝突検出部402は、衝突時に車体に発生する衝撃を加速度センサによって検出し、加速度信号を信号処理して大きさや立上がり波形に基づいて衝突検出を行う。この信号は、入力インタフェース204に供給され、RAM203内のフラグ領域の「衝突検出フラグ」をオンに設定する。これにより、CPU201に後述の割込み処理を開始させる。
なお、本発明に直接関係しないので図示しないが、前述したポテンショメータ111の出力電圧は、入力インタフェース204によって所定周期でA/D変換される。入力インタフェース204はCPUを内蔵しており、変換された出力電圧データを監視している。例えば、出力電圧データの前回値と今回値とが相違することによって、軸103aの回転状態を判別し、出力電圧データの前回値と今回値との差の正あるいは負によって、シートベルトの「引出し」フラグ、あるいは「巻取り」フラグをRAM203のフラグ領域に設定する。また、DMA動作によって出力電圧データをRAM203の回転量エリアに書込む。ベルトを巻取った状態の出力電圧データからの引き出し方向への変化分はベルトの弛み量に相当する。この弛み量は、RAM203のベルト弛み量エリア1に書込まれる。
モータ110に流れる電流値は後述のモータ駆動回路206に設けられた電流検出器CTによって電流に対応した電圧値として検出される。この電圧値は、入力インタフェース204において、所定周期でA/D変換され、DMA動作によってRAM203内のモータ電流領域に書込まれる。モータ110の電流はモータの回転トルクに関係することから負荷電流値によって回転トルクを推定することが出来る。モータ110の回転トルクは、シートベルト302の引込み力(張力)となる。
CPU201は、制御プログラムに設定された所定の条件が満たされると、モータ110の正転指令、逆転指令、駆動停止指令を出力インタフェース205に与える。出力インタフェース205は、これ等命令に対応したゲート信号G1、G2を発生し、モータ駆動回路206に供給する。正転指令に対しては、G1、G2をそれぞれ「H」、「L」に、逆転指令に対しては、G1、G2をそれぞれ「L」、「H」に、駆動停止指令に対しては、G1、G2をそれぞれ「L」、「L」に設定する。
図5は、モータの駆動回路の構成例を示す回路図である。PNPトランジスタQ1、Q2、NPNトランジスタQ3、Q4の、4つのトランジスタによってトランジスタブリッジ回路が構成される。トランジスタQ1、Q2のエミッタ同士は接続され、該接続点に電源Vcが供給される。トランジスタQ3、Q4のエミッタ同士も接続され、該接続点に接地電位が供給される。
既述のように、トランジスタQ3、Q4の各エミッタ出力電流は電流検出器CTによってレベル検出され、レベル検出信号が入力インタフェース204に送られる。入力インタフェース204は、レベル検出信号をA/D変換し、DMA動作によってRAM203のベルト張力エリアに書込む。モータを流れる負荷電流値はトルクに関連するので、これよりシートベルト張力Fを推定することが可能である。
トランジスタQ1のコレクタとトランジスタQ3のコレクタとはダイオードD1を介して接続される。トランジスタQ2のコレクタとトランジスタQ4のコレクタとはダイオードD2を介して接続される。トランジスタQ1のベースとトランジスタQ4のコレクタとはバイアス抵抗R1を介して接続される。トランジスタQ2のベースとトランジスタQ3のコレクタとはバイアス抵抗R2を介して接続される。トランジスタQ1及びQ2の各コレクタ相互間に直流電動モータMが接続される。
かかる構成において、トランジスタQ3、Q4の各ゲートに正転指令信号(G1=「H」、G2=「L」)が出力インタフェース205から供給されると、トランジスタQ3は導通、トランジスタQ4は非導通となる。トランジスタQ3のコレクタは導通によって接地レベルとなり、抵抗R2を介してトランジスタQ2のベースを低レベル(略接地レベル)にバイアスし、トランジスタQ2を導通させる。トランジスタQ4のコレクタは略電源Vcレベルとなり、抵抗R1を介してトランジスタQ2のベースを高レベルにバイアスし、トランジスタQ1を非導通にさせる。この結果、電源Vc、トランジスタQ2、モータM、ダイオードD1、トランジスタQ3、接地の経路で順方向の電流路が形成され、モータMはシートベルトを巻取る方向に回転する。
トランジスタQ3、Q4の各ゲートに逆転指令信号(G1=「L」、G2=「H」)が出力インタフェース205から供給されると、トランジスタQ3は非導通、トランジスタQ4は導通となる。トランジスタQ4のコレクタは接地レベルとなり、抵抗R1を介してトランジスタQ1のベースを低レベルにバイアスし、トランジスタQ1を導通させる。トランジスタQ3のコレクタは略電源Vcレベルとなり、抵抗R2を介してトランジスタQ2のベースを高レベルにバイアスし、トランジスタQ2を非導通にさせる。この結果、電源Vc、トランジスタQ1、モータM、ダイオードD2、トランジスタQ3、接地の経路で逆方向の電流路が形成され、モータMはシートベルトを引出す方向に回転する。
トランジスタQ3、Q4の各ゲートに駆動停止指令信号(G1=「L」、G2=「L」)が出力インタフェース205から供給されると、NPNタイプのトランジスタQ3、Q4は共に非導通となる。トランジスタQ3が導通状態から非導通となった場合、トランジスタQ3のコレクタは、接地レベルから略電源レベルに上昇し、トランジスタQ2のベースを高電位にバイアスしてトランジスタQ2をも遮断する。同様に、トランジスタQ4が導通状態から非導通となった場合、トランジスタQ4のコレクタは、接地レベルから略電源レベルに上昇し、トランジスタQ1のベースを高電位にバイアスしてトランジスタQ1をも遮断する。このようにして、駆動停止指令が発令されると、ブリッジを構成する各トランジスタが非導通となる。
図4に戻り、CPU201は、シートベルトロック機構102の強制ロックを作動させる条件が満たされると、ロック指令信号(ソレノイドの作動指令)を出力インタフェース205に与える。出力インタフェース205のフラグレジスタに設定された作動指令は、パワー増幅器207によって論理レベルの信号からソレノイドを駆動できるレベルにパワー増幅され、ソレノイド112に与えられる。ソレノイドが動作することによって、アクチュエータが移動し、巻取装置100のロック機構102を動作させる。なお、シートベルトロック機構102は、作動すると、巻取ったシートベルトの引出しを阻止してベルトの弛みを防止するが、シートベルトの巻取りは許容する構造となっている。
図6は、制御部200の制御態様を説明するフローチャートである。この例では、第1の張力可変手段たるシートベルトを巻取るモータの作動を制御する。
CPU201は、メインプログラムを実行することにより、シートベルトの着用フラグを周期的に監視する(S12)。CPU201は、シートベルト着用フラグがオンになっていると(S12;Yes)、衝突の可能性があるかどうかを衝突予知フラグの設定の有無により判別する(S14)。同フラグがオンであると(S14;Yes)、モータ駆動回路206を作動させ、弛み除去手段あるいは可変張力手段としての、モータ110をベルトの巻取り方向に回転駆動させてウェビング302の巻取りを行う(S16)。それにより、シートベルトのある程度の弛みを除去する。例えば、巻取りはベルトが所定張力を越えるまで、あるいは所定時間行うこととしても良い。張力はRAM203の電流値エリアに書込まれたサンプル値を読取ることによって判別可能である。このステップにより、衝突前にシートベルトの弛みが除去される。
CPU201は、シートベルトの未装着(S12;No)、あるいは衝突予知フラグがオフであると(S14;No)、シートベルトの弛みを除く必要はないので、シートベルトを巻取るモータ110の回転駆動の停止を出力インタフェース205に指令する(S18)。それにより、モータ駆動回路206からモータ110への電流供給が停止し、モータ110は動作を停止する。本ルーチンを終了し、メインプログラムに戻る。
なお、シートベルトは巻取りばね114の力によって、非装着の場合にはベルト巻取装置100内に格納される。シートベルト装着の際には、最低限の弛みが除去される。
次に、図7を参照して、第2の張力可変手段たるプリテンショナの作動制御について説明する。
CPU201は、本ルーチンを周期的にあるいは割込み処理によって実行する。CPU201は、シートベルト装着状態において(S22;Yes)、衝突が検出されたかどうかを判別する(S24)。衝突検出フラグがオンになることによって衝突を検出すると(S24;Yes)、第2の張力可変手段としての火薬式のプリテンショナ104を作動させる。それにより、シートベルトを急速に引込み、弛みを除去し、乗員をしっかりと拘束する。シートベルトの非装着(S22;No)、衝突の非検出の場合(S24;No)には、第2の張力可変手段を作動させることなく、本ルーチンを終了する。
なお、ベルト巻取装置100に設けられているVSIセンサによって車両に衝撃が加わるとシートベルト302の引出しがロックされる。また、ベルト巻取装置100に設けられているWSIセンサによってシートベルト302が急激に引出されると、シートベルト302の引出しがロックされる。
図8は、エアバッグ装置の作動制御を説明するフローチャートである。
CPU201は、本ルーチンを周期的にあるいは割込み処理によって実行する。CPU201は、衝突検出フラグがオンになったことによって衝突を検出すると(S32;Yes)、エアバッグ装置に点火信号を供給し、火薬を発火させ、燃焼ガスの急膨張によってバッグを展開させる(S34)。それにより、乗員の車室内への二次衝突を防止する。衝突が検出されない場合には(S32;No)、本ルーチンは終了する。
図9は、シートベルトロック機構の強制作動を説明するフローチャートである。
第1あるいは第2の張力可変手段がベルト巻取装置以外に設けられている場合、例えば、バックルやラップベルト固定部に設けられている場合、可変張力手段が作動するとベルトを巻取装置から引出す方向に作用する。そこで、シートベルトロック機構を予め強制的に作動させてシートベルトの引出しを防止し、ベルト張力を確保する。
CPU201は、メインプログラムを実行することにより、シートベルトの着用フラグを周期的に監視する(S42)。CPU201は、シートベルト着用フラグがオンになっていると(S42;Yes)、衝突の可能性があるかどうかを衝突予知フラグの設定の有無により判別する(S44)。同フラグがオンであると(S44;Yes)、ロック指令信号を出力インタフェース205に与え、巻取装置100のロック機構102を動作させる。シートベルトロック機構102は、作動すると、巻取ったシートベルトの引出しを阻止してベルトの弛みを防止するが、シートベルトの巻取りは許容する(S46)。なお、ベルト巻取装置100に設けられているVSIセンサによって車両に衝撃が加わるとシートベルト302の引出しがロックされる。また、ベルト巻取装置100に設けられているWSIセンサによってシートベルト302が急激に引出されると、シートベルト302の引出しがロックされる。
CPU201は、モータ駆動回路206を作動させ、モータ110をベルトの巻取り方向に回転駆動させてウェビング302の巻取りを行う(S48)。それにより、シートベルトのある程度の弛みを除去する。例えば、巻取りはベルトが所定張力を越えるまで、あるいは所定時間行うこととしても良い。張力はRAM203の電流値エリアに書込まれたサンプル値を読取ることによって判別可能である。このステップにより、衝突前にシートベルトの弛みが除去される。
CPU201は、シートベルトの未装着(S42;No)、あるいは衝突予知フラグがオフであると(S44;No)、シートベルトのロック機構を作動させている必要はないので、ロックの解除を出力インタフェース205に指令する。それにより、ロックが解除され、ベルトの引出しが可能となる(S50)。シートベルトを巻取るモータ110の回転駆動の停止を出力インタフェース205に指令する(S52)。それにより、モータ駆動回路206からモータ110への電流供給が停止し、モータ110は動作を停止する。本ルーチンを終了し、メインプログラムに戻る。
なお、第1あるいは第2の張力可変手段がベルト巻取装置に設けられている場合にも、勿論、本ルーチンを適用することが出来る。シートベルトは巻取りばね114の力によって、非装着の場合にはベルト巻取装置100内に格納される。シートベルト装着の際には、最低限の弛みが除去される点は同様である。
図10は、図6乃至図9の制御手順によって、第1及び第2の張力可変装置、エアバッグ装置を作動させたときのシートベルトの張力変化を経時的に説明するグラフである。
図10において、時刻t1において、衝突の可能性ありと判断され、モータ110が作動を開始し、ベルト張力は巻取りばねによる張力F0から上昇する。時刻t2において、衝突が発生する。時刻t3において、衝突が検出されてプリテンショナ104及びエアバッグ装置500が作動する。シートベルトはモータ110とプリテンショナ104とによって巻取られるので、張力は、時刻t1における張力F1から急に上昇する。衝突の衝撃でシートベルトロック機構102は、VSI動作によってシートベルトの引出しをロックする。時刻t4では、張力がF2に至るが、更に乗員に作用する前方への慣性力(ベルトを巻取り部100から引出す方向に作用する)が加わって張力が更に増加する。時刻t5に張力がF3になるとねじれ軸103aによるエネルギ吸収機構が作動して、シートベルトが引出され、ベルト張力の増加を抑制する。
図11乃至図22は、巻取り部100の、主に、シートベルトロック機構(リールの機械的ロック機構、シートベルト加速度感知手段(WSI)、車両減速度感知手段(VSI))120と電磁的アクチュエータ112を説明する分解斜視図及び要部縦断面図である。なお、図11には、プリテンショナは取付けられていない。車両特性上必要ならば、図2に示したように、図11のリトラクタベース1と動力伝達ユニット15との間にプリテンショナ104を設置する。
図11乃至図16において、リトラクタベース1はその大部分がコの字状断面を有しており、対向する側板1a,1bには対向してそれぞれ巻取軸貫通穴が穿設され、シートベルト302(図示せず)を巻装する巻取軸であるリール3がこれら巻取軸貫通穴を挿通した状態で回動自在に軸架されている。
側板1aに設けられた巻取軸貫通穴の内周縁には係合内歯2が形成されており、該巻取軸貫通穴の外側にはリング部材4が並設されている。リング部材4には内周縁に沿って絞り加工が施されており、リング部材4が側板1aの外側面にリベット40によって固着された際に、係合内歯2とリング部材4の内周縁との間に軸方向の隙間が生じるように構成されている。
そして、ベース1の側板1a側には、緊急時にシートベルトの引き出しを阻止するための緊急ロック機構が配置されている。又、ベース1の側板1b側には、図示しない、タイミングベルト107を介して電動モータ110によって駆動される軸15c(リール軸103aに相当する)に連結したプーリ105、巻取りばね114、ポテンショメータ111などを含む動力伝達ユニット15が配置されている。リール3は、アルミニウム合金等で一体成形された略円筒形の巻取軸であり、シートベルトが巻回される胴部28には、シートベルト端部を挿通させて保持するため直径方向に貫通するスリット開口28aが設けられている。又、リール3の外周部には別体で形成されたフランジ部材13が装着され、シートベルトの巻乱れを防止する。又、リトラクタベース1に組み付けたリール3の外周に巻装されたシートベルトは、リトラクタベース1の背板側の上部に取り付けられたシートベルトガイド41を挿通させることによって、出入り位置が規制される。
リール3の両端面にはリール3を回転自在に支持する為の回転支軸が突設されるが、リール3のセンサー側端面には別体に構成された支軸ピン6が回転支軸として圧入されている。又、リール3のセンサー側端面には、側板1aに構成された係合内歯2に係合可能なロック部材であるポール16を揺動回動可能に軸支する支軸7が突設されている。また、ポール16が係合内歯2と係合する方向へ揺動回転した時に、ポール16の揺動側端部と反対側のポール後端部16eを位置決めし、係合内歯2との間でポール16に大きな荷重が加わった場合にはその荷重を受ける受圧面45が、リール3のセンサー側端面に設けられている。
更に、リール3のセンサー側端面には、後述するロック作動手段のラッチ部材であるラチェットホイール18に揺動可能に軸支された揺動レバー部材20の反時計回り方向の回転を規制する為の係止突起8が設けられている。凹部9は、ラチェットホイール18をシートベルト引出し方向(図12中、矢印X2 方向)に回転付勢する引張りコイルバネ36と、後述するセンサースプリング25を押圧するロックアーム26のアーム部26cとがリール3に干渉するのを防ぐ逃げである。
ポール16の揺動端部には、側板1aに構成された係合内歯2に対応して係合可能な係合歯16cが一体形成されている。又、ポール16の中央部には、支軸7に遊嵌する軸穴16aが貫設されており、ポール16のセンサー側面には、揺動端側に位置する係合突起16bとポール後端部16e側に位置する押圧突起16dとが突設されている。
即ち、軸穴16aは支軸7に対して遊嵌状態なので、ポール16が支軸7に対して揺動回動可能及び所定量相対移動可能に軸支されている。又、リール3に圧入された支軸ピン6により貫通孔17aを嵌通された保持プレート17の係止孔17bには、ポール16の軸穴16aを貫通した支軸7の先端が加締められており、保持プレート17はリール3の端面からポール16が浮き上がるのを防止している。
そして、ポール16の係合突起16bの端部は、保持プレート17の外側に配設されて支軸ピン6に回動自在に軸支されたラチェットホイール18に形成されているカム穴18aに挿入されている。そこで、ラチェットホイール18がリール3に対してシートベルト巻取方向(図12中矢印X1 方向)に相対回転すると、カム穴18aが係合突起16bの端部をリール3の回転中心軸から半径方向外方に移動させるように作用するので、ポール16は側板1aに構成された係合内歯2との係合方向(図11中矢印Y1 方向)へ支軸7を中心に揺動回転させられる。
即ち、ポール16が、係合内歯2と係合する方向に揺動回転させられ、ポール16の係合歯16cが係合内歯2に係合することによってリール3のシートベルト引出し方向の回転を阻止するロック手段を構成している。ラチェットホイール18は、中心穴が支軸ピン6に回動自在に軸支された爪車であり、その外周部には車体加速度感知手段51のセンサーアーム53と係合するためのラチェット歯18bが形成されている。更に、支軸ピン6のフランジ部6aは、シートベルトの引出し加速度を感知する慣性感知手段であるシートベルト加速度感知手段を構成する為の円盤状の慣性部材であるイナーシャプレート30の中心穴30aを軸支している。ラチェットホイール18の中心穴周縁で巻取装置外側に向かって突設された係止爪部23は、係合穴30bに係合してイナーシャプレート30のスラスト方向の位置決めを行っている。ラチェットホイール18に形成された長穴24にはイナーシャプレート30の係合突出部31が係合しており、長穴24の一端縁24aが緊急ロック機構非作動時のイナーシャプレート30の回転方向の位置決めを行っている(図14参照)。
ラチェットホイール18の外側面には、図14に示すように、ロックアーム26を回動自在に軸支する軸部22と、ばねフック部55とが突設されている。そして、図18に示すように、イナーシャプレート30には、ばねフック部55を挿通させる開口56が形成されている。この開口56は、ばねフック部55を挿通した状態でイナーシャプレート30がラチェットホイール18に対して相対回転可能な長穴状に形成されており、その一端には、ばねフック部55に対応するばねフック部57が装備されている。
そして、これらの一対のばねフック部55,57間には、圧縮コイルばね58が嵌挿される。この圧縮コイルばね58は、図17に示すように、イナーシャプレート30上の係合突出部31が、ラチェットホイール18に形成された長穴24の他端縁24bに当接した状態(即ち、非ロック状態)に保たれるように、付勢している。
ラチェットホイール18の内側面には、一端が保持プレート17の掛止部17cに掛止された引張りコイルバネ36の他端を掛止するばね掛止部21が設けられており、引張りコイルバネ36はリール3に対してラチェットホイール18をシートベルト引出し方向(矢印X2 方向)に回転付勢している。図15に示したように、ロックアーム26には、ギアケース34の内歯ギア34aと噛み合い可能な係合爪26bと、ラチェットホイール18の外側面に設けられた一対のフック部18dに両端を支持された線状のセンサースプリング25の長手方向中央部を押圧するアーム部26cとが設けられている。
そこで、ロックアーム26は、係合爪26bが被係合部である内歯ギア34aと噛み合ってラチェットホイール18のシートベルト引出し方向の回転を阻止する係止部材を構成している。そして、係合爪26bは、センサースプリング25の付勢力により、イナーシャプレート30の当接部32に押圧付勢されている。尚、アーム部26cの揺動範囲に対応するラチェットホイール18には開口が形成され、アーム部26cが開口を貫通するが、これはセンサースプリング25に対するアーム部26cの係合状態を保証するためのものである。
当接部32は、ロックアーム26の係合爪26bの背部26dが摺接するカム面として、イナーシャプレート30の回転がロックアーム26に影響を与えない第1のカム面32aと、リール3に対するイナーシャプレート30の回転遅れに応じて係合爪26bが内歯ギア34aに噛合するようにロックアーム26を揺動させる第2のカム面32bとを具備した構成とされている。
緊急ロック機構の非ロック状態では、第1のカム面32aがロックアーム26の背部26dに当接しており、イナーシャプレート30のリール3に対する回転遅れが一定量を超えるまでは、背部26dが第2のカム面32bに当接しないようになっている。第1のカム面32aの長さ(即ち、第1のカム面32aに背部26dが摺接した状態でイナーシャプレート30が回転する量)は、シートベルトの全量格納時にイナーシャプレート30に作用する慣性力で、イナーシャプレート30がリール3に対して回転遅れを生じても、その程度の回転遅れでは、ロックアーム26の背部26dが第2のカム面32bには到達しない程度に、第1のカム面32aの長さが設定されている。
また、本実施形態におけるロックアーム26は、係合爪26bとは反対側の揺動端に当接爪26eが形成されている。そして、この当接爪26eに対応するように、イナーシャプレート30には、当接爪26eが当接可能な段差部33が設けられている。段差部33は、非ロック状態でイナーシャプレート30が初期位置にある時、当接爪26eが当接することで、ロックアーム26のロック方向への回動を規制するものである。図18及び図19に示すように、イナーシャプレート30が所定量以上回転遅れを生じ、ロックアーム26の背部26dが第2のカム面32bに当接する時には、第2のカム面32bによる押圧作用によってロックアーム26がロック方向へ揺動可能になる。
更に、ラチェットホイール18の内側面に突設された支軸19には、軸孔20aを軸支された揺動レバー部材20が揺動可能に配設されている。揺動レバー部材20は、リール3のセンサー側端面に突設された係止突起8により反時計回り方向の回転が適宜規制されると共に、ポール16のセンサー側面に突設された押圧突起16dが支軸19と係止突起8との間に当接することによって時計回り方向の回転が適宜規制されるように、リール3とラチェットホイール18との間に組付けられている。
そして、イナーシャプレート30の外側に配設されたギヤケース34の中心部には、支軸ピン6を介してリール3を回転自在に軸支する軸支部34bが設けられており、軸支部34bの底面には支軸ピン6の鍔部6aが当接し、リール3の軸線方向の位置決め面となっている。更に、ギヤケース34の下部には、車体の加速度を感知する慣性感知手段である車体加速度感知手段51を格納する箱形の格納部50が設けられている。
そして、ギヤケース34を覆う側板1aの外側には、センサーカバー35が配設される。
次に、上記シートベルト用巻取装置の作動について説明する。まず、通常使用状態は、図17に示すように、ラチットホイール18は、ばね掛止部21とプレート17の掛止部17cに掛止された引張りコイルばね36の付勢力によって、リール3に対してシートベルト引出し方向(図中の矢印X2方向)に付勢されており、カム穴18aに係合突起16bが係合するポール16を係合内歯2と非係合な方向に付勢している。そのため、リール3は回転可能であり、シートベルトの引出しは自在である。
しかして、衝突等の緊急時にイナーシャプレート30を含むシートベルト加速度感知手段又は車体加速度感知手段51が作動すると、上記ロック作動手段のシートベルト引出し方向の回転を阻止する係止手段であるロックアーム26又はセンサーアーム53がラチェットホイール18のシートベルト引出し方向の回転を阻止して、巻取装置のロック手段を作動させる。
そして、車体加速度感知手段51又はシートベルト加速度感知手段が作動し、ラチェットホイール18のシートベルト引出し方向の回転が阻止された後、更にシートベルトが巻取装置から引出されると、ラチェットホイール18はリール3に対して回転遅れを生じ、シートベルト巻取方向(矢印X1方向)に相対回転するので、ラチェットホイール18のカム穴18aがポール16の係合突起16bをリール3の回転中心軸から半径方向外方に移動させていく。そこで、ポール16は支軸7を中心に係合内歯2との係合方向(図11中、矢印Y1 方向)へ揺動回転させられる。
更に、シートベルトが巻取装置から引出されると、ポール16の係合歯16cが係合内歯2に噛み合い完了となる。そしてこの状態では、ポール16のポール後端部16eとリール3の受圧面45との間には隙間があり、揺動レバー部材20はリール3の係止突起8とポール16の押圧突起16dとによってほぼ遊び無く回転が規制されている。
ここで、ポール16の軸穴16aは、リール3の支軸7に対して遊嵌状態であり、リール3に対して揺動回動可能及び所定量相対移動可能に軸支されているので、その上さらに、シートベルトが巻取装置から引出されると、ポール後端部16eが受圧面45と当接するまで、ポール16はリール3の回転中心軸を中心にリール3に対して相対回転する。
この時、ポール16の押圧突起16dは側板1aに対して不動の位置関係だが、リール3の係止突起8はシートベルト引出し方向(矢印X2 方向)に回転していく。この動きにより、揺動レバー部材20は、押圧突起16dとの接点を回動支点として係止突起8により揺動端部が押され、図12中時計回り方向へ揺動回転させられる。揺動レバー部材20が押圧突起16dとの接点を回動中心として図12中時計回り方向へ揺動回転すると、ラチェットホイール18の支軸19に軸支されている軸孔20aがリール3の回転中心軸に対しシートベルト巻取方向(矢印X1 方向)に回転することになる。その結果、ラチェットホイール18は、リール3に対してシートベルト巻取方向(矢印X1方向)に逆回転させられる。
従って、車体加速度感知手段51又はシートベルト加速度感知手段が作動して巻取装置のロック手段がリール3のシートベルト引出し方向の回転を阻止するロック状態でも、シートベルト引出し方向の回転が阻止されたラチェットホイール18は、車体加速度感知手段51におけるセンサーアーム53又はシートベルト加速度感知手段におけるロックアーム26をギヤケース34の内歯ギア34aとの係合から解除可能なフリー状態とすることができる。
ポール16のロック状態において、さらにシートベルトに大きな張力が作用すると、ギヤケース34の軸支部34b及び動力伝達ユニット15の軸15cを支持している部分が変形し、リール3は上方に移動しようとする。この移動は、リールに形成された当接面3a及び溝3bがそれぞれ係合内歯2および側板1b上の係合内歯62(図11参照)と当接することで阻止され、シートベルトに作用する張力をこれらの面で受け止める。
車両が停止してシートベルトに作用されたテンションが解除された時には、既にラチェットホイール18とセンサーアーム53又はロックアーム26のギヤケース34の内歯ギア34aとの係合が解除されているので、ラチェットホイール18は引張りコイルばね36の付勢力によりリール3に対して矢印X2 方向に回動されるので、ラチェットホイール18のカム穴18aがポール16の係合突起16bをリール3の回転中心軸側に移動させていく。この時、シートベルトに作用する引出し方向のテンションは上述の通り解除され、リール3はシートベルト巻取方向(矢印X1 方向)に回転できるようになっているので、ポール16の係合歯16cの先端が係合内歯2の先端と干渉しない状態までリール3が矢印X1方向に回転すると、ポール16は、係合内歯2との係合を解除する方向に支軸7を中心に揺動回転させられ、リール3のロックが解除されてシートベルトの引き出しが自在とされる。
次に、シートベルト引き出し状態から電動モータ110による巻取りが行われ、動力伝達機構15の回転力に従って急激にシートベルトが全量巻き取られた場合には、急停止したリール3に対して、シートベルト加速度感知手段の慣性部材であるイナーシャプレート30は、そのまま巻取り方向に回転するので、リール3に対し巻取り方向に進み回転し、リール3の引出し方向で見たときにリール3に対して回転遅れが発生する。しかし、ロックアーム26の係合爪26bをギヤケース34の内歯ギア34aに係合させる方向へ揺動させるイナーシャプレート30の当接部32には、イナーシャプレート30のリール3に対する回転遅れが所定量に達した後に係合爪26bを内歯ギア34a方向へ揺動させる為の2つのカム面32a,32bによって構成されており、リール3に対するイナーシャプレート30の回転遅れが所定量に達するまでは、係合爪26bが内歯ギア34aの係合方向に揺動することがない。
本発明の実施の形態では、上述したように構成され、作動するロック機構に図12の下部に示すように、更に、電磁的アクチュエータ112が設けられる。電磁的アクチュエータ112は、図20及び図21に示すように、ソレノイド(励磁コイル)112a、コイルスプリング(弾性部材)112b、つば付のプランジャ(磁心)112c等によって構成され、車体加速度感知手段51の下部に配置される。
通常状態では、ソレノイド112aは励磁されている。この状態では、図に示すように、プランジャ112cはボールウェイト54と接触せず、ロック機構51に影響を与えない。制御部200がシートベルトをロックするべく、ソレノイド112aの励磁を解除すると(S30等)、スプリング112bの付勢力によってプランジャ112cは持上げられる。プランジャ112cの先端は、センサカバー52底部の開口を通ってボールウェイト54を突上げる。ボールウェイト54が押上げられると、センサーアーム53を図中上方に移動し、その係止突起53aがラチェットホイール18のラチェット歯18bに噛合する。これにより、ラチェットホイール18のシートベルト引出し方向(図12の矢印X2方向)の回動が阻止される。シートベルトが引出されてリール3を引出し方向に回転すると、係止されたラチェットホイール18とリール3との回転差によってポール16がリール3の半径方向外側に移動し、フレーム1aの内歯2に噛合する。これにより、リール3の引出し方向への回転が阻止される。
この例では、ソレノイド112aに励磁電流を供給しているときに、ロック動作を行わず、励磁電流を遮断すると、ロック動作を行うようにしている。すなわち、低レベルの作動信号を供給することによってロック機構を作動させる。従って、シートベルト装置への電源が遮断された場合に、シートベルトのロックが行わるようにすることが出来る。
図22は、電磁的アクチュエータ112の他の構成例を示している。この例では、電磁的アクチュエータは、フレームに取付けられたソレノイド112a、プランジャ112c、一端部でプランジャ112cと係合し、中央部を回転可能に軸支されたくの字型のレバー112d、レバー112dに図中時計方向の付勢力を与えるコイルスプリング112bによって構成される。レバー112dの爪部が移動してラチェットホイール18の歯面18bに接すると、ラチェットホイール18の回転を阻止してポール16とフレームの内歯2によるロック機構を作動させる。
制御部200からソレノイド112aに励磁電流が供給されている通常状態では、ソレノイド112aがコイルスプリング112bに抗してプランジャ112cを引寄せ、プランジャ112cと一端部で回動自在に軸支されているレバー112dの他端の爪部はラチェットホイール18から離間している。従って、ロック機構は作動しない。
次に、CPUが、シートベルトをロックするべく制御部200からの励磁電流の供給が断たれる(S46等)。コイルスプリング112bの付勢力によってプランジャ112cが図の下方に引出され、レバー112dを回動する。これにより、レバー112dの他端の爪部はラチェットホイールの歯18bと噛合(係合)し、ラチェットホイール18のシートベルト引出し方向への回転を阻止する。シートベルトが引出されてリール3を引出し方向に回転すると、係止されたラチェットホイール18とリール3との回転差によってポール16がリール3の半径方向外側に移動し、フレーム1aの内歯2に噛合する。これにより、リール3の引出し方向への回転が阻止され、ロックが完了する。
図23乃至図27は、本発明が適用される他のシートベルト装置の構成例を示している。各図において、図1に対応する部分には、同一符号を付している。
図23は、本発明が適用される他のシートベルト装置の例を示している。この例では、バックル304側にベルトを引込み、あるいは引出す張力可変装置として、モータ311、バックル304に連結したワイヤ313を巻取るリール312を備えた電動ウインチ310を備えている。モータ311が正逆に回転することによってワイヤの引出し及び引き込みが出来る。制御部200は、モータ110を駆動する代りにウインチ310のモータ311を駆動してシートベルト302の弛みを除去する。この場合も、モータ311の電流値を検出することによってベルトの張力を推定することが可能である。なお、この構成では、ベルト巻取装置100は、強制ロック機構及びプリテンショナを持つものが望ましいが、電動式巻取装置でなくとも良い。また、シートベルト302の端部を固定するアンカー306を座席301に固定しても良い。こうすると、車体にシートベルト端部を固定した場合に比べてシートベルト302の引出されている部分の長さが短くなるのでベルトの弛みをより早く除去可能となる。
図24は、本発明が適用される他のシートベルト装置の例を示している。この例では、ベルトの弛みを除去する張力可変装置をシートベルト302の端部を固定するアンカー306側(ラップベルト固定部)に設けている。張力可変装置としは、同様に、モータ311、バックルに連結したワイヤ313を巻取るリール312を備えた電動ウインチ310を使用することが出来る。他の張力可変装置の例として、例えば、モータで回転駆動されるねじ棒と、このねじ棒上を往復移動するナットによりワイヤを引込む構成等を使用することが可能である。
図25に示す例では、ベルト巻取装置100は、車体のセンターピラー下部ではなく、座席301に取付けられている。このような構成においても、本発明を適用出来る。
図26に示す例では、電動式ベルト巻取り装置とバックル側に設けられたプリテンショナ104aとにより構成している。
図27に示す例では、電動式ベルト巻取装置と、シートベルト302の端部を固定するアンカー306側に設けたプリテンショナ104bとにより構成している。
なお、図23及び図24に示した電動ウインチ310にプリテンショナを組込むことが出来る。
実施例のシートベルト装置では、第1の張力可変手段として電動モータを使用し、第2の張力可変手段として火薬式のプリテンショナを使用しているが、共にモータであっても良い。また、スプリングを動力源としても良い。第1及び第2の張力可変手段を共にベルト巻取装置に設けることが出来るほか、いずれか一方又は両方の張力可変装置をベルト巻取装置以外に取付けることが出来る。この場合、取付場所は、例えば、バックル側やラップベルト固定部にすることが出来る。
以上説明したように、本発明のシートベルト装置においては、第1の張力可変手段によって衝突前にシートベルトの弛みを除き、衝突の際に第2の張力可変手段によってより高い張力で乗員を座席に拘束すると同時にエアバッグを展開させるので、エネルギ吸収機構によって乗員が衝突方向に移動し、乗員の頭部等が展開途中のエアバッグに当たる状態を回避することが可能となる。
100 シートベルト巻取装置
104,104a,104b 火薬式プリテンショナ
200 制御部
302 シートベルト
304 バックル
305 タングプレート
310 電動ウインチ
500 エアバッグ装置

Claims (1)

  1. 乗員を座席に拘束するシートベルトと、
    前記シートベルトの張力を可変する第1及び第2の張力可変手段と、
    車両の衝突を予知し、衝突の可能性に応じた衝突予知信号を出力する衝突予知手段と、
    車両の衝突を検出し、衝突検出信号を出力する衝突検出手段と、
    前記衝突検出信号によってエアバッグを展開し、乗員の二次衝突を防止するエアバッグ装置と、
    前記衝突予知信号と前記衝突検出信号によって、前記第1及び第2の張力可変手段を制御する制御手段と、前記シートベルトの張力が所定値を超えないように張力を制限する張力制限手段と、
    を備える、シートベルト装置。
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