JP4146970B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シートベルト装置に関し、特に、電動モータによってウェビング(シートベルト)を巻取る巻取装置(リトラクタ)を備えたシートベルト装置の改良に関する。
【0002】
【従来技術】
シートベルト装置に電動モータを組合わせて、ウェビングの引出しや巻取りを電動で行うようにすることが提案されている。例えば、特願平10−267816号のシートベルト装置では、ウェビングを引出し易いようにモータを制御するウェビング装着補助制御、ウェビングのタングプレートをバックルに装着した後にウェビングを巻取り、乗員の体にウェビングがフィットし、ウェビングの巻取りが限界に到達した後に、乗員に所定の弛みを与えるモータを制御するウェビング圧迫除去制御、ウェビングの装着後に乗員が移動しようとしてウェビングを引出そうとしたときに、ウェビングを引出し易くするようにモータを制御する移動制御、ウェビングを装着しない場合又はウェビングのタングプレートをバックルから解除した場合に、ウェビングを格納するようにモータを制御する格納制御等を行って乗員のウェビング使用の便宜を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、何らかの異常事態(例えば、モータ内部の断線等)が生じて、シートベルト装置のモータに駆動電流が供給されない状態が生じた場合、モータに駆動力やブレーキ力が発生しないため、モータが空転可能な状態となることが考えられる。この場合、ウェビング装着後、ウェビングを引出すことができるが、自動的に巻取りが行われず、ウェビングの弛みが除去されない。ウェビングが弛んだ状態で車両を運転した場合、乗員の十分な拘束性に欠けるので好ましくない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のシートベルト装置は、乗員を座席に拘束するウェビングが巻回されたリールと、動力伝達機構を介して上記リールを回転駆動するモータと、上記リールの回転を検出する回転検出手段と、上記リールの回転を緊急時にロックするロック機構と、上記モータを回転させて少なくとも上記ウェビングの巻取りを行う制御部と、を備え、上記制御部は、上記モータに駆動信号を供給した後に上記リールの回転を検出しないとき、上記ロック機構にロック機構の作動を指令する作動信号を供給する。
【0005】
かかる構成とすることによって、モータによるウェビングの巻取りができないときに、ウェビングの引出しを防止してウェビングの弛んだ状態でのウェビング装着(シートベルト装着)を可及的に減少することが可能となる。
【0006】
好ましくは、上記ロック機構は、上記リールの回転を機械的にロックする機械的ロック機構と、上記ウェビングの急な引出しに対応して上記機械的ロック機構を作動させるウェビング加速度感知手段及び大きい減速度が加わったときに上記機械的ロック機構を作動させる車体加速度感知手段の少なくともいずれかとを含み、上記ウェビング加速度感知手段及び車体加速度感知手段の各々は、上記作動信号の供給に対応して上記機械的ロック機構を強制的に作動させる電磁的アクチュエータを有する。
【0007】
好ましくは、上記制御部は、上記リールが乗員によるウェビングの引出しによって回転しているとき、上記電磁的アクチュエータを作動させない。それにより、ウェビング装着に必要なウェビングの引出しを妨げない。
【0008】
好ましくは、上記電磁的アクチュエータは、アクチュエータに上記ウェビング加速度感知手段又は車体加速度感知手段を作動させる機械的付勢力を与える機械的付勢手段と、この機械的付勢力を抑止する電磁力を発生する電磁力発生手段とを含み、定常状態において該電磁力を維持している。それにより、何らかの原因でモータやシートベルト装置への電源が遮断されると、上記電磁力が消滅して機械的付勢手段によってリール(従ってウェビング)の機械的ロック機構が作動するようになされる。電気系に異常が生じてもウェビングのロックが確保可能である。
【0009】
好ましくは、上記回転検知手段は、上記リールと連動するポテンショメータである。ポテンショメータを使用することにより、基準位置からの回転量が把握でき、ウェビングの引出し量、巻取り量、リール(リールシャフト)の回転量などを推定することが可能となる。
【0010】
【実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、シートベルト装置を示している。シートベルト装置は、乗員を座席301に拘束するウェビング302を巻取る電動巻取装置100、ウェビング302を乗員の肩近傍で折返すスルーアンカ303、ウェビングを挿通して腰部に配置されるバックル304と係合するタングプレート305、ウェビング302の端部を車体に固定するアンカー306、バックルに内蔵されたスイッチ307、制御部200(図示せず)等によって構成される。
【0011】
図2は、電動巻取り装置100の構成を概略的に説明する説明図である。同図において、電動巻取り装置100は、フレーム101を備えている。このフレーム101には、図示しないウェビングを巻回するリール103、リール103と結合し、リール回転の中心軸となるリールシャフト103aが回転自在に設けられる。リールシャフト103aの右端部には、車両に所定の減速度が作用したとき又はウェビングが所定の加速度で引出されたときにシートベルトの引出しをロックする公知のシートベルトロック機構102が固定されている。このロック機構102には、ロック機構102を強制的に作動させる後述の電磁的アクチュエータ112が更に設けられている。電磁的アクチュエータ112は後述の制御部200の出力によって作動が制御される。
【0012】
リールシャフト103aの左端部には、プリテンショナ104、プーリ105、ポテンショメータ111が設けられる。プリテンショナ104は、図示しない衝突検出器の出力によって作動し、リールシャフト103aをウェビングの巻取り方向に回転し、ウェビングを強制的に巻取って乗員を座席に拘束する。プリテンショナ104は、例えば、火薬式プリテンショナであり、ガス発生器、ガス発生器から発生したガスを封止するシリンダ、シリンダ内をガス圧によって移動するピストン、ピストンの移動を、クラッチ機構を介してリール軸103aの回転運動に変換する伝達機構などによって構成される。リール軸103aに固定されたプーリ105は、動力伝達用ベルト107を介して直流モータ110の軸に固定されたプーリ106と連結している。プーリ105、106の外周にはそれぞれ所定数の外歯が形成され、また、ベルト107の内周にも所定数の内歯が形成されている。リールシャフト用のプーリ105、モータ用のプーリ106、ベルト107の各歯山は過不足なく噛合っており、モータ110の回転は、リールシャフト103aに伝達される。モータ110は、フレーム101に少なくとも2点以上で固定されており、制御部200の出力によって動作する。
【0013】
リールシャフト103aの最左端に設けられたポテンショメータ111は、図4に示すように、両端に電圧が印加される抵抗体と、リールシャフト103aの回転に連動する摺動子とによって構成される。そして、リールシャフト103a基準位置からの回転量に対応した電圧値を制御部200に出力する。
【0014】
図3は、制御部200の概略構成を説明する機能ブロック図である。同図に示されるように、制御部200は、マイクロコンピュータシステムによって構成される。CPU201は、ROM202に保持される制御プログラムやデータをRAM203のワークエリアにロードしてモータ110及び電磁的アクチュエータ112としてのソレノイドの動作を制御する。上述したポテンショメータ111の出力電圧は、入力インタフェース204によって所定周期でA/D変換される。入力インタフェース204はCPUを内蔵しており、変換された出力電圧データを監視している。例えば、出力電圧データの前回値と今回値とが相違することによって、軸103aの回転状態を判別し、「シャフト回転中」のフラグをRAM203のフラグエリアに設定する。出力電圧データの前回値と今回値との差の正あるいは負によって、ウェビングの「引出し」フラグ、あるいは「巻取り」フラグをRAM203のフラグエリアに設定する。また、DMA動作によって出力電圧データをRAM203の回転量エリアに書込む。入力インタフェース204は、シートベルトのバックルに内蔵されて、ベルトの装着の有無に対応した出力を発生するバックルスイッチ307の開閉出力を受けてRAM203のフラグ領域にベルト装着の有無のフラグ設定をも行う。
【0015】
CPU201は、制御プログラムに設定された所定の条件が満たされると、モータ110の正転指令、逆転指令、駆動停止指令を出力インタフェース205に与える。出力インタフェース205は、これ等命令に対応したゲート信号G1、G2を発生し、モータ駆動回路206に供給する。正転指令に対しては、G1、G2をそれぞれ「H」、「L」に、逆転指令に対しては、G1、G2をそれぞれ「L」、「H」に、駆動停止指令に対しては、G1、G2をそれぞれ「L」、「L」に設定する。
【0016】
図5は、モータの駆動回路の構成例を示す回路図である。PNPトランジスタQ1、Q2、NPNトランジスタQ3、Q4の、4つのトランジスタによってトランジスタブリッジ回路が構成される。トランジスタQ1、Q2のエミッタ同士は接続され、該接続点に電源Vcが供給される。トランジスタQ3、Q4のエミッタ同士も接続され、該接続点に接地電位が供給される。トランジスタQ1のコレクタとトランジスタQ3のコレクタとはダイオードD1を介して接続される。トランジスタQ2のコレクタとトランジスタQ4のコレクタとはダイオードD2を介して接続される。トランジスタQ1のベースとトランジスタQ4のコレクタとはバイアス抵抗R1を介して接続される。トランジスタQ2のベースとトランジスタQ3のコレクタとはバイアス抵抗R2を介して接続される。トランジスタQ1及びQ2の各コレクタ相互間に直流電動モータMが接続される。
【0017】
かかる構成において、トランジスタQ3、Q4の各ゲートに正転指令信号(G1=「H」、G2=「L」)が出力インタフェース205から供給されると、トランジスタQ3は導通、トランジスタQ4は非導通となる。トランジスタQ3のコレクタは導通によって接地レベルとなり、抵抗R2を介してトランジスタQ2のベースを低レベル(略接地レベル)にバイアスし、トランジスタQ2を導通させる。トランジスタQ4のコレクタは略電源Vcレベルとなり、抵抗R1を介してトランジスタQ2のベースを高レベルにバイアスし、トランジスタQ1を非導通にさせる。この結果、電源Vc、トランジスタQ2、モータM、ダイオードD1、トランジスタQ3、接地の経路で順方向の電流路が形成され、モータMはウェビングを巻取る方向に回転する。
【0018】
トランジスタQ3、Q4の各ゲートに逆転指令信号(G1=「L」、G2=「H」)が出力インタフェース205から供給されると、トランジスタQ3は非導通、トランジスタQ4は導通となる。トランジスタQ4のコレクタは接地レベルとなり、抵抗R1を介してトランジスタQ1のベースを低レベルにバイアスし、トランジスタQ1を導通させる。トランジスタQ3のコレクタは略電源Vcレベルとなり、抵抗R2を介してトランジスタQ2のベースを高レベルにバイアスし、トランジスタQ2を非導通にさせる。この結果、電源Vc、トランジスタQ1、モータM、ダイオードD2、トランジスタQ3、接地の経路で逆方向の電流路が形成され、モータMはウェビングを引出す方向に回転する。
【0019】
トランジスタQ3、Q4の各ゲートに駆動停止指令信号(G1=「L」、G2=「L」)が出力インタフェース205から供給されると、NPNタイプのトランジスタQ3、Q4は共に非導通となる。トランジスタQ3が導通状態から非導通となった場合、トランジスタQ3のコレクタは、接地レベルから略電源レベルに上昇し、トランジスタQ2のベースを高電位にバイアスしてトランジスタQ2をも遮断する。同様に、トランジスタQ4が導通状態から非導通となった場合、トランジスタQ4のコレクタは、接地レベルから略電源レベルに上昇し、トランジスタQ1のベースを高電位にバイアスしてトランジスタQ1をも遮断する。このようにして、駆動停止指令が発令されると、ブリッジを構成する各トランジスタが非導通となる。
【0020】
図3に戻り、CPU201は、ウェビングの弛み防止の所定の条件が満たされると、ソレノイドの作動指令を出力インタフェース205に与える。出力インタフェース205のレジスタフラグに設定された作動指令は、パワー増幅器207によって論理レベルの信号からソレノイドを駆動できるレベルにパワー増幅され、ソレノイド112に与えられる。ソレノイドが動作することによって、アクチュエータが移動し、巻取装置100の後述のロック機構を動作させる。
【0021】
図6は、制御部200のCPU201の動作を説明するフローチャートである。
【0022】
CPU201は、シートベルトの着用フラグがオン状態(バックルスイッチ307が閉成している状態)等の条件を満たすことによって、ウェビングの引出しロックが許容される条件にあることを所定時間間隔で判別して、本サブルーチンを実行する(S20)。
【0023】
まず、CPU201は、モータ110を駆動していない状態で、RAM203のフラグレジスタ(フラグ領域)の「ウェビング引出し」フラグのオン・オフを判別する(S22)。「ウェビング引出し」フラグが「オン」である場合には(S22;Yes)、乗員による引出しが行われているのでロック機構を作動することなく終了し、メインプログラムに戻る(S36)。ベルトの引出しが行われていない場合(S22;No)、CPU201は、モータの反転指令を出力インタフェース205に与える(S24)。出力インタフェース205がモータ駆動回路206にゲート信号を与えて、モータ110が引出し方向に回転した場合には、ポテンショメータ111も引出し方向に回転する。ポテンショメータ111の出力電圧の変化を監視する入力インタフェース204によってフラグレジスタに、引出しフラグが設定される。CPU201はこれを確認(判別)する(S26)。引出しフラグが設定されない場合(S26;No)、すなわち、ポテンショメータが引出し側に回転しない場合、モータ110、巻取り装置などの異常が考えられる。CPU201は、出力インタフェース205を介してソレノイド112を動作させ、ウェビングのロック機構を作動させて引出しを阻止し、ウェビングの弛みが増えることを防止する。異常検知フラグをフラグレジスタに設定する(S28)。モータの回転指令を停止し(S34)、メインプログラムに戻る(S36)。
【0024】
引出しフラグがオンに設定されたときは(S26;Yes)、モータの回転指令に対応してポテンショメータが回転しているのでウェビングの引出し方向の動作は正常であると判断する。次に、CPU201は、出力インタフェース205にモータの正転を指令する。出力インタフェース205は、モータ駆動回路206にゲート信号を与える(S30)。
【0025】
モータ110が巻取り方向に回転した場合には、ポテンショメータ111も巻取り方向に回転する。ポテンショメータ111の出力電圧の変化を監視する入力インタフェース204によってフラグレジスタに巻取りフラグが設定される。これにより、モータ110の正転指令に対応してウェビングが巻取られたことが判る(S32;Yes)。動作は正常であるので、CPU201は、モータ110の停止を出力インタフェース205に指令し、モータ110が停止される(S34)。その後、主プログラムに戻る(S36)。
【0026】
モータ110が巻取り方向に回転しない場合や何らかの異常がある場合には、ポテンショメータ111は巻取り方向に回転しない。入力インタフェース204はポテンショメータ111の出力電圧が所定の変化を示さないのでフラグレジスタに巻取りフラグを設定しない。これをCPU201が判別すると、エラーと判断する(S32;No)。モータが作動しない場合、リール軸103aが空転可能となる場合があり、これを防止するべく、ウェビングの引出しロック機構を作動させる。CPU201は、出力インタフェース205を介してソレノイド112を動作させ、ウェビングのロック機構を作動させてウェビング引出しを阻止し、ウェビングの弛みが増えることを防止する。異常検知フラグをフラグレジスタに設定する(S28)。モータの回転指令を停止し(S34)、メインプログラムに戻る(S36)。
【0027】
このようにして、モータ付巻取り装置に異常が生じた場合に、リールの空転を防止してウェビングの弛みを防止することが可能となる。
【0028】
図7乃至図18は、巻取り部100の、主に、シートベルトロック機構(リールの機械的ロック機構、ウェビング加速度感知手段、車両減速度感知手段)と電磁的アクチュエータ112を説明する分解斜視図及び要部縦断面図である。なお、図7には、プリテンショナは取付けられていない。車両特性上必要ならば、図2に示したように、図7のリトラクタベース1と動力伝達ユニット15との間にプリテンショナを設置する。
【0029】
図7乃至図12において、リトラクタベース1はその大部分がコの字状断面を有しており、対向する側板1a,1bには対向してそれぞれ巻取軸貫通穴が穿設され、ウェビング302(図示せず)を巻装する巻取軸であるリール3がこれら巻取軸貫通穴を挿通した状態で回動自在に軸架されている。
【0030】
側板1aに設けられた巻取軸貫通穴の内周縁には係合内歯2が形成されており、該巻取軸貫通穴の外側にはリング部材4が並設されている。リング部材4には内周縁に沿って絞り加工が施されており、リング部材4が側板1aの外側面にリベット40によって固着された際に、係合内歯2とリング部材4の内周縁との間に軸方向の隙間が生じるように構成されている。
【0031】
そして、ベース1の側板1a側には、緊急時にウェビングの引き出しを阻止するための緊急ロック機構が配置されている。又、ベース1の側板1b側には、図示しない、タイミングベルト107を介して電動モータ110によって駆動される軸15c(リール軸103a相当する)に連結したプーリ105、ポテンショメータ111などを含む動力伝達ユニット15が配置されている。リール3は、アルミニウム合金等で一体成形された略円筒形の巻取軸であり、ウェビングが巻回される胴部28には、ウェビング端部を挿通させて保持するため直径方向に貫通するスリット開口28aが設けられている。又、リール3の外周部には別体で形成されたフランジ部材13が装着され、ウェビングの巻乱れを防止する。又、リトラクタベース1に組み付けたリール3の外周に巻装されたウェビングは、リトラクタベース1の背板側の上部に取り付けられたウェビングガイド41を挿通させることによって、出入り位置が規制される。
【0032】
リール3の両端面にはリール3を回転自在に支持する為の回転支軸が突設されるが、リール3のセンサー側端面には別体に構成された支軸ピン6が回転支軸として圧入されている。又、リール3のセンサー側端面には、側板1aに構成された係合内歯2に係合可能なロック部材であるポール16を揺動回動可能に軸支する支軸7が突設されている。また、ポール16が係合内歯2と係合する方向へ揺動回転した時に、ポール16の揺動側端部と反対側のポール後端部16eを位置決めし、係合内歯2との間でポール16に大きな荷重が加わった場合にはその荷重を受ける受圧面45が、リール3のセンサー側端面に設けられている。
【0033】
更に、リール3のセンサー側端面には、後述するロック作動手段のラッチ部材であるラチェットホイール18に揺動可能に軸支された揺動レバー部材20の反時計回り方向の回転を規制する為の係止突起8が設けられている。凹部9は、ラチェットホイール18をウェビング引出し方向(図8中、矢印X2 方向)に回転付勢する引張りコイルバネ36と、後述するセンサースプリング25を押圧するロックアーム26のアーム部26cとがリール3に干渉するのを防ぐ逃げである。
【0034】
ポール16の揺動端部には、側板1aに構成された係合内歯2に対応して係合可能な係合歯16cが一体形成されている。又、ポール16の中央部には、支軸7に遊嵌する軸穴16aが貫設されており、ポール16のセンサー側面には、揺動端側に位置する係合突起16bとポール後端部16e側に位置する押圧突起16dとが突設されている。
【0035】
即ち、軸穴16aは支軸7に対して遊嵌状態なので、ポール16が支軸7に対して揺動回動可能及び所定量相対移動可能に軸支されている。又、リール3に圧入された支軸ピン6により貫通孔17aを嵌通された保持プレート17の係止孔17bには、ポール16の軸穴16aを貫通した支軸7の先端が加締められており、保持プレート17はリール3の端面からポール16が浮き上がるのを防止している。
【0036】
そして、ポール16の係合突起16bの端部は、保持プレート17の外側に配設されて支軸ピン6に回動自在に軸支されたラチェットホイール18に形成されているカム穴18aに挿入されている。そこで、ラチェットホイール18がリール3に対してウェビング巻取方向(図8中矢印X1 方向)に相対回転すると、カム穴18aが係合突起16bの端部をリール3の回転中心軸から半径方向外方に移動させるように作用するので、ポール16は側板1aに構成された係合内歯2との係合方向(図7中矢印Y1 方向)へ支軸7を中心に揺動回転させられる。
【0037】
即ち、ポール16が、係合内歯2と係合する方向に揺動回転させられ、ポール16の係合歯16cが係合内歯2に係合することによってリール3のウェビング引出し方向の回転を阻止するロック手段を構成している。ラチェットホイール18は、中心穴が支軸ピン6に回動自在に軸支された爪車であり、その外周部には車体加速度感知手段51のセンサーアーム53と係合するためのラチェット歯18bが形成されている。更に、支軸ピン6のフランジ部6aは、ウェビングの引出し加速度を感知する慣性感知手段であるウェビング加速度感知手段を構成する為の円盤状の慣性部材であるイナーシャプレート30の中心穴30aを軸支している。ラチェットホイール18の中心穴周縁で巻取装置外側に向かって突設された係止爪部23は、係合穴30bに係合してイナーシャプレート30のスラスト方向の位置決めを行っている。ラチェットホイール18に形成された長穴24にはイナーシャプレート30の係合突出部31が係合しており、長穴24の一端縁24aが緊急ロック機構非作動時のイナーシャプレート30の回転方向の位置決めを行っている(図10参照)。
【0038】
ラチェットホイール18の外側面には、図10に示すように、ロックアーム26を回動自在に軸支する軸部22と、ばねフック部55とが突設されている。そして、図12に示すように、イナーシャプレート30には、ばねフック部55を挿通させる開口56が形成されている。この開口56は、ばねフック部55を挿通した状態でイナーシャプレート30がラチェットホイール18に対して相対回転可能な長穴状に形成されており、その一端には、ばねフック部55に対応するばねフック部57が装備されている。
【0039】
そして、これらの一対のばねフック部55,57間には、圧縮コイルばね58が嵌挿される。この圧縮コイルばね58は、図13に示すように、イナーシャプレート30上の係合突出部31が、ラチェットホイール18に形成された長穴24の他端縁24bに当接した状態(即ち、非ロック状態)に保たれるように、付勢している。
【0040】
ラチェットホイール18の内側面には、一端が保持プレート17の掛止部17cに掛止された引張りコイルバネ36の他端を掛止するばね掛止部21が設けられており、引張りコイルバネ36はリール3に対してラチェットホイール18をウェビング引出し方向(矢印X2 方向)に回転付勢している。図11に示したように、ロックアーム26には、ギアケース34の内歯ギア34aと噛み合い可能な係合爪26bと、ラチェットホイール18の外側面に設けられた一対のフック部18dに両端を支持された線状のセンサースプリング25の長手方向中央部を押圧するアーム部26cとが設けられている。
【0041】
そこで、ロックアーム26は、係合爪26bが被係合部である内歯ギア34aと噛み合ってラチェットホイール18のウェビング引出し方向の回転を阻止する係止部材を構成している。そして、係合爪26bは、センサースプリング25の付勢力により、イナーシャプレート30の当接部32に押圧付勢されている。尚、アーム部26cの揺動範囲に対応するラチェットホイール18には開口が形成され、アーム部26cが開口を貫通するが、これはセンサースプリング25に対するアーム部26cの係合状態を保証するためのものである。
【0042】
当接部32は、ロックアーム26の係合爪26bの背部26dが摺接するカム面として、イナーシャプレート30の回転がロックアーム26に影響を与えない第1のカム面32aと、リール3に対するイナーシャプレート30の回転遅れに応じて係合爪26bが内歯ギア34aに噛合するようにロックアーム26を揺動させる第2のカム面32bとを具備した構成とされている。
【0043】
緊急ロック機構の非ロック状態では、第1のカム面32aがロックアーム26の背部26dに当接しており、イナーシャプレート30のリール3に対する回転遅れが一定量を超えるまでは、背部26dが第2のカム面32bに当接しないようになっている。第1のカム面32aの長さ(即ち、第1のカム面32aに背部26dが摺接した状態でイナーシャプレート30が回転する量)は、ウェビングの全量格納時にイナーシャプレート30に作用する慣性力で、イナーシャプレート30がリール3に対して回転遅れを生じても、その程度の回転遅れでは、ロックアーム26の背部26dが第2のカム面32bには到達しない程度に、第1のカム面32aの長さが設定されている。
【0044】
また、本実施形態におけるロックアーム26は、係合爪26bとは反対側の揺動端に当接爪26eが形成されている。そして、この当接爪26eに対応するように、イナーシャプレート30には、当接爪26eが当接可能な段差部33が設けられている。段差部33は、非ロック状態でイナーシャプレート30が初期位置にある時、当接爪26eが当接することで、ロックアーム26のロック方向への回動を規制するものである。図14及び図15に示すように、イナーシャプレート30が所定量以上回転遅れを生じ、ロックアーム26の背部26dが第2のカム面32bに当接する時には、第2のカム面32bによる押圧作用によってロックアーム26がロック方向へ揺動可能になる。
【0045】
更に、ラチェットホイール18の内側面に突設された支軸19には、軸孔20aを軸支された揺動レバー部材20が揺動可能に配設されている。揺動レバー部材20は、リール3のセンサー側端面に突設された係止突起8により反時計回り方向の回転が適宜規制されると共に、ポール16のセンサー側面に突設された押圧突起16dが支軸19と係止突起8との間に当接することによって時計回り方向の回転が適宜規制されるように、リール3とラチェットホイール18との間に組付けられている。
【0046】
そして、イナーシャプレート30の外側に配設されたギヤケース34の中心部には、支軸ピン6を介してリール3を回転自在に軸支する軸支部34bが設けられており、軸支部34bの底面には支軸ピン6の鍔部6aが当接し、リール3の軸線方向の位置決め面となっている。更に、ギヤケース34の下部には、車体の加速度を感知する慣性感知手段である車体加速度感知手段51を格納する箱形の格納部50が設けられている。
【0047】
そして、ギヤケース34を覆う側板1aの外側には、センサーカバー35が配設される。次に、上記シートベルト用巻取装置の作動について説明する。まず、通常使用状態は、図13に示すように、ラチェットホイール18は、ばね掛止部21とプレート17の掛止部17cに掛止された引張りコイルばね36の付勢力によって、リール3に対してウェビング引出し方向(図中の矢印X2方向)に付勢されており、カム穴18aに係合突起16bが係合するポール16を係合内歯2と非係合な方向に付勢している。そのため、リール3は回転可能であり、ウェビングの引出しは自在である。
【0048】
しかして、衝突等の緊急時にイナーシャプレート30を含むウェビング加速度感知手段又は車体加速度感知手段51が作動すると、上記ロック作動手段のウェビング引出し方向の回転を阻止する係止手段であるロックアーム26又はセンサーアーム53がラチェットホイール18のウェビング引出し方向の回転を阻止して、巻取装置のロック手段を作動させる。
【0049】
そして、車体加速度感知手段51又はウェビング加速度感知手段が作動し、ラチェットホイール18のウェビング引出し方向の回転が阻止された後、更にウェビングが巻取装置から引出されると、ラチェットホイール18はリール3に対して回転遅れを生じ、ウェビング巻取方向(矢印X1方向)に相対回転するので、ラチェットホイール18のカム穴18aがポール16の係合突起16bをリール3の回転中心軸から半径方向外方に移動させていく。そこで、ポール16は支軸7を中心に係合内歯2との係合方向(図7中、矢印Y1 方向)へ揺動回転させられる。
【0050】
更に、ウェビングが巻取装置から引出されると、ポール16の係合歯16cが係合内歯2に噛み合い完了となる。そしてこの状態では、ポール16のポール後端部16eとリール3の受圧面45との間には隙間があり、揺動レバー部材20はリール3の係止突起8とポール16の押圧突起16dとによってほぼ遊び無く回転が規制されている。
【0051】
ここで、ポール16の軸穴16aは、リール3の支軸7に対して遊嵌状態であり、リール3に対して揺動回動可能及び所定量相対移動可能に軸支されているので、その上さらに、ウェビングが巻取装置から引出されると、ポール後端部16eが受圧面45と当接するまで、ポール16はリール3の回転中心軸を中心にリール3に対して相対回転する。
【0052】
この時、ポール16の押圧突起16dは側板1aに対して不動の位置関係だが、リール3の係止突起8はウェビング引出し方向(矢印X2 方向)に回転していく。この動きにより、揺動レバー部材20は、押圧突起16dとの接点を回動支点として係止突起8により揺動端部が押され、図8中時計回り方向へ揺動回転させられる。揺動レバー部材20が押圧突起16dとの接点を回動中心として図8中時計回り方向へ揺動回転すると、ラチェットホイール18の支軸19に軸支されている軸孔20aがリール3の回転中心軸に対しウェビング巻取方向(矢印X1 方向)に回転することになる。その結果、ラチェットホイール18は、リール3に対してウェビング巻取方向(矢印X1方向)に逆回転させられる。
【0053】
従って、車体加速度感知手段51又はウェビング加速度感知手段が作動して巻取装置のロック手段がリール3のウェビング引出し方向の回転を阻止するロック状態でも、ウェビング引出し方向の回転が阻止されたラチェットホイール18は、車体加速度感知手段51におけるセンサーアーム53又はウェビング加速度感知手段におけるロックアーム26をギヤケース34の内歯ギア34aとの係合から解除可能なフリー状態とすることができる。
【0054】
ポール16のロック状態において、さらにウェビングに大きな張力が作用すると、ギヤケース34の軸支部34b及び動力伝達ユニット15の軸15cを支持している部分が変形し、リール3は上方に移動しようとする。この移動は、リールに形成された当接面3a及び溝3bがそれぞれ係合内歯2および側板1b上の係合内歯62(図7参照)と当接することで阻止され、ウェビングに作用する張力をこれらの面で受け止める。
【0055】
車両が停止してウェビングに作用されたテンションが解除された時には、既にラチェットホイール18とセンサーアーム53又はロックアーム26のギヤケース34の内歯ギア34aとの係合が解除されているので、ラチェットホイール18は引張りコイルばね36の付勢力によりリール3に対して矢印X2 方向に回動されるので、ラチェットホイール18のカム穴18aがポール16の係合突起16bをリール3の回転中心軸側に移動させていく。この時、ウェビングに作用する引出し方向のテンションは上述の通り解除され、リール3はウェビング巻取方向(矢印X1 方向)に回転できるようになっているので、ポール16の係合歯16cの先端が係合内歯2の先端と干渉しない状態までリール3が矢印X1 方向に回転すると、ポール16は、係合内歯2との係合を解除する方向に支軸7を中心に揺動回転させられ、リール3のロックが解除されてウェビングの引き出しが自在とされる。
【0056】
次に、ウェビング引き出し状態から電動モータ110による巻取りが行われ、動力伝達機構15の回転力に従って急激にウェビングが全量巻き取られた場合には、急停止したリール3に対して、ウェビング加速度感知手段の慣性部材であるイナーシャプレート30は、そのまま巻取り方向に回転するので、リール3に対し巻取り方向に進み回転し、リール3の引出し方向で見たときにリール3に対して回転遅れが発生する。しかし、ロックアーム26の係合爪26bをギヤケース34の内歯ギア34aに係合させる方向へ揺動させるイナーシャプレート30の当接部32には、イナーシャプレート30のリール3に対する回転遅れが所定量に達した後に係合爪26bを内歯ギア34a方向へ揺動させる為の2つのカム面32a,32bによって構成されており、リール3に対するイナーシャプレート30の回転遅れが所定量に達するまでは、係合爪26bが内歯ギア34aの係合方向に揺動することがない。
【0057】
本発明の実施の形態では、上述したように構成され、作動するロック機構に図8の下部に示すように、更に、電磁的アクチュエータ112が設けられる。電磁的アクチュエータ112は、図16及び図17に示すように、ソレノイド(励磁コイル)112a、コイルスプリング(弾性部材)112b、つば付のプランジャ(磁心)112c等によって構成され、車体加速度感知手段51の下部に配置される。
【0058】
通常状態では、ソレノイド112aは励磁されている。この状態では、図16に示すように、プランジャ112cはボールウェイト54と接触せず、ロック機構51に影響を与えない。制御部200がウェビングをロックするべく、ソレノイド112aの励磁を解除すると(S28)、スプリング112bの付勢力によってプランジャ112cは持上げられる。プランジャ112cの先端は、センサカバー52底部の開口を通ってボールウェイト54を突上げる。ボールウェイト54が押上げられると、センサーアーム53を図中上方に移動し、その係止突起53aがラチェットホイール18のラチェット歯18bに噛合する。これにより、ラチェットホイール18のウェビング引出し方向(図8の矢印X2方向)の回動が阻止される。ウェビングが引出されてリール3を引出し方向に回転すると、係止されたラチェットホイール18とリール3との回転差によってポール16がリール3の半径方向外側に移動し、フレーム1aの内歯2に噛合する。これにより、リール3の引出し方向への回転が阻止される。
【0059】
この例では、ソレノイド112aに励磁電流を供給しているときに、ロック動作を行わず、励磁電流を遮断すると、ロック動作を行うようにしている。すなわち、低レベルの作動信号を供給することによってロック機構を作動させる。従って、シートベルト装置への電源が遮断された場合に、ウェビングのロックが行わるようにすることが出来る。
【0060】
図18は、電磁的アクチュエータ112の他の構成例を示している。この例では、電磁的アクチュエータは、フレームに取付けられたソレノイド112a、プランジャ112c、一端部でプランジャ112cと係合し、中央部を回転可能に軸支されたくの字型のレバー112d、レバー112dに図中時計方向の付勢力を与えるコイルスプリング112bによって構成される。レバー112dの爪部が移動してラチェットホイール18の歯面18bに接すると、ラチェットホイール18の回転を阻止してポール16とフレームの内歯2によるロック機構を作動させる。
【0061】
制御部200からソレノイド112aに励磁電流が供給されている通常状態では、ソレノイド112aがコイルスプリング112bに抗してプランジャ112cを引寄せ、プランジャ112cと一端部で回動自在に軸支されているレバー112dの他端の爪部はラチェットホイール18から離間している。従って、ロック機構は作動しない。
【0062】
次に、CPUが異常を検知すると(S26、S32)、ウェビングをロックするべく制御部200からの励磁電流の供給が断たれる(S28)。コイルスプリング112bの付勢力によってプランジャ112cが図の下方に引出され、レバー112dを回動する。これにより、レバー112dの他端の爪部はラチェットホイールの歯18bと噛合(係合)し、ラチェットホイール18のウェビング引出し方向への回転を阻止する。ウェビングが引出されてリール3を引出し方向に回転すると、係止されたラチェットホイール18とリール3との回転差によってポール16がリール3の半径方向外側に移動し、フレーム1aの内歯2に噛合する。これにより、リール3の引出し方向への回転が阻止され、ロックが完了する。
【0063】
このように、本発明の実施の形態によれは、モータ、巻取り・引出しの異常を検出すると、ロック機構が作動してウェビングの引出しが阻止されるのでウェビングによる乗員拘束を可及的に確保可能となる。また、モータの電源等が遮断された場合であっても、機械的ロック機構によってウェビングのロックを確保するので好ましい。
【0064】
なお、上記実施形態では、ウェビング加速度感知手段と共に車体加速度感知手段を備えたタイプの緊急ロック機構について述べたが、本発明のシートベルト装置では、ウェビング加速度感知手段のみ、あるいは加速度感知手段のみを備えたタイプの緊急ロック機構を有する巻取装置でも良いことは勿論である。
【0065】
【発明の効果】
本発明のシートベルト装置によれば、電動モータによってウェビングの巻取り、引出しを行う巻取り装置において、モータによるウェビングの巻取り・引出しの異常を検知すると、ウェビングの引出しをロックするようにしたので、車両衝突の際にウェビングが弛んでいる状態となることを可及的に減少することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、シートベルト装置の構成を説明する説明図である。
【図2】図2は、ベルト巻取装置の構成を説明する説明図である。
【図3】図3は、制御部200の構成を説明する機能ブロック図、
【図4】図4は、ポテンショメータの説明図、
【図5】図5は、モータの駆動回路の構成例を示す回路図、
【図6】図6は、制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図7】図7は、ウェビング巻取装置の一部分の例を示す斜視図である。
【図8】図8は、ウェビング巻取装置の他の部分の例を示す斜視図である。
【図9】図9は、図13に示すロック機構のラチェットホィール178の回転軸方向における断面図である。
【図10】図10は、ウェビングの急な引出し(ウェビング加速度)によるロック機構の作動を説明する説明図である。
【図11】図11は、ロックアーム26を説明する説明図である。
【図12】図12は、イナーシャプレート30を説明する説明図である。
【図13】図13は、ウェビング加速度によるロック機構の作動を説明する説明図である。
【図14】図14は、ウェビング加速度によるロック機構の作動を説明する説明図である。
【図15】図15は、ウェビング加速度によるロック機構の作動を説明する説明図である。
【図16】図16は、電磁的アクチュエータの動作(非ロック状態)を説明する説明図である。
【図17】図17は、電磁的アクチュエータの動作(ロック状態)を説明する説明図である。
【図18】図18は、他の電磁的アクチュエータの例を説明する説明図である。
【符合の説明】
100 ウェビング巻取装置
200 制御部
302 ウェビング

Claims (1)

  1. 乗員を座席に拘束するウェビングが巻回されたリールと、
    動力伝達機構を介して前記リールを回転駆動するモータと、
    前記リールの回転を検出する回転検出手段と、
    前記リールの回転を緊急時にロックするロック機構と、
    前記モータを回転させて少なくとも前記ウェビングの巻取りを行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記モータに駆動信号を供給した後に前記リールの回転を検出しないとき、前記ロック機構に該ロック機構の作動を指令する作動信号を供給する、シートベルト装置。
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