JP2009234187A - 水圧転写フィルム、及び水圧転写体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体フィルムと転写層を有し、前記転写層が少なくとも、単層もしくは複数層からなる印刷層と、活性エネルギー線照射と加熱のどちらか一方またはその両方で硬化可能な硬化性樹脂層とを有する水圧転写用フィルムであって、前記単層もしくは複数層からなる印刷層の少なくとも1層及び前記硬化性樹脂層に光輝性顔料を含み、且つ該光輝性顔料を含む少なくとも2層の反射色が異なる水圧転写用フィルム、及び、該水圧転写用フィルムを、前記支持体フィルムを下にして水に浮かべ、活性化剤により前記転写層を活性化し、前記転写層を被転写体に転写し、前記支持体フィルムを除去し、転写層を乾燥し、前記転写層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させた水圧転写体。
【選択図】 なし
Description
水圧転写法は、意匠性を付与する転写層の柄を選択することにより、金属、あるいはプラスチック等からなる複雑な三次元立体形状を有する成型品に、任意の絵柄を均一に綺麗に付与することができる。
最近では、トップコート層となる硬化性樹脂層と装飾層とが一体となった転写層を有する水圧転写フィルムも開発されており(例えば、特許文献1参照。)、1回の転写工程で、被転写体にトップコート層と装飾層とを付与することができる。
例えば、被転写体の表面に濃色系パターンから成る第一の転写層を有し、この第一の転写層の上に木目模様のパターンから成る第二の転写層を有し、且つ第二の転写層には真珠光沢顔料が分散しており、該真珠光沢顔料が第一の転写層のインクや素地の色と互いに干渉して発色し、また深み感、照り感を生じて第二の転写層の転写パターンの質感を向上させた水圧転写体が知られている。(例えば特許文献2参照)
また、光輝性顔料が練り込まれた樹脂基材から成形された成形品本体と前記成型品本体の表面に施された石目模様、木目模様、砂目模様、カーボン調模様又は抽象模様の液圧転写層とから成っており、天然材料に近く、且つ高度の立体感や光輝感をもたせた樹脂成型品が知られている(例えば特許文献3参照)
しかし特許文献2に記載の方法は、転写工程を少なくとも2回必要とするため、製造過程が煩雑であった。また、特許文献3に記載の方法は、樹脂基材に直接光輝性顔料を練り込んだ特定の樹脂から製造された被転写体しか使用することができず、汎用的ではないといった問題があった。
木目柄で特に珍重される本杢は、独特の「照り感」を有する。この「照り感」は、光を受けた細胞内部からの反射や散乱によって生まれるため、「深み」を感じ、さらに、見る角度によって変化して見えるものであり、天然木だけに見られる現象である。
この「照り感」と「深み感」があることにより、人の目には、天然材料により近い意匠であると感じることから、従来、「照り感」を表現するために、パール顔料などの光輝性顔料を用いた印刷版を、転写後、木目柄の下になるように印刷するなどして、「深み感」を表現してきた。
本発明者らは、これを水圧転写体で再現するために、異なる反射色の光輝性顔料を、転写層の深さ方向に異なる位置で各々存在、あるいは重ね合わせることで、「照り感」を再現し、見る角度を変えると、あたかも「照り感」が変化したように感じる天然材料に近い視認性を有する水圧転写体が得られることを見出した。
本発明で使用する水圧転写用フィルムに用いる支持体フィルムは、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成るフィルムである。
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成る樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、ポリアクリルアミド、アセチルブチルセルロース、ゼラチン、にかわ、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が使用できる。なかでも一般に水圧転写用フィルムとして用いられているPVAフィルムが水に溶解し易く、入手が容易で、硬化性樹脂層の印刷にも適しており、特に好ましい。これらの樹脂層は単層でも多層でも良く、層厚みは10〜200μm程度が好ましい。
本発明で使用する光輝性顔料は、後述の印刷層及び後述の硬化性樹脂層の少なくとも2層に添加される。使用する光輝性顔料としては、市販の、光輝性を有する顔料であれば特に限定なく使用することが可能である。例えば、メルク社製のIriodin100、200、300、500、7000シリーズ、colorstreamシリーズ、xirallicシリーズ、miravalシリーズ等;日本光研社製のPEARL−GLAZEシリーズ、ULTIMICAシリーズ、PROMINENCEシリーズ等;BASF社製のDESERT REFLECTIONSシリーズ、TIMICAシリーズ、FLAMENCOシリーズ、CLOISONNEシリーズ、DUOCROMEシリーズ、GEMTONEシリーズ、CELLINIシリーズ、MEARLMAIDシリーズ、REFLECKSシリーズ、CHROMA−LITEシリーズ、COSMICAシリーズ等があげられる。
該光輝性顔料は、通常インキとして印刷できる程度の粒径であればよく、例えばグラビア印刷法で行う場合には粒径が200μm以下であればよく、グラビア印刷の版の大きさから、100μm以下が好ましい。
これらの光輝性顔料は、単独で使用してもよいし、複数を混合して使用してもよい。本発明は、前記印刷層及び前記硬化性樹脂層の少なくとも2層が光輝性顔料を含み、且つ該光輝性顔料を含む少なくとも2層の反射色が異なることが特徴であるが、このときの反射色を調整するために、複数の光輝性顔料を混合し調色することは好ましい。例えば、ゴールド色の光輝性顔料とシルバー色の光輝性顔料を混合し、中間色を調整することも可能である。
本発明において反射色は、前記光輝性顔料を含む印刷層または硬化性樹脂層を、測色計にて測定し、表色系CIE L*a*b*で表した。(但しL*はCIE1976明度を表し、a*、b*はクロマティクネス指数(色相と彩度を示す色度)を表す。)
またその反射色の差はΔE*abで表した。
本発明においては、測色値の測定をコニカミノルタ社製の分光測色計CM3500dを使用し、視野設定10度、D65光源の条件で反射測定(正反射光除去)を行なった。
本発明で使用する水圧転写用フィルムが有する転写層において、前記装飾層は、少なくとも1層の前記光輝性顔料を含む印刷層からなる。なおここでいう「1層の印刷層」とは、1つのインキを1つの版により刷って得られる単色層を指す。例えば装飾層が4色のインキで構成された多色刷りで得られる場合、(本発明でいうところの)印刷層は4層であると表現される。
1層の印刷層が含有する光輝性顔料は、特に限定はなく通常インキとして使用する量でよい。具体的には例えば、対塗膜固形分比として5〜40%が好ましく使用される。
また、有機顔料としては、たとえば、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アゾレーキ顔料系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料等が挙げられる。
これらの汎用の顔料は、インキとして印刷できる程度の粒径であればよく、例えばグラビア印刷法で行う場合には1μm以下が一般的である。
1層の印刷層が含有する汎用の顔料は、特に限定はなく通常インキとして使用する量でよい。具体的には例えば、対塗膜固形分比として3〜30%が好ましく使用される。
また、前記汎用の顔料は、色合いを調整する目的で前記光輝性顔料と適宜混合することも可能である。
られる。
本発明で使用する硬化性樹脂層は、活性エネルギー線照射又は加熱により硬化可能な樹脂を含む樹脂層である。また、活性エネルギー線硬化と加熱硬化とを併用させてもよい。該硬化性樹脂層は、得られる水圧転写体の装飾層の意匠性が良く発現できることから透明であることが好ましいが、転写体の要求特性や意匠性により。基本的に得られる水圧転写体の装飾層の色や柄が透けて見えれば良く、完全に透明であることは要しない。即ち、透明から半透明なものまでを含む。また、着色されていてもよい。
硬化性樹脂層に添加される光輝性顔料の添加量は0.5〜5質量%の範囲が好ましい。添加量が多すぎるとギラギラした感じを与え天然材料とは異なる視認性を与える場合がある。また該硬化性樹脂層中で光輝性顔料が平行配列(リーフィング)してしまい、やはり天然材料とは異なる視認性を与える。一方光輝性顔料が少なすぎる量では目に見える効果が得にくい。
この場合、各々の層のL*、a*、b*で表される色座標が近い場合であっても、視認的に異なる意匠性を与える場合がある。ここでいう「視認的に異なる意匠性」とは、例えば「キラキラした」や「穏やかな」あるいは「隠蔽力のある」等の、視認される感覚的な意匠性を指す。20度光沢値が例えば5以上離れると、このような意匠性に対して変化を与えることが可能である。
本発明における硬化性樹脂層は、前記光輝性顔料を含む以外は特に限定されず、公知の活性エネルギー線照射又は加熱により硬化可能な樹脂を含む樹脂層であればよい。
活性エネルギー線照射により硬化可能な樹脂を含む樹脂層には、例えば、公知のラジカル重合性化合物、及び必要に応じて光重合開始剤を含む。ラジカル重合性化合物としては、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーまたはポリマーが好ましく、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する質量平均分子量が300〜1万、より好ましくは300〜5000の活性エネルギー線硬化性のオリゴマーまたはポリマーが好ましく用いられる。また、粘度を調製する目的で(メタ)アクリロイル基を有する反応性モノマーを含有することや、硬化性樹脂層の粘着性低減、ガラス転移温度(Tg)の向上、あるいは硬化性樹脂層の凝集破壊強度の向上等の目的で、熱可塑性樹脂を含有させてよい。
なかでも、ポリスチレンおよびポリメタアクリレートは、Tgが高く硬化性樹脂層の粘着性低減に適しているために好ましく、特にポリメチルメタアクリレートを主成分としたポリメタアクリレートが透明性、耐溶剤性および耐擦傷性に優れる点で好ましい。
熱可塑性樹脂は、あまり多いと硬化性樹脂の硬化反応を阻害するので、硬化性樹脂層の全樹脂量100質量部に対して熱可塑性樹脂は70質量部を超えない範囲で添加することが好ましい。
加熱により硬化可能な樹脂を含む樹脂層には、熱または触媒の作用により重合する官能基を分子中に有する化合物であるか、または主剤となる熱硬化性化合物に硬化剤となる熱反応性化合物を含む。また、前記活性エネルギー線硬化性樹脂と同様、、硬化性樹脂層の粘着性低減、ガラス転移温度(Tg)の向上、あるいは硬化性樹脂層の凝集破壊強度の向上等の目的で、前記熱可塑性樹脂を含有させてよい。
また、熱硬化性化合物としては公知のものを使用でき、例えば、熱または触媒の作用により重合する官能基を有する、例えば、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基、エポキシ基、メチロール基、酸無水物、炭素−炭素二重結合などを有する化合物や樹脂等を使用できる。
これら添加可能な化合物に何ら制限はなく、例えば、シリガゲル、シリカゾル、モンモリロナイト、マイカ、アルミナ、酸化チタン、ガラスビーズ等の無機・金属化合物、オルガノシリカゾル、アクリル変性シリカ、クロイサイト等の有機処理を施された無機・金属化合物を用いることができる。
本発明においては、前記支持体フィルム、前記転写層である印刷層と硬化性樹脂層の他に、例えば、前記支持体フィルムと印刷層の層間に印刷インキ受理層、膨潤抑制層等が積層されていても良い。
前記印刷インキ受理層は、例えば印刷層をインクジェット印刷法で得る場合に、支持体フィルムとして汎用されるポリビニルアルコール樹脂や、印刷基材として用いられるポリプロピレン樹脂とインキとの相性が悪い場合に使用する。また、膨潤抑制層は、主に、活性化時の装飾層や硬化性樹脂層の過度の柄伸びを抑制する目的で使用する。具体的には、例えば体質顔料として、沈降性硫酸バリウムやシリカ等を添加することができる。
本発明の水圧転写体は、本発明の水圧転写用フィルムを使用する以外は、特に限定はなく公知の転写方法にて製造することができる。
具体的には、例えば、使用する水圧転写用フィルムを、必要に応じて剥離性フィルムを剥離した後、転写層を上にして、支持体を下にして水に浮かべ、活性化剤により硬化性樹脂層、もしくは装飾層と硬化性樹脂層からなる転写層を活性化し(活性化は水に浮かべる前に行っても良い)、転写層を被転写体に転写し、支持体を除去し、次いで転写層の硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させる。概略は、以下に示す通りである。
(2)転写層に活性化剤を塗布または噴霧することにより硬化性樹脂層と装飾層とから成る転写層を活性化させる。なお活性化は、フィルムを水に浮かべる前に行っても良い。
(3)転写層に被転写体を押し付けながら、被転写体と水圧転写用フィルムを水中に沈めて行き、水圧によって転写層を被転写体に密着させて転写する。
(4)水から出した被転写体から支持体フィルムを除去し、被転写体に転写された転写層の硬化性樹脂層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種により硬化させて、硬化した樹脂層と装飾層とを有する水圧転写体を得る。
水圧転写における水槽の水は、転写層を転写する際に水圧転写用フィルムの硬化性樹脂層と装飾層とを被転写体の三次元曲面に密着させる水圧媒体として働く他、支持体フィルムを膨潤または溶解させるものであり、具体的には、水道水、蒸留水、イオン交換水などの水で良く、また用いる支持体フィルムによっては、水にホウ酸等の無機塩類を10%以下、またはアルコール類を50%以下溶解させてもよい。
活性化剤は公知のものを使用できる。具体的には、硬化性樹脂層と装飾層とを可溶化させ、柔軟性を付与する有機溶剤、あるいは、低粘度のラジカル重合性組成物を使用することができる。中でも、取り扱いが容易であることから、有機溶剤を使用することが好ましい。
具体的には、有機溶剤としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、カルビトール、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ソルフィットアセテート、D−リモネン及びそれらの混合物が挙げられる。
低粘度のラジカル重合性組成物は、光重合性プレポリマー、光重合性モノマー、及び光重合開始剤を必須成分とするもので、公知のものを使用することができる。また、粘度を調製する目的で有機溶剤を適宜添加しても構わない。
活性化工程における本発明の活性化剤の適用方法としては、塗布または噴霧する方法が挙げられる。具体的には、活性化剤をフィルムに適用することができる方法であれば、何ら制限はなく、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーノズル、インクジェット式ノズル等を用いることができる。活性化剤の塗布量は特に限定はないが、水圧転写フィルム1m2に対し、10g/m2〜60g/m2の範囲が好ましく、20g/m2〜40g/m2の範囲がなお好ましい。
被転写体からの支持体フィルムの除去は、従来の水圧転写方法と同様に水流で支持体フィルムを溶解もしくは剥離して除去する。
乾燥工程は、加熱乾燥であると、乾燥を短時間で行うことができ好ましい。この時の乾燥温度は、被転写体が耐熱温度の低いプラスチック等の場合には、被転写体の熱変形を引き起こさないように、基材の耐熱温度を超えない温度で行うのが好ましい。オーブンや乾燥炉を使用することができる。
被転写体は、その表面に硬化性樹脂層や装飾層が十分密着することが好ましく必要に応じて被転写体表面にプライマー層を設ける。プライマー層を形成する樹脂は、プライマー層として慣用の樹脂を特に制限なく用いることができ、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。また、密着性の良好なABS樹脂やSBSゴムなどの溶剤吸収性の高い樹脂成分からなる被転写体にはプライマー処理は不要である。被転写体の材質は、必要に応じて防水加工を施すことにより水中に沈めても形状が崩れない防水性があれば、金属、プラスチック、木材、パルプモールド、ガラス等のいずれであっても良く特に限定されない。
(「深み感」評価方法)
後述の方法により得られた水圧転写体の装飾層を、標準光源(D65)下、転写面に対して垂直方向から目視にて観察し、硬化性樹脂層及び印刷層に含まれる異なる色及び質感の光輝性顔料のそれぞれが重ね合うことによって、互いに反射や散乱することにより本杢に近い深み感を有すると判断したものを、「深み感あり」と判断した。
後述の方法により得られた水圧転写品の装飾層を、標準光源(D65)下、転写面に対して90度からの目視観察を基準として、60度、30度の順に目視にて観察し、目視角度に依存して照りが変化し、即ち本杢に近い照り感を有すると判断したものを「木質的照り感あり」と判断した。
ペンタエリスリトール2モル当量とヘキサメチレンジイソシアネート7モル当量とヒドロキシエチルメタクリレート6モル当量を60℃で反応して得られる平均6官能ウレタンアクリレート(UA1)60部(重量平均分子量890)とロームアンドハース社製アクリル樹脂パラロイドA−11(Tg100℃、重量平均分子量125,000)40部と、酢酸エチルとメチルエチルケトンの混合溶剤(混合比1/1)とで固形分50%の硬化性樹脂A1を製造した。
上記A1の硬化性樹脂層に対し、0.5%の割合で、光輝性顔料としてメルク社製の「Xirallic T60-20WNT」(以下光輝性顔料P1とする)を添加し、硬化性樹脂A2を製造した。
上記A1の硬化性樹脂層に対し、10%の割合で、光輝性顔料としてP1を添加し、硬化性樹脂A3を製造した。
インキB1:
インキ用ビヒクル:荒川化学社製「ポリウレタン2569」:20部
顔料:P1:10部
酢酸エチル・トルエン(1/1):60部
ワックス等添加剤:10部
インキB2:
インキ用ビヒクル:荒川化学社製「ポリウレタン2569」:20部
顔料:メルク社製Iriodin302(以下光輝性顔料P2と略す):10部
酢酸エチル・トルエン(1/1):60部
ワックス等添加剤:10部
インキB3:
インキ用ビヒクル:荒川化学社製「ポリウレタン2569」:20部
顔料:メルク社製Iriodin120(以下光輝性顔料P3と略す):10部
酢酸エチル・トルエン(1/1):60部
ワックス等添加剤:10部
インキB4:
インキ用ビヒクル:荒川化学社製「ポリウレタン2569」:20部
顔料:メルク社製Iriodin300(以下光輝性顔料P4と略す):10部
酢酸エチル・トルエン(1/1):60部
ワックス等添加剤:10部
(顔料を使用したインキ組成)
インキB5、B6:
インキ用ビヒクル:荒川化学社製「ポリウレタン2569」:20部
顔料: 白、黒、黄、紅、藍):10部
酢酸エチル・トルエン(1/1):60部
ワックス等添加剤:10部
使用する顔料は、以下の物を組み合わせて使用し、B5、B6を調色した。
白:酸化チタン
黒:カーボンブラック
黄:ジスアゾイエロー
紅:クロモフタルレッド
藍:フタロシアニンブルー
前記硬化性樹脂A2、A3及びインキB1〜B4の20度光沢値測定は、以下のように行った。
硬化性樹脂またはインキを、白色ABS基板上に、乾燥後膜厚が30μmとなるように塗工し乾燥させ塗膜とした。該塗膜の光沢値を、日本電色工業社製のハンディー光沢計PG−1Mを用い、20度、60度、85度光沢値を読み取った。
表1に示す。
前記光沢値測定方法で使用した塗膜について、測色を行い、反射色及びその差を測定した。
測色値の測定はコニカミノルタ社製の分光測色計CM3500dを用い、視野設定10度、D65光源の条件で反射測定(正反射光除去)を行ない、表色系CIE L*a*b*で表した。
(但しL*はCIE1976明度を表し、a*、b*はクロマティクネス指数と呼ばれ、色相と彩度を示す色度を表し、ΔE*abは各々の色差値を表す)。インキB1を基準とし、インキB1に対する色差値を「反射色の差」とした。
結果を表1に示す。
(印刷模様層を有するフィルム(C)C1の製造)
剥離性フィルムとして、東洋紡社製の厚さ50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、PPフィルムと略す)を用い、該フィルムにグラビア印刷機にて、インキB2でベタ層を印刷した(版1)後、インキB3で木目柄を印刷し(版2)、さらにインキB5及びB6で2版の木目柄を印刷した(版3、版4)上に、インキB4で木目柄を印刷して(版5)、装飾フィルム(C)C1を製造した。ここで版2〜版5それぞれが、木目柄を構成しているものとする。
前記PPフィルムにグラビア印刷機にて、インキB2でベタ層を印刷した(版1)後、インキB3で木目柄を印刷し(版2)、さらにインキB5及びB6で2版の木目柄を印刷して(版3、版4)、装飾フィルム(C)C2を製造した。
前記PPフィルムにグラビア印刷機にて、インキB2でベタ層を印刷した(版1)後、インキB5及びB6で2版の木目柄を印刷した(版3、版4)上に、インキB4で木目柄を印刷して、装飾フィルム(C)C3を製造した。
前記PPフィルムにグラビア印刷機にて、インキB2で木目柄を印刷し(版2)、さらにインキB5及びB6で2版の木目柄を印刷した(版3、版4)上に、インキB4で木目柄を印刷して(版5)、装飾フィルム(C)C4を製造した。
前記PPフィルムにグラビア印刷機にて、インキB2でベタ層を印刷した(版1)後、インキB5及びB6で2版の木目柄を印刷して(版3、版4)、装飾フィルム(C)C5を製造した。
前記PPフィルムにグラビア印刷機にて、インキB1でベタ層を印刷した(版1)後、インキB1で木目柄を印刷し(版2)、さらにインキB5及びB6で2版の木目柄を印刷した(版3、版4)上に、インキB1で木目柄を印刷して(版5)、装飾フィルム(C)C6を製造した。
前記PPフィルムにグラビア印刷機にてインキB3で木目柄を印刷し(版2)、装飾フィルム(C)C7を製造した。
表2に、フィルム(C)C1〜C7の印刷層構成を示す。
支持体フィルムとしてアイセロ化学社製のPVA(膜厚30μm、幅360mm)の光沢面に、硬化性樹脂A2をコンマコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、次いで60℃で2分間乾燥して、フィルム(A2)を製造した。このフィルム(A2)の硬化性樹脂層と、印刷模様層を有するフィルム(C)C1のインキ層とを相対するように、60℃でラミネートし、ラミネートしたフィルムをそのまま巻き取って水圧転写用フィルムD1を製造した。
水圧転写フィルムD1と同様に、PVAに硬化性樹脂A3をコンマコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、フィルム(A3)を製造した。このフィルム(A3)の硬化性樹脂層と、印刷模様層を有するフィルム(C)C1のインキ層とラミネートし、水圧転写用フィルムD2を製造した。
水圧転写フィルムD1と同様に、PVAに硬化性樹脂A2をコンマコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、フィルム(A2)を製造した。このフィルム(A2)の硬化性樹脂層と、印刷模様層を有するフィルム(C)C2のインキ層とラミネートし、水圧転写用フィルムD3を製造した。
水圧転写フィルムD1と同様に、PVAに硬化性樹脂A2をコンマコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、フィルム(A2)を製造した。このフィルム(A2)の硬化性樹脂層と、印刷模様層を有するフィルム(C)C3のインキ層とラミネートし、水圧転写用フィルムD4を製造した。
水圧転写フィルムD1と同様に、PVAに硬化性樹脂A2をコンマコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、フィルム(A2)を製造した。このフィルム(A2)の硬化性樹脂層と、印刷模様層を有するフィルム(C)C4のインキ層とラミネートし、水圧転写用フィルムD5を製造した。
水圧転写フィルムD1と同様に、PVAに硬化性樹脂A2をコンマコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、フィルム(A2)を製造した。このフィルム(A2)の硬化性樹脂層と、印刷模様層を有するフィルム(C)C5のインキ層とラミネートし、水圧転写用フィルムD6を製造した。
水圧転写フィルムD1と同様に、PVAに硬化性樹脂A2をコンマコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、フィルム(A2)を製造した。このフィルム(A2)の硬化性樹脂層と、印刷模様層を有するフィルム(C)C7のインキ層とラミネートし、水圧転写用フィルムD7を製造した。
(製造例3−H1)水圧転写フィルムHD1の製造
水圧転写フィルムD1と同様に、PVAに硬化性樹脂A1をコンマコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、次いで60℃で2分間乾燥して、フィルム(A1)を製造した。このフィルム(A1)の硬化性樹脂層と、印刷模様層を有するフィルム(C)C1のインキ層とを相対するように、60℃でラミネートし、ラミネートしたフィルムをそのまま巻き取って水圧転写用フィルムHD1を製造した。
水圧転写フィルムD1と同様に、PVAに硬化性樹脂A1をコンマコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、フィルム(A1)を製造した。このフィルム(A1)の硬化性樹脂層と、印刷模様層を有するフィルム(C)C2のインキ層とラミネートし、水圧転写用フィルムHD2を製造した。
水圧転写フィルムD1と同様に、PVAに硬化性樹脂A2をコンマコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、フィルム(A1)を製造した。このフィルム(A2)の硬化性樹脂層と、印刷模様層を有するフィルム(C)C6のインキ層とラミネートし、水圧転写用フィルムHD3を製造した。
水圧転写フィルムD1と同様に、PVAに硬化性樹脂A1をコンマコーターで固形分膜厚20μmになるように塗工し、フィルム(A1)を製造した。このフィルム(A1)の硬化性樹脂層と、印刷模様層を有するフィルム(C)C5のインキ層とラミネートし、水圧転写用フィルムHD4を製造した。
水槽に25℃の水を入れ、剥離性フィルムを剥離した水圧転写用フィルムD1のPVA側を下にして水面に浮かべた。活性化剤(イソブタノール/メチルイソアミルケトン/D−リモネン/酢酸イソアミル=45/30/20/5)を25g/m2噴霧し、15秒後、ベージュ色のABS成型体(210mm×75mmの柄見本用プレート)を水圧転写フィルムから水中に向かって挿入し水圧転写した。
PVAを日伸精機株式会社製ジェットウォッシャーJW−350Bを用い、28Hz、45℃、2分間の条件で水洗除去した後、80℃で30分間乾燥させた。次にGSユアサ株式会社製のUV照射装置及びGSユアサ株式会社製の高圧水銀灯(主波長は254nm、313nm、365nm、405nm、436nm、546nm、577nm)を用いて、照射量1000mJ/cm2、ピーク強度200mW/cm2のUV光を照射することにより、硬化性樹脂層を硬化させることで、良好な深み感、及び良好な木質的照り感を有する水圧転写体を得た。
実施例1と同様に、水圧転写用フィルムD2を用いて転写した結果、深み感、及び良好な木質的照り感を有する水圧転写体を得た。
実施例2と同様に、水圧転写用フィルムD3を用いて転写した結果、良好な深み感、及び良好な木質的照り感を有する水圧転写体を得た。
実施例2と同様に、水圧転写用フィルムD4を用いて転写した結果、良好な深み感、及び良好な木質的照り感を有する水圧転写体を得た。
実施例2と同様に、水圧転写用フィルムD5を用いて転写した結果、良好な深み感、及び良好な木質的照り感を有する水圧転写体を得た。
実施例2と同様に、水圧転写用フィルムD6を用いて転写した結果、良好な深み感、及び良好な木質的照り感を有する水圧転写体を得た。
実施例2と同様に、水圧転写用フィルムD7を用いて転写した結果、良好な深み感、及び良好な木質的照り感を有する水圧転写体を得た。
実施例1と同様に、水圧転写用フィルムHD1を用いて転写した結果、良好な深み感はるものの木質的照り感のない水圧転写体を得た。
実施例2と同様に、水圧転写用フィルムHD2を用いて転写した結果、良好な深み感はるものの木質的照り感のない水圧転写体を得た。
実施例2と同様に、水圧転写用フィルムHD3を用いて転写した結果、良好な木質的照り感はあるものの、深み感のない水圧転写体を得た。
実施例2と同様に、水圧転写用フィルムHD4を用いて転写した結果、深み感、及び木質的照り感が共にない水圧転写体を得た。
Claims (6)
- 水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けた有機溶剤に溶解可能な転写層を有し、前記転写層が少なくとも、単層もしくは複数層からなる印刷層と、活性エネルギー線照射と加熱のどちらか一方またはその両方で硬化可能な硬化性樹脂層とを有する水圧転写用フィルムであって、
前記単層もしくは複数層からなる印刷層の少なくとも1層及び前記硬化性樹脂層に光輝性顔料を含み、且つ該光輝性顔料を含む少なくとも2層の反射色が異なることを特徴とする、水圧転写用フィルム。 - 支持体フィルム/硬化性樹脂層/装飾層の順に積層されてなる請求項1に記載の水圧転写フィルム。
- 前記光輝性顔料を含む少なくとも2層の反射色の反射色が(ΔE*ab)で表され、その差が3以上である請求項1又は2に記載の水圧転写用フィルム。
- 前記印刷層の少なくとも3層が光輝性顔料を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
- 前記印刷層が木目柄を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の水圧転写用フィルムを、前記支持体フィルムを下にして水に浮かべ、活性化剤により前記転写層を活性化し、前記転写層を被転写体に転写し、前記支持体フィルムを除去し、転写層を乾燥し、前記転写層を活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化させたことを特徴とする水圧転写体。
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