JP2007276391A - 水圧転写体の製造方法、及び水圧転写体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 活性化剤として有機溶剤を使用せず、且つ、得られる水圧転写体の、転写層と被転写体との密着性や耐候性等に優れる、水圧転写体の製造方法を提供する。
【解決手段】 水溶性樹脂もしくは水膨潤性樹脂からなる支持体フィルムと該支持体フィルム上に設けた有機溶剤に溶解可能な転写層を有し、前記支持体フィルムが下となるように水面に浮かべられ、該転写層が活性化剤により活性化されている水圧転写フィルムの該転写層に、被転写体を押しつけながら該被転写体と該フィルムを水中に沈めていき水圧によって該転写層を該被転写体に密着させて転写した後、前記支持体フィルムを除去し、乾燥させて得る水圧転写体の製造方法であって、前記活性化剤が、熱硬化性組成物又は熱及び光を併用する硬化性組成物からなる水圧転写体の製造方法、及び水圧転写体。
【選択図】 なし
【解決手段】 水溶性樹脂もしくは水膨潤性樹脂からなる支持体フィルムと該支持体フィルム上に設けた有機溶剤に溶解可能な転写層を有し、前記支持体フィルムが下となるように水面に浮かべられ、該転写層が活性化剤により活性化されている水圧転写フィルムの該転写層に、被転写体を押しつけながら該被転写体と該フィルムを水中に沈めていき水圧によって該転写層を該被転写体に密着させて転写した後、前記支持体フィルムを除去し、乾燥させて得る水圧転写体の製造方法であって、前記活性化剤が、熱硬化性組成物又は熱及び光を併用する硬化性組成物からなる水圧転写体の製造方法、及び水圧転写体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、活性化剤として実質的に有機溶剤を使用しない、水圧転写体の製造方法に関する。
水圧転写法は、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと意匠性を付与する転写層を有する水圧転写フィルムを、支持体フィルムを下方にして水面に浮かべ、通常活性化剤と呼ばれる有機溶剤を噴霧して転写層を柔軟化させた後、被転写体をその上方から押し付けながら水中に沈めることにより、転写層を被転写体に転写する方法である。
水圧転写法は、意匠性を付与する転写層の柄を選択することにより、金属、あるいはプラスチック等からなる複雑な三次元立体形状を有する成型品に、任意の絵柄を均一に綺麗に付与できることができる。
水圧転写法は、意匠性を付与する転写層の柄を選択することにより、金属、あるいはプラスチック等からなる複雑な三次元立体形状を有する成型品に、任意の絵柄を均一に綺麗に付与できることができる。
水圧転写時に使用する活性化剤は、通常有機溶剤を使用する。しかし近年、化学物質の排出に対する作業環境保護並びに外部環境保護の観点より、揮発成分である有機溶剤を使用しない手法が求められており、数々の検討がなされている。
例えば、転写フィルムの転写層である印刷パターン上に無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を塗布して前記紫外線硬化樹脂組成物中の非溶剤活性化成分により前記印刷パターンの付着性を再現、即ち活性化を行う方法が開示されている。(例えば、特許文献1、2参照)。該方法により活性化された印刷パターンを被転写体に転写し、転写された物品に紫外線を照射して前記転写層を硬化することにより、水圧転写体を得る。
しかし、該方法は、印刷パターンと被転写体の間に紫外線硬化樹脂組成物が存在するため、印刷パターンで使用する印刷インキによっては、紫外線が透過せずに未硬化となり、転
写層と被転写体との密着性低下の原因や、未硬化部分の紫外線硬化性モノマーが残存することによる耐候性低下等が問題となる。
しかし、該方法は、印刷パターンと被転写体の間に紫外線硬化樹脂組成物が存在するため、印刷パターンで使用する印刷インキによっては、紫外線が透過せずに未硬化となり、転
写層と被転写体との密着性低下の原因や、未硬化部分の紫外線硬化性モノマーが残存することによる耐候性低下等が問題となる。
本発明の課題は、活性化剤として有機溶剤を使用せず、且つ、得られる水圧転写体の、転写層と被転写体との密着性や耐候性等に優れる、水圧転写体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、活性化剤として、熱硬化性の組成物を使用することで、本発明の課題を解決した。
即ち本発明は、水溶性樹脂もしくは水膨潤性樹脂からなる支持体フィルムと該支持体フィルム上に設けた有機溶剤に溶解可能な転写層を有し、前記支持体フィルムが下となるように水面に浮かべられ、該転写層が活性化剤により活性化されている水圧転写フィルムの該転写層に、被転写体を押しつけながら該被転写体と該フィルムを水中に沈めていき水圧によって該転写層を該被転写体に密着させて転写した後、前記支持体フィルムを除去し、乾燥させて得る水圧転写体の製造方法であって、前記活性化剤が、熱硬化性組成物又は熱及び光を併用する硬化性組成物からなる水圧転写体の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記記載の製造方法により得られる水圧転写体を提供する。
本発明により、活性化剤として有機溶剤を使用せず、且つ、得られる水圧転写体の、転写層と被転写体との密着性や耐候性等に優れる、水圧転写体が提供できる。
(活性化剤)
本発明の製造方法において使用する活性化剤は、熱硬化性組成物又は熱及び光を併用する硬化性組成物である。これらの組成物は公知の組成物を使用することができるが、活性化の際有機溶剤を使用しないことから、塗工時に塗布が可能な低粘度の組成物が好ましい。
低粘度とは、具体的には、25℃における1mPa・s〜100,000mPa・sの範囲が好ましく、より好ましくは10mPa・s〜5,000mPa・sである。また、250mPa・s等の比較的低粘度の組成物を使用する場合は、噴霧による活性化も可能である。
本発明の製造方法において使用する活性化剤は、熱硬化性組成物又は熱及び光を併用する硬化性組成物である。これらの組成物は公知の組成物を使用することができるが、活性化の際有機溶剤を使用しないことから、塗工時に塗布が可能な低粘度の組成物が好ましい。
低粘度とは、具体的には、25℃における1mPa・s〜100,000mPa・sの範囲が好ましく、より好ましくは10mPa・s〜5,000mPa・sである。また、250mPa・s等の比較的低粘度の組成物を使用する場合は、噴霧による活性化も可能である。
(活性化剤 熱硬化性組成物)
本発明で使用する低粘度の熱硬化性組成物の例としては、例えば、潜在性硬化剤を含む液状のエポキシ樹脂組成物が挙げられる。
液状エポキシ樹脂としては、常温又は作業温度で液状を示すエポキシ樹脂であり、従来公知の各種のものが用いられる。分子量としては特に制限はないが、数平均分子量にして300〜1,000の範囲が好ましい。
このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールAD系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、フェノールノボラック系エポキシ樹脂、 水添ビスフェノールA系エポキシ樹脂、アリルビスフェノール型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、アルキルフェノールとエピクロルヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂、有機カルボン酸類のグリシジルエーテルなどが挙げられる。本発明では、1種類の樹脂で構成されていても、2種以上の樹脂で混合物であってもどちらでも良い。また、成分(a)が混合物として液状であれば、液状のものに加えて必要により固体状エポキシ樹脂を併用してもよい。従って、成分(a)には少なくとも、1種類以上の液状エポキシ樹脂が含まれる。
本発明で使用する低粘度の熱硬化性組成物の例としては、例えば、潜在性硬化剤を含む液状のエポキシ樹脂組成物が挙げられる。
液状エポキシ樹脂としては、常温又は作業温度で液状を示すエポキシ樹脂であり、従来公知の各種のものが用いられる。分子量としては特に制限はないが、数平均分子量にして300〜1,000の範囲が好ましい。
このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールAD系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、フェノールノボラック系エポキシ樹脂、 水添ビスフェノールA系エポキシ樹脂、アリルビスフェノール型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、アルキルフェノールとエピクロルヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂、有機カルボン酸類のグリシジルエーテルなどが挙げられる。本発明では、1種類の樹脂で構成されていても、2種以上の樹脂で混合物であってもどちらでも良い。また、成分(a)が混合物として液状であれば、液状のものに加えて必要により固体状エポキシ樹脂を併用してもよい。従って、成分(a)には少なくとも、1種類以上の液状エポキシ樹脂が含まれる。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては
大日本インキ化学工業(株)製EPICLON「840」(エポキシ当量185g/eq)、同850(エポキシ当量190g/eq)、同850−CRP(エポキシ当量173g/eq)、同850−LC(エポキシ当量205g/eq)が挙げられ、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては大日本インキ化学工業(株)製EPICLON830(エポキシ当量173g/eq)、同830−LVP(エポキシ当量162g/eq)、同835(エポキシ当量170g/eq)、同835−LV(エポキシ当量165g/eq)が挙げられ、脂環式エポキシ樹脂としては、ジャパン エポキシ レジン(株)製「YX8000」(エポキシ当量205g/eq)、ダイセル化学社製のセロキサイド2021P(エポキシ当量135g/eq)が挙げられ、アルキルフェノールとエピクロルヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂としては、大日本インキ化学工業(株)製EPICLON「HP−820」が挙げられ、有機カルボン酸類のグリシジルエーテルとしては、トリスエポキシプロピルイソシアヌレートが挙げられる。トリスエポキシプロピルイソシアヌレートは、常温では固体でも融点が約100℃でかつ溶融後のフロー性(120℃における粘度:1Pa・s以下)が優れている。
大日本インキ化学工業(株)製EPICLON「840」(エポキシ当量185g/eq)、同850(エポキシ当量190g/eq)、同850−CRP(エポキシ当量173g/eq)、同850−LC(エポキシ当量205g/eq)が挙げられ、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては大日本インキ化学工業(株)製EPICLON830(エポキシ当量173g/eq)、同830−LVP(エポキシ当量162g/eq)、同835(エポキシ当量170g/eq)、同835−LV(エポキシ当量165g/eq)が挙げられ、脂環式エポキシ樹脂としては、ジャパン エポキシ レジン(株)製「YX8000」(エポキシ当量205g/eq)、ダイセル化学社製のセロキサイド2021P(エポキシ当量135g/eq)が挙げられ、アルキルフェノールとエピクロルヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂としては、大日本インキ化学工業(株)製EPICLON「HP−820」が挙げられ、有機カルボン酸類のグリシジルエーテルとしては、トリスエポキシプロピルイソシアヌレートが挙げられる。トリスエポキシプロピルイソシアヌレートは、常温では固体でも融点が約100℃でかつ溶融後のフロー性(120℃における粘度:1Pa・s以下)が優れている。
潜在性硬化剤としては、通常市販されている潜在性硬化剤を一種又は複数種選択して使用することができる。具体的には、ジシアンジアミド系硬化剤、尿素系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤、ポリアミン塩系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤等が包含される。また、中でも活性温度が80℃以上、好ましくは90℃以上のものであると、保存安定性が高く好ましい。また活性温度の上限は特に制約されないが、一般には150℃以下、好ましくは140℃以下である。それ以上の温度では特別な熱媒を必要とするので煩雑となる。潜在性硬化剤の配合量は、その具体的種類に応じて適宜の量が選ばれるが、通常は硬化剤の官能基の当量数で、エポキシ基1当量当り、1〜0.7当量、好ましくは1〜0.8当量の割合で使用される。
前述の潜在性硬化剤と硬化促進剤を併用することも有用である。硬化促進剤としては、常温で液状の酸無水物が用いられ、透明性、耐候性、保存安定性に優れていることから、メチルテトラヒドロフタル酸無水物(酸無水物当量166g/eq)やメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(酸無水物当量168g/eq)が好ましい。もちろん、これらの酸無水物を混合して用いることも可能である。
本発明で使用する低粘度の熱及び光硬化性組成物は、前記熱硬化性組成物に、公知の光硬化性組成物を添加することで得ることができる。この際も、塗布性を維持する目的から、低粘度の組成物を選択することが好ましく、光硬化性及び低粘度の両方の観点から、反応性希釈剤として使用する、(メタ)アクリルモノマーを使用するのが好ましい。
反応性希釈剤として使用する、(メタ)アクリルモノマーの例としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート(以下、合わせてメチル(メタ)アクリレートのように表記する)、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレン等の単官能モノマー、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2‘−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能モノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の6官能モノマー等が挙げられる。また、トリブチレングリコールビス(マレイミド酢酸エステル)のようなマレイミド化合物を使用することもできる。もちろん、これらのモノマーを2種類以上混合して用いることも可能である。
光重合開始剤の例としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンの如きアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドの如きアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系化合物;2,4−ジメチルチオキサントンの如きチオキサントン系化合物;4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノンの如きアミノベンゾフェノン系化合物;ポリエーテル系マレイミドカルボン酸エステル化合物などが挙げられ、これらは併用して使用することもできる。光重合開始剤の使用量は用いる活性エネルギー線硬化性樹脂に対して、通常、0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜8質量%である。光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルの如きアミン類が挙げられる。さらに、ベンジルスルホニウム塩やベンジルピリジニウム塩、アリールスルホニウム塩などのオニウム塩は、光カチオン開始剤として知られており、これらの開始剤を用いることも可能であり、上記の光重合開始剤と併用することもできる。
本発明において前記熱硬化性組成物、あるいは前記熱及び光硬化性組成物は、有機溶剤を含まない。しかしながら実質的に有機溶剤が皆無という意味ではなく、硬化性組成物における非溶剤成分、主に重合性化合物によって活性化即ち転写層の柔軟化を必要且つ充分に得ることができればよく、組成物成分即ち液状エポキシ樹脂や(メタ)アクリレートを製造する際に用いた溶剤成分が残留していたり、本発明の主旨を損なわない範囲において、必要に応じて若干の有機溶媒を新たに添加することを排除するものではない。具体的には、実用上無視できる程度の揮発成分即ち有機溶剤を含有していても構わない。
本発明においては、使用する活性化剤が熱硬化性組成物又は熱及び光を併用する硬化性組成物からなることを特徴とする以外は特に限定は無く、公知の水圧転写フィルムを使用して公知の方法で水圧転写体を得ることができる。以下、本発明の好ましい態様について述べる。
(水圧転写フィルム)
本発明の製造方法で使用する水圧転写フィルムは、公知の、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと該支持体フィルム上に設けた本発明で使用する活性化剤に溶解可能な転写層を有する水圧転写用フィルムである。
本発明においては、印刷パターンとなる印刷インキと被転写体との間も、熱により硬化が可能であることから、印刷インキからなる装飾層及び硬化性樹脂層を有する転写層を有する水圧転写フィルムであると、本発明の効果をより発揮することができ好ましい。
本発明の製造方法で使用する水圧転写フィルムは、公知の、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと該支持体フィルム上に設けた本発明で使用する活性化剤に溶解可能な転写層を有する水圧転写用フィルムである。
本発明においては、印刷パターンとなる印刷インキと被転写体との間も、熱により硬化が可能であることから、印刷インキからなる装飾層及び硬化性樹脂層を有する転写層を有する水圧転写フィルムであると、本発明の効果をより発揮することができ好ましい。
(支持体フィルム)
本発明で使用する水圧転写フィルムが有する支持体フィルムは、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成るフィルムである。
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成る樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、ポリアクリルアミド、アセチルブチルセルロース、ゼラチン、にかわ、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が使用できる。なかでも一般に水圧転写用フィルムとして用いられているPVAフィルムが水に溶解し易く、入手が容易で、硬化性樹脂層の印刷にも適しており、特に好ましい。これらの樹脂層は単層でも多層でも良く、層厚みは10〜200μm程度が好ましい。
本発明で使用する水圧転写フィルムが有する支持体フィルムは、水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成るフィルムである。
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂から成る樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、ポリアクリルアミド、アセチルブチルセルロース、ゼラチン、にかわ、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が使用できる。なかでも一般に水圧転写用フィルムとして用いられているPVAフィルムが水に溶解し易く、入手が容易で、硬化性樹脂層の印刷にも適しており、特に好ましい。これらの樹脂層は単層でも多層でも良く、層厚みは10〜200μm程度が好ましい。
(転写層 装飾層)
本発明で使用する水圧転写用フィルムが有する転写層において、装飾層は、印刷等の方法で、前記支持体フィルム上にインキを単層または複数層重ね刷りさせて得る。印刷方法については特に限定はなく、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ロールコーティング、コンマコーティング、ロッドグラビアコーティング、マイクログラビアコーティングなどの方法で印刷又はコーティングして作製することができる。インキ層は、全面を同じインキで全面(網点ならば100%)を印刷または塗工してもよいし、絵柄を成すように部分的に印刷してもよい。
さらに、前記支持体とインキ層の層間にインキの受理層、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層(以下、硬化性樹脂層と略す)等が積層されていても良い。
本発明で使用する水圧転写用フィルムが有する転写層において、装飾層は、印刷等の方法で、前記支持体フィルム上にインキを単層または複数層重ね刷りさせて得る。印刷方法については特に限定はなく、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ロールコーティング、コンマコーティング、ロッドグラビアコーティング、マイクログラビアコーティングなどの方法で印刷又はコーティングして作製することができる。インキ層は、全面を同じインキで全面(網点ならば100%)を印刷または塗工してもよいし、絵柄を成すように部分的に印刷してもよい。
さらに、前記支持体とインキ層の層間にインキの受理層、活性エネルギー線照射と加熱の少なくとも一種で硬化可能な硬化性樹脂層(以下、硬化性樹脂層と略す)等が積層されていても良い。
使用するインキにも特に制限はない。インキに含有される色剤としては、顔料が好ましく、無機系顔料、有機系顔料のいずれも使用が可能である。例えば、汎用の着色顔料としては、黒色顔料としてカーボンブラック;黄色顔料として、黄鉛、アントラキノンイエロー、ミネラルファストイエロー、チタンイエロー;赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ;青色顔料として、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー;緑色顔料として、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ;白色顔料として、チタンホワイト等が挙げられる。金属調等を呈する顔料として金属粉顔料(アルミ、ブロンズ等)金属箔顔料(アルミ、ブロンズ等)、金属蒸着箔顔料(アルミ、ブロンズ等が蒸着されたプラスチック等のフィルムを粉砕したもの)が挙げられる。パール調、多色効果、偏光効果、ホログラム等を呈する顔料として、パール顔料(天然の真珠を粉砕したもの、マイカ、アルミ、ガラス等薄片状物質に酸化チタン、酸化鉄等を被覆したもの等)等が挙げられる。炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(China Clay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉等の無機体質顔料や、シリコーン、ガラスビーズなども用いることができる。
また、インキに含有されるワニス用樹脂は、例えば、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、ビニル樹脂系(塩ビ、酢ビ、塩ビ−酢ビ共重合樹脂)、塩素化オレフィン樹脂系、エチレン−アクリル樹脂系、石油系樹脂系、セルロース誘導体樹脂系などの公知のインキを用いることができる。これらの中でもポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合樹脂が、セルロース誘導体樹脂系は有機溶剤への溶解性、流動性、顔料分散性、転写性に優れることから好ましく用いられ、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、及び、セルロース誘導体樹脂系が好ましく、ポリウレタン樹脂系、及び、セルロース誘導体樹脂系が特に好ましい。
られる。
また、インキに含有されるワニス用樹脂は、例えば、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、ビニル樹脂系(塩ビ、酢ビ、塩ビ−酢ビ共重合樹脂)、塩素化オレフィン樹脂系、エチレン−アクリル樹脂系、石油系樹脂系、セルロース誘導体樹脂系などの公知のインキを用いることができる。これらの中でもポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合樹脂が、セルロース誘導体樹脂系は有機溶剤への溶解性、流動性、顔料分散性、転写性に優れることから好ましく用いられ、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、及び、セルロース誘導体樹脂系が好ましく、ポリウレタン樹脂系、及び、セルロース誘導体樹脂系が特に好ましい。
られる。
(転写層 硬化性樹脂層)
本発明で使用する水圧転写フィルムが、転写層として硬化性樹脂層を有する場合の硬化性樹脂層は、活性エネルギー線照射又は加熱により硬化可能な樹脂を含む樹脂層である。また、活性エネルギー線硬化と加熱硬化とを併用させてもよい。該硬化性樹脂層は、得られる水圧転写体の装飾層の意匠性が良く発現できることから透明であることが好ましいが、転写体の要求特性や意匠性により。基本的に得られる水圧転写体の装飾層の色や柄が透けて見えれば良く、完全に透明であることは要しない。即ち、透明から半透明なものまでを含む。また、着色されていてもよい。
本発明で使用する水圧転写フィルムが、転写層として硬化性樹脂層を有する場合の硬化性樹脂層は、活性エネルギー線照射又は加熱により硬化可能な樹脂を含む樹脂層である。また、活性エネルギー線硬化と加熱硬化とを併用させてもよい。該硬化性樹脂層は、得られる水圧転写体の装飾層の意匠性が良く発現できることから透明であることが好ましいが、転写体の要求特性や意匠性により。基本的に得られる水圧転写体の装飾層の色や柄が透けて見えれば良く、完全に透明であることは要しない。即ち、透明から半透明なものまでを含む。また、着色されていてもよい。
(活性エネルギー線硬化性樹脂)
活性エネルギー線照射により硬化可能な樹脂を含む樹脂層には、例えば、公知のラジカル重合性化合物、及び必要に応じて光重合開始剤を含む。ラジカル重合性化合物としては、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーまたはポリマーが好ましく、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する質量平均分子量が300〜1万、より好ましくは300〜5000の活性エネルギー線硬化性のオリゴマーまたはポリマーが好ましく用いられる。また、粘度を調製する目的で(メタ)アクリロイル基を有する反応性モノマーを含有することや、硬化性樹脂層の粘着性低減、ガラス転移温度(Tg)の向上、あるいは硬化性樹脂層の凝集破壊強度の向上等の目的で、熱可塑性樹脂を含有させてよい。
活性エネルギー線照射により硬化可能な樹脂を含む樹脂層には、例えば、公知のラジカル重合性化合物、及び必要に応じて光重合開始剤を含む。ラジカル重合性化合物としては、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーまたはポリマーが好ましく、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する質量平均分子量が300〜1万、より好ましくは300〜5000の活性エネルギー線硬化性のオリゴマーまたはポリマーが好ましく用いられる。また、粘度を調製する目的で(メタ)アクリロイル基を有する反応性モノマーを含有することや、硬化性樹脂層の粘着性低減、ガラス転移温度(Tg)の向上、あるいは硬化性樹脂層の凝集破壊強度の向上等の目的で、熱可塑性樹脂を含有させてよい。
(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーまたはポリマーの例としては、例えば、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリアクリル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートおよびエポキシ(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
(メタ)アクリロイル基を有する反応性モノマーの例としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート(以下、合わせてメチル(メタ)アクリレートのように表記する)、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレン等の単官能モノマー、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2‘−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能モノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の6官能モノマー等が挙げられる。また、トリブチレングリコールビス(マレイミド酢酸エステル)のようなマレイミド化合物を使用することもできる。もちろん、これらのモノマーを2種類以上混合して用いることも可能である。
光重合開始剤の例としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンの如きアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドの如きアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系化合物;2,4−ジメチルチオキサントンの如きチオキサントン系化合物;4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノンの如きアミノベンゾフェノン系化合物;ポリエーテル系マレイミドカルボン酸エステル化合物などが挙げられ、これらは併用して使用することもできる。光重合開始剤の使用量は用いる活性エネルギー線硬化性樹脂に対して、通常、0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜8質量%である。光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルの如きアミン類が挙げられる。さらに、ベンジルスルホニウム塩やベンジルピリジニウム塩、アリールスルホニウム塩などのオニウム塩は、光カチオン開始剤として知られており、これらの開始剤を用いることも可能であり、上記の光重合開始剤と併用することもできる。
使用する熱可塑性樹脂は、活性エネルギー線硬化性樹脂に相溶できるものが好ましく、具体例としては、ポリメタアクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステルなどが挙げられる。これらはホモポリマーまたは複数のモノマーが共重合したものであって良い。熱可塑性樹脂は、非重合性であることが好ましい。
なかでも、ポリメタアクリレートおよびポリエステルは、Tgが高く硬化性樹脂層の粘着性低減に適しているために好ましい。
なかでも、ポリメタアクリレートおよびポリエステルは、Tgが高く硬化性樹脂層の粘着性低減に適しているために好ましい。
また、熱可塑性樹脂の分子量とTgは塗膜形成能に大きな影響を与える。硬化性樹脂の流動性を抑制し、かつ硬化性樹脂層の活性化を容易にするために、熱可塑性樹脂の重量平均分子量は好ましくは3,000〜40万、より好ましくは1万〜20万であり、Tgは好ましくは35℃〜200℃、より好ましくは45℃〜150℃である。Tgが35℃付近の比較的低いTgを有する熱可塑性樹脂を用いる場合は、熱可塑性樹脂の重量平均分子量は10万以上であることが好ましい。
熱可塑性樹脂の配合量は、あまり多いと硬化性樹脂の硬化反応を阻害するので、硬化性樹脂層の全樹脂量100質量部に対して熱可塑性樹脂は70質量部を超えない範囲で添加することが好ましい。
熱可塑性樹脂の配合量は、あまり多いと硬化性樹脂の硬化反応を阻害するので、硬化性樹脂層の全樹脂量100質量部に対して熱可塑性樹脂は70質量部を超えない範囲で添加することが好ましい。
(熱硬化性樹脂)
加熱により硬化可能な樹脂を含む樹脂層には、熱または触媒の作用により重合する官能基を分子中に有する化合物であるか、または主剤となる熱硬化性化合物に硬化剤となる熱反応性化合物を含む。また、前記活性エネルギー線硬化性樹脂と同様、硬化性樹脂層の粘着性低減、ガラス転移温度(Tg)の向上、あるいは硬化性樹脂層の凝集破壊強度の向上等の目的で、前記熱可塑性樹脂を含有させてよい。
加熱により硬化可能な樹脂を含む樹脂層には、熱または触媒の作用により重合する官能基を分子中に有する化合物であるか、または主剤となる熱硬化性化合物に硬化剤となる熱反応性化合物を含む。また、前記活性エネルギー線硬化性樹脂と同様、硬化性樹脂層の粘着性低減、ガラス転移温度(Tg)の向上、あるいは硬化性樹脂層の凝集破壊強度の向上等の目的で、前記熱可塑性樹脂を含有させてよい。
熱重合開始剤としては特に限定はないが、被転写体が耐熱温度の低いプラスチック等の場合には、開始温度のなるべく低い熱重合開始剤を使用するのが好ましく、100℃を超えない温度の開始温度を有する熱重合開始剤を使用するのが好ましい。
また、熱硬化性化合物としては公知のものを使用でき、例えば、熱または触媒の作用により重合する官能基を有する、例えば、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基、エポキシ基、メチロール基、酸無水物、炭素−炭素二重結合などを有する化合物や樹脂等を使用できる。
また、熱硬化性化合物としては公知のものを使用でき、例えば、熱または触媒の作用により重合する官能基を有する、例えば、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基、エポキシ基、メチロール基、酸無水物、炭素−炭素二重結合などを有する化合物や樹脂等を使用できる。
硬化性樹脂層は、膜厚が厚いほど、得られる成形品の保護効果は大きく、また装飾層の凹凸を吸収する効果が大きいために成形品に優れた光沢を持たせることができる。従って、硬化性樹脂層の膜厚は、具体的には3μm以上、好ましくは15μm以上の厚みを持つことが好ましい。硬化性樹脂層の厚みが200μmを超えると、有機溶剤による硬化性樹脂層の活性化が十分なされにくい。有機溶剤による硬化性樹脂層の十分な活性化、装飾層に対する保護層としての機能、及び装飾層の凹凸の吸収等の観点から、硬化性樹脂層の乾燥膜厚は3〜200μmであることが好ましく、より好ましくは、15〜70μmである。
(水圧転写方法)
本発明の水圧転写体の製造方法について説明する。
本発明の水圧転写体の製造方法は、前記水圧転写フィルムを、前記支持体フィルムが下となるように水面に浮かべ、該転写層が本発明で使用する活性化剤により活性化されている水圧転写フィルムの該転写層に、被転写体を押しつけながら該被転写体と該フィルムを水中に沈めていき水圧によって該転写層を該被転写体に密着させて転写した後、前記支持体フィルムを除去し、乾燥させる工程を有する。必要に応じて、乾燥後、光照射を行ってもよい。
本発明の水圧転写体の製造方法について説明する。
本発明の水圧転写体の製造方法は、前記水圧転写フィルムを、前記支持体フィルムが下となるように水面に浮かべ、該転写層が本発明で使用する活性化剤により活性化されている水圧転写フィルムの該転写層に、被転写体を押しつけながら該被転写体と該フィルムを水中に沈めていき水圧によって該転写層を該被転写体に密着させて転写した後、前記支持体フィルムを除去し、乾燥させる工程を有する。必要に応じて、乾燥後、光照射を行ってもよい。
(水)
水圧転写持に使用する水は、支持体フィルムを膨潤または溶解させる他、転写層を転写する際に水圧転写用フィルムを被転写体の三次元曲面に密着させる水圧媒体として働く。具体的には、水道水、蒸留水、イオン交換水などの水で良く、また用いる支持体フィルムによっては、水にホウ酸等の無機塩類やアルコール類を10%以内の範囲で溶解させたものでもよい。
水圧転写持に使用する水は、支持体フィルムを膨潤または溶解させる他、転写層を転写する際に水圧転写用フィルムを被転写体の三次元曲面に密着させる水圧媒体として働く。具体的には、水道水、蒸留水、イオン交換水などの水で良く、また用いる支持体フィルムによっては、水にホウ酸等の無機塩類やアルコール類を10%以内の範囲で溶解させたものでもよい。
(活性化)
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと該支持体フィルム上に設けた本発明の活性化剤に溶解可能な転写層を有する水圧転写用フィルムを、前記支持体フィルムを下にして水に浮かべた状態で前記転写層を活性化する。具体的には、水圧転写フィルムを、その支持体フィルムを下にし、転写層を上にして水槽中の水に浮かべ、前記支持体フィルムを水で溶解もしくは膨潤させた状態で、水圧転写用フィルムの転写層に活性化剤を塗布または噴霧することにより転写層を活性化させる。なお、転写層の活性化はフィルムを水に浮かべる前に行っても良い。本発明で使用する活性化剤の粘度が非常に低い場合は、水面に水圧転写フィルムを浮かべた後、活性化剤を散布して活性化させることが可能である。通常は、水面に浮かべる前に、塗布により活性化を行う。ここで言う活性化とは、転写層に活性化剤を塗布または散布することにより、転写層を完全には溶解せずに可溶化させ、転写層に柔軟性を付与することにより転写層の被転写体への追従性と密着性を向上させることを意味する。この活性化は転写層を水圧転写用フィルムから被転写体へ転写する際に、これらの転写層が柔軟化され、被転写体の三次元曲面へ十分に追従できる程度に行われれば良い。
水溶性もしくは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと該支持体フィルム上に設けた本発明の活性化剤に溶解可能な転写層を有する水圧転写用フィルムを、前記支持体フィルムを下にして水に浮かべた状態で前記転写層を活性化する。具体的には、水圧転写フィルムを、その支持体フィルムを下にし、転写層を上にして水槽中の水に浮かべ、前記支持体フィルムを水で溶解もしくは膨潤させた状態で、水圧転写用フィルムの転写層に活性化剤を塗布または噴霧することにより転写層を活性化させる。なお、転写層の活性化はフィルムを水に浮かべる前に行っても良い。本発明で使用する活性化剤の粘度が非常に低い場合は、水面に水圧転写フィルムを浮かべた後、活性化剤を散布して活性化させることが可能である。通常は、水面に浮かべる前に、塗布により活性化を行う。ここで言う活性化とは、転写層に活性化剤を塗布または散布することにより、転写層を完全には溶解せずに可溶化させ、転写層に柔軟性を付与することにより転写層の被転写体への追従性と密着性を向上させることを意味する。この活性化は転写層を水圧転写用フィルムから被転写体へ転写する際に、これらの転写層が柔軟化され、被転写体の三次元曲面へ十分に追従できる程度に行われれば良い。
活性化後、転写層を被転写体に転写する。具体的には、水圧転写用フィルムの転写層に被転写体を押しつけながら、被転写体と水圧転写用フィルムを水中に沈めて行き、水圧によって転写層を前記被転写体に密着させて転写する。
転写後、被転写体から前記支持体フィルムを除去する。具体的には、水から出した被転写体から支持体フィルムを除去し、乾燥させる。
被転写体からの支持体フィルムの除去は、従来の水圧転写方法と同様に水流で支持体フィルムを溶解もしくは剥離して除去する。
乾燥工程は、加熱乾燥であると、乾燥を短時間で行うことができ、且つ、活性化剤として使用する熱硬化性組成物も硬化させることができるので好ましい。この時の乾燥温度は、前記活性化剤の硬化温度範囲内であることが好ましく、具体的には、前記潜在性硬化剤の活性温度範囲内であることが好ましい。また、被転写体が耐熱温度の低いプラスチック等の場合には、被転写体の熱変形を引き起こさないように、基材の耐熱温度を超えない温度で行うのが好ましい。
乾燥工程時に加熱しない場合は、光照射後に後加熱を行うことも可能である。この場合も被転写体の熱変形を引き起こさないように、基材の耐熱温度を超えない温度で行うのが好ましい。これらは、オーブンや乾燥炉を使用することができる。
被転写体からの支持体フィルムの除去は、従来の水圧転写方法と同様に水流で支持体フィルムを溶解もしくは剥離して除去する。
乾燥工程は、加熱乾燥であると、乾燥を短時間で行うことができ、且つ、活性化剤として使用する熱硬化性組成物も硬化させることができるので好ましい。この時の乾燥温度は、前記活性化剤の硬化温度範囲内であることが好ましく、具体的には、前記潜在性硬化剤の活性温度範囲内であることが好ましい。また、被転写体が耐熱温度の低いプラスチック等の場合には、被転写体の熱変形を引き起こさないように、基材の耐熱温度を超えない温度で行うのが好ましい。
乾燥工程時に加熱しない場合は、光照射後に後加熱を行うことも可能である。この場合も被転写体の熱変形を引き起こさないように、基材の耐熱温度を超えない温度で行うのが好ましい。これらは、オーブンや乾燥炉を使用することができる。
使用する水圧転写フィルムが硬化性樹脂層を有する場合、あるいは、活性化剤として熱及び光硬化性組成物を使用する場合は、活性エネルギー線又は熱により光硬化性樹脂を硬化させる。この時使用する活性エネルギー線は、通常は可視光や紫外線を使用するのが好ましい。特に紫外線が好適である。紫外線源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が用いられる。
以下に、実施例をもって、本発明を具体的に説明するが、これらに何ら制限されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(製造例1)
アイセロ化学社製の厚さ30μmのPVAフィルムに、トップコート用の保護層として
アクリルラッカー「プラエース」(商品名、武蔵塗料株式会社製)と酢酸エチルとを1:1 で混合したものを直径12mm、線番#8のミヤバーを用いて全面均一に塗布し、常温雰囲気下で10分間自然乾燥した後、この上に、大日本インキ化学工業株式会社製AF−D(C)白および墨インキを用いて石目模様を描き、これを常温雰囲気下で20分間自然乾燥して、トップコート用の保護層と加飾用のインクパターンとが積層された水圧転写フィルムAを得た。
アイセロ化学社製の厚さ30μmのPVAフィルムに、トップコート用の保護層として
アクリルラッカー「プラエース」(商品名、武蔵塗料株式会社製)と酢酸エチルとを1:1 で混合したものを直径12mm、線番#8のミヤバーを用いて全面均一に塗布し、常温雰囲気下で10分間自然乾燥した後、この上に、大日本インキ化学工業株式会社製AF−D(C)白および墨インキを用いて石目模様を描き、これを常温雰囲気下で20分間自然乾燥して、トップコート用の保護層と加飾用のインクパターンとが積層された水圧転写フィルムAを得た。
(製造例2)
厚さ30μmの東洋紡製無延伸ポリプロピレンフィルム上に、グラビアインキAF−D(C)(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製)メジューム、白、墨インキを用いて、グラビア印刷にて5層構成を有する石目柄印刷フィルムP1を得た。
一方、下記組成の硬化性樹脂組成物(1)を、アイセロ化学社製の厚さ30μmのPVAフィルムに、リップコーターで固形分膜厚5μmになるように塗工し、次いで60℃で2分間乾燥してフィルムを製造した。このフィルムの硬化性樹脂層と、前述の印刷フィルムP1の装飾層を向き合わせて60℃でラミネートした。ラミネートしたフィルムをそのまま巻き取り水圧転写用フィルムBを製造した。
厚さ30μmの東洋紡製無延伸ポリプロピレンフィルム上に、グラビアインキAF−D(C)(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製)メジューム、白、墨インキを用いて、グラビア印刷にて5層構成を有する石目柄印刷フィルムP1を得た。
一方、下記組成の硬化性樹脂組成物(1)を、アイセロ化学社製の厚さ30μmのPVAフィルムに、リップコーターで固形分膜厚5μmになるように塗工し、次いで60℃で2分間乾燥してフィルムを製造した。このフィルムの硬化性樹脂層と、前述の印刷フィルムP1の装飾層を向き合わせて60℃でラミネートした。ラミネートしたフィルムをそのまま巻き取り水圧転写用フィルムBを製造した。
硬化性樹脂組成物(1)の組成
ユニディック17−813(大日本インキ化学工業(株)社製ポリウレタンポリ(メタ)クリレート(重量平均分子量:1,500、Tg−20℃(DSC法))を固形分換算にして50質量部、アクリペットVH(三菱レーヨン(株)社製の非重合性熱可塑アクリル樹脂(重量平均分子量:200,000、Tg:100℃))を50質量部、及びイルガキュア184(チバ・スペシャリティケミカルズ(株)社製の光重合開始剤)を1質量部からなる組成物に、MEK、酢酸ブチル、トルエン、及び酢酸エチルの混合溶剤を不揮発分30質量%となるように添加した組成物である。
ユニディック17−813(大日本インキ化学工業(株)社製ポリウレタンポリ(メタ)クリレート(重量平均分子量:1,500、Tg−20℃(DSC法))を固形分換算にして50質量部、アクリペットVH(三菱レーヨン(株)社製の非重合性熱可塑アクリル樹脂(重量平均分子量:200,000、Tg:100℃))を50質量部、及びイルガキュア184(チバ・スペシャリティケミカルズ(株)社製の光重合開始剤)を1質量部からなる組成物に、MEK、酢酸ブチル、トルエン、及び酢酸エチルの混合溶剤を不揮発分30質量%となるように添加した組成物である。
(実施例1)
表1記載の配合で調製した活性化剤C1を、水圧転写フィルムAを転写槽内に導入する直前にミヤバー塗布方法によって水圧転写フィルムAの印刷パターン上に固形分膜厚10μmに塗布し、活性化を行った。該水圧転写フィルムAを転写槽(水温30℃)の水面上に浮かばせ、転写層が活性化されたのち、ABS製の被転写体を押しつけながら該被転写体と該水圧転写フィルムAを水中に沈めていき水圧によって該転写層を該被転写体に密着させて転写させた。転写後、物品を水中から取り出した後、40℃温水にて水洗し、80℃で30分乾燥した。次にUV照射装置(出力160W/cm、5m/分のコンベア速度)に1回転写体を通すことにより、光沢のある硬化皮膜を有する水圧転写体を得た。
表1記載の配合で調製した活性化剤C1を、水圧転写フィルムAを転写槽内に導入する直前にミヤバー塗布方法によって水圧転写フィルムAの印刷パターン上に固形分膜厚10μmに塗布し、活性化を行った。該水圧転写フィルムAを転写槽(水温30℃)の水面上に浮かばせ、転写層が活性化されたのち、ABS製の被転写体を押しつけながら該被転写体と該水圧転写フィルムAを水中に沈めていき水圧によって該転写層を該被転写体に密着させて転写させた。転写後、物品を水中から取り出した後、40℃温水にて水洗し、80℃で30分乾燥した。次にUV照射装置(出力160W/cm、5m/分のコンベア速度)に1回転写体を通すことにより、光沢のある硬化皮膜を有する水圧転写体を得た。
(実施例2〜7)
使用する活性化剤、及び水圧転写フィルムを、表2に記載の組合せとした以外は実施例1と同様にして、水圧転写体を得た。
使用する活性化剤、及び水圧転写フィルムを、表2に記載の組合せとした以外は実施例1と同様にして、水圧転写体を得た。
(比較例1〜4)
使用する活性化剤、及び水圧転写フィルムを、表3に記載の組合せとした以外は実施例1と同様にして、水圧転写体を得た。
使用する活性化剤、及び水圧転写フィルムを、表3に記載の組合せとした以外は実施例1と同様にして、水圧転写体を得た。
液状エポキシ樹脂A:液状エポキシ樹脂(商品名「EPICLON830−S」、大日本インキ化学工業(株)製)
液状エポキシ樹脂B:脂環式液状エポキシ樹脂(商品名「YX8000」、ジャパン エポキシ レジン(株)製)
潜在性硬化剤A:「アミキュアMY−24」(商品名、味の素(株)製) 活性温度通常100℃ ゲルタイム80℃×55分
硬化促進剤:「HN−5500」(商品名、日立化成工業(株)製)
光重合性化合物A:「DICLITE UE−1860」(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
光重合性化合物B:ペンタエリスリトールヘキサアクリレート
消泡剤:「ST86PA」(商品名、東レ・ダウコーニング(株)製)
光重合開始剤:Irgacure184(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
光重合性組成物C:U V M A T − 0 0 0メジュウム(帝国インキ製造株式会社製)
光重合性組成物D:U V P A L − 0 0 0メジュウム(帝国インキ製造株式会社製)
液状エポキシ樹脂B:脂環式液状エポキシ樹脂(商品名「YX8000」、ジャパン エポキシ レジン(株)製)
潜在性硬化剤A:「アミキュアMY−24」(商品名、味の素(株)製) 活性温度通常100℃ ゲルタイム80℃×55分
硬化促進剤:「HN−5500」(商品名、日立化成工業(株)製)
光重合性化合物A:「DICLITE UE−1860」(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
光重合性化合物B:ペンタエリスリトールヘキサアクリレート
消泡剤:「ST86PA」(商品名、東レ・ダウコーニング(株)製)
光重合開始剤:Irgacure184(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
光重合性組成物C:U V M A T − 0 0 0メジュウム(帝国インキ製造株式会社製)
光重合性組成物D:U V P A L − 0 0 0メジュウム(帝国インキ製造株式会社製)
得られた水圧転写体については、以下の評価項目により評価を行った。結果を表2に示す。
(水圧転写性)
実施例、比較例で行った水圧転写において、表面欠陥がなく、柄の再現性が良好なものを○、著しい表面欠陥や、柄の崩れを生じたものは×とした。
実施例、比較例で行った水圧転写において、表面欠陥がなく、柄の再現性が良好なものを○、著しい表面欠陥や、柄の崩れを生じたものは×とした。
(表面光沢評価)
JIS-K5400「7.6鏡面光沢度」に従い、20度ならびに60度鏡面光沢度を測定した。
JIS-K5400「7.6鏡面光沢度」に従い、20度ならびに60度鏡面光沢度を測定した。
(鉛筆硬度)
JIS-K5401「塗膜用鉛筆引き掻き試験機」を用いて塗膜の鉛筆硬度を測定した。芯の長さは3mm塗膜綿との角度45度、荷重1Kg、引き掻き速度0.5mm/分、引き掻き長さ3mm、使用鉛筆は三菱ユニとした。
JIS-K5401「塗膜用鉛筆引き掻き試験機」を用いて塗膜の鉛筆硬度を測定した。芯の長さは3mm塗膜綿との角度45度、荷重1Kg、引き掻き速度0.5mm/分、引き掻き長さ3mm、使用鉛筆は三菱ユニとした。
(密着性)
ABS樹脂板(平板:100mm×100mm×3mm)に水圧転写したサンプルについて、碁盤目テープ法(JIS K5400) に準じてインキ密着性を評価(10点満点)した。
ABS樹脂板(平板:100mm×100mm×3mm)に水圧転写したサンプルについて、碁盤目テープ法(JIS K5400) に準じてインキ密着性を評価(10点満点)した。
(耐候性試験)
水圧転写したサンプルをダイプラ・ウィンテス社製「メタルウェザー」試験装置を用いて、プラックパネル温度:63±3℃、スプレー水有りで100時間保持し、次いで水圧転写体の表面状態を目視観察して、次に示す4段階にて評価した。
◎:フクレが全く認められなかった。
○:フクレとは断定できないが、何らかの外観異常が観察された
△:ルーペ(倍率5倍)観察で微細なフクレが観察された
×:肉眼でフクレが観察された
水圧転写したサンプルをダイプラ・ウィンテス社製「メタルウェザー」試験装置を用いて、プラックパネル温度:63±3℃、スプレー水有りで100時間保持し、次いで水圧転写体の表面状態を目視観察して、次に示す4段階にて評価した。
◎:フクレが全く認められなかった。
○:フクレとは断定できないが、何らかの外観異常が観察された
△:ルーペ(倍率5倍)観察で微細なフクレが観察された
×:肉眼でフクレが観察された
(耐候性試験後の光沢保持率)
水圧転写したサンプルをダイプラ・ウィンテス社製「メタルウェザー」試験装置を用いて、プラックパネル温度:63±3℃、スプレー水有りで100時間保持し、次いで光沢計で
60度グロスを測定して熱水処理前後での光沢保持率を算出した。
水圧転写したサンプルをダイプラ・ウィンテス社製「メタルウェザー」試験装置を用いて、プラックパネル温度:63±3℃、スプレー水有りで100時間保持し、次いで光沢計で
60度グロスを測定して熱水処理前後での光沢保持率を算出した。
(耐候性試験後の密着性)
水圧転写したサンプルをダイプラ・ウィンテス社製「メタルウェザー」試験装置を用いて、プラックパネル温度:63±3℃、スプレー水有りで100時間保持し、次いで塗膜にカッターで1×1mmの碁盤目を100個つくり、その部分に粘着テープを貼った後、この粘着テープを急速に剥離し、塗膜の剥離状態を目視により観察して、次に示す3段階にて評価した。
水圧転写したサンプルをダイプラ・ウィンテス社製「メタルウェザー」試験装置を用いて、プラックパネル温度:63±3℃、スプレー水有りで100時間保持し、次いで塗膜にカッターで1×1mmの碁盤目を100個つくり、その部分に粘着テープを貼った後、この粘着テープを急速に剥離し、塗膜の剥離状態を目視により観察して、次に示す3段階にて評価した。
◎:剥離が全く認められなかった。
○:全体の1〜30%が剥離した。
×:全体の31〜100%が剥離した。
○:全体の1〜30%が剥離した。
×:全体の31〜100%が剥離した。
(耐温水性試験)
水圧転写したサンプルを温水(水温60℃)中で100時間それぞれ保持し、次いで水圧転写体の表面状態を目視観察して、次に示す4段階にて評価した。
◎:フクレが全く認められなかった。
○:フクレとは断定できないが、何らかの外観異常が観察された
△:ルーペ(倍率5倍)観察で微細なフクレが観察された
×:肉眼でフクレが観察された
水圧転写したサンプルを温水(水温60℃)中で100時間それぞれ保持し、次いで水圧転写体の表面状態を目視観察して、次に示す4段階にて評価した。
◎:フクレが全く認められなかった。
○:フクレとは断定できないが、何らかの外観異常が観察された
△:ルーペ(倍率5倍)観察で微細なフクレが観察された
×:肉眼でフクレが観察された
(耐温水性試験後の光沢保持率)
水圧転写したサンプルを温水(水温60℃)中で100時間保持し、次いで光沢計で60度グロスを測定して熱水処理前後での光沢保持率を算出した。
水圧転写したサンプルを温水(水温60℃)中で100時間保持し、次いで光沢計で60度グロスを測定して熱水処理前後での光沢保持率を算出した。
(耐温水性試験後の密着性)
水圧転写したサンプルを温水(水温60℃)中で100時間保持し、次いで塗膜にカッターで1×1mmの碁盤目を100個つくり、その部分に粘着テープを貼った後、この粘着テープを急速に剥離し、塗膜の剥離状態を目視により観察して、次に示す3段階にて評価した。
水圧転写したサンプルを温水(水温60℃)中で100時間保持し、次いで塗膜にカッターで1×1mmの碁盤目を100個つくり、その部分に粘着テープを貼った後、この粘着テープを急速に剥離し、塗膜の剥離状態を目視により観察して、次に示す3段階にて評価した。
◎:剥離が全く認められなかった。
○:全体の1〜30%が剥離した。
×:全体の31〜100%が剥離した。
○:全体の1〜30%が剥離した。
×:全体の31〜100%が剥離した。
この結果、比較例1〜4は耐温水性、及び耐温水性試験後の密着性が低下し、装飾層と被転写体との密着性が低いことがうかがえる。
Claims (5)
- 水溶性樹脂もしくは水膨潤性樹脂からなる支持体フィルムと該支持体フィルム上に設けた有機溶剤に溶解可能な転写層を有し、前記支持体フィルムが下となるように水面に浮かべられ、該転写層が活性化剤により活性化されている水圧転写フィルムの該転写層に、被転写体を押しつけながら該被転写体と該フィルムを水中に沈めていき水圧によって該転写層を該被転写体に密着させて転写した後、前記支持体フィルムを除去し、乾燥させて得る水圧転写体の製造方法であって、前記活性化剤が、熱硬化性組成物又は熱及び光を併用する硬化性組成物からなることを特徴とする水圧転写体の製造方法。
- 前記乾燥温度が、前記活性化剤の硬化温度範囲内である、請求項1に記載の水圧転写体の製造方法。
- 前記活性化剤が熱及び光を併用する硬化性組成物であり、乾燥させた後光照射する、請求項1に記載の水圧転写体の製造方法。
- 前記水圧転写フィルムの転写層が、熱硬化性組成物又は熱及び光を併用する硬化性組成物、及び装飾層を有する転写層である、請求項1に記載の水圧転写体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られる水圧転写体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006108650A JP2007276391A (ja) | 2006-04-11 | 2006-04-11 | 水圧転写体の製造方法、及び水圧転写体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019504176A (ja) * | 2015-12-09 | 2019-02-14 | ペイント・アンド・エアゾール・コンサルタンシー | エアゾール配合物及び2成分エアゾール配合物において硬化剤前駆体から硬化剤化合物が生成するのを防止するための方法 |
JP2021507838A (ja) * | 2017-12-25 | 2021-02-25 | クンシャン レン チュアン レーザー テクノロジー カンパニー リミテッド | 環境保護タイプの水転写印刷プロセス及び相応の部材の表面構造 |
-
2006
- 2006-04-11 JP JP2006108650A patent/JP2007276391A/ja active Pending
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