JP2009233866A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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渉 小野
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Abstract

【課題】印画後のインクジェット記録媒体を重ねて放置した場合の画像の色変化を抑制可能なインクジェット記録媒体の提供。
【解決手段】支持体上に、シラノール変性ポリビニルアルコールと気相法シリカとポリ水酸化アルミニウムとを含む中間層と、無機微粒子と水溶性樹脂と水溶性多価金属化合物とを含むインク受容層とをこの順に少なくとも有するインクジェット記録媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録媒体に関する。
近年の情報技術産業の急速な発展に伴ない、種々の情報処理システムが開発されると共に、各々の情報処理システムに適した記録方法及び記録装置も実用化されている。これらの中でも、インクジェット記録方法は、多種の被記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価でコンパクトであること、静粛性に優れること等の利点から広く利用されるようになっている。そして、インクジェット記録方法を利用した記録では、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になってきている。
インクジェット記録用の記録媒体は一般に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこと)、(2)ドット径が適正で均一であること(滲みのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)画像部の耐水性や耐光性、耐オゾン性が良好なこと、(8)白色度が高いこと、(9)保存安定性が高いこと(長期保存で黄変着色や画像の滲みのないこと)、(10)変形しにくく寸法安定性が良好であること(低カールであること)、(11)ハード走行性が良好なこと等の特性を持つことが求められている。
上記に鑑み、近年ではインクを受容する層が多孔質構造を有する記録媒体が実用化されている。これによれば、速乾性に優れ、高い光沢が得られるとされている。
インクジェット記録媒体に関する発明として、色域再現範囲が広く、色安定性に優れるインクジェット用記録媒体の提供を目的として、支持体の少なくとも片面上にインク受容層が設けられているインクジェット用記録媒体において、インク受容層は支持体上に少なくとも中間層と染料定着層とをこの順に設けて構成され、染料定着層は少なくともカチオン性乾式シリカと酢酸ジルコニウムと結着剤とから構成されていることを特徴とするインクジェット用記録媒体が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、塗層強度、インク吸収性、塗布ムラの良好なインクジェット記録用紙を提供することを目的として、支持体上に少なくとも1層以上のインク受理層を有するインクジェット記録用紙において、該インク受理層が無機超微粒子、ケン化度99%未満のポリビニルアルコールおよびケン化度95%未満のシラノール変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とするインクジェット記録用紙が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、インクの吸収性に優れ、かつ、銀塩写真用印画紙並の光沢度と、写像性が得られる、ボコツキのないインクジェット記録材料を提供することを目的として、紙基材上に、顔料と接着剤を主成分としたインク受理層を3層以上順次設けたインクジェット記録材料であって、紙基材に最も近い最下層の顔料が、吸油量が70ml/100g以下であり、中間層の顔料が吸油量150ml/100g以上であり、紙基材から最も遠い最上層の顔料が、平均粒子径が500nm以下の無機超微粒子であり、かつ最上層がキャスト処理法により形成された層であることを特徴とするインクジェット記録材料が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2005−35215号公報 特開2003−291502号公報 特開2005−280309号公報
インクジェット記録方法により画像を複数枚連続してプリントする際には、画像の印画後にインクジェット記録媒体が重ねて放置される場合がある。しかし、印画後のインクジェット記録媒体を重ねて放置すると、重ねた部分の色が変化するという問題が生ずる場合がある。
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、印画後のインクジェット記録媒体を重ねて放置した場合の画像の色変化を抑制可能なインクジェット記録媒体を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 支持体上に、シラノール変性ポリビニルアルコールと気相法シリカとポリ水酸化アルミニウムとを含む中間層と、無機微粒子と水溶性樹脂と水溶性多価金属化合物とを含むインク受容層とをこの順に少なくとも有するインクジェット記録媒体である。
<2> 前記インク受容層に含まれる水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールである<1>に記載のインクジェット記録媒体である。
<3> 前記インク受容層に含まれる水溶性多価金属化合物が、ポリ水酸化アルミニウム及び炭酸ジルコニウムアンモニウムである<1>又は<2>に記載のインクジェット記録媒体である。
本発明によれば、印画後のインクジェット記録媒体を重ねて放置した場合の画像の色変化を抑制可能であり、印画濃度の高いインクジェット記録媒体が提供される。
以下、本発明のインクジェット記録媒体について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録媒体は、支持体上に、シラノール変性ポリビニルアルコールと気相法シリカとポリ水酸化アルミニウムとを含む中間層と、無機微粒子と水溶性樹脂と水溶性多価金属化合物とを含むインク受容層とをこの順に少なくとも有するものであり、必要に応じて支持体上にその他の層を有していてもよい。
<インク受容層>
本発明に係るインク受容層は、無機微粒子と水溶性樹脂と水溶性多価金属化合物とを少なくとも含むものであり、必要に応じて架橋剤、界面活性剤、媒染剤等の添加剤を含有することができる。
−無機微粒子−
本発明に係るインク受容層は無機微粒子を含有する。本発明における無機微粒子とは、一次粒子径が100nm以下の無機微粒子を言う、例えば、特開平1−97678号公報、同2−275510号公報、同3−281383号公報、同3−285814号公報、同3−285815号公報、同4−92183号公報、同4−267180号公報、同4−275917号公報などに提案されている擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されているような、超微粒子シリカを高速ホモジナイザーで分散したようなシリカゾル、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができる。
本発明には、市販の無機微粒子も好適に用いることができる。以下にその一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、アルミナ水和物としては、カタロイドAS−1、カタロイドAS−2、カタロイドAS−3(以上、触媒化学工業製)アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(以上、日産化学工業製)、M−200(以上、水澤化学工業製)、アルミゾル10、アルミゾル20、アルミゾル132、アルミゾル132S、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA55、アルミゾルSV102、アルミゾルSB52(以上、川研ファインケミカル製)、また、コロイダルシリカとしては、スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40、スノーテックスS、スノーテックスO、スノーテックスC、スノーテックスN、スノーテックス20L、スノーテックスUP、スノーテックスOL、スノーテックスAK、スノーテックスPST−1、スノーテックスK、スノーテックスXS、スノーテックスSS、スノーテックスXL、スノーテックスYL、スノーテックスZL、スノーテックスPST−1、スノーテックスPST−3、スノーテックスPST−5、MA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、ETC−ST、DMAC−ST(以上、日産化学工業製)、カタロイドS−20L、カタロイドS−20H、カタロイドS−30L、カタロイドS−30H、カタロイドSI−30、カタロイドSI−40、カタロイドSI−50、カタロイドSI−350、カタロイドSI−45P、カタロイドSI−80P、カタロイドSN、カタロイドSA、カタロイドSB、USB−1、USB−2、USB−3、OSCAL1132、OSCAL1232、OSCAL1332、OSCAL1432、OSCAL1532、OSCAL1622、OSCAL1722(以上、触媒化成工業製)、シリカ/アルミナハイブリッゾゾルとしては、スノーテックスUP−AK1、スノーテックスUP−AK2、スノーテックスUP−AK3(以上、日産化学工業製)、酸化アンチモンゾルとしては、A−1530、A−1550、A−2550(以上、日産化学工業製)、リチウムシルケートとしては、リチウムシリケート35、リチウムシリケート45、リチウムシリケート75(以上、日産化学工業製)などを挙げることができる。
これらの無機微粒子の中でも特に、コロイダルシリカ或は気相法シリカを好適に用いることができる。
無機微粒子の一つであるコロイダルシリカの形状は、一般的に球状または球状に近い形状をしている。本発明に係わるコロイダルシリカは、小さいシリカ粒子が鎖状に連結した細長い形状、または三次元網目構造を有している非球状のものが好ましい。細長い形状の粒子とは三次元方向には伸長を有さず、同一平面内に伸長したものをいう。細長い形状の粒子には、ほぼ真っ直ぐなもの、屈曲しているもの、分枝を有するもの、環を有するもの等が含まれる。これに対し、三次元網目構造を有する粒子とは、これら細長い形状の粒子が文字通り三次元的に絡まった網目状構造を有するものを指す。
本発明に好ましく使用されるこれら非球状のシリカ粒子は種々の方法によって得られ、本発明においては、いかなる方法によって得られたものであっても、シリカ粒子が非球状を有していれば本発明に好ましく用いることができる。非球状のシリカ粒子の形成方法として、例えば一般的な水ガラスからアルカリ分を除去して活性珪酸とし、非球状(鎖状)に連結するように2価以上の陽イオンを加えて粒子を成長させることにより得られる。
ここで活性珪酸とは、珪酸及び粒子径3nm未満の珪酸の重合体が共存するコロイド粒子であり、公知の方法で容易に得られる。好ましい活性珪酸のコロイド水溶液は、水溶性珪酸塩、例えばSiO/MO(但し、Mはアルカリ金属原子を示す)モル比が1〜4.5程度の水ガラスの希釈液を陽イオン交換処理することにより得られ、SiO換算で通常6質量%以下、好ましくは1〜6質量%含有し、通常pH5以下、好ましくは2〜5であるものが用いられる。このpHは、上記水ガラス希釈液を陽イオン交換処理する際、その中の陽イオンの一部分を残存させることによっても、あるいはその中の陽イオンの全部または一部分を除いた後に得られた活性珪酸のコロイド水溶液に少量のアルカリ金属酸化物、水溶性有機塩基等を加えることによっても容易に調製することができる。この活性珪酸のコロイド液は不安定であって、ゲル化しやすい性質を有するので、このゲル化を促進するがごとき不純物をなるべく含有しないものが好ましく、また調製直後のものが好ましい。さらに好ましい活性珪酸のコロイド水溶液は、SiO/NaOモル比が2〜4程度の市販工業製品であるナトリウム水ガラスの希釈水溶液を水素型陽イオン交換樹脂を通過させることにより得られる。
この活性珪酸のコロイド水溶液に、非球状(鎖状)に連結するように2価以上の陽イオンを加えて粒子を成長させる。2価以上の陽イオンとしては、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンが好ましく、カルシウム塩、マグネシウム塩、またはそれらの混合物の形態で、水溶液として添加することが好ましい。このカルシウム塩、マグネシウム塩、またはそれらの混合物の総量としては、上記活性珪酸に対し、それぞれの酸化物として換算した重量比[(CaO+MgO)/SiO]では1500〜25000ppm、細長い粒子の場合は特に1500〜8500ppmとなる量が好ましい。
また、これらの塩の添加は活性珪酸のコロイド液の攪拌下に行うのが良く、その場合の混合温度及び時間には特に制限はないが、2〜50℃で5〜30分程度が好ましい。加えられるカルシウム塩及びマグネシウム塩の例としては、カルシウムまたはマグネシウムの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、蟻酸塩、及び酢酸塩等の無機酸塩及び有機酸塩が挙げられる。これらカルシウム塩とマグネシウム塩は混合して用いても良い。また、これらの塩の添加時の濃度としては特に制限はなく、2〜20質量%程度で良い。
これらカルシウム塩及びマグネシウム塩等と共にカルシウム及びマグネシウム以外の多価金属成分が上記活性珪酸のコロイド液に含まれていると、さらに好ましくシリカゾルを製造することができる。このカルシウム及びマグネシウム以外の多価金属の例としては、Sr、Ba、Zn、Sn、Pb、Cu、Fe、Ni、Co、Mn、Al、Cr、Y、及びTi等の2価、3価または4価の金属が挙げられる。これら多価金属成分の量としては、カルシウム塩及びマグネシウム塩の量をそれぞれCaO及びMgOの量に換算した時、これらCaO及びMgOに対し、多価金属酸化物として10〜80質量%程度が好ましい。
上記水ガラスの希釈溶液を陽イオン交換処理することによって得られた活性珪酸のコロイド液に上記多価金属分が残留している場合には、この多価金属分は上記10〜80質量%の一部として算入する。残部の多価金属分は、上記多価金属の水溶液として、加えられるカルシウム塩及びマグネシウム塩等と一緒に加えるのが好ましい。この多価金属の好ましい例としては、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、蟻酸塩、及び酢酸塩等の無機酸塩や有機酸塩が挙げられる。また、亜鉛酸塩、錫酸塩、アルミン酸塩、及び鉛酸塩等、例えば、アルミン酸ナトリウム、錫酸ナトリウム等の塩も用いることができる。加えられる上記カルシウム塩、マグネシウム塩、及び多価金属塩等は、活性珪酸のコロイド液と均一に混合するのが好ましく、通常、水溶液として添加される。
上記の工程によって得られた水性液に、アルカリ金属水酸化物、水溶性有機塩基、またはそれらの水溶性珪酸塩を加える。この添加は、上記工程の終了後なるべく早く、そして攪拌下に行うのが好ましい。またこれらの混合の温度及び時間には特に制限はないが、2〜50℃で5〜30分程度が好ましい。加えられるアルカリ金属水酸化物、水溶性有機塩基、またはそれらの水溶性珪酸塩は、上記工程によって得られた水性液と均一に混合されるのが好ましく、直接または水溶液として添加される。
アルカリ金属水酸化物としては、例えば、ナトリウム、カリウム、及びリチウム等の水酸化物が挙げられる。有機塩基としては、例えば、テトラエタノールアンモニウム水酸化物、モノメチルトリエタノールアンモニウム水酸化物、テトラメチルアンモニウム水酸化物等の第4級アンモニウム水酸化物類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、及びモルホリン等のアミン類、その他塩基性窒素原子含有の有機化合物等が挙げられる。また、それらの水溶性珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、上記第4級アンモニウムの珪酸塩、上記アミンの珪酸塩等が例示される。
さらに、アルカリ金属または有機塩基のアルミン酸塩、蟻酸塩、亜鉛酸塩、及び鉛酸塩等も用いることができる。これらアルカリ金属水酸化物、有機塩基、珪酸塩、及び金属酸塩等は混合して用いても良い。上記アルカリ金属水酸化物のアルカリ金属原子または有機塩基の分子をMで表せば、加えられるアルカリ金属水酸化物、有機塩基またはそれらの水溶性珪酸塩の量は、活性珪酸に由来するシリカ分及び珪酸塩のシリカ分の合計をSiOとして、SiO/MOが20〜200、好ましくは60〜100のモル比となる量が良い。この添加によって、液はpH7〜10程度を示すに至る。
以上の工程により得られた混合物を60〜300℃で30分〜40時間、好ましくは90〜150℃で2〜12時間加熱することによりSiO濃度1〜6質量%の非球状の形状を有するシリカゾルが得られる。所望によりこのゾルを濃縮することにより、より高濃度なゾルが得られる。尚、上記の方法によって得られた非球状のシリカ粒子は、動的光散乱法により測定した二次粒子径が40〜300nmの範囲であり、電子顕微鏡観察によると5〜40nmの太さで一平面内または三次元的に成長した形状を有している。
本発明に係わる非球状のシリカ粒子は、少なくとも本発明のインクジェット記録媒体におけるインク受容層を形成するための塗布液において、非球状の形状で存在していれば良く、インク受容層用塗布液の調液に先だって、上記の方法を含めて本発明に係わる非球状のシリカ粒子を調製し、これを用いてインク受容層用塗布液を調製しても良いし、インク受容層用塗布液調液時に、塗布液中で上記の方法を含めて本発明に係わる非球状のシリカ粒子を調製しつつ塗布液を調液しても良い。塗布液調液前に予め本発明に係わる非球状のシリカ粒子を用意しておくのであれば、市販のものも用いることができる。市販の非球状のシリカ粒子の例としては、日産化学工業製スノーテックスUP、及びスノーテックスOUP等が挙げられる。
コロイダルシリカ以外のシリカ微粒子は、乾量基準でSiO93%以上、Al約5%以下、NaO約5%以下から構成される微粒子であり、いわゆるホワイトカーボン、シリカゲルや微粉末シリカなどの非晶性シリカがある。非晶性シリカ微粒子の製造方法としては、液相法、粉砕固相法、晶析固相法および気相法がある。液相法とは、いわゆる液中に存在する珪酸化合物等を、化学変化または物理変化によって固体状態に析出させる微粒子製造方法である。粉砕固相法とはシリカ固体を機械的に粉砕する方法であり、晶析固相法とは溶融や固体の相転移などを利用した微粒子製造方法である。気相法とは、揮発性金属化合物の蒸気の熱分解や、原材料の加熱、蒸発、生成した気相種の冷却、凝縮による微粒子製造方法である。
本発明で使用するシリカ微粒子は、上記の内、気相法により合成された非晶性シリカ微粒子(気相法シリカ)である。中でも平均一次粒子径が3nm〜100nmの超微粒子状シリカが好ましい。特に好ましい一次粒子径は4nm〜50nmのものである。またこれらが連結した二次粒子としては、10nm〜200nm、より好ましくは15nm〜100nmにするのがよい。この気相法により合成された非晶性シリカ微粒子として市販されている製品としては、アエロジル(テグサ社)が該当する。
本発明で使用する気相法シリカ微粒子ゾルは、上記の一次粒子径をもつシリカ微粒子を水に添加し、高速ホモジナイザー等で分散して平均二次粒子径が400nm以下、好ましくは200nm以下にまで分散したものである。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、下記の一般式により表すことができる。
Al・nH
アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
アルミナ水和物が十分なインク吸収速度を有するには、アルミナ水和物の平均細孔半径が1乃至10nmであることが好ましく、特に、3乃至7nmであることが好ましい。細孔半径が小さすぎるとインクの吸収が困難となり、細孔半径が大きすぎると、インク中の染料の定着が悪くなり画像の滲みが発生する。
アルミナ水和物が十分なインク吸収容量を有するには、アルミナ水和物の細孔容積が0.3乃至0.8ml/gの範囲であることが好ましく、特に、0.4乃至0.6ml/gの範囲であることが好ましい。インク受容層の細孔容積が大きい場合にはインク受容層にひび割れや粉落ちが発生し、細孔容積が小さい場合にはインクの吸収が遅くなる。更に、単位面積当たりのインク受容層の溶媒吸収量は5ml/m以上、特に10ml/m以上であることが好ましい。単位面積当たりの溶媒吸収量が小さい場合には、特に多色印刷を実施した場合にインクが溢れることがある。
アルミナ水和物がインク中の染料を十分に吸収し、定着するにはBET比表面積が70乃至300m/gの範囲であることが好ましい。BET比表面積が小さすぎると細孔径分布が大きい方へ片寄って、インク中の染料の定着効率が悪くなり、画像の滲みが発生する。逆に、BET比表面積が大きすぎるとアルミナ水和物の分散が困難となる。
本発明に用いられるアルミナ水和物の形状は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでもよく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状である。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比3〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6である。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等しい円の直径を表す。アスペクト比が上記の範囲より小さい場合は、インク受容層の細孔径分布が狭くなり、インク吸収性が低下する。一方アスペクト比が上記の範囲を超える場合は、粒子を揃えてアルミナ水和物を製造することが困難となる。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
アルコキシドからアルミナ水和物を得る方法としては、特開昭57−88074号公報、同62−56321号公報、特開平4−275917号公報、同6−64918号公報、同7−10535号公報、同7−267633号公報、米国特許第2,656,321号明細書等にアルミニウムアルコキシドを加水分解する方法として開示されている。これらのアルミニウムアルコキシドとしてはイソプロポキシド、2−ブトキシド等が挙げられる。
また、特開昭54−116398号公報、同55−23034号公報、同55−27824号公報、同56−120508号公報には、アルミニウムの無機塩またはその水和物を原料として使用する方法が開示されている。原料としては、例えば塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アンモニウムミョウバン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、水酸化アルミニウム等の無機塩およびその水和物を挙げることができる。
更に別の方法として、特開昭56−120508号公報に記載されている如き、pHを酸性側乃至塩基性側に交互に変動させ、アルミナ水和物の結晶を成長させる方法、特公平4−33728号公報に記載されている如き、アルミニウムの無機塩から得られるアルミナ水和物と、バイヤー法で得られるアルミナとを混合し、アルミナを再水和する方法もある。
本発明においてγ型酸化アルミニウム微粒子は、酸化アルミニウムのγ型結晶であり、結晶学的に分類すると、さらにγグループとδグループに分けることができる。δグループの結晶形態を有する微粒子の方が好ましい。
γ型結晶微粒子のアルミナは、1次粒子の平均粒子径を10nm程度にまで小さくすることが可能であるが、一般に、1次粒子は2次凝集形態(以下、2次粒子と記す)を形成して、数千から数万nmにまで粒子径が大きくなる。このような大粒子径のγ型アルミナ結晶微粒子を使用すると、インク受容層の印字性、吸収性は良好であるものの、透明性に欠け、塗膜欠陥が発生しやすくなる。一次粒子の平均粒子径は、80nm未満であることが好ましい。80nm以上の一次粒子からなる2次粒子を使用すると、脆弱性が増し、塗膜欠陥が非常に発生しやすくなる。
γ型アルミナ結晶微粒子ゾルを得るには、通常、数千から数万nmの2次粒子となっているγ型アルミナ結晶をビーズミルや超音波ホモジナイザー、高圧式ホモジナイザー等の粉砕手段によって、平均粒子径が200nm以下、好ましくは100nm以下の超微粒子になるまで粉砕する。平均粒子径が200nmを越えると、インク吸収性は増加するが、被膜が脆く、透明性が低下する。粉砕手段としては、超音波ホモジナイザーや高圧式ホモジナイザーを用いる方法が好ましく、ビーズミル等の他の粉砕方法では、γ型アルミナ結晶が硬い結晶であるために、粉砕容器から異物が混入しやすく、透明性の低下や欠陥の発生の原因となる。γ型アルミナ結晶微粒子は、インク吸収性に優れ、乾燥性、インク定着性等の印字品質もよく、超微粒子化することで、高比率でインク受容層に含有させても透明性に優れたインクジェット記録媒体を得ることができる。
γ型アルミナ結晶微粒子は、市販品として、δグループに属する酸化アルミニウムC(日本アエロジル(株)製)、γグループに属するAKP−G015(住友化学(株)製)などとして入手できる。
本発明に用いられる無機微粒子としては、空隙率の高い三次元構造を形成するのに適しているため、気相法シリカが特に好ましい。
−水溶性樹脂−
本発明に係るインク受容層は水溶性樹脂を含有する。水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等も挙げることができる。また、水溶性樹脂は単独で用いるほか、二種以上を併用することもできる。
上記の中でも、層の透明性や塗布形成性の観点から、気相法シリカと組み合わせる水溶性樹脂の種類が重要となり、特にポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。
前記ポリビニルアルコールの例としては、特公平4−52786号、特公平5−67432号、特公平7−29479号、特許第2537827号、特公平7−57553号、特許第2502998号、特許第3053231号、特開昭63−176173号、特許第2604367号、特開平7−276787号、特開平9−207425号、特開平11−58941号、特開2000−135858号、特開2001−205924号、特開2001−287444号、特開昭62−278080号、特開平9−39373号、特許第2750433号、特開2000−158801号、特開2001−213045号、特開2001−328345号、特開平8−324105号、特開平11−348417号等に記載のものが挙げられる。
中でも特に、鹸化度が90%以上のもの、更には95%以上のポリビニルアルコールが好ましい。前記鹸化度が90%未満であると、インク受容層形成用の塗布液の粘度が高く塗布が困難となり、層形成できなくなることがある。
前記ポリビニルアルコール(PVA)は、ひび割れ防止の観点から、数平均重合度が1800以上が好ましく、2000以上がより好ましい。また、シリカ微粒子と組合わせる場合には、透明性の観点から水溶性樹脂の種類が重要となる。特に気相法シリカを用いる場合、水溶性樹脂としてPVAを用いるのが好ましく、中でも鹸化度70〜99%のPVAがより好ましい。
前記ポリビニルアルコール(PVA)には、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコールおよびその他ポリビニルアルコールの誘導体が含まれる。ポリビニルアルコールは一種単独でもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記ポリビニルアルコール系樹脂はその構造単位に水酸基を有するが、この水酸基と前記気相法シリカの表面シラノール基とが水素結合を形成するため、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖単位とした三次元網目構造を形成し易くなる。この三次元網目構造の形成によって、空隙率が高く充分な強度の多孔質構造のインク受容層を形成できると考えられる。上記のように、多孔質に構成されたインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収でき、インク滲みのない真円性の良好なドットを形成することができる。
水溶性樹脂のインク受容層における含有量としては、該層の固形分(質量)に対して、9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%がより好ましい。
なお、インク受容層は上記の無機微粒子および水溶性樹脂で主に構成され、該無機微粒子および水溶性樹脂はそれぞれ単一素材でも複数素材の混合系でもよい。水溶性樹脂において、上記のポリビニルアルコール系樹脂と共にそのほかの前記水溶性樹脂を併用した混合系とする場合、水溶性樹脂の全質量に占めるポリビニルアルコール系樹脂の量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
また、インク受容層には水溶性樹脂として後述の中間層に用いるシラノール変性ポリビニルアルコールを添加しても良い。ただし、印画濃度の点で添加量は無機微粒子に対して5質量%以下が好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、添加しないのが最も好ましい。
−水溶性多価金属化合物−
本発明に係るインク受容層は、印画後のインクジェット記録媒体を重ねて放置した場合の画像の色変化を抑制するために水溶性多価金属化合物を含有する。
水溶性多価金属化合物は、以下の範囲で含有することが望ましい。すなわち、上述の無機微粒子(質量)に対して、20〜40質量%が好ましい。該含有量がこの範囲にあると、ゼータ電位ζが60mV以上の分散安定な電位領域にある分散液を調製することができる。一方、この含有量が20質量%未満であると、分散液のゼータ電位ζは低下して分散状態が不安定となり凝集し易くなることがあり、40質量%を超えると、非画像部となる地肌部が曝光や加熱の影響を受けて黄変して白色度が低下する等の他の弊害を生ずることがある。
前記水溶性多価金属化合物としては、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。
具体例としては、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酪酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、シュウ酸バリウム、ナフトレゾルシンカルボン酸バリウム、酪酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、酪酸銅(II)、シュウ酸銅、フタル酸銅、クエン酸銅、グルコン酸銅、ナフテン銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、酢酸コバルト(II)、ナフテン酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、スルファミン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸ニッケル、
硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、塩基性チオグリコール酸アルミニウム、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、クエン酸鉄(III)、乳酸鉄(III)三水和物、三シュウ酸三アンモニウム鉄(III)三水和物、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、酢酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物、等が挙げられる。これらの水溶性多価金属化合物は、一種単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。
また、本発明に係る水溶性多価金属化合物における「水溶性」とは、20℃の水に1質量%以上溶解することを意味する。
前記水溶性多価金属化合物の中でも、アルミニウムもしくは周期律表4A族(18族長周期表4族)金属元素(例えばジルコニウム、チタン)を含む化合物が好ましい。特に好ましくは、水溶性アルミニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物としては、例えば、無機塩として塩化アルミニウム又はその水和物、硫酸アルミニウム又はその水和物、アンモニウムミョウバン等、また更に無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましいものとして挙げられる。
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物は、主成分が下記の一般式1、2又は3で表され、例えば、[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等の、塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n …一般式1
[Al(OH)AlCl …一般式2
Al(OH)Cl(3n−m)〔0<m<3n〕 …一般式3
また、これらの市販品として、例えば、多木化学(株)製のポリ塩化アルミニウム(PAC)、水処理剤PAC#1000、タキバイン#1500、グレースジャパン(株)製のサイロジェットA200、(株)理研グリーン製のHAP−25、その他メーカー製の同様の目的で提供されている市販品から各種グレードの物を容易に入手することができる。
上記の周期表4A族元素を含む化合物としては、チタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物がより好ましい。チタンを含む水溶性化合物としては、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。ジルコニウムを含む水溶性化合物としては、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、乳酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が挙げられる。
本発明においては、水溶性多価金属化合物としてポリ水酸化アルミニウム及び炭酸ジルコニウムアンモニウムをインク受容層に含むことが印画後のインクジェット記録媒体を重ねて放置した場合の画像の色変化を効果的に抑制できるため好ましい。
−架橋剤−
本発明に係るインク受容層は、無機微粒子および水溶性樹脂等を含む層が、更に該水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含み、該架橋剤と水溶性樹脂との架橋反応によって硬化された多孔質層である態様が好ましい。
前記架橋剤としては、インク受容層に含まれる水溶性樹脂との関係で好適なものを適宜選択すればよいが、中でも、架橋反応が迅速である点で硼酸または硼素化合物が好ましい。前記硼素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO、ScBO、YBO、LaBO、Mg(BO、Co(BO、二硼酸塩(例えば、Mg、Co)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO、Ca(BO、NaBO、KBO)、四硼酸塩(例えば、Na・10HO)、五硼酸塩(例えば、KB・4HO、Ca11・7HO、CsB)、等が挙げられる。
中でも、速やかに架橋反応を起こす点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、硼酸がより好ましく、これを水溶性樹脂であるポリビニルアルコールと組合わせて使用することが特に好ましい。
架橋剤は、前記水溶性樹脂1質量部に対して、0.05〜0.50質量部含有されることが好ましく、0.08〜0.30質量部含有されることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲であると、水溶性樹脂を架橋して効果的にひび割れ等を防止することができる。
前記水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場合など、硼素および硼素化合物以外の下記化合物も架橋剤として用いることができる。例えば、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個以上含有する低分子又はポリマー等である。上記の架橋剤は、一種単独でも、2種以上を組合わせて用いてもよい。
−媒染剤−
本発明においては、形成画像の耐水性、耐経時ニジミの更なる向上を図るために、インク受容層に媒染剤を含有することが好ましい。該媒染剤としては、有機媒染剤及び無機媒染剤のいずれも使用できる。これらの媒染剤は前記水溶性多価金属化合物以外のものを意味するものとする。媒染剤としては、カチオン性のポリマー(カチオン性媒染剤)等の有機媒染剤、及び水溶性金属化合物等の無機媒染剤のいずれも使用できる。中でも、有機媒染剤が好ましく、特にカチオン性媒染剤が好ましい。
少なくともインク受容層の上層部に前記媒染剤を存在させることによって、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用が働き、該色材を安定化させて耐水性や耐経時ニジミを更に改善することができる。
この場合、インク受容層を形成するときのインク受容層用塗布液(第一液)および塩基性溶液(第二液)のいずれに含有してもよいが、無機微粒子(特に気相法シリカ)を含む液とは別液となる第二液に含有して用いることが好ましい。すなわち、媒染剤を直接インク受容層用塗布液に添加すると、アニオン電荷を有する気相法シリカとの共存下では凝集を生ずる場合があるが、媒染剤を含む液とインク受容層用塗布液とをそれぞれを独立に調製し、個々に塗布する方法を採用すれば、無機微粒子の凝集を考慮する必要がなく、媒染剤の選択範囲が広がる。
前記カチオン性媒染剤としては、カチオン性の官能基として、第1級〜第3級アミノ基、または第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。
前記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基を有する単量体(以下、「媒染剤モノマー」という。)の単独重合体や、該媒染剤モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染剤ポリマー」という。)との共重合体または縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー、または水分散性のラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
前記媒染剤モノマーとしては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド;
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド;
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
また、アリルアミンやジアリルアミン、その誘導体、塩なども利用できる。このような化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン硫酸イオンなど)等が挙げられる。尚、これらのアリルアミン及びジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的な製法である。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの重合単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
前記非媒染剤モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェット用インク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互作用が実質的に小さい単量体をいう。
前記非媒染剤モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、具体的には例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。前記非媒染剤モノマーも、一種単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
更に、ポリマー媒染剤として、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレニミン、ポリアリルアミンおよびその変性体、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン等も好ましいものとして挙げることができ、ポリアリルアミン及びポリアリルアミン変性体が特に好ましい。
前記ポリアリルアミン変性体は、アクリルニトリル、クロロメチルスチレン、TEMPO、エポキシヘキサン、ソルビン酸等をポリアリルアミンに2〜50mol%付加したものであり、好ましくは、アクリルニトリル、クロロメチルスチレン、TEMPOの5〜10mol%付加物であり、特にポリアリルアミンの5〜10mol%TEMPO付加物が、オゾン褪色性防止効果を発揮する観点から好ましい。
塩基性の媒染剤(例えばポリアリルアミン)を用いた場合には、媒染剤としての役割を果たすと同時に塩基性物質としての役割をも果たし、塩基性物質を用いることなく塩基性溶液を調製することが可能となる。
前記媒染剤の分子量としては、重量平均分子量で2000〜300000が好ましい。分子量が上記範囲にあると、耐水性および耐経時ニジミ性をより向上させることができる。
インクジェット記録媒体を構成するインク受容層に媒染剤を含有させる場合には、該媒染剤のインク受容層における含有量として0.01〜5g/mが好ましく、0.1〜3g/mがより好ましい。
−界面活性剤−
本発明に係るインク受容層を形成するためのインク受容層用塗布液は界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、フッ素系、シリコーン系の界面活性剤の中から適宜選択することができる。また、界面活性剤は一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
前記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリーコールジエチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、グリセロールモノオレート等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリン等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート等)、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アセチレングリコール類(例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、及び該ジオールのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等)等が挙げられ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類が好ましい。該ノニオン系界面活性剤は、インク受容層用塗布液に含有してもよい。
前記両性界面活性剤としては、アミノ酸型、カルボキシアンモニウムベタイン型、スルホンアンモニウムベタイン型、アンモニウム硫酸エステルベタイン型、イミダゾリウムベタイン型等が挙げられ、例えば、米国特許第3,843,368号明細書、特開昭59−49535号公報、同63−236546号公報、特開平5−303205号公報、同8−262742号公報、同10−282619号公報等に記載されているものを好適に使用できる。該両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤が好ましく、該アミノ酸型両性界面活性剤としては、特開平5−303205号公報に記載されているように、例えば、アミノ酸(グリシン、グルタミン酸、ヒスチジン酸等)から誘導体化されたものであり、長鎖のアシル基を導入したN−アミノアシル酸及びその塩が挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩(例えばステアリン酸ソーダ、オレイン酸カリ)、アルキル硫酸エステル塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン)、スルホン酸塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキルスルホコハク酸塩(例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等が挙げられる。
前記カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、電解フッ素化、テロメリゼーション、オリゴメリゼーションなどの方法を用いてパーフルオロアルキル基を持つ中間体を経て誘導される化合物が挙げられる。例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。
前記シリコーン系界面活性剤としては、有機基で変性したシリコーンオイルが好ましく、シロキサン構造の側鎖を有機基で変性した構造、両末端を変性した構造、片末端を変性した構造をとり得る。有機基変性として、アミノ変性、ポリエーテル変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、アルキル変性、アラルキル変性、フェノール変性、フッ素変性等が挙げられる。
上記した各種界面活性剤の中でも、塗布液の粘度安定性の点で、両性界面活性剤が好ましく、特にアミドプロピル型が好ましい。
また、インク受容層用塗布液として2液以上を用いて塗布を行なう場合には、それぞれの塗布液に界面活性剤を添加するのが好ましい。
前記界面活性剤のインク受容層用塗布液における含有量としては、0.001〜2.0%が好ましく、0.01〜1.0%がより好ましい。
インク受容層には、必要に応じて、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤等の公知の各種添加剤を添加することができる。
前記インク受容層は、支持体表面に無機微粒子と水溶性樹脂を含有する塗布液を塗布して塗布層を形成し、さらに前記塗布液及び/又は下記塩基性溶液に架橋剤を添加し、かつ(1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、又は(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、のいずれかのときに、pHが7.1以上の塩基性溶液を前記塗布層に付与し、前記塗布層を架橋硬化させる方法(Wet−on−Wet法)により形成されるのが好ましい。ここで前記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤は、前記塗布液あるいは塩基性溶液の少なくとも一方又は両方に含有せしめることが好ましい。このようにして架橋硬化させたインク受容層を設けることは、インク吸収性や膜のヒビ割れ防止などの観点から好ましい。この場合、水溶性多価金属化合物は前記塗布液と塩基性溶液の両方に添加することが好ましい。
本発明において、無機微粒子(例えば気相法シリカ)と水溶性樹脂(例えばポリビニルアルコール)とを含有するインク受容層用塗布液(第一液)は、例えば、以下のようにして調製することができる。すなわち、
気相法シリカ等の無機微粒子を分散剤等と共に水中に添加して(例えば、水中のシリカ微粒子は10〜20質量%)、ホモミキサー等で予分散(一次分散)し、続いて得られた分散液を更にアルティマイザー(スギノマシン社製)等の分散機を用いて例えば1パスで分散(二次分散)させた後、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(例えば、前記気相法シリカの1/3程度の質量のPVAとなるように)を加えることにより調製することができる。塗布液に安定性を付与するためにアンモニア水等でpH=9.2程度に調節すること、又は分散剤を用いることが好ましい。得られた塗布液は均一なゾル状態であり、これを下記塗布方法で支持体上に塗布し乾燥させることにより、三次元網目構造を有する多孔質性のインク受容層を形成することができる。
分散に用いる分散機には、コロイドミル分散機、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、高圧分散機等、従来公知の各種の分散機を使用することができる。中でも、形成されるダマ状微粒子の分散を効果的に行なう点から、超音波分散機又は高圧分散機(特に高圧ジェット分散機)が好ましい。
また、各工程における溶媒として水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
インク受容層用塗布液の塗布は、例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等を用いた公知の塗布方法によって行なうことができる。
インク受容層用塗布液(第一液)の塗布と同時又は塗布した後に、該塗布層に塩基性溶液(第二液)が付与されるが、該第二液は、塗布後の塗布層が減率乾燥を示すようになる前に付与してもよい。即ち、インク受容層用塗布液(第一液)の塗布後、この塗布層が恒率乾燥を示す間に第二液を導入することで好適に製造される。この第二液には、媒染剤を含有せしめてもよい。
ここで、前記「塗布層が減率乾燥を示すようになる前」とは、通常、インク受容層用塗布液の塗布直後から数分間の過程を指し、この間においては、塗布された塗布層中の溶剤(分散媒体)の含有量が時間に比例して減少する「恒率乾燥」の現象を示す。この「恒率乾燥」を示す時間については、例えば、化学工学便覧(頁707〜712、丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
上記の通り、第一液の塗布後、該塗布層が減率乾燥速度を示すようになるまで乾燥されるが、この乾燥は一般に40〜180℃で0.5〜10分間(好ましくは、0.5〜5分間)行われる。この乾燥時間としては、当然塗布量により異なるが、通常は前記範囲が適当である。
前記第一液からなる塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前に付与する方法としては、(1)第二液を塗布層上に更に塗布する方法、(2)スプレー等の方法により噴霧する方法、(3)第二液中に、該塗布層が形成された支持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
前記方法(1)において、第二液を塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法を利用することができる。しかし、エクストリュージョンダイコーター、カーテンフローコーター、バーコーター等のように、既に形成されている第一塗布層にコーターが直接接触しない方法を利用することが好ましい。
第二液の付与後は、一般に40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥及び硬化がおこなわれる。中でも、40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。
また、前記塩基性溶液(第二液)を、インク受容層塗布液(第一液)を塗布すると同時に付与する場合、第一液及び第二液を、第一液が支持体と接触するようにして支持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化させることによりインク受容層を形成することができる。
前記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エクストルージョンダイコーター、カーテンフローコーターを用いた塗布方法により行なうことができる。同時塗布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾燥は、一般に塗布層を40〜150℃で0.5〜10分間加熱することにより行なわれ、好ましくは、40〜100℃で0.5〜5分間加熱することにより行なわれる。
前記同時塗布(重層塗布)を、例えば、エクストルージョンダイコーターによりおこなった場合、同時に吐出される二種の塗布液は、エクストルージョンダイコーターの吐出口附近で、即ち、支持体上に移る前に重層形成され、その状態で支持体上に重層塗布される。塗布前に重層された二層の塗布液は、支持体に移る際、既に二液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エクストルージョンダイコーターの吐出口付近では、吐出される二液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障を来す場合がある。従って、前記のように同時塗布する際は、第一液及び第二液の塗布と共に、バリアー層液(中間層液)を前記二液間に介在させて同時三重層塗布することが好ましい。
前記バリアー層液は、特に制限なく選択できる。例えば、水溶性樹脂を微量含む水溶液や、水等を挙げることができる。前記水溶性樹脂は、増粘剤等の目的で、塗布性を考慮して使用されるもので、例えば、セルロース系樹脂(たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチルセルロ−ス等)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等のポリマーが挙げられる。尚、バリアー層液には、前記媒染剤を含有させることもできる。
本発明に係るインク受容層の塗工量は、固形分換算で単位平方メートル当たり15g以上が必要であり、本発明のさらなる効果を認めるには、好ましくは単位平方メートル当たり20g以上60g以下である。
<中間層>
本発明に係る中間層は、シラノール変性ポリビニルアルコールと気相法シリカとポリ水酸化アルミニウムとを少なくとも含むものであり、必要に応じて架橋剤、界面活性剤、媒染剤等の添加剤を含有することができる。中間層は、印画後重ねて保存した際の色変化を抑制するために、インク受容層と支持体の間に設けられる。
−シラノール変性ポリビニルアルコール−
本発明で言う、シラノール変性ポリビニルアルコールとは、例えば、DieAngewandte Makromolekulare chemie 81,137(1979)などに記載されている従来公知の合成方法で製造することができるものであり、ビニルトリメトキシシランと酢酸ビニルをメタノール中などで共重合せしめ、次いで水酸化ナトリウムを触媒とするメタノリシスによって酢酸ビニルを鹸化して目的の重合物を得ることができる。シラノール変性ポリビニルアルコールとしては、鹸化度85%以上、重合度500〜2000程度、分子中のシラノール基の含有量が単量体単位として、0.05〜3mol%が好ましい。このようなシラノール変性ポリビニルアルコールは市販のものを好適に用いることができ、例えば、R−1115,R−1130、R−2105、R−2130(以上、クラレ製)などを挙げることができる。
中間層には、シラノール変性ポリビニルアルコール以外のその他の水溶性樹脂を併用することができる。その他の水溶性樹脂の具体例は上述の「インク受容層」の項で例示した樹脂が挙げられる。また、中間層には紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調整剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
シラノール変性ポリビニルアルコール以外のその他の水溶性樹脂を併用する場合、シラノール変性ポリビニルアルコールとその他の水溶性樹脂との合計量に対するシラノール変性ポリビニルアルコールの割合は、20〜100質量%が好ましく、40〜100質量%がさらに好ましく、60〜95質量%が特に好ましい。
また、中間層に含まれるシラノール変性ポリビニルアルコール及び必要に応じて併用されるその他の水溶性樹脂の合計量は気相法シリカに対して1〜80質量%が好ましく、3〜60質量%がさらに好ましく、5〜50質量%が特に好ましい。
なお、中間層中に含まれる気相法シリカ及びポリ水酸化アルミニウムの具体例等は上述の「インク受容層」の項で例示したとおりである。
また、中間層におけるポリ水酸化アルミニウムの含有量は1〜50質量%が好ましく、2〜45質量%がさらに好ましく、2〜40質量%が特に好ましい。
本発明に係る中間層を形成するのに用いられる塗被組成物は、(1)気相法シリカとシラノール変性ポリビニルアルコール及び必要に応じて併用されるその他の水溶性樹脂とポリ水酸化アルミニウムとを含む分散液を混合して形成されたゲルを、例えばホモジナイザーの如き超高速の攪拌機でゲルを細切れにし、水中に分散させたものや、(2)水溶性樹脂及び気相法シリカの分散液のどちらかを高速で攪拌しながら、他方を加えることによって、微粒のゲル分散液としたもの等を主組成物とする。上記(2)の場合には、ポリ水酸化アルミニウムは気相法シリカ分散液中に予め添加しておけばよいが、これに限定されるものではない。
また、水溶性樹脂、気相法シリカ及びポリ水酸化アルミニウムの分散液を混合してもゲルを形成しない場合には、その分散液の混合物に分散を不安定にする物質、例えば酸溶液、金属塩溶液、カチオン樹脂溶液等を加えることによっても、水溶性樹脂及び無機微粒子を含有するゲルを形成することが出来る。これを分散状態で作製することにより本発明の塗被組成物とすることが出来る。
前記ゲルは、粘着性のないゲルであることが好ましい。形成されたゲルに粘着性があると、微細分散することが困難であるし、分散後もお互いにくっつき合って凝集してしまうことがあり、分散液が不安定になるからである。
本発明における塗被組成物には、親水性接着剤を含有することも出来る。親水性接着剤としては、水溶性或いは水親和性の高分子化合物が用いられる。例えば、水溶性高分子化合物としてはポリビニルアルコール及びその変性物、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、無水マレイン酸重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、でんぷん、ポリビニルブチラール、ゼラチン、カゼイン、アイオノマー、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等である。好ましくは、シラノール変性ポリビニルアルコールやその誘導体である。
本発明における塗被組成物を塗布する方法は、Eバー塗布、カーテン塗布、ストラドホッパー塗布、エクストルージョン塗布、ロール塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロッドバー塗布等の各種塗布方法を採用することができる。
塗工後に乾燥する手段としては、一般の公知の方法を用いることができ、限定されない。例えば、熱源により発生した加熱空気を送風した加温器内に搬送する方法、ヒーター等の熱源近傍を通過させる方法等である。
本発明に係る中間層の塗工量は、カールなどの他の弊害を生じさせることなく、印画後重ねて保存した際の色変化を抑制するために、固形分換算で1g/m〜50g/mであることが好ましく、1g/m〜30g/mであることがさらに好ましく、1g/m〜20g/mであることが特に好ましい。
中間層は、インク受容層を塗布する前に予め支持体上に塗布乾燥されていてもよく、インク受容層と共に同時重層塗布により塗工されてもよい。
<支持体>
本発明に用いられる支持体は、例えば紙やフィルムの如き、インク受容層を形成出来るシート状のものなら特に制限はないが、合成紙、樹脂被覆紙、顔料入り不透明フィルム、発泡フィルムが好ましい。手触り感、高級感及び型付けの容易性から樹脂被覆紙がさらに好ましい。
本発明において好ましく用いられる、樹脂被覆紙用の原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、平滑で密度が高い原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。天然パルプとしては、通常製紙用に使用されるパルプ、即ち、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプ等が、いずれも使用可能である。また、白色度が高いメカニカルパルプであってもよい。更に、藁、エスパルト、バガス、ケナフ等の草類繊維、麻、楮、雁皮、三椏等の靱皮繊維、綿等より製造した非木材パルプでもよい。これらの中では通常工業的に最も多用される針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプが特に好ましい。
パルプは抄紙適性、ならびに、強度、平滑性、地合の均一性等の紙の諸特性等を向上させるため、ダブルディスクリファイナー等の叩解機により叩解されるのが通常である。叩解の程度は、カナディアン スタンダード フリーネスで250ml〜450mlの通常の範囲で目的に応じて選択することが出来る。
叩解されたパルプスラリーは、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、または、丸網抄紙機等の抄紙機により抄紙されるが、この際、本発明では、通常抄紙に際して用いられるパルプスラリーの分散助剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、填料、サイズ剤、定着剤等の諸添加物は全て必要に応じて添加することが可能である。更に、必要であれはpH調節剤、染料、有色顔料、及び蛍光増白剤等も添加することが可能である。
分散助剤としては例えばポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、とろろあおい等が、紙力増強剤としては例えば植物性ガム、澱粉、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のアニオン性紙力増強剤、カチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性紙力増強剤が、填料としては例えばクレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が、サイズ剤としては例えば高級脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、ジアルキルケテンダイマー、アルケニル或いはアルキルコハク酸塩、エポキシ化脂肪酸アミド、多糖類エステル等が、定着剤としては例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性ポリマー等が、pH調節剤としては塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられる。
また、本発明に用いられる樹脂被覆紙用の原紙は、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する液で、タブサイズ、もしくはサイズプレスすることも可能である。
上記水溶性高分子添加剤としては、例えば澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等、無水マレイン酸樹脂等の水溶性高分子、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性高分子接着剤等が用いられ、さらにこの他、サイズ剤として石油樹脂エマルション、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン等のディスパーションが挙げられる。その他の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ボウ硝等が、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコール等が、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が、pH調節剤として塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられ、その他染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
また、本発明に用いる樹脂被覆紙用の原紙は、抄造中または抄造後、カレンダー等にて圧力を印加して圧縮する等した表面平滑性の良いものが好ましく、JIS−P−8119で測定したベックの平滑度が200秒以上のものが特に好ましい。また、その坪量は30〜250g/mが好ましい。
樹脂被覆紙の樹脂としては、熱可塑性樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体およびこれらの混合物である。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等である。これらの熱可塑性樹脂は、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。好ましくは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂である。
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
本発明において好ましく用いられる支持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、そのインク受容層を設ける側あるいは両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、被覆樹脂層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みにインク受容層が塗布される面または両面にコーティングされる。
支持体のインク受容層の形成される側の表面には下引き層を設けてもよい。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め支持体の表面に塗布乾燥されたものである。
この下引き層は、被膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/mが好ましく、20〜300mg/mがより好ましい。
更に、下引き層は、他に界面活性剤や架橋剤を含有することが好ましい。また、下引き層を塗布する前には、支持体にコロナ放電を施すことが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。なお、「部」は質量基準である。
(実施例1)
[インク受容層用塗布液の調製]
−シリカ分散液の調製−
イオン交換水67.0部に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム(サイロジェットA200(40%水溶液)、グレースジャパン(株)製;水溶性多価金属化合物)5.0部を溶解し、次いで粉末状の気相法シリカ(レオシールQS−30、平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m/g、(株)トクヤマ製;無機微粒子)10.0部を添加、混合して混合スラリー(以下、シリカ微粒子スラリーという。)を得た。得られたシリカ微粒子スラリーを高圧ホモジナイザーで1回処理し、シリカ微粒子の濃度が約15質量%のシリカ分散液(無機微粒子分散液)を得た。
−インク受容層用塗布液の調製−
上記より得たシリカ分散液に、さらにポリビニルアルコール(PVA−235、(株)クラレ製、鹸化度88.5%、重合度3500;水溶性樹脂)7%水溶液37.4部と、硼酸(架橋剤)6.8部と、アンヒトール24B(花王(株)製;両性界面活性剤)1.2部と、イオン交換水14.0部とを混合してホモミキサーを用いて回転数2000rpmで20分間再度分散し、本発明に係るインク受容層用塗布液を得た。
−中間層用塗布液の調製−
中間層用塗布液は以下のようにして調製した。
一次粒子径15nmの気相法微粒子シリカ(AEROSILMOX170:Degussa社製)100部を、500部のイオン交換水中に攪拌機にて分散し、この分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)5部を加えて分散液とした。この分散液に、10質量%のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R−1130)水溶液100部を混合しゲルの分散液とし、10質量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合して、中間層用塗布液とした。
[インクジェット記録媒体の作製]
−支持体の作製−
LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾重量比で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/mの原紙を抄造した。
上記原紙の表面サイズを調整するため、ポリビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(Whitex BB,住友化学工業(株)製)を0.04%添加し、これを絶乾重量換算で0.5g/mとなるように上記原紙に含浸させ、乾燥した後、更にキャレンダー処理を施して密度1.05に調整された基紙を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ19μmとなるようにコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として酸化アルミニウム(アルミナゾル100、日産化学工業(株)製)と二酸化ケイ素(スノーテックスO、日産化学工業(株)製)とを1:2の比(質量比)で水に分散した分散液を、乾燥重量が0.2g/mとなるように塗布した。
更に、樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、および蛍光増白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有する、MFR(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなるように溶融押し出しし、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する。)、支持体とした。
−インクジェット記録媒体の作製−
上記より得た支持体の表面にコロナ放電処理を行った後、上記中間層塗布液をカーテンコーターで乾燥塗布量が10.0g/mになるように流量設定し塗布した。塗布後、90℃中に10分間乾燥して中間層を得た。
中間層塗布後、得られたインク受容層塗布液を中間層上にエクストルージョンダイコーターを用いて238ml/mの塗布量で塗布し、熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/秒)でインク受容層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この期間、塗布層は恒率乾燥を示した。その直後、下記塩基性溶液aに30秒浸漬して該塗布層上にその20g/mを付着させ、さらに80℃下で10分間乾燥させた。これにより、乾燥膜厚32μmのインク受容層の設けられたインクジェット記録媒体を得た。
〔塩基性溶液aの組成〕
・硼酸(架橋剤) … 0.65部
・炭酸アンモニウム … 5.0部
・イオン交換水 …63.17部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) …30部
(エマルゲン109P、2%水溶液、HLB値13.6、花王(株)製)
(実施例2)
実施例1において、塩基性溶液aを下記塩基性溶液bに変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
〔塩基性溶液bの組成〕
・硼酸(架橋剤) … 0.7部
・ジルコゾールAC−7 …1.18部
(炭酸ジルコニウムアンモニウム13%水溶液;第一稀元素化学工業(株)製)
・イオン交換水 …63.17部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) …30部
(エマルゲン109P、2%水溶液、HLB値13.6、花王(株)製)
(比較例1)
実施例1において、「シリカ分散液の調製」に用いた塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物(サイロジェットA200)5.0部を、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド(シャロールDC−902、第一工業製薬(株)製;有機高分子分散剤)50%水溶液0.25部に代えたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
(比較例2)
実施例1において、中間層を設けず、支持体上にインク受容層を設けたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
(比較例3)
実施例1において、中間層塗布液を下記組成に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
−中間層用塗布液の調製−
中間層用塗布液は以下のようにして調製した。
市販の非球状コロイダルシリカとして、スノーテックスUP(日産化学工業(株)製、1次粒子径10〜20nm、平均2次粒子径約70nm、SiO濃度 20〜21質量%)200部、10質量%のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R−1115)30部、カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友化学社製)20部を混合して分散液を作製した。この分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)5部をすこしずつ攪拌しながら加えてゲルの分散液とし、10質量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合して、中間層用塗布液とした。
(比較例4)
実施例1において、中間層塗布液を下記組成に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
−中間層用塗布液の調製−
中間層用塗布液は以下のようにして調製した。
一次粒子径15nmの気相法微粒子シリカ(AEROSILMOX170:Degussa社製)100部を、500部のイオン交換水中に攪拌機にて分散し、この分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液(商品名:ピュラケムWT、(株)理研ク゛リーン製)5部を加えて分散液とした。この分散液に、10質量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合して、中間層用塗布液とした。
(比較例5)
実施例1において、中間層塗布液の乾燥塗布量が30g/mとなるように塗布を行い、中間層上に受容層を設けなかった以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
(評価)
エプソン(株)製のインクジェットプリンタ「PM−A950」を用いて、23℃60%の環境下にて上述のようにして得たインクジェット記録媒体上に印画を行い、以下の性能評価を行った。得られた結果を表1に示す。
<重ね保存時の色変化>
濃度が約1.8となるように画像データの濃度を調整したグレーベタの画像を印画し、印画直後に画像の半分をガラス板で覆い、23℃60%の環境に12時間放置した。12時間後にガラス板で覆った部分と覆わなかった部分の色相を分光光度計(スペクトロリノ、グレタグマクベス社製)にて測定し、色相変化を計算し、色相変化を下記基準に基づいて評価した。
◎:ΔEが3未満で、全く色相変化がわからない
○:ΔEが3以上5未満で、ほとんど色相変化がわからない
△:ΔEが5以上7未満で、わずかに色相変化が見られ問題となる場合がある
×:ΔEが7以上で、色相変化がはっきりとわかり問題である
<濃度>
最高濃度となるように画像データを調整したグレーベタの画像を印画し、印画後1日経過した後に分光光度計を用いて濃度測定を行い、K濃度を下記基準に基づいて評価した。
○:濃度が2.0以上
△:濃度が1.8以上、2.0未満
×:濃度が1.8未満
Figure 2009233866

Claims (3)

  1. 支持体上に、シラノール変性ポリビニルアルコールと気相法シリカとポリ水酸化アルミニウムとを含む中間層と、無機微粒子と水溶性樹脂と水溶性多価金属化合物とを含むインク受容層とをこの順に少なくとも有するインクジェット記録媒体。
  2. 前記インク受容層に含まれる水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールである請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記インク受容層に含まれる水溶性多価金属化合物が、ポリ水酸化アルミニウム及び炭酸ジルコニウムアンモニウムである請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録媒体。
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