JP2009233633A - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 逆浸透膜の濃縮水に含まれた不純物を簡便に低減できる水処理方法等を提供することを課題としている。
【解決手段】 逆浸透膜によって不純物を含む水から濃縮水を分離除去する水処理方法であって、陰イオンを含む薬剤を前記濃縮水に添加して前記不純物の少なくとも一部を析出させる析出工程と、前記析出工程によって析出させた析出物を除去する析出物除去工程とを実施する水処理方法等を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 逆浸透膜によって不純物を含む水から濃縮水を分離除去する水処理方法であって、陰イオンを含む薬剤を前記濃縮水に添加して前記不純物の少なくとも一部を析出させる析出工程と、前記析出工程によって析出させた析出物を除去する析出物除去工程とを実施する水処理方法等を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水処理方法および水処理装置に関する。
従来、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどのイオン成分、水溶性の有機物、及び微粒子などの不純物を含む水の水処理方法としては、逆浸透膜(以下、RO膜ともいう)によって、不純物が除去された透過水と不純物が濃縮された濃縮水とに分離する方法などが知られている。
この種の水処理方法においては、濃度が高められた不純物が濃縮水に含まれているため、該濃縮水を放流したときの自然環境への負荷をできるだけ減らすべく、放流する前に濃縮水に含まれている不純物を低減したり、除去したりする。詳しくは、この種の水処理方法では、濃縮水に含まれる不純物の濃度が比較的高い場合などは、濃縮水を加熱等によりさらに濃縮させて水を蒸発させ、イオン成分や有機物を固化させるなどして、濃縮水に含まれている不純物を除去する必要がある。従って、この種の水処理方法においては、水を加熱等により蒸発させるために、専用の設備や比較的大きなエネルギーを要し、処理経費が高く工程が煩雑になり得るという問題がある。
また、濃縮水に含まれる有機物などの不純物を低減する水処理方法として、紫外線を照射して濃縮水を酸化処理する水処理方法(特許文献1)やオゾンにより濃縮水を酸化処理する水処理方法(特許文献2)が提案されている。しかしながら、特許文献1または特許文献2に記載のごとく、濃縮水を酸化処理する水処理方法は、電力費などの処理経費が比較的高く、しかも工程が煩雑になり得るという問題がある。
そこで、逆浸透膜を用いる水処理方法であって、濃縮水に含まれた不純物を簡便に低減できる水処理方法が要望されている。
本発明は、上記問題点、要望点等に鑑み、逆浸透膜の濃縮水に含まれた不純物を簡便に低減できる水処理方法を提供することを課題とする。また、逆浸透膜の濃縮水に含まれた不純物を簡便に低減できる水処理装置を提供することを他の課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る水処理方法は、逆浸透膜によって不純物を含む水から濃縮水を分離除去する水処理方法であって、陰イオンを含む薬剤を前記濃縮水に添加して前記不純物の少なくとも一部を析出させる析出工程と、前記析出工程によって析出させた析出物を除去する析出物除去工程とを実施することを特徴とする。
上記構成からなる水処理方法によれば、陰イオンを含む薬剤を前記濃縮水に添加するため、該薬剤に含まれる陰イオンがカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどのイオン成分とイオン結合し、該イオン成分が前記濃縮水中で溶解できなくなり、このイオン成分をカルシウム塩やマグネシウム塩などの析出物として析出させることができる。しかも、前記濃縮水に含まれている有機物が前記析出物に付着又は吸着等され得るため、前記イオン成分だけでなく有機物をも析出物として析出させることができる。
また、前記イオン成分や前記有機物が水と分離させやすい固体状の前記析出物となって析出するため、前記イオン成分や前記有機物を前記濃縮水から比較的簡便に除去することができる。
また、前記イオン成分や前記有機物が水と分離させやすい固体状の前記析出物となって析出するため、前記イオン成分や前記有機物を前記濃縮水から比較的簡便に除去することができる。
また、本発明に係る水処理方法は、前記濃縮水に凝集剤を添加して前記析出物を凝集させる凝集工程を実施した後に、前記析出物除去工程を実施することが好ましい。前記濃縮水に凝集剤を添加して前記析出物を凝集させることにより、前記析出物が凝集物となって沈殿しやすくなるという利点がある。詳しくは、前記凝集剤の量が比較的少なくとも、前記析出物が核となって凝集物が生じやすくなり、かつ、該凝集物が大きく成長して沈殿しやすくなるという利点がある。また、前記濃縮水に凝集剤を添加することにより、前記濃縮水に含まれる有機物が凝集し、沈殿物となって沈殿し得るという利点がある。加えて、前記凝集工程を実施した後に、前記析出物除去工程を実施することにより、前記析出物は、沈殿した凝集物としてより容易に回収除去できるため、前記濃縮水に含まれた前記不純物をより簡便に低減できるという利点がある。
また、本発明に係る水処理方法は、前記析出物除去工程を実施して前記析出物が除去された析出物除去水を逆浸透膜で分離処理することが好ましい。前記析出物除去工程を実施して前記析出物が除去された析出物除去水を逆浸透膜で分離処理することにより、前記析出物除去水を前記逆浸透膜で処理した透過水を利用して廃棄する水を減少させることができるため、前記原水からの回収率を高めることができるという利点がある。
本発明に係る水処理装置は、逆浸透膜によって不純物を含む水から濃縮水を分離除去する水処理装置であって、陰イオンを含む薬剤を前記濃縮水に添加して前記不純物の少なくとも一部を析出させる析出手段と、前記析出手段によって析出された析出物を除去する析出物除去手段とが備えられていることを特徴とする。
本発明に係る水処理方法は、水溶解度が比較的低い塩を形成させる陰イオンを含む薬剤の添加により、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどのイオン成分が濃縮水中で溶解できなくなり、このイオン成分をカルシウム塩やマグネシウム塩などの析出物として析出させることができる。しかも、前記濃縮水に含まれている有機物が前記析出物に付着又は吸着等され得るため、前記イオン成分だけでなく有機物をも析出物として析出させることができる。また、析出した前記イオン成分や有機物を、水と分離させやすい固体状の析出物として濃縮水から比較的簡便に除去することができる。従って、本発明の水処理方法は、逆浸透膜に含まれた濃縮水の不純物を簡便に低減できるという効果を奏する。
本発明に係る水処理方法は、逆浸透膜によって不純物を含む水から濃縮水を分離除去する水処理方法であって、陰イオンを含む薬剤を前記濃縮水に添加して前記不純物の少なくとも一部を析出させる析出工程と、前記析出工程によって析出させた析出物を除去する析出物除去工程とを実施する水処理方法である。
以下、本発明に係る水処理方法の一実施形態について説明する。本実施形態の水処理方法は、以下に述べる各工程を実施する。なお、本実施形態の水処理方法のフローを図1に示し、本実施形態の水処理方法のフロー、及び本実施形態の水処理方法で用いる手段の概略を図2に示す。
本実施形態の水処理方法は、まず、不純物を含む水から固体状の微粒子を除去するなどの前処理工程を実施する。
また、本実施形態の水処理方法は、前記前処理工程の後に、不純物を含む水から逆浸透膜によって濃縮水を分離除去する濃縮水分離工程と、陰イオンを含む薬剤を前記濃縮水に添加して前記不純物の少なくとも一部を析出させる析出工程と、前記析出工程によって析出させた析出物を除去する析出物除去工程とを実施する。
本実施形態の水処理方法は、好ましくは、前記濃縮水に凝集剤を添加して前記析出物を凝集させる凝集工程を実施した後に、前記析出物除去工程を実施する。又は、前記濃縮水に溶解している有機物を活性炭に吸着させる活性炭処理工程を実施した後に前記析出物除去工程を実施する。
本実施形態の水処理方法は、好ましくは、前記濃縮水に凝集剤を添加して前記析出物を凝集させる凝集工程を実施した後に、前記析出物除去工程を実施する。又は、前記濃縮水に溶解している有機物を活性炭に吸着させる活性炭処理工程を実施した後に前記析出物除去工程を実施する。
さらに、本実施形態の水処理方法は、前記析出物除去工程を実施して前記析出物が除去された析出物除去水をさらに取り扱う後処理工程を実施する。
前記後処理工程では、前記析出物除去水を放流する放流工程、前記析出物除去水を蒸発濃縮させる蒸発濃縮工程、又は前記析出物除去水を逆浸透膜で分離処理する再分離工程などを実施する。
前記後処理工程では、前記析出物除去水を放流する放流工程、前記析出物除去水を蒸発濃縮させる蒸発濃縮工程、又は前記析出物除去水を逆浸透膜で分離処理する再分離工程などを実施する。
前記前処理工程は、不純物を含む水を前処理する工程である。
前記不純物を含む水(以下、原水ともいう)としては、例えば、工場から排出される工場排水、雨水などが埋立地内に浸透し埋立ごみと接触して汚染された浸出水、下水処理場などで処理された下水処理水などが挙げられる。
ここで、前記不純物は、イオン成分、有機物、微粒子などであり、前記不純物には、その他の成分も含まれ得る。
前記不純物の前記イオン成分としては、無機陽イオンが挙げられる。他にも前記不純物としては、様々なイオン性物質が挙げられ、該イオン性物質としては、例えば、単原子陽イオン、多原子無機陽イオンなどの陽イオン性物質、単原子陰イオン、多原子無機陰イオンなどの陰イオン性物質などが挙げられる。前記イオン成分としては、具体的には、陰イオンとイオン結合して水に溶解しにくいスケールを発生させやすいカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどが例示される。
前記有機物は、前記原水に溶解している有機物である。前記有機物としては、イオン性のものも挙げられる。
前記微粒子は、固体状の微粒子であり、いわゆる浮遊物質である。
前記有機物は、前記原水に溶解している有機物である。前記有機物としては、イオン性のものも挙げられる。
前記微粒子は、固体状の微粒子であり、いわゆる浮遊物質である。
前記前処理工程では、具体的には、次に示すような前処理をおこなう。
詳しくは、前記前処理工程では、逆浸透膜の目詰まりを防止する等の目的で、通常、前記原水から固体状の微粒子を除去する。該微粒子を除去する方法としては、精密濾過膜(MF膜)等で除去する方法などが採用され得る。
また、前記前処理工程では、後の前記濃縮水分離工程において濃縮水に析出物(いわゆるスケール)が発生することを防止する目的で、前記原水にスケール防止剤を添加することができる。
前記スケール防止剤としては、前記イオン成分が他の成分と凝集する力を低下させる化合物を含むものを用いることができる。具体的には、キレート剤作用を有する化合物、より具体的には、ポリリン酸、ホスホン酸、カルボン酸系高分子電解質(一般に低分子量ポリマーと呼ばれる)等を用いることができる。
また、前記前処理工程では、後の前記濃縮水分離工程において濃縮水に析出物(いわゆるスケール)が発生することを防止する目的で、前記原水に存在するスケールになり得る前記イオン成分(カルシウムイオンやマグネシウムイオンなど)を減少させることができる。詳しくは、前記原水に前記陰イオンを含む薬剤を添加してスケールを発生させて、該原水から前記スケールを精密濾過膜(MF膜)等を用いて除去し、前記イオン成分を減少させることができる。
前記前処理工程において前記陰イオンを含む薬剤を加えることは、後に実施する前記濃縮水分離工程で分離される前記濃縮水から、スケールになり得る前記イオン成分を予め減少させるという点で好ましいが、加えた前記陰イオンを含む薬剤に由来する、例えば、水酸化ナトリウムに由来するナトリウムイオンが原水中で増加することにより、前記濃縮水分離工程において前記原水を逆浸透膜で処理するときに浸透圧上昇による運転圧上昇が生じ得る。該運転圧上昇が生じ得るとしても、前記原水に含まれる前記イオン成分の量が比較的多い場合には、前記原水に前記陰イオンを含む薬剤を加えスケールを発生させて予めスケールになり得る前記イオン成分を減少させておき、後の前記濃縮水分離工程において前記濃縮水にスケールが発生することを防止することができる。
また、前記前処理工程では、前記原水に凝集剤を添加することにより、主に有機物でなる凝集物を発生、沈殿させて、該凝集物を前記原水から除去し、前記原水に存在する有機物等を減少させることができる。
前記濃縮水分離工程は、前記逆浸透膜によって前記原水から濃縮水を分離する工程であり、前記前処理工程の後に実施する。なお、前記濃縮水分離工程では、前記濃縮水を分離することに伴い、前記不純物が除去された透過水をも分離する。該透過水は、工業用水などとして利用することができる。
前記濃縮水は、前記不純物が濃縮されている。即ち、前記原水にある前記不純物の濃度より、その濃度が高くなっている。前記不純物のうち、水への溶解度が比較的低いものは、前記濃縮水において析出物となって析出し得るため、通常、前記濃縮水分離工程は、前記濃縮水にスケール等の析出物が析出しない濃縮倍率となるように流量などが調整される。
前記逆浸透膜としては、水処理の技術分野において従来公知の一般的な逆浸透膜を用いることができる。
前記析出工程は、前記陰イオンを含む薬剤を前記濃縮水に添加して前記不純物の少なくとも一部を析出させる工程である。
前記析出工程では、前記濃縮水に前記陰イオンを含む薬剤を添加するため、該薬剤に含まれる陰イオンがカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどのイオン成分とイオン結合し、該イオン成分が前記濃縮水中で溶解できなくなり、このイオン成分をカルシウム塩やマグネシウム塩などの析出物として析出させることができる。しかも、前記濃縮水に含まれている有機物が前記析出物に付着又は吸着等され得るため、前記イオン成分だけでなく有機物をも析出物として析出させることができる。
前記陰イオンを含む薬剤は、詳しくは、無機陰イオンを含む薬剤であり、より詳しくは、前記イオン成分とイオン結合して塩を形成する陰イオンを含む薬剤である。前記陰イオンを含む薬剤は、前記濃縮水に含まれる前記不純物のうちの前記イオン成分とイオン結合して水溶解度が比較的低い塩を形成する陰イオンを含むものであれば特に限定されないが、スケールとして析出しやすいカルシウムイオンやマグネシウムイオンとイオン結合し、カルシウム塩やマグネシウム塩を形成して析出物として析出し得るという点で、水酸化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、フッ化物イオンなどの陰イオンを含むものが好ましい。なかでも、イオン結合したカルシウム塩やマグネシウム塩の水溶解度が比較的低いという点で、炭酸イオン、フッ化物イオン、硫酸イオンを含むものが好ましく、前記濃縮水をよりアルカリ性側にしてイオン結合により生じた塩の溶解度をより下げて前記析出物をより生じやすくできるという点で、水酸化物イオンを含むものが好ましい。
前記陰イオンを含む薬剤としては、具体的には、スケールを発生させやすくすべく前記濃縮水をよりアルカリ性側にすることができるという点で、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどを用いることができる。また、前記濃縮水のpHを調整すべく前記濃縮水をより酸性側にすることができるという点で、硫酸、フッ酸などを用いることができる。また、カルシウムイオンなどのイオン成分を析出物としてより析出させやすい陰イオンを含んでいるという点で、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、フッ化ナトリウムなどを用いることができ、なかでもスケールをより発生させやすくすべく前記濃縮水をアルカリ性側にできるという点で、好ましくは、炭酸ナトリウムを用いることができる。
前記析出工程において用いる前記陰イオンを含む薬剤の添加量は、特に限定されない。また、前記析出工程では、スケールを発生させやすくするという点で、前記濃縮水をpH8〜12にすることが好ましい。
前記析出物除去工程は、前記濃縮水から前記析出物を除去する工程である。
前記析出物除去工程では、前記イオン成分や前記有機物が水と分離させやすい固体状の前記析出物となって析出するため、前記イオン成分や前記有機物を前記濃縮水から比較的簡便に除去することができる。
前記析出物を除去する方法としては、精密濾過膜(MF膜)による固液分離等の除去方法、限外濾過膜(UF膜)による除去方法、沈降分離による方法、砂濾過器による除去方法などが採用できる。前記MF膜、前記UF膜、前記砂濾過器としては、水処理の技術分野において一般的に用いられているものを採用することができる。
前記凝集工程は、前記濃縮水に凝集剤を添加して前記析出物を凝集させる工程である。該凝集工程を実施した後に前記析出物除去工程を実施する。
前記凝集工程は、前記濃縮水分離工程を実施した後であって、前記析出物除去工程を実施する前に実施できる。好ましくは、前記析出物を効率的に凝集させて沈殿させ、前記析出物でなる沈殿物を簡便に除去できるという点で、前記析出工程を実施した後であって、前記析出物除去工程を実施する前に実施する。
前記濃縮水に凝集剤を添加して前記析出物を凝集させることにより、前記析出物が凝集物となって沈殿しやすくなるという利点がある。詳しくは、前記凝集剤の量が比較的少なくとも、前記析出物が核となって凝集物が生じやすくなり、かつ、該凝集物が大きく成長して沈殿しやすくなるという利点がある。
また、前記濃縮水に凝集剤を添加することにより、前記濃縮水に含まれる有機物が凝集し、沈殿物となって沈殿し得るという利点がある。
加えて、前記濃縮水に凝集剤を添加して前記析出物を凝集させた後に、前記析出物除去工程を実施することにより、前記析出物は、沈殿した凝集物としてより容易に回収除去できるため、前記濃縮水に含まれた前記不純物をより簡便に低減できるという利点がある。
また、前記濃縮水に凝集剤を添加することにより、前記濃縮水に含まれる有機物が凝集し、沈殿物となって沈殿し得るという利点がある。
加えて、前記濃縮水に凝集剤を添加して前記析出物を凝集させた後に、前記析出物除去工程を実施することにより、前記析出物は、沈殿した凝集物としてより容易に回収除去できるため、前記濃縮水に含まれた前記不純物をより簡便に低減できるという利点がある。
なお、前記凝集工程では、前記析出物を効率的に凝集させるべく、好ましくは、前記陰イオンを含む薬剤の添加により前記析出物が析出した濃縮水に前記凝集剤を添加する。即ち、好ましくは、前記析出工程を実施した後に、前記凝集工程を実施する。そして、さらに前記析出物除去工程を実施する。なお、前記凝集工程においては、前記濃縮水に前記凝集剤を複数回添加できる。
前記凝集剤としては、従来公知の一般的な凝集剤を用いることができる。前記凝集剤としては、例えば、硫酸第一鉄,硫酸第二鉄,塩化第二鉄などの鉄系凝集剤、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)などのアルミ系凝集剤、これらの混合物等が例示される。なかでも、後の後処理工程で用いられ得る逆浸透膜に吸着しにくいという点で、鉄系凝集剤が好ましい。
前記凝集剤の添加量は、前記濃縮水の全有機炭素濃度1mg/Lに対して1mg/L〜100mg/Lとなる添加量であることが好ましい。前記凝集剤の添加量が前記濃縮水の全有機炭素濃度1mg/Lに対して1mg/L〜100mg/Lとなる添加量であることにより、過剰量の凝集剤を要せずとも確実に、より低経費で前記濃縮水に含まれた前記不純物を簡便に低減できるという利点がある。
前記活性炭処理工程は、前記濃縮水に溶解している有機物を活性炭に吸着させる工程である。なお、前記活性炭処理工程は、通常、前記凝集工程の代わりに実施する。よって、通常は、前記活性炭処理工程を実施した後に、前記析出物除去工程を実施する。
前記活性炭処理工程は、前記濃縮水分離工程を実施した後であって、前記析出物除去工程を実施する前に実施できる。具体的には、例えば、前記析出工程の前、又は後に実施することができる。好ましくは、活性炭使用量が低減できるという点で、前記析出工程を実施した後であって、前記分離工程を実施する前に実施する。
前記活性炭処理工程において、前記濃縮水に溶解している有機物を活性炭に吸着させることにより、前記濃縮水にある有機物をより低減できるという利点がある。また、前記活性炭処理工程を前記析出工程の後に実施する場合は、前記析出工程によって析出しなかった有機物をも活性炭に吸着させることができるため、前記濃縮水に含まれる有機物をさらに低減できるという利点がある。
また、前記活性炭処理工程を実施した後に、前記析出物除去工程実施することにより、該析出物除去工程において前記析出物を除去すると同時に、用いた活性炭をも除去することができるため、水処理が効率的に行えるという利点がある。
また、前記活性炭処理工程を実施した後に、前記析出物除去工程実施することにより、該析出物除去工程において前記析出物を除去すると同時に、用いた活性炭をも除去することができるため、水処理が効率的に行えるという利点がある。
なお、前記濃縮水に溶解している有機物を吸着させるために用いる活性炭としては、従来公知の一般的な活性炭を用いることができる。また、前記活性炭は、前記濃縮水に複数回添加することができる。また、前記活性炭処理工程において用いる活性炭の量は、特に限定されない。
前記後処理工程は、前記析出物除去工程を実施して前記析出物が除去された析出物除去水をさらに取り扱う工程である。
具体的には、前記後処理工程では、前記析出物除去水を放流する放流工程、前記析出物除去水を蒸発濃縮させる蒸発濃縮工程、又は前記析出物除去水を逆浸透膜で分離処理する再分離工程などを実施する。
具体的には、前記後処理工程では、前記析出物除去水を放流する放流工程、前記析出物除去水を蒸発濃縮させる蒸発濃縮工程、又は前記析出物除去水を逆浸透膜で分離処理する再分離工程などを実施する。
前記後処理工程においては、適宜、上記のいずれかの工程を実施する。即ち、前記析出物除去水に含まれる前記不純物の濃度が放流しても問題ない程度に比較的低い場合などは、前記放流工程を実施する。
また、前記析出物除去水に含まれる前記不純物の濃度が比較的高い場合や、除去し切れない重金属などの有害物質が含まれている場合などは、前記蒸発濃縮工程を実施する。
また、水処理プロセスの水回収率を向上させる場合などは、前記析出物除去水を逆浸透膜で処理する前記再分離工程を実施する。
また、前記析出物除去水に含まれる前記不純物の濃度が比較的高い場合や、除去し切れない重金属などの有害物質が含まれている場合などは、前記蒸発濃縮工程を実施する。
また、水処理プロセスの水回収率を向上させる場合などは、前記析出物除去水を逆浸透膜で処理する前記再分離工程を実施する。
前記放流工程では、前記析出物除去水を海、河川、又は下水へ放流等する。
前記蒸発濃縮工程では、前記析出物除去水の水を加熱などにより蒸発させて前記析出物除去水を濃縮させる。前記蒸発濃縮工程では、前記析出物除去水に含まれている濃縮された有機物等を物理的又は化学的に分解させることもできる。また、さらに水を蒸発させて前記析出物除去水に含まれているイオン成分や有機物などを濃縮固化させることにより、固化された固化物を産業廃棄物として廃棄、又は有価物として再資源化することができる。
前記再分離工程は、前記析出物除去工程を実施して前記析出物が除去された析出物除去水を逆浸透膜で分離処理する工程である。
前記析出物除去水を逆浸透膜で分離処理することにより、前記析出物除去水を前記逆浸透膜で処理した透過水を利用して廃棄する水を減少させることができるため、前記原水からの回収率を高めることができるという利点がある。
前記再分離工程では、前記析出物除去水にスケール防止剤を添加することができる。前記析出物除去水にスケール防止剤を添加することにより、前記析出物除去水から分離された濃縮水でスケールが発生しにくくなり、スケールが発生しにくくなった分後述する第2逆浸透膜から得られる第2透過水の流量を増やして第2逆浸透膜の濃縮倍率を高めて前記析出物除去水を前記逆浸透膜で処理できるため、水処理の効率を高めることができるという利点がある。前記スケール防止剤としては、上記のスケール防止剤を同様に用いることができる。
前記再分離工程は、前記原水から前記濃縮水を分離する前記逆浸透膜を用いて実施することができる。
または、前記再分離工程は、前記逆浸透膜と異なる第2逆浸透膜を用いて実施することができる。
または、前記再分離工程は、前記逆浸透膜と異なる第2逆浸透膜を用いて実施することができる。
前記逆浸透膜を用いて前記再分離工程を実施する場合、前記析出物除去水を前記原水と混合して、再度前記逆浸透膜で処理する。前記析出物除去水を前記原水と混合して再度前記逆浸透膜で処理することにより、前述したように前記原水からの回収率を高めることができるうえに、別の逆浸透膜を要せずとも前記再分離工程を実施できるという利点がある。
前記逆浸透膜と異なる第2逆浸透膜を用いて前記再分離工程を実施する場合、前記析出物除去水を前記第2逆浸透膜によって第2透過水と第2濃縮水とに分離する。また、第2逆浸透膜により分離された透過水である第2透過水を前記原水と混合して再度前記逆浸透膜で処理することができる。第2逆浸透膜により分離された透過水である第2透過水を前記原水と混合して再度前記逆浸透膜で処理することにより、前述したように前記原水からの回収率を高めることができるうえに、処理水質の低下を防止できるという利点がある。
また、第2逆浸透膜により分離された透過水である第2透過水を工業用水などとして利用することもできる。
また、第2逆浸透膜により分離された透過水である第2透過水を工業用水などとして利用することもできる。
なお、前記前処理工程の前に、例えば、従来公知の水処理方法を採用する態様も本発明に含まれ得る。また例えば、前記後処理工程の後に、従来公知の水処理方法を採用する態様も本発明に含まれ得る。
続いて、本発明に係る水処理装置の一実施形態について説明する。
本実施形態の水処理装置は、逆浸透膜によって不純物を含む水から濃縮水を分離除去する水処理装置であって、前記濃縮水に前記陰イオンを含む薬剤を添加して前記不純物の少なくとも一部を析出させる析出手段と、前記析出手段によって析出された析出物を除去する析出物除去手段とを備えていることを特徴とする。
前記析出手段としては、水処理の技術分野において従来公知の一般的な設備が挙げられ、例えば、前記濃縮水を貯留でき、前記陰イオンを含む薬剤が添加されるようになっている濃縮水槽(図示せず)が挙げられる。前記濃縮水槽では、前記濃縮水に含まれている前記不純物の少なくとも一部が析出される。
前記析出物除去手段としては、水処理の技術分野において従来公知の一般的な設備が挙げられ、例えば、上述したMF膜、UF膜、砂濾過器などが挙げられる。
本実施形態の水処理装置は、一般的な方法によって製造することができる。即ち、前記逆浸透膜、前記MF膜、前記UF膜、前記砂濾過器などとしては、水処理装置において一般的に用いられているものを採用することができ、これらに必要な配管、配線等を設置するなどして組み合わせ、通常の方法で本実施形態の水処理装置を製造することができる。
本発明は、上記例示の水処理方法および水処理装置に限定されるものではない。
また、一般の水処理方法および水処理装置において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
また、一般の水処理方法および水処理装置において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(試験例1)
ポリアミド製の逆浸透膜で分離させた濃縮水(COD値24.1mg/L、カルシウム濃度900mg/L)に陰イオンを含む薬剤として水酸化ナトリウムをpH11.5程度となるように添加して析出物を析出させ、孔径が約0.1μmのMF膜によって該析出物を除去した。この析出物除去水について、JIS K0102に準じて、化学的酸素要求量(COD_Mn)を測定し、JIS K0102のカルシウム硬度の試験方法に準じて、カルシウムイオン濃度を測定した。結果を表1に示す。
ポリアミド製の逆浸透膜で分離させた濃縮水(COD値24.1mg/L、カルシウム濃度900mg/L)に陰イオンを含む薬剤として水酸化ナトリウムをpH11.5程度となるように添加して析出物を析出させ、孔径が約0.1μmのMF膜によって該析出物を除去した。この析出物除去水について、JIS K0102に準じて、化学的酸素要求量(COD_Mn)を測定し、JIS K0102のカルシウム硬度の試験方法に準じて、カルシウムイオン濃度を測定した。結果を表1に示す。
(試験例2)
濃縮水に水酸化ナトリウムを添加しなかった点、即ち、析出工程を実施しなかった点以外は、試験例1と同様にして水処理をおこなった。結果を表1に示す。
濃縮水に水酸化ナトリウムを添加しなかった点、即ち、析出工程を実施しなかった点以外は、試験例1と同様にして水処理をおこなった。結果を表1に示す。
表1から認識できるように、陰イオンを含む薬剤である水酸化ナトリウムを濃縮水に添加し、析出物をMF膜で除去した試験例1では、濃縮水のカルシウムイオンが減少しているだけでなく、有機物も減少している。従って、濃縮水に陰イオンを含む薬剤を添加する水処理方法は、濃縮水に含まれるイオン成分や有機物などの不純物を簡便に低減できるといえる。
Claims (4)
- 逆浸透膜によって不純物を含む水から濃縮水を分離除去する水処理方法であって、
陰イオンを含む薬剤を前記濃縮水に添加して前記不純物の少なくとも一部を析出させる析出工程と、前記析出工程によって析出させた析出物を除去する析出物除去工程とを実施することを特徴とする水処理方法。 - 前記濃縮水に凝集剤を添加して前記析出物を凝集させる凝集工程を実施した後に、前記析出物除去工程を実施する請求項1記載の水処理方法。
- 前記析出物除去工程を実施して前記析出物が除去された析出物除去水を逆浸透膜で分離処理する請求項1又は2に記載の水処理方法。
- 逆浸透膜によって不純物を含む水から濃縮水を分離除去する水処理装置であって、
陰イオンを含む薬剤を前記濃縮水に添加して前記不純物の少なくとも一部を析出させる析出手段と、前記析出手段によって析出された析出物を除去する析出物除去手段とが備えられていることを特徴とする水処理装置。
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JP2008086391A JP2009233633A (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | 水処理方法および水処理装置 |
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CN114105344A (zh) * | 2020-08-26 | 2022-03-01 | 中国石油天然气集团有限公司 | 反渗透浓水的处理方法 |
-
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- 2008-03-28 JP JP2008086391A patent/JP2009233633A/ja not_active Withdrawn
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