JP2009233628A - 塗料供給ロール、ロール塗布装置および塗布済みウェブの製造方法 - Google Patents

塗料供給ロール、ロール塗布装置および塗布済みウェブの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗料の循環を不要とし、しかもブレードを使用しなくても前計量によって計量された塗料が区画溝に供給される塗料供給ロールと、この塗料供給ロールを用いて、膜厚が安定で、塗布欠点のないロール塗布装置および塗布済みウェブの製造方法を提供する。
【解決手段】塗料を保持する区画溝が密に形成された塗料供給ロールであって、外部から前記塗料供給ロール内部に塗料を供給する供給口と、前記供給口と連通して塗料を前記塗料供給ロール内部の周方向および軸方向に分配する分配路と、前記分配路と連通して前記区画溝に内部から塗料を供給する複数の供給路と、を備える塗料供給ロール
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗料供給ロール、塗料供給ロールを用いたロール塗布装置および塗布済みウェブの製造方法に関する。
連続する基材、すなわちウェブにウェットコーティングで機能膜を形成する装置には様々なものがある。反射防止フィルムや帯電防止フィルムなどの光学フィルムでは、塗布膜厚がウェットで1〜20μmと薄いので、薄膜塗布に適した直径20〜70mmのグラビアロールを用いたグラビア塗布装置がよく使用される。
図9は一般的なグラビアロール81を用いたグラビア塗布装置80の概略図である。グラビアロール81には、外周面の一部または全部に、塗料を保持するために斜線状、格子状、亀甲状などの区画溝が密に彫刻されている。グラビアロール81は、ウェブ82の走行方向と逆方向に回転して、液槽83内を通過するときに、液槽83内の塗料88を区画溝に充填する。そして、余剰な塗料をブレード85で除いて計量された状態で、キスタッチするウェブ82の下面に区画溝内の塗料の一部を転写することで塗布が行われる。
しかしながら、ブレード85が回転するグラビアロール81と長時間接触すると、ブレード85の刃先が摩耗するので、塗料の計量性が変化して、膜厚が経時的に変化したり、ブレード85の摩耗粉がウェブ82に付着したりする問題があった。
この問題に対して、ブレード85の刃先角度とグラビアロール81の接線の角度を±10°以内に合わせ、ブレード85の刃先形状の変化を少なくして、塗料の計量性を維持する方法が提案されているが(たとえば特許文献1)、ブレード85の摩耗自体はなくならないので、根本的な解決策にはなっていない。
また、グラビア塗布装置80では、液槽83内で塗料88が長時間滞留することを防止するために、液槽83に塗布量以上の塗料88を供給して液槽83からオーバーフローさせ、オーバーフローさせた塗料を回収して、また液槽83に供給するといった塗料の循環が行われる。この循環過程において塗料は劣化し、塗料に含まれる溶剤が徐々に揮発して、塗料の固形分濃度が変化するので、これが塗布されると膜厚も経時で変化する。さらには、循環中に外部から異物が混入して、異物欠点が発生するという問題もあった。
この問題に対して、グラビアロール81、液槽83と2つのブレード85で閉空間を形成して塗布する方法が提案されているが(たとえば特許文献2)、ブレード85で計量するので、前述したブレード85の摩耗による膜厚の経時変化やブレード85の摩耗粉の問題を解決することはできないし、滞留による塗料の劣化も発生する。
特開2000−202350号公報 特開平10−151391号公報
本発明はかかる問題を解決するために発明されたものであり、その目的は塗料の循環を不要とし、ブレードの使用に伴う問題を極小化した塗料供給ロールと、この塗料供給ロールを用いて、膜厚が安定で、塗布欠点のないロール塗布装置および塗布済みウェブの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、外周面の少なくとも一部に区画溝が形成された塗料供給ロールであって、外部から前記塗料供給ロール内部に塗料を供給する供給口と、前記供給口と連通して前記塗料を前記塗料供給ロール内部の周方向および軸方向に分配する分配路と、前記分配路と連通して前記区画溝に内部から前記塗料を供給する複数の供給路と、を備えることを特徴とする塗料供給ロール、を提供する。
また本発明は、回転するロールにキスタッチするウェブに、前記ロールから塗料を供給して塗布するロール塗布装置であって、前記ロールに請求項1に記載の塗料供給ロールを用いるとともに、ウェブに塗料を供給した区画溝が一回転して再びウェブにキスタッチするまでに、前記区画溝に所定量の塗料を充填するように塗料供給ロール内部に塗料を供給する塗料供給装置を備えることを特徴とするロール塗布装置、を提供する。
また本発明は、回転するロールにキスタッチするウェブに、ロールから塗料を供給して塗布する塗布済みウェブの製造方法であって、ロールに請求項1に記載の塗料供給ロールを用いるとともに、ウェブに塗料を供給した区画溝が一回転して再びウェブにキスタッチするまでに、前記区画溝に所定量の塗料を充填するように塗料を供給することを特徴とする塗布済みウェブの製造方法、を提供する。
なお本発明において区画溝とは、ロール外周の表面に形成された複数の凹部であって、たがいに隣り合う溝との間を隔壁で遮られたものをいう。区画溝の四方が隔壁で遮られている場合は、格子状や亀甲状のセル溝になり、区画溝の周囲のうち2方が隔壁で遮られている場合は、直線状や斜線状の連通溝になる。
本発明によれば、ブレードを使用しなくても、前計量で所定量の塗料を区画溝に供給することができる。また、塗料を必要な量だけ、必要なときに供給することが可能になるので、塗料を循環させる必要がない。さらに、ブレードを使用しないことにより、前計量によって所定量の塗料が循環なしに区画溝に供給される塗料供給ロールを用いてウェブに塗布が行われるので、途中で固形分濃度などが変化することはなく、膜厚が長時間にわたって安定する。さらに、循環による塗料の劣化やブレード摩耗などによる異物の混入がない。その結果、塗布欠点のない、均一な膜厚の高品質の塗布膜をえることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明するが、本発明は本実施形態のみに限定されるものではない。
図1は本発明の一実施形態である塗料供給ロール10を示す正面断面図、図2は塗料供給ロール10の外周面に形成された外周層16の部分拡大斜視図、図3は本発明の別の実施形態である塗料供給ロール30を示す正面断面図、図4は塗料供給ロール30の構成部材であるリング35の概略図、図5は本発明のまた別の実施形態である塗料供給ロール40を示す正面断面図、図6は塗料供給ロール40の構成部材である螺旋体45の概略図、図7は本発明のさらにまた別の実施形態である塗料供給ロール50を示す正面断面図、図8は本発明の実施形態のロール塗布装置60の概略図、である。
図1を見ると、本実施形態になる塗料供給ロール10が示されている。塗料供給ロール10は、外径Dで軸方向長さL1の外周層16と、多孔質層15と、芯材11と、円筒ブロック20とから構成される。芯材11の一方の軸端には塗料を供給する供給口12が設けられており、供給口12は内部を軸方向に延びる空洞部13と通じている。芯材11の外周側には空洞部13と通じる複数の流路14が半径方向に沿って設けられている。芯材11の外側には円筒状の多孔質層15が配置されている。多孔質層15は芯材11に嵌合されているとともに、その軸方向の両端が円筒ブロック20で固定されているので、周方向、軸方向ともに拘束されている。多孔質層15は全体に略均等な空隙を有しており、空隙は内周側と外周側で通じている。また、多孔質層15の厚みは全周で均一になるように成形されている。多孔質層15の外周面には円筒状の外周層16の内面が接して配置されている。外周層16の中央部には軸方向に長さL2にわたって区画溝17が密に形成されている。図2に示すように区画溝17は塗料を保持できる溝構造になっており、底には多孔質層15と通じる複数の供給路18が設けられている。
本実施形態の塗料供給ロール10では、外部から供給される塗料を均等に区画溝17に分配して供給することができるので、その作用について以下に説明する。まず、外部から供給口12に塗料を供給して、供給口12から供給路18までにある空気を押し出し、塗料供給ロール10の内部を塗料で充満させる。さらに、塗料を供給口12に供給すると、塗料は供給口12と連通する空洞部13、流路14、多孔質層15、供給路18を経て、区画溝17に到達する。このときに多孔質層15は適度な空隙率を有しているので、塗料は多孔質層15を通過するときに適度な流路抵抗を受ける。すなわち、塗料は多孔質層15を流れにくくなるために、塗料は空洞部13で軸方向および周方向に均等に分配されて、そのまま流路14を流れる。流路14を経て均等に分配された塗料は、多孔質層15を外周に向かって通過した後、近傍にある複数の供給路18のいずれかを通って、区画溝17に到達する。そして、塗料は軸方向、および周方向に均等に分配されているから、全周にわたって区画溝17内に一様な量の塗料が充填される。このように本実施形態の塗料供給ロール10は、供給口12から供給された塗料を外周層16に形成された区画溝17に均等に分配して供給することができる。各区画溝17に充填された塗料は、区画溝17が重力方向の下側に向いても、塗料の表面張力によって区画溝17に保持される。そして、区画溝17に供給される塗料の総量は、供給口12から供給される塗料の供給量と等しいので、供給量を制御することで塗料供給ロール10の区画溝17に前計量で所定量の塗料が供給される。また、供給口12から区画溝17まで塗料は外気に触れないで、しかも循環されることなく一方向のみに流れるので、塗料に含まれる溶剤が揮発して固形分濃度が変化したり、循環によって異物が混入したり、塗料が劣化したりすることがない。
以上の空洞部13、流路14および多孔質層15は塗料を軸方向および周方向に均等に分配するための分配路を構成している。上記したようにこの分配路は、区画溝17への塗料の供給口になる複数の供給路18に、塗料供給ロール10の内部から一様な量の塗料を分配して供給する。なお、多孔質層15は流路抵抗を付与するために、気孔率は10〜90%であることが好ましく、30〜60%であることがより好ましい。また、塗料供給ロール10内部で塗料が詰まることを防止するために、平均気孔径は1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましい。多孔質層15の材質は剛性と耐薬品性の点から、セラミックスやステンレスなどの焼結体が好ましいが、上記のような空隙を形成できるものであれば、他の材質を用いてもよい。また、剛性と流路抵抗の均一性の点から、多孔質層15は異なる複数の種類のものを積層させたものであってもよい。区画溝17の形状は、格子状や亀甲状などのセル溝であってもよいが、直線状や斜線状の連通溝であってもよい。基材であるウェブに塗料供給ロール10から塗料を塗布するときに、均等に供給できるという点から、線状であることが好ましく、さらに軸方向でウェブへの塗料供給位置を適宜変化させて供給ムラをなくすという点から、区画溝17の位置が変化する斜線状であることがより好ましい。また、斜線状の区画溝17の場合は、一条線であってもよいが、区画溝17の塗料供給位置を大きく変化させるという点から、多条線であることが好ましい。さらに、区画溝17を隔てる隔壁の頂上である外周面19には、塗料が濡れ広がることを防止する点から、区画溝17よりも撥液性が高いことが好ましく、例えば外周面19にフッ素、“テフロン(登録商標)”、シリコン等の撥液性を有する樹脂層を設けたり、これらの樹脂を含有させたセラミックス層を設けてもよい。
芯材11の材質としては、剛性と耐薬品性の点から、ステンレスが好ましいが、鋼材に硬質Cr等の防錆メッキを施したものやセラミックスなどでもよい。芯材11の外周側に形成される流路14の形状は特に限定されないが、形成が容易であることから、円形断面やスリット状の長方形断面を有するものであることが好ましい。また、流路14が全面で同一の形状である必要はなく、空洞部13、多孔質層15を含めて流路抵抗を均等化するために流路14の断面形状を配置位置によって変えてもよい。供給口12は芯材11の一方の軸端に限定して設けられるものではなく、両方の軸端から供給できるように両側に設けてもよいし、一方の軸端を供給口12、もう一方の軸端を排出口として使用してもよい。
外周層16の材質としては耐摩耗性や硬度の点から、セラミックスや金属に硬質Crメッキを施したものが好ましいが、それ以外でもウェブに対する耐摩耗性や硬度を備えた所定の区画溝17を形成することができるものであれば、いかなるものを用いてもよい。材質をセラミックスにするのであれば、多孔質層15と円筒ブロック20の外周面にセラミックスを溶射した後に、円筒研磨で外周面19を仕上げてから、レーザー加工で区画溝17と供給路18を形成するようにしてもよい。材質をステンレスにするのであれば、外周面19に、転造や切削加工、またはエッチングなどで区画溝17を形成した後に、放電加工などで供給路18を形成してもよい。供給路18の形状は特に限定されないが、流れの均一性を確保する点と加工成形が容易である点から、円形断面であることが好ましい。さらに、多孔質層15から区画溝17に通じる流路として供給路18を用いているが、供給路18の少なくとも一部を多孔質層15で形成してもよい。
図3には、本発明の別の実施形態である塗料供給ロール30が示されている。塗料供給ロール30は、塗料供給ロール10の多孔質層15を分配層38に置き換えた以外は塗料供給ロール10と全く同じである。図1の形態と対応する部材には同一の参照符号を付してあることがある。以下、他の実施形態についても同様の表記をすることがある。分配層38は図4に示すようなリング35を塗料供給ロール30の軸方向に多数密に並べることで構成されている。リング35には少なくとも片面に複数の突起37が設けられており、隣り合うリング35との間に一定の隙間31を形成するようになっている。そして、各隙間31に塗料が均等に分配されるように流路14は配置されている。この隙間31の大きさを適正にすることによって、塗料が隙間31、供給路18を経て区画溝17に到達するときに、軸方向および周方向に均等に適度な流路抵抗を受けるので、塗料を各区画溝17に均等に分配することができる。リング35の材質は剛性と耐薬品性の点から、ステンレスやセラミックスが好ましい。隙間31の大きさ、すなわち突起37の高さは、好ましくは0.01〜1.0mm、より好ましくは0.05〜0.5mmである。
図5には、本発明のまた別の実施形態である塗料供給ロール40が示されている。塗料供給ロール40は、塗料供給ロール10の多孔質層15を分配層48に置き換えた以外は塗料供給ロール10と全く同じである。分配層48は図6に示すような螺旋体45で構成されている。螺旋体45は、たとえば楕円断面のワイヤーなど、一様な断面形状の部材を螺旋状に等ピッチで芯材11に巻き付けて、所定の幅と深さの溝46を設けたものである。溝46は形状開始部から終了部まで連通している。そして、各溝46に塗料が均等に分配されるように流路14は配置されている。溝46の幅と深さは、ワイヤーなどの部材の配置ピッチと断面形状によって定まり、これらの大きさを適正にすることによって、塗料が螺旋体45の溝46、供給路18を経て区画溝17に到達するときに、軸方向および周方向で均等に適度な流路抵抗を受けるので、塗料を各区画溝17に均等に分配することができる。螺旋体45の材質は剛性と耐薬品性の点から、ステンレスが好ましい。また、螺旋体45は一条に形成してもよいし、多条に形成してもよい。螺旋体45の断面形状は流路抵抗を付与するために、塗料供給ロール40の半径方向が長円側となる楕円形であることが好ましいが、円形であってもよい。溝46の幅は好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.2〜0.5mmである。また、溝46の深さは0.5〜10mmであることが好ましい。
図7には、本発明のさらにまた別の実施形態である塗料供給ロール50が示されている。塗料供給ロール50は塗料供給ロール10の多孔質層15、円筒ブロック20がなく、芯材11のかわりに内部に供給路58を備え、その外周面が外周層16の内周面に接する芯材52を設けた以外は塗料供給ロール10と全く同じである。複数の供給路58は空洞部13から半径方向にのびて区画溝17の供給路18に直接連通している。塗料供給ロール50は、空洞部13、供給路58で分配路を構成している。この供給路58の長さや断面形状を適正にすることによって、塗料が空洞部13から供給路58、供給路18を経て区画溝17に到達するときに、軸方向および周方向に均等に適度な流路抵抗を受けるので、塗料を各区画溝17に均等に分配することができる。供給路58の形状は特に限定されないが、流路抵抗の均等性を確保する点と加工成形が容易である点から、円形断面であることが好ましい。なお、本実施形態では、芯材52と外周層16から構成された塗料供給ロール50を実施例に説明したが、分配路が実質的に同じものであれば、芯材52と外周層16が一体であるものや、芯材52と外周層16の間に1つ以上の中間層を設け、これら中間層に供給路18と供給路58と連通する別の供給路を設けたものであってもよい。
図8を見ると、本実施形態になるロール塗布装置60の外観が示されている。塗料供給ロール10は基材であるウェブ61の矢印で示される走行方向と直交する方向に伸び、その両端が図示しない軸受で支持されている。塗料供給ロール10のウェブ61の走行方向の前後には、ウェブ61を案内するガイドロール62が回転自在に配置されている。ガイドロール62は図示しないアームとともに昇降し、ウェブ61の下面を塗料供給ロール10とキスタッチ、すなわちウェブ61をわずかな巻き付け角度で塗料供給ロール10に巻き付けさせる。キスタッチ時のウェブ61の塗料供給ロール10への巻き付け角度は好ましくは0〜50°、より好ましくは10〜30°である。塗料供給ロール10の一方の軸端には図示しないカップリングと減速機を介して駆動モータが接続されている。この駆動モータによって、塗料供給ロール10は所定の回転数でウェブ61の走行方向と逆方向に回転する。塗料供給ロール10のもう一方の軸端には塗料の供給口12が設けられており、図示しない回転継手を介して塗料供給装置70から塗料68が供給される。塗料供給装置70は、塗料68を貯蔵するタンク64と、タンク64内の塗料68を移送するポンプ65と、供給量を測定する流量計66と、塗料68中の異物を濾過するフィルター67と、から構成されている。塗料供給ロール10に塗料68を所定量で供給するために、流量計66で測定した塗料68の供給量、すなわち前計量した供給量をポンプ65にフィードバックして、供給量が一定になるように制御している。塗料供給ロール10の下方には、塗料供給ロール10の内部を塗料68で充満する、いわゆるエア抜き作業時に塗料供給ロール10から落下する余剰の塗料68を受けるための液パン63が配置されている。
本実施形態のロール塗布装置60を用いて、所定の膜厚でウェブ61に塗料68を塗布する方法を説明する。初期状態として、ガイドロール62は上方にあって、ウェブ61と塗料供給ロール10は離れて接触しておらず、ウェブ61と塗料供給ロール10はともに停止している。次に初期作業として、ポンプ65を駆動し、タンク64内の塗料68を流量計66とフィルター67を経て塗料供給ロール10に供給し、供給口12から供給路18にあるエアをすべて排出してから、すべての区画溝17に塗料を充填する。このエアを排出する作業時に塗料供給ロール10から落下する余剰な塗料は、液パン63に蓄えられる。つづいて、ウェブ61と塗料供給ロール10を所定の速度で矢印の方向に走行させてから、ポンプ65を駆動して、所定量の塗料68を塗料供給ロール10に供給する。これとほぼ同時にガイドロール62を下降させ、ウェブ61の下面と塗料供給ロール10とをキスタッチさせる。塗料供給ロール10の区画溝17とウェブ61が接触すると、接触した区画溝17内の塗料の一部がウェブ61に転写して塗布が行われ、ウェブ61から剥離した直後の区画溝17にはウェブ61に塗布した分の塗料を減じた量が残る。塗料供給ロール10は前述したように外周面19に形成された区画溝17に内部から塗料を均等に分配することができるので、塗料供給ロール10がウェブ61から剥離してから、一回転して再びウェブ61に接触するまでの間に、ウェブ61に塗布された量の塗料を塗料供給装置70から区画溝17に供給することができる。そして、再び塗料が充填された区画溝17内の塗料をウェブ61に塗布するので、塗料供給ロール10からウェブ61に常時、所定量の塗料を塗布することができる。このように、本実施形態のロール塗布装置60は、従来のグラビア塗布装置80と比べて、塗料の計量にブレードを必要としないので、ブレードの刃先が摩耗して計量性が変化するということがない。したがって、膜厚が経時的に変化しないで、常に一定の膜厚をえられる。また、タンク64内の塗料68は区画溝17に供給されるまで、外気に触れることがなく、長時間滞留することがないので、塗料の劣化や異物の混入を防止することができる。そのため、固形分濃度が変化することによる経時的な膜厚変化や、異物混入による塗布欠点の発生がない。なお、本実施形態では塗料供給ロール10をロール塗布装置60に適用した実施例を説明したが、本発明の別の実施形態である塗料供給ロール30、40、50のいずれをロール塗布装置60に適用しても、同じ作用効果を発揮する。
本実施形態の塗料供給ロール10には従来のグラビアロール81に使用される塗料を適用することができ、粘度は好ましくは1000mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下である。この範囲よりも粘度が大きいと、塗料供給ロール10の内部圧力が高くなり、塗料供給ロール10が変形してしまうという不具合が生じる。
[実施例1]
外周層16の外径D=22mm、外周層16の軸方向長さL1=265mm、区画溝17が設けられている範囲の軸方向長さL2=50mmである塗料供給ロール10を製作した。芯材11の材質はステンレスにして、外径を12mm、空洞部13である内径を6mmで仕上げた。芯材11の外周側には直径1mmの円形断面の流路14を、1平方センチメートル辺り25個の割合で形成し、その外側に厚み4.5mmの円筒状の多孔質層15を芯材11と嵌合させ、その両端に円筒ブロック20をしまり嵌めで挿入して固定した。多孔質層15は、平均粒子径10μmのセラミックス焼結体であり、空隙率は38%であった。さらに、多孔質層15と円筒ブロック20の外周面にアルミナを溶射して、厚み0.5mmの外周層16を形成した後に、研磨で外周面19を仕上げてから、レーザー加工で3.15線/mm(80線/インチ)で角度45°の斜線状の区画溝17を形成した。区画溝17の形状は、深さ130μmで幅220μmであった。そして、区画溝17の底にレーザー加工で直径100μmの円形断面の供給路18を周方向に400μmピッチで形成した。
こうして製作した塗料供給ロール10を図8に示すロール塗布装置60に適用して塗布を行った。ウェブ61には、幅100mm、厚み100μmのPETフィルムを準備した。塗料には、光硬化性アクリル系樹脂とメチルエチルケトンを固形分濃度10%になるように配合し、粘度を3mPa・sにしたものを準備した。ポンプ65にはマイクロギアポンプを用い、塗料をこのポンプ65を用いて、供給量5mL/分で塗料供給ロール10に供給した。供給量は低流量用超音波流量計66で測定して、ポンプ65にフィードバックすることで供給量を一定に保つようにした。ウェブ61の搬送速度を5m/分、塗料供給ロール10の周速度を6m/分で動かして、塗料供給ロール10とウェブ61の下面を巻き付け角度10°でキスタッチさせて、ウェブ61に塗料をウェット膜厚20μmで650m塗布した。その後、熱風乾燥機で100℃にて1分間乾燥させてから、UVランプで120w/cmのUV光を照射し、塗膜を硬化させた。えられた塗膜の塗布開始部、終了直前部の2mをサンプリングしたところ、目標ドライ膜厚2.0μmに対して、塗布開始部、終了直前部ともに膜厚精度は±3%以下になっており、異物や塗料の劣化による塗布欠点もなかった。
[比較例]
外径22mm、軸方向の全長265mm、区画溝が設けられている範囲の軸方向長さ50mmのグラビアロール81を製作した。製作したグラビアロール81を図9に示すグラビア塗布装置80に適用して塗布を行った。グラビアロール81は3.15線/mm(80線/インチ)で角度45°の斜線状の区画溝が形成されたものである。ウェブ82と塗料は実施例1と同じものを準備した。塗料をモーノポンプを用いて、供給量200mL/分で液槽83に供給した。実施例1と同様に、ウェブ82を搬送速度5m/分、塗料供給ロール10を周速度6m/分で走行させ、塗料供給ロール10とウェブ82の下面を巻き付け角度10°でキスタッチさせて、ウェブ82に塗料をウェット膜厚20μmで650m塗布した。その後、熱風乾燥機で100℃にて1分間乾燥させてから、UVランプで120w/cmのUV光を照射し、塗膜を硬化させた。えられた塗膜の塗布開始部、終了直前部の2mをサンプリングしたところ、塗布開始部は目標ドライ膜厚2.0μmに対して、膜厚精度は±3%以下になっていたが、終了直前部は最大で+8%膜厚が厚くなっているところがあった。また、異物や塗料の劣化による塗布欠点も発生しており、長さ2mの塗膜に32個の欠点が検出された。
本発明は、光学フィルム分野のみならず、フィルム、紙、金属板などの連続する基材にウェットコーティングする分野に適用することができる。
本発明の一実施形態である塗料供給ロール10を示す正面断面図である。 塗料供給ロール10の外周面に形成された外周層16の部分拡大斜視図である。 本発明の別の実施形態である塗料供給ロール30を示す正面断面図である。 塗料供給ロール30の構成部材であるリング35の概略図である。 本発明のまた別の実施形態である塗料供給ロール40を示す正面断面図である。 塗料供給ロール40の構成部材である螺旋体45の概略図である。 本発明のさらにまた別の実施形態である塗料供給ロール50を示す正面断面図である。 本発明の実施形態のロール塗布装置60の概略図である。 従来のグラビア塗布装置80の概略図である。
符号の説明
10 塗料供給ロール
11 芯材
12 供給口
13 空洞部
14 流路
15 多孔質層
16 外周層
17 区画溝
18 供給路
19 外周面
20 円筒ブロック
30 塗料供給ロール
31 隙間
35 リング
37 突起
38 分配層
40 塗料供給ロール
45 螺旋体
46 溝
48 分配層
50 塗料供給ロール
52 芯材
58 供給路
60 ロール塗布装置
61 ウェブ
62 ガイドロール
63 液パン
64 タンク
65 ポンプ
66 流量計
67 フィルター
68 塗料
70 塗料供給装置
80 グラビア塗布装置
81 グラビアロール
82 ウェブ
83 液槽
84 ガイドロール
85 ブレード
D 外周層16の外径
L1 外周層16の軸方向長さ
L2 区画溝17が設けられている範囲を示す軸方向長さ

Claims (3)

  1. 外周面の少なくとも一部に区画溝が形成された塗料供給ロールであって、外部から前記塗料供給ロール内部に塗料を供給する供給口と、前記供給口と連通して前記塗料を前記塗料供給ロール内部の周方向および軸方向に分配する分配路と、前記分配路と連通して前記区画溝に内部から前記塗料を供給する複数の供給路と、を備えることを特徴とする塗料供給ロール。
  2. 回転するロールにキスタッチするウェブに、前記ロールから塗料を供給して塗布するロール塗布装置であって、前記ロールに請求項1に記載の塗料供給ロールを用いるとともに、ウェブに塗料を供給した区画溝が一回転して再びウェブにキスタッチするまでに、前記区画溝に所定量の塗料を充填するように塗料供給ロール内部に塗料を供給する塗料供給装置を備えることを特徴とするロール塗布装置。
  3. 回転するロールにキスタッチするウェブに、ロールから塗料を供給して塗布する塗布済みウェブの製造方法であって、ロールに請求項1に記載の塗料供給ロールを用いるとともに、ウェブに塗料を供給した区画溝が一回転して再びウェブにキスタッチするまでに、前記区画溝に所定量の塗料を充填するように塗料を供給することを特徴とする塗布済みウェブの製造方法。
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