JP2009232735A - (1r,2r)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は(1s,2s)−3−シクロアルケン−1−オールの製造方法 - Google Patents

(1r,2r)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は(1s,2s)−3−シクロアルケン−1−オールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学純度の高い(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールの製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(RR−1)及び下記一般式(SS−1):
Figure 2009232735

[式中、nは1〜8の整数であり、Xは置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールメチル基又は置換基を有してもよい複素芳香環基である。]で示されるラセミ体をリパーゼ又はエステラーゼの存在下でカルボン酸エステルからなるアシル化剤と反応させて、トランスエステル化により、分割する工程を有する(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品等の製造用中間体として有用な(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールの製造方法に関する。
プロスタグランジン(以下「PG」と略記することがある)は、血圧低下作用等を有する生理活性物質として従来から知られており、PGに限らず様々な生理活性を有する化合物を合成するために有用な中間体を得ることは重要である。
特開平7−76569号公報(特許文献1)には、医薬、農薬等の光学活性体のビルディングブロックとして有用な光学活性2−フェニルチオ−2−シクロアルケン誘導体と、この誘導体のリパーゼを利用した製造方法が記載されている。しかしながら、光学活性2−フェニルチオ−3−シクロアルケン誘導体についての記載はなかった。
また、非特許文献1には、プロスタグランジン類の製造用中間体として、ラセミ体である2−フェニルチオ−3−シクロアルケン−1−オールから(S)−(−)−(α−メチルベンジル)イソシアネート等を用いて光学活性2−フェニルチオ−3−シクロアルケン−1−オールを得る方法が記載されている。しかしながら、光学活性体を得る際に複数回反応を繰り返す必要があり改善が望まれていた。
特開平7−76569号公報 R. E. Donaldson et al., A Triply Convergent Total Synthesis of L-(-)-Prostaglandin E2, J. Org. Chem. 1983, Vol.48, No.13, p.2167-2188 2001, Vol.30, No.3, p.262-263
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、光学純度の高い(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールの製造方法を提供することを目的とするものである。また、このような方法により得られる(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールを出発化合物とする医薬品等の製造用中間体、特にプロスタグランジン類の製造用中間体の好適な製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、下記一般式(RR−1)及び下記一般式(SS−1):
Figure 2009232735
[式中、nは1〜8の整数であり、Xは置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールメチル基又は置換基を有してもよい複素芳香環基である。]
で示されるラセミ体をリパーゼ又はエステラーゼの存在下でカルボン酸エステルからなるアシル化剤と反応させて、トランスエステル化により、下記一般式(RR−2):
Figure 2009232735
[式中、n及びXは前記と同義であり、Yはアシル基である。]
又は下記一般式(SS−1):
Figure 2009232735
[式中、n及びXは前記と同義である。]
で示される化合物に分割する工程を有することを特徴とする(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールの製造方法を提供することによって解決される。
このとき、前記リパーゼ又はエステラーゼが微生物由来であることが好適であり、カンジダ(Candida)属由来のリパーゼを使用することが好適であり、前記アシル化剤が、カルボン酸ビニルエステルであることが好適である。また、1,3−シクロアルカジエンを出発化合物として前記一般式(RR−1)及び(SS−1)で示されるラセミ体を得る工程を有することが本発明の好適な実施態様である。
またこのとき、下記一般式(RR−2):
Figure 2009232735
[式中、n、X及びYは前記と同義である。]
で示される(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は下記一般式(SS−1):
Figure 2009232735
[式中、n及びXは前記と同義である。]
で示される(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールを出発化合物として用いることを特徴とする下記一般式(RR−4):
Figure 2009232735
[式中、nは前記と同義であり、Zはヒドロキシ保護基又は水素原子である。]
で示される(1R,4R)−2−シクロアルケン−1−オール又は下記一般式(SS−4):
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
で示される(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールの製造方法を提供することが本発明の好適な実施態様である。
更にこのとき、前記一般式(RR−2)で示される(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は前記一般式(SS−1)で示される(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールを酸化して下記一般式(RR−3):
Figure 2009232735
[式中、n、X及びZは前記と同義である。]
又は下記一般式(SS−3):
Figure 2009232735
[式中、n、X及びZは前記と同義である。]
で示される化合物を中間体として得る工程を有することが本発明の好適な実施態様である。
またこのとき、下記一般式(RR−4):
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
で示される(1R,4R)−2−シクロアルケン−1−オール又は下記一般式(SS−4):
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
で示される(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールを酸化することを特徴とする下記一般式(R−5):
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
で示される(R)−2−シクロアルケン−1−オン又は下記一般式(S−5):
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
で示される(S)−2−シクロアルケン−1−オンの製造方法を提供することが本発明の好適な実施態様である。
またこのとき、下記一般式(RR−4):
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
で示される(1R,4R)−2−シクロアルケン−1−オール又は下記一般式(SS−4):
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
で示される(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールを出発化合物として用いることを特徴とする下記一般式(SR−4):
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
で示される(1S,4R)−2−シクロアルケン−1−オール又は下記一般式(RS−4):
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
で示される(1R,4S)−2−シクロアルケン−1−オールの製造方法を提供することも本発明の好適な実施態様である。
本発明の製造方法によれば、ラセミ体である3−シクロアルケン−1−オールから光学純度の高い(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールを得ることができる。こうして得られた(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールは、医薬品等の製造用中間体として有用であり、特にプロスタグランジン類の製造用中間体として有用である。
本発明の製造方法は、下記一般式(RR−1)及び下記一般式(SS−1)で示されるラセミ体をリパーゼ又はエステラーゼの存在下でカルボン酸エステルからなるアシル化剤と反応させて、トランスエステル化により、下記一般式(RR−2)で示される(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は下記一般式(SS−1)で示される(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールに分割する工程を有することを特徴とする。
Figure 2009232735
[式中、nは1〜8の整数であり、Xは置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールメチル基又は置換基を有してもよい複素芳香環基である。]
Figure 2009232735
[式中、n及びXは前記と同義であり、Yはアシル基である。]
Figure 2009232735
[式中、n及びXは前記と同義である。]
上記一般式(RR−1)、(SS−1)及び(RR−2)において、Xは置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールメチル基又は置換基を有してもよい複素芳香環基であり、Yはアシル基である。
本発明において、置換基を有してもよいアリール基としては、例えば、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいアントリル基、置換基を有してもよいフェナントリル基等が挙げられる。中でも、置換基を有してもよいフェニル基が好ましく用いられ、特にXに好適なアリール基は、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基である。
本発明において、置換基を有してもよいアリールメチル基とは、メチル基にアリール基が結合した構造を有するものであれば特に限定されず、アリール基としては、上述に挙げられたものを用いることができる。置換基を有してもよいアリールメチル基の具体例としては、置換基を有してもよいベンジル基、置換基を有してもよいナフチルメチル基、置換基を有してもよいアントリルメチル基、置換基を有してもよいフェナントリルメチル基等が挙げられる。中でも、置換基を有してもよいベンジル基が好ましく用いられ、特にXに好適なアリールメチル基は、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−クロロベンジル基である。
本発明において、置換基を有してもよい複素芳香環基とは、複素芳香環が置換基を有していてもよいものであり、複素芳香環基としては、例えば、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基等が挙げられる。
本発明において、アシル基とは、直鎖又は分岐鎖の炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等が挙げられる。直鎖又は分岐鎖の炭素数2〜20のアルキルカルボニル基としては、アルキル基のいずれかの炭素原子にカルボニル基が結合した構造を有するものであれば特に限定されず、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。また、アリールカルボニル基としては、アリール基のいずれかの炭素原子にカルボニル基が結合した構造を有するものであれば特に限定されず、アリール基としては、上述に挙げられたものを用いることができる。アシル基の具体例としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、ドデカノイル基、クロトノイル基等が挙げられる。中でも、Yに好適なアシル基は、アセチル基である。
本発明において、一般式(RR−2)で示される(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は一般式(SS−1)で示される(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールは、下記一般式(RR−1)及び下記一般式(SS−1)で示されるラセミ体をリパーゼ又はエステラーゼの存在下でカルボン酸エステルからなるアシル化剤と反応させて、トランスエステル化により分割する工程によって得られる。本発明においてこの工程を工程1とする。
Figure 2009232735
[式中、n及びXは前記と同義である。]
Figure 2009232735
[式中、n、X及びYは前記と同義である。]
Figure 2009232735
[式中、n及びXは前記と同義である。]
上記工程1のように、本発明の製造方法ではカルボン酸エステルからなるアシル化剤が用いられるが、中でも、アシル化反応が効率良く行われる観点から本発明で用いられるアシル化剤は、カルボン酸ビニルエステルであることが好ましい。カルボン酸ビニルエステルの例としては、酢酸1−プロペニル、酢酸2−プロペニル、酢酸イソプロペニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、クロトン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、アジピン酸ジビニル、モノクロロ酢酸ビニル等が挙げられる。中でも、酪酸ビニルやラウリン酸ビニル等を用いた場合にはアシル化反応の進行が早すぎるおそれがあり、また、安息香酸ビニル等を用いた場合にはアシル化反応の進行が遅すぎるおそれがあり、より好適には、酢酸1−プロペニル、酢酸2−プロペニル、酢酸イソプロペニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、クロトン酸ビニルが用いられる。
前記アシル化剤の使用量は、一般式(RR−1)及び一般式(SS−1)で示されるラセミ体1モルに対して、0.5モル以上が好ましい。アシル化剤の使用量が0.5モル未満の場合、アシル化反応が不十分となるおそれがあり、より好適には0.8モル以上である。一方、アシル化剤の使用量は、通常、100モル以下である。
また、上記工程1で用いられるリパーゼ又はエステラーゼとしては特に限定されないが、微生物由来であることが好ましく、例えば、シュードモナス(Pseudomonas)属、ピシア(Pichia)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、サッカロポリスポラ(Saccharopolyspora)属、ストレプトミセス(Streptomyces)属、アクチノムコール(Actinomucor)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、バチルス(Bacillus)属、カンジダ(Candida)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、フザリウム(Fusarium)属、ゲオトリカム(Geotrichum)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、ジベレラ(Gibberella)属、クルイベロミセス(Kluyveromyces)属、ミクロスポリウム(Microsporum)属、ブレビバチルス(Brevibacillus)属、ムコール(Mucor)属、アクチノマドラ(Actinomadura)属、コプリナス(Coprinus)属、アガリカス(Agaricus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、リゾムコール(Rhizomucor)属、リゾプス(Rhizopus)属、コモモナス(Commomonas)属由来のものなどが挙げられる。本発明の製造方法において、具体的には、CAL−B(Candida antarctica lipase type−B、Roche社製「Chirazyme」)、リパーゼAK(Pseudomonas flurescens、Amano社製)、リパーゼAYS(Candida rugosa、Amano社製)、リパーゼA(Aspergillus niger、Amano社製)、プロテアーゼPS(Aspergillus melleus、Amano社製)、リパーゼM(Mucor javanicus、Amano社製)、リパーゼG(Penicillium camemberti、Amano社製)等が好適に用いられ、得られる化合物の化学収率が高く光学純度が良好である観点から、カンジダ(Candida)属由来のリパーゼであるCAL−B「Chirazyme」がより好適に用いられる。
前記リパーゼ又はエステラーゼの使用量は、一般式(RR−1)及び一般式(SS−1)で示されるラセミ体1モルに対して、1〜1000gが好ましい。リパーゼ又はエステラーゼの使用量が1g未満の場合、エステル化反応の進行がうまくいかないおそれがあり、より好適には2g以上である。一方、リパーゼ又はエステラーゼの使用量が1000gを超える場合、反応速度が速くなりすぎて反応のコントロールが困難となり、光学収率の低下につながるおそれがあり、より好適には100g以下である。ここで、リパーゼ又はエステラーゼの使用量というときには、リパーゼ又はエステラーゼが担持される担体を含んだ重量で表される。
上記工程1において、一般式(RR−1)及び一般式(SS−1)で示されるラセミ体をリパーゼ又はエステラーゼの存在下でアシル化剤と攪拌して反応させる際の反応溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ニトロベンゼン、クメン等の芳香族系;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒等が挙げられ、トルエン、キシレン、ジオキサンが好適に使用される。前記反応溶媒の使用量は、一般式(RR−1)及び一般式(SS−1)で示される化合物1モルに対して、0.01〜10リットルが好ましい。また、溶媒を用いずニートでアシル化剤と反応させることもできる。
上記反応させる際の反応温度としては、0〜100℃であることが好ましい。反応温度が0℃未満の場合、反応が十分に進行しないおそれがあり、より好適には10℃以上である。一方、反応温度が100℃を超える場合、酵素が失活するおそれがあるとともに、反応の選択性が著しく低下するおそれがあり、より好適には70℃以下であり、更に好適には60℃以下である。
また、上記反応させる際の反応時間としては、1時間〜10日であることが好ましい。反応時間が1時間未満の場合、反応が十分に進行しないおそれがあり、より好適には20時間以上である。一方、反応時間が10日を超える場合、光学収率が低下するおそれがあり、より好適には8日以下である。
上記工程1では、1位の炭素原子における立体配置が(R)体である一般式(RR−1)で示される化合物の水酸基のみが選択的にアシル化されるため、1位の炭素原子における立体配置が(S)体である一般式(SS−1)で示される化合物は水酸基が未反応のまま残り、一般式(RR−2)で示される(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン及び一般式(SS−1)で示される(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールを得ることができる。また、反応終了後は、リパーゼ又はエステラーゼを濾過により除去して分液操作等の処理を行うことが好ましい。その後、公知の方法により分離・精製することにより、一般式(RR−2)で示される(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は一般式(SS−1)で示される(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールを単離することができる。単離する方法としては特に限定されず、抽出、結晶化、蒸留又はカラムクロマトグラフィー等による単離方法であってもよい。
上記工程1における出発化合物である一般式(RR−1)及び一般式(SS−1)で示されるラセミ体を得る方法は特に限定されないが、下記化学反応式(I)のように1,3−シクロアルカジエンから合成されることが好ましい。
Figure 2009232735
ここで、上記化学反応式(I)において、n=1、Xがフェニル基のときの1,3−シクロペンタジエンを出発化合物として下記式(RR−1a)及び下記式(SS−1a)で示されるラセミ体を得る方法について下記化学反応式(Ia)を参照しながら説明する。1,3−シクロペンタジエンを3−クロロ過安息香酸、チオフェノール及びトリエチルアミンを用いて反応させることにより、炭素−炭素間の二重結合の一方に水酸基とフェニルチオ基がアンチ付加されたラセミ体を得ることができる。また、反応終了後は、得られたラセミ体を精製することが好ましい。精製する方法としては特に限定されないが、後述の実施例で示されるように、例えば、無水コハク酸を用いてコハク酸モノエステルにして精製する方法が好適に採用される。
Figure 2009232735
本発明では、上述のようにして得られた下記一般式(RR−2)で示される化合物又は下記一般式(SS−1)で示される化合物を出発化合物として用いることにより、下記一般式(RR−4)で示される(1R,4R)−2−シクロアルケン−1−オール又は下記一般式(SS−4)で示される(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールを得ることができる。本発明においてこの工程を工程2とする。
Figure 2009232735
[式中、n、X及びYは前記と同義である。]
Figure 2009232735
[式中、n及びXは前記と同義である。]
Figure 2009232735
[式中、nは前記と同義であり、Zはヒドロキシ保護基又は水素原子である。]
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
このとき、上記工程2において、一般式(RR−2)で示される化合物又は一般式(SS−1)で示される化合物を出発化合物とする場合には、下記一般式(RR−3)で示される化合物又は下記一般式(SS−3)で示される化合物を中間体として得る方法が好適に採用される。本発明においてこの工程を工程3とする。
Figure 2009232735
[式中、n、X及びZは前記と同義である。]
Figure 2009232735
[式中、n、X及びZは前記と同義である。]
ここで、上記工程3のように、一般式(RR−2)で示される化合物又は一般式(SS−1)で示される化合物を出発化合物として、一般式(RR−3)で示される化合物又は下記一般式(SS−3)で示される化合物を中間体として得て、更に一般式(RR−4)で示される(1R,4R)−2−シクロアルケン−1−オール又は下記一般式(SS−4)で示される(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールを得る方法について、以下の化学反応式(II)を参照しながら説明する。
Figure 2009232735
[式中、n、X、Y及びZは前記と同義である。]
上記反応1のように、一般式(SS−1)で示される(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールが有するヒドロキシ基を、ヒドロキシ保護基で保護することにより一般式(SS−2)で示される化合物が得られる。
本発明において、ヒドロキシ保護基とは、ヒドロキシ基を保護することが可能な置換基であれば特に限定されず、例えば、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキルシリル基、置換基を有してもよいアルコキシメチル基、置換基を有してもよいアリールメチル基、置換基を有してもよいテトラヒドロピラニル基等が挙げられる。中でも、Zに好適なヒドロキシ保護基は、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルキルシリル基、置換基を有してもよいアリールメチル基である。
上記置換基を有してもよいアシル基としては、上述のX及びYのところで説明したものと同様のものを用いることができる。中でもZに好適なアシル基は、アセチル基、ベンゾイル基である。
上記置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が挙げられ、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。中でもZに好適なアルコキシカルボニル基は、メトキシカルボニル基である。
上記置換基を有してもよいアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられる。中でもZに好適なアルキルシリル基は、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基である。
上記置換基を有してもよいアルコキシメチル基としては、メチル基にアルコキシ基が結合した構造を有するものであれば特に限定されず、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基等が挙げられる。中でもXに好適なアルコキシメチル基は、メトキシメチル基である。
上記置換基を有してもよいアリールメチル基としては、上述のXのところで説明したものと同様のものを用いることができる。中でもZに好適なアリールメチル基は、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−クロロベンジル基である。
このようにして得られた一般式(SS−2)で示される化合物に対して、3−クロロ過安息香酸のような酸化剤を用いた上記反応2のように、一般式(SS−2)で示される化合物の2位のチオエーテルをスルホキシドにした一般式(SS−3)で示される化合物を得ることができる。
次いで、得られた一般式(SS−3)で示される化合物に対して、上記反応3においてMislow-Evans転位反応を行うことにより、一般式(SS−4)で示されるアリルアルコール化合物である(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールを得ることができる。
上記反応3で用いられる溶媒は特に限定されず、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ニトロベンゼン、クメン等の芳香族系;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒等が挙げられ、トルエン、キシレン、クメン等が好適に用いられる。上記反応3における溶媒の使用量は、一般式(SS−3)で示される化合物1モルに対して、0.01〜10リットルが好ましい。上記反応3における反応温度としては特に限定されないが、0〜100℃であることが好ましい。反応温度が0℃未満の場合、反応が十分に進行しないおそれがあり、より好適には30℃以上である。一方、反応温度が100℃を超える場合は、副生成物が増加するおそれがあり、より好適には80℃以下である。
また、上記反応3における反応時間としては特に限定されないが、1〜20時間であることが好ましい。反応時間が1時間未満の場合、反応が十分に進行しないおそれがあり、より好適には2時間以上である。一方、反応時間が20時間を超える場合、副生成物が増加するおそれがあり、より好適には15時間以下である。反応終了後、カラムクロマトグラフィー等を用いて精製することにより、一般式(SS−4)で示される化合物を得ることができる。
以上、一般式(SS−1)で示される(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールを出発化合物として一般式(SS−4)で示される(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールを得る方法について説明したが、本発明の製造方法では、一般式(RR−2)で示される(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケンから一般式(RR−4)で示される(1R,4R)−2−シクロアルケン−1−オールを得ることもできる。このとき、一般式(RR−2)で示される化合物の1位のアシロキシ基をヒドロキシ基に置換した後に上記反応1〜3と同様の反応を行って、一般式(RR−4)で示される化合物を得る方法が好適に採用される。
このようにして得られた一般式(RR−4)で示される化合物又は一般式(SS−4)で示される化合物から下記一般式(R−5)で示される(R)−2−シクロアルケン−1−オン又は下記一般式(S−5)で示される(S)−2−シクロアルケン−1−オンを得ることができる。
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
具体的な反応例としては、下記化学反応式(III)の反応4で示されるように、一般式(SS−4)で示される(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールを活性二酸化マンガンのような酸化剤を用いて酸化することにより、一般式(S−5)で示される(S)−2−シクロアルケン−1−オンを得ることができる。
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
また本発明では、上述のようにして得られた一般式(RR−4)で示される化合物又は一般式(SS−4)で示される化合物を出発化合物として下記一般式(SR−4)で示される(1S,4R)−2−シクロアルケン−1−オール又は下記一般式(RS−4)で示される(1R,4S)−2−シクロアルケン−1−オールを得ることができる。
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
具体的な反応例としては、下記化学反応式(IV)の反応5で示されるように、例えば、一般式(SS−4)で示される(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールのヒドロキシ基をベンゾイルオキシ基等に置換するS2型の反応を行って立体配置を反転させ、一般式(RS−4)で示される(1R,4S)−2−シクロアルケン−1−オールを得ることができる。
Figure 2009232735
[式中、n及びZは前記と同義である。]
本発明の製造方法により得られる上記一般式(RR−4)及び一般式(SS−4)で示される化合物、並びにこれらの化合物の立体配置を反転させて得られる一般式(SR−4)及び一般式(RS−4)で示される化合物、更にケトン体である一般式(R−5)及び一般式(S−5)で示される化合物は、医薬品等の中間体として有用であり、特にプロスタグランジン類の中間体として有用であることから、本発明の製造方法を採用する意義が大きいものである。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
合成1[式(1a)で示される(1S*,2S*)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノールの合成]
ジシクロペンタジエンを常法に従って熱分解して得られた1,3-シクロペンタジエン(8.35 g、126 mmol)のジクロロメタン溶液 (100 ml) に、3-クロロ過安息香酸(減圧下で乾燥したもの、純度85%、7.68 g、37.9 mmol) を-30 ℃で20分間隔で3回に分けて加えた。反応液を30分かけて-15 ℃まで昇温し、-20〜-10 ℃で3時間攪拌し、その後-50 ℃まで冷却してから、トリエチルアミン(15.8 ml、114 mmol)、チオフェノール(4.30 ml、41.7 mmol) を順次滴下した。反応液を13時間かけて室温まで昇温した後に減圧下で揮発性の成分を留去した。残渣をトルエン(40 ml)/酢酸エチル(40 ml)で希釈し、1M 塩酸(100 ml)と1M 水酸化ナトリウム水溶液(100 ml x3)で順次洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた油状物質(7.64 g)をメタノール/水(30 ml/5 ml) の混合溶媒中において水酸化ナトリウム(800 mg、20 mmol)とともに 50 ℃で3時間加熱した。反応液を室温に冷却し、トルエン/水(30 ml/50 ml)を加えて分液抽出した。有機相をさらに水(50 ml x2)、飽和食塩水(50 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣(6.36 g、目的とするスルフィドアルコール以外にチオフェノール及びビスフェニルチオメタンなどの不純物を含む)をジクロロメタン(20 ml)に溶解し、コハク酸無水物(3.70 g、37 mmol)、トリエチルアミン(5.58 ml、40 mmol)を加え、室温下で12時間撹拌した。揮発性の成分を減圧下で留去した後、残渣をトルエン(20 ml)/酢酸エチル(20 ml)で希釈し、1M 塩酸 (50 ml x2) で洗浄した。有機相からカルボン酸を5%炭酸ナトリウム水溶液(50 ml x2)によってナトリウム塩として水相に抽出し、水相をさらにトルエン(50 ml)で洗浄した後に3M 塩酸を加えて酸性にした。酢酸エチル(50 ml)で抽出し、有機相を飽和食塩水(50 ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下で濃縮した。得られたコハク酸モノエステル(5.85 g)をメタノール/水(60 ml/30 ml) の混合溶媒中で水酸化ナトリウム(2.40g、60 mmol)と共に50 ℃ で1.5時間加熱した。メタノールを減圧下で留去し、残渣を水(50 ml)で希釈後、酢酸エチル(50 ml)で抽出した。有機相を水(50 ml x2)、飽和食塩水(50 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣(3.95 g)をクーゲルロール蒸留装置(外温140 ℃/0.5 mmHg)により減圧下で蒸留し、スルフィドアルコールである式(1a)で示される(1S*,2S*)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノール (3.83 g、19.9 mmol、3-クロロ過安息香酸からの収率60%)を得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(1a)で示される(1S*,2S*)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノールのNMRデータは以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.46-7.42 (2H, m), 7.33-7.28 (2H, m), 7.26-7.21 (1H, m), 5.89 (1H, m), 5.79 (1H, m), 4.43 (1H, dd, J=5.5, 5.8 Hz), 4.12 (1H, brs), 2.82-2.76 (1H, m, J=2.2, 4.6, 6.5, 17.7 Hz), 2.29 (1H, d, J=17.7 Hz), 1.78 (1H, d, J=5.8 Hz);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 135.2, 132.1, 130.7, 128.8, 128.6, 126.6, 77.1, 60.0, 40.9
合成2[式(RR-2a)で示される酢酸(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エニル、及び式(SS-1a)で示される(1S,2S)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノールの合成]
式(1a)で示される(1S*,2S*)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノール(2.01 g、10.4 mmol)、酢酸イソプロペニル(1.15 ml、10.4 mmol)及びCAL-B(Candida antarctica lipase type-B、Roche社製「Chirazyme」を減圧下で充分乾燥したもの、 52 mg)を混合し、50 ℃で48時間反応させた。反応混合物を酢酸エチル(10 ml)で希釈してセライト545に通して濾過し、濾液を濃縮した。残渣(2.23 g)を中圧カラムクロマトグラフィー(山善株式会社製SI-40Bカラム、ヘキサン/酢酸エチル=5/1〜3/1〜2/1)により精製し、式(RR-2a)で示される酢酸(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エニル(1.21 g、5.18 mmol、49%)、及び式(SS-1a)で示される(1S,2S)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノール(927 mg、4.82 mmol、46%)を得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(RR-2a)で示される酢酸(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エニルのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.46-7.43 (2H, m), 7.32-7.23 (3H, m), 5.84 (1H, m), 5.79 (1H, m), 5.32 (1H, d, J=6.1 Hz), 4.16 (1H, bs), 2.75 (1H, dddd, J=1.8, 4.0, 6.1, 18.0 Hz), 2.27 (1H, d, J=18.0 Hz), 2.06 (3H, s);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ:170.2, 134.0, 132.1, 131.7, 129.1, 128.8, 127.2, 79.2, 57.7, 38.7, 21.0;
比旋光度 [α]D 23.7 -158.3 (c 0.998, CHCl3)
式(SS-1a)で示される(1S,2S)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノールのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。また、HPLC(Chiralpak IA, hexane/ethyl acetate=4/1, 254 nm, 1.2 ml/min)により分析した結果、式(SS-1a)で示される(1S,2S)- 2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノールの光学純度は>99%eeと判明した。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.46-7.42 (2H, m), 7.33-7.28 (2H, m), 7.26-7.21 (1H, m), 5.89 (1H, m), 5.79 (1H, m), 4.43 (1H, dd, J=5.5, 5.8 Hz), 4.12 (1H, brs), 2.82-2.76 (1H, m, J=2.2, 4.6, 6.5, 17.7 Hz), 2.29 (1H, dm, J=17.7 Hz), 1.78 (1H, d, J=5.8 Hz);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ:135.2, 132.1, 130.7, 128.8, 128.6, 126.6, 77.1, 60.0, 40.9;
比旋光度 [α]D 24.9 +111.1 (c 1.044, CHCl3)
合成3[式(RR-1a)で示される(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノールの合成]
式(RR-2a)で示される酢酸(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エニル(933 mg、3.91 mmol)をメタノール(5 ml)に溶解し、炭酸カリウム(660 mg、4.78 mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。反応液に1M 塩酸(20 ml)を加え酢酸エチル(30 ml)で抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で濃縮し、式(RR-1a)で示される(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノール(751 mg、 3.91 mmol、ラセミ体から換算した収率48%)を得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(RR-1a)で示される(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノールのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。また、HPLC(Chiralpak IA, hexane/ethyl acetate=4/1, 254 nm, 1.2 ml/min)により分析した結果、式(RR-1a)で示される(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノールの光学純度は>99%eeと判明した。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.46-7.42 (2H, m), 7.33-7.28 (2H, m), 7.26-7.21 (1H, m), 5.89 (1H, m), 5.79 (1H, m), 4.43 (1H, dd, J=5.5, 5.8 Hz), 4.12 (1H, brs), 2.82-2.76 (1H, m, J=2.2, 4.6, 6.5, 17.7 Hz), 2.29 (1H, d, J=17.7 Hz), 1.78 (1H, d, J=5.8 Hz);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ:135.2, 132.1, 130.7, 128.8, 128.6, 126.6, 77.1, 60.0, 40.9;
比旋光度 [α]D 24.2 -107.4 (c 1.014, CHCl3)
合成4[式(SS-2a)で示される(1S,2S)-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2-フェニルチオ-3-シクロペンテンの合成]
合成2で得られた式(SS-1a)で示される(1S,2S)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノール (519 mg, 2.70 mmol, >99%ee)をDMF (3 ml)に溶解し、イミダゾール (460 mg, 6.75 mmol)及びt-ブチルクロロジメチルシラン (488 mg, 3.24 mmol)を加えて室温で12時間攪拌した。メタノール(0.1 ml)を加えて反応を停止し、室温で30分攪拌した後、反応液をトルエン(20 ml)で希釈して水(30 ml x2)、飽和食塩水(30 ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣 (822 mg)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出:ヘキサン/酢酸エチル=30/1)により精製し、式(SS-2a)で示される(+)-(1S,2S)-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2-フェニルチオ-3-シクロペンテン(800 mg、2.61 mmol、収率97%)を得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(SS-2a)で示される(+)-(1S,2S)-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2-フェニルチオ-3-シクロペンテンのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.44-7.42 (2H, m), 7.30-7.20 (3H, m), 5.83 (1H, m), 5.75 (1H, m), 4.39 (1H, m), 4.06 (1H, brs), 2.69 (1H, dm, J=17.1 Hz), 2.23 (1H, dm, J=17.1 Hz), 0.84 (9H, s), -0.02 (3H, s), -0.03 (3H, s);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 135.5, 131.9, 131.4, 129.1, 128.8, 126.7, 78.1, 61.2, 41.8, 25.8, 18.0, -4.72, -4.80;
比旋光度 [α]D 23.1 +99.8 (c 1.074, CHCl3)
合成5[式(SS-3a)で示されるスルホキシド及び式(SS-4a)で示されるアルコールの合成]
合成4で得られた式(SS-2a)で示される化合物 (739 mg, 2.41 mmol)のジクロロメタン溶液 (7 ml)に氷冷下で3-クロロ過安息香酸(減圧下で乾燥したもの、純度88%、416 mg、2.12 mmol)を加えて攪拌した。30分後に3-クロロ過安息香酸 (57 mg, 0.29 mmol)を追加し、さらに30分攪拌した。反応液を酢酸エチル (30 ml)で希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(30 ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた式(SS-3a)で示されるスルホキシド (粗重量、1.00 g)は精製せずに次の反応に供した。
式(SS-3a)で示されるスルホキシド(1.00 g)をトルエン(6 ml)に溶かし、ジエチルアミン(2 ml)を加えて70 ℃で4時間加熱した。揮発性の成分を減圧下で留去した後に残渣(1.01 g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出:トルエン/酢酸エチル=10/1〜8/1〜6/1)により精製し、式(SS-4a)で示されるアルコール (435 mg、2.03 mmol、式(SS-2a)で示される化合物からの収率、84%)を無色の油状物質として得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(SS-4a)で示される(1S,4S)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2-シクロペンテン-1-オールのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 5.96 (1H, m), 5.93 (1H, m), 5.09 (1H, m), 5.02 (1H, m), 2.09-2.00 (2H, m), 1.42 (1H, d, J=6.5 Hz), 0.89 (9H, s), 0.08 (6H, s);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ:138.0, 135.5, 76.5, 75.9, 44.3, 25.8, 18.1, -4.7;
比旋光度 [α]D 22.7 -135.0 (c 1.136, CHCl3)
合成6[式(S-5a)で示されるケトンの合成]
合成5で得られた式(SS-4a)で示されるアルコール (138 mg, 0.644 mmol)を1,2-ジクロロエタン(5 ml)に溶かし、活性二酸化マンガン (MnO2、添川理化学株式会社製、灰黒色粉末、300 メッシュ、560 mg、6.44 mmol)を加えて50 ℃で12 時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、セライト 545を通して濾過した。不溶物を酢酸エチル (2 ml x 2)で洗い込み、洗液を濾液と合わせて減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により精製し、式(S-5a)で示されるケトン (98.5 mg、0.464 mmol、収率72%)を無色の油状物質として得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(S-5a)で示される(S)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2-シクロペンテン-1-オンのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。また、HPLC(Chiralcel OD, hexane/2-propanol=30/1, 220 nm, 0.7 ml/min)により分析した結果、式(S-5a)で示される(S)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2-シクロペンテン-1-オンの光学純度は>99%eeと判明した。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.46 (1H, dd, J=2.2, 5.8 Hz), 6.18 (1H, brd, J=5.8 Hz), 4.99 (1H, m), 2.71 (1H, brdd, J=5.8, 18.3 Hz), 2.25 (1H, brdd, J=2.1, 18.3 Hz), 0.91 (9H, s), 0.14 (3H, s), 0.12 (3H, s);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ:206.2, 163.7, 134.3, 70.8, 44.9, 25.6, 18.0, -4.80, -4.83;
比旋光度 [α]D 20.0 -63.0 (c 1.372, MeOH)
合成7[式(SS-2b)で示される(1S,2S)-1-ベンジルオキシ-2-フェニルチオ-3-シクロペンテンの合成]
合成2で得られた式(SS-1a)で示される(1S,2S)-2-(フェニルチオ)シクロペンタ-3-エノール (691 mg, 3.59 mmol)をジメチルホルムアミド(4 ml)に溶解し、水素化ナトリウム(鉱物油で分散したもの、純度60%、216 mg, 5.39 mmol)のジメチルホルムアミド懸濁液(1 ml) に加えて室温で30分攪拌した。この反応液に臭化ベンジル (0.47 ml, 4.0 mmol)を滴下し、室温下でさらに2.5時間撹拌した。メタノール (0.1 ml)を加えて反応を停止し、室温で20分攪拌した後、反応液をトルエン(20 ml)で希釈して1M 塩酸(30 ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣 (1.13 g)をクーゲルロール蒸留装置により減圧蒸留 (外温150 ℃/0.5 mmHg)後、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出:ヘキサン/酢酸エチル=30/1)により精製し、式(SS-2b)で示される(1S,2S)-1-ベンジルオキシ-2-フェニルチオ-3-シクロペンテン (850 mg、3.36 mmol、収率94%)を得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(SS-2b)で示される(1S,2S)-1-ベンジルオキシ-2-フェニルチオ-3-シクロペンテンのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.43-7.41 (2H, m), 7.31-7.20 (8H, m), 5.87 (1H, m), 5.78 (1H, m), 4.42 (1H, d, J=12.1 Hz), 4.36 (1H, d, J=12.1 Hz), 4.25 (1H, brs), 4.18 (1H, brd, J=6.5 Hz), 2.70 (1H, dm, J=17.7 Hz), 2.43 (1H, dm, J=17.7Hz);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 138.0, 135.2, 132.2, 131.6, 129.0, 128.8, 128.2, 127.6, 127.5, 126.8, 84.1, 70.8, 58.3, 38.4;
比旋光度 [α]D 19.5 +113.8 (c 0.923, CHCl3)
合成8[式(SS-3b)で示されるスルホキシド及び式(SS-4b)で示されるアルコールの合成]
合成7で得られた式(SS-2b)で示される化合物 (470 mg, 1.66 mmol)のジクロロメタン溶液 (5 ml)に氷冷下で3-クロロ過安息香酸(減圧下で乾燥したもの、純度85%、338 mg、1.66 mmol)を加えて30分攪拌した。反応液を酢酸エチル (30 ml)で希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(30 ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml x3)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた式(SS-3b)で示されるスルホキシド (粗重量、529 mg)は精製せずに次の反応に供した。
式(SS-3b)で示されるスルホキシド(529 mg)をトルエン(4.5 ml)に溶かし、ジエチルアミン(1.5 ml)を加えて70 ℃で4時間加熱した。揮発性の成分を減圧下で留去した後、残渣 (510 mg)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出:ヘキサン/酢酸エチル=5/1〜3/1〜2/1)により精製し、式(SS-4b)で示されるアルコール (206 mg、1.08 mmol、式(SS-2b)で示される化合物からの収率、65%)を微淡黄色の油状物質として得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(SS-4b)で示される(1S,4S)-4-ベンジルオキシ-2-シクロペンテン-1-オールのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.35-7.25 (5H, m), 6.10 (1H, ddd, J=0.9, 1.8, 5.8 Hz), 6.06 (1H, ddd, J=0.9, 1.8, 5.8 Hz), 5.05 (1H, brm), 4.83 (1H, m), 4.55 (1H, d, J=11.6 Hz), 4.50 (1H, d, J=11.6 Hz), 2.22 (1H, ddd, J=3.0, 6.7, 14.3 Hz), 2.01 (1H, ddd, J=3.0, 7.0, 14.3 Hz), 1.52 (1H, brm);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ:138.1, 137.9, 134.3, 128.3, 127.6, 127.5, 82.9, 75.6, 70.9, 40.6;
比旋光度 [α]D 22.0 -164.2 (c 1.11, CHCl3)
合成9[式(SR-4b-OBz)で示される化合物の合成]
合成8で得られた式(SS-4b)で示される化合物 (276 mg、1.45 mmol)をトルエン(5 ml)に溶かし、安息香酸(PhCO2H; 265 mg、2.18 mmol)、1,1’-(アゾジカルボニル)ジピペリジン (ADDP; 548 mg、2.18 mmol)、トリブチルホスフィン (Bu3P; 0.54 ml、1.5 mmol)を順次加えた後に油浴(80 ℃)中で2.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、安息香酸 (17 mg、0.15 mmol)、ADDP (36 mg、0.15 mmol)、及びトリブチルホスフィン(0.036 ml、0.15 mmol)を順次追加し、油浴(80 ℃)中でさらに3時間撹拌した。反応液を室温に冷却した後に少量のトルエンで希釈し、不溶物を濾去して濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)により精製し、式(SR-4b-OBz)で示される化合物 (373 mg、1.27 mmol、収率87%)を得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(SR-4b-OBz)で示される安息香酸(1R,4S)-4-ベンジルオキシシクロペンタ-2-エニルのNMRデータは以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 8.07-8.03 (2H, m), 7.55 (1H, m), 7.46-7.41 (2H, m), 7.38-7.25 (2H, m), 6.20 (1H, m), 6.12 (1H, m), 5.78 (1H, m), 4.62 (1H, d, J=11.9 Hz), 4.59 (1H, m), 4.58 (1H, d, J=11.9 Hz), 2.91 (1H, ddd, J=7.3, 7.3, 14.3 Hz), 1.93 (1H, ddd, J=4.6, 4.6, 14.3 Hz)
合成10[式(RS-4b)で示されるアルコールの合成]
合成9で得られた式(SR-4b-OBz)で示される化合物 (373 mg、1.27 mmol)をメタノール(4.5 ml)に溶解し、2M NaOH水溶液(1.5 ml)、1,4-ジオキサン(1.5 ml)を順次加えて室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下で留去し、残渣を水(30 ml)で希釈した後、トルエン(20 ml)/酢酸エチル(20 ml)で抽出した。有機相を飽和食塩水(30 ml x2)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で濃縮して式(RS-4b)で示される(1R,4S)-4-ベンジルオキシシクロペンタ-2-エノール(294 mg、1.23 mmol、収率97%)を得た。化学反応式を以下に示す。
式(RS-4b)で示される(1R,4S)-4-ベンジルオキシシクロペンタ-2-エノールのNMRデータは以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.37-7.32 (4H, m), 7.31-7.26 (1H, m), 6.06 (1H, m), 4.65 (1H, m), 4.59 (1H, d, J=11.9 Hz), 4.55 (1H, J=11.9 Hz), 4.45 (1H, m), 2.67 (1H, ddd, J=7.0, 7.0, 14.0 Hz), 1.68 (1H, ddd, J=4.0, 4.2, 14.0 Hz), 1.60 (1H, brs)
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ:138.2, 137.2, 133.7, 128.3, 127.7, 127.6, 81.5, 74.7, 70.9, 40.7
合成11[式(RR-1a-OTBS)で示される化合物の合成]
合成3で得られた式(RR-1a)で示されるアルコール(548 mg, 2.85 mmol, >99%ee)をDMF (3 ml)に溶解し、イミダゾール (485 mg, 7.13 mmol)及びt-ブチルクロロジメチルシラン (515 mg, 3.42 mmol)を加えて室温で12時間攪拌した。メタノール(0.1 ml)を加えて反応を停止し、室温で30分攪拌した後、反応液をトルエン(20 ml)で希釈して水(30 ml x2)、飽和食塩水(30 ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣(861 mg)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出:ヘキサン/酢酸エチル=30/1)により精製し、式(RR-1a-OTBS)で示される化合物 (847 mg、2.76 mmol、収率97%)を得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(RR-1a-OTBS)で示される(1R,2R)-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2-フェニルチオ-3-シクロペンテンのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.44-7.42 (2H, m), 7.30-7.20 (3H, m), 5.83 (1H, m), 5.75 (1H, m), 4.39 (1H, m), 4.06 (1H, brs), 2.69 (1H, dm, J=17.1 Hz), 2.23 (1H, dm, J=17.1 Hz), 0.84 (9H, s), -0.02 (3H, s), -0.03 (3H, s);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 135.5, 131.9, 131.4, 129.1, 128.8, 126.7, 78.1, 61.2, 41.8, 25.8, 18.0, -4.72, -4.80;
比旋光度 [α]D 21.9 -97.0 (c 1.008, CHCl3)
合成12[式(RR-3a)で示されるスルホキシド及び式(RR-4a)で示されるアルコールの合成]
合成11で得られた式(RR-1a-OTBS)で示される化合物 (786 mg, 2.56 mmol)のジクロロメタン溶液 (8 ml)に氷冷下で3-クロロ過安息香酸(減圧下で乾燥したもの、純度88%、442 mg、2.25 mmol)を加えて攪拌した。30分後に3-クロロ過安息香酸(60 mg, 0.31 mmol)を追加し、さらに30分攪拌した。反応液を酢酸エチル (30 ml)で希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(30 ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で濃縮した。得られたスルホキシド (粗重量、833 mg)は精製せずに次の工程に供した。
式(RR-3a)で示されるスルホキシド (833 mg)をトルエン(6 ml)に溶かし、ジエチルアミン(2 ml)を加えて70 ℃で4時間加熱した。揮発性の成分を減圧下で留去した後に残渣(1.01 g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出:トルエン/酢酸エチル=10/1〜8/1〜6/1)により精製し、式(RR-4a)で示されるアルコール (450 mg、2.10 mmol、式(RR-1a-OTBS)で示される化合物からの収率、82%)を無色の油状物質として得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(RR-4a)で示される(1R,4R)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2-シクロペンテン-1-オールのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 5.96 (1H, m), 5.93 (1H, m), 5.09 (1H, m), 5.02 (1H, m), 2.09-2.00 (2H, m), 1.42 (1H, d, J=6.5 Hz), 0.89 (9H, s), 0.08 (6H, s);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 138.0, 135.5, 76.5, 75.9, 44.3, 25.8, 18.1, -4.7;
比旋光度 [α]D 22.7 -135.0 (c 1.136, CHCl3)
合成14[式(R-5a)で示されるケトンの合成]
合成13で得られた式(RR-4a)で示されるアルコール (106 mg, 0.494 mmol)を1,2-ジクロロエタン(5 ml)に溶かし、活性二酸化マンガン (MnO2、添川理化学株式会社製、灰黒色粉末、300 メッシュ、430 mg、4.94 mmol) を加えて50 ℃で12 時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、セライト 545を通して濾過した。不溶物を酢酸エチル (2 ml x 2)で洗い込み、洗液を濾液と合わせて減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により精製し、式(R-5a)で示されるケトン (76.2 mg、0.359 mmol、収率73%)を無色の油状物質として得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(R-5a)で示される(R)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2-シクロペンテン-1-オンのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。また、HPLC(Chiralcel OD, hexane/2-propanol=30/1, 220 nm, 0.7 ml/min)により分析した結果、式(R-5a)で示される(R)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-2-シクロペンテン-1-オンの光学純度は>99%eeと判明した。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.46 (1H, dd, J=2.2, 5.8 Hz), 6.18 (1H, brd, J=5.8 Hz), 4.99 (1H, m), 2.71 (1H, brdd, J=5.8, 18.3 Hz), 2.25 (1H, brdd, J=2.1, 18.3 Hz), 0.91 (9H, s), 0.14 (3H, s), 0.12 (3H, s);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 206.2, 163.7, 134.3, 70.8, 44.9, 25.6, 18.0, -4.80, -4.83;
比旋光度 [α]D 21.4 +68.5 (c 0.878, MeOH)
(実施例2)
合成15[式(1c)で示される(1S*,2S*)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノールの合成]
1,3-シクロヘキサジエン (97% purity; 2.16 ml, 22 mmol)のジクロロメタン溶液 (50 ml)に3-クロロ過安息香酸(減圧下で乾燥したもの、純度85%; 4.06 g、20 mmol)を-50 ℃で10分間隔で2回に分けて加えた。反応液を3.5時間かけて-5 ℃まで昇温した後で再び-50 ℃まで冷却し、トリエチルアミン(8.36 ml、60 mmol)、チオフェノール(2.26 ml、22 mmol)を順次滴下した。反応液を3時間かけて-5 ℃まで昇温した後に減圧下で揮発性の成分を留去した。残渣をトルエンで希釈し、1M 塩酸(50 ml)と1M 水酸化ナトリウム水溶液(2 x 20 ml)で順次洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた油状物質をメタノール/1,4-ジオキサン/水(20 ml/5 ml/2 ml)の混合溶媒中において水酸化ナトリウム(400 mg、10 mmol)とともに50 ℃で2時間加熱した。反応液を室温まで冷却し、トルエン/水(30 ml/50 ml)を加えて分液抽出し、有機相をさらに水(50 ml x2)、飽和食塩水(50 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣(3.73 g)をクーゲルロール蒸留装置によって減圧下で蒸留し、淡黄色の油状物質(3.44 g、目的とするスルフィドアルコール以外にチオフェノール及びビスフェニルチオメタンなどの不純物を含む)を得た。
これをジクロロメタン(20 ml)に溶解し、コハク酸無水物(2.40 g、24 mmol)、トリエチルアミン(4.18 ml、30 mmol)を加え、室温下で17時間撹拌した。揮発性の成分を減圧下で留去した後、残渣をトルエン(20 ml)/酢酸エチル(20 ml)で希釈し、1M 塩酸 (30 ml x2)で洗浄した。有機相からカルボン酸を5%炭酸ナトリウム水溶液(50 ml)によってナトリウム塩として水相に抽出し、水相をさらにトルエン(20 ml)で洗浄した後に3M 塩酸を加えて液性を酸性にした。酢酸エチル(30 ml)で抽出し、有機相を飽和食塩水(50 ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下で濃縮した。得られたコハク酸モノエステル(3.98 g)をメタノール/水(40 ml/20 ml)の混合溶媒中、水酸化ナトリウム(1.60g、40 mmol)と50 ℃で1.5時間加熱した。反応液を水(50 ml)で希釈後、トルエン(30 ml)で抽出した。有機相を水(30 ml)、飽和食塩水(30 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で濃縮した。残渣(2.74 g)をクーゲルロール蒸留装置を用いて減圧下で蒸留し(外温140 ℃/0.5 mmHg)、目的とするスルフィドアルコールである式(1c)で示される(1S*,2S*)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノール (2.59 g、12.5 mmol、1,3-シクロヘキサジエンからの収率57%)を得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(1c)で示される(1S*,2S*)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノールのNMRデータは以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.48-7.44 (2H, m), 7.33-7.24 (3H, m), 5.78 (1H, m), 5.72 (1H, m), 3.78 (1H, m), 3.62 (1H, m), 2.36 (1H, brs), 2.23-2.04 (4H, m), 1.71 (1H, m);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ:133.7, 132.3, 129.5, 129.0, 125.9, 69.5, 52.5, 27.7, 23.1
合成16[式(RR-2c)で示される酢酸(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エニル、及び式(SS-1c)で示される(1S,2S)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノールの合成]
合成15で得られた式(1c)で示される(1S*,2S*)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノール(620 mg,3.0 mmol)、酢酸イソプロペニル(0.33 ml, 3.0 mmol)及びCAL-B(Candida antarctica lipase type-B、Roche社製「Chirazyme」を減圧下で充分乾燥したもの、300 mg)を混合し、50 ℃で46時間反応させた。反応混合物を酢酸エチル(10 ml)で希釈してセライト545に通して濾過し、濾液を濃縮した。残渣(773 mg)を中圧カラムクロマトグラフィー(山善株式会社製SI-40Bカラム、ヘキサン/酢酸エチル=5/1〜4/1〜3/1)により精製し、式(RR-2c)で示される酢酸(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エニル(363 mg、1.46 mmol、49%)、及び式(SS-1c)で示される(1S,2S)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノール(285 mg、1.38 mmol、46%)を得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(RR-2c)で示される酢酸(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エニルのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.49-7.46 (2H, m), 7.33-7.22 (3H, m), 5.85 (1H, m), 5.72 (1H, m), 5.08 (1H, m), 2.23-2.03 (3H, m), 2.03 (3H, s), 1.79 (1H, m);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 170.3, 134.4, 131.4, 129.8, 128.8, 127.0, 124.1, 71.9, 46.8, 23.5, 21.6, 21.1;
比旋光度 [α]D 23.5 -151.5 (c 1.01, CHCl3)
式(SS-1c)で示される(1S,2S)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノールのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。また、HPLC(Chiralcel OD, hexane/2-propanol=30/1, 254 nm, 1.0 ml/min)により分析した結果、式(SS-1c)で示される(1S,2S)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノールの光学純度は98.9%eeと判明した。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.48-7.44 (2H, m), 7.33-7.24 (3H, m), 5.78 (1H, m), 5.72 (1H, m), 3.78 (1H, m), 3.62 (1H, m), 2.36 (1H, brs), 2.23-2.04 (3H, m), 1.71 (1H, m);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 133.7, 132.3, 129.5, 129.0, 125.9, 69.5, 52.5, 27.7, 23.1;
比旋光度 [α]D 24.3 +189.2 (c 1.04, CHCl3)
合成17[式(RR-1c)で示される(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノールの合成]
式(RR-2c)で示される酢酸(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エニル(363 mg、1.46 mmol)をメタノール(4.5 ml)に溶解し、2M NaOH水溶液(1.5 ml)を加えて室温で30分攪拌した。反応液に1M 塩酸(10 ml)を加え酢酸エチル(20 ml)で抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 ml)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、減圧下で濃縮し、(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノール(294 mg、 1.42 mmol、ラセミ体からの収率47%)を得た。化学反応式を以下に示す。
Figure 2009232735
式(RR-1c)で示される(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノールのNMRデータ及び比旋光度は以下のとおりであった。また、HPLC(Chiralcel OD, hexane/2-propanol=30/1, 254 nm, 1.0 ml/min)により分析した結果、式(RR-1c)で示される(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノールの光学純度は98.0%eeと判明した。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.48-7.44 (2H, m), 7.33-7.24 (3H, m), 5.78 (1H, m), 5.72 (1H, m), 3.78 (1H, m), 3.62 (1H, m), 2.36 (1H, brs), 2.23-2.04 (3H, m), 1.71 (1H, m);
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 133.7, 132.3, 129.5, 129.0, 125.9, 69.5, 52.5, 27.7, 23.1;
比旋光度 [α]D 24.2 -185.4 (c 1.04, CHCl3)
このようにして得られた式(RR-1c)で示される(1R,2R)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノールや式(SS-1c)で示される(1S,2S)-2-(フェニルチオ)シクロヘキサ-3-エノールを用いて、実施例1と同様の方法により各種中間体化合物を得ることができる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(RR−1)及び下記一般式(SS−1):
    Figure 2009232735
    [式中、nは1〜8の整数であり、Xは置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールメチル基又は置換基を有してもよい複素芳香環基である。]
    で示されるラセミ体をリパーゼ又はエステラーゼの存在下でカルボン酸エステルからなるアシル化剤と反応させて、トランスエステル化により、下記一般式(RR−2):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びXは前記と同義であり、Yはアシル基である。]
    又は下記一般式(SS−1):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びXは前記と同義である。]
    で示される化合物に分割する工程を有することを特徴とする(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールの製造方法。
  2. 前記リパーゼ又はエステラーゼが微生物由来である請求項1記載の製造方法。
  3. カンジダ(Candida)属由来のリパーゼを使用する請求項2記載の製造方法。
  4. 前記アシル化剤が、カルボン酸ビニルエステルである請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  5. 1,3−シクロアルカジエンを出発化合物として前記一般式(RR−1)及び(SS−1)で示されるラセミ体を得る工程を有する請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の製造方法により得られた下記一般式(RR−2):
    Figure 2009232735
    [式中、n、X及びYは前記と同義である。]
    で示される(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は下記一般式(SS−1):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びXは前記と同義である。]
    で示される(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールを出発化合物として用いることを特徴とする下記一般式(RR−4):
    Figure 2009232735
    [式中、nは前記と同義であり、Zはヒドロキシ保護基又は水素原子である。]
    で示される(1R,4R)−2−シクロアルケン−1−オール又は下記一般式(SS−4):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びZは前記と同義である。]
    で示される(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールの製造方法。
  7. 前記一般式(RR−2)で示される(1R,2R)−1−アシロキシ−3−シクロアルケン又は前記一般式(SS−1)で示される(1S,2S)−3−シクロアルケン−1−オールを酸化して下記一般式(RR−3):
    Figure 2009232735
    [式中、n、X及びZは前記と同義である。]
    又は下記一般式(SS−3):
    Figure 2009232735
    [式中、n、X及びZは前記と同義である。]
    で示される化合物を中間体として得る工程を有する請求項6記載の製造方法。
  8. 請求項6又は7記載の製造方法により得られた下記一般式(RR−4):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びZは前記と同義である。]
    で示される(1R,4R)−2−シクロアルケン−1−オール又は下記一般式(SS−4):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びZは前記と同義である。]
    で示される(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールを酸化することを特徴とする下記一般式(R−5):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びZは前記と同義である。]
    で示される(R)−2−シクロアルケン−1−オン又は下記一般式(S−5):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びZは前記と同義である。]
    で示される(S)−2−シクロアルケン−1−オンの製造方法。
  9. 請求項6又は7記載の製造方法により得られた下記一般式(RR−4):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びZは前記と同義である。]
    で示される(1R,4R)−2−シクロアルケン−1−オール又は下記一般式(SS−4):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びZは前記と同義である。]
    で示される(1S,4S)−2−シクロアルケン−1−オールを出発化合物として用いることを特徴とする下記一般式(SR−4):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びZは前記と同義である。]
    で示される(1S,4R)−2−シクロアルケン−1−オール又は下記一般式(RS−4):
    Figure 2009232735
    [式中、n及びZは前記と同義である。]
    で示される(1R,4S)−2−シクロアルケン−1−オールの製造方法。
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