JPH05194299A - 光学活性なグリシドール誘導体およびその製造方法 - Google Patents

光学活性なグリシドール誘導体およびその製造方法

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JPH05194299A
JPH05194299A JP4006476A JP647692A JPH05194299A JP H05194299 A JPH05194299 A JP H05194299A JP 4006476 A JP4006476 A JP 4006476A JP 647692 A JP647692 A JP 647692A JP H05194299 A JPH05194299 A JP H05194299A
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Seiichi Takano
誠一 高野
Kuniro Ogasawara
国郎 小笠原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の反応条件に対して安定であり、しかも
温和な条件下で外せる保護基を有する光学活性なグリシ
ドール誘導体の安価な合成法を提供する。 【構成】 一般式(3) で表されるラセミあるいは光学純
度の低い1−ハロゲノ−3−(4−メトキシフェニルオ
キシ)−2−プロパノールと酢酸ビニルをリパーゼを触
媒として有機溶媒中で反応させて、一般式(2) で表され
る(R)−1−ハロゲノ−3−(4−メトキシフェニル
オキシ)−2−プロピルアセテートおよび一般式(1) で
表される(S)−1−ハロゲノ−3−(4−メトキシフ
ェニルオキシ)−2−プロパノールを得、更に、この化
合物を各々有機溶媒中でアルカリと反応させて、式(4)
で表される(R)−O−(4−メトキシフェニルオキ
シ)グリシドール又は式(5) で表される(S)−O−
(4−メトキシフェニルオキシ)グリシドールを得る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性なグリシドール
誘導体およびその製造方法に関するものである。本発明
の光学活性なグリシドール誘導体は光学活性な医薬品、
特にグリセリン誘導体の重要な汎用性の高い原料とし
て、利用価値が高い。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】多くの
光学活性なエピクロロヒドリンやグリシドール誘導体が
既に知られているが、これらの化合物は3位の反応性が
高く、次の誘導体に変換する場合、原料として適切でな
いことがしばしばある。例えば、酸化性、アルカリ性あ
るいは酸性条件のいずれにも安定で、しかも温和な条件
下で外せる保護基を有するグリシドール誘導体の開発が
望まれている。
【0003】また、光学活性なエピクロロヒドリンやグ
リシドール誘導体の合成方法としては、Chem. Rev., 19
91, 91, 437 に記載されているように、1)マンニトール
からの化学合成、2)L−セリンからの化学合成、3)ア
リルアルコールのシャープレス酸化、4)ラセミグリシ
ドールエステルのリパーゼによる分割、5)1−クロロ
−3−ベンジルオキシ−2−プロピルアセテートのリパ
ーゼによる分割、6)2,3 −ジクロロ−1−プロパノー
ルの酵素による分割、7)1−トシルオキシ−3−アリル
オキシ−2−プロピルアセテートのリパーゼによる分割
などの方法が知られている。しかしながら、これらの合
成法は安定性、光学純度あるいは経済性等の面からみる
と必ずしも十分とは言えず、各々種々の問題点を有して
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、光学活性なグリシドール
誘導体の安価な合成法を見出し本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、一般式(3) で表されるラセミある
いは光学純度の低い1−ハロゲノ−3−(4−メトキシ
フェニルオキシ)−2−プロパノールと酢酸ビニルをリ
パーゼを触媒として有機溶媒中で反応させることを特徴
とする、一般式(2)で表される(R)−1−ハロゲノ−
3−(4−メトキシフェニルオキシ)−2−プロピルア
セテートおよび一般式(1) で表される(S)−1−ハロ
ゲノ−3−(4−メトキシフェニルオキシ)−2−プロ
パノールの製造方法、更に、得られた一般式(2) で表さ
れる(R)−1−ハロゲノ−3−(4−メトキシフェニ
ルオキシ)−2−プロピルアセテートおよび一般式(1)
で表される(S)−1−ハロゲノ−3−(4−メトキシ
フェニルオキシ)−2−プロパノールを、各々有機溶媒
中でアルカリと反応させることを特徴とする、式(4) で
表される(R)−O−(4−メトキシフェニルオキシ)
グリシドール又は式(5) で表される(S)−O−(4−
メトキシフェニルオキシ)グリシドールの製造方法を提
供するものである。
【0005】
【化5】
【0006】(式中、X はヨウ素、臭素、塩素等のハロ
ゲン原子、Acはアセチル基を示す。)本発明で得られる
光学活性なO−(4−メトキシフェニルオキシ)グリシ
ドールの原料となる、前記一般式(1) で表される(S)
−1−ハロゲノ−3−(4−メトキシフェニルオキシ)
−2−プロパノール、および一般式(2) で表される
(R)−1−ハロゲノ−3−(4−メトキシフェニルオ
キシ)−2−プロピルアセテートは新規化合物である。
【0007】本発明で得られる光学活性なO−(4−メ
トキシフェニルオキシ)グリシドールのアリールエーテ
ル部は、Tetrahedron Lett., 1985, 26, 6291 に記載さ
れているように、種々の反応条件に対して安定であり、
しかも温和な条件下で外せる保護基であるので、このよ
うな保護基を有する本発明で得られる光学活性なO−
(4−メトキシフェニルオキシ)グリシドールの有用性
は高い。
【0008】本発明の原料となる一般式(3) で表される
ラセミあるいは光学純度の低い1−ハロゲノ−3−(4
−メトキシフェニルオキシ)−2−プロパノールは、下
記の反応式に示すように、式(6) で表されるラセミ体の
エピクロロヒドリンと4−メトキシフェノールとを、テ
トラメチルアンモニウムクロライドの存在下に反応さ
せ、更にエーテル中で水酸化ナトリウム等のアルカリと
反応させることにより、式(7) で表されるラセミ体のO
−(4−メトキシフェニルオキシ)グリシドールを得、
このグリシドール誘導体を更にテトラヒドロフラン等の
溶媒中で、ハロゲン化リチウムおよび酢酸と反応させる
ことにより容易に得られる。
【0009】
【化6】
【0010】このようにして得られた一般式(3) で表さ
れるラセミあるいは光学純度の低い1−ハロゲノ−3−
(4−メトキシフェニルオキシ)−2−プロパノールと
酢酸ビニルをリパーゼを触媒として有機溶媒中で反応さ
せ、高変化率でしかも高選択率で、一般式(2) で表され
る(R)−1−ハロゲノ−3−(4−メトキシフェニル
オキシ)−2−プロピルアセテートおよび一般式(1) で
表される(S)−1−ハロゲノ−3−(4−メトキシフ
ェニルオキシ)−2−プロパノールを得ることができ
る。ここで用いられるリパーゼとしては、微生物由来の
リパーゼが好ましく、また有機溶媒としては、エーテル
系炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルケニルアセテー
ト、芳香族炭化水素あるいはこれらの混合物を好ましく
用いることができる。
【0011】本工程での反応成績は、1−ハロゲノ−3
−(4−メトキシフェニルオキシ)−2−プロパノール
のハロゲンの種類、リパーゼの種類と量、酢酸ビニルの
量および溶媒の種類、温度等の条件によって任意に変化
させることができるので目的にあった条件を選ぶことが
できる。例えば、溶媒として塩化メチレンを選択し、ハ
ロゲンとして塩素、リパーゼとしてリパーゼPS(Pseud
omonas sp., 天野製薬(株)製)を用いると、反応温度
27℃、100 時間では光学純度97%e.e.の(R)−1−ハ
ロゲノ−3−(4−メトキシフェニルオキシ)−2−プ
ロピルアセテートが収率80%(対理論収率)で得られる
が、溶媒としてt−ブチルメチルエーテルを使用すると
反応速度が早くなるので反応時間を短縮することができ
る。
【0012】このようにして得られた一般式(2) で表さ
れる(R)−1−ハロゲノ−3−(4−メトキシフェニ
ルオキシ)−2−プロピルアセテートおよび一般式(1)
で表される(S)−1−ハロゲノ−3−(4−メトキシ
フェニルオキシ)−2−プロパノールを、既知の方法、
即ち各々テトラヒドロフラン等の有機溶媒中で水酸化ナ
トリウム等のアルカリと反応させることにより、高収率
で対応する式(4) で表される(R)−O−(4−メトキ
シフェニルオキシ)グリシドール又は式(5) で表される
(S)−O−(4−メトキシフェニルオキシ)グリシド
ールが得られる。また、光学純度の低い(R)および
(S)−O−(4−メトキシフェニルオキシ)グリシド
ールは適当な有機溶媒で再結晶することにより、容易に
精製でき、光学純度の高い(R)−O−(4−メトキシ
フェニルオキシ)グリシドールおよび(S)−O−(4
−メトキシフェニルオキシ)グリシドールを得ることが
可能であり、このことが更に本発明の有用性を高めてい
る。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明がこれらによって限定されるものではな
いことは言うまでもない。
【0014】実施例1 式(3a)で表されるラセミ体の1−クロロ−3−(4−メ
トキシフェニルオキシ)−2−プロパノール(以下、
(±)−3aと略記する)1.05g(4.86mmol)とリパーゼ
PS 500mgと酢酸ビニル1ml(10.8mmol)を塩化メチレ
ン50mlに加え、室温で100 時間攪拌した。リパーゼPS
をセライトパッドで濾過した後、濾液を減圧下、濃縮
し、残渣をシリカゲルカラム(70g)で精製した。ヘキ
サン−酢酸エチル(3:1)の流出部から式(1a)で表さ
れる(S)−1−クロロ−3−(4−メトキシフェニル
オキシ)−2−プロパノール(以下、(S)−1aと略記
する)570 mg(54.3%)および式(2a)で表される(R)
−1−クロロ−3−(4−メトキシフェニルオキシ)−
2−プロピルアセテート(以下、(R)−2aと略記す
る)500mg(39.9%)を得た。
【0015】
【化7】
【0016】(S)−1a:光学純度75%e.e.〔CHIRALCE
L OD, i−プロパノール−ヘキサン(3:17(v/
v)) 〕(R)−2a: 光学純度96.7%e.e.〔CHIRALCEL OD, i−
プロパノール−ヘキサン(1:49(v/v)) 〕 〔α〕D 30=+26.0°(c 1.03, メタノール) 実施例2 式(3b)で表されるラセミ体の1−ヨード−3−(4−メ
トキシフェニルオキシ)−2−プロパノール(以下、
(±)−3bと略記する)を用い、実施例1に準じた方法
により、光学活性な式(1b)で表される(S)−1−ヨー
ド−3−(4−メトキシフェニルオキシ)−2−プロパ
ノール(以下、(S)−1bと略記する)および式(2b)で
表される(R)−1−ヨード−3−(4−メトキシフェ
ニルオキシ)−2−プロピルアセテート(以下、(R)
−2bと略記する)を得た。
【0017】
【化8】
【0018】(S)−1b:光学純度96%e.e.〔CHIRALCE
L OD, i−プロパノール−ヘキサン(3:17(v/
v)) 〕 IR(フィルム) νmax :3438cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:2.65(br s,1H,D2Oで交換可能), 3.4
1(m,2H), 3.77(s,3H),3.99(m,3H), 6.84(s,4H) ms(m/z) :308 (M+) 、124(100 %) 高分解質量分析:C10H13O3I の計算値307.9910、実測値
307.9912(R)−2b: 光学純度96%e.e.〔CHIRALCEL OD, i−プ
ロパノール−ヘキサン(1:49(v/v)) 〕 〔α〕D 29=+14.9°(c 1.03, メタノール) IR(フィルム) νmax :1743cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:2.12(s,3H), 3.47(dd,J=5.5,5.3Hz,
2H), 3.77(s,3H),4.10(dd,J=5.1,5.0Hz,3H), 5.06(quin
t,J=5.1Hz,1H),6.84(s,4H) ms(m/z) :350 (M+) 、93(100%) 高分解質量分析:C12H15O4I の計算値350.0015、実測値
349.9984 実施例3 式(3c)で表されるラセミ体の1−ブロモ−3−(4−メ
トキシフェニルオキシ)−2−プロパノール(以下、
(±)−3cと略記する)を用い、実施例1に準じた方法
により、光学活性な式(1c)で表される(S)−1−ブロ
モ−3−(4−メトキシフェニルオキシ)−2−プロパ
ノール(以下、(S)−1cと略記する)および式(2c)で
表される(R)−1−ブロモ−3−(4−メトキシフェ
ニルオキシ)−2−プロピルアセテート(以下、(R)
−2cと略記する)を得た。
【0019】
【化9】
【0020】(S)−1c:光学純度96%e.e.〔CHIRALCE
L OD, i−プロパノール−ヘキサン(1:49(v/
v)) 〕 IR(フィルム) νmax :3440cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:3.13(br s,1H,D2Oで交換可能), 3.5
8(dd,J=5.5,4.9Hz,2H),3.75(s,3H), 4.06(dd,J=5.6,4.2
Hz,2H), 3.9-4.3(m,1H), 6.83(s,4H) ms(m/z) :262, 260(M+) 、124(100 %) 高分解質量分析:C10H13O3Brの計算値260.0048(79Br),
262.0029(81Br) 実測値260.0045(79Br), 262.0013(81Br)(R)−2c: 光学純度96%e.e.〔CHIRALCEL OD, i−プ
ロパノール−ヘキサン(1:49(v/v)) 〕 IR(フィルム) νmax :1744cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:2.12(s,3H), 3.64(m,2H), 3.76(s,3
H), 4.22(dd,J=5.4,4.4Hz,2H), 5.29(quint,J=5.1Hz,1
H), 6.84(s,4H) ms(m/z) :304, 302(M+) 、124(100 %) 高分解質量分析:C12H15O4Brの計算値302.0154(79Br),
304.0135(81Br) 実測値302.0135(79Br), 304.0131(81Br) 実施例4 (±)−3a〜3c 0.4mmolと、これに対して2倍モルの酢
酸ビニル及び50mgの表1に示す各種リパーゼを5mlの表
1に示す溶媒に加え、27℃、100 時間の条件で実施例1
に準じた方法により反応させ、光学活性な(S)−1a〜
1cおよび(R)−2a〜2cを得た。その結果を表1にまと
めて示す。
【0021】
【表1】
【0022】注) *1:リパーゼ OF〔Candida cylindracea,名糖産業(株)製〕 MY〔Candida cylindracea,名糖産業(株)製〕 AK〔Pseudomonas sp., 天野製薬(株)製〕 PS〔Pseudomonas sp., 天野製薬(株)製〕 AY〔Candida rugosa, 天野製薬(株)製〕 WAKO〔Porcine pancreas, 和光純薬(株)製〕 *2:光学純度はダイセル化学工業(株)製のCHIRALCEL OD
を使用して決定した。 *3:光学純度75%e.e.の原料を使用した。
【0023】実施例5 (±)−3a 3.5g(16mmol)とリパーゼPS 1.6gと酢
酸ビニル 3.2ml(35.2mmol)を塩化メチレン160ml に加
え、室温で18日間攪拌した。リパーゼPSをセライトパ
ッドで濾過した後、濾液を減圧下、濃縮し、残渣をシリ
カゲルカラム(150g)で精製した。ヘキサン−酢酸エチ
ル(5:1)の流出部から(S)−1a1.61g(46.4 %)
および(R)−2a 1.87 g(45.3 %)を得た。(S)−1a: 光学純度97%e.e.〔CHIRALCEL OD, i−プ
ロパノール−ヘキサン(3:17(v/v)) 〕(R)−2a: 光学純度93%e.e.〔CHIRALCEL OD, i−プ
ロパノール−ヘキサン(1:49(v/v)) 〕 実施例6 (R)−2a(光学純度96.7%e.e.)352 mg(1.36mmol)
を5mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液に、水酸化
ナトリウム218 mg(5.46mmol) を加え室温で22時間攪拌
した。反応混合物を水で希釈したのちエーテルで抽出し
た。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、減圧下、濃縮して240 mgの無色結晶の前記
式(4) で表される(R)−O−(4−メトキシフェニル
オキシ)グリシドール(以下、(R)−4と略記する)
を得た。収率93.6%。 光学純度93.6%e.e.〔CHIRALCEL OD, ヘキサン−i−プ
ロパノール(10:1(v/v)) 〕 〔α〕D 29=−12.6°(c 1.01, メタノール) 融点:43〜44℃ 得られた(R)−4をエタノール−ヘキサンで再結晶し
て光学純度≧99%e.e.の(R)−4を得た。 融点:44℃ 〔α〕D 30=−11.4°(c 1.06, メタノール)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】(S)−1b:光学純度96.7%e.e.〔CHIRAL
CEL OD, i−プロパノール−ヘキサン(3:17(v/
v)) 〕〔α〕D 27=+0.73°(c 1.29, メタノール) 融点:78〜79℃ IR(フィルム) νmax :3438cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:2.65(br s,1H,D2Oで交換可能), 3.4
1(m,2H), 3.77(s,3H),3.99(m,3H), 6.84(s,4H) ms(m/z) :308 (M+) 、124(100 %) 高分解質量分析:C10H13O3I の計算値307.9910、実測値
307.9912(R)−2b: 光学純度96%e.e.〔CHIRALCEL OD, i−プ
ロパノール−ヘキサン(1:49(v/v)) 〕 〔α〕D 29=+14.9°(c 1.03, メタノール) IR(フィルム) νmax :1743cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:2.12(s,3H), 3.47(dd,J=5.5,5.3Hz,
2H), 3.77(s,3H),4.10(dd,J=5.1,5.0Hz,3H), 5.06(quin
t,J=5.1Hz,1H),6.84(s,4H) ms(m/z) :350 (M+) 、93(100%) 高分解質量分析:C12H15O4I の計算値350.0015、実測値
349.9984 実施例3 式(3c)で表されるラセミ体の1−ブロモ−3−(4−メ
トキシフェニルオキシ)−2−プロパノール(以下、
(±)−3cと略記する)を用い、実施例1に準じた方法
により、光学活性な式(1c)で表される(S)−1−ブロ
モ−3−(4−メトキシフェニルオキシ)−2−プロパ
ノール(以下、(S)−1cと略記する)および式(2c)で
表される(R)−1−ブロモ−3−(4−メトキシフェ
ニルオキシ)−2−プロピルアセテート(以下、(R)
−2cと略記する)を得た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】(S)−1c:光学純度98.2%e.e.〔CHIRAL
CEL OD, i−プロパノール−ヘキサン(3:17(v/
v)) 〕〔α〕D 27=−0.19°(c 1.04, メタノール) 融点:59℃ IR(フィルム) νmax :3440cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:3.13(br s,1H,D2Oで交換可能), 3.5
8(dd,J=5.5,4.9Hz,2H),3.75(s,3H), 4.06(dd,J=5.6,4.2
Hz,2H), 3.9-4.3(m,1H), 6.83(s,4H) ms(m/z) :262, 260(M+) 、124(100 %) 高分解質量分析:C10H13O3Brの計算値260.0048(79Br),
262.0029(81Br) 実測値260.0045(79Br), 262.0013(81Br)(R)−2c: 光学純度96%e.e.〔CHIRALCEL OD, i−プ
ロパノール−ヘキサン(1:49(v/v)) 〕 IR(フィルム) νmax :1744cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:2.12(s,3H), 3.64(m,2H), 3.76(s,3
H), 4.22(dd,J=5.4,4.4Hz,2H), 5.29(quint,J=5.1Hz,1
H), 6.84(s,4H) ms(m/z) :304, 302(M+) 、124(100 %) 高分解質量分析:C12H15O4Brの計算値302.0154(79Br),
304.0135(81Br) 実測値302.0135(79Br), 304.0131(81Br) 実施例4 (±)−3a〜3c 0.4mmolと、これに対して2倍モルの酢
酸ビニル及び50mgの表1に示す各種リパーゼを5mlの表
1に示す溶媒に加え、27℃、100 時間の条件で実施例1
に準じた方法により反応させ、光学活性な(S)−1a〜
1cおよび(R)−2a〜2cを得た。その結果を表1にまと
めて示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) で表される(S)−1−ハロ
    ゲノ−3−(4−メトキシフェニルオキシ)−2−プロ
    パノール。 【化1】 (式中、X はハロゲン原子を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式(2) で表される(R)−1−ハロ
    ゲノ−3−(4−メトキシフェニルオキシ)−2−プロ
    ピルアセテート。 【化2】 (式中、X はハロゲン原子、Acはアセチル基を示す。)
  3. 【請求項3】 一般式(3) で表されるラセミあるいは光
    学純度の低い1−ハロゲノ−3−(4−メトキシフェニ
    ルオキシ)−2−プロパノールと酢酸ビニルをリパーゼ
    を触媒として有機溶媒中で反応させることを特徴とす
    る、前記一般式(2) で表される(R)−1−ハロゲノ−
    3−(4−メトキシフェニルオキシ)−2−プロピルア
    セテートおよび前記一般式(1) で表される(S)−1−
    ハロゲノ−3−(4−メトキシフェニルオキシ)−2−
    プロパノールの製造方法。 【化3】 (式中、X はハロゲン原子を示す。)
  4. 【請求項4】 請求項3記載の製造方法で得られた一般
    式(2) で表される(R)−1−ハロゲノ−3−(4−メ
    トキシフェニルオキシ)−2−プロピルアセテートおよ
    び一般式(1) で表される(S)−1−ハロゲノ−3−
    (4−メトキシフェニルオキシ)−2−プロパノール
    を、各々有機溶媒中でアルカリと反応させることを特徴
    とする、式(4) で表される(R)−O−(4−メトキシ
    フェニルオキシ)グリシドール又は式(5) で表される
    (S)−O−(4−メトキシフェニルオキシ)グリシド
    ールの製造方法。 【化4】
  5. 【請求項5】 リパーゼとして、微生物由来のリパーゼ
    を用いる請求項3記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 有機溶媒としてエーテル系炭化水素、ハ
    ロゲン化炭化水素、アルケニルアセテート、芳香族炭化
    水素あるいはこれらの混合物を用いる請求項3記載の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 光学純度の低い(R)又は(S)−O−
    (4−メトキシフェニルオキシ)グリシドールを有機溶
    媒で再結晶することを特徴とする前記式(4)で表される
    (R)−O−(4−メトキシフェニルオキシ)グリシド
    ール又は前記式(5) で表される(S)−O−(4−メト
    キシフェニルオキシ)グリシドールの精製方法。
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KR101106804B1 (ko) * 2004-06-29 2012-01-19 에스케이바이오팜 주식회사 가수분해 효소를 이용한 1-(4-메톡시페닐)-2-프로판올의광학분할 방법
CN113278197A (zh) * 2021-06-03 2021-08-20 嘉兴学院 硅聚物与氧化石墨烯的复合材料、高强度抗冲击环氧树脂材料及其制备方法

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