JPH09255635A - 光学活性1−アミノインダン−2−オールの製造方法 - Google Patents

光学活性1−アミノインダン−2−オールの製造方法

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JPH09255635A
JPH09255635A JP8069518A JP6951896A JPH09255635A JP H09255635 A JPH09255635 A JP H09255635A JP 8069518 A JP8069518 A JP 8069518A JP 6951896 A JP6951896 A JP 6951896A JP H09255635 A JPH09255635 A JP H09255635A
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JP8069518A
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Kuniro Ogasawara
國郎 小笠原
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JNC Corp
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Chisso Corp
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性シスー1−アジドインダン−2−オ
−ル、及びその中間体である光学活性トランスー1−ア
ジドインダン−2−オ−ル誘導体の製造法の提供。 【解決手段】式(I) 【化1】 …(I) で表されるラセミ体のトランス−1−アジドインダン−
2−オ−ルを、リパーゼを用いて光学分割し、式(II) 【化2】 …(II) (式中、Rは水素、または炭素数1〜20のアシル基を
表す。)で表される光学活性体を得る。次いで式(II)
で表される化合物の水酸基を反転させた後、脱エステル
化、アジド基の還元を経て式(III) 【化3】 …(III) で表される光学活性シス−1−アミノインダン−2−オ
−ルを得る。 【効果】 本発明の製造法により、種々の生理活性物質
の合成中間体、あるいは不斉合成に用いられるキラル配
位子の合成中間体として有用な光学活性シス−1−アミ
ノインダン−2−オ−ルが、効率よく製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性シス−1
−アジドインダン−2−オ−ル誘導体を合成中間体とす
る光学活性シスー1−アミノインダン−2−オ−ルの新
規製造法に関する。本発明は、また光学活性トランス−
1−アジドインダン−2−オ−ル誘導体の新規製造法、
および光学活性トランス−1−アジドインダン−2−オ
−ル誘導体を経由する光学活性シスー1−アジドインダ
ン−2−オ−ルの新規製造法に関する。光学活性シス−
1−アミノインダン−2−オ−ルは、HIVプロテア−
ゼ阻害剤をはじめとする種々の生理活性物質の合成中間
体として有用な化合物であり、また不斉合成に用いられ
るキラル配位子としても有用な化合物である。
【0002】本発明に用いるトランス−1−アジドイン
ダン−2−オ−ル誘導体、及びシス−1−アジドインダ
ン−2−オ−ル誘導体は、本発明者らによって初めて合
成された新規化合物である。また、これら新規化合物か
ら導かれる、本発明に係る光学活性シス−1−アミノイ
ンダン−2−オ−ルは、種々の生理活性物質の合成中間
体として広範に利用できる有用な化合物である。例え
ば、本発明の化合物の一つである(−)−(1S,2
R)−シス−1ーアミノインダンー2ーオ−ルは、HI
V−1プロテア−ゼ阻害剤(AIDS治療薬)として開
発中のL−735,524、L−754,394等の鍵
中間体である。
【0003】
【従来の技術】従来、光学活性シスー1ーアミノインダ
ンー2ーオ−ルの製造法としては以下の方法が知られて
いる。1)インデンから誘導した(±)−シス−1ーア
ミノインダンー2ーオ−ルをL−酒石酸とのジアステレ
オマー塩にした後、再結晶により光学分割する方法(U
SP5420353)、2)(±)−トランス−2ーブ
ロモインダンー1ーオ−ルを、(±)−トランス−1ー
アミノインダンー2ーオ−ルを経由して(±)−シス−
1ーアミノインダンー2ーオ−ルに変換した後、L−フ
ェニルアラニン誘導体と反応させ、生成する2種のジア
ステレオマーを分離する方法(J.Med.Che
m.,1992,35,1685.)、3)インデンを
マンガンーサレン錯体を用いて不斉酸化することにより
得られる光学活性エポキシインデンを開環して光学活性
トランスー1ーアミノインダンー2ーオ−ルを得、更に
2位水酸基の立体を反転させて光学活性シスー1ーアミ
ノインダンー2ーオ−ルを得る方法(WO95/078
80)。4)2ーケトインダンー1ーカルボン酸メチル
をパン酵母を用いて不斉還元する方法(Tetrahe
dron,1991,47,4941.)。
【0004】しかしながら、1)の方法はD−酒石酸の
入手が容易でないため、一方の対掌体しか得ることがで
きない。2)の方法は一方の対掌体しか得られないうえ
に、生成する2種のジアステレオマーを分離するために
クロマトグラフィー操作を必要とするため大量合成には
明らかに不向きである。3)の方法によれば両対掌体が
得られるが、マンガンーサレン錯体の入手が容易でな
く、実用的でない。4)の方法は、反応工程が長く煩雑
である。また、パン酵母還元は大量合成に不向きであ
る。更に対掌体を得るためには、入手困難な豚肝臓エス
テラーゼを用いなければならない。
【0005】このように、何れの方法も実用的なものと
は言い難く、より効率的な製造法の開発が強く望まれて
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明に係る化合物の
有用性に鑑み、本発明者らは、光学活性トランス−1−
アジドインダン−2−オ−ル誘導体、光学活性シス−1
−アジドインダン−2−オ−ル誘導体、及び光学活性シ
ス−1−アジドインダン−2−オ−ルを効率的に製造す
る方法を見出すべく鋭意検討した結果、本化合物を効率
的に得る製造法を見い出し本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願により特許請求され
る発明は以下のとおりである。 (1)式(Ia)
【化16】 または式(Ib)
【化17】 で表される光学活性トランス−1−アジドインダン−2
−オ−ルをスルホン酸エステルに変換した後、アルカリ
金属と有機酸との塩、またはアルカリ金属塩と有機酸と
の混合物と反応させることにより水酸基の立体を反転
し、式(IIIa)
【化18】 (式中、R2は炭素数1〜20のアシル基、ベンゾイル
基、または置換ベンゾイル基を表す)または式(IIIb)
【化19】
【0008】(式中、R2は炭素数1〜20のアシル
基、ベンゾイル基、または置換ベンゾイル基を表す)で
表される光学活性シス−1−アジドインダン−2−オ−
ル誘導体とした後、加水分解または加アルコール分解に
よる脱エステル化、および接触水素添加または金属水素
錯化合物によるアジド基の還元を経て式(IVa)
【化20】 または式(IVb)
【化21】 で表される化合物を得ることを特徴とする光学活性シス
ー1−アミノインダン−2−オ−ルの製造方法。 (2)式(Ia)
【化22】
【0009】または式(Ib)
【化23】 で表される光学活性トランス−1−アジドインダン−2
−オ−ルを、トリフェニルホスフィン、安息香酸類、お
よびアゾジカルボン酸ジエステルの混合物と反応させる
光延反応に付すことにより水酸基の立体を反転し、式
(IIIa)
【0010】
【化24】
【0011】(式中、R2は炭素数1〜20のアシル
基、ベンゾイル基、または置換ベンゾイル基を表す)ま
たは式(IIIb)
【化25】
【0012】(式中、R2は炭素数1〜20のアシル
基、ベンゾイル基、または置換ベンゾイル基を表す)で
表される光学活性シス−1−アジドインダン−2−オ−
ル誘導体とした後、脱エステル化およびアジド基の還元
を経て式(IVa)
【0013】
【化26】
【0014】または式(IVb)
【化27】
【0015】で表される化合物を得ることを特徴とする
光学活性シスー1−アミノインダン−2−オ−ルの製造
方法。 (3)式(I)
【0016】
【化28】 で表される(±)−トランス−1−アジドインダン−2
−オ−ルを、リパ−ゼを用いた脂肪酸ビニルとのエステ
ル交換反応に付し、立体選択的にアシル化することによ
り、式(IIb)
【化29】
【0017】(式中、R1は炭素数1〜20の直鎖また
は分枝アルキル基を表す)で表される(−)−トランス
−2−アシルオキシ−1−アジドインダンと式(Ia)
【化30】 で表される(+)−トランス−1−アジドインダン−2
−オ−ルとに光学分割し、れらの混合物からそれぞれの
光学活性化合物を分離、取得することを特徴とする光学
活性トランス−1−アジドインダン−2−オ−ルの製造
法。 (4)リパ−ゼがシュウドモナス属由来のものである
(3)記載の製造方法。 (5)リパ−ゼがシュウドモナス・シパシア起源のもの
である(4)記載の製造方法。
【0018】次に本発明の製造法について述べる。本発
明の光学活性トランス−1−アジドインダン−2−オ−
ル誘導体、光学活性シス−1−アジドインダン−2−オ
−ル誘導体、及び光学活性シス−1−アジドインダン−
2−オ−ルは、以下の反応工程に従って製造することが
できる。
【0019】
【化31】
【0020】本発明に用いられる式(I)で表される化
合物は、インデン(V)を出発物質として3工程で合成
することができる。すなわち、インデン(V)をブロモ
ヒドリン化することによりブロモヒドリン(VI)が得ら
れる。次いでブロモヒドリン(VI)に塩基を作用させる
ことにより閉環しエポキシド(VII)を得る。最後にエ
ポキシド(VII)にアジ化物を作用させることによりト
ランス−1−アジドインダン−2−オ−ル(I)を得る
ことができる。
【0021】本発明の式(IIb)で表される化合物は、
式(I)で表される化合物を、リパ−ゼを用いて脂肪酸
ビニルとエステル交換反応することにより光学分割し、
得られる(IIb)と(Ia)の混合物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー等の方法を用いて分離することによ
り得ることができる。リパ−ゼとしては、次表に示した
市販のリパ−ゼを用いることができる。
【0022】
【表1】
【0023】これらの他にエステル交換能を有するリパ
−ゼを産生する微生物であれば、その種類を問わずにそ
のリパ−ゼを使用することができる。かかる微生物の例
として、シュウドモナス(Pseudomonus)属、クロモバ
クテリウム(Chromobacterium)属、アルスロバクタ−
(Arthrobacter)属、アクロモバクタ−(Acromobacte
r)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アスペルギ
ルス(Aspergilius)属、カンジダ(Candida)属、ムコ
−ル(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属、等に属す
るものが挙げられる。これらの中で特に好ましいのは、
シュウドモナス属由来のものである。
【0024】脂肪酸ビニルとしては、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル
等が挙げられる。脂肪酸ビニルは基質に対して0.1〜
50当量用いることができるが、特に好ましくは0.5
〜10当量である。反応溶媒としては、ヘプタン、ヘキ
サン等の炭化水素系溶媒、トルエン、ベンゼン等の芳香
族炭化水素系溶媒、ジエチルエ−テル、t−ブチルメチ
ルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テル系溶媒が
代表的なものであるが、リパ−ゼ活性を阻害しない有機
溶媒であれば広く用いることができる。
【0025】反応温度は10〜100℃が適当であり、
特に好ましくは20〜50℃である。反応時間は1〜3
00時間であり、好ましくは10〜100時間である。
また、式(IIb)で表される化合物は、塩基性条件下の
加水分解または加アルコール分解により、式(Ib)で表
される化合物に容易に導くことができる。
【0026】加水分解に用いられる塩基としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド等が挙げられる。反応は水
中、または水とアルコールとの混合溶媒中で行えば良
く、反応温度はー20〜150℃が適当である。
【0027】加アルコ−ル分解に用いられる塩基として
は、加水分解に準じる。反応はメタノール、エタノー
ル、プロパノール等の低級アルコール中で行うのが好ま
しい。反応温度はー20〜150℃が適当である。式
(Ia)で表される化合物は、以下の2通りの方法によ
り、水酸基が立体反転した式(IIIa)で表される化合物
に変換することができる。
【0028】第1の方法として、(Ia)に塩基の存在
下、スルホニル化合物を作用させることによりスルホン
酸エステル化して式(VIIIa)で表される化合物に導
き、次いでアルカリ金属と有機酸との塩、またはアルカ
リ金属塩と有機酸との混合物を作用させ立体を反転させ
る2工程の反応により式(IIIa)で表される化合物を得
ることができる。
【0029】第1工程の反応に用いられる塩基として
は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、
4ージメチルアミノピリジン等の有機塩基が挙げられ
る。スルホニル化合物としては、塩化メタンスルホニ
ル、塩化p−トルエンスルホニル等の塩化スルホニル、
メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン
酸無水物等のスルホン酸無水物が挙げられる。
【0030】反応は溶媒中で行うのが好ましく、用いら
れる溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、ジク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエ
−テル、t−ブチルメチルエ−テル、テトラヒドロフラ
ン等のエ−テル系溶媒が代表的なものであるが、反応を
を阻害しない有機溶媒であれば広く用いることができ
る。反応温度はー50〜100℃が適当である。
【0031】第2工程の反応は、18ークラウンー6等
のクラウン化合物の存在下、アルカリ金属と有機酸との
塩を作用させることにより達成される。反応に用いられ
るアルカリ金属と有機酸との塩としては、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、酢酸セシウム等が挙げられるが、最
も好ましいのは酢酸セシウムである。クラウン化合物は
基質に対して0.01〜5当量用いることができるが、
特に好ましくは0.1〜1当量である。
【0032】反応溶媒としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、Nーメチルー2ーピロリ
ドン等が好ましい。反応温度は0〜200℃が適当であ
り、より好ましくは20〜150℃である。アルカリ金
属と有機酸との塩の代りに、アルカリ金属塩と有機酸と
の混合物を反応させる場合には、アルカリ金属塩として
はフッ化セシウムが好ましい。有機酸の例としては酢
酸、プロピオン酸等の低級有機酸が挙げられる。反応溶
媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、Nーメチルー2ーピロリドン等が好ましい。反応
温度は0〜200℃が適当であり、より好ましくは20
〜150℃である。
【0033】また、第2の方法として、(Ia)にトリフ
ェニルホスフィン、安息香酸類、アゾジカルボン酸ジエ
ステルを作用させる光延反応により式(IIIa)で表され
る化合物を得ることができる。反応に用いられる安息香
酸類の例としては安息香酸、フェニル基にアルキル基、
アルコキシル基、ハロゲノ基、ニトロ基等が置換した安
息香酸が挙げられる。またアゾジカルボン酸ジエステル
のエステル基の例としては、メチル、エチル、イソプロ
ピル、ベンジルエステル等が挙げられる。
【0034】反応は溶媒中で行うのが好ましく、用いら
れる溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、ジク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエ
−テル、t−ブチルメチルエ−テル、テトラヒドロフラ
ン等のエ−テル系溶媒が代表的なものであるが、反応を
阻害しない有機溶媒であれば広く用いることができる。
反応温度はー20〜100℃が適当である。
【0035】式(IIIa)で表される化合物は、塩基性条
件下の加水分解または加アルコール分解により、式(IX
a)で表される化合物に容易に導くことができる。加水
分解に用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム等の炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエ
トキシド等が挙げられる。
【0036】反応は水中、または水とアルコールとの混
合溶媒中で行えば良く、反応温度はー20〜150℃が
適当である。加アルコ−ル分解に用いられる塩基として
は、加水分解に準じる。反応はメタノール、エタノー
ル、プロパノール等の低級アルコール中で行うのが好ま
しい。反応温度はー20〜150℃が適当である。
【0037】式(IXa)で表される化合物は、既知の方
法に従ってアジド基をアミノ基に還元することにより、
式(IVa)で表される化合物に容易に変換することがで
きる。還元の方法としては、例えばパラジウム、白金等
の金属系触媒を用いる接触水素添加による方法、または
水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム
等の金属水素錯化合物を用いる方法等を挙げることがで
きる。
【0038】同様にして、式(IIb)で表される化合物
から式(IIIb)で表される化合物を経て、式(IVb)で
表される化合物に導くことができる。以上の操作によ
り、光学活性トランス−1−アジドインダン−2−オ−
ル誘導体、光学活性シス−1−アジドインダン−2−オ
−ル誘導体、及び光学活性シス−1−アミノインダン−
2−オ−ルを効率よく製造することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る光学活性シス−1−アミノ
インダン−2−オ−ル、及びその中間体である光学活性
トランス−1−アジドインダン−2−オ−ル誘導体は、
種々の生理活性物質等の鍵中間体として有用な化合物で
ある。例えば、本発明に係る化合物の一つである(−)
−(1S,2R)−シス−1ーアミノインダンー2ーオ
−ルは、HIV−1プロテア−ゼ阻害剤(AIDS治療
薬)として開発中のL−735,524、L−754,
394等の鍵中間体である(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 1994,91,409
6.)。また、本発明の化合物は不斉合成に用いられる
キラル配位子の合成中間体としても非常に有用であり、
例えば上述の(−)−(1S,2R)−シス−1ーアミ
ノインダンー2ーオ−ルをキラル配位子として不斉合成
を行った例が多数報告されている(Tetrahedr
on Lett.1995,36,2195、Tetr
ahedron Lett.1995,36,761
9、Tetrahedron:Asymmetry,
1995,6,301.)。また、本化合物は不斉合成
に用いられるキラル配位子の合成中間体としても非常に
有用である。本発明の製造方法を用いることにより、こ
れらの有用な化合物を効率よく製造することが可能とな
った。
【0040】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下、実施例、比較例及び参考例により本発
明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によっ
て制限されるものではない。 参考例1 (±)−トランス−1−アジドインダン−2−オ−ルの
合成 工程1:(±)−トランス−2−ブロモインダン−1−
オ−ルの合成 インデン(11.6g、0.1mol)を50%水性テ
トラヒドロフラン(200ml)に溶解し、N−ブロモ
コハク酸イミド(19.58g、0.11mol)を少
量ずつ加えて室温で12時間攪拌した。有機相を分離
し、水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて5
%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過、減圧濃縮し
た。濃縮残さをエタノ−ルから再結晶し、(±)−トラ
ンス−2−ブロモインダン−1−オ−ル(17.45
g、82.3%)を無色針状結晶として得た。
【0041】mp:130−131℃ 工程2:(±)−エポキシインダンの合成 (±)−トランス−2−ブロモインダン−1−オ−ル
(6.36g、30mmol)をエ−テル(100m
l)に溶解し、粉末状の水酸化ナトリウム(3.0g、
75mmol)を加えて室温で4時間攪拌した。反応混
合物に水(40ml)を加えて有機相を分離し、水相を
エ−テルで抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗
浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過、減圧濃縮
し、粗製の(±)−エポキシインダン(3.56g、8
9.9%)を得た。 工程3:(±)−トランス−1−アジドインダン−2−
オ−ルの合成 (±)−エポキシインダン(3.56g、27.0mm
ol)、塩化アンモニウム(2.25g、42mmo
l)、アジ化ナトリウム(2.73g、42mmo
l)、80%水性エタノ−ル(90ml)の混合物を2
時間加熱還流した。冷却後、反応混合物に水(30m
l)を加えて酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて
飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥、濾
過、減圧濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマ
トグラフィ−(酢酸エチル/ヘキサン=1/5(v/
v))を用いて精製し、(±)−トランス−1−アジド
インダン−2−オ−ル(4.39g、93.0%)を得
た。
【0042】mp:〜30℃ IR(film):ν=3348,2098cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.37(d,1H,
J=6.71Hz),7.23−7.33(m,3
H),4.70(d,1H,J=4.88Hz),4.
47−4.53(m,1H),3.31(dd,1H,
J=15.87,6.71Hz),2.87(dd,1
H,J=15.87,6.11Hz),2.19(br
s,1H) MS:m/z=175(M+),91(100%) 実施例1 (±)−トランス−1ーアジドインダンー2ーオ−ルの
光学分割 (±)−トランス−1ーアジドインダンー2ーオ−ル
(4.35g、24.9mmol)をtert−ブチル
メチルエ−テル(150ml)に溶解し、酢酸ビニル
(13.6ml、147.5mmol)、リパ−ゼPS
(天野製薬、250mg)を順次加えて、室温下で55
時間攪拌した。反応混合物をセライトで濾過し、濾液を
減圧濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィ−(酢酸エチル/ヘキサン=1/8→1/4(v
/v))を用いて精製し、無色油状の(−)−(1R,
2R)−トランス−2ーアセトキシ−1−アジドインダ
ン(2.62g、48.6%)と(+)−(1S,2
S)−トランス−1ーアジドインダンー2ーオ−ル
(2.09g、48.1%)を得た。
【0043】(−)−(1R,2R)−トランス−2ー
アセトキシ−1−アジドインダン:[α]D 29 −9
1.6゜(c=2.6,CHCl3) IR(film):ν=2102,1745cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.39(d,1H,
J=7.32Hz),7.29−7.37(m,2
H),7.27(d,1H,J=4.88Hz),5.
35(ddd,1H,J=6.71,4.88,4.2
7Hz),4.87(d,1H,J=4.27Hz),
4.87(d,1H,J=4.27Hz),3.49
(dd,1H,J=16.48,6.71Hz),2.
89(dd,1H,J=16.48,4.27Hz),
2.09(s,3H) MS:m/z=175(M+−42),43(100
%) このものの光学純度を光学異性体分離カラム(CHIR
ALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキサン=5/9
5)を用いたHPLCにより測定したところ、98.4
%eeであることが判明した。
【0044】(+)−(1S,2S)−トランス−1ー
アジドインダンー2ーオ−ル:[α]D 30 +78.3
゜(c=1.9,CHCl3) IR(film):ν=3364,2096cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.37(d,1H,
J=6.71Hz),7.23−7.33(m,3
H),4.70(d,1H,J=4.89Hz),4.
47−4.54(m,1H),3.31(dd,1H,
J=15.87,6.71Hz),2.88(dd,1
H,J=15.87,6.11Hz),2.18(br
s,1H) MS:m/z=175(M+),91(100%) このものの光学純度を光学異性体分離カラム(CHIR
ALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキサン=5/9
5)を用いたHPLCにより測定したところ、99%e
e以上であることが判明した。
【0045】(−)−(1R,2R)−トランス−2ー
アセトキシ−1−アジドインダン(3.93g、18.
1mmol)をメタノ−ル(100ml)に溶解し、炭
酸カリウム(7.51g、54.4mmol)を加えて
室温で2.5時間攪拌した。反応混合物をセライトで濾
過し、濾液を減圧濃縮した。濃縮残さに水(30ml)
を加えて酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて飽和
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過、
減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ−(酢酸エチル/ヘキサン=1/4(v/v))を用
いて精製し、無色油状の(−)−(1R,2R)−トラ
ンス−1ーアジドインダンー2ーオ−ル(3.08g、
97.2%)を得た。
【0046】このものの光学純度を光学異性体分離カラ
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=5/95)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、98.2%eeであることが判明した。 [α]D 30 −77.9゜(c=2.8,CHCl3) 実施例2〜4 (±)−トランス−1ーアジドインダンー2ーオ−ルの
光学分割 実施例1と同様にして、(±)−トランス−1ーアジド
インダンー2ーオ−ルから(+)−(1S,2S)−ト
ランス−1ーアジドインダンー2ーオ−ルと(−)−
(1R,2R)−トランス−2ーアセトキシ−1−アジ
ドインダンを得た結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】実施例5 (−)−(1S,2R)−シス−1ーアジド−2−(4
−ニトロベンゾイルオキシ)インダンの合成 (+)−(1S,2S)−トランス−1ーアジドインダ
ンー2ーオ−ル(1.91g、11.2mmol)、4
−ニトロ安息香酸(3.74g、22.4mmol)、
テトラヒドロフラン(20ml)の混合物中に、0℃に
てトリフェニルホスフィン(5.89g、22.4mm
ol)(テトラヒドロフラン20mlに溶解)及びアゾ
ジカルボン酸ジエチル(3.91g、22.4mmo
l)(テトラヒドロフラン20mlに溶解)を同時に2
0分間かけて滴下し、同温度で30分間、室温で2.5
時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、濃縮残さをシ
リカゲルカラムクロマトグラフィ−(酢酸エチル/ヘキ
サン=1/8(v/v))を用いて精製し、(−)−
(1S,2R)−シス−1ーアジド−2−(4−ニトロ
ベンゾイルオキシ)インダン(2.71g、74.6
%)を無色プリズム状結晶として得た。
【0049】このものの光学純度を光学異性体分離カラ
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 mp:133.5−134.0℃ [α]D 31 −42.87゜(c=0.9,CHCl3) IR(Nujol):ν=2086,1720,152
4,1350cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=8.29(d,2H,
J=9.15Hz),8.25(d,2H,J=9.1
6Hz),7.46(d,1H,J=7.32Hz),
7.32−7.42(m,3H),5.80(dt,1
H,J=6.71,5,50Hz),5.02(d,1
H,J=6.11Hz),3.40(dd,1H,J=
16.48,6.72Hz),3.30(dd,1H,
J=16.48,5.50Hz) MS:m/z=2
82(M+−42),150(100%)
【0050】実施例6 (−)−(1S,2R)−シス−1ーアジド−2−アセ
トキシインダンの合成工程1:(+)−(1S,2S)
−トランス−1ーアジド−2−メタンスルフォニルオキ
シインダンの合成 (+)−(1S,2S)−トランス−1ーアジドインダ
ンー2ーオ−ル(1.07g、6.1mmol)を塩化
メチレン20mlに溶解し、0℃にてトリエチルアミン
(1.7ml、12.2mmol)、塩化メタンスルフ
ォニル(0.71ml、9.2mmol)を滴下して同
温度で30分間、室温で12時間攪拌した。反応混合物
を塩化メチレンで希釈した後、5%塩酸、5%重曹水、
飽和食塩水で順次洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム
上で乾燥後、濾過、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィ−(酢酸エチル/ヘキサン=1/
6(v/v))を用いて精製し、得られた結晶を更にベ
ンゼン−ヘキサンから再結晶して(+)−(1S,2
S)−トランス−1ーアジド−2−メタンスルフォニル
オキシインダン(1.46g、94.5%)を無色針状
結晶として得た。
【0051】このものの光学純度を光学異性体分離カラ
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 mp:73-74℃ [α]D 31 +71.84゜(c=1.0,CHCl3) IR(Nujol):ν=2098,1332cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.40(d,1H,
J=6.71Hz),7.31−7.39(m,2
H),7.27(d,1H,J=8.55Hz),5.
19(ddd,1H,J=6.72,5.49,4.8
8Hz),5.02(d,1H,J=4.88Hz),
3.51(dd,1H,J=16.48,6.72H
z),3.17(dd,1H,J=16.48,5.4
9Hz),3.13(s,3H) 工程2:(−)−(1R,2S)−シス−2−アセトキ
シ−1ーアジドインダンの合成 (−)−(1R,2R)−トランス−1ーアジド−2−
メタンスルフォニルオキシインダン(759mg、13
mmol)、酢酸セシウム(2.88g、15mmo
l)、18−クラウン−6(1.32g、3mmo
l)、及びトルエン(25ml)の混合物を20時間加
熱還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し
た後、飽和食塩水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウ
ム上で乾燥後、濾過、減圧濃縮した。残さをシリカゲル
カラムクロマトグラフィ−(酢酸エチル/ヘキサン=1
/8(v/v))を用いて精製し、淡黄色油状の(−)
−(1R,2S)−シス−2−アセトキシ−1−アジド
インダン(415mg、63.7%)を得た。
【0052】このものの光学純度を光学異性体分離カラ
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 [α]D 30 −25.54゜(c=1.5,CHCl3) IR(film):ν=2102,1742cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.40(d,1H,
J=7.33Hz),7.27−7.38(m,3
H),5.53(q,1H,J=6.11Hz),4.
87(d,1H,J=5.49Hz),3.23(d
d,1H,J=16.48,6.72Hz),3.13
(dd,1H,J=16.48,5.50Hz),2.
15(s,3H) MS:m/z=175(M+−42),43(100
%) MS:m/z=211(M+−42),129(100
%)
【0053】実施例7 (ー)−(1S,2R)−シス−1ーアミノインダンー
2ーオ−ルの合成 工程1:(+)−(1S,2R)−シス−1ーアジドイ
ンダンー2ーオ−ルの合成 メタノ−ル(20ml)に金属ナトリウム(230m
g、10mg原子)を加えることにより調製したナトリ
ウムメトキシドのメタノ−ル溶液中に、(−)−(1
S,2R)−シス−1ーアジド−2−(4−ニトロベン
ゾイルオキシ)インダン(1.086g、3.35mm
ol)(塩化メチレン15mlに溶解)を滴下して室温
で1時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、濃縮残さ
に飽和食塩水(20ml)を加えて塩化メチレンで抽出
した。有機相を合わせて硫酸マグネシウム上で乾燥後、
濾過、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマト
グラフィ−(酢酸エチル/ヘキサン=1/6(v/
v))を用いて精製し、無色油状の(+)−(1S,2
R)−シス−1ーアジドインダンー2ーオ−ル(565
mg、96.4%)を得た。
【0054】このものの光学純度を光学異性体分離カラ
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=5/95)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 [α]D 27 +85.85゜(c=2.0,CHCl3) IR(film):ν=3394,2102cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.25−7.43
(m,4H),4.79(d,1H,J=5.49H
z),4.55−4.65(m,1H),3.17(d
d,1H,J=15.93,6.32Hz),2.95
(dd,1H,J=15.93,6.04Hz),2.
36(d,1H,J=7.97Hz) MS:m/z=175(M+),130(100%) 工程2:(−)−(1S,2R)−シス−1ーアミノイ
ンダンー2ーオ−ルの合成 (+)−(1S,2R)−シス−1ーアジドインダン−
2−オ−ル(550mg、3.14mmol)をエタノ
−ル(15ml)に溶解し、10%パラジウム−炭素
(30mg)を加えて2時間水素化を行った。触媒を濾
過により除去した後、濾液を減圧濃縮し、(−)−(1
S,2R)−シス−1ーアミノインダンー2ーオ−ル
(460mg、98.3%)を無色プリズム状結晶とし
て得た。
【0055】mp:116−117℃ [α]D 30 −61.08゜(c=0.3,CHCl3) IR(Nujol):ν=3342,3290cmー1 1 HーNMR(CDCl3):δ=7.29−7.33
(m,1H),7.24(brd,3H,J=2.45
Hz),4.39(dt,1H,J=5.50,3.0
5Hz),4.34(d,1H,J=5.49Hz),
3.09(dd,1H,J=16.48,5.50H
z),2.95(dd,1H,J=16.48,3.0
6Hz),2.22(brs,3H D2O交換)
【0056】実施例8 (+)−(1R,2S)−シス−1ーアジド−2−(4
−ニトロベンゾイルオキシ)インダンの合成 実施例5と同様にして、(−)−(1R,2R)−トラ
ンス−1ーアジドインダンー2ーオ−ルから(+)−
(1R,2S)−シス−1ーアジド−2−(4−ニトロ
ベンゾイルオキシ)インダン(80.8%)を得た。
【0057】このものの光学純度を光学異性体分離カラ
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 mp:134−135℃ [α]D 30 +42.72゜(c=1.1,CHCl3) 実施例9 (+)−(1S,2R)−シス−2−アセトキシ−1ー
アジドインダンの合成 工程1:(−)−(1R,2R)−トランス−1ーアジ
ド−2−メタンスルフォニルオキシインダンの合成 実施例6の工程1と同様にして、(−)−(1R,2
R)−トランス−1ーアジドインダンー2ーオ−ルから
(−)−(1R,2R)−トランス−1ーアジド−2−
メタンスルフォニルオキシインダン(89.4%)を無
色針状結晶として得た。
【0058】このものの光学純度を光学異性体分離カラ
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 mp:71.5−72.0℃ [α]D 30 −69.06゜(c=1.1,CHCl3) 工程2:(+)−(1S,2R)−シス−2−アセトキ
シ−1ーアジドインダンの合成 実施例6の工程2と同様にして、(+)−(1S,2
S)−トランス−1ーアジド−2−メタンスルフォニル
オキシインダンから(+)−(1S,2R)−シス−2
−アセトキシ−1−アジドインダン(62.5%)を無
色針状結晶として得た。
【0059】このものの光学純度を光学異性体分離カラ
ム(CHIRALCELOD、イソプロパノ−ル/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。 [α]D 30 +25.05゜(c=1.1,CHCl3) 実施例10 (+)−(1R,2S)−シス−1ーアミノインダンー
2ーオ−ルの合成 工程1:(−)−(1R,2S)−シス−1ーアジドイ
ンダンー2ーオ−ルの合成 実施例7の工程1と同様にして、(+)−(1R,2
S)−シス−1ーアジド−2−(4−ニトロベンゾイル
オキシ)インダンから(−)−(1R,2S)−シス−
1ーアジドインダンー2ーオ−ル(96.7%)を得
た。 [α]D 2 8 −85.19゜(c=1.6,CHC
3) 工程2:(+)−(1R,2S)−シス−1ーアミノイ
ンダンー2ーオ−ルの合成 実施例7の工程2と同様にして、(−)−(1R,2
S)−シス−1ーアジドインダン−2−オ−ルから
(+)−(1R,2S)−シス−1ーアミノインダンー
2ーオ−ル(94.0%)を得た。 mp:114−116℃ [α]D 30 +63.69゜(c=0.8,CHCl3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 55/00 7419−4H C07B 55/00 B 61/00 300 61/00 300 C07M 7:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(Ia) 【化1】 または式(Ib) 【化2】 で表される光学活性トランス−1−アジドインダン−2
    −オ−ルをスルホン酸エステルに変換した後、アルカリ
    金属と有機酸との塩、またはアルカリ金属塩と有機酸と
    の混合物と反応させることにより水酸基の立体を反転
    し、式(IIIa) 【化3】 (式中、R2は炭素数1〜20のアシル基、ベンゾイル
    基、または置換ベンゾイル基を表す)または式(IIIb) 【化4】 (式中、R2は炭素数1〜20のアシル基、ベンゾイル
    基、または置換ベンゾイル基を表す)で表される光学活
    性シス−1−アジドインダン−2−オ−ル誘導体とした
    後、加水分解または加アルコール分解による脱エステル
    化、および接触水素添加または金属水素錯化合物による
    アジド基の還元を経て式(IVa) 【化5】 または式(IVb) 【化6】 で表される化合物を得ることを特徴とする光学活性シス
    ー1−アミノインダン−2−オ−ルの製造方法。
  2. 【請求項2】式(Ia) 【化7】 または式(Ib) 【化8】 で表される光学活性トランス−1−アジドインダン−2
    −オ−ルを、トリフェニルホスフィン、安息香酸類、お
    よびアゾジカルボン酸ジエステルの混合物と反応させる
    光延反応に付すことにより水酸基の立体を反転し、式
    (IIIa) 【化9】 (式中、R2は炭素数1〜20のアシル基、ベンゾイル
    基、または置換ベンゾイル基を表す)または式(IIIb) 【化10】 (式中、R2は炭素数1〜20のアシル基、ベンゾイル
    基、または置換ベンゾイル基を表す)で表される光学活
    性シス−1−アジドインダン−2−オ−ル誘導体とした
    後、脱エステル化およびアジド基の還元を経て式(IV
    a) 【化11】 または式(IVb) 【化12】 で表される化合物を得ることを特徴とする光学活性シス
    ー1−アミノインダン−2−オ−ルの製造方法。
  3. 【請求項3】式(I) 【化13】 で表される(±)−トランス−1−アジドインダン−2
    −オ−ルを、リパ−ゼを用いた脂肪酸ビニルとのエステ
    ル交換反応に付し、立体選択的にアシル化することによ
    り、式(IIb) 【化14】 (式中、R1は炭素数1〜20の直鎖または分枝アルキ
    ル基を表す)で表される(−)−トランス−2−アシル
    オキシ−1−アジドインダンと式(Ia) 【化15】 で表される(+)−トランス−1−アジドインダン−2
    −オ−ルとに光学分割し、これらの混合物からそれぞれ
    の光学活性化合物を分離、取得することを特徴とする光
    学活性トランス−1−アジドインダン−2−オ−ルの製
    造法。
  4. 【請求項4】リパ−ゼがシュウドモナス属由来のもので
    ある請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】リパ−ゼがシュウドモナス・シパシア起源
    のものである請求項4記載の製造方法。
JP8069518A 1996-03-26 1996-03-26 光学活性1−アミノインダン−2−オールの製造方法 Pending JPH09255635A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016133020A1 (ja) * 2015-02-16 2016-08-25 日産化学工業株式会社 光学活性アリルアルコール化合物の製造方法

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