JPH08336396A - 光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンの製造法 - Google Patents
光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンの製造法Info
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- JPH08336396A JPH08336396A JP16918495A JP16918495A JPH08336396A JP H08336396 A JPH08336396 A JP H08336396A JP 16918495 A JP16918495 A JP 16918495A JP 16918495 A JP16918495 A JP 16918495A JP H08336396 A JPH08336396 A JP H08336396A
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- endo
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- hydroxydicyclopentadiene
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエンの製造法の提供。 【構成】 エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエ
ン(I)もしくはエンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエン(II)をリパーゼを用いて光学分割し、光学
活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン(I
a)及び(Ib)を製造する。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【効果】 本発明の製造法により、種々の生理活性物質
の合成中間体として有用な光学活性エンド−3−ヒドロ
キシジシクロペンタジエンが効率的に製造できる。
ンタジエンの製造法の提供。 【構成】 エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエ
ン(I)もしくはエンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエン(II)をリパーゼを用いて光学分割し、光学
活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン(I
a)及び(Ib)を製造する。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【効果】 本発明の製造法により、種々の生理活性物質
の合成中間体として有用な光学活性エンド−3−ヒドロ
キシジシクロペンタジエンが効率的に製造できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の生理活性物質の
合成中間体として有用な光学活性エンド−3−ヒドロキ
シジシクロペンタジエンの製造法に関する。
合成中間体として有用な光学活性エンド−3−ヒドロキ
シジシクロペンタジエンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性エンド−3−ヒドロキシ
ジシクロペンタジエンの製造法としては、シクロペン
タジエンと(S)−5−ヒドロキシメチルブテン−2−
オリドを加熱して得られる付加体から4工程で(+)−
3−オキソジシクロペンタジエンを合成し、次いで塩化
セリウム存在下、水素化ホウ素ナトリウムで立体選択的
に還元する方法(Chemistry Lett.,1989,359)、ラセ
ミ体のエンド−3−ベンゾイルオキシジシクロペンタジ
エンを光学異性体分離カラム(充填剤としてポリメタク
リル酸トリフェニルメチル((+)−PTrMA)をシ
リカゲルにコーティングさせたキラルカラム)を用いて
光学分割する方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,58,3631(198
5))が知られている。
ジシクロペンタジエンの製造法としては、シクロペン
タジエンと(S)−5−ヒドロキシメチルブテン−2−
オリドを加熱して得られる付加体から4工程で(+)−
3−オキソジシクロペンタジエンを合成し、次いで塩化
セリウム存在下、水素化ホウ素ナトリウムで立体選択的
に還元する方法(Chemistry Lett.,1989,359)、ラセ
ミ体のエンド−3−ベンゾイルオキシジシクロペンタジ
エンを光学異性体分離カラム(充填剤としてポリメタク
リル酸トリフェニルメチル((+)−PTrMA)をシ
リカゲルにコーティングさせたキラルカラム)を用いて
光学分割する方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,58,3631(198
5))が知られている。
【0003】しかしながら、の方法は出発物質である
(S)−5−ヒドロキシメチルブテン−2−オリドの入
手に多工程を要するうえ、一方の対掌体しか得ることが
できない。またそれ以後の工程数も多いため効率的でな
い。の方法は両対掌体が得られるものの、特殊なカラ
ムを必要とするため大量合成には明らかに不向きであ
る。そこでより実用性の高い、効率的な製造法の開発が
望まれていた。本発明における光学活性エンド−3−ヒ
ドロキシジシクロペンタジエンは、種々の生理活性物質
の合成中間体として広範に利用できる有用な化合物であ
る。例えば、本化合物から1工程で誘導される光学活性
3−オキソジシクロペンタジエンを出発物質とすれば、
経口避妊薬として有望なエストロゲンステロイドホルモ
ンの一種である(+)−エキレニン(J.Chem.Soc.,Che
m.Commun.,1990,1544)や(+)−エストロン(Tetrahe
dron Lett.,33,1909(1992) )を容易に合成できる。ま
た、麻酔・鎮痛作用を示すモルフィン系アルカロイドで
ある(−)−アファノルフィン(J.Chem.Soc.,Chem.Com
mun.,1990,290 )や、中枢神経興奮作用を有する(−)
−フィソベニン(J.Org.Chem.,56,5982(1991) )も光学
活性3−オキソジシクロペンタジエンから効率良く合成
することが出来る。
(S)−5−ヒドロキシメチルブテン−2−オリドの入
手に多工程を要するうえ、一方の対掌体しか得ることが
できない。またそれ以後の工程数も多いため効率的でな
い。の方法は両対掌体が得られるものの、特殊なカラ
ムを必要とするため大量合成には明らかに不向きであ
る。そこでより実用性の高い、効率的な製造法の開発が
望まれていた。本発明における光学活性エンド−3−ヒ
ドロキシジシクロペンタジエンは、種々の生理活性物質
の合成中間体として広範に利用できる有用な化合物であ
る。例えば、本化合物から1工程で誘導される光学活性
3−オキソジシクロペンタジエンを出発物質とすれば、
経口避妊薬として有望なエストロゲンステロイドホルモ
ンの一種である(+)−エキレニン(J.Chem.Soc.,Che
m.Commun.,1990,1544)や(+)−エストロン(Tetrahe
dron Lett.,33,1909(1992) )を容易に合成できる。ま
た、麻酔・鎮痛作用を示すモルフィン系アルカロイドで
ある(−)−アファノルフィン(J.Chem.Soc.,Chem.Com
mun.,1990,290 )や、中枢神経興奮作用を有する(−)
−フィソベニン(J.Org.Chem.,56,5982(1991) )も光学
活性3−オキソジシクロペンタジエンから効率良く合成
することが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の点を踏まえ、本
発明者らは、光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロ
ペンタジエンを効率よく得るという目的を達成するため
に鋭意検討した結果、前記式(Ia)及び(Ib)で表
される光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエンを該原料物質を特定条件下にリパーゼで光学分割
することにより効率よく得る製造法を見い出し本発明に
至った。
発明者らは、光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロ
ペンタジエンを効率よく得るという目的を達成するため
に鋭意検討した結果、前記式(Ia)及び(Ib)で表
される光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエンを該原料物質を特定条件下にリパーゼで光学分割
することにより効率よく得る製造法を見い出し本発明に
至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)式(I)
【化11】 で表されるエンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエ
ンを、脂肪酸ビニル存在下、リパーゼで光学分割するこ
とにより、式(Ia)
ンを、脂肪酸ビニル存在下、リパーゼで光学分割するこ
とにより、式(Ia)
【化12】 で表される(+)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエンと式(IIb)
ンタジエンと式(IIb)
【化13】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で
表される(−)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンの混合物を得、これらを分離することを特徴
とする(+)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエンの製造法である。 (2)また、式(IIb)
表される(−)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンの混合物を得、これらを分離することを特徴
とする(+)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエンの製造法である。 (2)また、式(IIb)
【化14】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で
表される(−)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンを加水分解もしくは加アルコール分解するこ
とにより、式(Ib)
表される(−)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンを加水分解もしくは加アルコール分解するこ
とにより、式(Ib)
【化15】 で表される(−)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエンを得ることができる。 (3)また、本発明は式(II)
ンタジエンを得ることができる。 (3)また、本発明は式(II)
【化16】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で
表されるエンド−3−アシルオキシジシクロペンタジエ
ンを、低級アルコール存在下、リパーゼで光学分割する
ことにより、式(Ib)
表されるエンド−3−アシルオキシジシクロペンタジエ
ンを、低級アルコール存在下、リパーゼで光学分割する
ことにより、式(Ib)
【化17】 で表される(−)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエンと式(IIa)
ンタジエンと式(IIa)
【化18】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で
表される(+)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンの混合物を得、これらを分離することを特徴
とする(−)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエンの製造法である。 (4)また、式(IIa)
表される(+)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンの混合物を得、これらを分離することを特徴
とする(−)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエンの製造法である。 (4)また、式(IIa)
【化19】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で
表される(+)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンを加水分解もしくは加アルコール分解するこ
とにより、式(Ia)
表される(+)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンを加水分解もしくは加アルコール分解するこ
とにより、式(Ia)
【化20】 で表される(+)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエンを得ることができる。
ンタジエンを得ることができる。
【0006】次に本発明について詳細に述べる。本発明
の光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエ
ン(Ia)及び(Ib)は、以下の工程に従って製造す
ることが出来る。
の光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエ
ン(Ia)及び(Ib)は、以下の工程に従って製造す
ることが出来る。
【0007】
【化21】
【0008】式(I)で表される化合物は、3−オキソ
ジシクロペンタジエン (III)を適当な還元剤で立体選択
的に還元することにより得ることが出来る。還元剤の代
表的な例としては、水素化ジイソブチルアルミニウムを
挙げることができる。水素化ジイソブチルアルミニウム
は基質に対して1〜5当量用いることが出来るが、特に
好ましくは1. 1〜1. 5当量である。反応溶媒として
は不活性な溶媒であればいずれの溶媒も用いることがで
きるが、トルエンを好ましく用いることが出来る。反応
温度は−100〜0℃が適当であり、特に好ましくは−
80〜−30℃である。式(Ia)で表される化合物
は、式(I)で表される化合物をリパーゼ存在下、脂肪
酸ビニルとエステル交換反応することにより光学分割
し、得られる(Ia)と(IIb)の混合物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー等の方法を用いて分離するこ
とにより得ることができる。リパーゼとしては、次表1
に示した市販のリパ−ゼを用いることができる。
ジシクロペンタジエン (III)を適当な還元剤で立体選択
的に還元することにより得ることが出来る。還元剤の代
表的な例としては、水素化ジイソブチルアルミニウムを
挙げることができる。水素化ジイソブチルアルミニウム
は基質に対して1〜5当量用いることが出来るが、特に
好ましくは1. 1〜1. 5当量である。反応溶媒として
は不活性な溶媒であればいずれの溶媒も用いることがで
きるが、トルエンを好ましく用いることが出来る。反応
温度は−100〜0℃が適当であり、特に好ましくは−
80〜−30℃である。式(Ia)で表される化合物
は、式(I)で表される化合物をリパーゼ存在下、脂肪
酸ビニルとエステル交換反応することにより光学分割
し、得られる(Ia)と(IIb)の混合物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー等の方法を用いて分離するこ
とにより得ることができる。リパーゼとしては、次表1
に示した市販のリパ−ゼを用いることができる。
【0009】
【表1】
【0010】これらの他にエステル交換能を有するリパ
ーゼを産生する微生物であれば、その種類を問わずにそ
のリパーゼを使用することができる。かかる微生物の例
として、シュウドモナス(Pseudomonus)属、クロモバク
テリウム(Chromobacterium)属、アルスロバクター(Ar
throbacter) 属、アクロモバクター(Acromobacter)
属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アスペルギルス
(Aspergilius)属、カンジダ(Candida)属、ムコール
(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属、等に属するもの
が挙げられる。これらの中で特に好ましいのは、シュウ
ドモナス属由来のものである。脂肪酸ビニルとしては、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、
ラウリン酸ビニル等が挙げられる。反応溶媒としては、
ヘプタン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、トルエン、ベ
ンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、
t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒が代表的
なものであるが、リパーゼ活性を阻害しない有機溶媒で
あれば広く用いることができる。反応温度は10〜10
0℃が適当であり、特に好ましくは20〜45℃であ
る。反応時間は1〜1000時間であり、好ましくは2
0〜300時間である。
ーゼを産生する微生物であれば、その種類を問わずにそ
のリパーゼを使用することができる。かかる微生物の例
として、シュウドモナス(Pseudomonus)属、クロモバク
テリウム(Chromobacterium)属、アルスロバクター(Ar
throbacter) 属、アクロモバクター(Acromobacter)
属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アスペルギルス
(Aspergilius)属、カンジダ(Candida)属、ムコール
(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属、等に属するもの
が挙げられる。これらの中で特に好ましいのは、シュウ
ドモナス属由来のものである。脂肪酸ビニルとしては、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、
ラウリン酸ビニル等が挙げられる。反応溶媒としては、
ヘプタン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、トルエン、ベ
ンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、
t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒が代表的
なものであるが、リパーゼ活性を阻害しない有機溶媒で
あれば広く用いることができる。反応温度は10〜10
0℃が適当であり、特に好ましくは20〜45℃であ
る。反応時間は1〜1000時間であり、好ましくは2
0〜300時間である。
【0011】また、式(IIb)で表される化合物は、塩
基性条件下の加水分解もしくは加アルコール分解により
式(Ib)で表される化合物に容易に導かれる。加水分
解に用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等が挙げられる。加アルコール分解の代表的
な方法としては、例えば、炭酸カリウム−メタノール等
の方法が挙げられる。また、式(Ib)で表される化合
物は、式(I)で表される化合物を既知の方法でアシル
化することにより容易に導かれる式(II)で表される化
合物を、リパーゼを用いて加アルコール分解することに
より光学分割し、得られる(Ib)と(IIa)の混合物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の方法を用い
て分離することによっても得ることができる。リパーゼ
としては、上述のエステル交換反応に用いられるものに
準ずるが、特に好ましいのは、シュウドモナス属由来の
ものである。反応に用いられる低級アルコールとして
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノール等が挙げられる。反応溶媒としては、ヘプタン、
ヘキサン等の炭化水素系溶媒、トルエン、ベンゼン等の
芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、t−ブチル
メチルエーテル等のエーテル系溶媒が代表的なものであ
るが、リパーゼ活性を阻害しない有機溶媒であれば広く
用いることができる。反応温度は10〜100℃が適当
であり、特に好ましくは20〜45℃である。反応時間
は3〜100日間であり、好ましくは10〜50日間で
ある。
基性条件下の加水分解もしくは加アルコール分解により
式(Ib)で表される化合物に容易に導かれる。加水分
解に用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等が挙げられる。加アルコール分解の代表的
な方法としては、例えば、炭酸カリウム−メタノール等
の方法が挙げられる。また、式(Ib)で表される化合
物は、式(I)で表される化合物を既知の方法でアシル
化することにより容易に導かれる式(II)で表される化
合物を、リパーゼを用いて加アルコール分解することに
より光学分割し、得られる(Ib)と(IIa)の混合物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の方法を用い
て分離することによっても得ることができる。リパーゼ
としては、上述のエステル交換反応に用いられるものに
準ずるが、特に好ましいのは、シュウドモナス属由来の
ものである。反応に用いられる低級アルコールとして
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノール等が挙げられる。反応溶媒としては、ヘプタン、
ヘキサン等の炭化水素系溶媒、トルエン、ベンゼン等の
芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、t−ブチル
メチルエーテル等のエーテル系溶媒が代表的なものであ
るが、リパーゼ活性を阻害しない有機溶媒であれば広く
用いることができる。反応温度は10〜100℃が適当
であり、特に好ましくは20〜45℃である。反応時間
は3〜100日間であり、好ましくは10〜50日間で
ある。
【0012】また、式(IIa)で表される化合物は、上
述の式(IIb)で表される化合物と同様の方法で、塩基
性条件下の加水分解もしくは加アルコール分解により式
(Ia)で表される化合物に容易に導くことができる。
式(IIIa) 及び式(IIIb) で表される化合物は、式(I
a)及び式(Ib)で表される化合物を二酸化マンガン
で酸化することにより得ることが出来る。二酸化マンガ
ンは基質に対して1〜20当量用いることが出来るが、
特に好ましくは3〜10当量である。反応溶媒としては
ペンタン等の炭化水素系溶媒、トルエン等の芳香族炭化
水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶
媒、またはアセトン、エーテル等を用いることが出来
る。反応温度は0〜100℃が適当であり、特に好まし
くは20〜50℃である。以上の操作により、光学純度
の高い光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエンを効率的に製造することが出来る。
述の式(IIb)で表される化合物と同様の方法で、塩基
性条件下の加水分解もしくは加アルコール分解により式
(Ia)で表される化合物に容易に導くことができる。
式(IIIa) 及び式(IIIb) で表される化合物は、式(I
a)及び式(Ib)で表される化合物を二酸化マンガン
で酸化することにより得ることが出来る。二酸化マンガ
ンは基質に対して1〜20当量用いることが出来るが、
特に好ましくは3〜10当量である。反応溶媒としては
ペンタン等の炭化水素系溶媒、トルエン等の芳香族炭化
水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶
媒、またはアセトン、エーテル等を用いることが出来
る。反応温度は0〜100℃が適当であり、特に好まし
くは20〜50℃である。以上の操作により、光学純度
の高い光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエンを効率的に製造することが出来る。
【0013】
【発明の効果】本発明の製造法は、従来法に比べ反応
工程数が短く、反応操作も簡便である、特殊な反応装
置等を必要としない、両対掌体が収率良く得られる、
等の点で優れており、量産化にも有利である。本製造法
を用いることにより光学活性エンド−3−ヒドロキシジ
シクロペンタジエンが効率的に製造できる。光学活性エ
ンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンは、種々の
生理活性物質等の合成中間体として有用な化合物であ
る。
工程数が短く、反応操作も簡便である、特殊な反応装
置等を必要としない、両対掌体が収率良く得られる、
等の点で優れており、量産化にも有利である。本製造法
を用いることにより光学活性エンド−3−ヒドロキシジ
シクロペンタジエンが効率的に製造できる。光学活性エ
ンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンは、種々の
生理活性物質等の合成中間体として有用な化合物であ
る。
【0014】
【実施例】以下、実施例及び参考例により本発明を更に
詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって制限さ
れるものではない。
詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって制限さ
れるものではない。
【0015】参考例1 (±)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン
の合成 3−オキソジシクロペンタジエン(503mg、3. 4
5mmol)をトルエン(10ml)に溶解し、−78
℃にて水素化ジイソブチルアルミニウム(1.5Mトル
エン溶液、3. 0ml、4. 5mmol)を滴下した
後、同温度で20分間攪拌した。反応液をエーテル(4
0ml)で希釈し、0℃にて30%アンモニア水(1m
l)を加えて室温で2時間攪拌した。反応混合物をセラ
イトで濾過した後、濾液を塩化メチレンで抽出した。抽
出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥
後、濾過、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/6(v/
v))を用いて精製し、(±)−エンド−3−ヒドロキ
シジシクロペンタジエン(463mg、91%)を得
た。 mp:82. 0−83. 0℃
の合成 3−オキソジシクロペンタジエン(503mg、3. 4
5mmol)をトルエン(10ml)に溶解し、−78
℃にて水素化ジイソブチルアルミニウム(1.5Mトル
エン溶液、3. 0ml、4. 5mmol)を滴下した
後、同温度で20分間攪拌した。反応液をエーテル(4
0ml)で希釈し、0℃にて30%アンモニア水(1m
l)を加えて室温で2時間攪拌した。反応混合物をセラ
イトで濾過した後、濾液を塩化メチレンで抽出した。抽
出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥
後、濾過、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/6(v/
v))を用いて精製し、(±)−エンド−3−ヒドロキ
シジシクロペンタジエン(463mg、91%)を得
た。 mp:82. 0−83. 0℃
【0016】実施例1 (+)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン
の合成 (±)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン
(971mg、6. 56mmol)、酢酸ビニル(30
μl、3. 94mmol)、及びリパーゼPS(97m
g、天野製薬)の混合物をt−ブチルメチルエーテル
(20ml)に懸濁し、37℃で48時間攪拌した。反
応混合物をセライトで濾過した後、濾液を減圧濃縮して
エンド−3−アセトキシジシクロペンタジエンとエンド
−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンの混合物を得
た。これらをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル/ヘキサン=1/20(v/v)→1/6(v
/v))を用いて分離し、無色結晶状の(−)−エンド
−3−アセトキシジシクロペンタジエン(620mg、
49. 8%)と(+)−エンド−3−ヒドロキシジシク
ロペンタジエン(480mg、49. 4%)を得た。
の合成 (±)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン
(971mg、6. 56mmol)、酢酸ビニル(30
μl、3. 94mmol)、及びリパーゼPS(97m
g、天野製薬)の混合物をt−ブチルメチルエーテル
(20ml)に懸濁し、37℃で48時間攪拌した。反
応混合物をセライトで濾過した後、濾液を減圧濃縮して
エンド−3−アセトキシジシクロペンタジエンとエンド
−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンの混合物を得
た。これらをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル/ヘキサン=1/20(v/v)→1/6(v
/v))を用いて分離し、無色結晶状の(−)−エンド
−3−アセトキシジシクロペンタジエン(620mg、
49. 8%)と(+)−エンド−3−ヒドロキシジシク
ロペンタジエン(480mg、49. 4%)を得た。
【0017】(+)−エンド−3−ヒドロキシジシクロ
ペンタジエン; mp:81−82. 5℃ [α]D 28 +151. 1゜(CHCl3) IR(nujol):ν 3228cm-1 1 H−NMR(CDCl3 ):δ=6. 15(dd, 1
H, J=5. 7, 2.4Hz), 5. 81(dd, 1H,
J=5. 7, 3. 1Hz), 5. 59(s,2H),
4. 64−4. 69(m, 1H), 3. 30(dd, 1
H, J=7. 3, 4. 0Hz), 2. 91−2. 99
(m, 3H), 1. 57(brd, 1H,J=8. 1H
z), 1. 45(brd, 1H, J=8. 1Hz),
1. 25(brd, 1H, J=8. 8Hz) MS:m/z 148(M+ ), 129(100%) HRMS:m/z Calc. forC10H12O:148. 0888 found:148. 0893 Anal.Calc. forC10H12O:C, 81. 04 H, 8. 16 found: 80. 88 8. 15 このものを参考例3と同様にして(−)−3−オキソジ
シクロペンタジエンに誘導した後、光学純度を光学異性
体分離カラム(CHIRALCEL OB、イソプロパ
ノール/ヘキサン=1/9)を用いたHPLCにより測
定したところ、99%ee以上であることが判明した。
ペンタジエン; mp:81−82. 5℃ [α]D 28 +151. 1゜(CHCl3) IR(nujol):ν 3228cm-1 1 H−NMR(CDCl3 ):δ=6. 15(dd, 1
H, J=5. 7, 2.4Hz), 5. 81(dd, 1H,
J=5. 7, 3. 1Hz), 5. 59(s,2H),
4. 64−4. 69(m, 1H), 3. 30(dd, 1
H, J=7. 3, 4. 0Hz), 2. 91−2. 99
(m, 3H), 1. 57(brd, 1H,J=8. 1H
z), 1. 45(brd, 1H, J=8. 1Hz),
1. 25(brd, 1H, J=8. 8Hz) MS:m/z 148(M+ ), 129(100%) HRMS:m/z Calc. forC10H12O:148. 0888 found:148. 0893 Anal.Calc. forC10H12O:C, 81. 04 H, 8. 16 found: 80. 88 8. 15 このものを参考例3と同様にして(−)−3−オキソジ
シクロペンタジエンに誘導した後、光学純度を光学異性
体分離カラム(CHIRALCEL OB、イソプロパ
ノール/ヘキサン=1/9)を用いたHPLCにより測
定したところ、99%ee以上であることが判明した。
【0018】(−)−エンド−3−アセトキシジシクロ
ペンタジエン; mp:58. 5−59. 5℃ [α]D 27 −5. 3゜(CHCl3 ) IR(nujol):ν 1725cm-1 1 H−NMR(CDCl3 ):δ=5. 98(dd, 1
H, J=5. 7, 2.7Hz), 5. 76(dd, 1H,
J=5. 7, 3. 1Hz), 5. 69−5.72(m,
1H), 5. 43−5. 46(m, 1H), 5. 44
(dd, 1H,J=8. 8, 1. 5Hz), 3. 26−
3. 31(m, 1H), 3. 08(ddd, 1H, J=
8. 8, 7. 7, 4. 0Hz), 2. 89(brs, 1
H), 2. 76(brs, 1H), 2. 07(s, 3
H)1. 50−1. 53(m, 1H), 1. 40−1.
43(m, 1H) MS:m/z 190(M+ ), 82(100%) HRMS:m/z Calc. forC12H14O2 :190. 0994 found:190. 1003 Anal.Calc. forC12H14O2 :C, 75. 76 H, 7. 42 found : 75. 60 7. 40
ペンタジエン; mp:58. 5−59. 5℃ [α]D 27 −5. 3゜(CHCl3 ) IR(nujol):ν 1725cm-1 1 H−NMR(CDCl3 ):δ=5. 98(dd, 1
H, J=5. 7, 2.7Hz), 5. 76(dd, 1H,
J=5. 7, 3. 1Hz), 5. 69−5.72(m,
1H), 5. 43−5. 46(m, 1H), 5. 44
(dd, 1H,J=8. 8, 1. 5Hz), 3. 26−
3. 31(m, 1H), 3. 08(ddd, 1H, J=
8. 8, 7. 7, 4. 0Hz), 2. 89(brs, 1
H), 2. 76(brs, 1H), 2. 07(s, 3
H)1. 50−1. 53(m, 1H), 1. 40−1.
43(m, 1H) MS:m/z 190(M+ ), 82(100%) HRMS:m/z Calc. forC12H14O2 :190. 0994 found:190. 1003 Anal.Calc. forC12H14O2 :C, 75. 76 H, 7. 42 found : 75. 60 7. 40
【0019】実施例2 (−)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン
の合成 実施例1で得た(−)−エンド−3−アセトキシジシク
ロペンタジエン(1.13g、5. 93mmol)と炭
酸カリウム(0. 82g、5. 93mmol)の混合物
をメタノール(20ml)中、室温で20時間攪拌し
た。反応液を減圧濃縮して得た残さをエーテルで抽出し
た。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上
で乾燥後、濾過、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/6
(v/v))を用いて精製し、無色結晶状の(−)−エ
ンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン(875m
g、100%)を得た。 mp:81−82. 5℃ [α]D 28 −151. 7゜(CHCl3 ) このものを参考例3と同様にして(+)−3−オキソジ
シクロペンタジエンに誘導した後、光学純度を光学異性
体分離カラム(CHIRALCEL OB、イソプロパ
ノール/ヘキサン=1/9)を用いたHPLCにより測
定したところ、99%ee以上であることが判明した。
の合成 実施例1で得た(−)−エンド−3−アセトキシジシク
ロペンタジエン(1.13g、5. 93mmol)と炭
酸カリウム(0. 82g、5. 93mmol)の混合物
をメタノール(20ml)中、室温で20時間攪拌し
た。反応液を減圧濃縮して得た残さをエーテルで抽出し
た。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上
で乾燥後、濾過、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/6
(v/v))を用いて精製し、無色結晶状の(−)−エ
ンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン(875m
g、100%)を得た。 mp:81−82. 5℃ [α]D 28 −151. 7゜(CHCl3 ) このものを参考例3と同様にして(+)−3−オキソジ
シクロペンタジエンに誘導した後、光学純度を光学異性
体分離カラム(CHIRALCEL OB、イソプロパ
ノール/ヘキサン=1/9)を用いたHPLCにより測
定したところ、99%ee以上であることが判明した。
【0020】参考例2 (±)−エンド−3−アセトキシジシクロペンタジエン
の合成 参考例1で得た(±)−エンド−3−ヒドロキシジシク
ロペンタジエン(1.73g、11. 7mmol)を塩
化メチレン(30ml)に溶解し、ピリジン(1. 73
ml、17. 5mmol)、塩化アセチル(0. 99m
l、14mmol)を加えて0℃にて2時間攪拌した。
反応液を塩化メチレンで希釈した後、飽和食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過、減圧濃縮し
た。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル/ヘキサン=1/20(v/v))を用いて精製
し、(±)−エンド−3−アセトキシジシクロペンタジ
エン(2. 16g、98%)を得た。 mp:31. 5−32. 5℃
の合成 参考例1で得た(±)−エンド−3−ヒドロキシジシク
ロペンタジエン(1.73g、11. 7mmol)を塩
化メチレン(30ml)に溶解し、ピリジン(1. 73
ml、17. 5mmol)、塩化アセチル(0. 99m
l、14mmol)を加えて0℃にて2時間攪拌した。
反応液を塩化メチレンで希釈した後、飽和食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過、減圧濃縮し
た。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル/ヘキサン=1/20(v/v))を用いて精製
し、(±)−エンド−3−アセトキシジシクロペンタジ
エン(2. 16g、98%)を得た。 mp:31. 5−32. 5℃
【0021】実施例3 (−)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン
の合成 (±)−エンド−3−アセトキシジシクロペンタジエン
(1. 45g、7. 61mmol)、リパ−ゼPS
(1. 50g、天野製薬)、メタノール(1. 28m
l、31. 6mmol)の混合物をt−ブチルメチルエ
ーテル(20ml)に懸濁し、37℃で31日間攪拌し
た。反応混合物をセライトで濾過した後、濾液を減圧濃
縮してエンド−3−アセトキシジシクロペンタジエンと
エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンの混合物
を得た。これらをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル/ヘキサン=1/20(v/v)→1/6
(v/v))を用いて分離し、無色結晶状の(+)−エ
ンド−3−アセトキシジシクロペンタジエン(800m
g、55%)と(−)−エンド−3−ヒドロキシジシク
ロペンタジエン(493mg、44%)を得た。(−)
−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンを参考
例3に示すように(+)−3−オキソジシクロペンタジ
エンに誘導した後、光学純度を光学異性体分離カラム
(CHIRALCEL OB、イソプロパノール/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。
の合成 (±)−エンド−3−アセトキシジシクロペンタジエン
(1. 45g、7. 61mmol)、リパ−ゼPS
(1. 50g、天野製薬)、メタノール(1. 28m
l、31. 6mmol)の混合物をt−ブチルメチルエ
ーテル(20ml)に懸濁し、37℃で31日間攪拌し
た。反応混合物をセライトで濾過した後、濾液を減圧濃
縮してエンド−3−アセトキシジシクロペンタジエンと
エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンの混合物
を得た。これらをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル/ヘキサン=1/20(v/v)→1/6
(v/v))を用いて分離し、無色結晶状の(+)−エ
ンド−3−アセトキシジシクロペンタジエン(800m
g、55%)と(−)−エンド−3−ヒドロキシジシク
ロペンタジエン(493mg、44%)を得た。(−)
−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンを参考
例3に示すように(+)−3−オキソジシクロペンタジ
エンに誘導した後、光学純度を光学異性体分離カラム
(CHIRALCEL OB、イソプロパノール/ヘキ
サン=1/9)を用いたHPLCにより測定したとこ
ろ、99%ee以上であることが判明した。
【0022】実施例4 (+)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエン
の合成 実施例3で得た(+)−エンド−3−アセトキシジシク
ロペンタジエンを、実施例2と同様にして加アルコール
分解し、無色結晶状の(+)−エンド−3−ヒドロキシ
ジシクロペンタジエンを得た。このものを参考例3と同
様にして(−)−3−オキソジシクロペンタジエンに誘
導した後、光学純度を光学異性体分離カラム(CHIR
ALCEL OB、イソプロパノール/ヘキサン=1/
9)を用いたHPLCにより測定したところ、80%e
eであることが判明した。
の合成 実施例3で得た(+)−エンド−3−アセトキシジシク
ロペンタジエンを、実施例2と同様にして加アルコール
分解し、無色結晶状の(+)−エンド−3−ヒドロキシ
ジシクロペンタジエンを得た。このものを参考例3と同
様にして(−)−3−オキソジシクロペンタジエンに誘
導した後、光学純度を光学異性体分離カラム(CHIR
ALCEL OB、イソプロパノール/ヘキサン=1/
9)を用いたHPLCにより測定したところ、80%e
eであることが判明した。
【0023】参考例3 (+)−3−オキソジシクロペンタジエンの合成 実施例3で得た(−)−エンド−3−ヒドロキシジシク
ロペンタジエン(56mg、0. 38mmol)を塩化
メチレン(1. 5ml)に溶解し、室温にて二酸化マン
ガン(150mg、1. 73mmol)を少量ずつ添加
した。24時間攪拌した後、反応混合物をセライトで濾
過し、濾液を減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/8(v
/v))により精製し、無色結晶状の(+)−3−オキ
ソジシクロペンタジエン(51mg、92%)を得た。 mp:76−76. 5℃ [α]D 28 +138. 4゜(MeOH) このものの光学純度を光学異性体分離カラム(CHIR
ALCEL OB、イソプロパノール/ヘキサン=1/
9)を用いたHPLCにより測定したところ、99%e
e以上であった。
ロペンタジエン(56mg、0. 38mmol)を塩化
メチレン(1. 5ml)に溶解し、室温にて二酸化マン
ガン(150mg、1. 73mmol)を少量ずつ添加
した。24時間攪拌した後、反応混合物をセライトで濾
過し、濾液を減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/8(v
/v))により精製し、無色結晶状の(+)−3−オキ
ソジシクロペンタジエン(51mg、92%)を得た。 mp:76−76. 5℃ [α]D 28 +138. 4゜(MeOH) このものの光学純度を光学異性体分離カラム(CHIR
ALCEL OB、イソプロパノール/ヘキサン=1/
9)を用いたHPLCにより測定したところ、99%e
e以上であった。
Claims (6)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表されるエンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエ
ンを、脂肪酸ビニル存在下、リパ−ゼで光学分割するこ
とにより、式(Ia) 【化2】 で表される(+)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエンと式(IIb) 【化3】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で
表される(−)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンの混合物を得、これらを分離することを特徴
とする(+)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエンの製造法。 - 【請求項2】 式(IIb) 【化4】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で
表される(−)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンを加水分解もしくは加アルコ−ル分解するこ
とにより式(Ib) 【化5】 で表される(−)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエンを得る該化合物の製造法。 - 【請求項3】 リパーゼがシュウドモナス属由来のもの
である請求項1記載の製造法。 - 【請求項4】 式(II) 【化6】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で
表されるエンド−3−アシルオキシジシクロペンタジエ
ンを、低級アルコール存在下、リパーゼで光学分割する
ことにより、式(Ib) 【化7】 で表される(−)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエンと式(IIa) 【化8】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で
表される(+)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンの混合物を得、これらを分離することを特徴
とする(−)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタ
ジエンの製造法。 - 【請求項5】 式(IIa) 【化9】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で
表される(+)−エンド−3−アシルオキシジシクロペ
ンタジエンを加水分解もしくは加アルコール分解するこ
とにより式(Ia) 【化10】 で表される(+)−エンド−3−ヒドロキシジシクロペ
ンタジエンを得る製造法。 - 【請求項6】 リパーゼがシュウドモナス属由来のもの
である請求項4記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16918495A JPH08336396A (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16918495A JPH08336396A (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08336396A true JPH08336396A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=15881801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16918495A Pending JPH08336396A (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | 光学活性エンド−3−ヒドロキシジシクロペンタジエンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08336396A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0893508A3 (en) * | 1997-07-25 | 1999-03-03 | Chisso Corporation | A new method for producing oxodicyclopentadiene |
-
1995
- 1995-06-12 JP JP16918495A patent/JPH08336396A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0893508A3 (en) * | 1997-07-25 | 1999-03-03 | Chisso Corporation | A new method for producing oxodicyclopentadiene |
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