JP2009231806A - 磁気検出素子および磁気センサ用コアならびにこれらの製造方法 - Google Patents

磁気検出素子および磁気センサ用コアならびにこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高価な設備、装置を必要とせず、製造効率に優れた高品質の磁気検出素子および磁気センサ用コアならびにこれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】磁気検出素子1は、非磁性材料からなる素子基板10上にアモルファス金属からなる薄板状の磁性材料箔20が貼着され、該磁性材料箔20がフォトリソグラフィにより所定のパターンに形成されてなる。磁気センサ用コア2は、非磁性材料で形成された対からなる素子基板60a,60b間にアモルファス金属からなる薄板状の磁性材料箔70が貼着され、前記対からなる素子基板60a,60b間に前記磁性材料箔70が貼着された部分には、検出コイル81の巻回部およびバイアス磁界発生用コイル82の巻回部が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気検出素子および磁気センサ用コアならびにこれらの製造方法に関し、更に詳しくは、磁気インピーダンス効果を利用した外部磁界を検出するための磁気検出素子および磁気センサに用いられるコア、ならびにこれらの製造方法に関するものである。
一般に、磁性体が取り付けられた物体や、紙幣のように磁性体(磁気インク)が用いられた物体の移動や回転に伴う外部磁界の変化を検出することにより、検出対象物の位置や移動量を検出するようにした技術が既に知られている。
この場合に用いられる磁気検出素子や磁気センサ用のコアとして、例えば、セラミック等により形成される非磁性材料からなる素子基板上に、アモルファス(非晶質)金属等の磁性材料よりなる磁性薄膜を形成することによって構成されたものが知られている。この磁性薄膜は、例えば、特許文献1に記載されるように、蒸着法やスパッタリング法により形成されるのが一般的である。
特開2004−349528号公報
しかしながら、蒸着法やスパッタリング法による成膜方法は、非常に高価な設備、装置が必要となる。また、磁性薄膜を所定の厚みまで成膜するのに長時間(長いものでは数十時間)を要する。つまり、蒸着法やスパッタリング法による成膜方法では、磁気検出素子の製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
上記問題に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、高価な設備、装置を必要とせず、製造効率に優れた高品質の磁気検出素子および磁気センサ用コアならびにこれらの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る磁気検出素子は、非磁性材料からなる素子基板上にアモルファス金属からなる薄板状の磁性材料箔が貼着され、該磁性材料箔がフォトリソグラフィにより所定のパターンに形成されてなることを要旨とするものである。また、上記課題を解決するために本発明に係る磁気センサ用コアは、非磁性材料で形成された対からなる素子基板間にアモルファス金属からなる薄板状の磁性材料箔が貼着され、前記対からなる素子基板間に前記磁性材料箔が貼着された部分には、検出コイルの巻回部およびバイアス磁界発生用コイルの巻回部が形成されていることを要旨とするものである。
本発明に係る磁気検出素子は、非磁性材料からなる基板上にアモルファス金属の磁性材料箔が貼着され、この磁性材料箔が所定のパターンに形成されたものである。また、本発明に係る磁気センサ用コアは、非磁性材料からなる基板間にアモルファス金属の磁性材料箔が貼着されたものである。よって、蒸着法やスパッタリング法のように高価な装置等を必要としない。また、これらの方法を採用した場合のように磁性薄膜の形成ための時間が長時間となることもなく、生産効率がよい。そして、磁性材料箔が貼着される基板(基材)は、磁気検出素子の素子基板そのものを使用しており、その上で所定のパターンが直接形成されるものであるため、磁気検出素子および磁気センサ用コアの製造効率を向上させることができる。
また、前記磁性材料箔は熱硬化性樹脂からなる接着剤を有する接着シートを介して前記素子基板に熱圧着されていればよく、特に、繊維補強材に熱硬化性樹脂を含浸させた接着シートであれば好適である。このように構成すれば、通常の接着剤により磁性材料箔を貼着した場合のように、貼着した磁性材料箔における皺や浮き上がりの発生を低減することができる。したがって、磁性材料箔の皺や浮き上がりを原因とする磁気特性の変化が発生してしまうのを防止することができ、磁気検出素子および磁気センサ用コアの品質向上につながる。
また、この場合、前記磁性材料箔は厚さが0.05mm以下であれば好適である。これは、厚みが0.1mm程度の磁性材料箔は、機械的な強度が高く、可撓性が低いため、テンションを掛けての貼り付けが難しく、また、貼り付けの際に空気が抜け難く貼り付けに凹凸ができるからである。また、通常、ウエットエッチングによる作成可能なパターンの幅は、エッチングされる箔の厚さの2〜3倍程度であることを考慮すれば、パターンの幅を0.1mm程度にするためには、磁性材料箔の厚みを0.05mm以下にすることが望ましいからである。
また、本発明に係る磁気検出素子の前記パターンには、検出対象物の動きに伴う外部磁界の変化を検出するための感磁部が形成されていればよく、その一例としては、前記感磁部が、直列に接続された第一の感磁部と第二の感磁部とからなり、該第一の感磁部と第二の感磁部は、細長いつづら折り形状に形成された磁気検出部と、該磁気検出部から延設された端子部とからなるものが挙げられる。
また、上記課題を解決するため本発明に係る磁気検出素子の製造方法および磁気センサ用コアの製造方法は、非磁性材料からなる基材上にアモルファス金属からなる薄板状の磁性材料箔を貼着する磁性材料箔貼着工程と、該磁性材料箔貼着工程により貼着した前記磁性材料箔をフォトリソグラフィにより所定のパターンに形成するパターン形成工程とを含むことを要旨とするものである。
本発明に係る磁気検出素子の製造方法および磁気センサ用コアの製造方法において、磁性薄膜の形成は、アモルファス金属からなる磁性材料箔を貼着することによりなされるから、蒸着法やスパッタリング法のように高価な装置等を必要としない。また、これらの方法を採用した場合のような磁性薄膜の形成のため時間が長時間となることもない。そして、磁性材料箔を所定のパターンに形成する際には、磁気検出素子や磁気センサ用コアの素子基板そのものを使用するので、別の基板上で所定のパターンを形成する場合のような磁性材料箔の張り替え作業が不必要である。
そして、磁気検出素子の製造方法の場合、前記基材は、磁気検出素子の素子基板が複数形成可能な大きさを有し、前記パターン形成工程は、該基材上に前記パターンを複数形成するものであって、前記パターン形成工程後、形成された所定の前記パターン毎に前記基材を前記素子基板の大きさに切断して単一の磁気検出素子とする基材切断工程をさらに含んでいればよい。また、磁気センサ用コアの製造方法の場合、前記基材は、磁気検出素子の素子基板が複数形成可能な大きさを有し、前記パターン形成工程は、該基材上に前記所定のパターン形状を複数形成するものであって、前記パターン形成工程後、前記磁性材料箔が貼着された前記基材と別の基材とを前記磁性材料箔を挟み込むように貼り合わせる基材貼り合わせ工程と、該基材貼り合わせ工程後、形成された所定の前記パターン毎に貼り合わされた前記基材を前記素子基板の大きさに切断して単一の磁気センサ用コアとする基材切断工程とをさらに含んでいればよい。これにより、素子基板上に複数のパターンを形成すれば、基板を切断するだけで一度に複数の磁気検出素子および磁気センサ用コアを作成することができるので、磁気検出素子および磁気センサ用コアの製造効率を向上させることができる。
さらに、前記磁性材料箔貼着工程において、前記磁性材料箔は熱硬化性樹脂からなる接着剤を有する接着シートを介して前記基材に対して熱圧着により貼着するものであれば好適である。このようにすれば、通常の接着剤により磁性材料箔を貼着した場合のように、貼着した磁性材料箔における皺や浮き上がりの発生を低減することができる。
本発明に係る磁気検出素子および磁気センサ用コアならびにこれらの製造方法によれば、基板に対し磁性材料箔を貼着することにより磁気検出素子および磁気センサ用コアが形成されるから、蒸着法やスパッタリング法のように高価な装置等を必要としない。また、これらの方法を採用した場合のような磁性薄膜の形成のため時間が長時間となることもない。さらに、磁気検出素子や磁気センサ用コアの素子基板そのものを使用しているので、その上に複数のパターンを形成すれば、基板を切断するだけで一度に複数の磁気検出素子を作成することができ、磁気検出素子および磁気センサ用コアの製造効率を向上させることができる。
図1(a)は本発明の実施形態に係る磁気検出素子の外観斜視図であり、図1(b)はその断面の概略図である。 本発明の実施形態に係る磁気検出素子の製造方法を説明するための断面図である。 磁気検出素子の製造方法における基材切断工程の概略を説明するための斜視図である。 本実施形態に係る磁気センサ用コアの外観斜視図である。 図5に示した磁気センサ用コアを適用した磁気センサ装置の概略図である。 磁気センサ用コアの製造方法における基材切断工程の概略を説明するための斜視図である。
以下、本発明に係る磁気検出素子およびその製造方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る磁気検出素子1の外観斜視図であり、図1(b)は、その断面の概略図である。本実施形態に係る磁気検出素子1は、素子基板10上にアモルファス(非晶質)金属の磁性材料からなる薄板状のアモルファス箔20(本発明における磁性材料箔に相当する。)が貼着され、所定のパターンに形成されてなる。このアモルファス箔20は、繊維補強材に熱硬化性樹脂を含浸させた接着シート(本実施形態では、プリプレグ30)を介して素子基板10上に貼着されている。
素子基板10は、非磁性体からなる矩形状の基板である。この素子基板10を構成する非磁性材料としては、セラミックやガラス等が例示でき、十分な剛性を得られるのであれば、エポキシ樹脂で形成されていてもよい。
アモルファス箔20は、図1(a)に示すように、検出対象物の動きに伴う外部磁界の変化を検出するための感磁部204が形成されている。感磁部204は、直線を複数回平行に折り返した細長いつづら折り形状に形成された部分を有し、第一の感磁部20aおよび第二の感磁部20bとが直列に接続されることで構成されている。このつづら折り形状に形成された部分が、外部磁界の変化を検出するための磁気検出部205に相当する。また、感磁部204は、磁気検出部205から延設された端子部206を有する。端子部206は、インピーダンスメーター(またはインピーダンス測定回路)が接続される感磁部204の一端201(第一の感磁部20a側)および他端202(第二の感磁部20b側)と、差動を取るために使用されるコモン端子であって第一の感磁部20aと第二の感磁部20bの接続点である中点部203とから構成される。
また、アモルファス箔20は、ロールによる圧延によって形成されたものであり、コバルト系、もしくは鉄系アモルファス合金により形成される。具体的には、コバルト系としては、Co−Fe−Ni−Mo−B−Si、Co−Fe−Ni−B−Si等のアモルファス合金、鉄系としては、Fe−B−Si、Fe−B−Si−C、Fe−B−Si−Cr、Fe−Co−B−Si、Fe−Ni−Mo−B等のアモルファス合金が例示できる。また、アモルファス箔20の厚みは、0.05mm以下であることが好ましい。これは、厚みが0.1mm程度のアモルファス箔は、機械的な強度が高く、可撓性が低いため、テンションを掛けての貼り付けが難しく、また、貼り付けの際に空気が抜け難く貼り付けに凹凸ができるからである。また、通常、ウエットエッチングによる作成可能なパターンの幅は、エッチングされる箔の厚さの2〜3倍程度であることを考慮すれば、パターンの幅を0.1mm程度にするためには、アモルファス箔20の厚みを0.05mm以下にすることが望ましいからである。
このアモルファス箔20は、図1(b)に示すように、プリプレグ30を介して素子基板10上に熱圧着されている。本実施形態において、プリプレグ30は、ガラスクロスにエポキシ樹脂が充填された厚さ0.2mm以下のエポキシ系のものを使用する。なお、アモルファス箔20を貼着する接着シートとしては、繊維補強材に熱硬化性樹脂を含浸させたものであれば、このようなプリプレグ30に限られるものではない。
以下、このように構成される磁気検出素子1の製造方法について、図2および図3を参照して説明する。
まず、図2(a)に示すように、非磁性体からなる基材101上にプリプレグ30を載置し、その上からアモルファス箔20を熱圧着、すなわち、熱を加えると共に加圧して、基材101に貼着する(磁性材料箔貼着工程)。この時の熱圧着温度は、約200度に設定するのが好適である。この理由は、表1に示すように、上述したアモルファス箔20を構成するコバルト系、鉄系の各アモルファス合金が強磁性から常磁性に磁気相転移する温度(キュリー温度)以下であり、かつエポキシ系のプリプレグ30の十分な接着強度が得られる温度以上であるからである。また、基材101は、磁気検出素子1の素子基板10と同一の材質により形成された板であり、その大きさは、磁気検出素子1の素子基板10が複数個作成できる大きさである。後述するように、この基材101は、アモルファス箔20を所定のパターンに形成する際(パターン形成工程)において、アモルファス箔20を支持する支持板としての役割を果たすと共に、最終的には、製品である磁気検出素子1の素子基板10としての役割を果たすものである。本工程により、アモルファス箔20は、セラミック等で形成された高い剛性を有する基材101と密着することとなるから、その平面度を高い状態にすることができる。
Figure 2009231806
アモルファス箔20の貼着後、フォトリソグラフィにより、アモルファス箔20を上述した感磁部204等を備える所定の形状のパターンに形成する(パターン形成工程)。具体的には、図2(b)および図2(c)に示すように、アモルファス箔20の上から光硬化性のドライフィルム40を貼着し、ドライフィルム40の上からパターンフィルム50を貼着する。パターンフィルム50は、光を遮る遮光部501と光を透過させる透光部502とからなり、透光部502の形状が上記所定のパターン形状と一致している。なお、ドライフィルム40の貼着前には、アモルファス箔20とドライフィルム40の密着性を高めるため、アモルファス箔20を研磨しておくことが好ましい。
次いで、図2(d)に示すように、パターンフィルム50の上から光を照射し、透光部502を通過した光によりドライフィルム40の露光された部分に感光部402を形成する。そして、図2(e)および図2(f)に示すように、パターンフィルム50およびドライフィルム40の未感光部401、すなわち、パターンフィルム50の遮光部501によって感光されていない部分を除去した後、図2(g)に示すように、エッチングによりアモルファス箔20を所定のパターン形状に形成する。ここで用いられる好適なエッチング液としては、塩化第二鉄系エッチング液が例示できる。最後に、図2(h)に示すように、感光部402のレジストを除去して、パターン形成工程が終了する。
パターン形成工程後、図3に示すように、基材101を所定の大きさ(磁気検出素子1の素子基板10の大きさ)に切断することにより、磁気検出素子1が得られる(基材切断工程)。このように、本実施形態では、アモルファス箔20に対してパターンを形成する際、後に磁気検出素子1の素子基板10となるもの(基材101)をそのまま使用しているので、パターン形成後、基材101を素子基板10の大きさに切断するだけで最終的な製品である磁気検出素子1が得られる。したがって、別の基板上でアモルファス箔20を所定のパターンに形成する場合のように、アモルファス箔20の貼り替え作業が不要となり、製造工程が簡略化されるばかりでなく、貼り替え作業による感磁部の変形等が生じることもない。
また、上述したように基材101が、セラミック等、高い剛性を有する材料によって形成されていることにより、以下のような作用が生ずる。すなわち、基材101の撓み等が抑えられるため、ドライフィルム40とアモルファス箔20との密着性が向上し、オーバーエッチングによってアモルファス箔20が余計に浸食されてしまうことによるパターン形成不良を防止することができる。また、基材101の剛性により、エッチング時におけるアモルファス箔20の揺れが防止され、細長い直線のつづら折り形状に形成される感磁部の剥離、脱落が生じてしまうことがなくなる。さらに、基材101を切断する前に、予め素子保護膜や半田レジスト膜等を印刷等によって形成することも可能となる。
また、アモルファス箔20をプリプレグ30のような熱硬化性樹脂を含有する接着シートを使用して圧着するのは、通常の液体接着剤を使用すると、アモルファス箔に皺や浮き上がりが生じてしまうからである。これに対し、プリプレグ30を使用すると、アモルファス箔20が縮まず、常にテンションが掛かった状態とすることができ、皺や浮き上がりによる磁気特性の変化を防止することができる。
さらに、蒸着法やスパッタリング法の場合、基板が平面でないと、成膜にムラが生じてしまうが、本実施形態に係る製造方法は、アモルファス箔20を素子基板10(基材101)に貼着しているため、素子基板10(基材101)の形状は必ずしも平面でなくともよい。例えば、曲線形状に形成された素子基板や、突起が形成された素子基板等にも適用することができる。
次に、本発明に係る磁気センサ用コアおよびその製造方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、素子基板60a,60b、アモルファス箔70、プリプレグ80は、磁気検出素子1と同様の構成が適用できる。
図4は、本実施形態に係る磁気センサ用コア2の外観斜視図であり、図5は、この磁気センサ用コア2を適用した磁気センサ装置2aの概略図である。磁気センサ用コア2は、非磁性材料で形成された素子基板60a,60bの間にアモルファス金属からなる薄板状の磁性材料箔が貼着されたものものである。
本実施形態では、アモルファス箔70は、二つの素子基板60a,60bの全面に貼着され、これらの間に挟まれた状態で設けられる。このアモルファス箔70は、プリプレグ80を介して素子基板60a,60bの少なくともいずれか一方に熱圧着されている。
この磁気センサ用コア2は、胴部21と、この胴部21から突出した突部22,23を有する。そして、図5に示すように、磁気センサ装置2aは、磁気センサ用コア2の胴部21に巻回された検出コイル81と、突部22に巻回されたバイアス磁界発生用励磁コイル82と、突部23に巻回された差動用磁界発生用励磁コイル83とを備える。また、突部22の端面は、検出媒体89と対向するように配置されており、当該部分が検出部85となっている。
磁気センサ装置2aの作動原理を簡単に説明する。バイアス磁界発生用励磁コイル82と差動用磁界発生用コイル83は、直列に接続され、その中点がグランドに接続されている。そして、バイアス磁界発生用励磁コイル82と差動用磁界発生用コイル83には、同一位相の交番電流が低電流で印加される。これにより、検出コイル81からは、通常状態において所定の波形の信号(電圧)が出力される。
磁気インクが用いられた紙幣などの検出媒体89には、検出部85を通過する前に、永久磁石や電磁石を有する磁界印加部86によって磁界が印可される。したがって、このような検出媒体89が検出部85を通過すると、検出コイル81から出力される信号の波形が変化する。この変化は、検出媒体89に形成された磁気パターンの残留磁束密度や、透磁率の大小によって異なる。磁気センサ装置2aでは、この信号の波形の変化の違いによって検出媒体89の種類が識別される。
このように構成される磁気センサ用コア2は、次のように製造される。まず、一方の基材601a(601b)上にプリプレグ80を載置し、その上からアモルファス箔70が熱圧着により基材601aに貼着される(磁性材料箔貼着工程)。好適な熱圧着温度(約200度)等は、先述の磁気検出素子1の製造方法の場合と同一である。また、基材601a(601b)は、磁気センサ用コア2の素子基板60a(60b)と同一の材質により形成された板であり、その大きさは、素子基板60a(60b)が複数個作成できる大きさである。後述するように、この基材601a(601b)は、アモルファス箔20を所定のパターンに形成する際(パターン形成工程)においてアモルファス箔20を支持する支持板としての役割を果たすと共に、最終的には、製品である磁気センサ用コア2の素子基板60a(60b)としての役割を果たすものである。本工程により、アモルファス箔20は、セラミック等で形成された高い剛性を有する基材601a(601b)と密着することとなるから、その平面度を高い状態にすることができる。
アモルファス箔70の貼着後、前述のフォトリソグラフィにより、アモルファス箔70を所定の形状に形成する(パターン形成工程)。具体的には、磁気センサ用コア2の形状(胴部21と、胴部21から突出した突部22,23からなる形状)と同一形状のパターンを複数形成する。
パターン形成工程後、アモルファス箔70の上から他方の基材601b(601a)を貼付け、基材601aと基材601aとの間にパターニングされたアモルファス箔70を挟み込む(基材貼り合わせ工程)。
その後、図6に示すように、形成したパターンに沿って基材601a,601bを切断する(素子基板60a,60bの大きさに切断する)ことにより、磁気センサ用コア2が得られる(基材切断工程)。このような工程を有する製造方法を用いることで、前述の磁気検出素子1と同様の作用効果が奏される。さらに、アモルファス箔70は極めて薄いため、アモルファス箔70単体では、任意の形状に精度よく成形することは困難であるが、このようにアモルファス箔70を基材601a,601b一旦貼付した後、任意の形状に成形することで、センサとして機能するアモルファス箔70の端面(特に検出部85におけるアモルファス箔70の端面)を滑らかにすることができ、センサ機能が大きく向上する。
なお、磁気センサ用コア2の構成の説明において、アモルファス箔70は、素子基板60a,60bの全面に貼着されていることを説明したが、必ずしも全面に貼着されている必要はなく、少なくとも検出コイル81、バイアス磁界発生用励磁コイル82、および差動用磁界発生用励磁コイル83が巻回される部分に形成されていればよい。つまり、パターン形成工程では、各コイルが巻回される部分にのみアモルファス箔70が形成されるようにパターニングしてもよい。
(実施の形態の効果)
以上のように、本実施形態に係る磁気検出素子1および磁気センサ用コア2ならびにこれらの製造方法は、基材101、601a,601b上にアモルファス箔20、70を貼着することによりにより作成されるものであるから、蒸着法やスパッタリング法のように高価な装置等を必要としない。また、これらの方法を採用した場合のように磁性薄膜の形成ための時間が長時間となることもない。さらには、アモルファス箔20、70に所定のパターンを形成する際における基材101、601a,601bは、最終的に磁気検出素子1や磁気センサ用コア2の素子基板10、60a,60bとなるものを使用しているので、基材101、601a,601b上に複数のパターンを形成すれば、それを切断することで、一度に複数の磁気検出素子1や磁気センサ用コア2を作成することができ、製造効率を大きく向上させることができる。
さらに、アモルファス箔20、70は、プリプレグ30、80を介して素子基板10、60a,60bに熱圧着により圧着されるものであるから、通常の接着剤によりアモルファス箔20、70を貼着した場合のように、貼着したアモルファス箔20、70における皺や浮き上がりの発生を低減することができる。
(他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態に係る磁気検出素子1および磁気センサ用コアの形状はあくまでも例示であって、適宜変更可能である。
本実施形態では、磁性材料箔としてアモルファス金属を使用することを説明したが、その他の磁性体、例えばパーマロイやケイ素鋼等を使用する場合にも本発明の技術的思想は適用可能である。
また、上記実施形態では、プリプレグとして、エポキシ系のものを使用することを説明したが、フェノール系の樹脂が充填されたものであってもよい。
さらに、上記実施形態では、パターン形成工程において、レジストを形成するためにドライフィルムを使用することを説明したが、ロールコータやスピンコータ等による液状レジストの塗布によりレジストを形成してもよい。
また、上記実施形態に係る磁気センサ用コア2に、検出コイル81、バイアス磁界発生用励磁コイル82、および差動用磁界発生用励磁コイル83が巻回されることにより磁気センサ装置2aが構成されることを説明したが、これらのコイルが磁気センサ用コア2に印刷によって形成される構成としてもよい。
1 磁気検出素子
10 素子基板
20 磁性材料箔(アモルファス箔)
30 接着シート(プリプレグ)
101 基材
2 磁気センサ用コア
60a,60b 素子基板
70 磁性材料箔(アモルファス箔)
80 接着シート(プリプレグ)
601a,601b 基材

Claims (16)

  1. 非磁性材料からなる素子基板上にアモルファス金属からなる薄板状の磁性材料箔が貼着され、該磁性材料箔がフォトリソグラフィにより所定のパターンに形成されてなることを特徴とする磁気検出素子。
  2. 前記磁性材料箔は熱硬化性樹脂からなる接着剤を有する接着シートを介して前記素子基板に熱圧着されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出素子。
  3. 前記接着シートは、繊維補強材に熱硬化性樹脂を含浸させたものであることを特徴とする請求項2に記載の磁気検出素子。
  4. 前記磁性材料箔は厚さが0.05mm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の磁気検出素子。
  5. 前記パターンには検出対象物の動きに伴う外部磁界の変化を検出するための感磁部が形成されていることを特徴とする特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の磁気検出素子。
  6. 前記感磁部は、直列に接続された第一の感磁部と第二の感磁部とからなり、 該第一の感磁部と第二の感磁部は、細長いつづら折り形状に形成された磁気検出部と、該磁気検出部から延設された端子部とからなることを特徴とする請求項5に記載の磁気検出素子。
  7. 非磁性材料で形成された対からなる素子基板間にアモルファス金属からなる薄板状の磁性材料箔が貼着され、前記対からなる素子基板間に前記磁性材料箔が貼着された部分には、検出コイルの巻回部およびバイアス磁界発生用コイルの巻回部が形成されていることを特徴とする磁気センサ用コア。
  8. 前記磁性材料箔は熱硬化性樹脂からなる接着剤を有する接着シートを介して前記素子基板に熱圧着されていることを特徴とする請求項7に記載の磁気センサ用コア。
  9. 前記接着シートは、繊維補強材に熱硬化性樹脂を含浸させたものであることを特徴とする請求項8に記載の磁気センサ用コア。
  10. 前記磁性材料箔は厚さが0.05mm以下であることを特徴とする請求項9に記載の磁気センサ用コア。
  11. 非磁性材料からなる基材上にアモルファス金属からなる薄板状の磁性材料箔を貼着する磁性材料箔貼着工程と、該磁性材料箔貼着工程により貼着した前記磁性材料箔をフォトリソグラフィにより所定のパターンに形成するパターン形成工程とを含むことを特徴とする磁気検出素子の製造方法。
  12. 前記基材は、磁気検出素子の素子基板が複数形成可能な大きさを有し、前記パターン形成工程は、該基材上に前記パターンを複数形成するものであって、前記パターン形成工程後、形成された所定の前記パターン毎に前記基材を前記素子基板の大きさに切断して単一の磁気検出素子とする基材切断工程をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の磁気検出素子の製造方法。
  13. 前記磁性材料箔貼着工程において、前記磁性材料箔は熱硬化性樹脂からなる接着剤を有する接着シートを介して前記基材に対して熱圧着により貼着することを特徴とする請求項11または12に記載の磁気検出素子の製造方法。
  14. 非磁性材料からなる基材上にアモルファス金属からなる薄板状の磁性材料箔を貼着する磁性材料箔貼着工程と、該磁性材料箔貼着工程により貼着した前記磁性材料箔をフォトリソグラフィにより所定のパターンに形成するパターン形成工程とを含むことを特徴とする磁気センサ用コアの製造方法。
  15. 前記基材は、磁気検出素子の素子基板が複数形成可能な大きさを有し、前記パターン形成工程は、該基材上に前記所定のパターン形状を複数形成するものであって、前記パターン形成工程後、前記磁性材料箔が貼着された前記基材と別の基材とを前記磁性材料箔を挟み込むように貼り合わせる基材貼り合わせ工程と、該基材貼り合わせ工程後、形成された所定の前記パターン毎に貼り合わされた前記基材を前記素子基板の大きさに切断して単一の磁気センサ用コアとする基材切断工程とをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の磁気センサ用コアの製造方法。
  16. 前記磁性材料箔貼着工程において、前記磁性材料箔は熱硬化性樹脂からなる接着剤を有する接着シートを介して前記素子基板に対して熱圧着により貼着することを特徴とする請求項14または15に記載の磁気センサ用コアの製造方法。
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