JP2009231589A - 反応性イオンエッチング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置の大型化を招くことがなく、被処理物の全面に亘って均一に垂直磁場が印加されるようにした簡単な構造のRIE装置を提供する。
【解決手段】 処理室2内で被処理物の保持を可能とするステージ8と、処理室内でステージに対向配置されたガス導入部3を有するガス導入手段とを備え、真空雰囲気にて処理室内にエッチングガスを導入してプラズマ化すると共に、ステージに高周波電位を印加し、プラズマ中のイオン種やラジカルを前記基板ステージで保持された被処理物Sに加速して衝突させ、被処理物をエッチングする反応性イオンエッチング装置であって、ステージで保持された被処理基板に対して垂直磁場を印加する磁場発生手段を設けたものにおいて、磁場発生手段は、処理室内で相互に向かい合う面の極性を変えて対向配置した一対の磁石9a、9bから構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反応性イオンエッチング(以下、「RIE(Reactive Ion Etching)」という)装置に関し、より詳しくは、例えばパワーデバイスの製造などにおいてシリコン基板に垂直な側壁をもって深さ方向に深く延びる微細孔(深溝)を形成することに用いられるRIE装置に関する。
RIE装置は、真空引きした処理室内にエッチングガスを導入し、高周波電源などを介して高周波電位を印加することで処理室内に活性ガスプラズマを発生させ、プラズマ中のイオン種やラジカルを、電極たるステージ上の被処理物に衝突させることでエッチングを行うものであり、異方性に優れた微細孔の形成に用いられ、近年では、例えばパワーデバイスの製造工程のエッチング装置としても用いられている。
ここで、シリコン基板たる被処理物に、横方向の広がりを抑制して垂直な側壁をもって深さ方向に深く延びる孔(溝)を形成するために、ステージで保持された被処理物に対して垂直磁場を印加してRIEすることが知られている。特許文献1では、処理室を区画する真空チャンバの外壁にコイルを設けると共に、ステージの周辺部に高磁性体を埋設することが開示されている。
特開平5−211137号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のものでは、真空チャンバの外壁にコイルを設けている(コイルに通電する電源も必要となる)ため、装置自体が大型化するという不具合がある。このため、例えばステージに1個または複数個からなる磁石を組付けることが考えられる。然し、このような構成を採用した場合、当該磁石の表面積を被処理物より大きく設定しなければ、被処理物の全面に亘って略均一に垂直磁場を印加することができない(例えば、30mTの磁束密度で被処理物Sの面内分布が±5%以内)。このため、被処理物のサイズに応じて適宜設定されているステージの横断面積を大きくする必要が生じ、結局、真空チャンバの容積が大きくなって装置自体が大型化する。
そこで、本発明は、以上の点に鑑み、装置の大型化を招くことがなく、被処理物の全面に亘って均一に垂直磁場が印加されるようにした簡単な構造のRIE装置を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本発明の反応性イオンエッチング装置は、真空雰囲気の形成が可能な処理室内で被処理物の保持を可能とするステージと、当該処理室内でステージに対向配置されたガス導入部を有するガス導入手段とを備え、真空雰囲気にて前記処理室内にエッチングガスを導入してプラズマ化すると共に、基板ステージに高周波電位を印加し、プラズマ中のイオン種やラジカルを前記基板ステージで保持された被処理物に加速して衝突させ、被処理物をエッチングする反応性イオンエッチング装置であって、前記ステージで保持された被処理基板に対して垂直磁場を印加する磁場発生手段を設けたものにおいて、前記磁場発生手段は、処理室内で相互に向かい合う面の極性を変えて対向配置した一対の磁石から構成されることを特徴とする。
本発明によれば、基板の上下方向から挟むように配置した一対の磁石により垂直磁場が印加される構成を採用したため、装置外側にコイル等を設ける必要がなく、また、各磁石の表面積を然程大きくする必要はない。このため、被処理物のサイズに応じた既存のステージに組付けることも可能であり、その結果、装置の大型化を招くことが防止される。
また、本発明においては、一方の磁石を基板ステージ内に組み付けると共に、他方の磁石をガス導入部に形成された空間に配置しておけば、処理室内で行われるエッチング処理に悪影響を与えることなく一対の磁石を配置することができてよい。
さらに、本発明においては、前記各磁石は、相互に同等の表面積を有する一体ものであることが好ましい。これにより、構造が簡単で磁石の組み付けも容易である。
図1を参照して説明すれば、本発明のRIE装置である。RIE装置1は、処理室を構成する真空チャンバ2を有する。真空チャンバ2の天井部2a中央には、当該真空チャンバ2に後述するエッチングガスを導入するガス導入部3が設けられている。ガス導入部3は、真空チャンバ2の天上部2aから内方に向かって突出させた環状の突出部3aと、その先端に装着され、複数個の孔Hが開設されたシャワープレート3bとを有し、突出部3aとシャワープレート3bとで区画された空間がガス拡散室3cとしての役割を果たす。ガス導入部3には少なくとも1本のガス管4が接続され、このガス管4の他端が、マスフローコントローラ5を介して、複数のガス源に接続されたガス混合管(図示せず)に連通し、これらにより本実施の形態のガス導入手段が構成される。
そして、エッチング処理しようとする被処理物Sに応じて適宜選択されたエッチングガスやこれに不活性ガスなどのキャリアガスを所定の混合比で混合したガスが拡散室3cに供給される。ここで、被処理物として、シリコン基板をエッチング処理する場合には、エッチングガスとしてSF、Oが用いられる。
また、真空チャンバ2の天井部2aは電極として構成され、当該天井部2aは、公知の構造を有するマッチングボックス6を介して高周波電源7に接続され、真空チャンバ2に導入されたエッチングガスに高周波電位を印加してプラズマ化させる。真空チャンバ2の底部には、シリコン基板などのエッチング処理すべき被処理物Sが載置されるステージ8が、ガス導入部3のシャワープレート32と同心に対向配置されている。ステージ8は接地電位とされ、エッチング処理中に、プラズマと被処理物Sとの間に自己バイアス電位が生じるようにしている。
ステージ8には、被処理物Sに対するエッチング処理に応じて当該被処理物Sを適宜加熱、冷却できるように、公知の構造を有する抵抗加熱式ヒータや冷媒循環手段(図示せず)を組み付けられてている。なお、ステージ8への被処理物Sの受取り、受渡しのために当該ステージ8を上下動自在に構成してもよい。
ガス拡散室3c及びステージ8には、被処理物Sに対し垂直磁場を印加する一対の磁石9a、9bがそれぞれ設けられている(図1参照)。各磁石9a、9bは、同磁化に換算したときの体積が同一である一体ものであり、被処理物Sの外形と略相似の外形に形成されている。この場合、各磁石の相互に向かい合う面の表面積は、被処理物Sのエッチング面の面積と略同等に設定されている。なお、使用する磁石9a、9bの種類や性能に応じて、被処理物Sの外周縁部で垂直磁場が印加されないような場合には、少なくとも一方の磁石9a、9bの表面積を若干大きく設定すればよい。
また、一方の磁石9aは、ステージ8に載置される被処理物Sと略平行となるように天井部2aに吊設され、また、他方の磁石9bは、相互に向かい合う面の極性を変えてかつ一方の磁石9bに対向させてステージ8内に組み込まれている。これにより、被処理物Sの外形と略相似の外形で、各磁石の相互に向かい合う面の表面積が被処理物Sのエッチング面の面積と略同等である磁石9a、9bによって、被処理物S全体に亘って均等に垂直磁場を印加することができる(図2参照)。
そして、ステージ8表面に被処理物Sを載置した後、真空チャンバ2内の圧力が所定値に達すると、当該真空チャンバ2内にガス導入手段を介して所定のエッチングガスを導入すると共に、高周波電源7から高周波電位を印加する。これにより、エッチングガスがプラズマ化され、プラズマ中のイオン種やラジカルがステージ8に載置された被処理物Sに衝突し、当該被処理物Sが異方性エッチングされる。
このように本実施の形態においては、ガス拡散室3及びステージ8に設けた一体ものの磁石9a、9bで被処理物Sの全面に亘って略均一な垂直磁場が印加される構成を採用したため、被処理物Sのサイズに応じて作製されたステージ8に組付けることも可能であり、装置の大型化を招くことが防止される。その上、磁石9a、9bの設置作業も容易な簡単な構成となる。
尚、本実施の形態においては、一体ものの磁石9a、9bをガス拡散室3c及びステージ8に設けたものを例に説明したが、これに限定されるものではなく、一方の磁石9aを天井部2aの上側(真空チャンバ2)に配置することもでき、他方の磁石9bを真空チャンバの底面に直接または当該底面に立設した支持片を介して設けるようにしてもよい。また、被処理物に印加すべき磁場強度によっては、被処理物を挟むように配置される各磁石を、複数個の磁石群から構成することもできる。
実施例1では、被処理物として、8インチのシリコン基板Sを用い、このシリコン基板S表面に熱酸化膜(SiO2)を所定の膜厚で形成した。次に、図1に示すエッチング装置1を用いてエッチングを行った。
エッチングガスとしてSF6及びOを用い、これらのSF6及びOのガス流量を75sccm及び80sccmにそれぞれ設定した。高周波電源の出力(周波数80MHz)を600W、基板温度を−10℃、真空チャンバ3の圧力を90mTorr、エッチング時間を8minに設定し、シリコン基板Sをエッチングした。
(比較例1)
比較例1として、実施例1と同じシリコン基板を用い、実施例1と同様に、図1に示すエッチング装置1を用いることとしたが、シリコン基板Sに対し垂直磁場を印加する一対の磁石9a、9bを取り外した。そして、実施例1と同様のエッチング条件でシリコン基板Sをエッチングした。
図3は、実施例1及び比較例1で得たシリコン基板の断面を示すSEM写真である。これによれば、比較例1では、深さ方向に延びるに従い、孔が横方向に広がっている。それに対して、実施例1では、垂直磁場を印加することで、垂直な側壁をもって深さ方向に延びた微細孔(深溝)が形成されている。
本発明のエッチング装置の構成を概略的に示す模式側面図。 垂直磁場の印加を説明する拡大模式断面図。 実施例1及び比較例1で得たシリコン基板の断面を示すSEM写真。
符号の説明
1 RIE装置
2 真空チャンバ(処理室)
3a 突出部(ガス導入部)
3b シャワープレート(ガス導入部)
3c 空間(ガス導入部)
6 マッチングボックス
7 高周波電源
8 ステージ
9a、9b 磁石(磁場発生手段)
S 被処理物
















Claims (3)

  1. 真空雰囲気の形成が可能な処理室内で被処理物の保持を可能とするステージと、当該処理室内でステージに対向配置されたガス導入部を有するガス導入手段とを備え、真空雰囲気にて前記処理室内にエッチングガスを導入してプラズマ化すると共に、基板ステージに高周波電位を印加し、プラズマ中のイオン種やラジカルを前記基板ステージで保持された被処理物に加速して衝突させ、被処理物をエッチングする反応性イオンエッチング装置であって、
    前記ステージで保持された被処理基板に対して垂直磁場を印加する磁場発生手段を設けたものにおいて、
    前記磁場発生手段は、処理室内で相互に向かい合う面の極性を変えて対向配置した一対の磁石から構成されることを特徴とする反応性イオンエッチング装置。
  2. 一方の磁石を基板ステージ内に組み付けると共に、他方の磁石をガス導入部に形成された空間に配置したことを特徴とする反応性イオンエッチング装置。
  3. 前記各磁石は、相互に同等の表面積を有する一体ものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の反応性イオンエッチング装置。
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