JP2009231124A - 非水電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部からの物理的力による変形された場合の安全性が向上された非水電解質電池を提供することを目的とする。
【解決手段】正極2と、負極4と、前記正極2及び前記負極4の間に配置され、下記(1)式を満たす貫通孔を有するセルロース製不織布からなるセパレータ3と、前記セパレータ3に担持される非水電解質とを具備することを特徴とする非水電解質電池。
b/a≧10 (1)
但し、前記(1)式において、aは前記セパレータ3の厚さで、bは前記貫通孔の直径である。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質電池に関するものである。
二次電池は、充電と放電を繰り返して使用できるため、廃棄物の低減に役立つとともに、AC電源を取ることのできないポータブル機器や、AC電源が切断・停止した場合のバックアップ用の電源として、広く用いられている。近年、その利用範囲の拡大とそれに伴う容量、温度特性、安全性などの性能向上要求はますます大きくなっている。
二次電池としては、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池、非水電解質二次電池等が開発され、世界的に用いられている。中でも、非水電解質二次電池は小型軽量であり大容量を持つことから、小型パーソナルコンピュータ、携帯電話をはじめとして、デジタルカメラ、ビデオカメラ等に広く利用されている。
現在用いられている非水電解質二次電池は、正極材料としてリチウム含有コバルト複合酸化物、リチウム含有ニッケル複合酸化物を用い、負極活物質として黒鉛系もしくはコークス系などの炭素材料を用い、電解液としてLiPF6やLiBF4等のリチウム塩を環状カーボネートや鎖状カーボネートなどの有機溶媒に溶解して用いている。正極および負極はシート状に成型されている。正極及び負極の間には、前記電解液を保持し、正負極を電子的に絶縁するセパレータが介在される。正極、セパレータ及び負極を各種形状の容器に納めたものを、電池として用いている。
非水電解質電池は、可燃性の有機電解液を用いている。さらに、正負極材料は過大電圧や高温により発熱反応を起こすものが多く用いられている。例えば、代表的な正極材料であるコバルト酸リチウムは、充電状態において高温環境下におかれると有機電解液と発熱反応を起こすことが知られている。また、通常の充電状態を越えて過充電を続けると、やはり発熱反応を起こす。このように、電池が通常使用条件を外れた条件に置かれると、発熱反応による電池温度上昇の潜在的可能性がある。このため、非水電解質電池は、過充電や過大電圧印加、加熱などがされないように様々な保護手段が講じられている。前記保護手段には、温度感知型電流遮断素子、圧力検知型電流遮断素子、電圧検知による過大電圧回避回路など様々なものが提案されている。市販されている非水電解質電池では、複数の保護手段が講じられるのが一般的である。
従来、非水電解質電池は小型コンピュータや携帯電話などの小型携帯機器に搭載されてきた。しかし、現在では電動工具、電動アシスト自転車やHEV(ハイブリッド電気自動車)などへの搭載もしくは搭載検討が行われている。これに伴い、電池が置かれうる環境も多様化し、従来以上に多様な環境下で安全性が確保されなければならなくなりつつある。
その一つとして、外部からの物理的な力による電池変形も、より大きな変形を想定する必要性が高まっている。また、電動アシスト自転車やHEVでは、より大きな電池容量が必要とされるため、ひとつのセルの大きさが大きくなり、変形時に発火等の危険な状態に至らなくとも、セルの変形後に充電状態もしくは、充電状態検知不能な電極群が分断された形で残される可能性が高まっている。同時に、こうした用途では大電流放電特性の向上も求められているため、充電状態の電極群部分が残っていると、外部からの物理的力がなくなった後に、時間差で上記電極部分の短絡・発熱が起こる可能性がある。
セルが変形もしくは分断された状態では、電極端子が、その外部に接続されたPTC素子や保護回路につながっているとは限らないため、こうした安全性確保手段では、不十分となる。電極群全体に対して効果を持つ安全性確保手段としては、多孔質膜系セパレータの熱によるシャットダウンが挙げられる。しかし、セル変形時にセパレータのシャットダウンにいたるまでの発熱もしくは加熱があると限らず、安全性の確保が困難であった。また、不織布セパレータではシャットダウン性を有していないため、多孔質膜系セパレータを用いたセル以上に安全性確保は困難であった。
また、特許文献1に開示されているように、セパレータに小さな穴を設けて、過充電時にリチウムデンドライトによる短絡を意図的に起こして安全性を高める方法も提案されているが、外部からの物理的な力によるセル変形に対しては有効な安全性向上手段ではない。
一方、特許文献2には、集電体基板cとシート状電極bとを枠状の融着フィルムa3で固定する際に、シート状電極bと融着フィルムa3とが重なった部分に多数の穴を開け、イオンの透過を促すことと、穴の大きさは0.5〜10mm程度が好ましいこととが記載されている。
特開2002−190294 特開平6−44957
本発明は、外部からの物理的力による変形された場合の安全性が向上された非水電解質電池を提供することを目的とする。
本発明に係る非水電解質電池は、正極と、
負極と、
前記正極及び前記負極の間に配置され、下記(1)式を満たす貫通孔を有するセルロース製不織布からなるセパレータと、
前記セパレータに担持される非水電解質と
を具備することを特徴とする。
b/a≧10 (1)
但し、前記(1)式において、aは前記セパレータの厚さで、bは前記貫通孔の直径である。
本発明によれば、外部からの物理的力による変形された場合の安全性が向上された非水電解質電池を提供することができる。
下記(1)式を満たす貫通孔を有するセルロース製不織布からなるセパレータを用いることにより、非水電解質電池のセルに外部から物理的な力が作用して、電極群が変形した際に前記貫通孔を通して正負電極の表面が接触することで短絡が生じ、正負電極を放電状態とすることができ、より安全な状態とすることができる。電極は正負タブや缶の端子部分、保護素子などにより外部と接続されているが、外部からの物理的な力によって接続が破壊された場合でも、前述の貫通孔により安全を確保することができる。また、物理的な力によって電池が分断された場合においても、該当分断部分に貫通孔が存在すれば機能を発揮し得る。
b/a≧10 (1)
但し、前記(1)式において、aはセパレータの厚さで、bは貫通孔の直径である。ここで、貫通孔の直径は、貫通孔が円形以外の形状を持つ場合、貫通孔を円形換算した際の値である。
b/aを10未満にすると、電極群の変形時に十分な短絡が発生せず、貫通孔部分に局所的な力が作用した場合のみにしか短絡しない。非水電解質電池は、電極内部での各種拡散過程が遅いため、電極面積をできるだけ大きくとる必要があり、必然的にセパレータも電極面積に比例して大きくなる。電池のエネルギー密度を高めるためには、非発電要素であるセパレータはできるだけ小さな体積であることが求められ、面積を小さくできない分だけ、薄さが求められることになる。また、機械的強度や膜の均一性などの要請により薄さにも限界があり、現状で使用されているセパレータの厚さは15μm以上のものであり、通常は20μm程度のものが使用されている。従って、前述の(1)式の条件では、セパレータ厚さaが15μmのとき、貫通孔の直径bは150μm以上に相当することになる。
前記貫通孔は、シート状をなすセパレータに対して垂直方向に貫通した穴であり、シート内部を屈曲して通り抜けられる穴もしくは空洞部分ではない。貫通孔は、穿孔が容易であることから円状が望ましいが、必ずしも円状である必要はなく、四角型、三角型、不定形などでも良い。円状でない場合は、面積を測定し、円形換算を行って、相当する直径をbの値として使用することができる。
セパレータには、セルロース製不織布を使用する。リチウムイオン二次電池に多用されてきたポリエチレンやポリプロピレン製の多孔質膜は、膜そのものがやわらかく、貫通孔を設けたことによる膜の強度低下や、貫通孔を発端とする膜の開裂の可能性が高く、セルの振動等による貫通孔を通した微小瞬間短絡の可能性も大きい。一方、セルロース製不織布では、強度が高いため、貫通孔を設けることによる膜もしくはシートの強度低下を小さく抑えることができる。また、セルロース製不織布は安価である。さらに、ポリエチレンなどのポリオレフィン製多孔質膜では、セパレータの持つシャットダウン特性が貫通孔の存在により阻害されるのに対して、セルロース製不織布はシャットダウン特性を持たないのでそうした問題が生じない。加えて、貫通孔を通じた短絡により該当箇所には発熱が生じるが、ポリオレフィン製多孔質膜は、熱に弱く発熱によりメルトダウンを起こし、局所的かつ大規模な短絡となり、逆に安全性を低下させる危険性を有する。一方、セルロース製不織布は、耐熱性に優れているため、上記のような危険を回避することができる。
前記貫通孔の大きさは、前記b/aが10以上で、かつb/a≦100であることが望ましい。こうすることで、通常のセル作製および使用状態で短絡が起きることによる不具合を防止することができる。穿孔時において、切り抜かれた部分が穴のエッジに残って、セパレータが盛り上がり、短絡を阻害する可能性がある。このため、直径bは1mm以上が望ましい。この大きさであると、ハトメ抜きなどの簡便な工具を用いて容易に切り抜きが可能であるからである。
前記貫通孔を通した短絡は、電極群のうち、変形圧力がかかった部分で起こるため、貫通孔はセパレータの広い範囲に多数開けられていることが望ましい。通常、分断は1ヶ箇所で起き、その結果として電極群は二分されるため、貫通孔は、電極群の両端にあることが望ましい。非水電解質電池が円筒型もしくはそれに準じる形であり、正負極及びセパレータがスパイラル状に捲回されている場合は、円筒型電極群の高さ方向すなわちセパレータの短辺方向に沿って多数の貫通孔が開けられていることが望ましい。こうすることで、円筒型電極群のどの位置で分断された場合でも、内部での短絡放電が可能となる。非水電解質電池が扁平もしくは角型で、電極群が正負電極とセパレータのスタックにより構成される場合には、どの位置で分断が生じても、内部短絡放電が可能となるように、スタックを構成するセパレータのうちの少なくとも一面の全周に渡って多数の貫通孔が開けられていることが望ましい。さらに好ましいのは、スタックを構成するセパレータのうちの少なくとも一面の全面に渡って多数の貫通孔を開けることである。
前記貫通孔を介した短絡電流により非水電解質電池が発熱して不安全化することを防ぐため、電子伝導性が十分に低いことが必要である。このためには、負極もしくは正極の少なくとも一方の電子伝導性が低ければよい。活物質では、炭素材料よりも、電子伝導性の低いチタン酸リチウムが好ましい。また、チタン酸リチウムを活物質として用いる負極は、導電助剤としての炭素材料と、結着材とを含有することが望ましい。この場合、炭素材料は電池の入出力特性の向上に寄与するものの、炭素材料による電子伝導性の過剰な向上を抑えるために、炭素材料含有量は10重量%以下にすることが望ましい。正極においては、リチウム金属酸化物を活物質に用いることで、電子伝導性の低い電極を得ることができる。特に、セル容量を高める点から、正極活物質としてLiCoxNiyMnz2(x+y+z=1、0<x≦0.5、0≦y<1、0≦z<1)で表わさせる化合物を含有することが望ましい。より望ましくは、正負両極の電子伝導性が低く、正負極の活物質が両方とも、酸化物系とすることであり、負極にチタン酸リチウム、正極にLiCoxNiyMnz2(x+y+z=1、0<x≦0.5、0≦y<1、0≦z<1)を用いることが最も望ましい。
前記貫通孔は、ハトメ抜きのような円形もしくは角型の刃による打ち抜き、レーザー等によりセパレータ部分を焼くことで穴をあけることにより作製することができる。形状は、円形、楕円形、角型、星型、不定形など各種形状が可能であるが、貫通孔からセパレータが破れることを防止するため、円形が望ましい。あるいは、形状制御を省略できるため、不定形が望ましい。
正極には、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属イオン、カルシウム等のアルカリ土類金属イオンを吸蔵放出できるものが使用可能である。正極は、コバルト、マンガン及びニッケルよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含むリチウム複合酸化物を正極活物質として含有することが望ましい。
大きな電池容量が得られることから、1電荷当りの重量が小さいリチウムイオンを吸蔵放出することのできる金属酸化物が望ましく、種々の酸化物、例えばリチウム含有コバルト複合酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト複合酸化物、リチウム含有ニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物などのカルコゲン化合物を正極活物質として用いることができる。中でも、充放電電位がリチウム金属電位に対して3.8V以上を有するリチウム含有コバルト複合酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト複合酸化物、リチウム含有マンガン複合酸化物などが高い電池容量を実現できるため望ましい。また、60℃以上の高温における正極表面でのイオン液体の分解反応を抑制できるため、LiCoxNiyMnz2(x+y+z=1、0<x≦0.5、0≦y<1、0≦z<1)で表わされる正極化合物が特に望ましい。
負極は、正極同様にリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属イオン、カルシウム等のアルカリ土類金属イオンを吸蔵放出でき、組み合わせた正極よりも卑な電位で正極と同種の金属イオンを吸蔵放出しうる負極活物質を含有する。高い電池容量が得られることからリチウムイオンを吸蔵放出するものが望ましい。こうした特性を有するものとしては、リチウム金属、炭素質物(人造黒鉛、天然黒鉛、難黒鉛化炭素材料、易黒鉛化低温焼成炭素材料等)、チタン酸リチウム、硫化鉄、酸化コバルト、リチウムアルミニウム合金、スズ酸化物などが挙げられる。さらに、負極の作動電位が金属リチウムの電位に対して0.5Vよりも貴となる活物質が望ましい。こうした活物質を選択することにより、過充電もしくは過大電圧充電時におけるリチウム金属の析出反応を抑制することができ、より高い安全性を実現できる。この点から、負極活物質としては、チタン酸リチウムが最も望ましい。さらに、2種以上の負極活物質を混合して用いることもできる。形状としてはりん片状、繊維状、球状など各種形状のものが可能である。
電解質に用いられる溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、γ−ブチロラクトン(BL)、アセトニトリル(AN)、酢酸エチル(EA)、トルエン、キシレンまたは酢酸メチル(MA)などを挙げることができる。また、電解質に含まれるアルカリ金属塩としては、過塩素酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、六フッ化砒素リチウム、トリフルオロメチルスルホン酸リチウム、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミドリチウムなどのリチウム塩を用いることができる。
前記電解質には、イオン液体を用いることも可能である。使用環境が60℃以下である場合は、環状・鎖状カーボネート類やラクトン類などを用いることでレート特性や充放電サイクル特性、パルス放電特性などに優れた電池を構成しうる。一方、使用環境の最大温度が60℃を超える場合は、溶媒成分の揮発、さらには引火等のないイオン液体類を用いることが望ましい。この場合は、イオン液体とアルカリ金属塩からなることを特徴とする。
前記イオン液体は、電池を通常温度で動作させるために室温付近で溶融状態を呈する。前記イオン液体を形成するカチオンは、特に限定されるものではないが、芳香族4級アンモニム系イオン及び脂肪族4級アンモニム系イオンのうちの1種以上を用いることができる。
芳香族4級アンモニム系イオンとしては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−メチル−3−イソプロピルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、N−プロピルピリジニウム、N−ブチルピリジニウム、N−tert−ブチルピリジニウム、N−tert−ペンチルピリジニウムなどを挙げることができる。
脂肪族4級アンモニム系イオンとしては、例えば、N−ブチル−N,N,N−トリメチルアンモニウム、N−エチル−N,N−ジメチル−N−プロピルアンモニウム、N−ブチル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウム、N−ブチル−N,N−ジメチル−N−プロピルアンモニウム、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムイオン、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−メチル−N−ペンチルピロリジニウム、N−プロポキシエチル−N−メチルピロリジニウム、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム、N−メチル−N−イソプロピルピペリジニウム、N−ブチル−N−メチルピペリジニウム、N−イソブチル−N−メチルピペリジニウム、N−sec−ブチル−N−メチルピペリジニウム、N−メトキシエチル−N−メチルピペリジニウム、N−エトキシエチル−N−メチルピペリジニウムなどを挙げることができる。
前記の脂肪族4級アンモニウム系イオンの中では、含窒素5員環のピロリジニウム系イオンもしくは含窒素6員環のピペリジニウム系イオンが、耐還元性が高く副反応の抑制により貯蔵性やサイクル性の向上が得られ、望ましい。
また、芳香族4級アンモニウム系イオンの中でもイミダゾリウム構造を有するカチオンを用いると粘度の低いイオン液体を得ることができ、電解質として用いたときに高い電池出力特性を得ることができるのでより望ましい。
前記イオン液体を形成するアニオンとしては特に限定されるものではないが、テトラフルオロホウ酸アニオン(BF4 -)、ヘキサフルオロリン酸アニオン(PF6 -)、ヘキサフルオロメチルスルホン酸アニオン、ビストリフルオロメチルスルホニルアミドアニオン(TFSI)、ビスペンタフルオロエチルスルホニルアミド(BETI)、ジシアナミドアニオン(DCA)などから1種以上を用いることができる。
前記イオン液体に溶解させるアルカリ金属塩としてはリチウム塩などを用いることができる。前記リチウム塩としては、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、ヘキサフルオロメチルスルホン酸リチウム、ビストリフルオロメチルスルホニルアミドリチウム(LiTFSI)、ビスペンタフルオロエチルスルホニルアミドリチウム(LiBETI)、ジシアナミドリチウム(LiDCI)などから1種以上を用いることができる。60℃等の比較的高い温度環境下における特性向上のため、アルカリ金属塩としてもイオン液体のアニオンと同じアニオン種を持つことが望ましい。
前記アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩の濃度は、0.1〜2.5モル/Lとすることが望ましい。前記塩濃度が0.1モル/Lを下回ると、十分なイオン伝導性が得られないため放電容量が低下する恐れがある。また、前記塩濃度が2.5モル/Lを上回ると、イオン液体の粘度が大きく上昇して正負極活物質などへの含浸性が低下し、やはり放電容量が低下する恐れがある。室温付近での粘度とイオン絶対数をできるだけ多くするという観点から、0.5〜2.3モル/Lがより望ましい。
以下に、本発明の非水電解質電池の一実施形態を図1を参照して、詳細に説明する。以下では、ラミネート型電池を例として説明を行うが、本発明は電池の外観形状に制約されるものではなく、捲回もしくはスタックされた電極群を収納した構成であれば、円筒状、角状などの各種形状であっても適用可能である。図1では、電池断面を図示しており、全体としては厚みのあるシート状セル、もしくは薄い角型形状となっている。また、図1では電極及びセパレータの積層構造を図示するために、積層方向(図の縦方向)を拡大して示している。
電極群1は、正極2、セパレータ3及び負極4を積層し、これらを図1に示すように折り込むことにより構成されている。非水電解質は電極群1に保持されている。電極群1は、アルミニウム含有ラミネートフィルムにより形成された容器5内に収納されている。容器5は、熱封止により密閉されている。正極2に電気的に接続された正極タブ6と、負極4に電気的に接続された負極タブ7は、容器5を通して外部に引き出されている。
正極2は、正極活物質を含有し、他に炭素材料等の電子導電性を有する物質や、結着剤を含むことができる。正極2は、電子導電性を有する金属等の基材を集電体として、その集電体に接して用いる。
結着剤には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム等を用いることができる。
集電体としては、アルミニウム、ステンレス、チタンなどの金属箔、薄板もしくはメッシュ、金網等を用いることができる。
正極活物質と導電材は、結着剤を加えて混練・圧延によりシート化することができる。あるいは、正極活物質と導電材と結着剤とを、トルエン、N−メチルピロリドン(NMP)等の溶媒に分散させ、スラリーを調製した後、得られたスラリーを集電体上に塗布し、乾燥してシート化することも可能である。
負極4は、負極活物質を含有し、導電剤や結着剤等を用いて、ペレット状、薄板状もしくはシート状に成形したものである。
前記導電材は、炭素、金属等の電子導電性を有する物質を用いることができる。粉末、繊維状粉末等の形状が望ましい。
前記結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。前記集電体としては、銅、ステンレス、ニッケル等などの金属箔、薄板もしくはメッシュ、金網等を用いることができる。
前記負極活物質と前記導電材は、前記結着剤を加えて混練・圧延によりペレット化もしくはシート化することができる。あるいは、負極活物質と導電材と結着剤とを、水、N−メチルピロリドン(NMP)等の溶媒に分散させ、スラリーを調製した後、得られたスラリーを集電体上に塗布し、乾燥してシート化することもできる。
前記セパレータ3には、前記(1)式を満たすセルロース製不織布を用いる。
電池容器としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等からなる円筒型、角型など各種形状の容器を用いることができる。また、電極群を、アルミニウム箔等の金属箔もしくは金属シートの両面に熱融着性高分子層を設けたラミネートフィルムによる袋に収めて用いることも可能である。
[実施例]
以下、本発明の実施例を、図表を用いて詳細に説明する。以下の実施例は図1に示した電池構造を採用している。
(実施例1)
<正極の作製>
正極活物質としてリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)粉末90重量%、アセチレンブラック2重量%、グラファイト3重量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン5重量%をN−メチルピロリドンを溶媒としてスラリー化した。得られたスラリーを、厚さ25μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、圧延することにより、長さ96mm、幅70mmの正極シートおよび長さ36mm、幅70mmの正極シートを作製した。各正極シートの末端未塗布部分を重ね、その部分に幅5mm厚さ0.1mmのアルミニウムリボンを溶接して正極端子とした。
<負極の作製>
負極活物質としてLi4/3Ti5/34粉末90重量%、導電材として人造黒鉛5重量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%を、N−メチルピロリドン(NMP)溶液に加えて混合し、得られたスラリーを厚さが20μmのアルミニウム箔に塗布し、乾燥後、圧延した。得られた負極シートを長さ96mm、幅70mmに切出し、それに幅5mm厚さ0.1mmのアルミニウムリボンを溶接接続して、負極端子とした。
<セパレータの作製>
セパレータには、厚さ40μm、長さ240mm、幅75mmのセルロース不織布を用いた。図2に示すように、セパレータ3の末端8から40mmの地点から70mmまでの部分9に、直径0.4mmの貫通孔10を短辺方向に5mm間隔で14個並べ、かつこの列が4列となるように小型ドリルで穿孔し、合計56個の貫通孔を設けた。このとき、セパレータ3の厚さaに対する貫通孔10の直径bの比b/aは、10であった。なお、貫通孔10が設けられた部分9は、図1の電極群1に組み込まれた際に、正極2及び負極4の反応面と対向する面である。
<電極群の作製>
帯状正極シート、セパレータ、帯状負極シートをそれぞれこの順序で積層したのち、30mm幅で折り込んで、図1に示した電極群を作製した。縦100mm、横90mmのアルミニウム含有ラミネートフィルムを2つ折りしたものに電極群を収納し、2辺を熱融着後、80℃真空乾燥を行った。
<電池の組み立て>
1.5Mのテトラフルオロホウ酸リチウムを、エチレンカーボネートとγ−ブチロラクトンの混合溶媒(体積比率1:2)に溶かして非水電解液を調製した。アルゴングローブボックス中で、ラミネートフィルム容器内の電極群に非水電解液を注入した。その後、真空状態で、ラミネートフィルム容器の最後の1辺を熱融着してラミネート型非水電解質二次電池を得た。
(実施例2)
直径4mmの貫通孔を、間隔10mmで、3行2列で作製した以外は、実施例1と同様の電池を作製した。このとき、セパレータの厚さaに対する貫通孔直径bの比b/aは、100であった。
(実施例3)
貫通孔の直径を変更して比b/aを下記表1に示す値に変更する以外は、実施例1と同様の電池を作製した。
(比較例1)
貫通孔の直径を変更して比b/aを下記表1に示す値に変更する以外は、実施例1と同様の電池を作製した。
(比較例2)
厚さ、貫通孔の直径及び数、比b/aが下記表1に示す値のポリエチレン多孔質膜をセパレータとして用いる以外は、実施例1と同様の電池を作製した。
得られた非水電解質電池をアルゴングローブボックス中で、20mAの定電流で2.8Vまで充電を行った後、2.8V定電圧で充電電流が6mAに収束するまで充電を行った。20分の休止後に、20mAで2.0Vまで定電流放電を行った。その後、前記と同じ条件で充電を行った。
充電後の電池を、厚さ5mmのゴムの上に水平に置いた。この電池に対して、直径3mmの金属球を、20mm/minの速度で最大200Nまで、押し込み、セル端子間電圧を観測した。短絡を開始した時点での荷重を下記表1に示す。
Figure 2009231124
表1から明らかなように、実施例1〜3の電池は、短絡開始荷重が比較例1に比して小さい。実施例1〜3の電池では、短絡開始後120分から180分で端子間電圧が2V以下に低下し、安全な状態まで放電された。この間、周囲温度より5℃以上となる温度変化は観測されず、放電過程も安全であった。
これに対し、比較例1では、極めて巨大な力が局部に集中してかからないと短絡せず、機能が不十分であった。一方、比較例2の電池における短絡開始荷重は比較例1に比して小さいものの、短絡後電圧が一時的に低下するに留まり、絶縁回復が何度も起こった。
以上の試験結果から、セルロース製不織布のセパレータに前述の(1)式を満たす貫通孔を設けることで、電池に外部からの物理的力が加わったときに、安全かつ確実に放電状態に移行させうることが分かる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本実施形態に係るラミネート型非水電解質電池の一例を示す構造断面図。 図1の非水電解質電池に用いられるセパレータの平面模式図。
符号の説明
1…電極群、2…正極、3…セパレータ、4…負極、5…容器、6…正極タブ、7…負極タブ、8…セパレータの短辺側端部、9…貫通孔を有するセパレータ面、10…貫通孔。

Claims (5)

  1. 正極と、
    負極と、
    前記正極及び前記負極の間に配置され、下記(1)式を満たす貫通孔を有するセルロース製不織布からなるセパレータと、
    前記セパレータに担持される非水電解質と
    を具備することを特徴とする非水電解質電池。
    b/a≧10 (1)
    但し、前記(1)式において、aは前記セパレータの厚さで、bは前記貫通孔の直径である。
  2. 前記a及びbは、10≦b/a≦100を満たすことを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。
  3. 前記セパレータが帯状であり、前記貫通孔が、前記セパレータの短辺方向に複数個並んでいることを特徴とする請求項1〜2に記載の非水電解質電池。
  4. 前記負極は、チタン酸リチウム、炭素材料および結着剤を含み、前記負極中の前記炭素材料の含有率が10重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3に記載の非水電解質電池。
  5. 前記貫通孔の直径bが1mm以上であることを特徴とする請求項1〜4に記載の非水電解質電池。
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