JP2009230856A - 照明器具、照明器具の筒体及び照明器具の製造方法 - Google Patents

照明器具、照明器具の筒体及び照明器具の製造方法 Download PDF

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祐子 市川
Masahito Yamamoto
将人 山本
Osamu Ueda
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Abstract

【課題】光源の光照射側に配光制御部が設けられる照明器具に於いて、部品点数の削減による製造コストの低減や、配光制御部の設置作業の労力低減を図ることができる。
【解決手段】LED光源40及びLED光源40の照射光を反射するリフレクター50とで構成される光源モジュールと、前記光源モジュールを収容する筒体20と、前記光源モジュールの光照射側に設けられる略山形の凸条60を並設して構成される透光性の配光制御部とを備え、筒体20の前記光照射側に位置する領域に前記配光制御部を一体形成する照明器具である。好適には筒体20を透光性樹脂で押出成形し、前記押出成形で凸条60を合わせて形成するとよい。
【選択図】図3

Description

本発明は、屋内照明、屋外照明、車載照明等に用いられる照明器具に係り、光源の光照射側に配光制御部が設けられる照明器具、照明器具の筒体及び照明器具の製造方法に関する。
光源の光照射側に配光制御部が設けられる照明器具が知られている。前記照明器具は、例えば特許文献1のように、光源と、光源の光照射側に設けられる配光制御パネルとを備える。前記配光制御パネルは、断面三角形で直線状のプリズムの複数を並設して構成され、その凸部が光入射側に配置される。
特開2002−343119号公報
しかしながら、上記特許文献1の照明器具は、実際は光源を筐体内に収容し、前記筐体の開口に独立した部材である配光制御パネルを取り付けるものであるため、部品点数が多く製造コストが高くなると共に、配光制御パネルの取付作業にも大きな労力を要する。そのため、部品点数の削減による製造コストの低減や、配光制御パネルの取付作業の労力低減を図ることができる照明器具が求められている。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであり、光源の光照射側に配光制御部が設けられる照明器具に於いて、部品点数の削減による製造コストの低減や、配光制御部の設置作業の労力低減を図ることができる照明器具、照明器具の筒体及び照明器具の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の照明器具は、光源と、若しくは光源及び前記光源の照射光を反射するリフレクターとで構成される光源モジュールと、前記光源若しくは前記光源モジュールを収容する筒体と、前記光源若しくは前記光源モジュールの光照射側に設けられる透光性の配光制御部とを備え、前記筒体の前記光照射側に位置する領域に、前記配光制御部を一体形成することを特徴とする。前記配光制御部は、凹凸面など配光制御機能等を有する適宜の構成とすることが可能であるが、例えば光源若しくは光源モジュールの光照射側に突出して設けられる略山形の凸条若しくは凸部を並設するなど規則的に配設したものとすると良好である。前記略山形の凸条の場合、例えば二等辺三角形等の断面視略三角形、或いは断面視弧状の凸曲面の凸条とし、ストライプ状に配設する構成等とすることが可能である。また、前記略山形の凸部の場合、例えば略円錐形或いは略ピラミッド形の凸部とし、行列状或いは千鳥状或いは同心円状に配列して構成すること等が可能である。
また、本発明の照明器具は、前記光源モジュールを、所定の指向性を有するLED光源と、前記LED光源の照射光を反射するリフレクターとで構成して、前記LED光源の照射光を略平行光にして照射するものとし、前記配光制御部を、光入射側に略山形の凸条若しくは凸部を規則的に配設して構成し、前記凸条若しくは前記凸部に略平行光で入射して各放射角で放射される放射光による照射面に対する照度が略均一になるように設定して、前記凸条の側面若しくは前記凸部の側面の傾斜角度を前記凸条の頂部若しくは前記凸部の頂部に向かって漸次急峻にすることを特徴とする。
また、本発明の照明器具は、前記凸条の側面若しくは前記凸部の側面を、前記凸条の頂部若しくは前記凸部の頂部に向かって傾斜角度が段階的に漸次急峻になる複数の傾斜面で構成し、前記傾斜角度が急な傾斜面ほど正面視水平方向の長さを長く形成し若しくは面積を大きく形成する構成とすると良好である。また、本発明の照明器具は、前記凸条の側面若しくは前記凸部の側面を、前記凸条の頂部若しくは前記凸部の頂部に向かって傾斜角度が曲線状に漸次急峻になるように構成すると良好である。また、本発明の照明器具は、前記凸条の側面若しくは前記凸部の側面の傾斜角度を、I=E・h/cosθ4(I:光束、E:照明面に対する照度、h:LED光源から照明面までの距離、θ4:放射光の放射角)に基づき設定すると良好である。
また、本発明の照明器具は、前記光源若しくは前記光源モジュールを列状若しくは行列状に複数並設し、前記並設した複数の前記光源若しくは前記光源モジュールに対応して前記配光制御部を設けることを特徴とする。
また、本発明の照明器具は、前記配光制御部を、光入射側に略山形の凸条を並設して構成し、前記凸条を前記筒体の長手方向に沿って形成することを特徴とする。また、本発明の照明器具は、前記光源若しくは前記光源モジュールの基板を保持する保持突起を前記筒体の長手方向に沿って前記筒体内に形成することを特徴とする。また、本発明の照明器具は、前記リフレクターの開口側の端部に外方に突出するフランジを設け、前記フランジを保持する保持突起を前記筒体の長手方向に沿って前記筒体内に形成し、前記保持突起で前記フランジを保持することを特徴とする。
また、本発明の照明器具は、前記光源若しくは前記光源モジュールの光照射側の反対側に位置する前記筒体の領域に、透光性の配光制御部を一体形成することを特徴とする。
また、本発明の照明器具の筒体は、収容される光源の光照射側に位置する領域に、若しくは収容される光源及び前記光源の照射光を反射するリフレクターとで構成される光源モジュールの光照射側に位置する領域に、透光性の配光制御部が一体形成されていることを特徴とする。
また、本発明の照明器具の製造方法は、光源と、若しくは光源及び前記光源の照射光を反射するリフレクターとで構成される光源モジュールと、前記光源若しくは前記光源モジュールを収容する筒体と、前記光源若しくは前記光源モジュールの光照射側に設けられ、光入射側に略山形の凸条を並設して構成される透光性の配光制御部とを備える照明器具の製造方法であって、透光性樹脂を押出成形することにより、前記筒体を形成すると共に、前記筒体の長手方向に沿って延設され且つ複数並設される前記略山形の凸条を前記筒体内に形成する工程を備えることを特徴とする。
また、本発明の照明器具の製造方法は、前記透光性樹脂の押出成形工程に於いて、前記筒体の長手方向に沿って延設される、前記光源若しくは前記光源モジュールの基板を保持する保持突起を前記筒体内に形成することを特徴とする。また、本発明の照明器具の製造方法は、前記リフレクターを、開口側の端部に外方に突出するフランジが設けられるものとし、前記透光性樹脂の押出成形工程に於いて、前記筒体の長手方向に沿って延設される、前記フランジを保持する保持突起を前記筒体内に形成することを特徴とする。
尚、本願の発明には、各発明や各実施形態等の構成の他に、これらの部分的な構成を他の実施形態等の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に他の実施形態等の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものも含まれる。
本発明は、光源或いは光源モジュールを収容する筒体の光照射側に位置する領域に配光制御部を一体形成することにより、部品点数の削減による製造コストの低減や、配光制御部の設置作業の労力低減を図ることができる。また、光源モジュールを収容する筒体の配光制御部によって光源モジュールの配光を制御できることから、光源モジュールの標準化、共通化を図ることも可能となる。
また、光源モジュールで略平行光を照射し、配光制御部の凸条若しくは凸部に略平行光で入射して各放射角で放射される放射光による照射面に対する照度が略均一になるように設定して、凸条の側面若しくは凸部の側面の傾斜角度を凸条の頂部若しくは凸部の頂部に向かって漸次急峻にする構成により、前記設定の凸条若しくは凸部の各々に略平行光で入射して放射される放射光について、放射角が大きな放射光に対して大きい光束を割り当て、放射角が小さい放射光に対して小さい光束を割り当てられる。そして、放射角が大きく照明面までの距離が長い放射光による照明面での照度と、放射角が小さく照明面までの距離が短い放射光による照明面での照度とを略同一とし、各放射角での放射光による照明面での照度をそれぞれ略同一として、照明面を略均一な照度で照明することができる。更に、前記照明により、照明面全体の照度の均一性を高めることができる。また、前記設定の凸条若しくは凸部とLED光源による略平行光とを組み合わせることにより、臨界角以上になって反射される反射光を極力抑制し、照明面を高い光効率で且つ非常に高い照度で照明することができる。また、略平行光に対して前記設定の凸条若しくは凸部で配光制御を行うことにより、照明光の配光を非常に正確に制御することができる。これにより、例えば室内や屋外の所定空間内に境界が明確な局所的な照明空間を自在に設定し、美観に優れる多様な照明空間を構成することが可能となる。更に、凸条の側面若しくは前記凸部の側面の傾斜角度を、I=E・h/cosθ4(I:光束、E:照明面に対する照度、h:LED光源から照明面までの距離、θ4:放射光の放射角)に基づき設定する場合には、凸条の側面若しくは凸部の側面の傾斜角度の設定に際し、凸条若しくは凸部による照明面に対する照度の均一性を正確に且つ確実に高めて設定することができる。
また、光源若しくは光源モジュールを列状若しくは行列状に複数並設し、これらに対応して配光制御部を設けることにより、部品点数の削減による製造コストの低減や配光制御部の設置作業の労力低減の効果を一層促進することができる。
また、配光制御部を光入射側に略山形の凸条を並設して構成し、凸条を筒体の長手方向に沿って形成することにより、例えば樹脂の押出成形による筒体の製造工程に於いて配光制御部を同時に形成することが可能となる。従って、製造作業の容易化と製造コストの低減を図ることができる。また、光源若しくは光源モジュールの基板を保持する保持突起を筒体の長手方向に沿って筒体内に形成する、或いはリフレクターの開口側端部で外方に突出するフランジを保持する保持突起を筒体の長手方向に沿って筒体内に形成することにより、例えば樹脂の押出成形による筒体の製造工程に於いて保持突起を同時に形成することができる。従って、製造作業の容易化と製造コストの低減を一層促進することができる。また、前記保持突起でリフレクターの前記フランジを保持する構成により、リフレクターに微細な移動や屈曲が生じて湾曲面が変化することを防止でき、安定した照明光を得ることができる。
また、光源若しくは光源モジュールの光照射側の反対側に位置する筒体の領域に透光性の配光制御部を一体形成することにより、誤って本来の光照射側と反対側に向けて光源や光源モジュールを設置した場合にもそのまま用いることが可能であり、光源や光源モジュールの組み付け作業を容易にし、誤った組み付けが行われることを防止することができる。更に、本来の光照射側と反対側に光を照射させたい場合や、本来の光照射側と反対側の双方に光を照射させたい場合にも対応することが可能である。特に、配光制御部の略山形の凸条を長手方向に沿って形成する場合には、本来の光照射側と反対側の凸条も低コストで容易に形成することができる。
また、本発明の照明器具を製造する際に、透光性樹脂の押出成形で筒体を形成する工程を行い、前記工程に於いて、筒体の長手方向に沿って延設され且つ複数並設される略山形の凸条を筒体内に形成することにより、配光制御部を構成する略山形の凸条を非常に容易に且つ安価に形成することができる。また、前記工程に於いて、筒体の長手方向に沿って延設される、光源若しくは光源モジュールの基板を保持する保持突起、或いはリフレクターの開口側端部で外方に突出するフランジを保持する保持突起を筒体内に形成することにより、これらの保持突起も非常に容易に且つ安価に形成することができる。
本発明の実施形態の照明器具について図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態の照明器具10は、図1及び図2に示すように、筒体20を有し、筒体20内に、所定の指向性を有する光を照射するLED光源40と、LED光源40の光照射領域に設けられ、LED光源40の照射光を反射するリフレクター50とで構成される光源モジュールの複数が列状に並置して収容されていると共に、複数並置さえるLED光源40の配線が設けられる長方形板状の基板30が収容されている。
筒体20は、アクリル樹脂等の透光性樹脂で形成された断面視略方形の角筒状であり、上板21と、両側の側壁22・22と、底板23とを有する。筒体20内の各側壁22の上部近傍には、内側に突出し且つ所定距離離間して一対の保持突起24・24が設けられ、保持突起24は筒体20の長手方向に沿って延設されている。一対の保持突起24・24間には凹溝26が形成され、凹溝26も筒体20の長手方向に沿って延設されている。両側の側壁22・22に於ける各一対の保持突起24・24と凹溝26は対向する位置に配置されている。対向する凹溝26・26には基板30の幅方向両端部が挿入され、基板30の幅方向両端部は、凹溝26・26に収容され、一対の保持突起24・24でそれぞれ挟持されるようにして固定されている。
筒体20内の各側壁22の下部近傍には、内側に突出し且つ所定距離離間して一対の保持突起25・25が設けられ、保持突起25は筒体20の長手方向に沿って延設されている。一対の保持突起25・25間には凹溝27が形成され、凹溝27も筒体20の長手方向に沿って延設されている。両側の側壁22・22に於ける各一対の保持突起25・25と凹溝27は対向する位置に配置されている。対向する凹溝27・27には、後述するリフレクター50のフランジ51・51が挿入され、フランジ51・51はそれぞれ凹溝26・26に収容され、一対の保持突起25・25でそれぞれ挟持されるようにして固定されている。
保持突起24・24で保持されている基板30の下面側には略点状のLED光源40が下向きに配置して設けられ、LED光源40は下方及び側方に向かって光を照射するように設置されている。LED光源40には、基板30上の配線を介して電源が供給されると共に、図に省略したON/OFFスイッチによる制御回路のON/OFF切替えにより、点灯/消灯するようになっている。
LED光源40の周囲には放物線形の傘状に形成されたリフレクター50が設けられている。リフレクター50は、その焦点位置である頂部にLED光源40が位置するように配置され、リフレクター50の上端はLED光源40の上部で基板30或いは基板30とLED光源40との中間部に固定されている。リフレクター50の開口側端部である下側端部には、筒体20の幅方向に外方に突出してフランジ51・51が設けられ、フランジ51は上述の如く凹溝26に収容されて保持突起25で保持されている。リフレクター50は、LED光源40から照射される照射光を反射し、LED光源40から反射せずに直接下方へ照射される光と略平行になるように、前記反射光を略平行光にして下方に照射する。図2の2点鎖線はLED光源40による照射光の光路である。
前記光源モジュールの光照射側である筒体20の底板23の上面には、透光性の配光制御部に相当する略山形の凸条60が底板23に一体形成されており、正面視略山形の凸条60は、光入射側である上側に突出して筒体20の長手方向に沿って形成されていると共に、筒体20の幅方向に所定ピッチで複数並設され、ストライプ状に規則的に形成されている。凸条60の幅は1.5〜8mm程度とすることが好ましく、凸条60・60間に間を開ける場合には1.5〜8mm程度とすることが好ましい。凸条60は光源モジュールの光照射側に位置する所要領域に設けることが可能であり、例えば底板23の上面の全面に亘って設ける構成、或いはリフレクター50の開口部の幅に合わせて設ける構成等とすることが可能である。
凸条60は、図3及び図4に示すように、凸条60・60間の谷線62から凸条60の頂部に相当する稜線61に向かって傾斜角度が漸次急峻になる側面を有する。前記側面は下に凸の略放物線状になっており、凸条60の上側から照射される略平行光の凸条60に対する入射角θ1及び放射角θ4を、稜線61に近い部分ほど大きくし、谷線62に近い部分ほど小さくすることが可能になっている。更に、本実施形態の凸条60は、谷線62から稜線61に向かって傾斜角度が段階的に漸次急峻になる側面になっており、複数の傾斜面で前記側面を構成し、前記入射角θ1及び放射角θ4が、稜線61に近い傾斜面ほど大きく、谷線62に近い傾斜面ほど小さくなるように設定されている。前記傾斜面の段階的な傾斜角度(=入射角θ1)は、例えば筒体20の底板23が0度の次に小さい放射角から最大放射角まで所定角度刻みの放射角θ4で照明光を放射するように対応設定されている。
前記段階的な傾斜面のうち傾斜角度が急な傾斜面ほど正面視の長さが長く、面積が大きく形成されており、入射角θ1の大きな傾斜面の面積が大きく、入射角θ1の小さな傾斜面の面積が小さくなっている。前記傾斜角度が段階的に異なる各傾斜面の前記正面視水平方向の長さ或いは面積は、所定角度刻みの各放射角θ4による床面など照明面に対する照度Eが略均一になるようにして、例えばI=E・h/cosθ4(I:光束(入射面が受光する照度×入射面の水平投影面の面積)、h:光源から床面など照明面までの距離)に基づき設定される。具体的には、凸条60の全体が受光する略平行光の照度を一定と仮定し、且つE・h=一定とすることを前提に、0度の次に小さい放射角から最大放射角まで所定角度刻みの放射角θ4について1/cosθ4を各々算出して合計し、その合計値に対する各1/cosθ4の比率で前記正面視水平方向の長さ(面積)を配分して、前記正面視水平方向の長さ(面積)が設定、換言すれば光束Iが設定される。
図3の例は、底板23の凸条60側に照射される略平行光を、底板23が5度〜45度まで5度刻みの放射角θ4にし、照明光として筒体20の下側に放射する場合の構成であり、谷線62から稜線61に向かって傾斜角度が段階的に漸次急峻となる9個の傾斜面A1〜A9の各傾斜角度(=入射角θ1)は、前記5度〜45度までの5度刻みの放射角θ4に対応して設定されている。前記傾斜角度(=入射角θ1)は、段階的に放射角θ4を設定し、スネルの法則(n1・sinθ1=n2・sinθ2、n2・sinθ3=n1・sinθ4、θ3=θ1−θ2、n1:空気の屈折率、n2:底板23の素材の屈折率)により、前記設定した放射角θ4から前記傾斜角度(=入射角θ1)を求めて設定される。また、図3の例では、5度〜45度まで5度刻みの放射角θ4について1/cosθ4を各々算出して合計し、その合計値に対する各1/cosθ4の比率で前記正面視水平方向の長さ(面積)を配分して、各傾斜面A1〜A9の正面視水平方向の長さ或いは面積が稜線61に近づくに従い漸次長く或いは大きくなるように設定されている。
図4に示すように、凸条60には上側から略平行光が入射され、例えば稜線61に隣接する傾斜角度と面積が大きい傾斜面A9は、より多くの光束を受光し且つ放射角θ4がより大きくなるように屈折させ、放射角45度で多くの光束を照明光として放射する。また、比較的谷線62に近く傾斜角度と面積が比較的小さい傾斜面A3は、少なめの光束を受光し且つ放射角θ4が比較的小さくなるように屈折させ、放射角15度で少なめの光束を照明光として放射する。そして、放射角θ4が大きく照明面までの距離が長い照明光の照射面での照度と、放射角θ4が小さく照明面までの距離が短い照明光の照明面での照度が略同一となり、各放射角θ4での照明光の照明面での照度がそれぞれ略同一となるので、照明面を略均等の照度で照明することが可能である。尚、照明器具10の最大放射角、所定角度刻みの傾斜角度は上記例以外にも適宜である。
本実施形態の照明器具10を製造する場合、好適には筒体20を形成する際に、透光性樹脂を押出成形して筒体20を形成する。前記筒体20の押出成形に於いては、筒体20内の底板23に上側に突出して形成され、筒体20の長手方向に沿って延設される略山形の凸条60と、筒体20内の側壁22に内側に突出して形成され、筒体20の長手方向に沿って延設される基板30の保持突起24と、筒体20内の側壁22に内側に突出して形成され、筒体20の長手方向に沿って延設されるリフレクター50のフランジ51を保持する保持突起25とが、押出成形により合わせて形成される。
上記第1実施形態の照明器具10は、光源モジュールを収容する筒体20の光照射側に位置する領域に配光制御部に相当する略山形の凸条60を一体形成することにより、部品点数の削減による製造コストの低減や、配光制御部の設置作業の労力低減を図ることができる。また、筒体20の凸条60によって光源モジュールの配光を制御できることから、光源モジュールの標準化、共通化を図ることも可能となる。また、上記構成の凸条60により、放射角が大きな放射光に対して大きい光束を割り当て、放射角が小さい放射光に対して小さい光束を割り当て、照明面を略均一な照度で照明することができる。更に、凸条60とLED光源40による略平行光とを組み合わせることにより、底板23で臨界角以上になって反射される反射光を極力抑制し、照明面を高い光効率で且つ非常に高い照度で照明することができる。更に、照明光の配光を非常に正確に制御することができる。更に、光源モジュールを列状に複数並設し、これらに対応して凸条60を並設することにより、部品点数の削減による製造コストの低減や配光制御部の設置作業の労力低減の効果を一層促進することができる。また、凸条60、保持突起24、25を筒体20の長手方向に沿って形成することにより、例えば樹脂の押出成形による筒体の製造工程に於いて配光制御部を同時に形成することが可能となり、製造作業の容易化と製造コストの低減を図ることができる。また、保持突起25でリフレクター50のフランジ51を保持する構成により、リフレクター50に微細な移動や屈曲が生じて湾曲面が変化することを防止でき、安定した照明光を得ることができる。
尚、凸条60の側面を、段階的に傾斜角度が急になる複数の傾斜面による構成に代え、谷線62から稜線61に向かって傾斜角度が曲線的に漸次急峻になる曲面で構成することも可能であり、前記曲面の傾斜角度も上記I=E・h/cosθ4に基づき設定すると良好である。また、光源モジュールに代えて、リフレクター50を設けずにLED光源40の照射光が凸条60に照射される構成とすることも可能であり、又、本発明の光源はLED光源40に限定されず、蛍光灯、白熱灯、水銀灯など各種の光源を用いることが可能である。また、本発明では、半円筒形のリフレクターの頂部に、前記リフレクターの長手方向に沿ってLED光源が列状に設けられた光源モジュールを用いてもよく、又、光源モジュールは行列状に配置したものとしてもよい。また、略山形の凸条60は、例えば二等辺三角形等の断面視略三角形、或いは断面視弧状の凸曲面の凸条等とすることも可能である。
〔第2実施形態〕
第2実施形態の照明器具は、図5に示すように、筒体20aの底板23aに形成する凸条60aの形状だけが第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態の照明器具10と同様であり、又、筒体20aは第1実施形態と同様に透光性樹脂の押出成形で形成すると好適である。凸条60aは、筒体20aの長手方向に沿って延設され、筒体20aの幅方向に複数並設されている。そして、凸条60a・60a間の谷線62aから凸条60aの頂部である稜線61aに向かって、凸条60aの側面の傾斜角度が漸次急峻になっており、前記側面は段階的に傾斜角度が急になる傾斜面B1〜B4で構成されている。前記傾斜面B1〜B4の正面視水平方向の長さは略同一になっている。
〔第3実施形態〕
第3実施形態の照明器具は、図6に示すように、筒体20bの底板23bに凸条60に代えて凸部70bを形成することだけが第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態の照明器具10と同様である。凸部70bは、略三角錐状で底板23bに一体形成されており、その側面は裾部から頂部に向かって傾斜角度が漸次急峻となり、段階的に傾斜角度が急峻になる複数の傾斜面C1〜C6で構成されている。前記複数の傾斜面C1〜C6も凸条60の傾斜面A1〜A6と同様に設定することが可能であり、上記I=E・h/cosθ4に基づき設定することが好ましい。
尚、凸部70bの側面は、上述の如く、裾部から頂部に向かって傾斜角度が曲線的に漸次急峻になる曲面で構成することも可能であり、前記曲面の傾斜角度も上記I=E・h/cosθ4に基づき設定すると良好である。また、凸部70bは、略ピラミッド形、お椀形等の他の形状とすることも可能であり、又、千鳥状或いは同心円状に配列するなど他の配列で形成することも可能である。
〔第4実施形態〕
第4実施形態の照明器具10cは、図7及び図8に示すように、筒体80cを有し、所定の指向性を有する光を照射するLED光源40cと、LED光源40cの光照射領域に設けられ、LED光源40cの照射光を反射するリフレクター50cとで構成される光源モジュールの複数が列状に並置して収容されていると共に、複数並置されるLED光源40cの配線が設けられる長方形板状の基板30cが収容され、端部キャップ85cで端部が閉塞されている。
筒体80cは、アクリル樹脂等の透光性樹脂で形成された円筒状であり、その内部の対向する位置に、内側に突出し且つ所定距離離間して一対の保持突起83c・83cが設けられ、保持突起83cは筒体80cの長手方向に沿って延設されている。一対の保持突起83c・83c間には凹溝84cが形成され、凹溝84cも筒体80cの長手方向に沿って延設されている。対向する凹溝84c・84cには、後述するリフレクター50cのフランジ51c・51cが挿入され、フランジ51c・51cはそれぞれ凹溝84c・84cに収容され、一対の保持突起83c・83cでそれぞれ挟持されるようにして固定されている。
基板30cにはLED光源40cが所定間隔を開けて列状に配置されており、LED光源40cは下方及び側方に向かって光を照射するように設置されている。LED光源40cには、基板30c上の配線を介して電源が供給されると共に、図に省略したON/OFFスイッチによる制御回路のON/OFF切替えにより、点灯/消灯するようになっている。
LED光源40cの周囲には略裁頭円錐形の傾斜面で開口側に向かって拡がるリフレクター50cが設けられている。リフレクター50cは、その頂部にLED光源40が位置するように配置され、リフレクター50cの上端はLED光源40の周囲で基板30cに固定されている。更に、リフレクター50cは筒体80cの長手方向に連なるように一体形成されており、基板30cと同様に筒体80cの長手方向に延設される部材で構成されている。リフレクター50cの開口側端部である下側端部には、筒体80cの幅方向に外方に突出してフランジ51c・51cが設けられ、フランジ51cは上述の如く凹溝84cに収容されて保持突起83cで保持されている。本実施形態では前記保持突起80cによるフランジ51c・51cの保持によりリフレクター50c、LED光源40c、基板30cが固定されている。尚、フランジ51cは所定の複数箇所で外方に突出して設ける構成の他、リフレクター50cが一体形成されている部材の長手方向に沿って延設する構成とすることも可能であり、前記構成により、リフレクター50c、LED光源40c、基板30cの設置状態の安定化と強度向上を図ることができる。リフレクター50cは、LED光源40から照射される照射光を反射し、LED光源40から反射せずに直接照射される光と略平行になるように、前記反射光を略平行光にして照射する。
光源モジュールの光照射側である保持突起83cより下側の下側曲面82cと、光源モジュールの光照射側の反対側に位置する保持突起83cより上側の上側曲面81cには、透光性の配光制御部に相当する略山形の凸条60cがそれぞれ一体形成されている。凸条60cは、筒体80cの内側に突出し且つ筒体80cの長手方向に沿って形成されていると共に、筒体80cの円周方向に所定ピッチで複数並設され、ストライプ状に規則的に形成されている。凸条60cは、第1実施形態と同様に谷線或いは裾部から稜線或いは頂部に向かって傾斜角度が段階的又は曲線状に漸次急峻になる構成とすると良好であるが、例えば正面視略三角形状、略蒲鉾状等とすることも可能である。
本実施形態の照明器具10cを製造する場合にも、好適には筒体20cを形成する際に、透光性樹脂を押出成形して筒体20cを形成する。前記筒体20cの押出成形に於いては、筒体20c内の上側曲面81c及び下側曲面82cで内側に突出して形成され、筒体80の長手方向に沿って延設される略山形の凸条60cと、筒体20c内に突出して形成され、筒体20cの長手方向に沿って延設されるフランジ51cを保持する保持突起83cとが、押出成形により合わせて形成される。
上記第4実施形態の照明器具10cは、光源モジュールを収容する筒体20の光照射側に位置する領域に配光制御部に相当する略山形の凸条60cを一体形成することにより、部品点数の削減による製造コストの低減や、配光制御部の設置作業の労力低減を図ることができる。また、筒体20cの凸条60cによって光源モジュールの配光を制御できることから、光源モジュールの標準化、共通化を図ることも可能となる。更に、光源モジュールを列状に複数並設し、これらに対応して凸条60cを並設することにより、部品点数の削減による製造コストの低減や配光制御部の設置作業の労力低減の効果を一層促進することができる。また、凸条60c、保持突起83cを筒体20cの長手方向に沿って形成することにより、例えば樹脂の押出成形による筒体の製造工程に於いて配光制御部を同時に形成することが可能となり、製造作業の容易化と製造コストの低減を図ることができる。また、保持突起83cでリフレクター50cのフランジ51cを保持する構成により、リフレクター50cに微細な移動や屈曲が生じて湾曲面が変化することを防止でき、安定した照明光を得ることができる。また、光源モジュールの光照射側の反対側に位置する筒体80cの領域に凸条60cを一体形成することにより、誤って本来の光照射側と反対側に向けて光源モジュールを設置した場合にもそのまま用いることが可能であり、光源モジュールの組み付け作業を容易にし、誤った組み付けが行われることを防止できる。更に、本来の光照射側と反対側に光を照射させたい場合や、本来の光照射側と反対側の双方に光を照射させたい場合にも対応することが可能である。
本発明は、例えば室内照明、屋外照明、車載照明等の照明器具として利用することができる。
(a)は第1実施形態の照明器具の一部を示す平面図、(b)はその底面図。 図1のH−H’線矢視断面図。 第1実施形態の照明器具に於ける凸条を示す部分縦断面図。 第1実施形態の照明器具に於ける凸条による照明光の屈折を説明する説明図。 第2実施形態の照明器具に於ける凸条を示す部分縦断面図。 第3実施形態の照明器具に於ける凸部を示す部分平面図。 第4実施形態の照明器具の一部を示す部分縦断正面図。 図7のI−I’線矢視断面図。
符号の説明
10、10c…照明器具 20、20a、20b、80c…筒体 21…上板 22…側壁 23、23a、23b…底板 24、25、83c…保持突起 26、27、84c…凹溝 30、30c…基板 40、40c…LED光源 50、50c…リフレクター51、51c…フランジ 60、60a、60c…凸条 61、61a…稜線部 62、62a…谷線部 70b…凸部 81c…上側曲面 82c…下側曲面 85c…端部キャップ A1〜A9、B1〜B4、C1〜C6…傾斜面

Claims (11)

  1. 光源と、若しくは光源及び前記光源の照射光を反射するリフレクターとで構成される光源モジュールと、
    前記光源若しくは前記光源モジュールを収容する筒体と、
    前記光源若しくは前記光源モジュールの光照射側に設けられる透光性の配光制御部とを備え、
    前記筒体の前記光照射側に位置する領域に、前記配光制御部を一体形成することを特徴とする照明器具。
  2. 前記光源モジュールを、所定の指向性を有するLED光源と、前記LED光源の照射光を反射するリフレクターとで構成して、前記LED光源の照射光を略平行光にして照射するものとし、
    前記配光制御部を、光入射側に略山形の凸条若しくは凸部を規則的に配設して構成し、前記凸条若しくは前記凸部に略平行光で入射して各放射角で放射される放射光による照射面に対する照度が略均一になるように設定して、前記凸条の側面若しくは前記凸部の側面の傾斜角度を前記凸条の頂部若しくは前記凸部の頂部に向かって漸次急峻にすることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
  3. 前記光源若しくは前記光源モジュールを列状若しくは行列状に複数並設し、前記並設した複数の前記光源若しくは前記光源モジュールに対応して前記配光制御部を設けることを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
  4. 前記配光制御部を、光入射側に略山形の凸条を並設して構成し、
    前記凸条を前記筒体の長手方向に沿って形成することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の照明器具。
  5. 前記光源若しくは前記光源モジュールの基板を保持する保持突起を前記筒体の長手方向に沿って前記筒体内に形成することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の照明器具。
  6. 前記リフレクターの開口側の端部に外方に突出するフランジを設け、
    前記フランジを保持する保持突起を前記筒体の長手方向に沿って前記筒体内に形成し、前記保持突起で前記フランジを保持することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の照明器具。
  7. 前記光源若しくは前記光源モジュールの光照射側の反対側に位置する前記筒体の領域に、透光性の配光制御部を一体形成することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の照明器具。
  8. 収容される光源の光照射側に位置する領域に、若しくは収容される光源及び前記光源の照射光を反射するリフレクターとで構成される光源モジュールの光照射側に位置する領域に、透光性の配光制御部が一体形成されていることを特徴とする照明器具の筒体。
  9. 光源と、若しくは光源及び前記光源の照射光を反射するリフレクターとで構成される光源モジュールと、
    前記光源若しくは前記光源モジュールを収容する筒体と、
    前記光源若しくは前記光源モジュールの光照射側に設けられ、光入射側に略山形の凸条を並設して構成される透光性の配光制御部とを備える照明器具の製造方法であって、
    透光性樹脂を押出成形することにより、前記筒体を形成すると共に、前記筒体の長手方向に沿って延設され且つ複数並設される前記略山形の凸条を前記筒体内に形成する工程を備えることを特徴とする照明器具の製造方法。
  10. 前記透光性樹脂の押出成形工程に於いて、前記筒体の長手方向に沿って延設される、前記光源若しくは前記光源モジュールの基板を保持する保持突起を前記筒体内に形成することを特徴とする請求項9記載の照明器具の製造方法。
  11. 前記リフレクターを、開口側の端部に外方に突出するフランジが設けられるものとし、
    前記透光性樹脂の押出成形工程に於いて、前記筒体の長手方向に沿って延設される、前記フランジを保持する保持突起を前記筒体内に形成することを特徴とする請求項9又は10記載の照明器具の製造方法。
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