JP2009228884A - 可変フライホイール - Google Patents

可変フライホイール Download PDF

Info

Publication number
JP2009228884A
JP2009228884A JP2008078449A JP2008078449A JP2009228884A JP 2009228884 A JP2009228884 A JP 2009228884A JP 2008078449 A JP2008078449 A JP 2008078449A JP 2008078449 A JP2008078449 A JP 2008078449A JP 2009228884 A JP2009228884 A JP 2009228884A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
viscous fluid
crankshaft
plate
clutch
fluid clutch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008078449A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5256814B2 (ja
Inventor
Nobuyuki Iwao
信幸 岩男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2008078449A priority Critical patent/JP5256814B2/ja
Publication of JP2009228884A publication Critical patent/JP2009228884A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5256814B2 publication Critical patent/JP5256814B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】大型化、大質量化を容易に図ることができる可変フライホイールを提供する。
【解決手段】クランクシャフト2に回転可能に取り付けられたドリブンプレート4と、クランクシャフト2に固定されたドライブプレート5と、粘性流体クラッチ6とを備えた可変フライホイール1において、粘性流体クラッチ6に粘性流体を供給するための流路7と、その流路7を開閉する電磁弁10とを備え、電磁弁10は、内周端部13が上記ドライブプレート5に固定され、外周端部14が円筒部11の上記端面47まで延びると共に端面47と離間して端面47との間に流路7を形成する弁体8と、ドライブプレート5に設けられ、弁体8をドライブプレート5側に屈曲変形させて弁体8の外周端部14を円筒部11に当接させるべく、弁体8を吸引する電磁石9とを有するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのクランクシャフトに係脱自在な可変フライホイールに関するものである。
一般に、エンジンのクランクシャフトには、トルク変動の吸収のために、フライホイール(重量マス、イナーシャウェイトとも呼ばれる)が取り付けられている。
フライホイールは、エンジンの低回転時では、いわゆる「はずみ車」の機能を果たし、スムーズなエンジン回転に寄与するが、中高速域になるとアクセルレスポンスを低下させたり、エンジンブレーキの効きを悪くするなどの原因になる。
そこで、従来、フライホイールのマス(質量)の一部を補助マスとして別機構化し、クランクシャフトに係脱可能なバリアブルマス(可変マス)とした可変フライホイールが知られている(例えば特許文献1参照)。
例えば、図5に示すように、可変フライホイール91は、外周部に可変マス92が一体的に形成され、エンジンのクランクシャフト93に回転可能に取り付けられる。また、クランクシャフト93には、ACジェネレータロータを兼用する固定フライホイール94が固定され、その固定フライホイール94に、可変フライホイール91を係合または切離するためのクラッチ機構95が設けられる。
図6に示すように、クラッチ機構95は、所謂湿式クラッチであり、可変フライホイール91のインナーシャフト部96を囲むように周方向に並べて扇状の遠心クラッチ97が複数設けられる。遠心クラッチ97はスプリング98により連結される。それらスプリング98は、遠心クラッチ97をインナーシャフト部96に押し付けるべく内周側に付勢する。
クランクシャフト93の低回転時には、スプリング98により遠心クラッチ97がインナーシャフト部96に押し付けられ、可変フライホイール91が固定フライホイール94に連結される。これにより、固定フライホイール94と可変フライホイール91との間で回転トルクが伝達され、可変マス92がクランクシャフト93の慣性質量として作用する。
他方、クランクシャフト93の中高回転時には、遠心力により遠心クラッチ97がスプリング力に逆らいつつ外周側に移動し、遠心クラッチ97がインナーシャフト部96から離間する。これにより、可変フライホイール91が固定フライホイール94から切り離され、可変マス92がクランクシャフト93の慣性質量として作用しなくなる。
実開平4−101844号公報
しかしながら、上述の可変フライホイール91には、大型化、大質量化が困難であるという問題があった。
すなわち、上述の可変フライホイール91は、エンジン中高回転時に遠心力により遠心クラッチ97をインナーシャフト部96から離間させる構造のため、遠心力が小さいエンジン始動時には、可変マス92がクランクシャフト93に固定される。このため、可変マス92の効果(低速の振動騒音や発進性能の向上など)を大きくするために、可変マス92の質量を大きくするとスターターモーターの負荷が増加してしまう。可変マス92の質量を大型化した、排気量相当のものでは最悪の場合にエンジン始動不可(もしくは困難)ということにもなる。
また、出力を得るべく相当量までスターターを大型化すると、搭載性やコストの問題に加え、始動電流確保のための発電機、バッテリー増量などの変更が必要となってしまう。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、大型化、大質量化を容易に図ることができる可変フライホイールを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、エンジンのクランクシャフトに回転可能に取り付けられ重り部を有するドリブンプレートと、そのドリブンプレートと対向させて上記クランクシャフトに固定されたドライブプレートと、それらドライブプレートおよびドリブンプレートの間で高粘度の粘性流体を介してトルクを伝達する粘性流体クラッチとを備えた可変フライホイールにおいて、上記粘性流体クラッチに上記粘性流体を供給するための流路と、その流路を開閉する電磁弁とを備え、上記ドライブプレートは、上記ドリブンプレート側に突出し上記クランクシャフトと同芯的に形成された円筒部を有し、上記粘性流体クラッチは、上記円筒部のドリブンプレート側の端面と該端面に対向する上記ドリブンプレートの側面とに各々形成され、上記電磁弁は、上記クランクシャフトに同芯的な円板状に形成され、内周端部が上記ドライブプレートに固定され、外周端部が上記円筒部の上記端面まで延びると共に該端面と離間して上記端面との間に上記流路を形成する弁体と、その弁体を上記ドライブプレート側に屈曲変形させて該弁体の上記外周端部を上記円筒部に当接させるべく、上記弁体を吸引する電磁石とを有するものである。
上記弁体を開閉すべく上記電磁石への通電および非通電を制御する制御手段を備え、上記制御手段は、上記エンジンの始動に際して、クランキング時に上記電磁石に通電し上記弁体により上記流路を閉塞して上記粘性流体クラッチを切断し、クランキング終了後に、上記電磁石への通電を停止し上記流路を開放して上記粘性流体クラッチを締結するものでもよい。
本発明によれば、可変フライホイールの大型化、大質量化を容易に図ることができるという優れた効果を発揮するものである。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
本実施形態の可変フライホイールは、トラックなどの車両に搭載されたエンジンのクランクシャフトに取り付けられ、例えば、FR型の車両に適用される。
図4に基づき、エンジンおよびクランクシャフトの概略構造を説明する。
図4に示すように、エンジンのクランクシャフト2が、エンジンブロック21に回動自在に支持され、そのエンジンブロック21から突出するクランクシャフト2の端部(以下、クランクエンドという)22には、クランクシャフト2と一体回転するフライホイール(以下、固定フライホイールという)23が固定されている。
固定フライホイール23のクランクシャフト2と反対側(右側)には、クランクシャフト2の動力を変速機の入力軸24(T/Mインプット)に伝達または遮断するためのクラッチ80が設けられる。クラッチ80において、81はクラッチカバー、82はダイヤフラムスプリング、83はプレッシャープレート、84はクラッチディスク、85はレリーズフォークである。クラッチ80は、ダイヤフラムスプリング82によりプレッシャープレート83を介してクラッチディスク84が固定フライホイール23に押し付けられることで締結される。
固定フライホイール23は、円板状に形成され、クランクエンド22の変速機側(右側)の端面にボルト止めされる。図例では、固定フライホイール23のエンジン側(左側)の側面にボス部25が形成され、そのボス部25にクランクエンド22が嵌め合わされる。
固定フライホイール23の外周部には、固定マス(重り)26をなす肉厚部が形成される。固定マス26は、クランクシャフト2を中心としたクランクシャフト2と同芯的なリング形状を有する。その固定マス26の外周(固定フライホイール23の最外周)には、図示しないスターターからの駆動力伝達のためのリングギヤ27が設けられる。
ここで、本実施形態では、クランクエンド22が軸方向に延長され、その延長された固定フライホイール23とエンジンブロック21との間の部分に、本実施形態の可変フライホイール1が設けられる。
図1および図2に示すように、可変フライホイール1は、エンジンのクランクシャフト2に回転可能に取り付けられ重り部(以下、可変マスという)3を有するドリブンプレート4と、そのドリブンプレート4と対向させてクランクシャフト2に固定されたドライブプレート5と、それらドライブプレート5およびドリブンプレート4の間で高粘度の粘性流体(本実施形態ではシリコンオイル)を介してトルクを伝達する粘性流体クラッチ6と、その粘性流体クラッチ6にシリコンオイルを供給するための流路(以下、連通路という)7と、その連通路7を開閉する弁体をなすセパレートプレート8およびセパレートプレート8を開閉駆動するための電磁石9を有する電磁弁10と、その電磁弁10を開閉制御する制御手段15(電子制御装置)とを備える。
ドリブンプレート4は、固定フライホイール23のエンジン側(左側)に配置され、ドリブンプレートベアリング31によりクランクエンド22から浮動させて設けられる。
具体的には、固定フライホイール23のボス部25(図4参照)およびドライブプレート5の後述するボス部32の外周に、ドリブンプレートベアリング31が嵌め合わされ、そのドリブンプレートベアリング31の外周にドリブンプレート4が嵌め合わされて回転可能に支持される。
ドリブンプレート4は、クランクシャフト2と同芯的なほぼ円板状に形成される。ドリブンプレート4の中心部には、ドリブンプレートベアリング31が挿通する挿通穴35が形成される。ドリブンプレート4の外周部には可変マス3をなす肉厚部が形成される。可変マス3は、ドリブンプレート4の全周に亘り形成され、全体としてリング形状をなす。
可変マス3と挿通穴35との間には、粘性流体クラッチ6の後述するドリブンクラッチ部41が設けられる。図例では、ドリブンクラッチ部41が、ドリブンプレート4の左側(ドライブプレート5と対向する側)の側面に、径方向のほぼ中間位置に形成される。
ドリブンプレート4の左側面には、ドライブプレート5を覆うカバー部材61が設けられる。カバー部材61は、クランクエンド22にカバーベアリング62を介して回転可能に取り付けられると共に、ドリブンプレート4に、ドリブンクラッチ部41よりも外周側にてボルト止めされる。このカバー部材61とドリブンプレート4との間に区画形成された中空部に、粘性流体クラッチ6が収容されてシリコンオイルが閉じ込められる。
ドライブプレート5は、ドリブンプレート4と軸方向に並べてドリブンプレート4の左側(エンジン側)に配置され、クランクエンド22の外周面に直結される。
ドライブプレート5は、ドリブンプレート4よりも小径のほぼ円板状に形成される。ドライブプレート5は、クランクエンド22から径方向外側に延びる円板部63と、その円板部63の外周に沿って形成された円筒部11とを有する。
円板部63は、中心部にクランクエンド22が嵌め入れられる嵌合穴45が形成され、嵌合穴45の縁部に、軸方向に延びるボス部32が形成される。
円筒部11は、円板部63から右側(ドリブンプレート4側)に突出し、全体としてクランクシャフト2と同芯的な円筒状(断面矩形のリング状)に形成される。
円筒部11の右端面(ドリブンプレート4側の端面)は、ドリブンプレート4の左側面に対向し、かつ軸方向に離間する。その円筒部11の右端面には、外周縁にドリブンプレート4まで延びる環状の周壁部44が形成され、その周壁部44がドリブンプレート4に形成された環状溝45に隙間を隔てて嵌め入れられる。また、円筒部11の右端面の内周縁部に、環状の突起部46が形成され、その突起部46よりも内周側の右端面が、セパレートプレート8の後述する外周端部14を着座させる弁座47をなす。
粘性流体クラッチ6は、円筒部11の右端面と、その右端面に対向するドリブンプレート4の左側面とに各々形成される。本実施形態の粘性流体クラッチ6は、円筒部11に形成されたドライブクラッチ部51と、そのドライブクラッチ部51に対向させてドリブンプレート4に形成されたドリブンクラッチ部41とで構成される。
ドリブンクラッチ部41およびドライブクラッチ部51は、径方向に間隔を隔てて(図例では等間隔に)配置された複数の歯部42、52と、それら歯部42、52の間の溝部43、53とを有する。歯部42、52および溝部43、53は、クランクシャフト2と同芯的なリング状に形成され、軸方向に長い矩形状断面を有する。つまり、ドリブンクラッチ部41(ドライブクラッチ部51)は櫛歯状断面で周方向にドリブンプレート4(ドライブプレート5)の全周に亘り延びる。
これらドリブンクラッチ部41とドライブクラッチ部51とは、軸方向および径方向に各々所定の微少間隔を隔てて互いに噛み合わされる。
また、図例では、ドリブンクラッチ部41がドリブンプレート4と別部材で形成され、その部材がドリブンプレート4に取り付けられる。
セパレートプレート8は、クランクシャフト2に同芯的な円板状に形成される。具体的には、セパレートプレート8は、ドライブプレート5に固定(図例ではリベット止め)された内周端部13と、その内周端部13から右側(ドリブンプレート4側)に延びる固定部64と、その固定部64から外周側に円筒部11の右端面まで延びる回動部65とで構成される。図例では、回動部65の先端部(セパレートプレート8の外周端部14)が、円筒部11の弁座47まで延びる。
セパレートプレート8は、外周端部14が円筒部11の弁座47に当接または離間するように、軸方向に弾性的に屈曲可能に形成される。セパレートプレート8の外周端部14は、円筒部11の弁座47との間でリング状の連通路7を形成する。その連通路7は、外周端部14が弁座47から離間したときに開放され、外周端部14が弁座47に着座、当接したときに閉塞される。
本実施形態のセパレートプレート8は、磁性体の弾性材料から形成され、例えば、鉄製の円板状のばねプレート(板ばね材)からなる。セパレートプレート8は、通常時は外周端部14が円筒部11の弁座47から離間し、後述するように電磁石9により吸引されると、外周端部14(および回動部65)が、回動部65と固定部64との間の屈曲部分を中心に円筒部11に近接するように回動する。つまり、セパレートプレート8は、自身の弾性力により、外周端部14を円筒部11の弁座47から離間する方向(開弁方向)に付勢する。
図2に示すように、セパレートプレート8とドライブプレート5との間には、外周端部14が円筒部11の弁座47に着座したときにシリコンオイルが貯留される空間(以下、貯油部という)66が区画形成される。
本実施形態では、貯油部66から連通路7を通り粘性流体クラッチ6に流れ込んだシリコンオイルを、粘性流体クラッチ6の通過後に再び貯油部66へと戻すために、粘性流体クラッチ6の下流部と貯油部66とを連通するための排出ポート67(図3参照)が円筒部11に設けられる。
排出ポート67は、円筒部11内に形成され、入口が円筒部11の右端面にドライブクラッチ部51よりも外周側にて開口し、出口が円筒部11の内周面に開口する。図例の排出ポート67は、入口から軸方向左側に延び、径方向内側に屈曲した後、軸方向右側に傾斜しつつ径方向内側に延びて出口に至る。
図1に戻り、電磁石9は、セパレートプレート8をドライブプレート5側に屈曲変形させセパレートプレート8の外周端部14を円筒部11の弁座47に当接させるべく、セパレートプレート8に対してドライブプレート8側に配置される。具体的には、電磁石9は、ドライブプレート5に設けられた第一のガイド鉄芯68と、その第一のガイド鉄芯68と軸方向に並べてドリブンプレート4のカバー部材61に設けられ第二のガイド鉄芯69と、その第二のガイド鉄芯69と軸方向に並べてエンジンブロック21に設けられたコントロールソレノイド70とを有する。
本実施形態では、第一のガイド鉄芯68、第二のガイド鉄芯69、コントロールソレノイド70の後述するソレノイド鉄芯71とが、クランクシャフト2と同芯的、かつ上記リング状の粘性流体クラッチ6よりも小径の環状の磁性体からなる。
第一のガイド鉄芯68は、ドライブプレート5の円板部63に嵌め込まれ円板部63から右側に、円筒部11の右端面(弁座47)とほぼ同じ軸方向位置まで突出する。第一のガイド鉄芯68の外周面には、第一のガイド鉄芯68を固定するための突起部73が形成され、その突起部73が円筒部11の内周面に埋め込まれる。
第二のガイド鉄芯69は、カバー部材61に嵌め込まれ、右側の端面が第一のガイド鉄芯68に対向すると共に左側の端面がソレノイド鉄芯71に対向する。
コントロールソレノイド70は、ソレノイド鉄芯71と、そのソレノイド鉄芯71の外周に巻回されたコイル72とを有する。
図4に示すように、図例では、エンジンブロック21に、可変フライホイール1側(右側)に突出しカバー部材61に臨むリブ74が設けられており、そのリブ74内にソレノイド鉄芯71およびコイル72が収容される。コイル72は、図示しない電源(車両のバッテリーなど)に接続されて電流が供給されると共に、制御手段により通電と非通電とが切り替えられる。
この電磁石9では、コイル72が通電されると、その磁界によりソレノイド鉄芯71、第二のガイド鉄芯69および第一のガイド鉄芯68が磁化され、その第一のガイド鉄芯68の磁力によりセパレートプレート8が吸引される。
図1に戻り、制御手段15は、コイル72への通電および非通電を切り替えるべく、コントロールソレノイド70に接続される。また、制御手段15に、エンジン回転数センサ75およびイグニッションスイッチ76が接続され検出信号が入力される。
制御手段15は、基本的には、エンジン回転数に応じて粘性流体クラッチ6を断接制御し、エンジン回転が高回転域のときに、コイル72に通電してセパレートプレート8により連通路7を閉塞し粘性流体クラッチ6を切断し、低回転域のときにコイル72への通電を止めて連通路7を開放して粘性流体クラッチ6を接続(締結)する。制御手段15は、例えば、エンジン回転数が所定の切換回転数以上のときに高回転域、切換回転数未満のときに低回転域と判断する。
次に、図1から図3に基づき本実施形態の可変フライホイール1の作用を説明する。
まず、粘性流体クラッチ6の断接による可変フライホイール1のクランクシャフト2への連結、切離について説明する。
図1および図3に基づき、クランクシャフト2への可変フライホイール1の連結について説明する。
図1に示すように、可変フライホイール1を連結する場合、コントロールソレノイド70が通電OFFにされて、粘性流体クラッチ6が作動(接続)状態となる。
具体的には、制御手段15が、コントロールソレノイド70のコイル72への通電を行わない場合、セパレートプレート8の外周端部14が円筒部11の弁座47から離間して、連通路7が開放される。
このとき、貯油部66内のシリコンオイルは、クランクシャフト2の回転による遠心力で連通路7(セパレートプレート8の外周端部14と円筒部11の弁座47との間の開口部)を通り、粘性流体クラッチ6へと流れ込みドリブンクラッチ部41とドライブクラッチ部51との間に入る。そのシリコンオイルの粘性とクラッチ剪断力とにより、粘性流体クラッチ6が接状態となり、ドライブプレート5とドリブンプレート4が接続、締結される。
これにより、ドリブンプレート4の可変マス3がクランクシャフト2と同期して回転し、可変マス3によるフライホイール効果が発生してクランクシャフト2に作用する。
また、ドリブンクラッチ部41およびドライブクラッチ部51の下流側(外周側)では、貯油部66内に比べて大きな遠心力が作用することから、シリコンオイルの圧力が貯油部66内よりも高くなる。
そのため、図3に示すように、ドリブンクラッチ部41およびドライブクラッチ部51を通過したシリコンオイルは、圧力差により円筒部11の排出ポート67を通り貯油部66に戻り循環するようになっている。
次に、図2および図3に基づき、クランクシャフト2からの可変フライホイール1の切離について説明する。
制御手段15により、コントロールソレノイド70のコイル72が通電されると、第一のガイド鉄芯68に吸引力が発生し、その第一のガイド鉄芯68にセパレートプレート8の回動部65が引き寄せられる。具体的には、セパレートプレート8は、回動部65が円筒部11側に弾性的に屈曲し(撓み)、第一のガイド鉄芯68に吸着し保持され、セパレートプレート8の外周端部14が円筒部11の弁座47に着座する。これにより、連通路7(貯油部66)が閉塞される。
連通路7が閉塞されると、貯油部66から粘性流体クラッチ6にシリコンオイルが回らなくなりシリコンオイルの供給が途絶える。また、粘性流体クラッチ6のドリブンクラッチ部41とドライブクラッチ部51との間に残留するシリコンオイルが、クランクシャフト2の回転による遠心力で排出ポート67(図3参照)へと排出され、その排出ポート67を通り貯油部66に戻る。
これにより、ドリブンクラッチ部41およびドライブクラッチ部51の間にシリコンオイルが存在しなくなり、ドライブプレート5とドリブンプレート4との間でトルクが伝達されなくなり、粘性流体クラッチ6が切断される。その結果、ドリブンプレート4がクランクシャフト2から切り離され、クランクシャフト2に可変マス3の慣性力が作用しなくなる。
次に、制御手段15によるコントロールソレノイド70の通電および非通電制御(粘性流体クラッチ6の断接制御)について説明する。
本実施形態の制御手段15は、エンジンの始動に際して、クランキング時にセパレートプレート8により連通路7を閉塞して粘性流体クラッチ6を切断し、クランキング終了後に、連通路7を開放して粘性流体クラッチ6を締結する。
具体的には、車両のイグニッションスイッチ76がON側に操作されスターターによりクランクシャフト2が回転されるときに、そのイグニッションスイッチ76からのON信号が制御手段15に入力される。その制御手段15は、ON信号を検出してからエンジン回転数が所定のアイドル回転数までは、コントロールソレノイド70に通電して粘性流体クラッチ6を切断する。
これによりクランキングのスタート前に粘性流体クラッチ6に残留していたシリコンオイルが、クランキングに伴い貯油部66へと排出されて、粘性流体クラッチ6のトルク伝達力(クラッチ抵抗)が徐々に減少し、クランキング初期(クランクシャフト2の回転開始から数十回転程度)にて、粘性流体クラッチ6が実質的に切断された状態となる。
このように、クランクキング中は、可変フライホイール1がクランクシャフト2から切り離され、クランクシャフト2を回転駆動するスターターに作用する可変フライホイール1の負荷(慣性力)が僅かなものとなる。
このクランクキング中に燃料の噴射が開始され、その噴射された燃料の燃焼によりエンジン回転数が上昇する。そのエンジン回転数はエンジン回転数センサ75により検出されて、制御手段15に入力される。
制御手段15は、エンジン回転数が所定のアイドル回転数以上か否か判断し、アイドル回転数に達したときに、コントロールソレノイド70の通電を止めて粘性流体クラッチ6を締結する。
これにより、可変フライホイール1がクランクシャフト2に連結されて、一体的に回転し、可変フライホイール1の慣性力がクランクシャフト2に作用する。
このように、本実施形態によれば、大型の可変フライホイール1を構成した場合においてスターターによる始動時に可変マス3を切り離すことが可能となり、スターターの負担低減や大型化が必要なく、可変フライホイール1の大型化、大質量化を容易に図ることができる。
また、電磁弁10により連通路7を開閉するので、図5および図6の可変フライホイールとは異なり、クランクシャフト2の回転数(遠心力)に関係なく、所望のタイミングで粘性流体クラッチ6を断接することができる。また、電磁弁10を使用することから、エンジン始動時であっても、油圧作動弁などのように油圧の立ち上がりに影響されることがなく応答性がよい。
その他にも、粘性流体クラッチ6にクランクシャフト2の軸心側(内周側)からシリコンオイルをフィードするため、粘性流体クラッチ6のレスポンスがよい。
また、円板状のばねプレートからなるセパレートプレート8により連通路7を形成したので、大量のシリコンオイルを制御可能である。
すなわち、例えば、図7に示すように、ドライブプレート5に、閉弁状態のセパレートプレート8と同形状の円板プレート101を設け、その円板プレート101に弁102で開閉する連通孔103を形成することが考えられる。図7の円板プレート101では、粘性流体クラッチ6の締結時にシリコンオイルが連通孔103を通り供給される。
これに対して、本実施形態では、図1に示すように粘性流体クラッチ6の締結時に、シリコンオイルは、セパレートプレート8の外周端部14の全周に亘り形成された連通路7を通り供給されるので、図7に示すように連通孔103を通る場合に比べて一度に大量のシリコンオイルを供給できる。このように、大量のシリコンオイルを供給できることから、粘性流体クラッチ6を切断状態から締結状態へと切り替える際に、粘性流体クラッチ6の締結レスポンスを向上させることができる。
また、連通路7が粘性流体クラッチ6に向いて開口するので、遠心力により連通路7からのシリコンオイルを粘性流体クラッチ6へとほぼ真っ直ぐに流すことができ、これによっても粘性流体クラッチ6の締結レスポンスを向上させることができる。
本実施形態の可変フライホイール1は、フライホイールの締結レスポンスの向上を図ったものであり、エンジンスタート時(クランキング時)に粘性流体クラッチ6をOFF(軽量低負荷)、エンジンスタート直後(アイドル開始時)に粘性流体クラッチ6をONとする場合などの締結レスポンスを求められる場合において、有効に作動する。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
例えば、上述の実施形態では、セパレートプレート8をセパレートプレート8自身の弾性力により開弁側に付勢したが、これに限定されず、例えば、セパレートプレート8の回動部65とドライブプレート5の円板部63との間に、セパレートプレート8を開弁側(ドリブンプレート側)に付勢する付勢手段(バネなど)を設けてもよい。
また、粘性流体は、シリコンオイルに限定されず、他の様々なものを使用することができる。
図1は、本発明に係る一実施形態による可変フライホイールの断面図であり、連通路が開放された状態を示す。 図2は、本実施形態の可変フライホイールの断面図であり、連通路が閉塞された状態を示す。 図3は、本発明に係る一実施形態による可変フライホイールの断面図であり、排出ポート周りを示す。 図4は、本実施形態のクランクシャフトの概略断面図である。 図5は、従来の可変フライホイールの側面断面図である。 図6は、従来の可変フライホイールの正面および背面図である。 図7は、本実施形態の可変フライホイールの効果を説明するための比較例を示す図である。
符号の説明
1 可変フライホイール
2 クランクシャフト
3 重り部(可変マス)
4 ドリブンプレート
5 ドライブプレート
6 粘性流体クラッチ
7 流路(連通路)
8 弁体
9 電磁石
10 電磁弁
11 円筒部

Claims (2)

  1. エンジンのクランクシャフトに回転可能に取り付けられ重り部を有するドリブンプレートと、そのドリブンプレートと対向させて上記クランクシャフトに固定されたドライブプレートと、それらドライブプレートおよびドリブンプレートの間で高粘度の粘性流体を介してトルクを伝達する粘性流体クラッチとを備えた可変フライホイールにおいて、
    上記粘性流体クラッチに上記粘性流体を供給するための流路と、その流路を開閉する電磁弁とを備え、
    上記ドライブプレートは、上記ドリブンプレート側に突出し上記クランクシャフトと同芯的に形成された円筒部を有し、
    上記粘性流体クラッチは、上記円筒部のドリブンプレート側の端面と該端面に対向する上記ドリブンプレートの側面とに各々形成され、
    上記電磁弁は、上記クランクシャフトに同芯的な円板状に形成され、内周端部が上記ドライブプレートに固定され、外周端部が上記円筒部の上記端面まで延びると共に該端面と離間して上記端面との間に上記流路を形成する弁体と、その弁体を上記ドライブプレート側に屈曲変形させて該弁体の上記外周端部を上記円筒部に当接させるべく、上記弁体を吸引する電磁石とを有することを特徴とする可変フライホイール。
  2. 上記弁体を開閉すべく上記電磁石への通電および非通電を制御する制御手段を備え、
    上記制御手段は、上記エンジンの始動に際して、クランキング時に上記電磁石に通電し上記弁体により上記流路を閉塞して上記粘性流体クラッチを切断し、クランキング終了後に、上記電磁石への通電を停止し上記流路を開放して上記粘性流体クラッチを締結する請求項1記載の可変フライホイール。
JP2008078449A 2008-03-25 2008-03-25 可変フライホイール Expired - Fee Related JP5256814B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008078449A JP5256814B2 (ja) 2008-03-25 2008-03-25 可変フライホイール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008078449A JP5256814B2 (ja) 2008-03-25 2008-03-25 可変フライホイール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009228884A true JP2009228884A (ja) 2009-10-08
JP5256814B2 JP5256814B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=41244507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008078449A Expired - Fee Related JP5256814B2 (ja) 2008-03-25 2008-03-25 可変フライホイール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5256814B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104421356A (zh) * 2013-09-11 2015-03-18 现代自动车株式会社 可变通道型风扇离合器
JP2015529317A (ja) * 2012-09-22 2015-10-05 ホートン, インコーポレイテッド 調節可能ポンプ機構および/またはロータを通る戻し孔を備える粘性クラッチ

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002013556A (ja) * 2000-06-29 2002-01-18 Usui Internatl Ind Co Ltd 外部制御式ファン・カップリング装置
JP2004144143A (ja) * 2002-10-22 2004-05-20 Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd 外部制御式ファン・カップリング装置
JP2007120645A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Aisin Seiki Co Ltd 外部制御式流体継手
JP2007187280A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Toyota Motor Corp 内燃機関のフライホイール装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002013556A (ja) * 2000-06-29 2002-01-18 Usui Internatl Ind Co Ltd 外部制御式ファン・カップリング装置
JP2004144143A (ja) * 2002-10-22 2004-05-20 Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd 外部制御式ファン・カップリング装置
JP2007120645A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Aisin Seiki Co Ltd 外部制御式流体継手
JP2007187280A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Toyota Motor Corp 内燃機関のフライホイール装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015529317A (ja) * 2012-09-22 2015-10-05 ホートン, インコーポレイテッド 調節可能ポンプ機構および/またはロータを通る戻し孔を備える粘性クラッチ
US9618059B2 (en) 2012-09-22 2017-04-11 Horton, Inc. Viscous clutch with adjustable pump mechanism
US9624988B2 (en) 2012-09-22 2017-04-18 Horton, Inc. Viscous clutch with return bore through rotor
USRE48623E1 (en) 2012-09-22 2021-07-06 Horton, Inc. Viscous clutch with return bore through rotor
CN104421356A (zh) * 2013-09-11 2015-03-18 现代自动车株式会社 可变通道型风扇离合器

Also Published As

Publication number Publication date
JP5256814B2 (ja) 2013-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4839319B2 (ja) 内燃エンジンの冷却回路の再循環ポンプ作動装置
US10914347B2 (en) Clutch system
EP2049811B1 (en) Viscous fan drive systems having fill and scavenge control
JP7016805B6 (ja) 粘性式クラッチ用のモーニングシックネスバルブシステム
KR20100072362A (ko) 동력 전달 장치
JP2004114713A (ja) 車両用駆動装置
JP2009047272A (ja) ロックアップクラッチ付き流体伝動装置
JPH08277905A (ja) トルクコンバータ
CN111148923B (zh) 包括混合动力模块挡板叶片的混合动力机动车辆驱动机构
JP3815401B2 (ja) ハイブリッド車用の制御装置
JP2012052562A (ja) 駆動力伝達装置
EP2369195B1 (en) Water pump for vehicle
JP6020724B2 (ja) 車両用クラッチ油圧システム
JP4811443B2 (ja) 流体伝達装置
JP5256814B2 (ja) 可変フライホイール
JP4062485B2 (ja) マグネット式ファンクラッチ装置
US20140209180A1 (en) Viscous fan drive systems having fill and scavenge control
JP5502956B2 (ja) 駆動力伝達装置
JP5654374B2 (ja) オイルポンプの駆動制御装置
JP5397002B2 (ja) 可変フライホイールの制御装置
JP2006015997A (ja) ハイブリッド車両用駆動装置
EP1396662B1 (en) An integrated pulley-torsional damper assembly
JP2010091100A (ja) 流体伝達装置
EP4103859B1 (en) Pulley unit for a motor vehicle engine
JP5256809B2 (ja) フライホイール構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130326

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130408

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees