JP2009228080A - 耐溶融金属脆化割れ性に優れた高降伏比型Zn−Al−Mg系めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐溶融金属脆化割れ性に優れた高降伏比型Zn−Al−Mg系めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高降伏比型高強度溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板において、厳しい溶接条件であっても溶融金属脆化割れを安定して抑止できるものを提供する。
【解決手段】素地鋼板が、質量%でC:0.05〜0.25%、Si:1.5%以下、Mn:1〜2%、N:0.005%以下、B:0.0003〜0.01%、Cr:0.5〜2%、Ti:0.05〜0.2%、Nb:0.01〜0.2%、必要に応じてさらにV:1%以下、Mo:1%以下、Zr:1%以下の1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有し、フェライト相の平均結晶粒径が10μm以下、フェライト相中に分散していTi、Nbの析出物の平均粒子径が10nm以下、マトリクス中に析出物として存在するTiとNbの合計が0.05質量%以上であり、当該めっき鋼板の引張強さが590MPa以上、かつ降伏比が0.7以上であるZn−Al−Mg系めっき鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、厳しい溶接条件であっても溶融金属脆化割れを安定して抑止できる性質を備えた高降伏比型高強度溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板およびその製造方法に関する。
近年、自動車の構造部材等には、燃費や衝突安全性の向上のため、高強度鋼板が採用されるようになってきた。なかでもピラーやルーフレールなどの部材では、衝突時の乗員空間を確保する必要性から素材が高強度かつ高降伏比であることが望まれる。一方、自動車車体の高防錆化の観点から、上記の部材は耐食性に優れた鋼板で構成する必要がある。従来は溶融亜鉛めっき鋼板が主流であったが、より耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板の適用も検討されている。
自動車の構造部材等は、めっき鋼板を溶接して組み立てられる場合が多い。この場合、溶接時にめっき層が鋼素地の一部とともに溶融する。これまでの調査によれば、一般的な亜鉛めっき鋼板に比べ、Zn−Al−Mg系めっき鋼板を使用した場合には、溶接熱影響部(HAZ)に微細な粒界割れが生じやすいことが経験的にわかっている。この割れは、溶接時に材料の膨張・収縮に伴って生じる引張応力に起因するものであり、溶融金属脆化割れと呼ばれる現象の一種である。溶接時に溶融したZn−Al−Mg系めっきの成分が、亜鉛めっきの場合よりも溶融金属脆化割れの感受性を増大させているものと考えられる。
従来から、亜鉛系めっき鋼材を溶接により構造部材として組み立てた場合、熱影響部に粒界割れが発生することは知られていた。一例として、特許文献1を挙げることができる。しかし、この例は、まず鋼材そのものを溶接により構造部材として組み立て、その構造部材を溶融亜鉛浴(450℃前後)の中にどぶ漬けめっきした時に発生する割れである。一方、Zn−Al−Mg系めっき鋼板をアーク溶接、スポット溶接等の溶接に供する場合には、溶接時にめっき層が鋼素地とともに溶融し、その後の冷却過程において熱影響部(HAZ)に粒界割れが発生する。この割れ発生のメカニズムは、溶接後の部材を亜鉛系めっき浴にどぶ漬けするときの割れ発生メカニズムとは異なると考えられる。
Zn−Al−Mg系めっき鋼板の耐溶融金属脆化割れ性を改善するため、これまで種々の検討がなされてきた。特許文献2、3には、下地鋼の金属組織をフェライトと、ベイナイト、パーライトあるいはマルテンサイトとの混合組織とし、結晶粒界を複雑化することによって溶融金属の粒界への侵入を抑制する手法が開示されている。特許文献4には、Ti、Nb、V、Mo、Zr等を添加した鋼板素材を用い、ピンニング作用のあるこれらの元素の析出物を分散させて溶接時のオーステナイト域における結晶粒の成長を抑制するとともに、これらの元素が溶接後に粒界に偏析する作用を利用することにより割れの防止を図る手法が開示されている。特許文献5には、Cr、Cu、Ni等がSiとともに濃化した強固で薄い皮膜が形成された下地鋼を使用することにより、鋼材表面の結晶粒界に溶融めっき金属が侵入することを抑制する手法が開示されている。
特開平10−96021号公報 特開2004−315847号公報 特開2004−315848号公報 特開2006−97129号公報 特開2006−89787号公報
上記各特許文献2〜5の手法はいずれも、Zn−Al−Mg系めっき鋼板の耐溶融金属脆化割れ性の向上に有効である。しかし、本発明者らの更なる調査によれば、実際の溶接施工においては、溶接条件によって、これらの文献の手法を採用しても溶融金属脆化割れを食い止めることができない場合があることがわかった。
本発明は、高強度、高降伏比、および良好な耐食性を兼ね備えた高降伏比型高強度溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板において、厳しい溶接条件であっても溶融金属脆化割れを安定して抑止できるものを提供することを目的とする。
発明者らは研究の結果、高強度と高降伏比を同時に実現するためには、素地鋼板のフェライト平均粒径を10μm以下にすることにより高強度化した上で、フェライト粒中にTiとNbの炭化物を微細に析出させ、その炭化物によるピンニング効果を利用する手法が極めて有効であることを見出した。
一方、溶融亜鉛めっき鋼板の溶融金属脆化割れは、結晶粒界にFe原子間結合力を高めるCが多量に存在すると抑制されることが知られている。しかし、溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板は溶融亜鉛めっき鋼板よりも溶融金属脆化割れに対する感受性が高いので、この手法のみでは溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板の溶融金属脆化割れを抑制することは不可能である。そこで、発明者らは詳細な検討の結果、素地鋼板にTiとBを複合添加し、かつCrの含有量を一定以上に増量した鋼を採用することにより、厳しい溶接条件であっても溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板の溶融金属脆化割れを安定して抑止できることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明では、質量%でAl:3〜22%、Mg:1〜10%を含有し、さらにTi:0.1質量%以下、B:0.05質量%以下、Si:2%以下、Fe:2%以下の1種以上を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなる溶融めっきを施しためっき鋼板において、素地鋼板が、質量%でC:0.05〜0.25%、Si:1.5%以下、Mn:1.0〜2.0%、N:0.005%以下、B:0.0003〜0.01%、Cr:0.5〜2.0%、Ti:0.05〜0.2%、Nb:0.01〜0.2%、必要に応じてさらにV:1.0%以下好ましくは0.05〜1.0%、Mo:1.0%以下好ましくは0.05〜1.0%、Zr:1.0%以下好ましくは0.05〜1.0%の1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有し、素地鋼板におけるフェライト相の平均結晶粒径が10μm以下であり、フェライト相中に分散しているTi析出物とNb析出物の平均粒子径が10nm以下であり、素地鋼板のマトリクス中に析出物として存在するTiとNbの合計が0.05質量%以上であり、当該めっき鋼板の引張強さが590MPa以上、かつ降伏比が0.7以上である耐溶融金属脆化割れ性に優れたZn−Al−Mg系めっき鋼板が提供される。
また、本発明では上記の高降伏比かつ高強度である耐溶融金属脆化割れ性に優れたZn−Al−Mg系めっき鋼板の製造方法として、上記規定の組成を有する鋼スラブに対して、熱間圧延、冷間圧延、連続溶融めっきラインでの焼鈍および溶融Zn−Al−Mg系めっきを順次行う工程において、熱間圧延での巻取温度を570〜680℃とする製造方法が提供される。
本発明によれば、引張強さ590MPa以上かつ降伏比0.7以上の高強度溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板において、厳しい溶接条件であっても溶融金属脆化割れを安定して抑止できる性質を備えたものが提供可能になった。したがって本発明のめっき鋼板は、自動車の構造部材、特にピラーやルーフレール等の用途に好適である。
本発明では、めっき原板である素地鋼板として、C含有量が0.05〜0.25質量%であり、これにTi、BおよびCrを適量含有させた鋼を使用することにより、溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板の溶接時における溶融金属脆化割れを防止する。以下、鋼組成における「%」は特に断らない限り質量%を意味する。
〔素地鋼板の組成〕
Cは、素材鋼板の高強度化に必要不可欠な元素である。含有量が0.05%未満では、590MPa以上の引張強度を得るのが困難であり、0.25%を超える添加は溶接性や延性を低下させるため、C含有量は0.05〜0.25%の範囲とする。
Siも、素材鋼板の高強度化に有効な元素である。しかも、高強度化に有効な他の元素に比べ添加量を増やしても加工性を劣化させにくいため、高強度化にとって有用な元素である。しかし、過剰に添加すると、溶融めっきラインでの加熱時に鋼板表面に酸化物を形成し、めっき性を阻害するので、添加量の上限を1.5%とする。0.01〜0.5%とすることがより好ましい。
Mnは、オーステナイト相を安定化させるとともに、焼鈍温度からの冷却時にパーライトの生成を抑制する作用を有し、高強度化に必要なマルテンサイトの生成に寄与する。含有量が1%未満ではパーライトの生成を安定して抑制することが難しいが抑制できず、590MPa以上の高強度を得る上で不利となる。一方、2.0%を超えると鋼中のMn偏析が大きくなり、バンド状に生成するマルテンサイト量が増加し加し加工性が劣化する。このためMn含有量は1.0〜2.0%とする。ただし、MnはSiと同様にめっきラインで、加熱時に鋼板表面に酸化物を形成しめっき性を阻害しやすいので、1.8%以下とすることがより好ましい。
Tiは、窒素との親和性が高く、鋼中のNをTiNとして固定するため、Tiを添加することは耐溶融金属脆化割れ性を高めるB量を確保するうえで極めて有効である。また、Tiは熱間圧延時およびめっきラインでの加熱時に微細な炭化物を形成し高強度化および降伏比の上昇に寄与する。これらの作用を十分に得るためにTi含有量は0.05%以上 を確保する。ただし、過剰に添加してもその効果が飽和するだけでなく、加工性の低下を招くので、Ti添加量の上限は0.2%とする。
また、TiはCrの粒界偏析を促進させる作用があることがわかった。このため、後述のCrによる耐溶融金属脆化割れ性の改善効果を高める上でも有効である。
Nbは、本発明においてはTiと同様に熱間圧延時およびめっきラインでの加熱時に微細な炭化物を形成するので、高強度化および降伏比の上昇に有効である。この作用を十分に発揮させるために0.01質量%以上のNb含有量を確保する。ただし、過剰に添加してもその効果が飽和するだけでなく、加工性の低下を招くので、Nb添加量の上限は0.2%とする。
Nは、鋼中に固溶Nとして残存するとBNが生成し、耐溶融金属脆化割れ性を高めるB量が減少することにつながる。そこで、その含有量はできるだけ低いほうが好ましく、上限を0.005%とする。このNは、前述したTiによってBNとして固定される。
Bは、本発明の骨子となる元素の一つであり、溶融金属脆化割れの抑制に有効な元素である。その作用は、Bが結晶粒界に偏析して原子間結合力を高めることによると考えられ、後述のCrと複合添加することにより溶融金属脆化割れを抑制できる。SIMS(二次イオン質量分析)による分析では、本発明の対象鋼を高温のオーステナイト域に加熱すると、Bはオーステナイト粒界に顕著に偏析することが確認されている。このようなBによる粒界強化機能を発揮させるには、前述のように、Nの低減やTiによるNの固定によって、BN形成に伴うBの消費を抑制して有効B量を確保することが重要である。その上で、B含有量(トータル量)は0.0003%以上を確保する必要があり、0.001%以上とすることがより好ましい。ただし、過剰のB添加はホウ化物を生成し加工性劣化の原因となるのでB含有量(トータル量)は0.01%以下に制限される。
Crは、高温でのオーステナイト粒界に偏析することにより、溶融金属脆化割れの抑制に顕著に寄与することがわかった。また、Mnと同様に焼入れ性を高める元素であり、焼鈍温度からの冷却時にパーライトの生成を抑制することで、高強度化に必要なマルテンサイトの生成に寄与する。
特許文献5に示されるように、従来、Zn−Al−Mg系めっき鋼板の素地鋼板として、CrとBを含有するものも存在した。しかし、そのような従来鋼を用いた場合、実際の溶接施工で溶融金属脆化割れが生じた事例が見られた。発明者らは詳細な研究の結果、従来鋼よりもCr含有量レベルを高めること、および、Tiを添加することによって、上記の問題が解消できることを突き止めた。具体的には、TiおよびBの添加量については上述の通りであり、Crの添加量については0.5%以上とすることが極めて有効であることがわかった。このようにTi、Bの添加とCrの増量によって耐溶融金属脆化割れ性が顕著に改善されるメカニズムについては、現時点で明確にはなっていないが、一定量以上のBとCrが同時に高温のオーステナイト粒界に偏析することによって、BとCrの相乗効果によって従来鋼の場合よりも粒界エネルギーが低下し、粒界における原子間結合力が高められ、その結果、溶融金属脆化割れに対する抵抗力が顕著に増大したものと推察される。ただし、過剰にCrを含有させると鋼材の加工性が低下し、また靭性にも悪影響を及ぼすので、Cr含有量は2.0%以下の範囲に制限される。
V、Mo、Zrの各元素も、高温のオーステナイト粒界に偏析することにより溶融金属脆化割れを抑制する作用を有するので、必要に応じてこれらの1種以上を添加することができる。その効果はBおよびCrとの複合添加によって一層顕著になる。各元素の上記作用を十分に引き出すためには、Vは0.05%以上、Moは0.05%以上、Zrは0.05%以上の含有量を確保することが特に効果的である。ただし、これらの元素を過剰に添加しても溶融金属脆化割れの抑制効果は飽和し、鋼材の靭性や加工性の低下、製造コストの増大を招くので、これらの元素を添加する場合は、Nb:0.3%以下より好ましくは0.05%以下、V:1.0%以下より好ましくは0.2%以下、Mo:1.0%以下より好ましくは0.1%以下、Zr:1.0%以下より好ましくは0.1%以下の範囲で行う。
〔素地鋼板の組織〕
本発明に適用する素地鋼板の金属組織は、フェライト相を主相とするものである。マトリクスに占めるフェライト相の割合は60体積%以上であることが望ましい。マトリクスを構成する第2相の種類については特にこだわらなくてよい。第2相は例えばパーライト、ベイナイト、マルテンサイトの1種以上で構成される。フェライト相の量が多くなると強度が低下するようになるが、本発明では引張強さが590MPa以上、かつ降伏比が0.7以上となる特性を規定しており、それによって制限を受けるので、フェライト量の上限は特に規定する必要はない。一方、マトリクスに占める第2相の割合は5体積%以上であることが上記のような高強度特性を得る上で有利である。10体積%以上であることがより好ましい。
〔フェライト相の平均結晶粒径〕
高強度および高降伏比の特性を得るためには、フェライト相の結晶粒径が小さいことが有効である。種々検討の結果、その平均結晶粒径は10μm以下であることが望ましい。「熱間圧延→冷間圧延→焼鈍→めっき浴浸漬」のプロセスで製造する場合、熱間圧延での巻取温度、冷延率および焼鈍温度によってフェライト結晶粒径をコントロールすることができる。
〔Ti、Nbの析出物〕
TiとNbは、どちらも単独または複合で熱間圧延時に微細な炭化物を形成して析出し、その析出強化作用により、強度および降伏比が上昇する。種々検討の結果、フェライト相中に分散している析出物の平均粒子径が10nm以下であることが極めて有効である。本発明で対象とする素地鋼板においては、観察される析出物のほほとんどがTi、Nbの析出物である。Ti、Nbの析出物はTiまたはNbが検出される析出物である。これらは炭化物や窒化物が主体であり、炭素と窒素の両方が固定された析出物も見られる。これらをまとめて「炭窒化物」と呼ぶ。析出物の平均粒子径は、めっき鋼板の素地鋼板の部分から採取した試料について、フェライト相の部分を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、30個以上の析出物が含まれる一定領域内の個々の析出物の粒子径(長径)を測定し、その平均値を算出することによって求めることができる。観察される析出物がTi、Nbの析出物に該当するかどうかは、TEMに付属の分析手段(EDXなど)によって確認できる。
また、Ti、Nbの析出物は、粒子径とともに、マトリクス中における存在量が重要である。発明者らの検討によれば、引張強さ590MPa以上、かつ降伏比0.7以上の機械的特性を安定して得るためには、素地鋼板のマトリクス中に析出物として存在するTiとNbの合計が0.05質量%以上であることが極めて有効である。析出物中のTi、Nbの量は、後述のようにマトリクスを溶解させて得た残渣中のTiおよびNbを分析することによって求めることができる。
〔めっき鋼板の機械的特性〕
本発明のめっき鋼板は、引張強さが590MPa以上、かつ降伏比が0.7以上の特性を有する。引張強さは圧延方向に直角方向の引張試験を行って求めることができる。降伏比YRは、降伏強度YS(応力歪み曲線における降伏点での最大強度)と引張強さTSの比、YR=YS/TSで表される。めっき鋼板の状態で引張強さが590MPa以上、かつ降伏比が0.7以上の特性を有するものは、自動車構造部材、特にピラーやルーフレールなどの用途に適している。
〔熱間圧延での巻取温度〕
本発明に適用する素地鋼板は、一般的な鋼板製造ラインを用いて製造することができるが、熱間圧延での巻取温度は、析出物の量や粒子径に大きく影響する。素材鋼板中に所定量のTiやNbなどの炭窒化物形成元素が含まれていても、巻取温度が低いと炭窒化物は形成されないか、あるいは生成量が少なくなる。炭窒化物として存在するTiやNbの量を増加させるには、巻取温度を570℃以上とすることがきわめて効果的である。一方、フェライト結晶粒径や炭窒化物の粒子径は巻取温度が低いほど小さくなる。種々検討の結果、巻取温度は680℃以下とすることが望ましい。
〔焼鈍および冷却〕
めっき前に行われる最終焼鈍は、750〜950℃の範囲とすることが望ましい。焼鈍温度が低すぎるとセメンタイトが完全に固溶しにくい。またオーステナイトが生成せず、溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板となった状態での鋼板中のマルテンサイト量が、590MPa以上の引張強さを得るうえで不足する場合がある。焼鈍温度が高すぎると、SiやMnの酸化物が鋼板表面に生成しやすくなり、めっき性が劣化する。
また、焼鈍時の加熱温度からの冷却過程では、パーライト変態が生じない冷却速度で冷却することが望ましい。具体的には、加熱保持温度から少なくともAc1以下の温度域まで平均冷却速度を3℃/sec以上、好ましくは5℃/sec以上とすればよい。
〔溶融Zn−Al−Mg系めっき〕
本発明では、公知の溶融Zn−Al−Mg系めっきの手法を適用することができる。
めっき層中のAlは、めっき鋼板の耐食性を向上させる作用を有する。また、めっき浴中にAlを含有させることでMg酸化物系ドロス発生を抑制する作用もある。これらの作用を十分に得るには溶融めっきのAl含有量を3質量%以上とする必要があり、4質量%以上とすることがより好ましい。一方、Al含有量が22質量%を超えると、めっき層と素地鋼板との界面でFe−Al合金層の成長が著しくなり、めっき密着性が悪くなる。優れためっき密着性を確保するには15質量%以下のAl含有量とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましい。
めっき層中のMgは、めっき層表面に均一な腐食生成物を生成させて当該めっき鋼板の耐食性を著しく高める作用を呈する。その作用を十分に発揮させるには溶融めっきのMg含有量を1質量%以上とする必要があり、2質量%以上を確保することが望ましい。一方、Mg含有量が10質量%を超えると、Mg酸化物系ドロスが発生し易くなる弊害が大きくなる。より高品質のめっき層を得るには5質量%以下のMg含有量とすることが好ましく、4質量%以下とすることがより好ましい。
溶融めっき浴中にTi、Bを含有させると、溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板において斑点状の外観不良を与えるZn11Mg2相の生成・成長が抑制される。Ti、Bはそれぞれ単独で含有させてもZn11Mg2相の抑制効果は生じるが、製造条件の自由度を大幅に緩和させる上で、TiおよびBを複合で含有させることが望ましい。これらの効果を十分に得るには、溶融めっきのTi含有量は0.0005質量%以上、B含有量は0.0001質量%以上とすることが効果的である。ただし、Ti含有量が多くなりすぎると、めっき層中にTi−Al系の析出物が生成し、めっき層に「ブツ」と呼ばれる凹凸が生じて外観を損なうようになる。このため、めっき浴にTiを添加する場合は0.1質量%以下の含有量範囲とする必要があり、0.01質量%以下とすることが望ましい。また、B含有量が多くなりすぎると、めっき層中にAl−B系あるいはTi−B系の析出物が生成・粗大化し、やはり「ブツ」と呼ばれる凹凸が生じて外観を損なうようになる。このため、めっき浴にBを添加する場合は0.05質量%以下の含有量範囲とする必要があり、0.005質量%以下とすることが望ましい。
溶融めっき浴中にSiを含有させると、前記Fe−Al合金層の成長を抑制し、溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板の加工性を向上させる作用を有する。また、めっき層中のSiは、めっき層の黒変化を防止し、表面の光沢性を維持する上でも有効である。このようなSiの作用を十分に引き出すためには溶融めっきのSi含有量を0.005質量%以上とすることが効果的である。ただし、過剰にSiを添加すると溶融めっき浴中のドロス量が多くなるので、めっき浴にSiを含有させる場合は2.0質量%以下の含有量範囲とする。
溶融めっき浴中には、素地鋼板を浸漬・通板する関係上、一般にはFeの混入が避けられない。Zn−Al−Mg系めっきにおいて、Feは概ね2質量%程度まで含有が許容される。めっき浴中には、その他の元素として例えば、Ca、Sr、Na、希土類元素、Ni、Co、Sn、Cu、Cr、Mnの1種以上が含まれていても構わないが、それらの合計含有量は1質量%以下であることが望ましい。
めっき付着量は、鋼板片面あたり20〜300g/m2の範囲で調整することが望ましい。めっき付着量の制御は、一般的な亜鉛めっき鋼板の製造に準じてガスワイピングノズルを用いて行うことができる。ワイピングガスやめっき層凝固時の雰囲気ガスは空気(大気)とすることができる。すなわち空冷方式が採用できる。なお、めっき浴温が550℃を超えると、浴からの亜鉛の蒸発が顕著になるため、めっき欠陥が発生しやすく、かつ浴表面の酸化ドロス量が増大するので好ましくない。
表1に示す鋼を溶製し、そのスラブを1250℃に加熱したのち抽出して、仕上げ圧延温度880℃、巻取温度480〜700℃で熱間圧延し、板厚2.4mmの熱延鋼帯を得た。熱延鋼帯を酸洗したのち冷間圧延に供し板厚1.4mmの冷延鋼帯を得た。これらの冷延鋼帯について、連続溶融めっきラインにて水素−窒素混合ガス中850℃で焼鈍を行い、Ac1点未満の約420℃まで平均冷却速度5℃/secで冷却し、その後、鋼板表面が大気に触れない状態のまま下記の浴組成の溶融Zn−Al−Mg系めっき浴中に浸漬したのち引き上げ、ガスワイピング法(空気)にてめっき付着量を片面当たり約90g/m2に調整した溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板を得た。めっき浴温は約410℃であった。めっき層凝固時の冷却は空気冷却である。主な製造条件は表2中に示してある。なお、各素地鋼板のS含有量はいずれも0.03質量%以下である。
〔めっき浴組成〕
下記の「%」は質量%である。
Al:6%、Mg:3%、Ti:0.002%、B:0.0005%、Si:0.01%、Fe:0.1%、Zn:残部
Figure 2009228080
得られためっき鋼板からサンプルを切り出し、以下のようにして素地鋼板のフェライト量、フェライト平均結晶粒径(「フェライト粒径」という)、マトリクス中に析出物として存在するTiとNbの合計量(「析出Ti+Nb量」という)、フェライト相中に分散しているTi、Nbの析出物の平均粒子径(「析出物平均粒子径」という)を求めた。また、めっき鋼板の機械的特性を調べた。さらに溶融金属脆化に起因する溶接最大割れ長さを評価するためスポット溶接、アーク溶接による溶接試験を行った。
〔フェライト量〕
めっき鋼板の鋼素地部について圧延方向に垂直な断面(C断面)の金属組織観察を行い、画像解析によりフェライト量を求めた。本発明例のものはいずれもマトリクスに占めるフェライト相の量が60〜95体積%の範囲にあった。なお、本発明例のものはマトリクスを構成するフェライト相以外の相は、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトの1種以上からなることが別途観察により確かめられている。
〔フェライト粒径〕
めっき鋼板の鋼素地部について圧延方向に垂直な断面(C断面)の金属組織観察を行い、フェライト相の部分についてJIS G0551:2005に準拠した切断法により平均粒径を求めた。
〔析出Ti+Nb量〕
めっき鋼板から切り出したサンプルについて電解抽出残渣分析法により求めた。10%アセチルアセトン−1%塩化メチルアンモニウム−メタノール(10%AA系)溶液を用いて定電位で電解後、溶液を孔径0.05μmのフィルターでろ過した。個々の析出物粒子はナノ粒子であるが、凝集しているので上記のフィルターによってほぼ全量が残渣として回収されると考えてよい。得られた残渣を混酸で加熱分解し、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)を用いて各元素の析出量を算出し、その分析値に基づいて析出Ti+Nb量を算出した。
〔析出物平均粒子径〕
TEMを用いた前述の手法により求めた。
〔機械的特性〕
試験片の長手方向が圧延方向に対し直角になるように採取したJIS 5号試験片を用い、JIS Z2241に準拠して引張強さTS、降伏強度YS、全伸び(破断伸び)T.ELを求めた。そして、降伏強度と引張強さから降伏比YRを、YR=YS/TSにより求めた。
〔アーク溶接〕
めっき鋼板から100mm×75mmのサンプルを切り出し、これをアーク溶接による溶融金属脆化に起因する溶接最大割れ長さを評価するための試験片とした。
溶接試験は図1に示すような外観のボス溶接部材を作製する「ボス溶接」を行い、その溶接部断面を観察して割れの発生状況を調べる方法で行った。すなわち試験片3の板面中央部に直径20mm×長さ25mmの棒鋼からなるボス(突起)1を垂直に立て、このボス1を試験片3にアーク溶接にて接合した。溶接ワイヤは、YGW12を用い、溶接開始点からボスの周囲を1周して、溶接開始点を過ぎた後もさらにビードを重ねて少し溶接を進めたところで溶接終了とした。すなわち、溶接開始点と溶接終了点の間に溶接ビード6が重なるようにした。溶接条件は、溶接電流:217A、溶接電圧25V、溶接速度0.2m/min、シールドガス:CO2、シールドガス流量:20L/minとした。ボス1と試験片3と溶接ビード6からなる溶接後の部材をここでは「ボス溶接部材」と呼んでいる。
アーク溶接に際しては実験的に溶接割れを起こりやすくする目的で、図2に示すように試験片3を拘束した状態で行った。すなわち、試験片3を、120mm×95mm×板厚4mmの拘束板4(JISに規定されるSS400鋼材)の板面中央部に置き、予め試験片3の全周を拘束板4に溶接した。そして一体となった試験片3/拘束板4の接合体を水平な実験台5の上に2個のクランプ2によって固定し、この状態で上記のボス溶接を行った。本明細書ではこのような拘束状態で行うボス溶接を「拘束ボス溶接」と呼んでいる。この方法によれば、試験片3は拘束板4と全周溶接により一体となっていることから、ボス溶接時の入熱によって起こる膨張・収縮が拘束されるので、試験片3に作用する熱応力によってボス溶接時に溶接割れが生じやすくなり、溶接割れの明瞭な評価が可能になる。
拘束ボス溶接後に、ボス1の中心軸を通り、かつ前記の溶接ビードの重なり部分8を通る切断面9で、ボス1/試験片3/拘束板4の接合体を切断し、その切断面9について溶接ビード近傍の試験片3(すなわちめっき鋼板母材である素地鋼板)部分の金属組織を顕微鏡観察した。顕微鏡観察によって当該断面内の試験片3の部分に観測される割れについて、試験片3のボス溶接側の表面から割れの先端までの割れの長さを測定し、最も長い割れについての測定値を「最大割れ長さ」とした。溶接部の強度や疲労特性を考慮し、最大割れ長さが0.2mm以下のものを合格、それ以外のものを不合格とした。このような素地鋼板の割れは溶接熱影響部の旧オーステナイト粒界に沿って生じており、これは「溶融金属脆化割れ」であると判断される。
〔スポット溶接〕
また、スポット溶接による溶融金属脆化割れの試験を行った。得られためっき鋼板から同様に100mm×75mmのサンプルを切り出し、このサンプルを2枚重ね合わせ、これを試験片としてスポット溶接による溶融金属脆化に起因する溶接最大割れ長さを評価するための試験を行った。
スポット溶接は、先端径6mmのDR型電極を用い、加圧力3.2kNを加えた状態でチリが発生する溶接電流10kAを供給する条件で行った。そして、アーク溶接による試験と同様に、溶接部の断面の金属組織を観察して割れの長さを測定した。ここでも、最大割れ長さが0.2mm以下のものを合格、それ以外のものを不合格とした。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2009228080
本発明例のものはいずれも引張強さTSが590MPa以上、降伏比YRが0.7以上の性能を示した。
これに対し、比較例No.11は、素地鋼板のTi量、Nb量は適正であるもののC量が少ないために析出物の量も極めて少なく、十分な強度が得られなかった。No.12〜14は機械的特性は良好であったものの、素地鋼板のCr量が少ないため、アーク溶接、スポット溶接のいずれにおいても耐溶融金属脆化割れ性に劣った。No.15は素地鋼板がNbを含有しないため析出Ti+Nb量が不足し、降伏比に劣った。No.16は巻取温度が低すぎたので析出Ti+Nb量が少なく、降伏比が低かった。No.17は、巻取温度が高すぎたので、析出物は生成したが、析出物が成長してその平均粒子径が大きくなりすぎ、またフェライト結晶粒径も大きくなりすぎた。このため引張強さおよび降伏比ともに低かった。
ボス溶接部材の形状を模式的に示した図。 拘束ボス溶接を行う際の試験片の拘束方法を模式的に示した断面図。
符号の説明
1 ボス
2 クランプ
3 試験片
4 拘束板
5 実験台
6 溶接ビード
7 試験片全周溶接部の溶接ビード
8 溶接ビードの重なり部分
9 切断面

Claims (3)

  1. 質量%でAl:3〜22%、Mg:1〜10%を含有し、さらにTi:0.1質量%以下、B:0.05質量%以下、Si:2%以下、Fe:2%以下の1種以上を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなる溶融めっきを施しためっき鋼板において、素地鋼板が、質量%でC:0.05〜0.25%、Si:1.5%以下、Mn:1.0〜2.0%、N:0.005%以下、B:0.0003〜0.01%、Cr:0.5〜2.0%、Ti:0.05〜0.2%、Nb:0.01〜0.2%、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有し、素地鋼板におけるフェライト相の平均結晶粒径が10μm以下であり、フェライト相中に分散しているTi、Nbの析出物の平均粒子径が10nm以下であり、素地鋼板のマトリクス中に析出物として存在するTiとNbの合計が0.05質量%以上であり、当該めっき鋼板の引張強さが590MPa以上、かつ降伏比が0.7以上である耐溶融金属脆化割れ性に優れたZn−Al−Mg系めっき鋼板。
  2. 素地鋼板が、さらにV:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Zr:1.0%以下の1種以上を含有する組成を有する請求項1に記載の耐溶融金属脆化割れ性に優れたZn−Al−Mg系めっき鋼板。
  3. 熱間圧延、冷間圧延、連続溶融めっきラインでの焼鈍および溶融Zn−Al−Mg系めっきを順次行う工程において、熱間圧延での巻取温度を570〜680℃とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐溶融金属脆化割れ性に優れたZn−Al−Mg系めっき鋼板の製造方法。
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