JP2009227822A - インクジェット用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体のカール及びコックリングを抑制し、高い印字濃度を得ることができ、吐出安定性に優れ、かつUV照射による定着性乾燥性に優れた、高速印刷可能なインクジェット用インク組成物を提供する。
【解決手段】マイクロカプセル化顔料と、水と、浸透性溶剤と、紫外線硬化性樹脂エマルジョンと、を含むインクジェット用インク組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インク組成物に関する。
水系顔料インクは、インク中に揮発成分を含まず安全性や環境問題の観点から優れているが、上質紙や普通紙に印字した場合に滲みが発生し易く、また、印刷本紙に印字した場合に乾燥が不十分で高速印刷が困難であり、固形分濃度を増やせない、という問題がある。
具体的には、水系インクを、記録媒体に印字した場合に、水系インク中の水が記録媒体へ吸収されるため、記録紙の繊維が膨潤し記録媒体の印刷面の全面が変形するカール現象や、記録媒体が波打ち変形するコックリング現象が見られる。
水系紫外線硬化型インクの例としては、例えば、特許文献1(特開2007−182513)は、色材と、水と、活性エネルギー線反応性化合物と、特定式で表される化合物と、を含有するインクを開示している。
特開2007−182513号公報
しかしながら、従来提案されている水系紫外線硬化型インクについても、上質紙や普通紙に対して浸透し易いため、上記カールないしコックリングの問題が依然としてあり、高い印字濃度を得ることが困難である、という問題がある。さらに、ヘッドの目詰まり等の吐出安定性についての問題もある。
また、依然として、UV照射による硬化性(定着性)が十分でない、という問題がある。
本発明は、(1)マイクロカプセル化顔料と、水と、浸透性溶剤と、紫外線硬化性樹脂エマルジョンと、を含むインクジェット用インク組成物;
(2)前記紫外線硬化性樹脂エマルジョンは、光ラジカル重合性のポリウレタンアクリレートのエマルジョンである、前記(1)記載のインクジェット用インク組成物;
(3)前記浸透性溶剤は、アセチレングリコール、グリコールエーテル、1,2−アルカンジオールから選ばれる1種以上である、前記(1)又は(2)に記載のインクジェット用インク組成物;
(4)前記(1)〜(3)の何れかに記載のインクジェット用インク組成物を印刷メディアに印刷後紫外線を照射して印刷物を得るインクジェット印刷方法;
(5)前記(1)〜(3)の何れかに記載のインクジェット用インク組成物を印刷メディアに印刷後紫外線を照射して得た印刷物;
(6)前記印刷メディアが吸収性メディアである、前記(5)記載の印刷物;を提供する。
記録媒体のカール及びコックリングを抑制し、高い印字濃度を得ることができ、吐出安定性に優れ、かつUV照射による定着性乾燥性に優れた、高速印刷可能なインクジェット用インク組成物を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
本発明のインクジェット用インク組成物は、マイクロカプセル化顔料と、水と、浸透性溶剤と、紫外線硬化性樹脂エマルジョンと、を含む。
前記マイクロカプセル化顔料は、顔料粒子表面の全体が樹脂被膜で完全に覆われており、すなわち樹脂被膜に包み込まれて構成される。
前記マイクロカプセル化顔料を得る方法は、以下のとおりである。
有機相と水相の両方に壁形成素材を別々に存在せしめ、有機相と水相との界面で重合反応を進行させマイクロカプセルを形成せしめる界面重合法、有機相のみに壁を形成する素材を存在せしめてマイクロカプセルを形成せしめるIn−Situ重合法、マイクロカプセル化しようとする物質をあらかじめ高分子溶液に分散しておき、この溶液を希望する形に整えて高分子エ尾硬化することによって皮膜を形成する液中硬化皮膜法、マイクロカプセル化しようとする物質をあらかじめ高分子溶液に分散しておき、乳化剤及び/又は分散剤の存在のもと、この溶液に水を加えるか、または水にこの溶液を加えるかして転相現象を行わせることによって皮膜を形成する転相乳化法、ポリマーを水相に溶解させ、pH、温度、濃度などの変化により相分離させ、マイクロカプセルを形成せしめるコアセルベーション法があり、これら何れも使用することができる。
高分子を良溶媒に溶かした溶液の温度を下げたり、貧溶媒を加えたりすると、溶液から高分子の濃厚溶液の微小滴が分離してくる。これがコアセルベーションと呼ばれる現象で、一種の相分離である。この濃厚溶液の微小滴が芯物質粒子の表面に集まってカプセルの壁膜となる。このようなマイクロカプセル化法をコアセルベーション法と呼び、本発明においては、上記方法のうち、製造の容易さなどの理由から、界面沈積法に包含される転相乳化法、またはコアセルベーション法を応用するのが好ましい。
以下に、マイクロカプセル化顔料分散液を得る方法について具体的に述べる。即ち、本発明のマイクロカプセル化顔料分散液を得るには、顔料と親水性基を有する自己分散性の樹脂とを該樹脂の一部を溶解する有機溶剤を用いて分散せしめ、それに引き続いて該樹脂を水を主成分とする液に実質的に不溶化せしめることによって得ることができる。
前記顔料としては、インクジェット用水性顔料インクに通常用いられているものは特に制限無く用いることができ、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の有機顔料;カーボンブラック(例えば、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等)、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等の無機顔料;シリカ、炭酸カルシウム、タルク等の体質顔料等を用いることができる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー74、93、109、110、128、138、150、151、154、155、180、185;C.I.ピグメントレッド122、202、209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、60;C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、10(グリーンゴールド)、36、37;C.I.ピグメントブラウン3、5、25、26;C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、7、13、14、15、16、34、36、38等が挙げられる。
前記水(主溶媒としての水)としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
前記浸透性溶剤は、アセチレングリコール、グリコールエーテル、1,2−アルカンジオールから選ばれる1種以上であることが好ましい。特に、1,2−アルカンジオールを用いることが好ましい。1,2−アルカンジオールを用いることにより印刷本紙に印字したときに、他の浸透性溶剤を用いたときよりも印字物の凝集ムラを低減させることができる。特に1,2−ヘキサンジオールにおいてかかる効果は顕著である。
前記アセチレングリコールとして市販されている市販品を利用することも可能であり、具体例としては、サーフィノール104、82、465、485、104PG50及びTG(いずれも商品名、Air Products and Chemicals. Inc.より入手可能)、並びにオルフィンSTG及びオルフィンE1010(以上商品名、日信化学社製)、が挙げられる。
前記グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等が挙げられる。
前記1,2−アルカンジオールとしては、例えば、1,2−ペンタンジオール、及び1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの他に1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール等の直鎖炭化水素のジオール類を挙げることができ、これらから適宜選択して本発明のインク組成物に用いることができる。
水系インクを、記録媒体に印字した場合に、水系インク中の水が記録媒体へ吸収されるため、記録紙の繊維が膨潤し記録媒体の印刷面の全面が変形するカール現象や、記録媒体が波打ち変形するコックリング現象が見られる。カール及びコックリングの発生メカニズムは十分解明されていないが、次のように推測される。水系インク中の水が記録紙に浸透すると、記録紙のセルロース繊維間の水素結合が切れる。次に乾燥により水が除去されると、切れた水素結合は再結合するが、その時、最初に結合していた場所と同じ場所で結合が生じればよいが、異なる場所で結合が生じた場合、セルロース繊維の伸縮が発生し、それにより、カール及びコックリングが発生すると考えられる。これに対してインク組成物中に前記糖又は糖アルコールを含有させると、前記糖又は糖アルコールの水酸基がセルロースと結合しやすく、水がセルロース繊維と接触する量を低減させることができるのでカール及びコックリングを低減させることができると考える。
前記紫外線硬化性樹脂エマルジョンは、光ラジカル重合性のポリウレタンアクリレートのエマルジョンであることが好ましい。
「光ラジカル重合性」とは、紫外線を照射することで、光重合開始剤が活性なラジカルを生成し、紫外線硬化性樹脂をアタックすることで反応が進行することを意味する。反応は一般的に下記のように表される。
Figure 2009227822
前記インクジェット用インク組成物の使用例としては、インク組成物を記録媒体上に着弾させた後、紫外線を照射することによって記録を行う。こうすることで、紫外線硬化樹脂エマルジョンを含有していない水系インクと比べて、乾燥が速く、十分な印刷特性が瞬時に得られることから、高速印刷が可能となる。また一般的な紫外線硬化型インク組成物には、紫外線硬化型モノマーが用いられているが、紫外線硬化型モノマーは印刷本紙、上質紙、普通紙といった吸収性のあるメディアに対しては浸透してしまい、印字後、紫外線照射しても紙内部に未反応物が残存してしまう。紫外線硬化型モノマーは皮膚刺激性があり、未反応のままメディア中に残存した場合、印刷物の取り扱いにおいて安全性に問題が生じる。それに対し、モノマーよりも分子量の大きいオリゴマー、ポリマーであれば紙表面に紫外線硬化化合物を残すことができ、印字後、紫外線照射することで未反応物のない印字物を得ることができると考えられる。さらに紫外線硬化樹脂を水中にエマルジョン化することでより安全性の高いインク組成物が得られる。
前記ポリウレタンアクリレートは、ウレタン系モノマーとアクリレート系モノマーとの共重合体である。
前記ポリウレタンアクリレートは、一般的にポリイソシアネート成分とポリオール成分と水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とのウレタン化反応にて合成される。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートの水素化物、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートの多量体、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリイソシアネートフェニルチオホスフェート、リジンジイソシアネートメチルエステル、リジントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートの2量体、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、脂肪族又は脂環式ジヒドロキシ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、チオジグリコール、1,2−プロピレンオキシドから調整されるジグリコール又はポリグリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、及びテトラブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジ−、トリ−及びテトラへキシレンエーテルグリコール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、並びに以上の化合物と、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応生成物、又は芳香族ジオール、例えばp−キシレングリコール等が挙げられる。
前記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシブチルフタレート等が挙げられる。
前記紫外線硬化性樹脂エマルジョンは、前記ポリウレタンアクリレートを水中にエマルジョン化したものであり、自己乳化型エマルジョンである。市販品として、荒川化学社製のビームセットEM−90、ビームセットEM−92等がある。
本発明のインク組成物は、光重合開始剤を含む。
前記光重合開始剤の例としては、Irgacure 2959、754、500、127、184、369、379、1700、1800、1850、1870、819、Darocur 1173、TPO、(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の商品名で入手可能な光ラジカル重合開始剤が挙げられる。特に水系タイプのIrgacure 2959、754、500が好ましく用いられる。
前記インク組成物は、さらに湿潤剤を含んでいてもよい。本発明に用いられる湿潤剤としては、この種のインク組成物に用いられるものは特に制限無く使用できる。特に、インク組成物に保水性と湿潤性を付与する観点から、沸点が180℃以上、好ましくは200℃以上の高沸点湿潤剤を用いることが好ましい。高沸点湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。インク組成物に高沸点湿潤剤を添加することにより、開放状態(室温でインクが空気に触れている状態)で放置しても、流動性と再分散性とを長時間維持できるインクジェット用インクを得ることができる。さらに、このようなインク組成物は、インクジェットプリンタを用いての印字中もしくは印字中断後の再起動時に、インクジェットノズルの目詰まりが生じにくくなるため、インクジェットノズルからの高い吐出安定性を有するインク組成物が得られる。
また前記湿潤剤として糖又は糖アルコールを用いることで、印字した時のカール及びコックリングの発生を低減させることができる。
前記糖としては、例えば、単糖類 、二糖類 、オリゴ糖(三糖類 及び四糖類 を含む)及び多糖類 が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等が挙げられる。
前記糖アルコールとしては、例えば、トレイトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、リキシトール、ソルビトール(グルシトール)、マンニトール、イジトール、グリトール、タリトール、ガラクチトール、アリトール、アルトリトール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、ツラニトール等が好適である。
本発明のインク組成物は顔料と、水と、浸透性溶剤と、湿潤剤と、紫外線硬化性樹脂エマルジョンと、光重合開始剤と、を混合することによって得ることができる。一般的な紫外線硬化型インク組成物には、紫外線硬化型モノマーが用いられているが、紫外線硬化型モノマーは印刷本紙、上質紙、普通紙といった吸収性のあるメディアに対しては浸透してしまい、印字後、紫外線照射しても紙内部に未反応物が残存してしまう。紫外線硬化型モノマーは皮膚刺激性があり、未反応のままメディア中に残存した場合、印刷物の取り扱いにおいて安全性に問題が生じる。それに対し、モノマーよりも分子量の大きいオリゴマー、ポリマーであれば紙表面に紫外線硬化化合物を残すことができ、印字後、紫外線照射することで未反応物のない印字物を得ることができると考えられる。さらに紫外線硬化樹脂を水中にエマルジョン化することでより安全性の高いインク組成物が得られる。
水系インクを、記録媒体に印字した場合に、水系インク中の水が記録媒体へ吸収されるため、記録紙の繊維が膨潤し記録媒体の印刷面の全面が変形するカール現象や、記録媒体が波打ち変形するコックリング現象が見られる。カール及びコックリングの発生メカニズムは十分解明されていないが、次のように推測される。水系インク中の水が記録紙に浸透すると、記録紙のセルロース繊維間の水素結合が切れる。次に乾燥により水が除去されると、切れた水素結合は再結合するが、その時、最初に結合していた場所と同じ場所で結合が生じればよいが、異なる場所で結合が生じた場合、セルロース繊維の伸縮が発生し、それにより、カール及びコックリングが発生すると考えられる。これに対してインク組成物中に前記糖又は糖アルコールを含有させると、前記糖又は糖アルコールの水酸基がセルロースと結合しやすく、水がセルロース繊維と接触する量を低減させることができるのでカール及びコックリングを低減させることができると考える。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す配合にて、インク組成物を調製した。
(マイクロカプセル化顔料分散液の製法)
メチルエチルケトン25部、イソプロピルアルコール10部、純水55部、スチレン・アクリル酸系樹脂(分子量50000、酸価100)を混合攪拌することにより、樹脂分散液を得た。前記樹脂分散液50部にキナクリドン顔料5部をガラスビーズを用い、ビーズミルで分散させ、分散液Aを得た。前記分散液A50部に対して、純水40部を毎分5mlの速度で滴下し、分散液Bを得た。得られた分散液Bをロータリーエバポレータを用いてメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールを留去し、次に5μmのフィルターを用いて濾過して、マイクロカプセル化顔料分散液を得た。
Figure 2009227822
上記のようにして調製した実施例1及び参考例のインク組成物を、プリンターPXV630を用いて、印字モードを普通紙、色補正なしにして、文字とベタのパターンを印字した。
また、上記のようにして調製した実施例1、実施例2、比較例1、比較例2のインク組成物を、プリンターPXV630を用いて、印字モードを普通紙、色補正なしにして、メディアとしてOKトップコート+127.9g/m2を用い、文字とベタのパターンを印字した。
印字後UV照射(アイグラフィックス社製UV照射機ECS−151U)し、印字表面を指で擦り、膜の硬化性を評価した。
評価基準は以下のとおりとした。
○:文字部、ベタ部共に擦れ跡なし
△:ベタ部は擦れ跡あるが、文字部は擦れ跡なし
×:文字部、ベタ部共に擦れ跡あり
その結果を表2、表3に示す。
Figure 2009227822
Figure 2009227822
表2に示すように、参考例では、光重合開始剤ありのインク組成物で硬化したときと同等以上のUV積算照射量を照射しても、べとつきが見られたことから、実施例1のインク組成物はUV照射により硬化したことが確認された。
表3に示すように、実施例1、2のインク組成物は、硬化が可能であり定着性に優れるのに対して、比較例1、2のインク組成物は吐出不良により硬化実験はできなかった。

Claims (6)

  1. マイクロカプセル化顔料と、水と、浸透性溶剤と、紫外線硬化性樹脂エマルジョンと、を含むインクジェット用インク組成物。
  2. 前記紫外線硬化性樹脂エマルジョンは、光ラジカル重合性のポリウレタンアクリレートのエマルジョンである、請求項1記載のインクジェット用インク組成物。
  3. 前記浸透性溶剤は、アセチレングリコール、グリコールエーテル、1,2−アルカンジオールから選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載のインクジェット用インク組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット用インク組成物を印刷メディアに印刷後紫外線を照射して印刷物を得るインクジェット印刷方法。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット用インク組成物を印刷メディアに印刷後紫外線を照射して得た印刷物。
  6. 前記印刷メディアが吸収性メディアである、請求項5記載の印刷物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011218571A (ja) * 2010-04-05 2011-11-04 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2013018823A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 Seiko Epson Corp インクジェット用インク組成物
JP2013199602A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Seiko Epson Corp インクジェット用インク組成物及びインクジェット記録方法

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