JP2010229181A - インクジェット用インク組成物、印刷方法、及び印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】特に、印刷本紙、上質紙、普通紙等のいわゆる低吸収及び吸収性メディアに対する印刷に適した、十分な硬化性を有し且つ高速印刷が可能な紫外線硬化型のインクジェット用インク組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、色材と、水と、光重合性開始剤と、紫外線硬化性樹脂と、水溶性有機溶剤とを含み、前記水溶性有機溶剤が、3〜10員環の複素環式化合物であって環構造中に下記一般式で表される構造を含む複素環式化合物を含み、前記光重合性開始剤が、380nm未満の波長領域に吸収をもつ第一の光重合開始剤と、380nm以上の波長領域に吸収をもつ第二の光重合開始剤の少なくとも二種からなるインクジェット用インク組成物である。
【化1】
(式中、Rは水素原子またはアルキル基を示す。)
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、色材と、水と、光重合性開始剤と、紫外線硬化性樹脂と、水溶性有機溶剤とを含み、前記水溶性有機溶剤が、3〜10員環の複素環式化合物であって環構造中に下記一般式で表される構造を含む複素環式化合物を含み、前記光重合性開始剤が、380nm未満の波長領域に吸収をもつ第一の光重合開始剤と、380nm以上の波長領域に吸収をもつ第二の光重合開始剤の少なくとも二種からなるインクジェット用インク組成物である。
【化1】
(式中、Rは水素原子またはアルキル基を示す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、インクジェット用インク組成物、印刷方法、及び印刷物に関し、詳しくは、特に、印刷本紙、上質紙、普通紙等のいわゆる低吸収及び吸収性メディアに対して印刷するに際し、少ないUV照射エネルギー量であっても十分に硬化することができ、高速印刷が可能な紫外線硬化型のインクジェット用インク組成物、印刷方法、及び印刷物に関するものである。
従来から、インクジェット用のインクとして、例えば、水系顔料インク、油性インク、水系紫外線硬化型インク等が提案されている。
水系顔料インクは、インク中に揮発成分を含まず安全性や環境問題の観点から優れているが、上質紙や普通紙に印字した場合に滲みが発生し易く、また、印刷本紙に印字した場合に乾燥が不十分で高速印刷が困難である、という問題がある。また、油性インクは、上質紙、普通紙に対して浸透性が高いため滲みが発生し、高画質が得られない。
水系紫外線硬化型インクの例として、例えば、特許文献1(特開2007−182513)は、色材と、水と、活性エネルギー線反応性化合物と、特定式で表される化合物と、を含有するインクを開示している。
しかしながら、従来の水系紫外線硬化型インクは、紫外線の照射量に対する硬化性が未だ十分ではなく、この結果、インクが硬化する前にインクがメディアに浸透してしまい、印字濃度が不十分となってしまうという問題がある。
本発明は、特に、印刷本紙、上質紙、普通紙等のいわゆる低吸収及び吸収性メディアに対する印刷に適した、十分な硬化性を有し且つ高速印刷が可能な紫外線硬化型のインクジェット用インク組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、特に当該低吸収及び吸収性メディアに対して十分硬化し高速に印刷できる印刷方法及び十分硬化され高い印字濃度を有する印刷物を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、特に当該低吸収及び吸収性メディアに対して十分硬化し高速に印刷できる印刷方法及び十分硬化され高い印字濃度を有する印刷物を提供することを他の目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を行ったところ、色材と、水と、特定二種の光重合性開始剤と、特定の水溶性有機溶剤と、紫外線硬化性樹脂とを含むインクジェット用インク組成物が、前記目的を達成し得ることの知見を得た。本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、以下の発明を提供するものである。
1.色材と、水と、光重合性開始剤と、紫外線硬化性樹脂と、水溶性有機溶剤とを含み、
前記水溶性有機溶剤が、3〜10員環の複素環式化合物であって環構造中に下記一般式で表される構造を含む複素環式化合物を含み、
前記光重合性開始剤が、380nm未満の波長領域に吸収をもつ第一の光重合開始剤と、380nm以上の波長領域に吸収をもつ第二の光重合開始剤の少なくとも二種からなるインクジェット用インク組成物。
(式中、Rは水素原子またはアルキル基を示す。)
前記水溶性有機溶剤が、3〜10員環の複素環式化合物であって環構造中に下記一般式で表される構造を含む複素環式化合物を含み、
前記光重合性開始剤が、380nm未満の波長領域に吸収をもつ第一の光重合開始剤と、380nm以上の波長領域に吸収をもつ第二の光重合開始剤の少なくとも二種からなるインクジェット用インク組成物。
2.前記第一の光重合開始剤と前記第二の光重合開始剤との配合割合が重量比で、1:1〜3:1である、前記1記載のインクジェット用インク組成物。
3.前記複素環式化合物が、2−ピロリドンである、請求項1又は2記載のインクジェット用インク組成物。
4.前記1記載のインクジェット用インク組成物を印刷メディアに印刷後、紫外線を照射して印刷物を得る印刷方法。
5.前記1記載のインクジェット用インク組成物を印刷メディアに印刷後、紫外線を照射して得た印刷物。
本発明によれば、特に、印刷本紙、上質紙、普通紙等のいわゆる低吸収及び吸収性メディアに対する印刷に適した、十分な硬化性を有し且つ高速印刷が可能な紫外線硬化型のインクジェット用インク組成物が提供される。
また、本発明によれば、特に当該低吸収及び吸収性メディアに対して十分硬化し高速に印刷できる印刷方法及び十分硬化され高い印字濃度を有する印刷物が提供される。
また、本発明によれば、特に当該低吸収及び吸収性メディアに対して十分硬化し高速に印刷できる印刷方法及び十分硬化され高い印字濃度を有する印刷物が提供される。
本発明は、既述の通り、色材と、水と、光重合性開始剤と、紫外線硬化性樹脂と、水溶性有機溶剤とを含み、前記水溶性有機溶剤が、3〜10員環の複素環式化合物であって環構造中に下記一般式で表される構造を含む複素環式化合物を含み、前記光重合性開始剤が、380nm未満の波長領域に吸収をもつ第一の光重合開始剤と、380nm以上の波長領域に吸収をもつ第二の光重合開始剤の少なくとも二種からなるものである。
(式中、Rは水素原子またはアルキル基を示す。)
本発明のインクジェット用インク組成物は、かかる構成を備えることにより、特に、印刷本紙、上質紙、普通紙等のいわゆる低吸収及び吸収性メディアに対する印刷に適した、十分な硬化性を有し且つ高速印刷が可能なものとなる。
ここで、普通紙とは、表面を顔料などで塗工していない紙(非塗工紙)をいい、化学パルプの使用割合により、上級印刷用紙(100%、上質紙)、中級印刷用紙(40%から100%未満、中質紙および上更紙)、下級印刷用紙(40%未満、更紙)に分類される。辞書本文などに使われるインディア紙などの薄葉紙も含まれる。
印刷本紙とは、上級印刷用紙や中級印刷用紙を原紙とし、表面に塗料を塗布した印刷用紙(塗工紙)をいい、塗料の量などにより、アート紙・コート紙・軽量コート紙などに分類される。
上質紙とは、普通紙のうちの上級印刷用紙をいう。
印刷本紙とは、上級印刷用紙や中級印刷用紙を原紙とし、表面に塗料を塗布した印刷用紙(塗工紙)をいい、塗料の量などにより、アート紙・コート紙・軽量コート紙などに分類される。
上質紙とは、普通紙のうちの上級印刷用紙をいう。
本発明のインクジェット用インク組成物に用いられる色材としては、特に制限されず、インクジェット用インク組成物に通常用いられる顔料又は染料等を用いることができる。
前記顔料としては、インクジェット用水性顔料インクに通常用いられているものは特に制限無く用いることができ、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の有機顔料;カーボンブラック(例えば、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等)、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等の無機顔料;シリカ、炭酸カルシウム、タルク等の体質顔料等を用いることができる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー74、93、109、110、128、138、150、151、154、155、180、185;C.I.ピグメントレッド122、202、209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、60;C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、10(グリーンゴールド)、36、37;C.I.ピグメントブラウン3、5、25、26;C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、7、13、14、15、16、34、36、38等が挙げられる。
前記顔料は、分散剤により水に分散させて得られる顔料分散液として、あるいは顔料粒子表面に親水性基を化学反応を利用して導入した自己分散型の表面処理顔料を水に分散させて得られる顔料分散液としてインクに添加されることが好ましい。
前者の顔料分散液を調製するのに用いられる分散剤として、例えば高分子分散剤(にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、などのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サポニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びプロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸発酵体メチルセルロース.カルボキシルメチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール類、ポリピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−m−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩など)や界面活性剤(各種アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤など)を使用することができる。
前記染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建築染料、可溶性建築染料、反応分散染料、等が挙げられ、通常インクジェット記録に使用することができる。
色材の含有量は、インク組成物中、1〜10重量%が好ましく、2〜5重量%がより好ましい。
本発明のインクジェット用インク組成物に用いられる水(主溶媒としての水)としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。水は、通常インク組成物中、30〜60重量%の範囲で用いられる。
本発明のインクジェット用インクに用いられる光重合性開始剤は、380nm未満の波長領域に吸収をもつ第一の光重合開始剤と、380nm以上の波長領域に吸収をもつ第二の光重合開始剤の少なくとも二種からなる。このように吸収波長領域の異なる二種の光重合開始剤を用いることにより、紫外線照射ランプの紫外線領域のエネルギーを効果的に重合に寄与させることができ、紫外線の照射量に対する重合率を高めることができる。
第一の光重合開始剤と第二の光重合開始剤との配合割合は重量比で、1:1〜5:1であることが好ましく、1:1〜3:1であることがさらに好ましい。このような配合割合で両者を用いることにより、紫外線照射ランプの紫外線領域のエネルギーを効果的に重合に寄与させることができ、紫外線の照射量に対する重合率を高めることができる。
二種の光重合開始剤の含有量の合計は、インク組成物中、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましい。
第一の光重合開始剤及び第二の光重合開始剤の例は、それぞれの吸収波長領域の範囲にある限り特に制限されず、通常紫外線硬化型のインクジェット用インク組成物に用いられる光重合開始剤が挙げられる。低波長側に吸収をもつ第一の光重合開始剤としては、通常水溶性の光重合開始剤が用いられる。また、長波長側に吸収をもつ第二の光重合開始剤としては、通常油溶性の光重合開始剤が用いられる。具体的な第一又は第二の光重合開始剤としては、以下に例示するものからそれぞれの条件を満たすものが挙げられる。
具体的な光重合開始剤は、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Revue,93,435(1993).や、R.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A :Chemistry,73.81(1993).や、J.P.Faussier"Photoinitiated Polymerization−Theory and Applications":Rapra Review vol.9,Report,Rapra Technology(1998).や、M.Tsunooka et al.,Prog.Polym.Sci.,21,1(1996).に多く、記載されている。また、有機エレクトロニクス材料研究会編「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページに化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が多く、記載されている。さらには、F.D.Saeva,Topics in Current Chemistry,156,59(1990).、G.G.Maslak,Topics in Current Chemistry,168,1(1993).、H.B.Shuster et al,JACS,112,6329(1990).、I.D.F.Eaton et al,JACS,102,3298(1980).等に記載されているような、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、酸化的もしくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られている。
好ましい光重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(e)ケトオキシムエステル化合物、(f)ボレート化合物、(g)アジニウム化合物、(h)メタロセン化合物、(i)活性エステル化合物、(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。光重合開始剤がα−アミノケトン、α−ヒドロキシケトン、アシルフォスフィンオキサイドのいずれか1種以上から選択されるものが好ましい。
上記開始剤は、例えばVicure 10、30(Stauffer Chemical社製)、IRGACURE127、184、500、651、2959、907、369、379、754、1700、1800、1850、1870、819、1173、OXE01、Darocur 1173、TPO、ITX(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、Quantacure CTX(Aceto Chemical社製)、Kayacure DETX−S(日本化薬社製)、ESACURE KIP150(Lamberti社製)の商品名で入手可能な光ラジカル重合開始剤を使用することができる。
第一の光重合開始剤として、IRGACURE2959、第二の光重合開始剤として、DarocurTPO、IRGACURE819を用いるのが好ましい。
第一の光重合開始剤として、IRGACURE2959、第二の光重合開始剤として、DarocurTPO、IRGACURE819を用いるのが好ましい。
本発明のインクジェット用インク組成物に用いられる紫外線硬化性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、反応性ポリマー樹脂が好ましく、反応性ポリマー樹脂エマルジョンの形態で好ましく用いられる。かかる反応性ポリマー樹脂エマルジョンは、光ラジカル重合性のポリウレタンアクリレートのエマルジョンであることが好ましい。
「光ラジカル重合性」とは、紫外線を照射することで、光重合開始剤が活性なラジカルを生成し、紫外線硬化性樹脂をアタックすることで反応が進行することを意味する。反応は一般的に下記のように表される。
「光ラジカル重合性」とは、紫外線を照射することで、光重合開始剤が活性なラジカルを生成し、紫外線硬化性樹脂をアタックすることで反応が進行することを意味する。反応は一般的に下記のように表される。
前記インクジェット用インク組成物の使用例としては、インク組成物を記録媒体上に着弾させた後、紫外線を照射することによって記録を行う。こうすることで、紫外線硬化樹脂としてのエマルジョンを含有していない水系インクと比べて、乾燥が速く、十分な印刷特性が瞬時に得られることから、高速印刷が可能となる。また一般的な紫外線硬化型インク組成物には、紫外線硬化型モノマーが用いられているが、紫外線硬化型モノマーは印刷本紙、上質紙、普通紙といった吸収性のあるメディアに対しては浸透してしまい、印字後、紫外線照射しても紙内部に未反応物が残存してしまう。紫外線硬化型モノマーは皮膚刺激性があり、未反応のままメディア中に残存した場合、印刷物の取り扱いにおいて安全性に問題が生じる。それに対し、モノマーよりも分子量の大きいオリゴマー、ポリマーであれば紙表面に紫外線硬化化合物を残すことができ、印字後、紫外線照射することで未反応物のない印字物を得ることができると考えられる。さらに紫外線硬化樹脂を水中にエマルジョン化することでより安全性の高いインク組成物が得られる。
前記ポリウレタンアクリレートは、ウレタン系モノマーとアクリレート系モノマーとの共重合体である。前記ポリウレタンアクリレートは、一般的にポリイソシアネート成分とポリオール成分と水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とのウレタン化反応にて合成される。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートの水素化物、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートの多量体、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリイソシアネートフェニルチオホスフェート、リジンジイソシアネートメチルエステル、リジントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートの2量体、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、脂肪族又は脂環式ジヒドロキシ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、チオジグリコール、1,2−プロピレンオキシドから調整されるジグリコール又はポリグリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、及びテトラブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジ−、トリ−及びテトラへキシレンエーテルグリコール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、並びに以上の化合物と、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応生成物、又は芳香族ジオール、例えばp−キシレングリコール等が挙げられる。
前記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシブチルフタレート等が挙げられる。
前記反応性ポリマーエマルジョンは、前記ポリウレタンアクリレートを水中にエマルジョン化したものであり、自己乳化型エマルジョンである。市販品として、荒川化学社製のビームセットEM−90、ビームセットEM−92等がある。
紫外線硬化樹脂の含有量は紫外線硬化樹脂固形分濃度として、インク組成物中、10〜50重量%が好ましく、15〜40重量%がより好ましい。
本発明のインクジェット用インク組成物に用いられる水溶性有機溶剤は、3〜10員環の複素環式化合物であって環構造中に下記一般式で表される構造を含む複素環式化合物を含む。上述したように、低波長側に吸収をもつ第一の光重合開始剤としては、通常水溶性の光重合開始剤が用いられ、長波長側に吸収をもつ第二の光重合開始剤としては、通常油溶性の光重合開始剤が用いられる。この複素環式化合物は、このような水溶性の光重合開始剤および油溶性の光重合開始剤の双方を効果的に溶解させる水溶性有機溶剤として用いられる。
一般式中のRが示すアルキル基としては、炭素数が好ましくは1〜10であり、複素環の員数は好ましくは3〜6である。
該複素環式化合物の具体例としては、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−プロピル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−ペンチル−2−ピロリドン、1−ヘキシル−2−ピロリドン等が挙げられ、特に光重合開始剤の溶解性の点で2−ピロリドンが好ましい。
該複素環式化合物の具体例としては、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−プロピル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−ペンチル−2−ピロリドン、1−ヘキシル−2−ピロリドン等が挙げられ、特に光重合開始剤の溶解性の点で2−ピロリドンが好ましい。
前記複素環式化合物の含有量は、インク組成物中、3〜15重量%が好ましく、4〜10重量%がより好ましい。
本発明のインクジェット用インク組成物は、上記複素環式化合物以外を含めた他の水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。この水溶性有機溶剤には、いわゆる浸透性溶剤も含まれる。このような浸透性溶剤として、1,2−アルカンジオール、アセチレングリコール、グリコールエーテル等が挙げられる。浸透性溶剤を用いることにより印刷本紙や上質紙に印字したときに、他の浸透性溶剤を用いたときよりも印字物の凝集ムラを低減させることができる。特に1,2−ヘキサンジオールにおいてかかる効果は顕著である。
前記1,2−アルカンジオールとしては、例えば、1,2−ペンタンジオール、及び1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
前記アセチレングリコールとして市販されている市販品を利用することも可能であり、具体例としては、サーフィノール104、82、465、485、104PG50及びTG(いずれも商品名、Air Products and Chemicals. Inc.より入手可能)、並びにオルフィンSTG及びオルフィンE1010(以上商品名、日信化学社製)、が挙げられる。
前記グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等が挙げられる。
本発明のインクジェット用インク組成物は、さらに湿潤剤を含んでいてもよい。本発明に用いられる湿潤剤としては、この種のインク組成物に用いられるものは特に制限無く使用できる。特に、インク組成物に保水性と湿潤性を付与する観点から、沸点が180℃以上、好ましくは200℃以上の高沸点湿潤剤を用いることが好ましい。高沸点湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。インク組成物に高沸点湿潤剤を添加することにより、開放状態(室温でインクが空気に触れている状態)で放置しても、流動性と再分散性とを長時間維持できるインクジェット用インクを得ることができる。さらに、このようなインク組成物は、インクジェットプリンタを用いての印字中もしくは印字中断後の再起動時に、インクジェットノズルの目詰まりが生じにくくなるため、インクジェットノズルからの高い吐出安定性を有するインク組成物が得られる。
また前記湿潤剤として糖又は糖アルコールを用いることもできる。
前記糖としては、例えば、単糖類 、二糖類 、オリゴ糖(三糖類 及び四糖類 を含む)及び多糖類 が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等が挙げられる。
前記糖アルコールとしては、例えば、トレイトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、リキシトール、ソルビトール(グルシトール)、マンニトール、イジトール、グリトール、タリトール、ガラクチトール、アリトール、アルトリトール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、ツラニトール等が好適である。
前記糖としては、例えば、単糖類 、二糖類 、オリゴ糖(三糖類 及び四糖類 を含む)及び多糖類 が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等が挙げられる。
前記糖アルコールとしては、例えば、トレイトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、リキシトール、ソルビトール(グルシトール)、マンニトール、イジトール、グリトール、タリトール、ガラクチトール、アリトール、アルトリトール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、ツラニトール等が好適である。
湿潤剤の含有量は、インク組成物中、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
前記インク組成物は、粘度が3mPa・s以上、100mPa・s以下、であることが好ましい。
前記インク組成物は、表面張力が20mN/m以上、45mN/m以下、であることが好ましい。
前記インク組成物は、表面張力が20mN/m以上、45mN/m以下、であることが好ましい。
本発明は、前述したインクジェット用インク組成物を印刷メディアに印刷後、紫外線を照射して印刷物を得る印刷方法を提供することができる。本発明の印刷方法によれば、低吸収及び吸収性メディアに対して十分硬化し高速な印刷が可能となる。
本発明はまた、前述したインクジェット用インク組成物を印刷メディアに印刷後、紫外線を照射して得た印刷物を提供することができる。本発明の印刷物は、十分硬化され高い印字濃度を有する印刷画像を備えるものである。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。
(表面硬化性評価)
印刷メディア:PETフィルム上に、得られたインク組成物をバーコータNo.6で塗布後、アイグラフィックス社製ECS−151Uを用いてUV光を130mJ/cm2照射し、出てきた印刷物の表面を綿棒で擦って擦れ跡が発生するかどうかを確認し、次の基準に従って表面硬化性を評価した。併せて印刷物上のインク画像における重合率を求め、それらの結果を表2に示す。
評価基準; ○:擦れ跡なし ×:擦れ跡あり
印刷メディア:PETフィルム上に、得られたインク組成物をバーコータNo.6で塗布後、アイグラフィックス社製ECS−151Uを用いてUV光を130mJ/cm2照射し、出てきた印刷物の表面を綿棒で擦って擦れ跡が発生するかどうかを確認し、次の基準に従って表面硬化性を評価した。併せて印刷物上のインク画像における重合率を求め、それらの結果を表2に示す。
評価基準; ○:擦れ跡なし ×:擦れ跡あり
本発明は、特に、印刷本紙、上質紙、普通紙等のいわゆる低吸収及び吸収性メディアに対する印刷に適した、十分な硬化性を有し且つ高速印刷が可能な紫外線硬化型のインクジェット用インク組成物として、また特に当該低吸収及び吸収性メディアに対して十分硬化し高速に印刷できる印刷方法として、さらには十分硬化され高い印字濃度を有する印刷物として、産業上の利用可能性を有する。
Claims (5)
- 前記第一の光重合開始剤と前記第二の光重合開始剤との配合割合が重量比で、1:1〜3:1である、請求項1記載のインクジェット用インク組成物。
- 前記複素環式化合物が、2−ピロリドンである、請求項1又は2記載のインクジェット用インク組成物。
- 請求項1記載のインクジェット用インク組成物を印刷メディアに印刷後、紫外線を照射して印刷物を得る印刷方法。
- 請求項1記載のインクジェット用インク組成物を印刷メディアに印刷後、紫外線を照射して得た印刷物。
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---|---|---|---|
JP2009075233A JP2010229181A (ja) | 2009-03-25 | 2009-03-25 | インクジェット用インク組成物、印刷方法、及び印刷物 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013053173A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-21 | Fujifilm Corp | インク組成物、インクセット、及び画像形成方法 |
US9056999B2 (en) | 2013-05-24 | 2015-06-16 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Ultraviolet-curable aqueous ink, ink cartridge, recording apparatus and recording method |
JP2016175964A (ja) * | 2015-03-18 | 2016-10-06 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 重合促進剤、及びそれを用いた重合性組成物 |
WO2017188003A1 (ja) * | 2016-04-26 | 2017-11-02 | Dic株式会社 | 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクセット |
-
2009
- 2009-03-25 JP JP2009075233A patent/JP2010229181A/ja active Pending
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