JP2003268271A - インクジェット捺染用顔料インク - Google Patents

インクジェット捺染用顔料インク

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JP2003268271A
JP2003268271A JP2002070959A JP2002070959A JP2003268271A JP 2003268271 A JP2003268271 A JP 2003268271A JP 2002070959 A JP2002070959 A JP 2002070959A JP 2002070959 A JP2002070959 A JP 2002070959A JP 2003268271 A JP2003268271 A JP 2003268271A
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resin
colorant
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JP2002070959A
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English (en)
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Makoto Taniguchi
谷口  誠
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷安定性、吐出安定性、保存安定性、洗濯
堅牢性に優れたインクジェット捺染用顔料インクの提
供。 【解決手段】 着色剤と、水溶性有機溶剤と、ブロック
イソシアネート、水とを少なくとも含んでなるインクジ
ェット捺染用顔料インクあって、前記着色剤が、顔料を
樹脂により被覆してなるものであり、布帛上インクジェ
ット捺染後加熱処理することでブロックイソシアネート
が解裂、重合することでインクが強固な定着性を達成す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット捺
染用顔料インクおよび該インクを用いるインクジェット
捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット捺染は、インクの小滴を
飛翔させ、布帛に印刷し加熱或いは加熱蒸気にて処理し
定着させる印捺方法である。この方法は、スクリーン法
に代表される従来の印捺方式に比べ、多品種、小ロット
生産に優れる特徴を有する。又、安価な装置で高解像
度、高品位な画像を短期間で印捺できる特徴を有する。
【0003】インクジェット捺染に使用されるインク
は、水を主成分とし、これに着色成分および目詰まり防
止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一
般的である。インクジェット捺染インクの着色剤として
は、色剤の彩度の高さ、肌触りの良さ、洗濯堅牢性の良
さ、などの理由から染料が数多く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一方で染料は
印捺できる布帛が限られる事、耐光性に劣ることが指摘
されている。又印捺の際し布帛に前処理剤をパッディン
グしなければならない等の課題がある。
【0005】顔料は、染料に比べて多種の布帛に印捺可
能であり、耐光性にも優れている。また、布帛の織り具
合によっては前処理が不要である等の優れた面が認めら
れている。一方、分子レベルで布帛に定着する染料とは
異なり、洗濯時に顔料が剥がれ易い課題を有している。
【0006】顔料が水系に安定に分散するためには、顔
料の種類、粒径、用いる樹脂の種類、および分散手段等
を検討する必要があり、これまで多くの分散方法および
インクジェット用インクが提案されている。例えば、特
開平3−252467号公報では水、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、ε−カプロラクタム、および顔料からな
るインク組成物が提案されており、また特開平3−79
680号公報では水性媒体、スチレン−マレイン酸共重
合体、および銅フタロシアニン顔料を含有するインクが
提案されている。
【0007】またさらに、インクの浸透性を高くする、
また少ないインク量で大きな画素(例えばドット)を形
成する提案もなされている。しかし、顔料系インクにあ
っては、顔料およびその他の成分との関係で均染性が十
分付与されない場合や、均染剤が顔料の安定な分散性を
損なう場合があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、今般、樹脂
で被覆した顔料を着色剤とし、水性有機溶媒、ブロック
イソシアネートを組み合わせたインクが、印捺品位、吐
出安定性、保存安定性及び洗濯堅牢性に優れとの知見を
得た。また特定の均染剤を組み合わせることで、印捺品
位がさらに向上することの知見を得た。
【0009】従って、本発明は、印刷安定性、吐出安定
性、保存安定性及び洗濯堅牢性に優れたインクジェット
捺染用顔料インクの提供をその目的としている。
【0010】そして、本発明によるインク組成物は、着
色剤と、均染剤と、水溶性有機溶剤と、ブロックイソシ
アネートと水とを少なくとも含んでなるインクジェット
記録用インク組成物であって、前記着色剤が顔料を樹脂
により被覆してなるものであり、前記樹脂がアニオン性
基を含有してなる高分子である。また好適には均染剤と
して、インク組成物に対して0.1〜5重量%のアセチ
レングリコール化合物を含んでなり、水溶性有機溶媒と
して、インクに対して1〜15重量%の、アルキルの炭
素数が3以上である多価アルコールのアルキルエーテル
誘導体を少なくとも含んでなるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明によるインクは、インクジ
ェット捺染に用いられる。本発明によるインクは、基本
的に、着色剤と、水溶性有機溶剤とブロックイソシアネ
ートと、水とを少なくとも含んでなる。また適宜、均染
剤、アルキルの炭素数が3以上である多価アルコールの
アルキルエーテル誘導体等を含んでなる。
【0012】<着色剤>本発明によるインク組成物に用
いられる顔料は樹脂によって被覆したものである。本発
明にあっては、この樹脂はアニオン性基を含有してなる
高分子である。このような着色剤は、特開平9−151
342号、特開平10−140065号、特開平11−
209672号、特開平11−172180号、特開平
10−25440号、または特開平11−43636号
公報に記載されている
【0013】<顔料>本発明における着色剤として顔料
が用いられる。顔料としては、有機顔料およびカーボン
ブラックが挙げられる。有機顔料の具体例としては、キ
ナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキ
サジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミ
ジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系
顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケト
ピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン
系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、
ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、
アゾメチン系顔料またはアゾ系顔料などが挙げられる。
また、カーボンブラックは、中性、酸性、塩基性カーボ
ンのいずれであってもよい。本発明によるインク組成物
に用いられる顔料の具体例としては下記のものが挙げら
れる。
【0014】シアンインク組成物に使用される顔料とし
ては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:
3、15:4、15:34、16、22、60等;C.
I.バットブルー4、60等が挙げられ、好ましくは、
C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、および
60からなる群から選択される一種または二種以上の混
合物である。また、これらの顔料はシアンインク組成物
に対して0.5〜15重量%程度、好ましくは1〜8重
量%程度含有してなる。
【0015】マゼンタインク組成物に使用される顔料と
しては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48
(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、1
12、122、123、168、184、202等が挙
げられ、好ましくはC.I.ピグメントレッド122、
202、および209からなる群から選択される一種ま
たは二種以上の混合物である。また、これらの顔料はマ
ゼンタインク組成物に対して0.5〜15重量%程度、
好ましくは1〜8重量%程度含有してなる。
【0016】イエローインク組成物に使用される顔料と
しては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、1
2、13、14C、16、17、73、74、75、8
3、93、95、97、98、119、110、11
4、128、129、138、150、151、15
4、155、180、185、等が挙げられ、好ましく
はC.I.ピグメントイエロー74、109、110、
128、および138からなる群から選択される一種ま
たは二種以上の混合物である。また、これらの顔料はイ
エローインク組成物に対して0.5〜15重量%程度、
好ましくは1〜8重量%程度含有してなる。
【0017】オレンジインク組成物に使用される顔料と
しては、C.I.ピグメントオレンジ36もしくは43
またはこれらの混合物である。また、これらの顔料はオ
レンジインク組成物に対して0.5〜15重量%程度、
好ましくは1〜8重量%程度含有してなる。
【0018】グリーンインク組成物に使用される顔料と
しては、C.I.ピグメントグリーン7もしくは36ま
たはこれらの混合物である。また、これらの顔料はグリ
ーンインク組成物に対して0.5〜15重量%程度、好
ましくは1〜8重量%程度含有してなる。
【0019】ブラックインク組成物に使用される顔料と
しては、三菱化学製のNo.2300、900、MCF
88、No.33、No.40、No.45、No.5
2、MA7、MA8、MA100、No2200B等;
コロンビア社製のラヴェン5750、5250、500
0、3500、1255、700等;キャボット社製の
リガール400R、330R、660R、モグルL、モ
ナーチ700、800、880、900、1000、1
100、1300、1400等;デグッサ社製の カラ
ーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW
200、S150、S160、S170、プリテックス
35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、
4A、4等;が挙げられ、これらの一種または二種以上
の混合物として用いてよい。また、これらの顔料はブラ
ックインク組成物に対して0.5〜15重量%程度、好
ましくは1〜8重量%程度含有してなる。
【0020】また、本発明で用いる顔料は、最大粒子径
が300nm程度以下であり、好ましくは200nm程
度以下であり、かつの平均粒子径が10〜150nm程
度、好ましくは10〜100nm程度の範囲にあるもの
が好ましい。
【0021】本願発明による顔料は、後記の樹脂、必要
に応じて硬化剤または高分子化合物によって被覆される
ものであるが、その着色剤の最大粒子径は1、000n
m以下であることが好ましく、より好ましくは500n
m以下である。また、その着色剤の平均粒子径は300
nm以下であることが好ましく、より好ましくは250
nm以下である。本発明の好ましい態様によれば、着色
剤はその最大粒子径が1、000nm以下で、かつ平均
粒子径が300nm以下であるものが好ましい。
【0022】<樹脂>本発明にあっては、樹脂は顔料を
被覆して着色剤を形成させるものである。着色剤を構成
する樹脂は、水に対して自己分散能または溶解能を有
し、かつアニオン性基(酸性)を有する高分子の化合物
を用いる。この樹脂は、通常、数平均分子量が1、00
0〜100、000範囲程度のものが好ましく、3、0
00〜50、000範囲程度のものが特に好ましい。ま
た、この樹脂は有機溶剤に溶解して溶液となるものが好
ましい。樹脂の数平均分子量がこの範囲であることによ
り、着色剤における被覆膜として、またはインク組成物
における塗膜としての機能を十分に発揮することができ
る。
【0023】樹脂は、それ自体が自己分散能あるいは溶
解能を有するものであっても、またはその様な機能が付
加、導入されたものであってもよい。従って、例えば、
有機アミンやアルカリ金属を用いて中和することによ
り、カルボキシル基、スルホン酸基、またはホスホン酸
基等のアニオン性基を導入されてなる樹脂であってもよ
い。好ましくはカルボキシル基である。また、同種また
は異種の一または二以上のアニオン基が導入された樹脂
であってもよい。本発明にあっては、塩基をもって中和
されて、カルボキシル基が導入された樹脂が好ましくは
用いられる。
【0024】このように、本発明にあっては、樹脂は、
アルカリ金属や有機アミンの塩の形で使用されることが
好ましい。塩形態での樹脂を用いた場合、再分散性と信
頼性とに優れたインク組成物を提供することができる。
樹脂とアルカリ金属との塩の具体例としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウムの塩が、好ましくは水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカ
リ金属の塩、より好ましくは水酸化カリウムとの塩が挙
げられる。また樹脂の有機アミンの塩の具体例として
は、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールア
ミン、モルホリンの如き揮発性アミン化合物との塩;ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等の揮発しに
くい高沸点の有機アミン等の塩が挙げられる。
【0025】アニオン基を含有樹脂中のアニオン性基の
量は、酸価が30KOHmg/g程度以上、好ましくは
50〜250KOHmg/g程度範囲がより好ましい。
樹脂の酸価がこの様な範囲であることにより、着色剤に
おける塗膜化した顔料の貯蔵安定性が向上し、また記録
画像の耐水性が著しく向上するとの効果が可能となる。
【0026】本発明に用いられる樹脂の具体例として
は、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラール等のポリビニル系、アルキド樹
脂、フタル酸樹脂等のポリエステル系、メラミン樹脂、
メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド共縮合
樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂等のアミノ系の材料;熱可
塑性、熱硬化性あるいは変性のアクリル系、エポキシ
系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリアミド系、
不飽和ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系、
フッ素系高分子化合物、あるいはそれらの共重合体また
は混合物などのアニオン性基を有する材料などが挙げら
れる。
【0027】本発明における樹脂は、予め樹脂それ自体
に、グリシジル基、イソシアネート基、水酸基または
α、β−エチレン性不飽和二重結合(ビニル基)の如き
反応性活性基をペンダントさせたり、または反応性活性
基を有する架橋剤、例えば、メラミン樹脂、ウレタン樹
脂エポキシ樹脂、エチレン性不飽和モノマーやオリゴマ
ー等の光硬化剤等を混合して用いてもよい。この様な処
理を施した樹脂は、顔料の被覆壁の耐溶剤性や耐久性な
どの特性を一層向上させることができ、また、インク組
成物が記録媒体上に塗膜を形成した後の膜強度を高める
との利点を得る。
【0028】上記樹脂の中、アニオン性アクリル系樹脂
は、例えば、アニオン性基を有するアクリルモノマー
(以下、アニオン性基含有アクリルモノマーという)
と、更に必要に応じてこれらのモノマーと共重合し得る
他のモノマーを溶媒中で重合して得られる。アニオン性
基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシ
ル基、スルホン酸基、ホスホン基からなる群から選ばれ
る1個以上のアニオン性基を含するアクリルモノマーが
挙げられ、これらの中でもカルボキシル基を有するアク
リルモノマーが特に好ましい。
【0029】カルボキシキル基を有するアクリルモノマ
ーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプ
ロピルアクリル酸、イタコン酸、フマール酸等が挙げら
れる。これらの中でもアクリル酸またはメタクリル酸が
好ましい。
【0030】スルホン酸基を有するアクリルモノマーの
具体例としては、スルホエチルメタクリレート、ブチル
アクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。
【0031】ホスホン基を有するアクリルモノマーの具
体例としては、ホスホエチルメタクリレート等が挙げら
れる。
【0032】アニオン性基含有アクリルモノマーと共重
合し得る他のモノマーの具体例としては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、ア
クリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、ア
クリル酸−t−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ラウリル、
アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−
n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル
酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル
酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−n−オクチ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ベンジル等のよ
うな(メタ)アクリル酸エステル;ステアリン酸とグリ
シジルメタクリレートの付加反応物等のような油脂肪酸
とオキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステル
モノマーとの付加反応物;炭素原子数3以上のアルキル
基を含むオキシラン化合物と(メタ)アクリル酸との付
加反応物;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン等のようなスチレン系モ
ノマー;イタコン酸ベンジル等のようなイタコン酸エス
テル;マレイン酸ジメチル等のようなマレイン酸エステ
ル;フマール酸ジメチル等のようなフマール酸エステ
ル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニ
ル、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸アミノプロピ
ル、アクリル酸メチルアミノエチル、アクリル酸メチル
アミノプロピル、アクリル酸エチルアミノエチル、アク
リル酸エチルアミノプロピル、アクリル酸アミノエチル
アミド、アクリル酸アミノプロピルアミド、アクリル酸
メチルアミノエチルアミド、アクリル酸メチルアミノプ
ロピルアミド、アクリル酸エチルアミノエチルアミド、
アクリル酸エチルアミノプロピルアミド、メタクリル酸
アミド、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミ
ノプロピル、メタクリル酸メチルアミノエチル、メタク
リル酸メチルアミノプロピル、メタクリル酸エチルアミ
ノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタク
リル酸アミノエチルアミド、メタクリル酸アミノプロピ
ルアミド、メタクリル酸メチルアミノエチルアミド、メ
タクリル酸メチルアミノプロピルアミド、メタクリル酸
エチルアミノエチルアミド、メタクリル酸エチルアミノ
プロピルアミド、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリ
ル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロ
キシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタク
リル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒ
ドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド、ア
リルアルコール等が挙げられる。
【0033】架橋性官能基を有するモノマーとしては、
下記のものが挙げられる。
【0034】ブロックイソシアネート基を有する重合性
モノマーは、2−メタクリロイルオキシエチルイソシア
ネートなどのイソシアネート基を有する重合性モノマー
に公知のブロック剤を付加反応させることによって容易
に製造することができる。あるいは、上述した水酸基お
よびカルボキシル基を有するビニル系共重合体に、イソ
シアネート基とブロックイソシアネート基とを有する化
合物を付加反応することによって容易に製造することが
できる。イソシアネート基とブロックイソシアネート基
とを有する化合物は、ジイソシアネート化合物と公知の
ブロック剤とをモル比で約1:1の割合で付加反応させ
ることによって容易に得ることができる。
【0035】エポキシ基を有するモノマーとしては、例
えば、グリシジル(メタ)アクリレート、脂環式エポキ
シ基を有する(メタ)アクリレートモノマーなどが挙げ
られる。
【0036】1、3−ジオキソラン−2−オン−4−イ
ル基を有するモノマーとしては、例えば、1、3−ジオ
キソラン−2−オン−4−イルメチル(メタ)アクリレ
ート、1、3−ジオキソラン−2−オン−4−イルメチ
ルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0037】重合開始剤としては、例えば、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシ
ド、クメンパーヒドロキシド、アセチルパーオキシド、
ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の
ような過酸化物;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビ
ス−2、4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロ
ヘキサンカルボニトリル等のようなアゾ化合物などが挙
げられる。
【0038】アニオン性基含有アクリルモノマーと、更
に必要に応じて、これらのモノマーと共重合し得る他の
モノマーを重合する際に使用する溶媒としては、例え
ば、ヘキサン、ミネラルスピリット等のような脂肪族炭
化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等のよう
な芳香族炭化水素系溶剤;酢酸ブチル等のようなエステ
ル系溶剤;メチルエチルケトン、イソブチルメチルケト
ン等のようなケトン系溶剤;メタノール、エタノール、
ブタノール、イソプロピルアルコール等のようなアルコ
ール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、N−メチルピロリドン、ピリジン等のような非プ
ロトン性極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は2
種以上を併用して用いることもできる。
【0039】<硬化剤または高分子化合物>本発明にあ
っては、着色剤は、硬化剤および/または高分子化合物
をさらに含んでなるものが好ましい。より好ましくは、
着色剤は硬化剤および/または高分子化合物とで顔料を
さらに被覆化してなるものが好ましい。硬化剤または高
分子化合物は、着色剤の被覆壁を硬化し、また、インク
組成物に使用した場合の塗膜強度を高める働きをする。
【0040】本発明おける硬化剤の具体例としては、メ
ラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂等のアミ
ノ樹脂、トリメチロールフェノール、その縮合物等のフ
ェノール樹脂、テトラメチレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、ナフタレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、それ
らの変性イソシアネートやブロックドイソシアネート等
のポリイソシアネート、脂肪族アミン、芳香族アミン、
N−メチルピペラジン、トリエタノールアミン、モルホ
リン、ジアルキルアミノエタノール、ベンジルジメチル
アミン等のアミン類、ポリカルボン酸、無水フタル酸、
無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロ
メリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エ
チレングリコールビストリメリテート等の酸無水物、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、フェノール系エポキシ
樹脂、グリシジルメタクリレート共重合体、カルボン酸
のグリシジルエステル樹脂、脂環式エポキシ等のエポキ
シ化合物、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエング
リコール、ポリカプロラクトンポリオール、トリスヒド
ロキシエチルイソシアネート等のアルコール類、ペルオ
キシドによるラジカル硬化あるいはUV硬化や電子線硬
化に用いる不飽和基含有化合物としてのポリビニル化合
物、ポリアリル化合物、グリコールやポリオールとアク
リル酸またはメタクリル酸の反応物等のビニル化合物等
が挙げられる。
【0041】更に必要であれば、光開始剤、重合開始剤
あるいは触媒を添加し、硬化の促進を図るのがより好ま
しい。光開始剤としては、ベンゾイン類、アントラキノ
ン類、ベンゾフェノン類、含イオウ化合物類やジメチル
ベンジルケタール等が挙げられるが、これらに限定され
る物ではない。重合開始剤としては、例えば、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシ
ド、クメンパーヒドロキシド、アセチルパーオキシド、
ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の
ような過酸化物;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビ
ス−2、4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロ
ヘキサンカルボニトリル等のようなアゾ化合物などが挙
げられる。触媒としては、例えば、Co化合物、Pb化
合物などが挙げられる。
【0042】本発明における高分子化合物は、数平均分
子量1、000以上のものであれば、特に制限なく使用
することができるが、インク組成物の膜強度の面、顔料
の被膜の製造面から、数平均分子量が3、000〜10
0、000の範囲のものが好ましい。
【0043】高分子化合物の種類は特に限定されない
が、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアル
コール、ポリビニルブチラール等のポリビニル系、アル
キド樹脂、フタル酸樹脂等のポリエステル系、メラミン
樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド
共縮合樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂等のアミノ系、熱可
塑性、熱硬化性あるいは変性のアクリル系、エポキシ
系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリアミド系、
不飽和ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系、
フッ素系等の高分子化合物、あるいはそれらの共重合体
または混合物などが挙げられる。
【0044】<ブロックイソシアネート>本発明のイン
クはブロックイソシアネートを含んでなる。ブロックイ
ソシアネートとは常温にてイソシアネート基がマスクさ
れた状態にあり、昇温に伴いマスクが外れイソシアネー
トとしての反応性を示す物質を意味する。従ってブロッ
クイソシアネートはその分子構造中にマスク部とイソシ
アネート反応部とに大別できる。
【0045】ブロックイソシアネートは、例えば2−メ
タクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシ
アネート基を有する重合性モノマーに公知のブロック剤
を付加反応させることによって容易に製造することがで
きる。あるいは、水酸基およびカルボキシル基を有する
ビニル系共重合体に、イソシアネート基とブロックイソ
シアネート基とを有する化合物を付加反応することによ
って容易に製造することができる。
【0046】このイソシアネート部はイソシアネート基
を有しておれば特に限定されない。これらの例を示せ
ば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,
4(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネー
ト、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチルジフェニル4,4’-ジイソシ
アネート、ジアニシジンジシソシアネート、m−キシレ
ンジイソシアネート、トリメチルキシレンジイソシアネ
ート、イソフォロンジイソシアネート、1,5−ナフタ
レンジイソシアネート、t−1,4−シクロヘキシルジ
イソシアネート、リシンジイソシアネート、ジメチルト
リフェニルメタンテトライソシアネート、トリフェニル
メタントリイソシアネート、トリ(イソシアネートフェ
ニルチオフォスフェート等がある。また、これらのイソ
シアネートをウレタン変性、アフロネート変性、ビウレ
ット変性、イソシアヌレート変性、プレポリマー化した
ものでも良い。
【0047】本発明におけるブロックイソシアネートの
添加量は特に制限は無いが、0.1〜7重量%が好まし
い。本発明に使用するブロックイソシアネートは例え
ば、第一工業製薬株式会社よりエラストロンBNシリー
ズ、エラストロンシリーズ、スーパーフレックスRシリ
ーズとして市販されている。又、ブロックイソシアネー
トはインク中、分散或いは乳化状態になっている事が良
く、より好ましくは自己乳化を有する事である。このよ
うな状態で有ればインクを比較的低粘度で設計する事が
出来るため、インクを低温度下でも安定的に吐出させ易
くなる。またヘッドメニスカス部分の乾燥起因によるヘ
ッド目詰まりが少なくなる。インク中の分散顔料の安定
性を保つため、ブロックイソシアネートのイオン性はノ
ニオン、アニオンが好ましい。顔料、ブロックイソシア
ネートをインク中安定に保つ好ましいpHは3.0〜1
0・0より好ましくは6.5〜8.5である。
【0048】<キレート剤>本発明のによれば、インク
成分としてキレート剤を添加する事が好ましい。インク
中に多価金属イオンが存在すると吐出目詰まりを起こす
事がある。例えば、インク中に不純物としてカルシウム
イオンが存在すると、ヘッドノズル先端部分でインクが
空気中に存在する微量の炭酸ガスと反応し、炭酸カルシ
ウムを生成する。炭酸カルシウムはノズル内部に付着し
易いため、吐出曲り或いは吐出詰まりの原因となる。キ
レート剤は多価金属イオンをトラップするため、このよ
うな目詰まりを防止する効果がある。好ましいキレート
剤としては、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩
がある。
【0049】<その他の成分>本発明による着色剤は、
基本的には、上記した成分によって構成されるが、必要
に応じてその他の成分を含んでもよい。その他の成分と
しては、着色剤中に含まれるものとして、チタン、アル
ミのような無機物質、顔料誘導体、顔料分散剤、顔料湿
潤剤、有機溶剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
あるいはインク組成物用の賦形剤等が挙げられる。
【0050】<着色剤の製造>着色剤は、上記した成分
を用いて、従来の物理的、化学的方法によって製造する
ことができる。本発明の好ましい態様によれば、特開平
9−1513142号、特開平10−140065号、
特開平11−209672号、特開平11−17218
0号、特開平10−25440号、または特開平11−
43636号に開示されている方法によって製造するこ
とができる。これら公開公報に開示されている製造方法
について、以下に概説する。
【0051】特開平9−1513142号および特開平
10−140065号には、「転相法」と「酸析法」と
が開示されている。
【0052】<「転相法」>本発明において、「転相
法」とは、基本的には、自己分散能または溶解能を有す
る樹脂と顔料との混合溶融物を水に分散させる、自己分
散(転相乳化)化方法をいう。また、この混合溶融物に
は、前記した硬化剤または高分子化合物を含んでなるも
のであってもよい。ここで、混合溶融物とは、溶解せず
混合した状態、また溶解して混合した状態、またはこれ
ら両者の状態のいずれの状態をも含むものをいう。
【0053】<「酸析法」>本発明において、「酸析
法」とは、樹脂と顔料とからなる含水ケーキを用意し、
その含水ケーキ中の、樹脂が含有してなるアニオン性基
の一部または全部を塩基性化合物を用いて中和すること
によって、着色剤を製造する方法をいう。
【0054】「酸析法」は具体的には、(1)樹脂と顔
料とをアルカリ性水性媒体中に分散し、また、必要に応
じて加熱処理を行なって樹脂のゲル化を図る工程、
(2)pHを中性または酸性にすることによって樹脂を
疎水化して、樹脂を顔料に強く固着する工程と、(3)
必要に応じて、濾過および水洗を行なって、含水ケーキ
を得る工程と、(4)含水ケーキを中の、樹脂が含有し
てなるアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物を
用いて中和し、その後、水性媒体中に再分散する工程
と、(5)必要に応じて加熱処理を行ない樹脂のゲル化
を図る工程とを含んでなるものである。
【0055】上記の、「転相法」および「酸析法」のよ
り具体的な製造方法は、特開平9−1513142号、
特開平10−140065号に開示されているものと同
様であってよい。
【0056】特開平11−209672号公報および特
開平11−172180号には、着色剤の製造方法が開
示されている。この製法の概要は、基本的には次の製造
工程からなる。 (1)アニオン性基を有する樹脂またはそれを有機溶剤
に溶解した溶液と塩基性化合物とを混合して中和するこ
とと、(2)この混合液に顔料を混合して懸濁液とした
後に、分散機等で顔料を分散して顔料分散液を得ること
と、(3)必要に応じて、溶剤を蒸留して除くことと、
(4)酸性化合物を加えてアニオン性基を有する樹脂を
析出させることによって、顔料をアニオン性基を有する
樹脂で被覆することと、(5)必要に応じて、濾過およ
び水洗を行うことと、(6)塩基性化合物を加えてアニ
オン性基を有する樹脂のアニオン性基を中和して、水性
媒体中に分散させて水性分散体を得ることとを含んでな
るものである。なお、より具体的な製造方法は特開平1
1−2096722号公報および特開平11−1721
80号に開示されているものと同様であってよい。
【0057】<均染剤>更に、本発明によるインク組成
物は、均染性向上剤としてアセチレングリコール化合物
を含んでなる。特に好ましくは2、4、7、9−テトラ
メチル−5−デシン−4、7−ジオール、3、6−ジメ
チル−4−オクチン−3、6−ジオール、3、5−ジメ
チル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられる。上記
の式(I)で表されるアセチレングリコール系界面活性
剤として市販品を利用することも可能であり、その具体
例としてはサーフィノール82、104、440、46
5、485、またはTG(いずれもAir Products and
Chemicals.Inc.より入手可能)、オルフィンSTG、
オルフィンE1010(以上 日信化学社製 商品名)
が挙げられる。
【0058】このアセチレングリコール化合物の添加量
は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して0.1
〜5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.5〜3
重量%程度である。本発明の均染性向上剤を添加するこ
とで、あらゆる布帛に均染性を得ることが出来る。
【0059】<多価アルコールのアルキルエーテル誘導
体>本発明によるインク組成物は、水性有機溶媒とし
て、アルキルの炭素数は3以上が好ましいである、多価
アルコールのアルキルエーテル誘導体を少なくとも含ん
でなる。
【0060】アルキルの炭素数が3以上である、多価ア
ルコールのアルキルエーテル誘導体の好ましい具体例と
しては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレ
ングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチ
レングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチ
レングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレング
リコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブ
タノール、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエー
テル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテ
ル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエー
テル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエ
ーテル等が挙げられる。
【0061】この多価アルコールのアルキルエーテル類
の添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対し
て1〜15重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜
10重量%程度である。またこの多価アルコールはイン
ク吐出量をコントロールする効果がある。ピエゾヘッド
の場合、添加量を増やすことで、吐出量を減らす事がで
きる。各々のピエゾヘッドの最適吐出量を多価アルコー
ルで制御する事で安定的な吐出が確保できる。
【0062】<水、水溶性有機溶媒、およびその他の任
意の成分>本発明におけるインク組成物は、水性溶媒と
して水と水溶性有機溶媒からなるものを用いるのが好ま
しい。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸
留水等の純水、または超純水を用いることができる。ま
た、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌
した水を用いることにより、インク組成物を長期保存す
る場合にカビやバクテリアの発生を防止することができ
るので好適である。
【0063】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記した水溶性有機溶媒の中でも、沸点が180℃以上の
水溶性有機溶媒の利用が好ましい。沸点が180℃以上
の水溶性有機溶媒の使用はインク組成物の保水と湿潤性
をもたらす。この結果、インク組成物を長期間保管して
も顔料の凝集や粘度の上昇がなく、優れた保存安定性を
実現できる。さらに、開放状態(室温で空気に触れてい
る状態)で放置しても流動性と再分散性を長時間維持す
るインク組成物が実現できる。さらに、印刷中もしくは
印刷中断後の再起動時にノズルの目詰まりが生じること
もなく、高い吐出安定性が得られる。
【0064】沸点が180℃以上の水溶性有機溶媒の具
体例としては、エチレングリコール(沸点:197℃;
以下括弧内は沸点を示す)、プロピレングリコール(1
87℃)、ジエチレングリコール(245℃)、ペンタ
メチレングリコール(242℃)、トリメチレングリコ
ール(214℃)、2−ブテン−1、4−ジオール(2
35℃)、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール(2
43℃)、2−メチル−2、4ーペンタンジオール(1
97℃)、1−メチル−2−ピロリドン(202℃)、
1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(257〜2
60℃)、2−ピロリドン(245℃)、グリセリン
(290℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル(243℃)、ジプロピレングリコールモノエチ
ルグリコール(198℃)、ジプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル(190℃)、ジプロピレングリコー
ル(232℃)、トリエチレングリコルモノメチルエー
テル(249℃)、テトラエチレングリコール(327
℃)、トリエチレングリコール(288℃)、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル(230℃)、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル(202℃)、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル(194℃)が挙
げられる。これらは単独または二種以上の混合物として
使用されてよい。本発明にあっては、上記の中でも沸点
が200℃以上であるものがより好ましい。
【0065】これら水溶性有機溶媒の含有量は好ましく
は10〜40重量%程度であり、より好ましくは10〜
20重量%である。
【0066】本発明の好ましい態様によれば、本発明に
よるインク組成物は、糖、三級アミン、または水酸化ア
ルカリを含んでなることができる。糖および三級アミン
の添加は湿潤性をもたらす。
【0067】糖の具体例としては、単糖類、二糖類、オ
リゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類が
挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルク
トース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラク
トース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、
マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、
トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。
ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α
−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存
在する物質を含む意味に用いることとする。また、これ
らの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元、酸化
糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、
チオ糖などが挙げられる。特に糖アルコールが好まし
く、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙
げられる。これら糖類の添加量は0.1〜40重量%程
度が好ましく、より好ましくは1〜30重量%程度であ
る。
【0068】三級アミンの具体例としては、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジ
メチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、
トリイソプロペノールアミン、ブチルジエタノールアミ
ン等が挙げられる。これらは単独または二種以上の混合
物として使用されてよい。これら三級アミンのインク組
成物への添加量は、0.1〜10重量%程度が好まし
く、より好ましくは、0.5〜5重量%である。
【0069】水酸化アルカリの具体例としては、水酸化
カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムであり、
その添加量は0.01〜5重量%程度が好ましく、より
好ましくは0.05〜3重量%程度である。
【0070】これらのアルカリ剤によりpHを調整する
事で本発明で用いる顔料、ブロックイソシアネートをイ
ンク中安定に保つ事ができる。
【0071】本発明によるインク組成物は、さらにノズ
ルの目詰まり防止剤、防腐剤、酸化防止剤、導電率調整
剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸
収剤などを添加することができる。
【0072】防腐剤・防かび剤の例としては、安息香酸
ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−
ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビ
ン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1、2−ジ
ベンジソチアゾリン−3−オン(アビシア社のプロキセ
ルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロ
キセルXL−2、プロキセルTN)などがあげれる。
【0073】さらに、pH調整剤、溶解助剤、または酸
化防止剤の例としては、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどの
アミン類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化
アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチ
ルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あ
るいはN−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、
テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチル
アロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメ
チルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレ
ット類など、L−アスコルビン酸およびその塩を挙げる
ことができる。本発明によるインク組成物は、その表面
張力が20〜40mN/m程度の範囲、好ましくは15
〜30mN/m程度の範囲であるのが好ましい。
【0074】<プリントヘッド>本発明のインクはどの
ようなインクジェットヘッドでも吐出可能であるが、ピ
エゾタイプヘッドで吐出する事が好ましい。インク中存
在するブロックイソシアネートは熱解裂し重合反応を進
行させる。サーマルヘッドを長時間使用した場合、予期
せぬ重合が起こり、ヘッド寿命を短くしてしまう事があ
る。ピエゾ型ではこのような課題は無く、長時間安定的
に吐出することが可能である。
【0075】<インクジェット印捺方法>本インクは各
種の天然繊維、人造繊維、合成繊維及び無機繊維に至る
あらゆる布帛に印捺、定着することができる。また、こ
れらの混紡にも適応可能である。特に水酸基を有する布
帛はインク中のブロックイソシアネートと化学反応し定
着するため、極めて良好な定着性を有する。また布帛に
このような反応基を有さなくとも、熱定着時にブロック
イソシアネートが解裂する際に布帛に接着し、良好な定
着性を示す。具体的な繊維としては、綿、麻、羊毛、
絹、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、ポリノジ
ック、ジアセテート、トリアセテート、ビニロン、ナイ
ロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ア
クリル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリクラー
ル、ベンゾエート、プロミックス、エスタミド、ポリエ
チレン、カチオン可染ポリエステル、硝子繊維等があ
る。
【0076】本発明のインクジェット印捺に用いる布帛
は予め加熱する事ができる。高温に保持された布帛にイ
ンクジェット印捺する事で、より鮮明な印捺を確保でき
る。特に細線を表現する際には有効である。
【0077】又、本発明のインクジェット印捺では予め
前処理した布帛を用いる事ができる。特に前処理剤の構
成成分として、イソシアネート反応触媒を含むことで、
インク定着を速やかに行い、定着工程時間を短縮するこ
とができる。また、この前処理布を予め加熱し、印捺す
れは、印捺と定着を同時に行う事が可能となる。また、
インク滲みが少なく細線の表現力が極めて優れた印捺物
を得ることが出来る。本発明に用いる反応触媒はイソシ
アネート基の共鳴安定構造に対し、求核或いは求電子と
して働けば特に制限は無いが、好適にはモノアミン、シ
クロモノアミン、ジアミン、エーテルジアミン、トリア
ミン、ポリアミン、第3級アミン、水酸基含有アミン等
の弱酸塩などのアミン系塩基物質、有機錫などの有機金
属化合物が好適に用いられる。また有機金属化合物とし
てはスタンナスオクテート、スタンナスオレート、ジブ
チル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレート、ポタジュ
ームアセテート、重炭酸ソーダ、カルシウムカーボネー
ト等が用いられる。また本発明の前処理剤中には上記の
触媒を固着する為に糊剤を含むこともできる。これらの
材料はインクジェットインクの前処理剤で公知の材料で
よく、例えばアルギンサンソーダ、グアガム、カルボキ
シルメチルセルトース、でんぷん糊等がある。本発明の
前処理布はこれらの糊剤と触媒を水中の溶解、分散させ
た後、布帛へ塗布或いはパッディング、乾燥する事で得
られる。
【0078】<インク組成物の製造方法>本発明による
インク組成物は、前記成分を適当な方法で分散、混合す
ることによって製造することができる。好ましくは、ま
ず樹脂と必要に応じて硬化剤または高分子化合物とを高
分子分散剤とを分散させた分散樹脂溶液を調整する。調
整した分散樹脂溶液と顔料とを適当な分散機で混合し、
均一な着色剤を調製して、次いで、水、水溶性有機溶
媒、糖、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等を加えて充分
溶解させてインク溶液を調製する。分散機は、ボールミ
ル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテー
タミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホ
モジナイザー、ジェットミル、オングミル等が用いられ
る。充分に攪拌、分散した後に、目詰まりの原因となる
粗大粒子および異物を除去するためにろ過を行って目的
のインク組成物を得る。
【0079】<定着>布帛上にインクジェット印捺され
た本インクは加熱処理することで定着される。加熱方法
は乾熱処理、ホットプレス、シリンダー処理が好適であ
る。加熱温度、時間は布帛の耐熱性を鑑みて行われる
が、ブロックイソシアネートの解離温度以上が必要であ
る。通常乾熱処理では100℃〜220℃、1〜20
分、好適には140℃〜200℃、1〜10分である。
またホットプレス、シリンダーでは150〜250℃、
20秒〜3分、好適には190℃〜220℃、30秒〜
1.5分である。
【0080】
【実施例】以下の実施例により本発明の内容を明確に説
明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるも
のではない。
【0081】<分散樹脂の合成> <分散樹脂溶液1>ビーカーに、下記組成で示した成分
の全量が500gになるように混合し、さらに重合開始
剤としてtert−ブチルパーオキシオクトエートを4
g添加して、樹脂合成混合液を得た。
【0082】次に、メチルエチルケトン500gを1l
フラスコに入れて、窒素雰囲気下で撹拌しながら75℃
まで昇温させた。75℃、攪拌状態で上記樹脂合成混合
液を3時間にわたって滴下した。さらに75℃、攪拌状
態で8時間反応を続けた。その後、反応合成物を25℃
まで自然冷却した後、固形分が50%になるようにメチ
ルエチルケトンを加えて希釈した。酸価(KOH)13
0、平均分子量15000の分散樹脂溶液1を得た。 n−ブチルメタクリレート 40重量% n−ブチルアクリレート 5重量% スチレン 20重量% 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15重量% メタクリル酸 20重量%
【0083】<分散樹脂溶液2>成分が下記組成で示さ
れたものであり、重合開始剤としてのtert−ブチル
パーオキシオクトエートが5gである以外は、上記分散
樹脂溶液1と同一の合成によって、酸価(KOH)7
0、平均分子量13000の分散樹脂溶液2を得た。 n−ブチルメタクリレート 70重量% n−ブチルアクリレート 5重量% 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15重量% メタクリル酸 10重量%
【0084】<着色剤の調整> <着色剤1>下記に示した、組成を用いて着色剤を調整
した。まず、顔料と上記で合成した分散樹脂溶液とを混
合し、サンドミル(安川製作所製)中で、ガラスビーズ
(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とと
もに2時間分散させた。その後ガラスビーズを取り除
き、他の成分を加え常温で20分間撹拌した後に、5μ
mのメンブランフィルターでろ過した。
【0085】得られたろ物を80℃、常圧下で溶剤を蒸
留した。さらに、撹拌しながら1規定の塩酸溶液を滴下
して、樹脂層を凝結した。これを水洗しながら吸引ろ過
し顔料の含水ケーキを得た。この含水ケーキを撹拌しな
がら、5%の水酸化カリウム水溶液を滴下し、液性をp
H9±0.5に調整して、さらに固形分が20%になる
ように超純水を加え、着色剤1を得た。 顔料(1) 15重量% 5%水酸化カリウム水溶液 4重量% 分散樹脂溶液1 10重量% 超純水 残量 なお、顔料(1)は下記で調整するインク組成物A〜D
で用いた顔料である。そして、調整した着色剤はそれぞ
れ着色剤1−A〜1−Dとする。
【0086】<着色剤2>成分が下記組成で示されたも
のである以外は、上記着色剤1と同一の調整によって、
着色剤2を得た。 顔料(2) 20重量% 5%水酸化カリウム水溶液 5重量% 分散樹脂溶液2 20重量% 超純水 残量 なお、顔料(2)は下記で調整するインクE〜Hで用い
た顔料である。そして、調整した着色剤はそれぞれ着色
剤2−E〜2−Hとする。
【0087】<インクの調整> <マゼンタインクA>下記に示した組成中、着色剤1−
A以外の溶剤を撹拌して混合溶液を用意した。次いで、
着色剤1−Aを攪拌しながら、この中に上記混合溶液を
滴下して「マゼンタインクA」を得た。
【0088】 <インクA> 着色剤1−A 20 重量% (顔料:C.I.ピグメントレッド 122) ブロックイソシアネート エラストランBN77 5 重量% グリセリン 10 重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8 重量% サーフィノール465 0.9 重量% トリエタノールアミン 0.7 重量% エチレングリコール 5 重量% 2−ピロリドン 3 重量% EDTA-2Na 0.05重量% 超純水 残量
【0089】<イエローインクB>下記に示した組成
中、着色剤1−B以外の溶剤を撹拌して混合溶液を用意
した。次いで、着色剤1−Bを攪拌しながら、この中に
上記混合溶液を滴下して「イエローインクインクB」を
得た。
【0090】 <インクB> 着色剤1−B 25 重量% (顔料:C.I.ピグメントイエロー128) ブロックイソシアネート エラストランBN04 2 重量% グリセリン 10 重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5 重量% サーフィノール465 1 重量% トリエタノールアミン 0.7 重量% エチレングリコール 8 重量% 2−ピロリドン 4 重量% EDTA-2Na 0.05重量% 超純水 残量
【0091】<シアンインクC>下記に示した組成中、
着色剤1−C以外の溶剤を撹拌して混合溶液を用意し
た。次いで、着色剤1−Cを撹拌しながら、この中に上
記混合溶液を滴下して「シアンインクインクC」を得
た。
【0092】 <インクC> 着色剤1−C 14 重量% (顔料:C.I.ピグメントブルー15:3) ブロックイソシアネート エラストランBN27 7 重量% グリセリン 9 重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5 重量% サーフィノール465 1 重量% トリエタノールアミン 0.7 重量% エチレングリコール 8 重量% 2−ピロリドン 4 重量% EDTA-2Na 0.05重量% 超純水 残量
【0093】<ブラックインクD>下記に示した組成
中、着色剤1−D以外の溶剤を撹拌して混合溶液を用意
した。次いで、着色剤1−Dを撹拌しながら、この中に
上記混合溶液を滴下して「ブラックインクD」を得た。
【0094】 <インクD> 着色剤1−D 15 重量% (顔料:カーボンブラック) ブロックイソシアネート エラストランBN31 1 重量% グリセリン 10 重量% ジエチレングリコール 4 重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5 重量% オルフィンSTG 1 重量% トリエタノールアミン 0.7 重量% エチレングリコール 5 重量% 2−ピロリドン 5 重量% EDTA-2Na 0.05重量% 超純水 残量
【0095】<マゼンタインクE>下記に示した組成
中、着色剤2−E以外の溶剤を撹拌して混合溶液を用意
した。次いで、着色剤2−Eを撹拌しながら、この中に
上記混合溶液を滴下して「マゼンタインクE」を得た。
【0096】 <インクE> 着色剤2−E 25 重量% (顔料:C.I.ピグメントレッド 122) ブロックイソシアネート エラストランBN77 5 重量% グリセリン 16 重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 6 重量% サーフィノール465 1.0 重量% トリエタノールアミン 0.9 重量% 2−ピロリドン 3 重量% EDTA-2Na 0.05重量% 超純水 残量
【0097】<イエローインクF>下記に示した組成
中、着色剤2−F以外の溶剤を撹拌して混合溶液を用意
した。次いで、着色剤2−Fを撹拌しながら、この中に
上記混合溶液を滴下して「イエローインクインクF」を
得た。
【0098】 <インクF> 着色剤2−F 30 重量% (顔料:C.I.ピグメントイエロー74) ブロックイソシアネート エラストランBN77 3 重量% グリセリン 9 重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5 重量% オルフィンSTG 1 重量% トリエタノールアミン 0.5 重量% エチレングリコール 2 重量% 2−ピロリドン 4 重量% EDTA-2Na 0.05重量% 超純水 残量
【0099】<シアンインクG>下記に示した組成中、
着色剤2−G以外の溶剤を撹拌して混合溶液を用意し
た。次いで、着色剤2−Gを撹拌しながら、この中に上
記混合溶液を滴下して「シアンインクインクG」を得
た。
【0100】 <インクG> 着色剤2−G 15 重量% (顔料:C.I.ピグメントブルー15:3) フェニルブロック型イソシアネート 1 重量% グリセリン 15 重量% ジエチレングリコール 5 重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5 重量% オルフィンSTG 1 重量% トリエタノールアミン 0.7 重量% 2−ピロリドン 5 重量% EDTA-2Na 0.05重量% 超純水 残量
【0101】<ブラックインクH>下記に示した組成
中、着色剤2−H以外の溶剤を撹拌して混合溶液を用意
した。次いで、着色剤2−Hを撹拌しながら、この中に
上記混合溶液を滴下して「ブラックインクH」を得た。
【0102】 <インクH> 着色剤2−H 20 重量% (顔料:カーボンブラック) ブロックイソシアネートエラストランBN08 1 重量% グリセリン 11 重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5 重量% サーフィノール465 0.8 重量% エチレングリコール 5 重量% 2−ピロリドン 2 重量% EDTA-2Na 0.05重量% 超純水 残量
【0103】<評価1:印刷評価試験>上記で調製した
インクA〜Hを脱気パックした後にミマキ社製インクジ
ェット捺染機TX-1600に充填した。各々のインク
を綿、麻、ビスコスレーヨン、羊毛、ポリエステル、ナ
イロンに印捺後、ホットプレスを用いて210℃、30
秒定着した。印捺物を目視した結果何れも良好な印捺品
位であった。
【0104】<評価2:印刷安定性評価>上記で調製し
たインクA〜Hを脱気パックした後にミマキ社製インク
ジェット捺染機TX-1600Sに充填して、常温下
で、記録媒体に48時間連続印刷し、ドット抜け及びイ
ンクの飛び散り、吐出状況を観察した。いずれのインク
もドット抜け、飛び散り、吐出曲がりが無く良好な吐出
特性を示した。
【0105】<評価3:目詰まり信頼性評価>上記で調
製したインクA〜Hを脱気パックした後にミマキ社製イ
ンクジェット捺染機TX-1600Sに充填して、10
分間連続して英数文字を印刷した。インクはドット抜
け、曲り、飛び散りが無く良好な吐出を示した。その
後、捺染機を停止し、温度40℃、湿度25%RHの環
境下で、1週間放置した。放置後に再び英数文字を印刷
し、放置前と同等の印刷品質が得られるまでに要したク
リーニング回数を調べた。評価は下記の基準によって行
た。いずれのインクもクリーニング3回で全ノズル復帰
した。吐出も初期と同様何ら曲りは観察されなかった。
長期高温、低湿下保存でも良好なインクジェット特性を
示した。
【0106】<評価4:インク定着性評価>上記で調製
したインクA〜Hを脱気パックした後にミマキ社製イン
クジェット捺染機TX-1600Sに充填して各布帛に
ベタ印捺したのち、180℃にて2分間加熱処理した。
【0107】その後各々の印捺物を、全自動洗濯機NE
C製NW-A50ZC型標準モード5回洗濯した。洗濯
前後の濃度変化を目視で観察した。 評価A:印捺物のインク剥がれが無く良好な耐洗濯堅牢
性を示した。 評価B:印刷物のインク剥がれがわずかに観察された
が、実使用上問題ないと判断された 評価C:印捺物のインク剥がれがあり、実使用上問題が
あると判断された。 結果を下表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】<評価5:インクの吐出適合性評価>イン
クA〜Hの各々を、テフロン(登録商標)製の瓶に50
g秤取り、密閉した状態で40℃で7日間放置した。放
置後のインクの粘度を測定した。粘度変化は何れも0.
1以下であり極めて優れた保存安定性を示した。
【0110】比較例 <比較例1>実施例記載のマゼンタインク組成物Aのブ
ロックイソシアネートエストランBN77を非ブロック
化ジイソシアネートに変えたほかは同じインクの組成を
調合した。
【0111】このインクを調合後、常温に一晩放置して
おいて所、インクがゲル化しておりインクジェットイン
クとして使用は出来なかった。
【0112】 <比較例2> 着色剤1−D 15 重量% 低分子アニオン系分散剤 2 重量% グリセリン 10 重量% ジエチレングリコール 4 重量% オルフィンSTG 1 重量% トリエタノールアミン 0.7 重量% エチレングリコール 5 重量% 2−ピロリドン 5 重量% EDTA-2NA 0.05重量% 超純水 残量 比較例2で記したインクを綿布上に印捺し、180℃下
2分間加熱処理した。加熱後、<評価4:インク定着性
評価>に従って定着性を評価したところ、評価結果はC
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FB03 FC02 HA42 HA46 4H057 AA01 AA02 BA15 CA03 CA13 CB13 CB16 CB18 CB39 CC01 CC02 DA01 DA17 DA18 DA21 DA22 DA24 FA17 GA06 HA01 JA10 JB03 4J039 AE04 AF04 BC13 BC14 BC15 BD03 BE01 BE12 CA03 EA41 EA44 GA24

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂で被覆された顔料と、水溶性有機溶
    剤と、ブロックイソシアネートと、水とを少なくとも含
    んでなるインクジェット捺染用顔料インク。
  2. 【請求項2】 前記樹脂がアニオン性基を含有してなる
    高分子である請求項1記載のインク。
  3. 【請求項3】前記アニオン性基がカルボキシル基である
    請求項2に記載のインク。
  4. 【請求項4】 前記樹脂の数平均分子量が1,000〜
    100,000である、請求項1〜3のいずれか一項に
    記載のインク。
  5. 【請求項5】 前記水溶性有機溶媒として、インク組成
    物に対して1〜15重量%の、アルキルの炭素数が3以
    上である多価アルコールのアルキルエーテル誘導体を少
    なくとも含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記
    載のインク。
  6. 【請求項6】 前記樹脂が有機アミンとの塩またはアル
    カリ金属との塩である、請求項1〜5のいずれか一項に
    記載のインク。
  7. 【請求項7】 キレート剤を含有してなる請求項1〜6
    のいずれか一項に記載のインク。
  8. 【請求項8】 均染剤として0.1〜5重量%のアセチ
    レングリコール化合物を含んでなる、請求項1〜7のい
    ずれか一項に記載のインク。
  9. 【請求項9】 インクの表面張力が20〜40mN/m
    である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク。
  10. 【請求項10】 前記ブロックイソシアネートを0.1
    〜7重量%含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に
    記載のインク。
  11. 【請求項11】 インク滴を吐出して布帛上に印捺し熱
    定着するインクジェット捺染方法であって、請求項1〜
    10のいずれか一項に記載のインクを用いる、インクジ
    ェット捺染方法。
  12. 【請求項12】 インク滴をピエゾヘッドを有するイン
    クジェット方式にて吐出して布帛上に印捺し熱定着する
    インクジェット捺染方法であって、請求項1〜10のい
    ずれか一項に記載のインクを用いる、インクジェット捺
    染方法。
  13. 【請求項13】 予め加熱した布帛上にインク滴を吐出
    して布帛上に印捺し熱定着するインクジェット捺染方法
    であって、請求項1〜10のいずれか一項に記載のイン
    クを用いる、インクジェット捺染方法。
  14. 【請求項14】 インク滴を吐出し、該液滴を予め少な
    くともイソシアネート反応触媒を塗工した布帛上に印捺
    し熱定着するインクジェット捺染方法であって、請求項
    1〜10のいずれか一項に記載のインクを用いる、イン
    クジェット捺染方法。
  15. 【請求項15】 請求項11〜14のいずれかに記載の
    捺染方法によって記録が行われた、印捺物。
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