JP2009227525A - 炭化ケイ素単結晶の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長尺の炭化ケイ素単結晶の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】原料粉加熱コイル3及び成長部加熱コイル4それぞれにインバータユニットを接続して高周波電流量を独立に制御しながら炭化ケイ素単結晶15を成長させるにあたり、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4には共に20kHzの高周波電流を流す一方で、各インバータユニットとコイルの間に逆結合トランスを設けることにより、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間の相互誘導電圧を低減し、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間での電磁場の干渉を防止する。
【選択図】図1
【解決手段】原料粉加熱コイル3及び成長部加熱コイル4それぞれにインバータユニットを接続して高周波電流量を独立に制御しながら炭化ケイ素単結晶15を成長させるにあたり、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4には共に20kHzの高周波電流を流す一方で、各インバータユニットとコイルの間に逆結合トランスを設けることにより、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間の相互誘導電圧を低減し、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間での電磁場の干渉を防止する。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭化ケイ素単結晶の製造装置及び製造方法に関する。
従来より、誘導加熱によって原料粉を昇華させることにより炭化ケイ素単結晶を成長させる装置として特許文献1に開示されている製造装置が知られている。この製造装置は、原料粉を誘導加熱する第1誘導加熱コイルとは別に単結晶成長部を誘導加熱する第2誘導加熱コイルを有し、これら2つのコイルを独立して加熱制御することにより、成長端面の形状を凸形状に維持したままで炭化ケイ素単結晶を成長させるようにしている。
特開2002−255693号公報
従来の炭化ケイ素単結晶の製造装置では、第1誘導加熱コイルと第2誘導加熱コイル間で電磁場が干渉することにより独立して加熱制御することが困難になることを防止するために、第1誘導加熱コイルと第2誘導加熱コイル間に電磁場の干渉防止用のコイルが設けられている。ところが、このような干渉防止用のコイルが設けられている場合、長尺の単結晶成長を行う際には、干渉防止用のコイルの近傍で誘導加熱の電磁場が弱くなることによって局所的に低温領域が形成され、この低温領域において多結晶が成長することにより、単結晶の長尺成長の妨げになる恐れがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、干渉防止用のコイルを設けることなく第1誘導加熱コイルと第2誘導加熱コイル間で電磁場が干渉することを防止し、より長尺の単結晶成長を可能にした炭化ケイ素単結晶の製造装置及び製造方法を提供することにある。
本発明に係る炭化ケイ素単結晶の製造装置及び製造方法は、第1誘導加熱コイルに流す高周波電流の周波数と第2誘導加熱コイルに流す高周波電流の周波数を同一にし、第1誘導加熱コイルと第2誘導加熱コイルを逆接合トランスを介して接続する。
本発明に係る炭化ケイ素単結晶の製造装置及び製造方法によれば、第1誘導加熱コイルと第2誘導加熱コイル間の相互誘導電圧を低減できるので、干渉防止用のコイルを設けることなく第1誘導加熱コイルと第2誘導加熱コイル間で電磁場が干渉することを防止し、より長尺の炭化ケイ素単結晶を成長させることができる。
以下、本発明を実施例に基づき詳しく説明する。
〔実施例〕
実施例では、図1(a)に示す製造装置を利用して炭化ケイ素単結晶を成長させた。図1(a)に示す製造装置は、管状の石英管1と石英管1の内部に配置された坩堝2を備える。坩堝2は、内部に昇華用原料粉10が収容された容器本体11と、容器本体11に対し着脱可能に構成され、容器本体11に装着された際に容器本体11内部に臨む面に炭化ケイ素単結晶の種結晶13が配置された蓋体12を有する。また坩堝2の昇華用原料粉10が収容された部分に対応する石英管1外周部には、昇華用原料粉10が昇華可能となるように昇華雰囲気を形成することにより昇華用原料粉10を昇華させる原料粉加熱コイル3が巻回され、また坩堝2の種結晶13が配置された部分に対応する石英管1外周部には、原料粉加熱コイル3により昇華された昇華用原料粉10が種結晶13近傍でのみ再結晶可能となるように昇華雰囲気を形成することにより昇華した昇華用原料粉10を種結晶13上で再結晶させる成長部加熱コイル4が巻回されている。そして結晶成長に好適、且つ、炭化ケイ素単結晶の成長端面の形状が凸形状に維持される温度分布になるように、原料粉加熱コイル3及び成長部加熱コイル4それぞれにインバータユニットを接続して高周波電流量を独立に制御しながら炭化ケイ素の単結晶成長を行った。またこの際、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4には共に20kHzの高周波電流を流す一方で、各インバータユニットとコイルの間に逆結合トランスを設けることにより、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間の相互誘導電圧を低減し、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間で電磁場が干渉することを防止した。この結果、全成長過程において昇華蒸気が炭化ケイ素単結晶の成長端面近傍から漏洩しないように封止された空間内で、図1(b)に示すように、成長端面が成長終期に達する付近に多結晶が発生することがなく、最終的に高さ50mmを超える長尺で高品質の炭化ケイ素単結晶15を製造することができた。
実施例では、図1(a)に示す製造装置を利用して炭化ケイ素単結晶を成長させた。図1(a)に示す製造装置は、管状の石英管1と石英管1の内部に配置された坩堝2を備える。坩堝2は、内部に昇華用原料粉10が収容された容器本体11と、容器本体11に対し着脱可能に構成され、容器本体11に装着された際に容器本体11内部に臨む面に炭化ケイ素単結晶の種結晶13が配置された蓋体12を有する。また坩堝2の昇華用原料粉10が収容された部分に対応する石英管1外周部には、昇華用原料粉10が昇華可能となるように昇華雰囲気を形成することにより昇華用原料粉10を昇華させる原料粉加熱コイル3が巻回され、また坩堝2の種結晶13が配置された部分に対応する石英管1外周部には、原料粉加熱コイル3により昇華された昇華用原料粉10が種結晶13近傍でのみ再結晶可能となるように昇華雰囲気を形成することにより昇華した昇華用原料粉10を種結晶13上で再結晶させる成長部加熱コイル4が巻回されている。そして結晶成長に好適、且つ、炭化ケイ素単結晶の成長端面の形状が凸形状に維持される温度分布になるように、原料粉加熱コイル3及び成長部加熱コイル4それぞれにインバータユニットを接続して高周波電流量を独立に制御しながら炭化ケイ素の単結晶成長を行った。またこの際、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4には共に20kHzの高周波電流を流す一方で、各インバータユニットとコイルの間に逆結合トランスを設けることにより、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間の相互誘導電圧を低減し、原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間で電磁場が干渉することを防止した。この結果、全成長過程において昇華蒸気が炭化ケイ素単結晶の成長端面近傍から漏洩しないように封止された空間内で、図1(b)に示すように、成長端面が成長終期に達する付近に多結晶が発生することがなく、最終的に高さ50mmを超える長尺で高品質の炭化ケイ素単結晶15を製造することができた。
〔比較例〕
比較例では、図2(a)に示す製造装置を利用して炭化ケイ素単結晶を成長させた。図2(a)に示す製造装置は、図1(a)に示す製造装置の原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間に自ら誘導電流を発生する電磁場の干渉防止用のコイル20が巻回されているものである。そして原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4にそれぞれ20kHz及び40kHzの高周波電流を流す一方で、干渉防止用のコイル20に電流を流すことにより原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間で電磁場が干渉することを防止した。この結果、全成長過程において昇華蒸気が炭化ケイ素単結晶の成長端面近傍から漏洩しないように封止された空間内において、成長初期から蓋体12の壁面に多結晶21が発生し、単結晶15の成長高さが35mmを超えた時点で多結晶21と成長してきた単結晶15の成長端面が接触した。またその後は、多結晶21が単結晶15の成長端面を部分的に覆いながら成長したために、単結晶部分の口径は徐々に狭くなり、成長終期の部分では図2(b)に示すように目的の口径を確保することができなかった。また多結晶21と隣接しながら成長した部分では結晶欠陥が多数発生したために、成長した単結晶インゴットの中で高品質の単結晶が得られた部分は成長初期の高さ35mmに満たない部分に限定される結果になった。
比較例では、図2(a)に示す製造装置を利用して炭化ケイ素単結晶を成長させた。図2(a)に示す製造装置は、図1(a)に示す製造装置の原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間に自ら誘導電流を発生する電磁場の干渉防止用のコイル20が巻回されているものである。そして原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4にそれぞれ20kHz及び40kHzの高周波電流を流す一方で、干渉防止用のコイル20に電流を流すことにより原料粉加熱コイル3と成長部加熱コイル4間で電磁場が干渉することを防止した。この結果、全成長過程において昇華蒸気が炭化ケイ素単結晶の成長端面近傍から漏洩しないように封止された空間内において、成長初期から蓋体12の壁面に多結晶21が発生し、単結晶15の成長高さが35mmを超えた時点で多結晶21と成長してきた単結晶15の成長端面が接触した。またその後は、多結晶21が単結晶15の成長端面を部分的に覆いながら成長したために、単結晶部分の口径は徐々に狭くなり、成長終期の部分では図2(b)に示すように目的の口径を確保することができなかった。また多結晶21と隣接しながら成長した部分では結晶欠陥が多数発生したために、成長した単結晶インゴットの中で高品質の単結晶が得られた部分は成長初期の高さ35mmに満たない部分に限定される結果になった。
1:石英管
2:坩堝
3:原料粉加熱コイル
4:成長部加熱コイル
10:昇華用原料粉
11:容器本体
12:蓋体
13:種結晶
15:炭化ケイ素単結晶
2:坩堝
3:原料粉加熱コイル
4:成長部加熱コイル
10:昇華用原料粉
11:容器本体
12:蓋体
13:種結晶
15:炭化ケイ素単結晶
Claims (2)
- 内部に昇華用原料を収容する容器本体と、容器本体に対し着脱可能であり、容器本体に装着された際に容器本体内部に臨む面に炭化ケイ素単結晶の種結晶が配置された蓋体とを有する坩堝と、前記坩堝の前記昇華用原料が収容された部分の外周に巻回され、昇華用原料が昇華可能となるように昇華雰囲気を形成することにより昇華用原料を昇華させる第1誘導加熱コイルと、前記坩堝の前記種結晶が配置された部分の外周に巻回され、前記第1誘導加熱コイルにより昇華された昇華用原料が種結晶近傍でのみ再結晶可能となるように昇華雰囲気を形成することにより昇華した昇華用原料を種結晶上で再結晶させる第2誘導加熱コイルとを少なくとも備える炭化ケイ素単結晶の製造装置において、前記第1誘導加熱コイルに流す高周波電流の周波数と前記第2誘導加熱コイルに流す高周波電流の周波数とが同一であり、前記第1誘導加熱コイルと前記第2誘導加熱コイルが逆接合トランスを介して接続されていることを特徴とする炭化ケイ素単結晶の製造装置。
- 請求項1に記載の炭化ケイ素単結晶の製造装置を用いて炭化ケイ素単結晶を製造することを特徴とする炭化ケイ素単結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008076438A JP2009227525A (ja) | 2008-03-24 | 2008-03-24 | 炭化ケイ素単結晶の製造装置及び製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016152813A1 (ja) * | 2015-03-24 | 2016-09-29 | 新日鐵住金株式会社 | 炭化珪素単結晶の製造方法 |
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US10451833B2 (en) | 2015-11-27 | 2019-10-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Ultrasonic motor, drive control system, optical apparatus, and vibrator |
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2008
- 2008-03-24 JP JP2008076438A patent/JP2009227525A/ja active Pending
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