JP2009226607A - ガスバリアフィルム、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産能率を落とさずに、基材と蒸着層の密着がよく、またガスバリア性も良好なガスバリアフィルムおよびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】プラスチック材料からなる基材の少なくとも一方の面に、有機珪素化合物を気化させたガスを用いたプラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)処理層と、該処理層の上に設けられた厚さ5〜300nmの酸化珪素を主成分とする無機化合物からなる蒸着層とを備えている。RIE処理が、プラズマの自己バイアス値を200V以上1200V以下、Epd=プラズマ密度×処理時間で定義されるEpd値が100W・sec/m2以上10000W・sec/m2以下である低温プラズマによる処理であり、RIE処理を行った後の基材表面を、X線光電子分光法(XPS)にて測定した際に検出されるSiの元素が0.5〜7atom.%の範囲である。
【選択図】図1

Description

本発明は、食品、医療医薬品、精密電子部品等の包装用フィルムにおいて重要な特性とされる透明性やガスバリア性、密着性に優れたフィルム、およびその製造方法に関するものである。
今まで、ガスバリア性フィルムは主にボイル処理、レトルト処理を含む食品や医療医薬品などの包装材料として用いられてきた。これらの内容物を包装するに当たっては、酸素透過率を小さくすることが特に重要視されてきた。ところが最近ではこれらの用途以外に、液晶表示素子、太陽電池バックシート、電磁波シールド、タッチパネル、エレクトロルミネッセンス(EL)用基板、カラーフィルター等で使用する透明導電シートなどの部材といったエレクトロニクス分野での需要が高まっている。
ガスバリア性フィルムとして最も一般的なものは、プラスチックフィルムからなる基材の表面に、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等からなる無機蒸着膜を形成した透明性の高いガスバリア性フィルムであり、これらは数多く提案され、また実用化されている。特許文献1には、未延伸または一軸延伸した透明プラスチックフィルム基体上に、非結晶性の酸化アルミニウム薄層を設けた包装用フィルムが開示されている。また、特許文献2には、高分子フィルム上に実質的にSiO、Si23、SiO2の混合系からなる酸化珪素蒸着膜を設けた透明バリアフィルムが開示されている。また、特許文献3には、透明プラスチックフィルムの少なくとも片面に、Siを蒸発源として用い、減圧下の酸素雰囲気中で高周波励起イオンプレーティングによる反応性蒸着法により、SiOX(X=1.8〜2)で表される薄膜を設けた透明で耐レトルト性に優れたガスバリアフィルムが開示されている。ところが、基材にこれらの蒸着膜を単純に積層しても基材と蒸着層の密着性が弱くデラミネーションが起こる可能性が高い。
基材と蒸着層の密着性を上げるために、基材にアンカーコート層を塗布する方法が多く提案されており、近年ではその性能も向上してきている。特許文献4には、基材フィルムの一方の面に、その構造中に2以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系またはポリメタクリル系樹脂と硬化剤とを含むアンカーコート剤層、無機酸化物からなる蒸着層、ガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けた積層体が開示されている。また、特許文献5には、基材ポリエステルフィルムの片面に、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれた1種の水溶性または水分散性の高分子樹脂と多価アルデヒド化合物を主たる構成成分とする塗布層を有し、当該塗布層上に無機物蒸着層を有する複合ガスバリアフィルムが開示されている。また、特許文献6には、高分子樹脂組成物からなる基材上に、メチロール基の一部あるいは全てがアルキルエーテル化されているメチロールメラミン、ポリビニルアルコール系重合体を必須成分とした被覆層を積層した上に無機薄膜層を積層したガスバリア性積層フィルムが開示されている。
特開昭62−179935号公報 特開平2−122924号公報 特開平5−320873号公報 特開2006−116703号公報 特開2006−205533号公報 特開2006−321194号公報
しかしながら、上記特許文献4,5,6の技術によっても、アンカーコート層あるいは被覆層を塗布するという工程が増えて生産能率が落ちることになる。また、均一な膜厚にすることが困難であること、コート層を形成する際に、乾燥時の熱によって基材に応力が残り、蒸着皮膜の密着性が低下する可能性がある。さらに、長時間の信頼性試験などの実サンプルでの評価においてアンカーコート層でデラミネーションが起こることなど、層を増やしたことによる不安定な要素が多くなることが問題である。また、溶剤を使用することに対する環境への負荷、残留溶剤による密着阻害といった問題もあった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、生産能率を落とさずに、基材と蒸着層の密着がよく、またガスバリア性も良好なガスバリアフィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る発明は、プラスチック材料からなる基材の少なくとも一方の面に、有機珪素化合物を気化させたガスを用いたプラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)処理層と、該処理層の上に設けられた厚さ5〜300nmの酸化珪素を主成分とする無機化合物からなる蒸着層とを備えていることを特徴とするガスバリアフィルムである。
次に、本発明の請求項2に係る発明は、プラスチック材料からなる基材の少なくとも一方の面に、有機珪素化合物を気化させたガスを用いたプラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)処理(以下RIE処理と略称する)を行い、その上に厚さ5〜300nmの酸化珪素を主成分とする無機化合物からなる蒸着層を設けたことを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、RIE処理が、プラズマの自己バイアス値を200V以上1200V以下、Epd=プラズマ密度×処理時間で定義されるEpd値が100W・sec/m2以上10000W・sec/m2以下である低温プラズマによる処理であることを特徴とする請求項2に記載のガスバリアフィルムの製造方法である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、RIE処理を行った後の基材表面を、X線光電子分光法(XPS)にて測定した際に検出されるSiの元素が0.5〜7atom.%の範囲であることを特徴とする請求項2または3に記載のガスバリアフィルムの製造方法である。
本発明によれば、基材へ特殊な処理を施すことで、蒸着層が基材との間に特殊な処理層を介して積層されるため密着性を向上させることができ、ガスバリア性の良好なフィルムを提供する事が可能となる。すなわち、有機珪素化合物を使用したRIE処理を行った基材は表面にSiが導入されている。この面に酸化珪素を蒸着することで、基材に導入されたSiを基点として酸化珪素膜が形成されるため、基材と蒸着膜との密着性が向上するだけでなく、より均一で緻密な蒸着膜を形成することが可能となる。また、本発明のこのフィルムを応用することで、今まで以上に高度なバリア性を必要とするエレクトロニクス分野へも展開することができる。更に、本発明の製造方法では、アンカーコート剤の塗布等の方法と異なり、RIE処理と、酸化珪素を主成分とする無機化合物からなる蒸着層の形成を、同一のインライン成膜機内で同時に連続して行うことが可能であり、生産性が高い製造方法とすることが可能となる。
本発明のガスバリアフィルムおよびその製造方法を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は本発明のガスバリアフィルム21の一例を断面で示した概略図である。プラスチック材料からなる基材1の一方の面上に、RIE処理層11を介して、酸化珪素を主成分とする無機化合物からなる蒸着層2が形成されている構造である。
プラスチック材料からなる基材1は、蒸着薄膜層の透明性を生かすために可能であれば透明なフィルム基材であることが好ましい。基材の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系フィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。基材は、延伸、未延伸のどちらでも良いが、連続的なプラズマ処理や蒸着加工への適性、用途に合わせた他の材料との積層等の後加工適性等を考慮すると、機械的強度や寸法安定性を有するものが良く、二軸方向に任意に延伸されたフィルムが好ましい。また。この基材の蒸着層が設けられる面と反対側の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良い。
基材の厚さはとくに制限を受けるものではなく、また包装材料としての適性を考慮して単体フィルム以外に異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用できる。尚プライマー層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層等を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
基材と蒸着層との密着を強化するために、処理ガスとして有機珪素化合物を気化させたガスを使用するプラズマ処理を行うことが有効である。本発明においてはプラズマ処理の中でも、リアクティブイオンエッチング(RIE)処理を施すことが最も有効である。このRIE処理を行うことで、発生したラジカルやイオンを基材表面に効率よく打ち込むことが出来、その結果基材表面の官能基量を増加させることが出来るという化学的効果と、基材表面をイオンエッチングして非結晶化させるといった物理的効果の2つの効果を同時に得ることが可能である。このRIE処理による前処理は必要であれば基材の両面に行っても問題ない。
処理ガスとして使用する有機珪素化合物としては、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラメチルシラン(TMS)、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチルジシロキサン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン等の比較的低分子量の珪素化合物を選択することができる。これらの有機珪素化合物は一種類もしくは複数を混合して使用してもよい。珪素化合物を使用してプラズマを発生させる際に、酸素ガス、もしくは酸素ガスに不活性ガスを加えたものを混合すると、プラズマを安定して発生させることができるので好ましい。これらのガスは予め混合させて使用してもよいし、それぞれ別導入して、電極部にて混合するようにしてもよい。また、ガスの混合比や導入量については用途、基材、装置特性に応じて適宜設定するべきである。
加工速度、エネルギーレベルなどで示される処理条件は、基材種類、用途、放電装置特性などに応じ、適宜設定するべきである。ただし、プラズマの自己バイアス値は200V以上1200V以下、Epd=プラズマ密度×処理時間で定義されるEpd値が100W・sec/m2以上10000W・sec/m2以下にすることが必要であり、これより若干低い値でもある程度の機能は発現するが、未処理品に比べて優位性が低い。また、高い値であると、強い処理がかかりすぎて基材表面が劣化し機能が低下する原因になる。プラズマ用の気体及びその混合比などに関してはポンプ性能や取り付け位置などによって、導入分と実効分とでは流量が異なるので、用途、基材、装置特性に応じて適宜設定するべきである。
上記のようにして有機珪素化合物を使用したRIE処理を行った後の基材の表面についてX線光電子分光測定を行った際に、その表面から検出されるSiが0.5〜7atom.%の範囲であることが好ましい。測定はX線源としてMgKαを使用し、出力100Wにて行う。また定量分析にはO1sで2.28、C1sで1.00、Si2pで0.90の相対感度因子を用いて計算を行う。Siが0.5atom.%より小さい場合、導入量が小さすぎて効果が得られない。また7atom.%より大きいと表面のSi量が多すぎて他の官能基が隠れてしまい、結果的に効果が落ちることになるので、好ましくない。
続いて無機酸化物蒸着層について詳細に説明する。無機酸化物からなる蒸着薄膜層は、酸化珪素、或いは酸化珪素を主成分として、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化マグネシウム等との混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層である。更に有機珪素化合物を使用したプラズマ処理を行った基材への密着性から、酸化珪素を主成分とする無機酸化物を使用することが最も好ましいが、エレクトロニクス分野等の用途においては、帯電防止性や光反射・吸収性等の機能を同時に求められる場合があり、酸化インジウム、酸化錫なども混合してもよい。
前述したように、本発明の製造方法によれば有機珪素化合物を使用したRIE処理を行った基材は表面にSiが導入されている。この面に酸化珪素を蒸着することで、基材に導入されたSiを基点として酸化珪素膜が形成されるため、基材と蒸着膜との密着性が向上するだけでなく、より均一で緻密な蒸着膜を形成することが可能となる。
蒸着薄膜層の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。より好ましくは、10〜150nmの範囲内にあることである。
酸化珪素を主成分とする無機酸化物からなる蒸着薄膜層をプラスチック基材上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましい。また蒸着薄膜層と基材の密着性及び蒸着薄膜層の緻密性を更に向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素等の各種ガスなど吹き込む反応蒸着を用いても一向に構わない。前述したように、インライン成膜機を用いることで、プラズマ処理と蒸着層の形成を同時に連続して行うことも可能である。
無機酸化物蒸着層の上に蒸着膜を保護したり、ラミネートや印刷などの後加工適正を付与したりする目的でオーバーコート層を積層しても構わない。この場合、例えば水溶性高分子を水或いは水/アルコール混合溶媒で溶解させたものに金属アルコキシドを直接或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合し、この混合溶液を蒸着層上に塗布、乾燥して被膜層を形成することができる。また、混合溶液中にシランカップリング剤等を添加して使用してもよい。
以下に本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの未処理面に、RIE処理を以下のようにして行った。プラズマ発生ガスとして、有機珪素化合物としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を気化させたガスと酸素を、体積比でHMDSO/酸素=10/50にて電極部へ導入し、電極部に周波数13.56MHzの高周波電源を用いてプラズマを発生させ、RIE処理を行った。このとき印加電力150W、自己バイアス値600V、プラズマ密度Epd値500W・sec/m2とした。次に、RIE処理表面上に、電子線加熱方式による真空蒸着により厚さ40nmの酸化珪素蒸着層を積層して、ガスバリアフィルムを作成した。
<実施例2>
上記実施例1において、RIE処理の条件を印加電力500W、自己バイアス値1000V、プラズマ密度Epd値4500W・sec/m2とした以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作成した。
<実施例3>
上記実施例1において、RIE処理の条件を印加電力500W、自己バイアス値1000V、プラズマ密度Epd値10000W・sec/m2とした以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作成した。
<比較例1>
上記実施例1において、RIE処理を行わなかった以外は実施例1と同様にしてガスバリアフィルム4を作成した。
<比較例2>
上記実施例1において、RIE処理の条件を印加電力50W、自己バイアス値70V、プラズマ密度Epd値90W・sec/m2とした以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルム5を作成した。
(1)Si量測定:X線光電子分光法(XPS)
実施例1〜3、比較例1,2で作成したガスバリアフィルムの蒸着前のRIE処理表面について、X線光電子分光測定により表面分析を行った。測定に用いたX線光電子分光装置は、日本電子株式会社製JPS−90MXVであり、X線源としては非単色化MgKα(1253.6eV)を使用、出力は100W(10kV−10mA)で測定した。定量分析にはO1sで2.28、C1sで1.00、Si2pで0.90の相対感度因子を用いて、Si元素の定量値を求めた。
(2)水蒸気透過率測定
実施例1〜3、比較例1,2で作成したガスバリアフィルムの水蒸気透過率(g/m2・day )を測定した。測定はモコン(MOCON)法を用いて行い、測定時の測定条件
は40℃−90%R.H.とした。
(3)密着評価
・ラミネートフィルムの作成
実施例1〜3、比較例1,2で作成したガスバリアフィルムの蒸着層の上に、下記に示す(イ)液と(ロ)液を配合比(wt%)で60/40に混合した溶液をグラビアコート法により塗布乾燥し、厚さ0.3μmのガスバリア性被膜層を積層した。
ここで(イ)液はテトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2 換算)の加水分解溶液。(ロ)液はポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)である。
次いで、上記ガスバリア性被膜層上に厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤を介して、ドライラミネート法により積層し、積層体を得た。・ラミネート強度測定
上記積層体のラミネート強度(単位:N/15mm)を、日本工業規格JIS K6854−3:1999「接着剤―剥離接着強さ試験方法−第3部:T型剥離」で規定されている試験方法に従って測定した。試験にはオリエンテック社テンシロン万能試験機RTC−1250を用いた。また、測定の際には測定部位を水で湿潤させながら行った。
実施例1〜3、比較例1,2で作成したガスバリアフィルムの、(1)Si量、(2)水蒸気透過率、(3)密着性:湿潤ラミネート強度の測定結果を、表1に示す。
Figure 2009226607
実施例1〜3で作成したガスバリアフィルムは比較例1,2と比較して良好なガスバリア性を示し、また密着性も高かった。
本発明のガスバリア性フィルムの一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・プラスチック基材 11・・・RIE処理層
2・・・無機酸化物蒸着層 21・・・ガスバリアフィルム

Claims (4)

  1. プラスチック材料からなる基材の少なくとも一方の面に、有機珪素化合物を気化させたガスを用いたプラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)処理層と、該処理層の上に設けられた厚さ5〜300nmの酸化珪素を主成分とする無機化合物からなる蒸着層とを備えていることを特徴とするガスバリアフィルム。
  2. プラスチック材料からなる基材の少なくとも一方の面に、有機珪素化合物を気化させたガスを用いたプラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)処理を行い、その上に厚さ5〜300nmの酸化珪素を主成分とする無機化合物からなる蒸着層を設けたことを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法。
  3. プラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)処理が、プラズマの自己バイアス値を200V以上1200V以下、Epd=プラズマ密度×処理時間で定義されるEpd値が100W・sec/m2以上10000W・sec/m2以下である低温プラズマによる処理であることを特徴とする請求項2に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  4. プラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)処理を行った後の基材表面を、X線光電子分光法(XPS)にて測定した際に検出されるSiの元素が0.5〜7atom.%の範囲であることを特徴とする請求項2または3に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
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