JP2009225695A - 魚糠漬け加工食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 美味しさを損なうことなく減塩目的を達成することができる魚糠漬け加工食品の製造方法を提供する。
【解決手段】 魚糠漬け加工食品の製造方法において、糠に調味料を添加してなる調味糠に乳酸を添加して発酵させ、発酵調味糠を準備する工程と、魚又魚の切り身を脱水処理する工程と、前記発酵調味糠に、脱水処理をした魚又は魚の切り身を投入する工程と、前記発酵調味糠に前記魚又は魚の切り身を所定期間漬ける工程とを有する。発酵開始剤としては、乳酸,乳酸菌又は酵母菌のいずれかを用いるとよい。
【選択図】 なし
【解決手段】 魚糠漬け加工食品の製造方法において、糠に調味料を添加してなる調味糠に乳酸を添加して発酵させ、発酵調味糠を準備する工程と、魚又魚の切り身を脱水処理する工程と、前記発酵調味糠に、脱水処理をした魚又は魚の切り身を投入する工程と、前記発酵調味糠に前記魚又は魚の切り身を所定期間漬ける工程とを有する。発酵開始剤としては、乳酸,乳酸菌又は酵母菌のいずれかを用いるとよい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、鯖や鰯,河豚等を糠漬けした加工食品の製造方法に関する。
この種の加工食品としては、福井県若狭地方の伝統食品である「へしこ」がよく知られている。
「へしこ」は、内臓やエラを除去した魚(主として鯖)の切り身を、切り身重量の10〜15%の塩に一週間から10日ほど漬け込んだ後、当該魚の切り身を、醤油やみりん等で味付けした調味糠に投入し、1年以上漬け込んで完成されるものである。
このような魚糠漬け加工食品は、美味しく、保存性にも優れる反面、大量の塩を使用しているため高血圧症等の疾患を有する人には不向きであり、このような疾患を有しない人であっても一度に大量に摂取することはできないという問題がある。また、大量の塩分を含んでいることから、調理方法が限定されるという問題もある。そのため、この種の加工食品は、上記の利点を有しつつも消費量が伸び悩んでいるのが現状である。
「へしこ」は、内臓やエラを除去した魚(主として鯖)の切り身を、切り身重量の10〜15%の塩に一週間から10日ほど漬け込んだ後、当該魚の切り身を、醤油やみりん等で味付けした調味糠に投入し、1年以上漬け込んで完成されるものである。
このような魚糠漬け加工食品は、美味しく、保存性にも優れる反面、大量の塩を使用しているため高血圧症等の疾患を有する人には不向きであり、このような疾患を有しない人であっても一度に大量に摂取することはできないという問題がある。また、大量の塩分を含んでいることから、調理方法が限定されるという問題もある。そのため、この種の加工食品は、上記の利点を有しつつも消費量が伸び悩んでいるのが現状である。
ところで、近年の健康志向の高まりから、食品に対する消費者の減塩要求は益々高くなってきている。その反面、近年のグルメブームから、美味しさに対する消費者の要求も益々高くなってきている。
このような美味しさと減塩という消費者の要求に応えるために、例えば特許文献1に記載の「魚の塩蔵品の塩抜き方法」では、塩蔵された魚卵や魚体に糖類を接触させる接触工程と、前記接触工程で前記糖類を前記魚卵や魚体に接触させた状態を所定時間維持させる保持工程とを備えて、魚卵や魚体の旨味成分を損なうことなく、減塩目的を達成しようとしている。
このような美味しさと減塩という消費者の要求に応えるために、例えば特許文献1に記載の「魚の塩蔵品の塩抜き方法」では、塩蔵された魚卵や魚体に糖類を接触させる接触工程と、前記接触工程で前記糖類を前記魚卵や魚体に接触させた状態を所定時間維持させる保持工程とを備えて、魚卵や魚体の旨味成分を損なうことなく、減塩目的を達成しようとしている。
特許文献2には、食塩の一部を、乳酸ナトリウム又は乳酸ナトリウムを主剤としこれに酢酸ナトリウム、エタノール、グリシン、アラニン、リジンの1種又は複数種を添加した混合物で置換する「減塩食品及びその製造方法」が提案されている。
特許文献3には、グルコン酸のアルカリ金属塩を含有する魚卵加工品のテクスチャー改良剤およびグルコン酸のアルカリ金属塩単独またはグルコン酸のアルカリ金属塩と食塩の配合物で魚卵を処理することで、従来に比較して食塩の摂取量を軽減することができる魚卵加工品の製造方法が提案されている。
特開2002−238505号公報(要約の記載参照)
特開平9−103236号公報(請求項及び段落0015の記載参照)
特開平10−179093号公報(要約の記載参照)
特許文献3には、グルコン酸のアルカリ金属塩を含有する魚卵加工品のテクスチャー改良剤およびグルコン酸のアルカリ金属塩単独またはグルコン酸のアルカリ金属塩と食塩の配合物で魚卵を処理することで、従来に比較して食塩の摂取量を軽減することができる魚卵加工品の製造方法が提案されている。
しかし、上記の文献に記載の方法は、主として魚の干物や塩漬け、練り製品等の加工品、獣肉類や野菜類の粕漬けを対象としたものであり、「へしこ」のような魚糠漬け加工食品には必ずしも適するものではない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、美味しさを損なうことなく減塩目的を達成することができる魚糠漬け加工食品の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、美味しさを損なうことなく減塩目的を達成することができる魚糠漬け加工食品の製造方法を提供するものである。
本発明は上記の目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、糠に調味料を添加してなる調味糠に発酵開始剤を添加して発酵させ、発酵調味糠を準備する工程と、魚又は魚の切り身を脱水処理する工程と、前記発酵調味糠に、脱水処理をした魚又は魚の切り身を投入する工程と、前記発酵調味糠に前記魚又は魚の切り身を所定期間漬け込む工程とを有する方法である。
前記の発酵開始剤としては、例えば、請求項2に記載するように、乳酸や乳酸菌、酵母菌等を使用することができる。なお、乳酸菌や酵母菌等の有用微生物は、耐塩性のものを用いるのが好ましい。
乳酸を使用する場合は、請求項3に記載するように、前記発酵調味糠に、糠の重量に対して1%〜2%の乳酸を添加して発酵させるとよく、請求項4に記載するように、25℃〜30℃の温度下で10日から2週間発酵させるとよい。
脱水処理は、請求項5に記載するように、魚又は魚の切り身に対する重量比で3%〜5%の振り塩による脱水処理と同等の脱水効果を得ることができるものであればよく、請求項6に記載するように、魚又は魚の切り身を脱水シートで包装することで前記脱水処理を行うものであってもよい。
発酵調味糠への漬け込みは、請求項7に記載するように、25℃〜30℃の温度下で3ヶ月〜6ヶ月の期間とするとよい。
前記の発酵開始剤としては、例えば、請求項2に記載するように、乳酸や乳酸菌、酵母菌等を使用することができる。なお、乳酸菌や酵母菌等の有用微生物は、耐塩性のものを用いるのが好ましい。
乳酸を使用する場合は、請求項3に記載するように、前記発酵調味糠に、糠の重量に対して1%〜2%の乳酸を添加して発酵させるとよく、請求項4に記載するように、25℃〜30℃の温度下で10日から2週間発酵させるとよい。
脱水処理は、請求項5に記載するように、魚又は魚の切り身に対する重量比で3%〜5%の振り塩による脱水処理と同等の脱水効果を得ることができるものであればよく、請求項6に記載するように、魚又は魚の切り身を脱水シートで包装することで前記脱水処理を行うものであってもよい。
発酵調味糠への漬け込みは、請求項7に記載するように、25℃〜30℃の温度下で3ヶ月〜6ヶ月の期間とするとよい。
本発明によれば、従来の魚糠漬けに比して塩分量を大幅に減少させることができ、3ヶ月〜6ヶ月という短期間で糠漬けを製造することができる。また、美味しさも損なうことがない。そのため、味に厳しく健康志向の消費者の要望に応えることができるうえ、魚糠漬けの消費拡大を図ることができる。
本発明の好適な一実施形態を、以下に詳細に説明する。
1:魚の準備
本発明は、糠漬けが可能な魚であれば広範に適用が可能である。糠漬けが可能な魚としては、鯖、鰯、河豚、秋刀魚、ホッケ等を挙げることができるが、特に鯖や鰯のような青魚が好適である。上記の魚をよく水洗いした後、内臓とエラを取って二枚又は三枚におろし、漬け込みやすいように切り身にする。この工程は、従来の「へしこ」等の魚糠漬け加工食品の製造工程における切り身の準備工程と同じである。なお、魚によっては、次に説明する脱水処理の後に切り身にしてもよく、さらに、切り身にすることなく脱水処理から漬け込みまで行ってもよい。
1:魚の準備
本発明は、糠漬けが可能な魚であれば広範に適用が可能である。糠漬けが可能な魚としては、鯖、鰯、河豚、秋刀魚、ホッケ等を挙げることができるが、特に鯖や鰯のような青魚が好適である。上記の魚をよく水洗いした後、内臓とエラを取って二枚又は三枚におろし、漬け込みやすいように切り身にする。この工程は、従来の「へしこ」等の魚糠漬け加工食品の製造工程における切り身の準備工程と同じである。なお、魚によっては、次に説明する脱水処理の後に切り身にしてもよく、さらに、切り身にすることなく脱水処理から漬け込みまで行ってもよい。
2:脱水処理
切り身の全体に振り塩をするか又は脱水シートで切り身の全体を包んで冷蔵庫中に一晩置き、脱水処理を行う。振り塩をする場合の塩の量は、切り身重量の3%〜5%程度が目安である。切り身の脱水量は脱水前後の切り身の重量変化を測定することで容易に計測することができる。切り身重量が脱水処理の前後で9%〜10%程度減少するようにするとよい。脱水量が多すぎると食感が悪くなり、脱水量が少なすぎると、漬け込みの途中で切り身が腐敗したり、保存性が悪くなったりする。
なお、振り塩以外の他の手段、例えば脱水シートで脱水処理を行う場合も、この程度の脱水量を目安にするとよい。
切り身の全体に振り塩をするか又は脱水シートで切り身の全体を包んで冷蔵庫中に一晩置き、脱水処理を行う。振り塩をする場合の塩の量は、切り身重量の3%〜5%程度が目安である。切り身の脱水量は脱水前後の切り身の重量変化を測定することで容易に計測することができる。切り身重量が脱水処理の前後で9%〜10%程度減少するようにするとよい。脱水量が多すぎると食感が悪くなり、脱水量が少なすぎると、漬け込みの途中で切り身が腐敗したり、保存性が悪くなったりする。
なお、振り塩以外の他の手段、例えば脱水シートで脱水処理を行う場合も、この程度の脱水量を目安にするとよい。
3:調味発酵糠の準備
糠に調味料(醤油、みりん、うまみ調味料、たかのつめ等)と食塩を添加して調味糠を作り、この調味糠に乳酸を添加して発酵させ、発酵調味糠を作る。
乳酸の量は糠の重量に対して1%〜2%程度、発酵条件は、25℃〜30℃の温度下で10日から2週間程度が目安である。
糠に調味料(醤油、みりん、うまみ調味料、たかのつめ等)と食塩を添加して調味糠を作り、この調味糠に乳酸を添加して発酵させ、発酵調味糠を作る。
乳酸の量は糠の重量に対して1%〜2%程度、発酵条件は、25℃〜30℃の温度下で10日から2週間程度が目安である。
4:漬け込み
3で得た発酵調味糠に、2で脱水処理した切り身を漬け込む。漬け込みの手順は、従来と同じである。また、漬け込みの条件は、25℃〜30℃の温度下で3ヶ月〜6ヶ月程度が目安である。
3で得た発酵調味糠に、2で脱水処理した切り身を漬け込む。漬け込みの手順は、従来と同じである。また、漬け込みの条件は、25℃〜30℃の温度下で3ヶ月〜6ヶ月程度が目安である。
[実験例]
上記の実施形態の手順に従って、本発明の発明者は実際に魚糠漬け加工食品を製造した。
1.魚の準備
魚は、青魚の代表であり、かつ、「へしこ」の材料として一般的に使用されている鯖を使った。鯖の切り身は、振り塩脱水用とシート脱水用の二組を準備し、それぞれの組で10尾(8kg)を準備した。
2.脱水処理
1.の切り身のうちの一方の組には塩400g(切り身重量の5%)を振りかけ、他の組には脱水シートを巻き付けた。そして、これらを冷蔵庫中に一晩置いて脱水処理を行った。この実験例での脱水量は、振り塩5%でおおよそ9.5%、脱水シートでおおよそ16.5%であった。
上記の実施形態の手順に従って、本発明の発明者は実際に魚糠漬け加工食品を製造した。
1.魚の準備
魚は、青魚の代表であり、かつ、「へしこ」の材料として一般的に使用されている鯖を使った。鯖の切り身は、振り塩脱水用とシート脱水用の二組を準備し、それぞれの組で10尾(8kg)を準備した。
2.脱水処理
1.の切り身のうちの一方の組には塩400g(切り身重量の5%)を振りかけ、他の組には脱水シートを巻き付けた。そして、これらを冷蔵庫中に一晩置いて脱水処理を行った。この実験例での脱水量は、振り塩5%でおおよそ9.5%、脱水シートでおおよそ16.5%であった。
3.発酵調味糠の準備
調味糠は、糠2000gに水1083g、醤油100g、みりん100g、食塩108gに適量のうまみ調味料とたかのつめとを加えたものを使用した。
この調味糠に、乳酸35g(糠重量の1.75%)を添加してよく混ぜ、25℃の温度下で2週間発酵させて発酵調味糠を作った。
4.漬け込み
この発酵調味糠に、脱水処理を行った鯖の切り身を投入し、25℃の温度下で3ヶ月漬け込んだものと5ヶ月漬け込んだものとを作った。
調味糠は、糠2000gに水1083g、醤油100g、みりん100g、食塩108gに適量のうまみ調味料とたかのつめとを加えたものを使用した。
この調味糠に、乳酸35g(糠重量の1.75%)を添加してよく混ぜ、25℃の温度下で2週間発酵させて発酵調味糠を作った。
4.漬け込み
この発酵調味糠に、脱水処理を行った鯖の切り身を投入し、25℃の温度下で3ヶ月漬け込んだものと5ヶ月漬け込んだものとを作った。
pH値は、漬け込み期間が長くなるほどシート脱水では小さくなり、振り塩脱水では大きくなる。美味しさとの関係において好ましいpH値の範囲はおおよそ5.5〜5.8である。シート脱水では5ヶ月より3ヶ月、振り塩脱水では3ヶ月より5ヶ月の方が好ましい。
[美味しさの評価]
被験者10人に200℃で3分半加熱したものを試食してもらい、美味しさの評価を行った。美味しさの評価は、生臭さ、香ばしさ、塩辛さ、甘さ、にがさの5項目とし、これらを総合して総合評価を行った。
その結果を以下の表1,2に示す。
被験者10人に200℃で3分半加熱したものを試食してもらい、美味しさの評価を行った。美味しさの評価は、生臭さ、香ばしさ、塩辛さ、甘さ、にがさの5項目とし、これらを総合して総合評価を行った。
その結果を以下の表1,2に示す。
以上から、シート脱水及び振り塩脱水ともに発酵期間5ヶ月よりは3ヶ月の方で美味しさの評価が高く、いずれも従来品よりも美味しいと評価された。
[塩分量比較]
塩分量の比較を、従来の「へしこ」と比較して行った。従来の方法では、振り塩の量は1600g、ぬか2000g、しえ480cc、醤油450g、みりん120gを使用した。実験例と従来例との比較を以下の表3に示す。
塩分量の比較を、従来の「へしこ」と比較して行った。従来の方法では、振り塩の量は1600g、ぬか2000g、しえ480cc、醤油450g、みりん120gを使用した。実験例と従来例との比較を以下の表3に示す。
この表からもわかるように、従来の鯖のへしこに比して本発明のへしこは、塩分量を1/3以下にすることができ、大幅な減塩を達成できることがわかる。
なお、上記の表は振り塩脱水の例であるが、脱水シートを用いたものは振り塩が0となるため、さらに大幅な減塩を達成することができる。
なお、上記の表は振り塩脱水の例であるが、脱水シートを用いたものは振り塩が0となるため、さらに大幅な減塩を達成することができる。
[結論]
上記の実験では、振り塩脱水、シート脱水の双方において大幅な減塩を達成することができ、かつ、美味しさの点でも、従来品と同等またはそれ以上の評価を得ることができた。シート脱水については、脱水量が16%と高く、目標とする9〜10%を越えてしまったが、シートの枚数を少なくしたり、脱水処理時間を短くすることで、脱水量を好適範囲に収めることは可能で、このようにすることで、シート脱水においても美味しさをさらに向上させることができると期待される。
上記の実験では、振り塩脱水、シート脱水の双方において大幅な減塩を達成することができ、かつ、美味しさの点でも、従来品と同等またはそれ以上の評価を得ることができた。シート脱水については、脱水量が16%と高く、目標とする9〜10%を越えてしまったが、シートの枚数を少なくしたり、脱水処理時間を短くすることで、脱水量を好適範囲に収めることは可能で、このようにすることで、シート脱水においても美味しさをさらに向上させることができると期待される。
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態では、調味糠を発酵させるための発酵開始剤として乳酸を使用したが、同様の結果が得られるのであれば乳酸菌や酵母菌等の有用微生物やその生成物を使用することができる。これら有用微生物は、耐塩性のものが好ましく、例えば耐塩性乳酸菌としては、Pediococcus halophilus, Pediococcus petisaceus,Tetragenococcus
halophilusを挙げることができ、耐塩性酵母菌としては、Pichia farinosa, Candida versatilis, Zygosaccharomyces rouxiiを挙げることができる。
また、乳酸を使用する場合、適切な乳酸の量は、塩分量及びpH値との関係で決定することができる。以下の表4に、塩分量及びpH値と乳酸の量との関係の一例を示す。
例えば、上記の実施形態では、調味糠を発酵させるための発酵開始剤として乳酸を使用したが、同様の結果が得られるのであれば乳酸菌や酵母菌等の有用微生物やその生成物を使用することができる。これら有用微生物は、耐塩性のものが好ましく、例えば耐塩性乳酸菌としては、Pediococcus halophilus, Pediococcus petisaceus,Tetragenococcus
halophilusを挙げることができ、耐塩性酵母菌としては、Pichia farinosa, Candida versatilis, Zygosaccharomyces rouxiiを挙げることができる。
また、乳酸を使用する場合、適切な乳酸の量は、塩分量及びpH値との関係で決定することができる。以下の表4に、塩分量及びpH値と乳酸の量との関係の一例を示す。
塩分量1%〜3%の範囲内において、乳酸が1%のときは、3ヶ月〜4ヶ月程度の漬け込みが最適(pHの好適範囲はおおよそ5.5以上5.8以下)であることがわかる。乳酸を5%とすると、発酵が進みすぎて美味しさが損なわれ、乳酸を全く使用しないと、pHの調整が難しくなって味にばらつきが生じる。従って、塩分量1%〜3%の範囲内では、乳酸は1%程度、好ましい範囲は1%〜2%程度とするのがよい。
本発明は、鯖、鰯、河豚、秋刀魚、ホッケ等の魚やこれら魚の切り身を糠漬けした加工食品の製造に広範に適用が可能である。
Claims (7)
- 魚糠漬け加工食品の製造方法において、
糠に調味料を添加してなる調味糠に発酵開始剤を添加して発酵させ、発酵調味糠を準備する工程と、
魚又は魚の切り身を脱水処理する工程と、
前記発酵調味糠に、脱水処理をした魚又は魚の切り身を投入する工程と、
前記発酵調味糠に前記魚又は魚の切り身を所定期間漬け込む工程と、
を有することを特徴とする魚糠漬け加工食品の製造方法。 - 前記発酵開始剤が、乳酸,乳酸菌又は酵母菌のいずれかであること特徴とする請求項1に記載の魚糠漬け加工食品の製造方法。
- 前記発酵調味糠が、前記糠の重量に対して1%〜2%の乳酸を含む調味糠を発酵させてなることを特徴とする請求項1に記載の魚糠漬け加工食品の製造方法。
- 前記調味糠を、25℃〜30℃の温度下で10日から2週間発酵させることを特徴とする請求項3に記載の魚糠漬け加工食品の製造方法。
- 前記脱水処理が、前記魚又は魚の切り身に対する重量比で3%〜5%の振り塩による脱水処理と同等の脱水効果を得ることができるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の魚糠漬け加工食品の製造方法。
- 前記魚又は魚の切り身を脱水シートで包むことで前記脱水処理を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の魚糠漬け加工食品の製造方法。
- 25℃〜30℃の温度下で3ヶ月〜6ヶ月間糠漬けすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の魚糠漬け加工食品の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107495191A (zh) * | 2017-09-28 | 2017-12-22 | 思南江源绿色食品有限公司 | 一种酸鱼的加工方法 |
Citations (3)
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JPH01304839A (ja) * | 1988-05-31 | 1989-12-08 | Akiyoshi Yamane | 赤身魚肉の漬物の製造法 |
JP2005073532A (ja) * | 2003-08-29 | 2005-03-24 | Showa Sangyo Co Ltd | 漬物用組成物 |
JP2005192553A (ja) * | 2003-12-10 | 2005-07-21 | Akita Prefecture | 低温で良好な生育を示し、ナイシンを高生産する糖質資化性に優れγ−アミノ酪酸を生産する新規乳酸菌およびγ−アミノ酪酸高生産法と酒類の火落ち防止技術等への利用 |
-
2008
- 2008-03-21 JP JP2008072698A patent/JP2009225695A/ja active Pending
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