JP2009225005A - データ処理装置、データ処理方法、及び、プログラム - Google Patents

データ処理装置、データ処理方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】生き残りステートの数を少なくしつつ、トレリスを用いたデータ系列の推定を、精度良く行う。
【解決手段】ブランチメトリック計算部201は、分岐するステートの数を、制限ステート数Mに制限しながら、ブランチメトリックを計算し、ステートメトリック計算部202は、生き残りステートの候補のステートメトリックを、ブランチメトリックを用いて計算する。最小値検出部203は、生き残りステートの候補のステートメトリックの最小ステートメトリックを検出する。パスメモリ208は、最小ステートメトリックのステートから、打ち切り長L-1だけ遡ったステートである有効ステートから分岐するステートを、生き残りステートとして記憶し、有効ステートに対応するデータの候補を、そのデータの推定値として選択する。本発明は、例えば、シンボル系列の推定に適用できる。
【選択図】図15

Description

本発明は、データ処理装置、データ処理方法、及び、プログラムに関し、特に、例えば、トレリスにおいて生き残る生き残りステートの数を少なくしつつ、トレリスを用いたデータ系列の推定を、精度良く行うことができるようにするデータ処理装置、データ処理方法、及び、プログラムに関する。
通信や放送等の分野で幅広く使用されている符号として、例えば、畳み込み符号がある。畳み込み符号は、符号語を、最も確からしいデータ系列(符号化の対象の情報の系列)に復号する最尤復号を実現することができるという大きな特長がある。最尤復号を実現する復号方法として、ビタビ復号法がある。
ビタビ復号法では、トレリスを用いて、最も確からしいデータ系列が推定(最尤推定)される。
すなわち、ビタビ復号法では、トレリスの各ステートに対して、そのステートを通る最小距離(最小のメトリック)のパス(ステートの系列)の候補を求めて記憶することが繰り返され、無駄な計算を省きながら、最終的に、受信語と最小距離の符号語を選ぶことができる。
ここで、ビタビ復号法には、復号長(符号長)が増大しても、演算量が線形にしか増えないという特長がある。
一方、日本の地上波ディジタルテレビジョン放送の1つの方式であるISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)-T等では、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)(直交周波数分割多重方式)が採用されている。
OFDMは、各シンボルの後ろの部分を、ガードインターバルとして先頭に付加することにより、遅延波(マルチパスのエコー)に対する耐性を有する。但し、ガードインターバルを超える遅延が存在する場合には、シンボル間干渉とキャリア間干渉とが発生し、受信特性(復号特性)が著しく劣化する。
ガードインターバル長を超える遅延波が存在した場合でも、例えば、ベースバンドのOFDM信号に、ハニング窓を掛け、FFT(Fast Fourier Transform)をすることにより、シンボル間干渉を軽減すると同時に、隣接するキャリア以外から発生するキャリア間干渉を軽減することができる。
いま、OFDM信号のキャリア(サブキャリア)を特定するキャリア番号をnと、OFDM信号に、ハニング窓を掛け、FFTをして得られるOFDM信号(以下、干渉低減信号ともいう)をYnと、それぞれ表すこととすると、干渉低減信号Ynは、式(1)で表される。
Figure 2009225005
・・・(1)
ここで、キャリア番号がnのキャリアを、キャリア#nと表すこととすると、Xnは、キャリア#nで送信される送信シンボルを表す。
また、Nnは、干渉低減信号Ynに含まれる雑音成分を表し、シンボル間干渉、キャリア間干渉、及び、加法性白色雑音の和である。さらに、Hnは、キャリア#nに対する伝送路の特性を表し、以下、伝送路情報ともいう。
なお、式(1)において、Xn-1Hn-1と乗算されている係数-1/2、XnHnと乗算されている係数+1、及び、Xn+1Hn+1と乗算されている係数-1/2は、ハニング窓の係数である。
また、以下では、キャリア番号#nのキャリア(キャリア#n)は、キャリアの周波数が小さい順の、n番目のキャリアであることとする。
式(1)によれば、干渉低減信号Ynは、送信シンボルXnとXn-1を内部状態(内部ステート)として記憶するメモリ、つまり、2つのメモリを用いた畳み込み符号化により得られる畳み込み符号と見ることができる。したがって、送信シンボルXn(送信シンボルXnからなる送信シンボル系列X0,X1,・・・)は、伝送路情報Hnが与えられ、また、キャリア番号#nが0以下の範囲の送信シンボルXnを、例えば、0とすると、送信シンボルXnは、トレリスを用いた系列の推定を行うことにより推定することができる。
すなわち、送信シンボルXnは、例えば、ビタビ復号法によって最尤推定することができる。
送信シンボルXnを、ビタビ復号法によって最尤推定するビタビ復号器において、トレリスのステート数は、OFDM信号の1次変調の信号点(IQコンスタレーション上の信号点)の数の2乗の値となる。
ISDB-Tでは、一次変調として、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation),16QAM,QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、又はBPSK(Binary Phase Shift Keying)が行われる。
例えば、1次変調として、64QAMが行われる場合、トレリスのステート数は、4096(=64×64)となる。
また、ビタビ復号器において、トレリスの1個のステートに対して計算する必要があるブランチメトリックの数は、1次変調の信号点の数となる。
したがって、OFDM信号の1つのキャリアについて計算する必要があるブランチメトリックの数は、1次変調の信号点の数の3乗の値となる。
ここで、図1は、一般なビタビ復号法のトレリスを示している。
なお、図1のトレリスでは(後述するトレリスでも同様)、横方向は、時間を表し、縦方向に並ぶ丸印は、各時刻のステートを表す。また、ステートどうしを結ぶ線分が、枝(ブランチ)を表す。
1次変調として、64QAMが行われる場合、トレリスの各時刻のステート数は、上述したように、4096になる。そして、トレリスの各時刻、つまり、OFDMの各キャリアについて計算する必要があるブランチメトリックの数は、262144(=64×64×64)となり、ビタビ復号器を小規模に実装することは、極めて困難になる。
ビタビ復号器等の、データ系列の推定を行う系列推定器の規模の増加を低減する方法としては、例えば、非特許文献1に記載されている方法(以下、Mアルゴリズムともいう)がある。
Mアルゴリズムでは、トレリスにおいて生き残る生き残りステート、つまり、系列推定器で記憶しておくステートを、以下のように抑えることで、系列推定器の規模の増加を低減する。
すなわち、Mアルゴリズムでは、各時刻において、1個の生き残りステートから分岐するステート(枝)の数を、所定の数(以下、制限ステート数ともいう)Mに制限し、各生き残りステートから分岐するステートのステートメトリックをソートする。さらに、Mアルゴリズムでは、ステートメトリックをソートしたステートの中から、ステートメトリックが小さい順に、ある一定の数Cのステートを、新たな生き残りステートとして選択し、以下、同様の処理が繰り返される。
そして、Mアルゴリズムでは、生き残りステートからステートを遡って、系列の推定が行われる。
図2は、Mアルゴリズムを説明する図である。
図2では、制限ステート数Mが2になっており、最新の時刻において選択する生き残りステートの数(以下、最新生き残りステート数ともいう)Cが4になっている。
図2Aは、Mアルゴリズムによるトレリスを示している。
図2Aでは、例えば、時刻t=nの生き残りステートとして、4個のステートが存在する。ここで、図2において、白丸印が、生き残りステートを表し、黒丸印が、生き残りステートに選択されなかったステートを表す。
Mアルゴリズムでは、時刻t=nの4個の生き残りステートそれぞれについて、その生き残りステートから分岐する、時刻t=n+1のステートが、制限ステート数Mである2個のステートに制限される。
すなわち、時刻t=nの生き残りステートから分岐する枝のうちの、ブランチメトリックが小さい上位2(=M)本の枝につながる時刻t=n+1のステートが、生き残りステートの候補として求められる。
図2Aでは、時刻t=nの生き残りステートが4個であり、各生き残りステートについて、時刻t=n+1のステートの2個が、生き残りステートの候補とされるから、時刻t=n+1の8個のステートが、生き残りステートの候補となる。
その後、Mアルゴリズムでは、時刻t=n+1の8個の生き残りステートの候補それぞれのステートメトリックが求められ、さらに、ステートメトリックがソートされる。
さらに、時刻t=n+1の8個の生き残りステートの候補のうちの、ステートメトリックが小さい順に、4(=C)個の生き残りステートの候補が、時刻t=n+1の生き残りステート(新たな生き残りステート)として選択される。
そして、時刻t=n+1の生き残りステートから分岐する枝のうちの、ブランチメトリックが小さい上位2(=M)本の枝につながる時刻t=n+2のステートが、生き残りステートの候補として求められ、以下、同様の処理が繰り返される。
図2B及び図2Cは、Mアルゴリズムにおいて、図2Aに示したように、生き残りステートが選択される場合に記憶しておく必要があるステートを示している。
すなわち、図2Bは、時刻t=n+1の4個の生き残りステートが選択されたときに、その、例えば、2時刻前の時刻t=n-1のステートの中で記憶しておく必要があるステート(生き残りステート)を示している。
時刻t=n-1のステートの中で、時刻t=n+1の4個の生き残りステートにつながるステートは、系列の推定を行うために記憶しておく必要があり、図2Bでは、時刻t=n-1のステートのうちの、図中、点線で囲む3個のステートを記憶しておく必要がある。
図2Cは、時刻t=n+2の4個の生き残りステートが選択されたときに、その、例えば、2時刻前の時刻t=nのステートの中で記憶しておく必要があるステートを示している。
時刻t=nのステートの中で、時刻t=n+2の4個の生き残りステートにつながるステートは、系列の推定を行うために記憶しておく必要があり、図2Cでは、時刻t=nのステートのうちの、図中、点線で囲む4個のステートを記憶しておく必要がある。
"Source and Channel Coding: An Algorithmic Approach", J.B.Anderson, S.Mohan, Kluwer Academic Press, 1991.
Mアルゴリズムでは、過去の時刻のステートの中で記憶しておく必要があるステートのステート数が、例えば、上述のように、3個や4個等に変化する。
したがって、Mアルゴリズムを採用する系列推定器では、過去の時刻のステートの中で記憶しておく必要があるステートのステート数の最大値分の記憶容量のメモリ(いわゆるパスメモリ)を設ける必要があり、系列推定器の規模が大になる。
ここで、図2に示したように、制限ステート数Mが2であり、最新生き残りステート数Cが4である場合において、Mアルゴリズムで記憶しておく必要がある、例えば、2時刻前のステート数の最大値は、4となる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、生き残りステートの候補の数を適切に制限すること等によって、生き残りステートの数を少なくしつつ、トレリスを用いたデータ系列の推定を、精度良く行うことができるようにするものである。
本発明の第1の側面のデータ処理装置、又は、プログラムは、データ系列の推定に用いるトレリスのステートから分岐する前記ステートの数を、所定の数Mに制限しながら、ブランチメトリックを計算するブランチメトリック計算手段と、前記トレリスにおいて生き残る生き残りステートの候補のステートメトリックを、前記ブランチメトリックを用いて計算するステートメトリック計算手段と、前記生き残りステートの候補のステートメトリックの中で、最小のステートメトリックである最小ステートメトリックを検出する検出手段と、前記トレリスにおいて、前記最小ステートメトリックの前記ステートから、前記データ系列の推定を打ち切る単位である打ち切り長L-1だけ遡った前記ステートである有効ステートから分岐するステートを、前記生き残りステートとして記憶する記憶手段と、前記有効ステートに対応する、前記データ系列を構成するデータの候補を、前記データの推定値として選択する選択手段とを備えるデータ処理装置、又は、データ処理装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
本発明の第1の側面のデータ処理方法は、データ系列の推定を行うデータ処理装置が、前記データ系列の推定に用いるトレリスのステートから分岐する前記ステートの数を、所定の数Mに制限しながら、ブランチメトリックを計算し、前記トレリスにおいて生き残る生き残りステートの候補のステートメトリックを、前記ブランチメトリックを用いて計算し、前記生き残りステートの候補のステートメトリックの中で、最小のステートメトリックである最小ステートメトリックを検出し、前記トレリスにおいて、前記最小ステートメトリックの前記ステートから、前記データ系列の推定を打ち切る単位である打ち切り長L-1だけ遡った前記ステートである有効ステートから分岐するステートを、前記生き残りステートとして記憶し、前記有効ステートに対応する、前記データ系列を構成するデータの候補を、前記データの推定値として選択するステップを含むデータ処理方法である。
以上のような第1の側面においては、前記データ系列の推定に用いるトレリスのステートから分岐する前記ステートの数を、所定の数Mに制限しながら、ブランチメトリックが計算され、前記トレリスにおいて生き残る生き残りステートの候補のステートメトリックが、前記ブランチメトリックを用いて計算される。さらに、前記生き残りステートの候補のステートメトリックの中で、最小のステートメトリックである最小ステートメトリックが検出され、前記トレリスにおいて、前記最小ステートメトリックの前記ステートから、前記データ系列の推定を打ち切る単位である打ち切り長L-1だけ遡った前記ステートである有効ステートから分岐するステートが、前記生き残りステートとして記憶される。そして、前記有効ステートに対応する、前記データ系列を構成するデータの候補が、前記データの推定値として選択される。
本発明の第2の側面のデータ処理装置は、データ系列の推定に用いるトレリスのステートから分岐する前記ステートの数を、所定の数Mに制限し、前記データ系列の推定を打ち切る単位である打ち切り長L分の前記ステートの系列を用いて、前記データ系列を構成するデータの推定値を出力するときに、前記トレリスにおいて生き残る生き残りステートの候補の数を、ML個に制限するデータ処理装置である。
以上のような第2の側面においては、データ系列の推定に用いるトレリスのステートから分岐する前記ステートの数が、所定の数Mに制限され、前記データ系列の推定を打ち切る単位である打ち切り長L分の前記ステートの系列を用いて、前記データ系列を構成するデータの推定値が出力される。前記トレリスにおいて生き残る生き残りステートの候補の数は、ML個に制限される。
なお、データ処理装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
また、プログラムは、伝送媒体を介して伝送することにより、又は、記録媒体に記録して、提供することができる。
本発明の第1及び第2の側面によれば、データ系列の推定を行うことができ、特に、例えば、トレリスにおいて生き残る生き残りステートの数を少なくしつつ、トレリスを用いたデータ系列の推定を、精度良く行うことができる。
図3は、本発明を適用した受信装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図3において、受信装置は、例えば、ISDB-Tの規格に準拠するOFDM信号を受信して処理する。
すなわち、受信装置は、ハニング窓乗算部11,FFT部12、送信系列推定部13、干渉成分推定部14、干渉成分除去部15、誤り訂正部16、及び、伝送路特性推定部17から構成される。
ハニング窓乗算部11には、時間領域の信号である、ベースバンドのOFDM信号が供給される。ハニング窓乗算部11は、そこに供給されるOFDM信号に、例えば、ハニング窓等の窓関数をかけ、FFT部12に供給する。
FFT部12は、ハニング窓乗算部11からのOFDM信号のFFTを行い、その結果得られる、前述の式(1)で表される干渉低減信号Ynを、送信系列推定部13、干渉成分推定部14、及び、干渉成分除去部15に供給する。
ここで、ハニング窓は、時間領域、及び周波数領域のうちのいずれの領域でかけてもよい。
すなわち、図3では、時間領域の信号であるOFDM信号に、ハニング窓をかけ、その後、FFTを行うことで、式(1)の干渉低減信号Ynを得るようにしたが、時間領域の信号であるOFDM信号のFFTを行い、その結果得られる周波数領域のOFDM信号に、ハニング窓をかけることにより、式(1)の干渉低減信号Ynを得ることが可能である。
いま、時間領域の信号であるOFDM信号のFFTを行うことで周波数領域のOFDM信号を、Rnと表すこととすると、OFDM信号Rnは、式(2)で表される。
Figure 2009225005
・・・(2)
なお、HICIは、OFDM信号Rnに含まれるキャリア間干渉を表し、NISIは、OFDM信号Rnに含まれるシンボル間干渉を表す。NAWGNは、OFDM信号Rnに含まれる加法性白色雑音を表す。
以下、キャリア間干渉HICI、及び、シンボル間干渉NISIの両方を含めて、干渉成分ともいう。
前述したように、ガードインターバルを超える遅延の遅延波(マルチパスのエコー)が存在する場合には、干渉成分の影響が強くなり、受信特性が著しく劣化する。
式(2)のOFDM信号Rnに、ハニング窓をかけることにより、式(1)の干渉低減信号Ynに含まれる干渉成分を、キャリア#nの両側のキャリア#n-1と#n+1のそれぞれからのシンボル間干渉NISI、及び、キャリア間干渉NICIに限定し、他のキャリアからのシンボル間干渉NISI、及び、キャリア間干渉NICIを抑制することができる。
ここで、式(2)の周波数領域のOFDM信号Rnに、ハニング窓をかけて、式(1)の干渉低減信号Ynを得る処理は、OFDM信号Rnと、ハニング窓の係数である-1/2,1,-1/2とを畳み込むことで行うことができる。
すなわち、OFDM信号にハニング窓をかけることは、時間領域では、OFDM信号とハニング窓の係数との乗算で行うことができ、周波数領域では、OFDM信号とハニング窓の係数との畳み込みで行うことができる。
また、式(1)の干渉低減信号Ynは、前述したように、畳み込み符号と見ることができ、これにより、送信シンボルXnは、トレリスを用いた系列の推定を行うことによって推定することができる。
したがって、図3の受信装置では、OFDM信号に、ハニング窓をかけることで、トレリスを用いた送信シンボルXnのシンボル系列(データ系列)の推定のための、式(1)の拘束条件を成立させているということができる。
送信系列推定部13は、トレリスを用いたデータ系列の推定を行うデータ処理装置であり、FFT部12からの畳み込み符号としての干渉低減信号Ynを用いて、送信シンボル(のシンボル系列)を推定し、その送信シンボルの推定値を、干渉成分推定部14に供給する。
すなわち、送信系列推定部13には、FFT部12から干渉低減信号Ynが供給される他、伝送路特性推定部17から、伝送路情報Hn+1が供給されるようになっている。
送信系列推定部13は、FFT部12からの干渉低減信号Ynと、伝送路特性推定部17からの伝送路情報Hn+1とを用いて、トレリスにより、送信シンボル(データ系列としてのシンボル系列を構成する送信シンボル)を推定する。
具体的には、送信系列推定部13は、干渉低減信号Ynを表す式(1)を、その雑音成分Nnを無視して、送信シンボルXn+1について解いた式(3)に従い、干渉低減信号Yn、及び、伝送路情報Hn+1とを用いて、送信シンボルXn+1の受信値X'n+1を求める。
Figure 2009225005
・・・(3)
そして、送信系列推定部13は、詳細については後述するが、受信値X'n+1に基づいて、送信シンボルのシンボル系列の推定に用いるトレリスのステートから分岐するステートの数を、制限ステート数Mに制限し、シンボル系列の推定を打ち切る単位である打ち切り長L分のステートの系列を用いて、シンボル系列を構成する送信シンボルの推定値を出力するが、そのときに、トレリスにおいて生き残る生き残りステートの候補の数を、ML個に制限する。
干渉成分推定部14は、FFT部12からの干渉低減信号Ynと、送信系列推定部13からの送信シンボル(のシンボル系列)の推定値とを用いて、干渉低減信号Ynに含まれる干渉成分を推定し、その干渉成分の推定値を、干渉成分除去部15に供給する。
干渉成分除去部15は、FFT部12からの干渉低減信号Ynから、干渉成分推定部14からの干渉成分を除去し、その結果得られる干渉成分除去信号を、誤り訂正部16に供給する。
誤り訂正部16は、干渉成分除去部15からの干渉成分除去信号に対して、誤り訂正処理を施し、その訂正結果である、送信シンボルを構成する情報(ビット)の系列(OFDMによって送信されてきた情報の系列)を出力する。
伝送路特性推定部17には、OFDMのパイロット信号が供給されるようになっている。伝送路特性推定部17は、そこに供給されるパイロット信号から、伝送路情報Hn+1を推定し、送信系列推定部13に供給する。
次に、図4ないし図6を参照して、図3の送信系列推定部13による、送信シンボルの推定の処理について説明する。
送信系列推定部13は、シンボル系列の推定に用いるトレリスのステートから分岐するステートの数を、制限ステート数Mに制限しながら、その制限ステート数Mのステートへの枝のブランチメトリックを計算する。
さらに、送信系列推定部13は、ブランチメトリックを用いて、制限ステート数Mのステートのステートメトリックを計算し、打ち切り長L分のステートの系列を用いて、送信シンボルの推定値を出力する。
送信系列推定部13は、以上の処理を、FFT部12から、干渉低減信号Ynが供給されるたびに繰り返す。
すなわち、図4は(図5、及び図6も同様)、制限ステート数Mを4とするとともに、打ち切り長Lを3とした場合のトレリスを示している。
ここで、打ち切り長Lとは、上述したように、シンボル系列の推定を打ち切る単位であり、幾つの受信値に対して、1個の送信シンボルの推定値を出力するか(1個の送信シンボルの推定に、幾つの受信値を用いるか)を表す。したがって、打ち切り長Lが、例えば、1の場合は、1個の受信値を用いて、1個の送信シンボルの推定値を出力することになる。但し、この場合には、系列の推定にはならない。
また、打ち切り長Lが、例えば、3の場合は、3個の受信値を用いて、つまり、打ち切り長L分のステートの系列を用いて、1個の送信シンボルの推定値を出力することになる。
例えば、いま、時刻t=n+1に注目すると、送信系列推定部13は、1時刻前の時刻t=nの生き残りステートから分岐するステートの数を、制限ステート数Mである4個に制限して、時刻t=nの生き残りステートそれぞれについて、制限ステート数Mである4個の、時刻t=n+1のステートへのブランチメトリックを計算する。
ここで、時刻t=nの生き残りステートから分岐する時刻t=n+1へのステートを、制限ステート数Mである4個のステートに制限する方法については、後述する。
また、時刻t=n+1に注目したときに、その1時刻前の時刻t=nの送信シンボルXnの推定値のj番目の候補を、X''n,i,jと表す。
さらに、送信シンボルXnの推定値の候補(以下、シンボル候補ともいう)X''n,i,jに対応する時刻t=nの生き残りステート(以下、生き残りステートX''n,i,jともいう)につながる、1時刻前の時刻t=n-1のi番目のシンボル候補を、X''n-1,iと表す。
また、時刻t=nの生き残りステートX''n,i,jから分岐する時刻t=n+1へのステートに対応する、k番目のシンボル候補を、X''n+1,i,j,kと表す。
トレリスにおいては、時刻t=n+1のステートX''n+1,i,j,kは、時刻t=nの生き残りステートX''n+1,i,jにつながっており、さらに、時刻t=nの生き残りステートX''n+1,i,jは、時刻t=n-1の生き残りステートX''n+1,iにつながっている。
時刻t=n+1に注目した場合に、1時刻前の時刻t=nの生き残りステートX''n+1,i,jから分岐する枝のうちの、ブランチメトリックが計算される枝につながる時刻t=n+1のステートX''n+1,i,j,kは、以降に、生き残りステートとして生き残るステートの候補である。この生き残りステートとして生き残るステートの候補である、時刻t=n+1のステートX''n+1,i,j,kを、以下、生き残り候補X''n+1,i,j,kともいう。
なお、サフィックスi,j、及びkは、いずれも、0,1,2,3(=L-1)の4(=L)個の値をとる。
送信系列推定部13は、時刻t=n+1の生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリックを求めると、そのブランチメトリックを、時刻t=nの生き残りステートX''n+1,i,jのステートメトリックに加算することで、生き残り候補X''n+1,i,j,kのステートメトリックを求める。
さらに、送信系列推定部13は、生き残り候補X''n+1,i,j,kのステートメトリックの中で、最小のステートメトリックである最小ステートメトリックを検出する。そして、送信系列推定部13は、トレリスにおいて、最小ステートメトリックの生き残り候補X''n+1,i,j,kから、打ち切り長L-1、つまり、いまの場合、2(=3-1)時刻だけ遡った、時刻t=n-1の生き残りステート(以下、有効ステートともいう)X''n+1,iを検出する。
図5は、有効ステートX''n+1,iの検出の結果を示している。
図5では、時刻t=n+1の生き残り候補X''n+1,i,j,k(図4)となっているステートのうちの、ステートSn+1が最小ステートメトリックのステートになっている。
送信系列推定部13は、時刻t=n+1の2(=L-1)時刻前の時刻t=n-1の生き残りステートX''n+1,iのうちの、最小ステートメトリックのステートSn+1から2時刻だけ遡った生き残りステートSn-1を、有効ステートとして検出する。
そして、送信系列推定部13は、トレリスの生き残りステートX''n+1,iとX''n+1,i,j、及び、生き残り候補X''n+1,i,j,kの中で、有効ステートSn-1から分岐するステート(直接分岐するステートと、間接的に分岐するステート)を、新たな生き残りステートとして記憶し(有効ステートSn-1から、その有効ステートSn-1から分岐する最新の時刻のステートまでのパスを記憶し)、他のステートをドロップする(生き残りステートから除外する)。
さらに、送信系列推定部13は、時刻t=n+1の2(=L-1)時刻前の時刻t=n-1の有効ステートSn-1に対応するシンボル候補X''n+1,iを、送信シンボルXn+1の推定値として選択して出力する(送信シンボルXn+1の推定を、打ち切り長L分のステートの系列(図5では、時刻tがn-1ないしn+1の3(=L)時刻分のステートの系列)で打ち切り、その推定結果を出力する)。
その後、送信系列推定部13は、時刻t=n+1の生き残りステートの1個から分岐するステートの数を、制限ステート数Mである4個に制限して、時刻t=n+1の生き残りステートそれぞれについて、制限ステート数Mである4個の、時刻t=n+2のステートへのブランチメトリックを計算し、以下、同様の処理を繰り返す。
図6は、時刻t=n+2に注目した場合のトレリスを示している。
図6においては、時刻t=n-1の有効ステートSn-1から分岐するステートだけが、生き残りステートになっている。そして、最新の時刻、すなわち、注目している時刻t=n+2のステートのうちの、1時刻前の時刻t=n+1の生き残りステートに直接つながるステートだけが、生き残り候補になる。
つまり、時刻t=n-1の有効ステートSn-1から、3(=L)時刻だけ後の時刻t=n+2のステートから、生き残り候補が選択される。
上述したように、送信系列推定部13は、1時刻前の時刻の生き残りステートの1個から分岐するステート(生き残り候補)を、制限ステート数Mである4個に制限する。
したがって、ある時刻tの有効ステートからつながる(有効ステートから直接分岐する)、次の時刻t+1の生き残りステートの数(総数)は、制限ステート数Mになる。
そして、時刻t+1のM個の生き残りステートそれぞれからつながる、次の時刻t+2の生き残りステートの数は、制限ステート数Mに制限されるから、次の時刻t+2の生き残りステートの総数は、制限ステート数Mの2乗であるM2になる。
以下、同様にして、時刻t+Tの生き残りステートの総数は、制限ステート数MのT乗であるMTになる。
一方、上述したように、生き残り候補の時刻は、有効ステートの時刻tからL時刻だけ後の時刻t+Lになる。
したがって、生き残り候補の総数は、ML個、すなわち、例えば、図4ないし図6に示したように、制限ステート数Mが4で、打ち切り長Lが3である場合には、64(=43)個に制限される。
次に、図7を参照して、時刻t=nの1個の生き残りステートから分岐する時刻t=n+1へのステート(生き残り候補)を、制限ステート数Mのステートに制限する方法について説明する。
時刻t=nの1個の生き残りステートから分岐する時刻t=n+1へのステート(時刻t=n+1への枝)は、1次変調のIQコンスタレーション上の信号点の数だけ存在する。
送信系列推定部13は、時刻t=nの1個の生き残りステートから分岐する時刻t=n+1への生き残り候補を、1次変調のIQコンスタレーション上の信号点の数のステートのうちの、制限ステート数Mのステートに制限する分岐ステート制限を行う。
分岐ステート制限の方法としては、例えば、時刻t=nの1個の生き残りステートから分岐する時刻t=n+1の、1次変調のIQコンスタレーション上の信号点の数のステートへのブランチメトリックを計算し、そのブランチメトリックが小さい上位M個の枝につながるステートを、生き残り候補として選択する第1の方法を採用することができる。
但し、第1の方法では、1次変調のIQコンスタレーション上の信号点の数のブランチメトリックを計算する必要がある。
そこで、分岐ステート制限の方法としては、時刻t=n+1の生き残り候補を、トレリスを用いたシンボル系列の推定のための式(1)の拘束条件に従って計算されるIQコンスタレーション上の点に近いM個の信号点が表すシンボル候補に対応するステートに制限する第2の方法を採用することもできる。
第2の方法では、送信系列推定部13は、1次変調のIQコンスタレーション上の信号点の中から、式(1)の拘束条件に従って計算されるIQコンスタレーション上の点、つまり、式(3)に従って計算される、送信シンボルXn+1の受信値X'n+1に近い上位M個の信号点を検出し、そのM個の信号点それぞれが表すシンボル候補に対応するステートを、生き残り候補とする。
図7は、制限ステート数Mを4にした場合に、第2の方法によって検出される、送信シンボルXn+1の受信値X'n+1に近い上位4(=M)個の信号点を示している。
すなわち、図7Aは、1次変調としてQPSKを採用した場合に検出される4個の信号点を示している。
QPSKでは、IQコンスタレーション上の信号点の数は、4個であるため、その4個の信号点が、受信値X'n+1に近い上位4個の信号点として検出される。
図7Bは、1次変調として16QAMを採用した場合に検出される4個の信号点を示している。
16QAMでは、IQコンスタレーション上の信号点の数は、16個であるため、その16個の信号点のうちの、受信値X'n+1に近い上位4個の信号点が検出される。
図7Cは、1次変調として64QAMを採用した場合に検出される4個の信号点を示している。
64QAMでは、IQコンスタレーション上の信号点の数は、64個であるため、その64個の信号点のうちの、受信値X'n+1に近い上位4個の信号点が検出される。
なお、第2の方法によって得られるM個の生き残り候補は、ブランチメトリックが小さい上位M個のステートにほぼ一致する。
また、第1及び第2の方法のいずれを採用する場合であっても、信号点の数が多い、例えば、64QAMでは、多くのステートがドロップされる(生き残り候補から除外される)こととなる。
しかしながら、ここでドロップされるステートは、仮に、生き残り候補として残したとしても、有効ステートとして選択される可能性が極めて低いため、生き残り候補をM個のステートに制限して、多くのステートをドロップすることが、受信特性に与える影響は、極めて小さい。
さらに、受信値X'n+1に近い上位M個の信号点は、受信値X'n+1の、IQコンスタレーション上の座標(I,Q)(の範囲)に対して、あらかじめ求めておくことができるので、第2の方法によれば、生き残り候補を、ブランチメトリックを計算する必要がある第1の方法と比較して、極めて少ない処理量で、迅速に求めることができる。
ところで、送信系列推定部13は、上述したように、トレリスの生き残りステート、及び、生き残り候補の中で、有効ステートから分岐するステートを、新たな生き残りステートとして記憶するため、生き残りステートの数を少なくすることができる。
すなわち、図8は、図2のMアルゴリズムの場合と同様に、制限ステート数Mが2であり、かつ、最新生き残りステート数(最新の時刻の生き残りステートの数)Cが4である場合の、送信系列推定部13による送信シンボルの推定を表すトレリスを示している。
ここで、送信系列推定部13による送信シンボルの推定のアルゴリズムを、以下、Xアルゴリズムともいう。
制限ステート数Mが2である場合において、最新生き残りステート数Cが4であることは、Xアルゴリズムでは、打ち切り長Lが3であることに相当する。
したがって、Xアルゴリズムでは、例えば、時刻t=nに注目すると、1時刻前の時刻t=n-1の生き残りステートから分岐するステートの数を、制限ステート数Mである2個に制限して、時刻t=n-1の生き残りステートそれぞれについて、制限ステート数Mである2個の、時刻t=nの生き残り候補へのブランチメトリックが計算される。
さらに、Xアルゴリズムでは、時刻t=nの生き残り候補へのブランチメトリックを用いて、生き残り候補のステートメトリックが求められ、最小ステートメトリックが検出される。そして、トレリスにおいて、最小ステートメトリックの生き残り候補Snから、打ち切り長L-1、つまり、いまの場合、2(=3-1)時刻だけ遡った、時刻t=n-2の生き残りステートSn-2が、有効ステートとして検出される。
その後、トレリスの生き残りステート、及び、生き残り候補の中で、有効ステートSn-2から分岐するステートが、新たな生き残りステートとして記憶される。
ここで、制限ステート数Mは2であるから、有効ステートSn-2につながる時刻t=n-1の生き残りステートの数は、制限ステート数Mである2個になり、さらに、時刻t=n-1の生き残りステートにつながる時刻t=nの生き残りステートの数は、制限ステート数Mの2乗である4個になる。つまり、最新生き残りステート数Cは、図2のMアルゴリズムの場合と同様に、4になる。
次に、時刻t=n+1においては、Xアルゴリズムでは、やはり、1時刻前の時刻t=nの生き残りステートの1個から分岐するステートの数を、制限ステート数Mである2個に制限して、時刻t=nの4個の生き残りステートそれぞれについて、制限ステート数Mである2個の、時刻t=n+1の生き残り候補へのブランチメトリックが計算される。
さらに、Xアルゴリズムでは、時刻t=nの生き残り候補へのブランチメトリックを用いて、生き残り候補のステートメトリックが求められ、最小ステートメトリックが検出される。そして、トレリスにおいて、最小ステートメトリックの生き残り候補Sn+1から、打ち切り長L-1、つまり、いまの場合、2(=3-1)時刻だけ遡った、時刻t=n-1の生き残りステートSn-1が、有効ステートとして検出される。
その後、トレリスの生き残りステート、及び、生き残り候補の中で、有効ステートSn-1から分岐するステートが、新たな生き残りステートとして記憶される。
ここで、制限ステート数Mは2であるから、有効ステートSn-1につながる時刻t=nの生き残りステートの数は、制限ステート数Mである2個になり、さらに、時刻t=nの生き残りステートにつながる時刻t=n+1の生き残りステートの数は、制限ステート数Mの2乗である4個になる。つまり、最新生き残りステート数Cは、図2のMアルゴリズムの場合と同様に、4になる。
以下、Xアルゴリズムでは、同様の処理が繰り返される。
Mアルゴリズムでは、図2で説明したように、過去の時刻のステートの中で記憶しておく必要があるステートの数は変化する。そして、制限ステート数Mが2であり、最新生き残りステート数Cが4である場合においては、Mアルゴリズムで記憶しておく必要がある、例えば、2時刻前のステート数の最大値は、4となる。
一方、Xアルゴリズムでは、過去の時刻のステートの中で記憶しておく必要があるステートの数は、時刻ごとに固定である。例えば、制限ステート数Mが2であり、最新生き残りステート数Cが4である場合において記憶しておく必要がある、例えば、2時刻前のステート数は、2となる。
具体的には、Xアルゴリズムでは、例えば、時刻t=n+1の生き残り候補からは、有効ステートSn-1に(間接的に)つながる4個のステートが、新たな生き残りステートとして選択されるが、そのときには、1時刻前の時刻t=nで得られた有効ステートSn-2につながるステートを、生き残りステートとして記憶しておく必要がある。
時刻t=n+1の生き残り候補から、4個のステートが、新たな生き残りステートとして選択されるときの2時刻前の時刻t=n-1のステートの中で、有効ステートSn-2につながるステートの数は、図8において点線で囲むように、2個であり、この数は、制限ステート数Mが2であり、かつ、打ち切り長Lが3である限り、変わらない。
したがって、Xアルゴリズムでは、生き残りステートの数を少なくすることができる。すなわち、Mアルゴリズムでは、(最大で)4個のステートを記憶しておく必要があるのに対して、Xアルゴリズムでは、2個のステートを記憶しておくだけで済む。
その結果、Xアルゴリズムによれば、ステートを記憶するメモリの記憶容量が少なくて済み、送信系列推定部13、ひいては、図3の受信装置の規模を、Mアルゴリズムの場合より低減することができる。
また、Xアルゴリズムでは、生き残り候補の数を、制限ステート数Mに制限するが、上述したように、生き残り候補を制限することが受信特性に与える影響は、極めて小さいので、トレリスを用いたシンボル系列の推定を、精度良く行うことができる。
さらに、Xアルゴリズムでは、生き残り候補のステートメトリックの中から、最小ステートメトリックを検出するだけで良く、図2で説明したように、ステートメトリックをソートする必要があるMアルゴリズムに比較して、シンボル系列の推定を、迅速に行うことができる。
次に、図9ないし図14を参照して、送信系列推定部13(Xアルゴリズム)による、ISDB-Tの規格に準拠するOFDM信号からのシンボル系列の推定の処理について説明する。
なお、以下では、制限ステート数Mを、例えば、4とするとともに、打ち切り長Lを、例えば、3とする。
また、ISDB-Tの規格に準拠するOFDM信号は、MODE1,MODE2、及びMODE3が規定されているが、ここでは、MODE1,MODE2、及びMODE3のうちの、例えば、MODE3について説明する。
MODE3では、1シンボルのOFDM信号は、5617のキャリア(サブキャリア)#1ないし#5617を有する。
図3の受信装置では、FFT部12から、送信系列推定部13に対して、キャリア#0ないし#5616の干渉低減信号Ynが、例えば、周波数の低い順に供給されるとともに、FFT部12から、送信系列推定部13に対して、キャリア#nの干渉低減信号Ynが供給されるタイミングで、伝送路特性推定部17から、送信系列推定部13に対して、伝送路情報Hn+1が供給される。
図9は、FFT部12から、送信系列推定部13に対して、干渉低減信号Y0が供給されるとともに、伝送路特性推定部17から、送信系列推定部13に対して、伝送路情報H1が供給されたときの、送信系列推定部13の処理を説明する図である。
すなわち、図9Aは、1番目のキャリア#1が、キャリア番号がn+1のキャリア(式(3)の送信シンボルXn+1を送信するキャリア)になる場合のキャリアの並びを示している。
送信系列推定部13では、1番目のキャリア#1(=n+1)による送信シンボルX1(=Xn+1)の受信値X'1(=X'n+1)が、式(3)に従い、干渉低減信号Y0(=Yn)、送信シンボルX0(=Xn)の推定値X''0(=X''n)、及び送信シンボルX-1(=Xn-1)の推定値X''-1(=X''n-1)、並びに、伝送路情報H1(Hn+1),H0(=Hn)、及びH-1(=Hn-1)を用いて求められる。
ここで、1シンボルのOFDM信号に、キャリア番号#nが0以下のキャリア、及び、5618以上のキャリアは存在しないため、キャリア番号#nが0以下のキャリア、及び、5618以上のキャリアの送信シンボルXn、及び、その推定値Xn''は、0とする。
したがって、推定値X''0(=X''n)、及びX''-1(=X''n-1)は、0であるから、受信値X'1(=X'n+1)は、結局、式(3)のXn、及びXn-1を0とした式(4)に従って求められることになる。
Figure 2009225005
・・・(4)
送信系列推定部13は、受信値X'1を求めた後、IQコンスタレーション上で、ユークリッド距離が受信値X'1により近い、制限ステート数Mである4個の信号点を選択する。さらに、送信系列推定部13は、受信値X'1により近い4個の信号点それぞれが表す4個のシンボルを、送信シンボルX1の推定値の候補(シンボル候補)X''1,i=X''1,0,X''1,1,X''1,2,X''1,3とする。
その後、送信系列推定部13は、4個のシンボル候補X''1,iに対応する4個のステートX''1,iを、時刻t=1(=n+1)の生き残りステートの候補(生き残り候補)として、1時刻前の時刻t=0(=n)のステートから、時刻t=1(=n+1)の生き残り候補X''1,iへのブランチメトリックを計算する。
ここで、時刻t=nのステートX''n(推定値X''nに対応するステート)から、時刻t=n+1のステートX''n+1(推定値X''n+1に対応するステート)へのブランチメトリックをBMで表すこととすると、ブランチメトリックBMは、例えば、式(5)に従って計算される。
Figure 2009225005
・・・(5)
式(5)によれば、ブランチメトリックBMは、干渉低減信号Ynに含まれるキャリア間干渉、シンボル間干渉、及び加法性白色雑音の和に相当する。送信系列推定部13によるシンボル系列の推定は、ブランチメトリックBM(の和)を最小にするように行われる。
図9Bは、シンボル候補X''1,iに対応するステートX''1,iが、生き残り候補とされた状態のトレリスを示している。
いま、時刻t=1(=n+1)の生き残り候補X''1,iへのブランチメトリックBMを、BMiと表すこととすると、送信系列推定部13は、時刻t=1(=n+1)の4個の生き残り候補X''1,iのステートメトリックsmiを、ブランチメトリックBMiとする。
そして、時刻t=1(=n+1)では、その時刻t=1の生き残り候補X''1,iから、打ち切り長Lである3だけ遡ったステートがないため、送信系列推定部13は、4個の生き残り候補X''1,iのすべてを、生き残りステートX''1,iとして選択する。
図10は、FFT部12から、送信系列推定部13に対して、干渉低減信号Y1が供給されるとともに、伝送路特性推定部17から、送信系列推定部13に対して、伝送路情報H2が供給されたときの、送信系列推定部13の処理を説明する図である。
すなわち、図10Aは、2番目のキャリア#2が、キャリア番号がn+1のキャリアになる場合のキャリアの並びを示している。
送信系列推定部13では、2番目のキャリア#2(=n+1)による送信シンボルX2(=Xn+1)の受信値X'2(=X'n+1)が、式(3)に従い、干渉低減信号Y1(=Yn)、送信シンボルX1(=Xn)の推定値X''1(=X''n)、及び送信シンボルX0(=Xn-1)の推定値X''0(=X''n-1)、並びに、伝送路情報H2(Hn+1),H1(=Hn)、及びH0(=Hn-1)を用いて求められる。
ここで、図9で説明したように、キャリア番号#nが0以下のキャリア、及び、5618以上のキャリアの送信シンボルXnの推定値Xn''は、0であり、したがって、推定値X''0(=X''n-1)は、0であるから、受信値X'2(=X'n+1)は、結局、式(3)のXn-1を0とした式(6)に従って求められることになる。
Figure 2009225005
・・・(6)
なお、式(6)において、受信値X'2,iは、生き残りステートX''1,iにつながるステートから、生き残り候補を選択するのに用いられる受信値X'2を表す。
生き残りステートX''1,iとしては、ステートX''1,0,X''1,1,X''1,2、及び、X''1,3の4個のステートがあるので、その4個の生き残りステートX''1,iについて、4個の受信値X'2,iが、それぞれ求められる。
送信系列推定部13は、4個の受信値X'2,iを求めた後、IQコンスタレーション上で、その4個の受信値X'2,iそれぞれについて、受信値X'2,iにより近い、制限ステート数Mである4個の信号点を選択する。さらに、送信系列推定部13は、受信値X'2,iにより近い4個の信号点それぞれが表す4個のシンボルを、送信シンボルX2のシンボル候補X''2,i,j=X''2,i,0,X''2,i,1,X''2,i,2,X''2,i,3とする。
ここで、4個のシンボル候補X''2,i,jは、4個の受信値X'2,iそれぞれについて求められるため、全部で、16個のシンボル候補X''2,i,jが求められる。
その後、送信系列推定部13は、16個のシンボル候補X''2,i,jに対応する16個のステートX''2,i,jを、時刻t=2(=n+1)の生き残り候補として、1時刻前の時刻t=1(=n)の生き残りステートX''1,iから、時刻t=2の生き残り候補X''2,i,jへのブランチメトリックを、上述の式(5)に従って計算する。
図10Bは、16個のシンボル候補X''2,i,jに対応する16個のステートX''2,i,jが、生き残り候補とされた状態のトレリスを示している。
時刻t=2(=n+1)では、時刻t=1(=n)の生き残りステートX''1,iの1個から、制限ステート数Mである4個の生き残り候補X''2,i,0,X''2,i,1,X''2,i,2,X''2,i,3が分岐している。
いま、時刻t=2(=n+1)の生き残り候補X''2,i,jへのブランチメトリックBMを、BMi,jと表すこととすると、送信系列推定部13は、直前の時刻t=1(=n)の生き残りステートX''1,iのステートメトリックsmiに、ブランチメトリックBMi,jを加算することで、時刻t=2(=n+1)の16個の生き残り候補X''2,i,jのステートメトリックsmi,jを求める。
そして、時刻t=2(=n+1)では、その時刻t=2の生き残り候補X''2,i,jから、打ち切り長Lである3だけ遡ったステートがないため、送信系列推定部13は、16個の生き残り候補X''2,i,jのすべてを、生き残りステートX''2,i,jとして選択する。
図11は、FFT部12から、送信系列推定部13に対して、干渉低減信号Y2が供給されるとともに、伝送路特性推定部17から、送信系列推定部13に対して、伝送路情報H3が供給されたときの、送信系列推定部13の処理を説明する図である。
すなわち、図11Aは、3番目のキャリア#3が、キャリア番号がn+1のキャリアになる場合のキャリアの並びを示している。
送信系列推定部13では、3番目のキャリア#3(=n+1)による送信シンボルX3(=Xn+1)の受信値X'3(=X'n+1)が、式(3)に従い、干渉低減信号Y2(=Yn)、送信シンボルX2(=Xn)の推定値X''2(=X''n)、及び送信シンボルX1(=Xn-1)の推定値X''1(=X''n-1)、並びに、伝送路情報H3(Hn+1),H2(=Hn)、及びH1(=Hn-1)を用いて求められる。
すなわち、送信系列推定部13は、直前の時刻t=2(=n)の16個の生き残りステートX''2,i,jのそれぞれについて、1個ずつの受信値X'3,i,j(=X'n+1,i,j)、つまり、合計で、16個の受信値X'3,i,jを、式(3)に相当する式(7)に従って求める。
Figure 2009225005
・・・(7)
送信系列推定部13は、16個の受信値X'3,i,jを求めた後、IQコンスタレーション上で、その16個の受信値X'3,i,jそれぞれについて、受信値X'3,i,jにより近い、制限ステート数Mである4個の信号点を選択する。さらに、送信系列推定部13は、受信値X'3,i,jにより近い4個の信号点それぞれが表す4個のシンボルを、送信シンボルX3のシンボル候補X''3,i,j,k=X''3,i,j,0,X''3,i,j,1,X''3,i,j,2,X''3,i,j,3とする。
ここで、4個のシンボル候補X''3,i,j,kは、16個の受信値X'3,i,jそれぞれについて求められるため、全部で、64個のシンボル候補X''3,i,j,kが求められる。
その後、送信系列推定部13は、64個のシンボル候補X''3,i,j,kに対応する64個のステートX''3,i,j,kを、時刻t=3(=n+1)の生き残り候補として、1時刻前の時刻t=2(=n)の生き残りステートX''2,i,jから、時刻t=3の生き残り候補X''3,i,j,kへのブランチメトリックを、上述の式(5)に従って計算する。
図11Bは、64個のシンボル候補X''3,i,j,kに対応する64個のステートX''3,i,j,kが、生き残り候補とされた状態のトレリスを示している。
時刻t=3(=n+1)では、時刻t=2(=n)の生き残りステートX''2,i,jの1個から、制限ステート数Mである4個の生き残り候補X''3,i,j,0,X''3,i,j,1,X''3,i,j,2,X''3,i,j,3が分岐している。
いま、時刻t=3(=n+1)の生き残り候補X''3,i,j,kへのブランチメトリックBMを、BMi,j,kと表すこととすると、送信系列推定部13は、直前の時刻t=2(=n)の生き残りステートX''2,i,jのステートメトリックsmi,jに、ブランチメトリックBMi,j,kを加算することで、時刻t=3(=n+1)の64(=ML)個の生き残り候補X''3,i,j,kのステートメトリックsmi,j,kを求める。
その後、送信系列推定部13は、64(=ML)個の生き残り候補X''3,i,j,kのステートメトリックsmi,j,kのうちの最小ステートメトリックを検出する。さらに、送信系列推定部13は、最小ステートメトリックの生き残り候補X''3,i,j,kから、打ち切り長L-1である2だけ遡った時刻t=1(=(n+1)-(L-1))の生き残りステートX''1,iを、有効ステートとして検出する。
そして、送信系列推定部13は、有効ステートX''1,iに対して、直接及び間接的につながる生き残りステートと、生き残り候補とを、新たな生き残りステートとして選択する。
さらに、送信系列推定部13は、有効ステートX''1,iに対応するシンボル候補X''1,iを、キャリア#1(=n-1=n+1-(L-1))による送信シンボルX1(=Xn-1)の推定値として選択する。
したがって、図11Bにおいて、例えば、最小ステートメトリックの生き残り候補X''3,i,j,kが、生き残り候補X''3,0,0,0である場合には、その生き残り候補X''3,0,0,0から2(=L-1)だけ遡った時刻t=1の生き残りステートX''1,0が有効ステートとして選択される。
そして、有効ステートX''1,0、有効ステートX''1,0に直接つながる時刻t=2の4個の生き残りステートX''2,0,j、有効ステートX''1,0に間接的につながる(時刻t=2の4個の生き残りステートX''2,0,jに直接つながる)時刻t=3の16個の生き残り候補X''3,0,j,kが、新たな生き残りステートとして選択される。
さらに、有効ステートX''1,0に対応するシンボル候補X''1,0が、キャリア#1(=n-1=n+1-(L-1))による送信シンボルX1(=Xn-1)の推定値として選択される。
図12は、FFT部12から、送信系列推定部13に対して、キャリア#nの干渉低減信号Ynが供給されるとともに、伝送路特性推定部17から、送信系列推定部13に対して、伝送路情報Hn+1が供給されたときの、送信系列推定部13の処理を説明する図である。
キャリア#4ないし#5617が、キャリア番号がn+1のキャリアになる場合においては、送信系列推定部13では、キャリア#n+1による送信シンボルXn+1の受信値X'n+1が、式(3)に従い、干渉低減信号Yn、送信シンボルXnの推定値X''n、及び送信シンボルXn-1の推定値X''n-1、並びに、伝送路情報Hn+1,Hn、及びHn-1を用いて求められる。
すなわち、送信系列推定部13は、直前の時刻t=nの16個の生き残りステートX''n,i,jのそれぞれについて、1個ずつの受信値X'n+1,i,j、つまり、合計で、16個の受信値X'n+1,i,jを求める。
送信系列推定部13は、16個の受信値X'n+1,i,jを求めた後、IQコンスタレーション上で、その16個の受信値X'n+1,i,jそれぞれについて、受信値X'n+1,i,jにより近い、制限ステート数Mである4個の信号点を選択する。さらに、送信系列推定部13は、受信値X'n+1,i,jにより近い4個の信号点それぞれが表す4個のシンボルを、送信シンボルXn+1のシンボル候補X''n+1,i,j,k=X''n+1,i,j,0,X''n+1,i,j,1,X''n+1,i,j,2,X''n+1,i,j,3とする。
ここで、4個のシンボル候補X''n+1,i,j,kは、16個の受信値X'n+1,i,jそれぞれについて求められるため、全部で、64個のシンボル候補X''n+1,i,j,kが求められる。
その後、送信系列推定部13は、64個のシンボル候補X''n+1,i,j,kに対応する64個のステートX''n+1,i,j,kを、時刻t=n+1の生き残り候補として、1時刻前の時刻t=nの生き残りステートX''n,i,jから、時刻t=n+1の生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリックを、上述の式(5)に従って計算する。
図12は、64個のシンボル候補X''n+1,i,j,kに対応する64個のステートX''n+1,i,j,kが、生き残り候補とされた状態のトレリスを示している。
時刻t=n+1では、直前の時刻t=nの生き残りステートX''n,i,jの1個から、制限ステート数Mである4個の生き残り候補X''n+1,i,j,0,X''n+1,i,j,1,X''n+1,i,j,2,X''n+1,i,j,3が分岐している。
いま、時刻t=n+1の生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリックBMを、BMi,j,kと表すこととすると、送信系列推定部13は、直前の時刻t=nの生き残りステートX''n,i,jのステートメトリックsmi,jに、ブランチメトリックBMi,j,kを加算することで、時刻t=n+1の64(=ML)個の生き残り候補X''n+1,i,j,kのステートメトリックsmi,j,kを求める。
その後、送信系列推定部13は、64(=ML)個の生き残り候補X''n+1,i,j,kのステートメトリックsmi,j,kのうちの最小ステートメトリックを検出する。さらに、送信系列推定部13は、最小ステートメトリックの生き残り候補X''n+1,i,j,kから、打ち切り長L-1である2だけ遡った時刻t=n-1(=(n+1)-(L-1))の生き残りステートX''n-1,iを、有効ステートとして検出する。
そして、送信系列推定部13は、有効ステートX''n-1,iに対して、直接及び間接的につながる生き残りステートと、生き残り候補とを、新たな生き残りステートとして選択する。
さらに、送信系列推定部13は、有効ステートX''n-1,iに対応するシンボル候補X''n-1,iを、キャリア#n-1(=n+1-(L-1))による送信シンボルXn-1の推定値として選択する。
したがって、図12において、例えば、最小ステートメトリックの生き残り候補X''n+1,i,j,kが、生き残り候補X''n+1,0,0,0である場合には、その生き残り候補X''n+1,0,0,0から2(=L-1)だけ遡った時刻t=n-1の生き残りステートX''n-1,0が有効ステートとして選択される。
そして、有効ステートX''n-1,0に直接つながる時刻t=nの4個の生き残りステートX''n,0,j、有効ステートX''n-1,0に間接的につながる(時刻t=nの4個の生き残りステートX''n,0,jに直接つながる)時刻t=n+1の16個の生き残り候補X''n+1,0,j,kが、新たな生き残りステートとして選択される。
さらに、有効ステートX''n-1,0に対応するシンボル候補X''n-1,0が、キャリア#n-1による送信シンボルXn-1の推定値として選択される。
以上のように、送信系列推定部13では、トレリスのステート数にかかわらず、生き残り候補の数を、一定(ML個)に保ちながら、シンボル系列の推定を、容易に行うことができる。
ところで、送信系列推定部13では、時刻t=n+1において、キャリア#n+1による送信シンボルXn+1のシンボル候補X''n+1,i,j,kに対応するML個のステートX''n+1,i,j,kが、生き残り候補として求められた後、その生き残り候補X''n+1,i,j,kのうちの、最小ステートメトリックの生き残り候補X''n+1,i,j,kから、打ち切り長L-1である2だけ遡った時刻t=n-1(=(n+1)-(L-1))の生き残りステートX''n-1,iが、有効ステートとして検出される。
そして、有効ステートX''n-1,iに対応するシンボル候補X''n-1,iが、2(=L-1)時刻前の時刻t=n-1のキャリア#n-1による送信シンボルXn-1の推定値として選択される。
したがって、送信系列推定部13では、キャリア#n-1による送信シンボルXn-1の推定値を求めるには、その2時刻後の時刻t=n+1の生き残り候補X''n+1,i,j,kまで求める必要がある。
そのため、5617のキャリア#1ないし#5617を有する、1シンボルのOFDM信号については、最後のキャリア#5617の2つ後の(存在しない)キャリア#5619が、キャリア番号がn+1のキャリアになるまで、シンボル系列の推定の処理を行う必要がある。
図13は、1シンボルのOFDM信号の最後のキャリア#5617の1つ後の(存在しない)キャリア#5618が、キャリア番号がn+1のキャリアになる場合の、送信系列推定部13の処理を説明する図である。
すなわち、図13Aは、5618番目のキャリア#5618が、キャリア番号がn+1のキャリアになる場合のキャリアの並びを示している。
送信系列推定部13では、直前の時刻t=5617(=n)の16個の生き残りステートX''5617,i,j(=X''n,i,j)のそれぞれについて、5618番目のキャリア#5618(=n+1)による送信シンボルX5618(=Xn+1)の、1個ずつのシンボル候補X''5618,i,j,0が求められる。
すなわち、送信系列推定部13では、16個の生き残りステートX''5617,i,j(=X''n,i,j)について、16個のシンボル候補X''5618,i,j,0が、それぞれ求められる。
ここで、図9で説明したように、キャリア番号#nが5618以上のキャリアの送信シンボルXnの推定値Xn''は、0であり、したがって、シンボル候補X''5618,i,j,0としては、0が求められる。
送信系列推定部13は、16個のシンボル候補X''5618,i,j,0に対応する16個のステートX''5618,i,j,0を、時刻t=5618(=n+1)の生き残り候補として、1時刻前の時刻t=5617(=n)の生き残りステートX''5617,i,jから、時刻t=5618の生き残り候補X''5618,i,j,0へのブランチメトリックを、上述の式(5)に従って計算する。
図13Bは、16個のシンボル候補X''5618,i,j,0に対応する16個のステートX''5618,i,j,0が、生き残り候補とされた状態のトレリスを示している。
時刻t=5618(=n+1)では、時刻t=5617(=n)の生き残りステートX''5617,i,jの1個から、1個の生き残り候補X''5618,i,j,0が分岐している。
いま、時刻t=5618(=n+1)の生き残り候補X''5618,i,j,0へのブランチメトリックBMを、BMi,j,0と表すこととすると、送信系列推定部13は、直前の時刻t=5617(=n)の生き残りステートX''5617,i,jのステートメトリックsmi,jに、ブランチメトリックBMi,j,0を加算することで、時刻t=5618(=n+1)の16個の生き残り候補X''5618,i,j,0のステートメトリックsmi,j,0を求める。
その後、送信系列推定部13は、16個の生き残り候補X''5618,i,j,0のステートメトリックsmi,j,0のうちの最小ステートメトリックを検出する。さらに、送信系列推定部13は、最小ステートメトリックの生き残り候補X''5618,i,j,0から、打ち切り長L-1である2だけ遡った時刻t=5616(=(n+1)-(L-1))の生き残りステートX''5616,iを、有効ステートとして検出する。
そして、送信系列推定部13は、有効ステートX''561,iに対して、直接及び間接的につながる生き残りステートと、生き残り候補とを、新たな生き残りステートとして選択する。
さらに、送信系列推定部13は、有効ステートX''5616,iに対応するシンボル候補X''5616,iを、キャリア#5616(=n-1)による送信シンボルX5616(=Xn-1)の推定値として選択する。
したがって、図13Bにおいて、例えば、最小ステートメトリックの生き残り候補X''5618,i,j,0が、生き残り候補X''5618,0,0,0である場合には、その生き残り候補X''5618,0,0,0から2(=L-1)だけ遡った時刻t=5616の生き残りステートX''5616,0が有効ステートとして選択される。
そして、有効ステートX''5616,0に直接つながる時刻t=5617の4個の生き残りステートX''5617,0,j、有効ステートX''5616,0に間接的につながる(時刻t=5617の4個の生き残りステートX''5617,0,jに直接つながる)時刻t=5618の4個の生き残り候補X''5618,0,j,kが、新たな生き残りステートとして選択される。
さらに、有効ステートX''5616,0に対応するシンボル候補X''5616,0が、キャリア#5616(=n-1)による送信シンボルX5616(=Xn-1)の推定値として選択される。
図14は、1シンボルのOFDM信号の最後のキャリア#5617の2つ後の(存在しない)キャリア#5619が、キャリア番号がn+1のキャリアになる場合の、送信系列推定部13の処理を説明する図である。
すなわち、図14Aは、5619番目のキャリア#5619が、キャリア番号がn+1のキャリアになる場合のキャリアの並びを示している。
送信系列推定部13では、直前の時刻t=5618(=n)の4個の生き残りステートX''5618,i,0(=X''n,i,0)のそれぞれについて、5619番目のキャリア#5619(=n+1)による送信シンボルX5619(=Xn+1)の、1個ずつのシンボル候補X''5619,i,0,0が求められる。
すなわち、送信系列推定部13では、4個の生き残りステートX''5618,i,0(=X''n,i,0)について、4個のシンボル候補X''5619,i,0,0が、それぞれ求められる。
ここで、図9で説明したように、キャリア番号#nが5618以上のキャリアの送信シンボルXnの推定値Xn''は、0であり、したがって、シンボル候補X''5619,i,0,0としては、0が求められる。
送信系列推定部13は、4個のシンボル候補X''5619,i,0,0に対応する4個のステートX''5619,i,0,0を、時刻t=5619(=n+1)の生き残り候補として、1時刻前の時刻t=5618(=n)の生き残りステートX''5618,i,0から、時刻t=5619の生き残り候補X''5619,i,0,0へのブランチメトリックを、上述の式(5)に従って計算する。
図14Bは、4個のシンボル候補X''5619,i,0,0に対応する4個のステートX''5619,i,0,0が、生き残り候補とされた状態のトレリスを示している。
時刻t=5619(=n+1)では、時刻t=5618(=n)の生き残りステートX''5618,i,0の1個から、1個の生き残り候補X''5619,i,0,0が分岐している。
いま、時刻t=5619(=n+1)の生き残り候補X''5619,i,0,0へのブランチメトリックBMを、BMi,0,0と表すこととすると、送信系列推定部13は、直前の時刻t=5618(=n)の生き残りステートX''5618,i,0のステートメトリックsmi,0に、ブランチメトリックBMi,0,0を加算することで、時刻t=5619(=n+1)の4個の生き残り候補X''5619,i,0,0のステートメトリックsmi,0,0を求める。
その後、送信系列推定部13は、4個の生き残り候補X''5619,i,0,0のステートメトリックsmi,0,0のうちの最小ステートメトリックを検出する。さらに、送信系列推定部13は、最小ステートメトリックの生き残り候補X''5619,i,0,0から、打ち切り長L-1である2だけ遡った時刻t=5617(=(n+1)-(L-1))の生き残りステートX''5617,iを、有効ステートとして検出する。
そして、送信系列推定部13は、有効ステートX''5617,iに対応するシンボル候補X''5617,iを、1シンボルのOFDM信号の最後のキャリア#5617(=n-1)による送信シンボルX5617(=Xn-1)の推定値として選択する。
したがって、図14Bにおいて、例えば、最小ステートメトリックの生き残り候補X''5619,i,0,0が、生き残り候補X''5619,0,0,0である場合には、その生き残り候補X''5619,0,0,0から2(=L-1)だけ遡った時刻t=5617の生き残りステートX''5617,0が有効ステートとして選択される。
そして、有効ステートX''5617,0に対応するシンボル候補X''5617,0が、最後のキャリア#5617(=n-1)による送信シンボルX5617(=Xn-1)の推定値として選択される。
図15は、図3の送信系列推定部13の構成例を示している。
図15では、送信系列推定部13は、ブランチメトリック計算部201、ステートメトリック計算部202、最小値検出部203、セレクタ204、レジスタ(REG)205ないし207、及び、パスメモリ208から構成される。
ブランチメトリック計算部201には、FFT部12(図3)から、干渉低減信号Yn(D206)が供給されるとともに、伝送路特性推定部17(図3)から、伝送路情報Hn+1が供給される。
さらに、ブランチメトリック計算部201には、レジスタ206から、伝送路情報Hn(D202)が供給されるとともに、レジスタ207から、伝送路情報Hn-1(D201)が供給される。
また、ブランチメトリック計算部201には、パスメモリ208から、生き残りステート(に対応するシンボル候補)が供給される。
すなわち、上述したように、制限ステート数Mが4で、打ち切り長Lが3である場合には、ブランチメトリック計算部201には、パスメモリ208から、時刻t=n+1の1時刻前の時刻t=nの16個の生き残りステート(に対応するシンボル候補)X''n,i,j(D205)と、時刻t=n+1の2(=L-1)時刻前の時刻t=n-1の4個の生き残りステート(に対応するシンボル候補)X''n-1,i(D204)とが供給される。
ブランチメトリック計算部201は、時刻t=n+1の1時刻前の時刻t=nの16(=ML-1)個の生き残りステートX''n,i,jの1個から分岐する、時刻t=n+1のステート(生き残り候補)Xn+1,i,j,kを、制限ステート数Mである4に制限しながら、時刻t=n+1のステート(生き残り候補)Xn+1,i,j,kへのブランチメトリックBMi,j,kを計算し、そのブランチメトリックBMi,j,k(D208)を、ステートメトリック計算部202に供給する。
すなわち、ブランチメトリック計算部201は、FFT部12(図3)からの干渉低減信号Yn(D206)、伝送路特性推定部17からの伝送路情報Hn+1(D203)、レジスタ206からの伝送路情報Hn(D202)、レジスタ207からの伝送路情報Hn-1(D201)、並びに、パスメモリ208からの、時刻t=nの16個の生き残りステートに対応するシンボル候補(送信シンボルXnの推定値となり得るシンボル候補)X''n,i,j(D205)、及び、時刻t=n-1の4個の生き残りステートに対応するシンボル候補(送信シンボルXn-1の推定値となり得るシンボル候補)X''n-1,i(D204)を用い、式(3)に従って、1個のシンボル候補X''n,i,jについて、1個ずつの受信値X'n+1,i,j、つまり、合計で、16個の受信値X'n+1,i,jを求める。
さらに、ブランチメトリック計算部201は、IQコンスタレーション上で、16個の受信値X'n+1,i,jそれぞれについて、受信値X'n+1,i,jにより近い、制限ステート数Mである4個の信号点を選択し、その4個の信号点それぞれが表す4個のシンボルを、送信シンボルXn+1のシンボル候補X''n+1,i,j,k=X''n+1,i,j,0,X''n+1,i,j,1,X''n+1,i,j,2,X''n+1,i,j,3とする。
ブランチメトリック計算部201は、16個の受信値X'n+1,i,jそれぞれについて、4個ずつのシンボル候補X''n+1,i,j,k=X''n+1,i,j,0,X''n+1,i,j,1,X''n+1,i,j,2,X''n+1,i,j,3を求めると、つまり、全部で、64(=ML)個のシンボル候補X''n+1,i,j,kを求めると、その64個のシンボル候補X''n+1,i,j,kに対応するステートを、生き残り候補X''n+1,i,j,k(D207)として、パスメモリ208に供給する。
また、ブランチメトリック計算部201は、1時刻前の時刻t=nの16個の生き残りステートX''n,i,jから、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリックBMを、式(5)に従って計算し、そのブランチメトリックBM(D208)を、ステートメトリック計算部202に供給する。
すなわち、ブランチメトリック計算部201は、1個の生き残りステートX''n,i,jについて、4(=M)個の生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリックBMを、式(5)に従って計算し、そのブランチメトリックBM(D208)を、ステートメトリック計算部202に供給する。
ステートメトリック計算部202は、トレリスにおいて生き残る生き残りステートの候補、つまり、64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kのそれぞれについて、ブランチメトリック計算部201からのブランチメトリックBM(D208)を用いて、ステートメトリックsmを計算する。
すなわち、ステートメトリック計算部202には、ブランチメトリック計算部201から、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリックBM(D208)が供給される他、レジスタ205に記憶された、1時刻前の時刻t=nの16個の生き残りステートX''n,i,jのステートメトリックsm(D209)が供給される。
ステートメトリック計算部202は、レジスタ205からの、1時刻前の時刻t=nの生き残りステートX''n,i,jのステートメトリックsm(D209)に、ブランチメトリック計算部201からの、時刻t=n+1の生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリックBM(D208)を加算することで、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kそれぞれのステートメトリックを求める。
そして、ステートメトリック計算部202は、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kそれぞれのステートメトリックsm(D210)を、最小値検出部203、及び、セレクタ204に供給する。
最小値検出部203は、ステートメトリック計算部202からの、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kそれぞれのステートメトリックsm(D210)の中で、最小ステートメトリックを検出する。
さらに、最小値検出部203は、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kのうちの、最小ステートメトリックの生き残り候補X''n+1,i,j,kから、打ち切り長L-1だけ遡った時刻t=n-1(=(n+1)-(L-1))の生き残りステートX''n-1,iを、有効ステートとして検出する。そして、最小値検出部203は、有効ステートX''n-1,iを表す有効ステート情報(D211)を、セレクタ204、及び、パスメモリ208に供給する。
セレクタ204は、ステートメトリック計算部202からの、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kそれぞれのステートメトリック(D210)の中の、最小値検出部203からの有効ステート情報(D211)が表す有効ステートX''n-1,iに(間接的に)つながる16個の生き残り候補、つまり、新たな生き残りステートとして選択される16個の生き残り候補X''n+1,i,j,kのステートメトリックを選択する。
さらに、セレクタ204は、64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kのステートメトリック(D210)の中から選択された、16個の新たな生き残りステートのステートメトリック(D213)を、レジスタ205に供給する。
レジスタ205は、セレクタ204からの16個の新たな生き残りステートのステートメトリック(D213)を記憶する。レジスタ205に記憶された16個の新たな生き残りステートのステートメトリックは、次のキャリアの処理時に、1時刻前の時刻t=nの生き残りステートX''n,i,jのステートメトリックsm(D209)として、ステートメトリック計算部202に供給される。
レジスタ206には、伝送路特性推定部17(図3)から、伝送路情報Hn+1(D203)が供給される。
レジスタ206は、伝送路特性推定部17からの伝送路情報Hn+1(D203)を、1時刻分だけ記憶し(遅延し)、伝送路情報Hn(D202)として、ブランチメトリック計算部201、及び、レジスタ207に供給する。
レジスタ207は、レジスタ206からの伝送路情報Hn(D202)を、1時刻分だけ記憶し、伝送路情報Hn-1(D201)として、ブランチメトリック計算部201に供給する。
パスメモリ208は、セレクタ209、レジスタ210、セレクタ211、レジスタ212、及び、セレクタ213から構成される。
パスメモリ208において、レジスタ210及び212は、トレリスにおいて、最小値検出部203からの有効ステート情報(D211)が表す有効ステートX''n-1,iから(直接及び間接的に)分岐する生き残りステート、及び、生き残り候補を、新たな生き残り候補として記憶する。
また、パスメモリ208において、セレクタ213は、最小値検出部203からの有効ステート情報(D211)が表す有効ステートX''n-1,iに対応するシンボル候補を、送信シンボルXn-1(=Xn+1-(L-1))の推定値X''n-1,i(=X''n+1-(L-1),i)(D215)として選択して出力する。
すなわち、パスメモリ208のセレクタ209には、最小値検出部203からの有効ステート情報(D211)と、ブランチメトリック計算部201からの、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,k(D207)とが供給される。
セレクタ209は、ブランチメトリック計算部201からの、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,k(D207)の中で、最小値検出部203からの有効ステート情報(D211)が表す有効ステートX''n-1,iから(間接的に)分岐する生き残り候補を、次のキャリアの処理時の時刻t=nの16個の新たな生き残りステートX''n,i,jとして選択する。さらに、セレクタ209は、その16個の新たな生き残りステートX''n,i,j(D212)を、レジスタ210に供給する。
レジスタ210は、セレクタ209からの16個の新たな生き残りステートX''n,i,j(D212)を記憶する。さらに、レジスタ210は、その記憶値である16個の生き残りステートX''n,i,j(D205)を、ブランチメトリック計算部201、及び、セレクタ211に供給する。
セレクタ211は、レジスタ210からの、時刻t=nの16個の生き残りステートX''n,i,j(D205)の中で、最小値検出部203からの有効ステート情報(D211)が表す有効ステートX''n-1,iから(直接)分岐する生き残りステートを、次のキャリアの処理時の時刻t=n-1の4個の新たな生き残りステートX''n-1,iとして選択する。さらに、セレクタ211は、その4個の新たな生き残りステートX''n-1,i(D214)を、レジスタ212に供給する。
レジスタ212は、セレクタ211からの4個の新たな生き残りステートX''n-1,(D214)を記憶する。さらに、レジスタ212は、その記憶値である4個の生き残りステートX''n-1,(D204)を、ブランチメトリック計算部201、及び、セレクタ213に供給する。
セレクタ213は、レジスタ212からの、時刻t=n-1の4個の生き残りステートX''n-1,i(D204)の中の、最小値検出部203からの有効ステート情報(D211)が表す有効ステートX''n-1,iに対応するシンボル候補を、送信シンボルXn-1(=Xn+1-(L-1))の推定値X''n-1,i(=X''n+1-(L-1),i)(D215)として選択して出力する。
セレクタ213が出力する送信シンボルXn-1(=Xn+1-(L-1))の推定値X''n-1,i(=X''n+1-(L-1),i)(D215)は、干渉成分推定部14(図3)に供給される。
次に、図16は、図15の送信系列推定部13によるシンボル系列の推定の処理を説明するフローチャートである。
ブランチメトリック計算部201には、FFT部12(図3)から、干渉低減信号Yn(D206)が供給されるとともに、伝送路特性推定部17(図3)から、伝送路情報Hn+1が供給される。
また、伝送路特性推定部17からの伝送路情報Hn+1(D203)は、レジスタ206にも供給され、レジスタ206及び207に順次記憶されることで、1時刻前の伝送路情報Hnと、2時刻前の伝送路情報Hn-1にされる。
レジスタ206に記憶された伝送路情報Hn(D202)、及び、レジスタ207に記憶された伝送路情報Hn-1(D201)は、ブランチメトリック計算部201に供給される。
また、このとき、パスメモリ208では、レジスタ210に記憶された、時刻t=n+1の1時刻前の時刻t=nの16個の生き残りステートX''n,i,j(D205)と、レジスタ212に記憶された、時刻t=n+1の2(=L-1)時刻前の時刻t=n-1の4個の生き残りステートX''n-1,i(D204)とが、ブランチメトリック計算部201に供給される。
ブランチメトリック計算部201は、ステップS11において、FFT部12(図3)からの干渉低減信号Yn(D206)、伝送路特性推定部17からの伝送路情報Hn+1(D203)、レジスタ206からの伝送路情報Hn(D202)、レジスタ207からの伝送路情報Hn-1(D201)、並びに、パスメモリ208からの、時刻t=nの16個の生き残りステートに対応するシンボル候補X''n,i,j(D205)、及び、時刻t=n-1の4個の生き残りステートに対応するシンボル候補X''n-1,i(D204)を用い、式(3)に従って、1個のシンボル候補X''n,i,jについて、1個ずつの受信値X'n+1,i,j、つまり、合計で、16個の受信値X'n+1,i,jを求める。
その後、処理は、ステップS11からステップS12に進み、ブランチメトリック計算部201は、IQコンスタレーション上で、16個の受信値X'n+1,i,jそれぞれについて、受信値X'n+1,i,jにより近い、制限ステート数Mである4個の信号点を選択し、その4個の信号点それぞれが表す4個のシンボルを、送信シンボルXn+1のシンボル候補X''n+1,i,j,k=X''n+1,i,j,0,X''n+1,i,j,1,X''n+1,i,j,2,X''n+1,i,j,3として検出する。
さらに、ステップS12では、ブランチメトリック計算部201は、16個の受信値X'n+1,i,jそれぞれについての、4個ずつのシンボル候補X''n+1,i,j,k=X''n+1,i,j,0,X''n+1,i,j,1,X''n+1,i,j,2,X''n+1,i,j,3、つまり、全部で、64(=ML)個のシンボル候補X''n+1,i,j,kに対応する時刻t+1のステートを、生き残り候補X''n+1,i,j,k(D207)として、パスメモリ208のセレクタ209に供給する。
その後、処理は、ステップS12からステップS13に進み、ブランチメトリック計算部201は、1時刻前の時刻t=nの16個の生き残りステートX''n,i,jから、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリックBMを、式(5)に従って計算する。そして、ブランチメトリック計算部201は、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリックBM(D208)を、ステートメトリック計算部202に供給して、処理は、ステップS13からステップS14に進む。
ステップS14では、ステートメトリック計算部202が、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kのそれぞれについて、ブランチメトリック計算部201からのブランチメトリックBM(D208)と、レジスタ205に記憶された、1時刻前の時刻t=nの16個の生き残りステートX''n,i,jのステートメトリックsm(D209)とを用いて、ステートメトリックsmを計算する。
すなわち、生き残り候補X''n+1,i,j,kのブランチメトリックBMを、BMn+1,i,j,kと表すとともに、生き残りステートX''n,i,jのステートメトリックsmを、smn,i,jと表すこととすると、ステートメトリック計算部202は、生き残り候補X''n+1,i,j,kのステートメトリックsmn+1,i,j,kを、式smn+1,i,j,k=BMn+1,i,j,k+smn,i,jに従って計算する。
そして、ステートメトリック計算部202は、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kのそれぞれのステートメトリックsmn+1,i,j,k(D210)を、最小値検出部203、及び、セレクタ204に供給して、処理は、ステップS14からステップS15に進む。
ステップS15では、最小値検出部203が、ステートメトリック計算部202からの、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kそれぞれのステートメトリックsmn+1,i,j,k(D210)の中で、最小ステートメトリックを検出して、処理は、ステップS16に進む。
ステップS16では、最小値検出部203は、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kのうちの、最小ステートメトリックの生き残り候補X''n+1,i,j,kから、打ち切り長L-1だけ遡った時刻t=n-1(=(n+1)-(L-1))の生き残りステートX''n-1,iを、有効ステートとして検出する。
さらに、ステップS16では、最小値検出部203は、有効ステートX''n-1,iを表す有効ステート情報(D211)を、セレクタ204、並びに、パスメモリ208のセレクタ209,211、及び213に供給して、処理は、ステップS17に進む。
ステップS17では、セレクタ204が、ステートメトリック計算部202からの、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kそれぞれのステートメトリックsmn+1,i,j,k(D210)の中の、最小値検出部203からの有効ステート情報(D211)が表す有効ステートX''n-1,iにつながる16個の生き残り候補(新たな生き残りステートとして選択される16個の生き残り候補)X''n+1,i,j,kのステートメトリックを選択する。さらに、セレクタ204は、64個の生き残り候補X''n+1,i,j,kのステートメトリック(D210)の中から選択した、16個の新たな生き残りステートのステートメトリック(D213)を、レジスタ205に供給する。そして、レジスタ205は、セレクタ204からの16個の新たな生き残りステートのステートメトリック(D213)を記憶する。
レジスタ205に記憶された16個の新たな生き残りステートのステートメトリックは、次のキャリアの処理時に、1時刻前の時刻t=nの生き残りステートX''n,i,jのステートメトリックsm(D209)として、ステートメトリック計算部202に供給される。
さらに、ステップS17では、パスメモリ208のセレクタ213が、レジスタ212に記憶された、時刻t=n-1の4個の生き残りステートX''n-1,i(D204)の中の、最小値検出部203からの有効ステート情報(D211)が表す有効ステートX''n-1,iに対応するシンボル候補を、送信シンボルXn-1(=Xn+1-(L-1))の推定値X''n-1,i(=X''n+1-(L-1),i)(D215)として選択し、干渉成分推定部14(図3)に出力する。
また、ステップS17では、パスメモリ208のセレクタ211が、レジスタ210に記憶された、時刻t=nの16個の生き残りステートX''n,i,j(D205)の中で、最小値検出部203からの有効ステート情報(D211)が表す有効ステートX''n-1,iから(直接)分岐する4個の生き残りステートを、次のキャリアの処理時の時刻t=n-1の4個の新たな生き残りステートX''n-1,iとして選択する。
そして、セレクタ211は、その4個の新たな生き残りステートX''n-1,i(D214)を、レジスタ212に供給し、レジスタ212は、セレクタ211からの4個の新たな生き残りステートX''n-1,i(D214)を記憶する。
さらに、ステップS17では、パスメモリ208のセレクタ209が、ブランチメトリック計算部201からの、時刻t=n+1の64個の生き残り候補X''n+1,i,j,k(D207)の中で、最小値検出部203からの有効ステート情報(D211)が表す有効ステートX''n-1,iから(間接的に)分岐する16個の生き残り候補を、次のキャリアの処理時の時刻t=nの16個の新たな生き残りステートX''n,i,jとして選択する。
そして、セレクタ209は、その16個の新たな生き残りステートX''n,i,j(D212)を、レジスタ210に供給し、レジスタ210は、セレクタ209からの16個の新たな生き残りステートX''n,i,j(D212)を記憶する。
その後、ブランチメトリック計算部201に対して、FFT部12(図3)から、次のキャリアについての干渉低減信号Yn(D206)が供給されるとともに、伝送路特性推定部17(図3)から、次のキャリアについての伝送路情報Hn+1が供給されると、処理は、ステップS17からステップS11に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
次に、図17は、本発明を適用した受信装置の他の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
なお、図中、図3の場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
すなわち、図17の受信装置は、干渉成分推定部14、干渉成分除去部15、及び、誤り訂正部16が設けられている点で、図3の場合と共通する。
但し、図17の受信装置は、図3のハニング窓乗算部11,FFT部12、送信系列推定部13、及び、伝送路特性推定部17にそれぞれ代えて、ハニング窓乗算部111,FFT部112、送信系列推定部113、及び、伝送路特性推定部117が設けられている点で、図3の場合と相違している。
図3の受信装置では、上述したように、係数が、-1/2,+1,-1/2のハニング窓、つまり、位相が0のハニング窓(以下、基準ハニング窓ともいう)を、OFDM信号にかけることで、トレリスを用いたシンボル系列の推定のための拘束条件(式(1))を成立させ、シンボル系列の推定が行われる。
これに対して、図17の受信装置では、位相を、適宜調整したハニング窓、つまり、係数が基準ハニング窓と異なるハニング窓(以下、位相調整ハニング窓ともいう)をも、OFDM信号にかけることで、トレリスを用いたシンボル系列の推定のための拘束条件を成立させる。
そして、図17の受信装置では、係数が異なる2以上の窓関数としての、基準ハニング窓と位相調整ハニング窓のそれぞれに対して計算されるブランチメトリックを合成することにより、生き残り候補のブランチメトリックを計算し、そのブランチメトリックを用いて、シンボル系列の推定が行われる。
ここで、上述のように、係数が異なる2以上の窓関数を用いて、シンボル系列の推定を行う方法では、1つの窓関数だけを用いる場合に比較して、受信特性をさらに改善することができる。この方法を、窓ダイバーシチともいう。
図17の受信装置では、窓ダイバーシチによって、シンボル系列の推定が行われる。
すなわち、ハニング窓乗算部111には、時間領域の信号である、ベースバンドのOFDM信号が供給される。ハニング窓乗算部111は、図3のハニング窓乗算部111と同様に、そこに供給されるOFDM信号に、基準ハニング窓をかけ、その結果得られる、基準ハニング窓かけ後のOFDM信号を、FFT部112に供給する。
さらに、ハニング窓乗算部111は、そこに供給されるOFDM信号に、位相調整ハニング窓をかけ、その結果得られる、位相調整ハニング窓かけ後のOFDM信号を、FFT部112に供給する。
FFT部112は、図3のFFT部12と同様に、ハニング窓乗算部111からの、基準ハニング窓かけ後のOFDM信号のFFTを行い、その結果得られる、前述の式(1)で表される干渉低減信号Ynを、送信系列推定部113、干渉成分推定部14、及び、干渉成分除去部15に供給する。
さらに、FFT部112は、ハニング窓乗算部111からの、位相調整ハニング窓かけ後のOFDM信号のFFTを行い、その結果得られる干渉低減信号Y* nを、送信系列推定部113に供給する。
ここで、位相調整ハニング窓かけ後のOFDM信号のFFTを行うことによって得られる干渉低減信号Y* nは、式(8)で表される。
Figure 2009225005
・・・(8)
なお、Wm,Wc、及びWpは、位相調整ハニング窓の係数を表す。係数Wm,Wc、及びWpは、位相調整ハニング窓の位相によって異なる。
式(8)の干渉低減信号Y* nは、式(1)の干渉低減信号Ynと同様に、畳み込み符号と見ることができ、これにより、送信シンボルXnは、トレリスを用いた系列の推定を行うことによって推定することができる。
したがって、図17の受信装置では、OFDM信号に、基準ハニング窓と位相調整ハニング窓のそれぞれをかけることで、トレリスを用いた送信シンボルXnのシンボル系列(データ系列)の推定のための、式(1)と式(8)の拘束条件を成立させているということができる。
送信系列推定部113は、FFT部112からの畳み込み符号としての干渉低減信号Yn及びY* nを用いて、送信シンボル(のシンボル系列)を推定し、その送信シンボルの推定値を、干渉成分推定部14に供給する。
すなわち、送信系列推定部113には、FFT部112から干渉低減信号Yn及びY* nが供給される他、伝送路特性推定部117から、伝送路情報Hn+1、さらには、信頼度が供給されるようになっている。
ここで、信頼度とは、例えば、位相調整ハニング窓の位相が、マルチパスのエコーの位置(位相)(遅延量)に一致している程度(信頼性)を表し、例えば、干渉低減信号Y* nに含まれるシンボル間干渉の程度の小ささに対応する。
送信系列推定部113は、FFT部112からの干渉低減信号Yn及びY* nと、伝送路特性推定部117からの伝送路情報Hn+1、及び、信頼度とを用いて、トレリスにより、シンボル系列を推定する。
具体的には、送信系列推定部113は、図3の送信系列推定部13と同様に、式(3)に従い、干渉低減信号Yn、及び、伝送路情報Hn+1とを用いて、送信シンボルXn+1の受信値X'n+1の第1の候補(以下、基準ハニング窓に対する受信値X'n+1の候補ともいう)を求める。
また、送信系列推定部113は、干渉低減信号Y* nを表す式(8)を、その雑音成分Nnを無視して、送信シンボルXn+1について解いた式(9)に従い、干渉低減信号Y* n、及び、伝送路情報Hn+1とを用いて、送信シンボルXn+1の受信値X'n+1の第2の候補(以下、位相調整ハニング窓に対する受信値X'n+1の候補ともいう)を求める。
Figure 2009225005
・・・(9)
そして、送信系列推定部113は、基準ハニング窓に対する受信値X'n+1の候補Aと、位相調整ハニング窓に対する受信値X'n+1の候補Bとを、伝送路特性推定部117からの信頼度に応じて合成し、その合成結果を、送信シンボルXn+1の受信値X'n+1とする。
すなわち、伝送路特性推定部117からの信頼度が、例えば、位相調整ハニング窓の位相がマルチパスのエコーの位相に一致している信頼性を、0ないし1の範囲で表す値αであるとすると、送信系列推定部113は、例えば、式(1-α)A+αBに従って、基準ハニング窓に対する受信値X'n+1の候補Aと、位相調整ハニング窓に対する受信値X'n+1の候補Bとを合成し、その合成結果を、送信シンボルXn+1の受信値X'n+1とする。
その後、送信系列推定部113は、図3の送信系列推定部13と同様に、受信値X'n+1から、64(=ML)個の生き残り候補を求め、その生き残り候補へのブランチメトリックの第1の候補と第2の候補とを求める。
すなわち、送信系列推定部113は、基準ハニング窓に対して、干渉低減信号Ynを用い、式(5)に従って、ブランチメトリックを計算し、そのブランチメトリックを、生き残り候補へのブランチメトリックの第1の候補とする。
さらに、送信系列推定部113は、位相調整ハニング窓に対して、干渉低減信号Y* nを用い、式(5)と同様の式(10)に従って、ブランチメトリックを計算し、そのブランチメトリックを、生き残り候補へのブランチメトリックの第2の候補とする。
Figure 2009225005
・・・(10)
そして、送信系列推定部113は、基準ハニング窓に対して計算されたブランチメトリックの第1の候補BM1と、位相調整ハニング窓に対して計算されたブランチメトリックの第2の候補BM2とを、伝送路特性推定部117からの信頼度に応じて合成し、その合成結果を、生き残り候補へのブランチメトリックBMとする。
すなわち、伝送路特性推定部117からの信頼度が、例えば、上述したように、位相調整ハニング窓の位相がマルチパスのエコーの位相に一致している信頼性を、0ないし1の範囲で表す値αであるとすると、送信系列推定部113は、例えば、式(1-α)BM1+αBM2に従って、基準ハニング窓に対して計算されたブランチメトリックの第1の候補BM1と、位相調整ハニング窓に対して計算されたブランチメトリックの第2の候補BM2とを合成し、その合成結果を、生き残り候補へのブランチメトリックBMとする。
そして、送信系列推定部113は、生き残り候補へのブランチメトリックBMを用いて、その生き残り候補のステートメトリックを求め、以下、図3の送信系列推定部13と同様にして、送信シンボルXn+1の推定値X''n+1を求める。
伝送路特性推定部117には、OFDMのパイロット信号が供給されるようになっている。伝送路特性推定部117は、図3の伝送路特性推定部17と同様に、そこに供給されるパイロット信号から、伝送路情報Hn+1を推定し、送信系列推定部113に供給する。
さらに、伝送路特性推定部117は、そこに供給されるパイロット信号から、マルチパスのエコーの位相を検出する。そして、伝送路特性推定部117は、位相調整ハニング窓の位相が、マルチパスのエコーの位相に一致している信頼性を表す信頼度を求め、送信系列推定部113に供給する。
図18は、図17の送信系列推定部113の構成例を示している。
なお、図中、図15の送信系列推定部13と同様に構成される部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
すなわち、図17の送信系列推定部113は、ステートメトリック計算部202、最小値検出部203、セレクタ204、レジスタ205ないし207、及び、パスメモリ208を有する点で、図15の送信系列推定部13と共通する。
但し、図17の送信系列推定部113は、図15のブランチメトリック計算部201に代えて、ブランチメトリック計算部301が設けられている点で、図15の送信系列推定部13と相違する。
ブランチメトリック計算部301には、FFT部112(図17)から、干渉低減信号Yn(D206)及びY* nが供給されるとともに、伝送路特性推定部117(図17)から、伝送路情報Hn+1(D203)、及び、信頼度が供給される。
さらに、ブランチメトリック計算部301には、レジスタ206から、伝送路情報Hn(D202)が供給されるとともに、レジスタ207から、伝送路情報Hn-1(D201)が供給される。
また、ブランチメトリック計算部301には、パスメモリ208から、生き残りステート(に対応するシンボル候補)が供給される。
すなわち、上述したように、制限ステート数Mが4で、打ち切り長Lが3である場合には、ブランチメトリック計算部301には、パスメモリ208から、時刻t=n+1の1時刻前の時刻t=nの16個の生き残りステート(に対応するシンボル候補)X''n,i,j(D205)と、時刻t=n+1の2(=L-1)時刻前の時刻t=n-1の4個の生き残りステート(に対応するシンボル候補)X''n-1,i(D204)とが供給される。
ブランチメトリック計算部301は、図15のブランチメトリック計算部201と同様に、時刻t=n+1の1時刻前の時刻t=nの16(=ML-1)個の生き残りステートX''n,i,jから分岐する、時刻t=n+1のステート(生き残り候補)Xn+1,i,j,kを、制限ステート数Mである4に制限しながら、時刻t=n+1のステート(生き残り候補)Xn+1,i,j,kへのブランチメトリックBMi,j,kを計算し、そのブランチメトリックBMi,j,k(D208)を、ステートメトリック計算部202に供給する。
但し、ブランチメトリック計算部301は、基準ハニング窓に対して計算されるブランチメトリックの第1の候補BM1と、位相調整ハニング窓に対して計算されるブランチメトリックの第2の候補BM2とを、伝送路特性推定部117からの信頼度に応じて合成することにより、生き残り候補Xn+1,i,j,kへの(枝の)ブランチメトリックBMi,j,k(D208)を計算する。
すなわち、ブランチメトリック計算部301は、FFT部112(図17)からの干渉低減信号Yn(D206)、伝送路特性推定部117からの伝送路情報Hn+1(D203)、レジスタ206からの伝送路情報Hn(D202)、レジスタ207からの伝送路情報Hn-1(D201)、並びに、パスメモリ208からの、時刻t=nの生き残りステートに対応するシンボル候補(送信シンボルXnの推定値となり得るシンボル候補)X''n,i,j(D205)、及び、時刻t=n-1の生き残りステートに対応するシンボル候補(送信シンボルXn-1の推定値となり得るシンボル候補)X''n-1,i(D204)を用い、式(3)に従って、基準ハニング窓に対する受信値X'n+1,i,jの候補を求める。
さらに、ブランチメトリック計算部301は、FFT部112からの干渉低減信号Y* n、伝送路特性推定部117からの伝送路情報Hn+1(D203)、レジスタ206からの伝送路情報Hn(D202)、レジスタ207からの伝送路情報Hn-1(D201)、並びに、パスメモリ208からの、時刻t=nの生き残りステートに対応するシンボル候補X''n,i,j(D205)、及び、時刻t=n-1の生き残りステートに対応するシンボル候補X''n-1,i(D204)を用い、式(3)に従って、位相調整ハニング窓に対する受信値X'n+1,i,jの候補を求める。
そして、送信系列推定部113は、基準ハニング窓に対する受信値X'n+1の候補と、位相調整ハニング窓に対する受信値X'n+1の候補とを、伝送路特性推定部117からの信頼度に応じて合成し、その合成結果を、送信シンボルXn+1の受信値X'n+1,i,jとする。
その後、ブランチメトリック計算部301は、図15のブランチメトリック計算部201と同様に、IQコンスタレーション上で、1個の受信値X'n+1,i,jごとに、その受信値X'n+1,i,jにより近い、制限ステート数Mである4個の信号点を選択し、その信号点が表すシンボルを、送信シンボルXn+1のシンボル候補X''n+1,i,j,kとする。
ブランチメトリック計算部301は、図15のブランチメトリック計算部201と同様にして、64(=ML)個のシンボル候補X''n+1,i,j,kを求めると、その64個のシンボル候補X''n+1,i,j,kに対応するステートを、生き残り候補X''n+1,i,j,k(D207)として、パスメモリ208に供給する。
また、ブランチメトリック計算部301は、図15のブランチメトリック計算部201と同様に、式(5)を計算し、その計算結果を、1時刻前の時刻t=nの生き残りステートX''n,i,jから、時刻t=n+1の生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリックBMの第1の候補とする。
すなわち、ブランチメトリック計算部301は、基準ハニング窓に対して、干渉低減信号Ynを用い、式(5)に従って、ブランチメトリックを計算し、そのブランチメトリックを、生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリック(1時刻前の時刻t=nの生き残りステートX''n,i,jから、時刻t=n+1の生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリック)BMの第1の候補とする。
また、ブランチメトリック計算部301は、位相調整ハニング窓に対して、干渉低減信号Y* nを用い、式(10)に従って、ブランチメトリックを計算し、そのブランチメトリックを、生き残り候補X''n+1,i,j,kへのブランチメトリックBMの第2の候補とする。
その後、ブランチメトリック計算部301は、基準ハニング窓に対して計算されたブランチメトリックBMの第1の候補と、位相調整ハニング窓に対して計算されたブランチメトリックBMの第2の候補とを、伝送路特性推定部117からの信頼度に応じて合成する。
そして、ブランチメトリック計算部301は、基準ハニング窓に対して計算されたブランチメトリックBMの第1の候補と、位相調整ハニング窓に対して計算されたブランチメトリックBMの第2の候補との合成結果を、生き残り候補へのブランチメトリックBM(D208)として、ステートメトリック計算部202に供給する。
以上のように、図3及び図17の受信装置では、干渉低減信号Yn(Y* n)から、送信シンボルXn+1の受信値X'n+1が求められ、送信シンボルXn+1のシンボル候補が、受信値X'n+1からユークリッド距離がより近い、制限ステート数M(少数)の信号点が表すシンボルに絞り込まれる(制限される)。
さらに、シンボル候補に対応するステートを、生き残りステートの候補である生き残り候補として、生き残り候補へのブランチメトリック(生き残り候補に遷移する枝のブランチメトリック)が計算され、そのブランチメトリックを用いて、生き残り候補のステートメトリックが計算される。
その後、生き残り候補のステートメトリックの最小ステートメトリックが検出され、その最小ステートメトリックの生き残り候補から、打ち切り長L-1だけ遡った生き残りステートである有効ステートに対応するシンボル候補が、送信シンボルXn+1-(L-1)の推定値として選択されて出力される。
さらに、有効ステートから分岐する生き残りステート、及び、生き残り候補が、新たな生き残りステートとして選択され、他のステートは、メトリック(ステートメトリック、ブランチメトリック)の計算対象から除外される。
したがって、生き残り候補の数を、一定の数であるML個に保ちながら、シンボル系列の推定を行うことができ、生き残り候補の数が膨大になって、装置規模が爆発的に増加することを抑制することができる。
また、窓ダイバーシチを利用する場合には、受信特性をより改善することができる。
なお、制限ステート数M、及び、打ち切り長Lを大とする場合には、受信特性の改善を図ることができるが、生き残りステート、及び、生き残り候補の数が増加し、装置規模が増加する。
一方、制限ステート数M、及び、打ち切り長Lを小とする場合には、生き残りステート、及び、生き残り候補の数が減少して、装置規模が抑制されるが、受信特性が多少劣化する。
したがって、制限ステート数M、及び、打ち切り長Lは、受信特性と装置規模とを比較考量して決めることが望ましい。
また、打ち切り長Lは、2以上の値とすることが望ましい。打ち切り長Lが1の場合には、系列の「推定」(トレリスを用いた推定)ではなくなってしまうからである。
次に、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
そこで、図19は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク505やROM503に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体511に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体511は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体511からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部508で受信し、内蔵するハードディスク505にインストールすることができる。
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)502を内蔵している。CPU502には、バス501を介して、入出力インタフェース510が接続されており、CPU502は、入出力インタフェース510を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部507が操作等されることにより指令が入力されると、それに従って、ROM(Read Only Memory)503に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU502は、ハードディスク505に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部508で受信されてハードディスク505にインストールされたプログラム、またはドライブ509に装着されたリムーバブル記録媒体511から読み出されてハードディスク505にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)504にロードして実行する。これにより、CPU502は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU502は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース510を介して、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される出力部506から出力、あるいは、通信部508から送信、さらには、ハードディスク505に記録等させる。
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
ビタビ復号法のトレリスを示す図である。 Mアルゴリズムのトレリスを示す図である。 本発明を適用した受信装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。 送信系列推定部13による、送信シンボルの推定の処理を説明するためのトレリスを示す図である。 送信系列推定部13による、送信シンボルの推定の処理を説明するためのトレリスを示す図である。 送信系列推定部13による、送信シンボルの推定の処理を説明するためのトレリスを示す図である。 生き残りステートから分岐するステート(枝)の数を、制限ステート数Mに制限する方法を説明する図である。 制限ステート数Mが2であり、かつ、最新生き残りステート数Cが4である場合の、Xアルゴリズムのトレリスを示す図である。 Xアルゴリズムによる、ISDB-Tの規格に準拠するOFDM信号からのシンボル系列の推定の処理を説明する図である。 Xアルゴリズムによる、ISDB-Tの規格に準拠するOFDM信号からのシンボル系列の推定の処理を説明する図である。 Xアルゴリズムによる、ISDB-Tの規格に準拠するOFDM信号からのシンボル系列の推定の処理を説明する図である。 Xアルゴリズムによる、ISDB-Tの規格に準拠するOFDM信号からのシンボル系列の推定の処理を説明する図である。 Xアルゴリズムによる、ISDB-Tの規格に準拠するOFDM信号からのシンボル系列の推定の処理を説明する図である。 Xアルゴリズムによる、ISDB-Tの規格に準拠するOFDM信号からのシンボル系列の推定の処理を説明する図である。 送信系列推定部13の構成例を示すブロック図である。 送信系列推定部13の処理を説明するフローチャートである。 本発明を適用した受信装置の他の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。 送信系列推定部113の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
11 ハニング窓乗算部, 12 FFT部, 13 送信系列推定部, 14 干渉成分推定部, 15 干渉成分除去部, 16 誤り訂正部, 17 伝送路特性推定部, 111 ハニング窓乗算部, 112 FFT部, 113 送信系列推定部, 117 伝送路特性推定部, 201 ブランチメトリック計算部, 202 ステートメトリック計算部, 203 最小値検出部, 204 セレクタ, 205ないし207 レジスタ, 208 パスメモリ, 209 セレクタ, 210 レジスタ, 211 セレクタ, 212 レジスタ, 213 セレクタ, 301 ブランチメトリック計算部, 501 バス, 502 CPU, 503 ROM, 504 RAM, 505 ハードディスク, 506 出力部, 507 入力部, 508 通信部, 509 ドライブ, 510 入出力インタフェース, 511 リムーバブル記録媒体

Claims (11)

  1. データ系列の推定に用いるトレリスのステートから分岐する前記ステートの数を、所定の数Mに制限しながら、ブランチメトリックを計算するブランチメトリック計算手段と、
    前記トレリスにおいて生き残る生き残りステートの候補のステートメトリックを、前記ブランチメトリックを用いて計算するステートメトリック計算手段と、
    前記生き残りステートの候補のステートメトリックの中で、最小のステートメトリックである最小ステートメトリックを検出する検出手段と、
    前記トレリスにおいて、前記最小ステートメトリックの前記ステートから、前記データ系列の推定を打ち切る単位である打ち切り長L-1だけ遡った前記ステートである有効ステートから分岐するステートを、前記生き残りステートとして記憶する記憶手段と、
    前記有効ステートに対応する、前記データ系列を構成するデータの候補を、前記データの推定値として選択する選択手段と
    を備えるデータ処理装置。
  2. 前記生き残りステートの候補の数が、ML個に制限される
    請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 前記ブランチメトリック計算手段は、前記トレリスの前記ステートから分岐する前記ステートを、前記ブランチメトリックが小さい前記M個の枝につながる前記ステートに制限する
    請求項1に記載のデータ処理装置。
  4. 前記ブランチメトリック計算手段は、前記トレリスの前記ステートから分岐する前記ステートを、前記トレリスを用いた前記データ系列の推定のための拘束条件に従って計算されるIQコンスタレーション上の点に近い前記M個の信号点が表す前記データの候補に対応するステートに制限する
    請求項1に記載のデータ処理装置。
  5. 信号に、窓関数をかけることにより、前記トレリスを用いた前記データ系列の推定のための拘束条件が成立させられる
    請求項1に記載のデータ処理装置。
  6. 前記窓関数は、ハニング窓である
    請求項5に記載のデータ処理装置。
  7. 前記窓関数は、時間領域、又は周波数領域でかけられる
    請求項5に記載のデータ処理装置。
  8. 信号に、窓関数をかけることにより、前記トレリスを用いた前記データ系列の推定のための拘束条件が成立させられ、
    前記ブランチメトリック計算手段は、係数が異なる2以上の前記窓関数それぞれに対して計算される前記ブランチメトリックを合成することにより、前記トレリスの前記ステートから分岐する前記ステートにつながる枝の前記ブランチメトリックを計算する
    請求項1に記載のデータ処理装置。
  9. データ系列の推定を行うデータ処理装置が、
    前記データ系列の推定に用いるトレリスのステートから分岐する前記ステートの数を、所定の数Mに制限しながら、ブランチメトリックを計算し、
    前記トレリスにおいて生き残る生き残りステートの候補のステートメトリックを、前記ブランチメトリックを用いて計算し、
    前記生き残りステートの候補のステートメトリックの中で、最小のステートメトリックである最小ステートメトリックを検出し、
    前記トレリスにおいて、前記最小ステートメトリックの前記ステートから、前記データ系列の推定を打ち切る単位である打ち切り長L-1だけ遡った前記ステートである有効ステートから分岐するステートを、前記生き残りステートとして記憶し、
    前記有効ステートに対応する、前記データ系列を構成するデータの候補を、前記データの推定値として選択する
    ステップを含むデータ処理方法。
  10. データ系列の推定に用いるトレリスのステートから分岐する前記ステートの数を、所定の数Mに制限しながら、ブランチメトリックを計算するブランチメトリック計算手段と、
    前記トレリスにおいて生き残る生き残りステートの候補のステートメトリックを、前記ブランチメトリックを用いて計算するステートメトリック計算手段と、
    前記生き残りステートの候補のステートメトリックの中で、最小のステートメトリックである最小ステートメトリックを検出する検出手段と、
    前記トレリスにおいて、前記最小ステートメトリックの前記ステートから、前記データ系列の推定を打ち切る単位である打ち切り長L-1だけ遡った前記ステートである有効ステートから分岐するステートを、前記生き残りステートとして記憶する記憶手段と、
    前記有効ステートに対応する、前記データ系列を構成するデータの候補を、前記データの推定値として選択する選択手段と
    して、コンピュータを機能させるためのプログラム。
  11. データ系列の推定に用いるトレリスのステートから分岐する前記ステートの数を、所定の数Mに制限し、前記データ系列の推定を打ち切る単位である打ち切り長L分の前記ステートの系列を用いて、前記データ系列を構成するデータの推定値を出力するときに、前記トレリスにおいて生き残る生き残りステートの候補の数を、ML個に制限する
    データ処理装置。
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