JP2009224403A - 情報記録素子及びそれを備えた情報記録再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高記録密度の不揮発性情報記録再生装置においてスイッチング時に相分離などを起こしにくい抵抗変化型材料を有する情報記録素子及びそれを備えた情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】一対の電極と、その間に介在し、抵抗の変化により情報を記録する記録層とを含み、前記記録層は、(a)M及び(b)A3−xの少なくとも一つを主成分とし、前記(a)及び(b)中、zは、z=4.5に対する酸素欠損状態の値であり、前記(b)中、xは、0.00<x≦0.03であることを特徴とする情報記録素子及びそれを備えた情報記録再生装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、高記録密度の情報記録再生装置に用いられる情報記録素子及びそれを備えた情報記録再生装置に関する。
近年、小型の携帯機器が世界的に普及すると同時に、高速情報伝送網の大幅な進展がみられ、小型大容量不揮発性メモリーの需要が急速に拡大してきている。その中でも、NAND型フラッシュメモリー及び小型HDD(hard disk drive)は、特に、急速な記録密度の進化を遂げ、携帯音楽市場や携帯ゲーム記録用メモリー、パソコンの記録装置以外にもさまざまな用途に用いられ、現在では数兆円もの大きな市場を形成するに至っている。
その巨大な市場形成は順調に進められてきた両記録媒体の容量増加によるところが大きい。毎年のように容量が増大し、2年に一度容量が倍増するというムーアの法則でも知られているように、その開発速度には目を見張るものがあった。
その急激な容量増大は単位記録容量あたりの価格低下というユーザー側から見て非常にありがたい側面を持つとともに、このまま容量が増大し続け単位記録容量あたりの価格は下げ止まらないとさえ言われてきた。その技術がメモリーである。
しかしながら近年、この両記録媒体の加工微細化や高密度化が限界に達したのではないかささやかれ始めるようになった。これは微細加工によるプロセス制御の難しさなどに起因する影響であり、歩留り低下に伴い単位記録容量あたりのコストがあべこべに増大するという懸念が言われ始めたからであった。
そのため近年はシリコン系の半導体とは異なる物質や機構を用い、従来の微細加工技術の限界を突破しようという試みが精力的に行われるようになってきた。これらの半導体メモリーはポストNAND型メモリーとも言われ、各国の有力企業ばかりでなく、関連するベンチャー企業もキー技術開発に全力を注いでいることからもその重要性が容易に推察できる。そしてそれらのポストNAND型メモリーといわれるものにはさまざまな物性変化を利用してメモリーとして作用させる試みがなされてきた。
ポストNAND型メモリーと称されるものには相変化を利用して記録装置とするもの、磁気変化を用いるもの、強誘電体を用いるものもあれば抵抗変化を用いるものなどさまざまなメモリーが提案されている。このうち微細加工により消費電力が低減し書き込み読み出し速度が従来よりも大幅に改善できるのではないかと期待されているメモリーの一つが抵抗変化型メモリー、いわゆるReRAM (Resistive Random Access Memory)である。
ReRAMの構成としては上部および下部電極の間に抵抗変化型材料が存在することが最低限の構成要素である。現在は報告されている実験では、上部および下部電極に高価なプラチナを用いている場合が多い。
一方、抵抗変化型の材料としてはNiOやCoOなどの単純な酸化物もあれば、ZnCaSのような酸化物でないものもあり、Pr0.7Ca0.3MnOなど超電導材料でお馴染みのペロブスカイト構造を持つ複合酸化物もある。そしてこれらの材料のスイッチングに関してはどのような機構でスイッチングが行われているのかが良くわかっていないのもまた事実である。
抵抗変化現象の解明を阻む最大の要因は、変化が起きているとされる領域が微小領域であるためである。10nm程度とも言われる領域での変化は、材料の配向性などがよほど良くなければX線による回折データ取得が困難であり、そのため機構解明にはこれまでには無い研究開発上の困難が存在している。
現象解明に関してはさまざまなモデルが提唱されているものの検証が難しく、最有力のモデルが存在するわけでもない。また多数のモデルが存在する現実は、その本命モデルが存在しない裏づけでもある。
スイッチング機構が完全に解明されたわけではないReRAMであるが、直近の学会発表を見る限りスイッチング回数は著しく改善している。直近の発表では双方向(バイポーラ)ながら1千万回ものスイッチング実績が報告され、この結果が将来ポストNANDとしての期待を大いに高めている。
1千万回という非常な数のスイッチング動作が実現した場合さまざまな部品の耐久性が問題となる。電極の酸化および還元、ReRAM材料の安定性、Diodeの発熱による劣化などがまず挙げられる。旧来のNANDフラッシュメモリーとは異なる材料を用いるため、プロセスで使われる強い化学薬品や条件などによっても材料の経時劣化などが問題となってくることも予想される。
パイポーラ動作に対してユニポーラ動作は常に片側の電極が酸化または還元性の状態に維持されるため、電極の耐久性などの点では有利だと考えられているが、もう一つ大きな問題となりそうなのがReRAM材料そのものの耐久性である。
ReRAM材料としてユニポーラ動作でスイッチングする材料としてはAB型のスピネル型酸化物などが報告されている。またPr0.7Ca0.3MnOxなどのペロブスカイト構造を持つ複合酸化物も報告されている(特許文献1参照)。このような複合酸化物系を用いる限り、万が一ReRAM材料に大きな発熱や電気エネルギーによる相分離などが生じた場合にスイッチング回数が減少してしまうデメリットが予想される。
複合酸化物を用いることによりデメリットが予想されるReRAM材料であるが、現状ではどのような機構やシステムで低抵抗と高抵抗状態を行き来するのかが明確にはなっていないため、イオンの移動なのかショットキーバリアなのか、電気エネルギーが関与するのか熱エネルギーが関与するのかということが直近の学会で議論百出の状態である。
議論に決着がつきにくいのは変化が起きているとされる領域が10nm前後の長さの領域であると推測される上に、材料そのものに配向性が見られなくてもスイッチングが実現してしまうことが学会でもたびたび報告されている。このような微小領域で配向性が良くない物質はXRDでも測定がなかなか困難であるため、スイッチング機構の解明が進みにくかった。
スイッチング機構への理解無しで製品が出来てしまった場合は不具合の発生時にはその対応に困難を極めるため、スイッチング機構への理解は必要不可欠であった。スイッチング機構の詳細が現状の情報で明らかにならないとしても最低限安定動作する条件を実験的に見つけ、それに相当する機構を推定することにより安定動作が可能な材料組成での領域を確保する必要があった。
加えて複合酸化物でない金属酸化物にもスイッチングが報告されているが、将来の実用化を目指し、良好なスイッチング特性が可能となる材料や条件なども見つけ出す必要があった。

特開平8−133894
本発明は、高記録密度の不揮発性情報記録再生装置においてスイッチング時に相分離などを起こしにくい抵抗変化型材料を有する情報記録素子及びそれを備えた情報記録再生装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するため、本発明の第一の態様は、一対の電極と、その間に介在し、抵抗の変化により情報を記録する記録層とを含み、前記記録層は、(a)M及び(b)A3−xの少なくとも一つを主成とし、前記(b)中、xは、0.00<x≦0.03であることを特徴とする情報記録素子である。
また、本発明の第二の態様は、一対の電極と、その間に介在し、抵抗の変化により情報を記録する記録層とを含み、前記記録層は、A3−xを主成とし、前記xは、0.15≦x≦0.90であることを特徴とする情報記録素子である。
さらに、本発明の第三の態様は、一対の電極と、その間に介在し、抵抗の変化により情報を記録する記録層とを含み、前記記録層は、(a)MO及び(b)B1−yの少なくとも一つを主成とし、前記(b)中、yは、0.00<x≦0.03であることを特徴とする情報記録素子である。
またさらに、本発明の第四の態様は、上記いずれかの情報記録素子を備えた情報記録再生装置である。
以上のように、本発明によれば、高記録密度の不揮発性情報記録再生装置においてスイッチング時に相分離などを起こしにくい抵抗変化型材料を有する情報記録素子及びそれを備えた情報記録再生装置を提供することができる。
先ず、本発明の第一の態様及び第二の態様に係る情報記録素子について説明する。第一の態様及び第二の態様に係る情報記録素子において、前記Aは、Zn、Cd、Hgのうち少なくとも一つであることが好ましく、Znであることが特に好ましい。また、前記MはCr、Mn、Fe、Co、Niのうち少なくとも一つであることが好ましく、特にMnであることが好ましい。本発明の第一の態様及び第二の態様において、(a)M及び(b)A3−xにおけるAとMの組合せとしては、ZnとMnの組合せ、すなわち(a)Mn及び(b)ZnMn3−xが好ましく、(a)Mn及び0.00<x≦0.03である場合の(b)ZnMn3−xが最も好ましい。
第一の態様及び第二の態様に係る情報記録素子において、zは、z=4.5に対する酸素欠損状態の値であり、一定量以上の酸素欠損を示す範囲内であることが好ましい。具体的には、その組成物の結晶の80%以上の値が3.35≦z≦4.41であることが好ましく、またその組成物全体の平均値が3.65≦z≦4.20であることが好ましい。zの調整の調整は、成膜条件での酸素分圧低減や基板温度上昇により実現できる。
第一の態様及び第二の形態に係る情報記録素子において、xの値の調整は、電極上部に成膜を行う際に、PLD法やスパッター法におけるターゲット組成を変えることにより行うことができる。例えば、単純にMn酸化物とZn酸化物の粉末を可能な限り均一となるよう混合しターゲットとして焼結し、そのターゲットからレーザーによるプルーム形成やスパッター法によるたたき出しにより材料の成膜を行えば、前記xの値を任意に調整することができ、所望のMn又はZnMn3−xを得ることができる。
また、MOCVD法のような方法でもの原材料を上記組成のものを準備し成膜を行うことにより、前記xの値を任意に調整して、所望の本発明に係る第一の態様及び第二の態様に係る情報記録素子を得ることができる。
MOD法のような化学溶液法においては、原材料に沈殿を生じない範囲で金属アルコキシドを溶液中に均一に分散させることが可能であれば、前記xの値を任意に調整して、所望の本発明に係る第一の態様及び第二の態様に係る情報記録素子を得ることができる。この手法は、溶液から沈殿させるためナノレベルで均一性が保たれる場合が多く、材料の組成均一化がもっとも容易な手法の一つでもある。
本発明の第一の態様及び第二の態様に係る情報記録素子によれば、記録層の主成分を構成するA3−xにおいて、0.00≦x≦0.03及び0.15≦x≦0.90とすることにより、多数回のスイッチングにおいても相分離を起こさずに安定した動作が可能となる。
0.00≦x≦0.03で示される第1の領域、0.15≦x≦0.90で示される第2の領域以外のxとした場合は、次のような相が確認されている。0.03<x<0.15の場合は、例えば、Mn及びMnのナノ微結晶が高分解能TEM観察により確認されている。0.90<x≦3.00の領域では、xが増大するほど例えば多数のZnOナノ微結晶が確認されている。
第1及び第2の領域以外においてスイッチング回数がそのほかの領域よりも概して少ない結果は、スイッチングにより何らかの物理的な現象が内部で起こり、上記のような単体金属酸化物が析出し、スイッチングを阻害したためと考えられる。
一方、第1及び第2の領域において、情報記録層を高分解能TEMにより観察を行うと、ほとんど前記の単体酸化物が検出されない。この結果は、例えばZnMn3−xの相図において1200℃前後で得られる結果と、600℃前後で得られる結果を複合したような結果となっている。すなわち前者ではMn系酸化物が析出し、後者ではZnOが単離する。
上記の現象についてであるが、確証が得られているわけではないもののセット時に比べて大量のエネルギーが必要となるReset現象においては、その現象に熱が何らかの関与をしていると考えればZnOの析出に説明がつく。相図からは600℃程度までの温度上昇がもたらされたと推定され、ZnOが析出すると多数回のスイッチングにおいて析出物がスイッチングを阻害し少ない回数でスイッチングをしなくなったものと考えられる。
一方、Mn酸化物析出に関する解釈であるが、Reset時に過熱された材料が冷却とともに熱履歴を減るため、冷却過程においてMnOが放出されるものと考えられる。その現象がおきないxがごく小さな第1領域ではスイッチング動作が安定して得られたものと考えられる。更に言うと、x=4.5に対してxが3.35〜4.41の酸素欠損状態が望ましい。
次に、本発明の第三の態様に係る情報記録素子について説明する。第三の態様に係る情報記録素子において、前記Mは、Ceであることが好ましく、またZr、Tiのうち少なくとも一つであることが好ましく、特にCe又はZrが好ましい。また、前記Bは、Ceと類似の金属元素、例えば、Sc、Y及びCeを以外のランタノイド族元素のうち少なくとも一つであることが好ましい。特にランタノイド族元素は、どれもCeが取りうる3価の結合状態を取り、原子量も近くて化学的性質が類似しているために精製は非常に困難であり、最大で3atom%程度の上記元素が混入しやすいことがわかっている。
第三の態様に係る情報記録素子において、zは、z=2に対する酸素欠損状態の値であり、一定量以上の酸素欠損を示す範囲内であることが好ましい。具体的には、その組成物の結晶の80%以上の値が1.50≦z≦1.98であることが好ましく、またその記録層全体の平均値が1.70≦z≦1.95であることが好ましい。zの調整の調整は、成膜条件での酸素分圧低減や基板温度上昇により実現できる。
上記のCeOに関しては、CeOターゲットを用い、PLD法などの成膜方法によって成膜を行い、基板温度や成膜時の酸素分圧などにより、前記yの値を任意に調整して、所望の本発明に係る第三の態様に係る情報記録素子を得ることができる。
また、MOCVD法のような方法でもの原材料を上記組成のものを準備し成膜を行うことにより、前記yの値を任意に調整して、所望の本発明に係る第三の態様に係る情報記録素子を得ることができる。
MOD法のような化学溶液法においては、原材料に沈殿を生じない範囲で金属アルコキシドを溶液中に均一に分散させることが可能であれば、前記xの値を任意に調整して、所望の本発明に係る第三の態様に係る情報記録素子を得ることができる。この手法は、ex situプロセスと呼ばれる、堆積と熱処理が完全に分離された手法であり、熱処理条件である焼成温度と酸素分圧、酸素アニール開始温度の調整により正確なyの設定が可能である。
また、主たる物質がCeOで記載される情報記録層構成材料においても多数回のスイッチング動作が可能である。ここにおいてCeはランタノイド族元素であるため、3原子%以下の別のランタノイド族が混入することが多い。
前記MがZr又はTiの場合もCeOと同様の成膜およびスイッチング効果を示す。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る情報記録素子の実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明の構成の一例を示したものであり下から順にTiNからなる下部電極、ZnMn3−xOzなどの情報記録層、Ptからなる上部電極である。なお、本発明はZnMn3−xの場合はzが概して4.4前後の値をとり、xは第一領域である0.00≦x≦0.03、または第2領域である0.15≦x≦0.90のみである。図には、ZnMnO系化合物のみ記載してあるが、Mn、CeOやZrO、及びその酸素欠損状態の化合物でも良い。
図2は、ZnMn3−xの情報記録層を用いたスイッチング試験の結果とであり、5万回以上のスイッチングが起きた領域は5万回に、1〜5万回のスイッチングが起きた領域と2千〜1万回のスイッチングが起きた領域、2千回未満のスイッチングとなった領域の4領域で評価を行った。なお実験時間の都合上、5万回以上スイッチングした試料は5万回でスイッチング試験を打ち切っている。
図3は、ZnMn3−xの情報記録層を高分解能TEMで観察した結果から、相分離が認められた組成を図示したものである。観察においてMn酸化物が観測された領域、ZnOが観測された領域を図示した。
実験例1
抵抗変化材料の成膜を行う導電性基板は、Si単結晶基板上にWおよびTiN層が成膜された直径2インチ基板、基板厚み0.50mmのものを用いた。基板表面は化学的および機械的研磨方法により直径1ミクロン四方における面内粗さであるRMSが0.5nm以下となるものを用いた。
抵抗変化層(記録層)の成膜は、パルスレーザー堆積法(PLD法)を用いた。それに用いるターゲットは、一般的な焼結法により作成した。その際に組成の異なるターゲットを準備した。組成はZn:Mnの合計組成が3となるよう原料粉末をそれぞれ調合し、各組成における焼結最適温度で十分な保持時間を保ってターゲットを作成した。
ターゲットの組成は上記の要領でZn量が0〜3の範囲となるよう作成し、たとえばZn量が0.15となるもターゲットは以下、Tz(0.15)と記載を定義する。準備したターゲットはTz(0.00)、Tz(0.01)、Tz(0.03)、Tz(0.05)、Tz(0.10)、Tz(0.15)、Tz(0.20)、Tz(0.25)、Tz(0.30)、Tz(0.40)、Tz(0.50)、Tz(0.60)、Tz(0.70)、Tz(0.80)、Tz(0.90)、Tz(1.00)、Tz(1.20)、Tz(1.40)、Tz(1.60)、Tz(1.80)、Tz(2.00)、Tz(2.20)、Tz(2.40)、Tz(2.60)、Tz(2.80)、Tz(2.85)、Tz(2.90)、Tz(2.95)、Tz(2.97)、Tz(2.99)、Tz(3.00)である。
上記記載の全てのターゲットを用い、真空チャンバー中にTiN/W/Si層を成膜した基板を設置し500℃に加熱し、10e−2Paの酸素条件下、PLD法によりレーザー光出力が130mJ/mmの条件下で成膜を行った。膜厚はおおよそ20nm程度となるよう成膜時間を制御し、抵抗変化材料が成膜された試料を得た。得られた試料は、たとえばTz(0.15)から得られた膜であれば1RP(0.15)〔実験例1のReRAM材料、Pre状態、Zn量0.15の意味〕と記載する。
上記の全試料を再び真空チャンバーにセットし、スパッターでマスクを用いながら直径50ミクロンの円柱状Ptパッドを上部に成膜した。得られた試料は、たとえばTz(0.15)から得られたPtパッド付の膜であれば1R(0.15)と記載する。
得られたそれぞれの電極の表面に微小領域での切り込みを入れ、TiN層に導通する形でプローブを接触させ、もう片方のプローブをPtパッドに当てて導通を行った後、ReRAM素子としてのスイッチング試験を行った。
Pt側を正極とし、TiN側を負極として最大3Vまでの電圧により電流を素子に流し、スイッチングに関するonおよびoffの電位差が100回のスイッチングで平均1V以上維持された状態をスイッチング状態とし、それぞれの試料について最大5万回の試験を行った。
スイッチングが5万回以上継続した試料は、1R(0.00)、1R(0.01)、1R(0.03)、1R(0.15)、1R(0.20)、1R(0.25)、1R(0.30)、1R(0.40)、1R(0.50)、1R(0.60)、1R(0.70)、1R(0.80)、1R(0.90)、であった。
スイッチングが1〜5万回であった試料は、1R(0.05)、1R(0.10)、1R(1.00)、1R(1.20)であり、2千〜1万回であった試料は1R(1.40)、1R(1.60)、1R(1.80)、1R(2.00)、残りの全試料は2千回未満であった。
スイッチング回数が良好な領域が0.00≦x≦0.03、および0.15≦x≦0.90で分離して現れ、Zn量が増大する領域ではスイッチング回数が低下してゆく傾向が現れていた。
実験例2
抵抗変化材料の成膜を行う導電性基板は、Si単結晶基板上にWおよびTiN層が成膜された直径2インチ基板、基板厚み0.50mmのものを用いた。基板表面は化学的および機械的研磨方法により直径1ミクロン四方における面内粗さであるRMSが0.5nm以下となっている。
抵抗変化層(記録層)の成膜は、パルスレーザー堆積法(PLD法)を用いた。それに用いるターゲットは、一般的な焼結法により作成した。その際に組成の異なるターゲットを準備した。組成はZn:Mnの合計組成が3となるよう原料粉末をそれぞれ調合し、各組成における焼結最適温度で十分な保持時間を保ってターゲットを作成した。
ターゲットの組成は上記の要領でZn量が0〜3の範囲となるよう作成し、たとえばZn量が0.15となるもターゲットは以下、Tz(0.15)と記載を定義する。準備したターゲットはTz(0.00)、Tz(0.01)、Tz(0.03)、Tz(0.05)、Tz(0.10)、Tz(0.15)、Tz(0.20)、Tz(0.25)、Tz(0.30)、Tz(0.40)、Tz(0.50)、Tz(0.60)、Tz(0.70)、Tz(0.80)、Tz(0.90)、Tz(1.00)、Tz(1.20)、Tz(1.40)、Tz(1.60)、Tz(1.80)、Tz(2.00)、Tz(2.20)、Tz(2.40)、Tz(2.60)、Tz(2.80)、Tz(2.85)、Tz(2.90)、Tz(2.95)、Tz(2.97)、Tz(2.99)、Tz(3.00)である。
上記記載の全てのターゲットを用い、真空チャンバー中にTiN/W/Si層を成膜した基板を設置し500℃に加熱し、10e−2Paの酸素条件下、PLD法によりレーザー光出力が130mJ/mmの条件下で成膜を行った。膜厚はおおよそ30nm程度となるよう成膜時間を制御し、抵抗変化材料が成膜された試料を得た。得られた試料は、たとえばTz(0.15)から得られた膜であれば2RP(0.15)〔実験例2のReRAM材料、Pre状態、Zn量0.15の意味〕と記載する。
上記の全試料を再び真空チャンバーにセットし、スパッターでマスクを用いながら直径100ミクロンの円柱状Ptパッドを上部に成膜した。得られた試料は、たとえばTz(0.15)から得られたPtパッド付の膜であれば2R(0.15)と記載する。
得られたそれぞれの電極の表面に微小領域での切り込みを入れ、TiN層に導通する形でプローブを接触させ、もう片方のプローブをPtパッドに当てて導通を行った後、ReRAM素子としてのスイッチング試験を行った。
Pt側を正極とし、TiN側を負極として最大3Vまでの電圧により電流を素子に流し、スイッチングに関するonおよびoffの電位差が100回のスイッチングで平均1V以上維持された状態をスイッチング状態とし、それぞれの試料について1万回の通電を行った。
全ての試料において基板から水平な面で、かつ抵抗変化材料の膜厚の約半分となる基盤から15nm程度はなれた位置での水平方向のTEMであるPlan−View TEM観察を行った。可能な限りの高倍率での観察を行い、EDS分析によりMn酸化物とZn化合物の検出を行った。ZnOは、ナノ微結晶を形成していたため化合物としての同定が可能であったが、Mn酸化物と思われる物質は配向性が低かったためにMn酸化物としてしか検知が出来なかった。
得られた試料のうち、ナノ微結晶やMn相分離と思われる層がほとんど検出できなかったのは、2R(0.00)、2R(0.01)、2R(0.03)、2R(0.15)、2R(0.20)、2R(0.25)、2R(0.30)、2R(0.40)、2R(0.50)、2R(0.60)、2R(0.70)、2R(0.80)、2R(0.90)であった。
少量のMn酸化物が確認されたのは2R(0.05)、2R(0.10)であり、少量のZnOが検出されたのは2R(1.00)、2R(1.20)、2R(1.40)、2R(1.60)、2R(1.80)、2R(2.00)であった。残りの試料からは多量のZnOが確認された。なお少量と称しているのは300nm四方のTEM観察エリアにおいて、5nm以上の長さを持つナノ微結晶が5個以下しか観測されなかったことを示している。
Plan−View TEM観察の結果は、実験例1で示したスイッチング特性と相関があることがわかった。スイッチング特性の低下は、単離する物質の種類が異なっても同様の傾向があることから、単離する物質が異なってもスイッチング現象に悪影響を及ぼしていることが推定できる。
以上のように実験例1及び2によれば、本発明に係る情報記録素子に用いられる抵抗記録材料であるZnMn3−xにおいて、xが特定の値をとる場合にのみスイッチング回数が増大することが判明した。その領域は、第一領域が0.00≦x≦0.03、第2領域が0.15≦x≦0.90であった。
多数回動作を安定的に起こせる原理は、単離する金属酸化物の防止にあると考えられ、またリセット時には発熱と徐冷により相図上の一定組成においても、到達温度より下の部分で形成されると考えられる単離金属酸化物の影響を大きく受けると考えられる。
実験例3
抵抗変化材料の成膜を行う導電性基板は、Si単結晶基板上にWおよびTiN層が成膜された直径2インチ基板、基板厚み0.50mmのものを用いた。基板表面は化学的および機械的研磨方法により直径1ミクロン四方における面内粗さであるRMSが0.5nm以下となっている。
抵抗変化層(記録層)の成膜は、パルスレーザー堆積法(PLD法)を用いた。それに用いるターゲットは、一般的な焼結法により作成した。ターゲットはMnのものだけを用いた。それはZn―Mn―O系複合酸化物に関する過去の文献(S. Mogck, B. J. Kooi, and J. Th. M. De Hosson, “Tailoring of misfit along interfaces between ZnxMn3-xO4 and Ag”, Acta Materialia vol. 52, (2004) 5845-5851)で、この酸化物は任意の比率で配向組織を作るだけでなく、ZnOを放出しやすいと報告されている。そのために高分解能TEM観察やXRD測定でシグナルが出たとしても何を反映しているかを推測するのが難しいと考えられるためである。
上記Mnターゲットを用い、真空チャンバー中にTiN/W/Si層を成膜した基板を設置し200、300、400、500、600℃に加熱し、1×10E+0Paの酸素条件下、PLD法によりレーザー光出力が130mJ/mmの条件下で成膜を行った。膜厚はおおよそ20nm程度となるよう成膜時間を制御し、抵抗変化材料が成膜された試料を得た。得られた試料は、たとえば基板温度200℃加熱で得られた膜であれば3RPT(200)〔実験例3のReRAM材料、Pre状態、温度200℃の意味〕と記載する。
上記の全試料を再び真空チャンバーにセットし、スパッターでマスクを用いながら直径50ミクロンの円柱状Ptパッドを上部に成膜した。得られた試料は、たとえば3RPT(200)から得られたPtパッド付の膜であれば3RT(200)とここでは記載することとする。
得られた3RT(200)、3RT(300)、3RT(400)、3RT(500)、および3RT(600)をXRD測定にて相同定を行った。PLD法成膜時におけるTiN層とMn酸化物層との反応の可能性について、他の系からの類推により推測することとした。超電導成膜の結果では動きやすい2族元素であるBaと、さまざまな物質の拡散に耐えうるGdZr中間層が反応を起こすのが730℃以上である。ReRAM材料であるMnO系とTiNの組み合わせはBaのような反応活性な元素が入らない分だけさらに安定であると考えられ、最高600℃しか温度を上昇させない環境下ではほぼ反応が起こらないと推測できる。
上記3RT(200)、3RT(300)、3RT(400)、3RT(500)、および3RT(600)はどれも20nmの膜厚でかなりの薄膜のため、集中光学系によるXRD測定にて相同定を行った。その結果、図4に示すように最強ピークと思われるメインピークが微弱ながら2θが32〜33度程度で観測され、2種類のピークが観測されていた。変化が見られたのはこの周辺に現れるピークのみであった。
ピークが得られたということから、少なくともこの20nmの材料は全てがアモルファスではないということがわかった。また成膜条件によりこの相が変化していることや、物質量がその後のICP測定結果からほぼ同一量であることなどを加味すると、結晶性を示さない大部分はアモルファス層であると推測できる。
本測定結果でメインピークしか得られていないことに関してであるが、20nmという極薄の膜でアモルファス層とナノ微結晶層混在領域であるためと想定され、他の分野での結果からも不思議なことではない。さらにそれらのピークは半値幅が比較的広く、いろんな方向に回折してXRDピークが弱まっていることを考えれば、他の相はほぼ現れることは無いだろうという合理的な推測が成り立つ結果である。
加えて、前述のとおりMn酸化物とTiN層は600℃という低温ではほぼ反応することが無い。そのためMnOのPLD法での堆積ではMnの価数が異なる化合物のみを想定すれば全物質を網羅することになる。
XRDの結果からは高温成膜ほどMnのピークが増大し、低温成膜ほどMnのピークが強いことがわかった。3RT(200)ではXPSによるMnにおけるzは膜全体での平均値となるが、4.32を示していた。一方、3RT(300)、3RT(400)、3RT(500)、および3RT(600)ではそれぞれ4.08、3.93、3.81、3.65を示していた。MnO系酸化物は高温成膜ほど酸素が欠損すると報告されており、その結果が現れたものと考えられる。
Pt電極を成膜した全ての試料の表面に微小領域での切り込みを入れ、TiN層に導通する形でプローブを接触させ、もう片方のプローブをPtパッドに当てて導通を行った後、ReRAM素子としてのスイッチング試験を行った。
Pt側を正極とし、TiN側を負極として最大3Vまでの電圧により電流を素子に流し、スイッチングに関するonおよびoffの電位差が100回のスイッチングで平均1V以上維持された状態をスイッチング状態とし、それぞれの試料について5万回までのスイッチング試験を行った。
3RT(200)は5試料測定してスイッチング回数が最高で2万回であり、かつ試料間で不安定な動きを見せていた。その他の試料は最高スイッチング回数がどれも5万回を突破しており、特に3RT(400)および3RT(500)の試料は安定的に80%以上の確率で5万回以上のスイッチングを示していた。
MnOのナノ微結晶が存在することがXRDでわかっているため、高分解能TEMによる組織観察を行った。その結果、5万回以上の良好なスイッチング回数を示した3RT(300)、3RT(400)、3RT(500)、および3RT(600)ではMn−Oとの距離から局部的に酸素欠損を示すzの値が、3.35〜4.41の値を持つことがわかった。今回のTEM像で見た限りでは80%以上のナノ微結晶がこのz値を持っていた。この酸素欠損量によりナノ微結晶が絶縁体としての性質が損なわれ、小さな抵抗へと物質の性質が変化したものと推定される。またこの酸素欠損量が所定の値にあるときに安定したスイッチングを示していることから、将来的な情報記録再生素子およびその応用として有望な酸素欠損範囲が一連の実験で初めて明らかになったと考えられる。
実験例4
抵抗変化材料の成膜を行う導電性基板は、Si単結晶基板上にWおよびTiN層が成膜された直径2インチ基板、基板厚み0.50mmのものを用いた。基板表面は化学的および機械的研磨方法により直径1ミクロン四方における面内粗さであるRMSが0.5nm以下となっている。
抵抗変化層の成膜は、パルスレーザー堆積法(PLD法)を用いた。それに用いるターゲットは、一般的な焼結法により作成した。ターゲットはMnのみを用いた。
上記Mnターゲットを用い、真空チャンバー中にTiN/W/Si層を成膜した基板を設置し400℃に加熱し、酸素分圧を1×10E−2、1×10E−1、1×10E+0、1×10E+1、および1×10E+2Paの酸素条件下、PLD法によりレーザー光出力が130mJ/mmの条件下で成膜を行った。膜厚はおおよそ20nm程度となるよう成膜時間を制御し、抵抗変化材料が成膜された試料を得た。得られた試料は、たとえば酸素分圧1×10E―2で得られた膜であれば4RPO(−2)〔実験例4のReRAM材料、Pre状態、酸素分圧1E−2Paの意味〕と記載する。
上記の全試料を再び真空チャンバーにセットし、スパッターでマスクを用いながら直径50ミクロンの円柱状Ptパッドを上部に成膜した。得られた試料は、たとえば4RPO(−2)から得られたPtパッド付の膜であれば4RO(−2)とここでは記載することとする。
得られた4RO(−2)、4RO(−1)、4RO(0)、4RO(1)、および4RO(2)をXRD測定にて相同定を行った。PLD法成膜時におけるTiN層とMn酸化物層との反応の可能性について、前述の通り2族元素であるBaと、さまざまな物質の拡散に耐えうるMn中間層が反応を起こすのが730℃以上でありReRAM材料であるMnO系とTiNの組み合わせのためさらに安定であると考えられる。最高400℃でのPLD成膜ではReRAM材とTiN基板は、化学反応をほとんど起こさないと推測できる。
上記4RO(−2)、4RO(−1)、4RO(0)、4RO(1)、および4RO(2)はどれも20nmの膜厚でかなりの薄膜のため、集中光学系によるXRD測定にて相同定を行った。その結果、最強ピークと思われるメインピークが微弱ながら2θが32〜33度程度で観測され、2種類のピークが観測されていた。変化が見られたのはこの周辺に現れるピークのみであった。
ピークが得られたということから、少なくともこの20nmの材料は全てがアモルファスではないということがわかった。また成膜条件によりこの相が変化していることや、物質量がその後のICP測定結果からほぼ同一量であることなどを加味すると、結晶性を示さない大部分はアモルファス層であると推測できる。
本測定結果でメインピークしか得られていないことに関してであるが、20nmという極薄の膜でアモルファス層とナノ微結晶層混在領域であるためと想定され、他の分野での結果からも不思議なことではない。さらにそれらのピークは半値幅が比較的広く、いろんな方向に回折してXRDピークが弱まっていることを考えれば、他の相が観測されないことが合理性を欠くことも無い。
加えて、前述のとおりMn酸化物とTiN層は400℃という低温ではほぼ反応することが無い。そのためMnOのPLD法での堆積ではMnの価数が異なる化合物のみを想定すれば全物質を網羅することになる。
XRDの結果からは高酸素分圧ほどMnのピークが増大し、低酸素分圧ほどMnのピークが強いことがわかった。4RO(2)、および4RO(1)ではXPSによるMnにおけるzは膜全体での平均値となるが、4.47、および4.23を示していた。加えてこの2試料に限っては膜表面に直径0.5mm程度の円状の異相が確認された。一方、4RO(−2)、4RO(−1)、および4RO(0)ではそれぞれ4.10、3.93、3.85を示していた。MnO系酸化物は相図から低酸素分圧ほど酸素が欠損するという報告があるため、その結果が現れたものと考えられる。
Pt電極を成膜した全ての試料の表面に微小領域での切り込みを入れ、TiN層に導通する形でプローブを接触させ、もう片方のプローブをPtパッドに当てて導通を行った後、ReRAM素子としてのスイッチング試験を行った。
Pt側を正極とし、TiN側を負極として最大3Vまでの電圧により電流を素子に流し、スイッチングに関するonおよびoffの電位差が100回のスイッチングで平均1V以上維持された状態をスイッチング状態とし、それぞれの試料について5万回までのスイッチング試験を行った。
4RO(2)、および4RO(1)はスイッチング回数がそれぞれ最高で5千回、および2万回程度であり、かつ試料間で不安定な動きを見せていた。その他の試料は最高スイッチング回数がどれも5万回を突破していた。
MnOのナノ微結晶が存在することがXRDでわかっているため、高分解能TEMによる組織観察を行った。その結果、5万回以上の良好なスイッチング回数を示した4RO(−2)、4RO(−1)、および4RO(0)ではMn−Oとの距離から局部的に酸素欠損を示すzの値が、3.79〜4.23の値を持つことがわかった。この酸素欠損量によりナノ微結晶が絶縁体としての性質が損なわれ、小さな抵抗へと物質の性質が変化したものと推定される。またこの酸素欠損量が所定の値にあるときに安定したスイッチングを示していることから、将来的な情報記録再生素子およびその応用が期待される。
以上のように実験例3及び4によれば、ZnMn3−xは複合酸化物を形成し、かついかなる組成においても格子構造を取るために酸素欠損量の測定は困難であるが、Mnの組成の成膜においてはスイッチングとz量との関係が見出せた。
実験例3及び4によれば、記録層の一部においてMnの組成の場合に局部的に3.35≦z≦4.41となっていればスイッチング回数が改善されることが特に示されていた。
実験例3及び4によれば更に、記録層の平均値がMnで組成を表した場合に、3.65≦z≦4.20となっていればスイッチング回数が改善されることも判明し、この領域の成膜を行うことにより良好なスイッチング特性が得られることがわかった。
実験例5
抵抗変化材料の成膜を行う導電性基板は、Si単結晶基板上にWおよびTiN層が成膜された直径2インチ基板、基板厚み0.50mmのものを用いた。基板表面は化学的および機械的研磨方法により直径1ミクロン四方における面内粗さであるRMSが0.5nm以下となっている。
抵抗変化層(記録層)の成膜は、パルスレーザー堆積法(PLD法)を用いた。それに用いるターゲットは、一般的な焼結法により作成した。ターゲットはCeOを用いた。ランタノイド族ターゲットは化学的性質の類似する別種のランタノイド族元素が混入しやすく、最大で3原子%程度のランタノイド族がCeに代わって存在する場合があるが、今回は1原子%程度の混入比であることがICP測定からわかっている。
上記CeOターゲットを用い、真空チャンバー中にTiN/W/Si層を成膜した基板を設置し200、300、400、500、600℃に加熱し、1×10E+0Paの酸素条件下、PLD法によりレーザー光出力が130mJ/mmの条件下で成膜を行った。膜厚はおおよそ20nm程度となるよう成膜時間を制御し、抵抗変化材料が成膜された試料を得た。得られた試料は、たとえば基板温度200℃加熱で得られた膜であれば5RPT(200)〔実験例5のReRAM材料、Pre状態、温度200℃の意味〕と記載する。
上記の全試料を再び真空チャンバーにセットし、スパッターでマスクを用いながら直径50ミクロンの円柱状Ptパッドを上部に成膜した。得られた試料は、たとえば5RPT(200)から得られたPtパッド付の膜であれば5RT(200)とここでは記載することとする。
得られた5RT(200)、5RT(300)、5RT(400)、5RT(500)、および5RT(600)をXRD測定にて相同定を行った。XRDは試料が薄膜であるために高さ設定に厳密さが要求されるものの、集中光学系を用いて測定を行った。
測定結果から2θが69度付近に現れるはずの(004)ピークはSi単結晶ピークと重なってしまうため分離が出来なかったが、33度付近に(002)ピークと思われる半値幅の広いピークが確認された。そのピークは成膜温度が高いほど僅かに高温側にシフトしており、酸素欠損を含んだCeO2が成膜されたものと考えられる。
高分解能TEMにより5RT(600)試料の酸素欠損量を分析し、その値とXRD測定におけるピークシフトから結合酸素量を計算した結果を次に示す。5RT(200)、5RT(300)、5RT(400)、5RT(500)、および5RT(600)の順に、1.99、1.96、1.91、1.82、および1.70であった。小さな値ではあるが、高温ほど酸素が欠損している結果となった。
上記の全ての膜にPt電極を成膜し、表面に微小領域での切り込みを入れTiN層に導通する形でプローブを接触させ、もう片方のプローブをPtパッドに当てて導通を行った後、ReRAM素子としてのスイッチング試験を行った。
Pt側を正極とし、TiN側を負極として最大3Vまでの電圧により電流を素子に流し、スイッチングに関するon及びoffの電位差が100回のスイッチングで平均1V以上維持された状態をスイッチング状態とし、それぞれの試料について5万回までのスイッチング試験を行った。
5RT(200)はスイッチング回数が最高で3.5万回であり、かつ5つの試料間で不安定な動きを見せていた。ゼロのものもあった。その他の試料は最高スイッチング回数がどれも5万回を突破した。特に5RT(500)および5RT(600)の試料は成膜されたPtパッドを個々に測定した場合、安定的に80%以上の確率で5万回以上のスイッチングを示していた。
CeOのナノ微結晶が存在することがXRDでわかっているため、高分解能TEMによる組織観察を行った。その結果、5万回以上の良好なスイッチング回数を示した5RT(300)、5RT(400)、5RT(500)、および5RT(600)ではCeOzとした場合のz値が、1.50〜1.98であることがわかった。この酸素欠損量によりナノ微結晶が絶縁体としての性質が損なわれ、小さな抵抗へと物質の性質が変化したものと推定される。またこの酸素欠損量が所定の値にあるときに安定したスイッチングを示していることから、将来的な情報記録再生素子およびその応用として有望な酸素欠損範囲が一連の実験で初めて明らかになったと考えられる。
実験例6
抵抗変化材料の成膜を行う導電性基板は、Si単結晶基板上にWおよびTiN層が成膜された直径2インチ基板、基板厚み0.50mmのものを用いた。基板表面は化学的および機械的研磨方法により直径1ミクロン四方における面内粗さであるRMSが0.5nm以下となっている。
抵抗変化層(記録層)の成膜は、パルスレーザー堆積法(PLD法)を用いた。それに用いるターゲットは、一般的な焼結法により作成した。ターゲットはCeO2を用いた。
上記CeOターゲットを用い、真空チャンバー中にTiN/W/Si層を成膜した基板を設置し400℃に加熱し、酸素分圧を1×10E−2、1×10E−1、1×10E+0、1×10E+1、および1×10E+2Paの酸素条件下、PLD法によりレーザー光出力が130mJ/mmの条件下で成膜を行った。膜厚はおおよそ20nm程度となるよう成膜時間を制御し、抵抗変化材料が成膜された試料を得た。得られた試料は、たとえば酸素分圧1×10E−2で得られた膜であれば6RPO(−2)〔実験例6のReRAM材料、Pre状態、酸素分圧1×10E−2Paの意味〕と記載する。
上記の全試料を再び真空チャンバーにセットし、スパッターでマスクを用いながら直径50ミクロンの円柱状Ptパッドを上部に成膜した。得られた試料は、たとえば6RPO(−2)から得られたPtパッド付の膜であれば6RO(−2)とここでは記載することとする。
得られた6RO(−2)、6RO(−1)、6RO(0)、6RO(1)、および6RO(2)をXRD測定にて相同定を行った。PLD法成膜時におけるTiN層とCe酸化物層との反応の可能性について、他の系からの類推により推測することとした。超電導成膜の結果では動きやすい2族元素であるBaと、さまざまな物質の拡散に耐えうるCeO中間層が反応を起こすのが730℃以上である。ReRAM材料であるCe系でCeとTiNの組み合わせはBaが入らない分だけさらに安定であると考えられ、最高400℃しか温度を上昇させない環境下ではほぼ反応が起こらないと推測できる。
上記6RO(−2)、6RO(−1)、6RO(0)、6RO(1)、および6RO(2)はどれも20nmの膜厚でかなりの薄膜のため、集中光学系によるXRD測定にて相同定を行った。その結果、(002)面方位の最強ピークと思われるメインピークが微弱ながら2θが33度程度で観測され、2種類のピークが観測されていた。変化が見られたのはこの周辺に現れるピークのみであった。ピークの位置にはほとんど差異が見られなかった。
ピークが得られたということから、少なくともこの20nmの材料は全てがアモルファスではないということがわかった。また成膜条件によりこの相が変化していることや、物質量がその後のICP測定結果からほぼ同一量であることなどを加味すると、結晶性を示さない大部分はアモルファス層であると推測できる。
本測定結果でメインピークしか得られていないことに関してであるが、20nmという極薄の膜でアモルファス層とナノ微結晶層混在領域であるためと想定され、他の分野での結果からも不思議なことではない。さらにそれらのピークは半値幅が比較的広く、いろんな方向に回折してXRDピークが弱まっていることを考えれば、他の相はほぼ現れることは無いだろうという合理的な推測が成り立つ結果である。
加えて、前述のとおりCe酸化物とTiN層は400℃という低温ではほぼ反応することが無い。そのためCeOのPLD法での堆積ではCeの価数が異なる化合物のみを想定すれば全物質を網羅することになる。
XRDの結果から、6RO(2)、6RO(1)、6RO(0)、6RO(−1)、および6RO(−2)において、ほとんど(002)ピーク位置に僅かな変化しか見られなかった。実験例5で用いた結果を外挿してCeOとしたときのzを求めると、順に1.93、1.92、1.91、1.90、および1.90であった。
Pt電極を成膜した全ての試料の表面に微小領域での切り込みを入れ、TiN層に導通する形でプローブを接触させ、もう片方のプローブをPtパッドに当てて導通を行った後、ReRAM素子としてのスイッチング試験を行った。
Pt側を正極とし、TiN側を負極として最大3Vまでの電圧により電流を素子に流し、スイッチングに関するonおよびoffの電位差が100回のスイッチングで平均1V以上維持された状態をスイッチング状態とし、それぞれの試料について5万回までのスイッチング試験を行った。
全ての試料において最高スイッチング回数がどれも5万回を突破し、良好なスイッチング回数を示す試料が多く、成膜時の酸素分圧の影響はあまり受けていないというようであった。
先の実験例と同様に、高分解能TEMによる組織観察を行った。その結果、6RO(2)、6RO(1)、6RO(0)、6RO(−1)、および6RO(−2)の全ての試料でz値に大きな差異は見られず、構成する80%のナノ微結晶のz値は、1.84〜1.93であった。
以上のように実験例5及び6によれば、本発明に係る情報記録素子に用いられる抵抗記録材料であるCeOにおいて、zが特定の値をとる場合にのみスイッチング回数が改善する。その領域は、ナノ領域であれば1.50≦z≦1.98であることがわかった。この領域の酸素数をナノ微結晶でもつ薄膜が特にスイッチング回数の優れた薄膜となることが判明した。
本発明によれば更に、抵抗記録材料CeOzの膜全体としての組成が、1.70≦x≦1.95であればスイッチング特性が大きく改善することもわかった。これにより安定的にスイッチングを行える素子が提供可能となる。
上記のCeO層に関してランタノイド族という特徴から、別のランタノイド元素が1原子%以内で混入することが多い。しかしその置換物質が存在する薄膜においてもスイッチング特性には大きな差異が見られなかった。
実験例7
抵抗変化材料の成膜を行う導電性基板はSi単結晶基板上にWおよびTiN層が成膜された直径2インチ基板、基板厚み0.50mmのものを用いた。基板表面は化学的および機械的研磨方法により直径1ミクロン四方における面内粗さであるRMSが0.5nm以下となっている。
抵抗変化層(記録層)の成膜はパルスレーザー堆積法(PLD法)を用いた。それに用いるターゲットは一般的な焼結法により作成した。ターゲットはZrO2を用いた。
上記ZrO2ターゲットを用い、真空チャンバー中にTiN/W/Si層を成膜した基板を設置し200、300、400、500、600℃に加熱し、1×10E+0Paの酸素条件下、PLD法によりレーザー光出力が130mJ/mmの条件下で成膜を行った。膜厚はおおよそ20nm程度となるよう成膜時間を制御し、抵抗変化材料が成膜された試料を得た。得られた試料は、たとえば基板温度200℃加熱で得られた膜であれば7RPT(200)〔実験例7のReRAM材料、Pre状態、温度200℃の意味〕と記載する。
上記の全試料を再び真空チャンバーにセットし、スパッターでマスクを用いながら直径50ミクロンの円柱状Ptパッドを上部に成膜した。得られた試料は、たとえば7RPT(200)から得られたPtパッド付の膜であれば7RT(200)とここでは記載することとする。
高分解能TEMにより7RT(600)試料の酸素欠損量を分析し、その値とXRD測定におけるピークシフトから結合酸素量を計算した結果を次に示す。7RT(200)、7RT(300)、7RT(400)、7RT(500)、および7RT(600)の順に、1.99、1.97、1.92、1.85、および1.79であった。高温ほど酸素が欠損している結果となった。
上記の全ての膜にPt電極を成膜し、表面に微小領域での切り込みを入れTiN層に導通する形でプローブを接触させ、もう片方のプローブをPtパッドに当てて導通を行った後、ReRAM素子としてのスイッチング試験を行った。
Pt側を正極とし、TiN側を負極として最大3Vまでの電圧により電流を素子に流し、スイッチングに関するonおよびoffの電位差が100回のスイッチングで平均1V以上維持された状態をスイッチング状態とし、それぞれの試料について5万回までのスイッチング試験を行った。
7RT(400)、7RT(500)、および7RT(600)は最高スイッチング回数がどれも5万回を突破した。7RT(200)、および7RT(300)はスイッチング回数が少ないばかりでなく、動作もやや不安定であった。
以上のように実験例7によれば、本発明に用いられる情報記録素子に用いられる抵抗記録材料であるZrOの膜においてもzの値によって良好なスイッチング特性が得られることが判明した。膜全体としての組成が、1.79≦z≦1.92であればスイッチング特性が良好にたもたれることがわかった。
以上のように本発明に係る情報記録素子によれば、ZnMn3−xの系ではZnOなどが相分離しない領域での使用がスイッチング特性の改善につながり、Mn、CeOやZrOなどではそれぞれその物質固有のzとなるときにスイッチング特性が改善することがわかった。いずれも酸素が欠損する側にzが移動した領域で良好な特性が得られていた。
スイッチング原理に関しては不明な点も残されているが、酸素欠損により電子の移動が絶縁体時と比較して導電性が大きくなり、ナノ微結晶がXRDより確認されていることから酸化物が電気的に接合する、つまり酸素欠損の導電性がおよぶ領域で導電性が改善することにより低抵抗状態が実現している可能性がある。酸素欠損にいたる手段には実験による検証が必要であるが、一連の実験結果からは少なくとも上記のスイッチング機構が推察される。
またリセット時であるが、約1000倍の大電流が流れて電圧がほぼ同じであるため、約1000倍にもおよぶ大量の発熱が起きると予想される。その熱で本来の安定状態である絶縁体に、酸素欠損を起こした金属が周辺部の酸素を吸収および酸化することにより戻る可能性がある。
まだスイッチング原理は未解明ではあるが、この前提に基づきながら安定した動作のスイッチング素子を本発明は提供可能である。
本発明に係る情報記録素子の構成要素の概念図である。 Zn組成比とスイッチング回数の関係を示すグラフである。 Zn組成比と観察された単離金属酸化物量の関係を示すグラフである。 2θ/ω測定によるMn及びMn相同定の結果を示す図である。

Claims (14)

  1. 一対の電極と、その間に介在し、抵抗の変化により情報を記録する記録層とを含み、
    前記記録層は、(a)M及び(b)A3−xの少なくとも一つを主成分とし、
    前記(a)及び(b)中、zは、その組成物の結晶の80%以上の値が3.35≦z≦4.41であり、
    前記(b)中、xは、0.00<x≦0.03であることを特徴とする情報記録素子。
  2. 一対の電極と、その間に介在し、抵抗の変化により情報を記録する記録層とを含み、
    前記記録層は、A3−xの少なくとも一つを主成分とし、
    前記zは、その組成物の結晶の80%以上の値が3.35≦z≦4.41であり、
    前記xは、0.15≦x≦0.90であることを特徴とする情報記録素子。
  3. 一対の電極と、その間に介在し、抵抗の変化により情報を記録する記録層とを含み、
    前記記録層は、(a)M及び(b)A3−xの少なくとも一つを主成分とし、
    前記(a)及び(b)中、zは、その記録層全体の平均値が3.65≦z≦4.20であり、
    前記(b)中、xは、0.00<x≦0.03であることを特徴とする情報記録素子。
  4. 一対の電極と、その間に介在し、抵抗の変化により情報を記録する記録層とを含み、
    前記記録層は、A3−xの少なくとも一つを主成分とし、
    前記zは、その記録層全体の平均値が3.65≦z≦4.20であり、
    前記xは、0.15≦x≦0.90であることを特徴とする情報記録素子。
  5. 前記Aは、Zn、Cd及びHgのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の情報記録素子。
  6. 前記Aは、Znであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の情報記録素子。
  7. 前記Mは、Cr、Mn、Fe、Co及びNiのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の情報記録素子。
  8. 前記Mは、Mnであることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の情報記録素子。
  9. 一対の電極と、その間に介在し、抵抗の変化により情報を記録する記録層とを含み、
    前記記録層は、(a)MO及び(b)B1−yの少なくとも一つを主成分とし、
    前記(a)及び(b)中、zは、その組成物の結晶の80%以上の値が1.50≦z≦1.98であり、
    前記(b)中、yは、0.00<y≦0.03であることを特徴とする情報記録素子。
  10. 一対の電極と、その間に介在し、抵抗の変化により情報を記録する記録層とを含み、
    前記記録層は、(a)MO及び(b)B1−yの少なくとも一つを主成分とし、
    前記(a)及び(b)中、zは、その記録層全体の平均値が1.70≦z≦1.95であり、
    前記(b)中、yは、0.00<y≦0.03であることを特徴とする情報記録素子。
  11. 前記MがCeであることを特徴とする請求項9又は10記載の情報記録素子。
  12. 前記MがZr及びTiのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項9又は10記載の情報記録素子。
  13. 前記BがSc、Y及びCeを除くランタノイド族元素のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項9乃至12いずれか記載の情報記録素子。
  14. 請求項1乃至13いずれか記載の情報記録素子を備えた情報記録再生装置。
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