JP2009222988A - カートリッジ収容体及びカートリッジ収容容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナーおよび現像剤由来の臭気成分を、カートリッジに在中された微生物により分解させ、消臭または脱臭するトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを収容し、消臭効率または脱臭効率に優れるカートリッジ収容体を提供する。
【解決手段】微生物を在中させたトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを収容し、トナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを回転させる回転手段、及びトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジが備える内容物撹拌手段を駆動させる駆動手段のうち少なくとも1つを備えるカートリッジ収容体である。
【選択図】図1
【解決手段】微生物を在中させたトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを収容し、トナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを回転させる回転手段、及びトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジが備える内容物撹拌手段を駆動させる駆動手段のうち少なくとも1つを備えるカートリッジ収容体である。
【選択図】図1
Description
本発明は、トナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを収容したカートリッジ収容体、及びトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを収容するためのカートリッジ収容容器に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、ドラム状に形成された像保持体の表面を一様に帯電し、この像保持体の表面を画像情報に基づいて制御された光で露光して像保持体の表面上に静電荷像(静電潜像)を形成し、この静電荷像を静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある)により現像してトナー画像とし、さらにこのトナー画像を記録紙等の被転写材に転写し、これを定着装置によって定着して画像形成している。現像に用いられる現像剤にはトナーと静電荷像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と呼ぶ場合がある)とを含む二成分現像剤と、磁性トナーなどのようにトナー単独で用いられる一成分現像剤とがある。
上述したトナーは、一般に混練粉砕法や化学製法により製造されるため、トナーには微量の未反応モノマ等の不純物や製造時に残留した極少量の溶剤等が含まれることがある。このため、トナー用カートリッジ内にトナーを充填し、一定時間経過すると、トナー用カートリッジ内に、トナーより揮発した微量の未反応モノマ等の不純物、極少量の溶剤等に由来する臭気成分が充満し、トナー用カートリッジの開封時に臭気成分が大気中に拡散し、不快感を与える可能性がある。
また、複写機、プリンタ等の画像形成装置が動作時に発熱すると、画像形成装置に装填されたトナー用カートリッジが加温される。この場合、トナー用カートリッジ内に充填されたトナーから、微量の未反応モノマ等の不純物、極少量の溶剤等がより揮発し易くなり、これにより、トナー用カートリッジ内に揮発生成した臭気成分が徐々に大気中に放出され、使用者に不快感を与える可能性がある。
また、上述した二成分現像剤に使用されるキャリアが樹脂被覆キャリアや磁性粉分散型キャリアである場合にも、上記同様、キャリアにも微量の未反応モノマ等の不純物、製造時に残留した極少量の溶剤等が含まれることがある。このため、現像剤用カートリッジ内にトナーのみならず上記キャリアを充填し、一定時間経過すると、現像剤用カートリッジ内に、トナーおよびキャリアから揮発した微量の未反応モノマ等の不純物、極少量の溶剤等に由来する臭気成分が充満し、現像剤用カートリッジの開封時に臭気成分が大気中に拡散し、不快感を与える可能性がある。
同様に、上記画像形成装置の動作時の発熱により、画像形成装置に装填された現像剤用カートリッジが加温されると、現像剤用カートリッジ内に充填されたトナーおよびキャリアから、微量の未反応モノマ等の不純物、極少量の溶剤等が揮発し易くなり、これにより、現像剤用カートリッジ内に揮発生成した臭気成分が徐々に大気中に放出され、上記同様、使用者に不快感を与える可能性がある。
これらのトナー等からの臭気成分の発生を低減するためにこれまで様々な検討が行われてきた。
例えば、特許文献1には、水系媒体中で生成するトナーについて水系媒体から分離する以前に、植物抽出成分を含有する消臭剤、酵素を含有する消臭剤、金属フタロシアニン系消臭剤、微生物系消臭剤等の消臭剤で処理するトナー製造方法、及びトナー粒子表面に前記消臭剤を吸着させたトナーが記載されている。
また、特許文献2には、水系媒体中で懸濁重合によって得られるトナー生成物を、チオバチルス属に属する微生物と当該微生物によって生成する硫黄酸化物を中和する中和剤とを含有する水を使用するトナーの製造方法が記載されている。
これらの方法以外にも、蒸留などによる臭気成分の原因となる不純物の除去、トナー粉体が出来上がった後での乾燥処理等も行われてきた。
本発明は、トナーおよび現像剤由来の臭気成分を、カートリッジに在中された微生物により分解させ、消臭または脱臭するトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを収容し、消臭効率または脱臭効率に優れるカートリッジ収容体である。
本発明は、トナーおよび現像剤由来の臭気成分を、カートリッジに在中された微生物により分解させ、消臭または脱臭するトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを収容するためのものであり、消臭効率または脱臭効率に優れるカートリッジ収容容器である。
本発明は、微生物を在中させたトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを収容し、前記トナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを回転させる回転手段、及び前記トナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジが備える内容物撹拌手段を駆動させる駆動手段のうち少なくとも1つを備えるカートリッジ収容体である。
また、前記カートリッジ収容体において、前記微生物は、温度60℃の環境下で生存可能な微生物であることが好ましい。
また、本発明は、微生物を在中させたトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを収容するためのものであり、前記トナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを回転させる回転手段、及び前記トナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジが備える内容物撹拌手段を駆動させる駆動手段のうち少なくとも1つを備えるカートリッジ収容容器である。
本発明の請求項1によると、本構成を有さない場合に比較して、消臭効率または脱臭効率に優れるカートリッジ収容体を提供することができる。
本発明の請求項2によると、本構成を有さない場合に比較して、消臭効率または脱臭効率により優れるカートリッジ収容体を提供することができる。
本発明の請求項3によると、本構成を有さない場合に比較して、消臭効率または脱臭効率に優れるカートリッジ収容容器を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<カートリッジ収容容器及びカートリッジ収容体>
本発明の実施形態に係るカートリッジ収容体の一例の概略構成を図1に示す。図1(a)は、カートリッジ収容体の長手方向に沿った断面図であり、図1(b)は、カートリッジ収容体の短手方向に沿った断面図である。カートリッジ収容体1は、カートリッジ収容容器10にトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジ(以下、両者を纏めて「カートリッジ」と略す場合がある)等のカートリッジ20を収容したものである。カートリッジ収容容器10は、容器本体12と、カートリッジ20を回転させる回転手段であるモータ16と、モータ16を作動させるための電源18とを備える。カートリッジ20には、トナーまたは現像剤が収容され、カートリッジ20内部の所定の箇所に微生物保管箱24が設置され、その微生物保管箱24には微生物が在中されている。
本発明の実施形態に係るカートリッジ収容体の一例の概略構成を図1に示す。図1(a)は、カートリッジ収容体の長手方向に沿った断面図であり、図1(b)は、カートリッジ収容体の短手方向に沿った断面図である。カートリッジ収容体1は、カートリッジ収容容器10にトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジ(以下、両者を纏めて「カートリッジ」と略す場合がある)等のカートリッジ20を収容したものである。カートリッジ収容容器10は、容器本体12と、カートリッジ20を回転させる回転手段であるモータ16と、モータ16を作動させるための電源18とを備える。カートリッジ20には、トナーまたは現像剤が収容され、カートリッジ20内部の所定の箇所に微生物保管箱24が設置され、その微生物保管箱24には微生物が在中されている。
カートリッジ収容体1において、カートリッジ収容容器10の固定部22にカートリッジ20の回転軸14が装着されている。電源18によってモータ16が作動されることにより、モータ16に装着された回転軸14と固定部22が回転し、カートリッジ20が回転される。
このようにカートリッジ20を回転させることにより、カートリッジ収容体1の保管時、運搬時等において、カートリッジ20の内部に収容されたトナーまたは現像剤が撹拌され、トナーおよびキャリアから揮発した微量の未反応モノマ等の不純物、極少量の溶剤等に由来する臭気成分が微生物により効率良く消臭または脱臭される。
カートリッジ20の回転は、カートリッジ20をカートリッジ収容容器10に収容した後の例えば保管時、運搬時等の任意の時に行えばよい。カートリッジの回転数は、適宜決めればよい。
電源18としては、電池、充電池、太陽電池等を用いることができる。
本発明の実施形態に係るカートリッジ収容体の他の例の概略構成を図2に示す。図2(a)は、カートリッジ収容体の長手方向に沿った断面図であり、図2(b)は、カートリッジ収容体の短手方向に沿った断面図である。カートリッジ収容体3は、カートリッジ収容容器10にトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジ等のカートリッジ20を収容したものである。カートリッジ収容容器10は、容器本体12と、カートリッジ20が備える内容物撹拌手段を駆動させる駆動手段であるモータ16と、モータ16を作動させるための電源18とを備える。カートリッジ20は、カートリッジの内容物を撹拌するための内容物撹拌手段である撹拌部材26を備える。カートリッジ20には、トナーまたは現像剤が収容され、カートリッジ20内部の所定の箇所に微生物保管箱24が設置され、その微生物保管箱24には微生物が在中されている。
カートリッジ収容体3において、カートリッジ収容容器10の固定部22により、カートリッジ20が固定される。カートリッジ20の備える撹拌部材26の撹拌用回転軸は回転軸14に連動して動く。電源18によってモータ16が作動されることにより、モータ16に装着された回転軸14が回転し、回転軸14と連動して撹拌部材26が回転される。
このように撹拌部材26を回転させることにより、カートリッジ収容容器10の保管時、運搬時等において、カートリッジ20の内部に収容されたトナーまたは現像剤が撹拌され、トナーおよびキャリアから揮発した微量の未反応モノマ等の不純物、極少量の溶剤等に由来する臭気成分が微生物により効率良く消臭または脱臭される。
撹拌部材26の回転は、カートリッジ20をカートリッジ収容容器10に収容した後の例えば保管時、運搬時等の任意の時に行えばよい。撹拌部材26の回転数は、適宜決めればよい。
撹拌部材26としては、カートリッジ20の内容物を撹拌できるものであれば良く特に制限はないが、例えば、ブラシ等が撹拌用回転軸に植毛されたもの等を用いることができる。撹拌部材26として、カートリッジ20が備えるオーガ手段等を利用してもよい。
<現像剤用カートリッジ、トナー用カートリッジ>
図3〜図5には、本発明の実施形態に係る現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジの例が模式的に示されている。カートリッジ内部には、トナーまたは現像剤が収容される。
図3〜図5には、本発明の実施形態に係る現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジの例が模式的に示されている。カートリッジ内部には、トナーまたは現像剤が収容される。
図3に模式的に示すカートリッジ30の内壁には、細孔34が複数設けられ且つトナーおよびキャリアから揮発した臭気成分を分解可能な微生物が内包された微生物保管箱32が設置されている。また、細孔34は、カートリッジ30の内部の気体と微生物保管箱32内の気体とを流通可能にするために設けられ、主に、カートリッジ30の内部の臭気成分を含む気体および湿気を微生物保管箱32内へ通気および通湿させるとともに、微生物保管箱32内の微生物により浄化された気体をカートリッジ30内に放出するために設けられている。さらに、微生物保管箱32は、カートリッジ30に着脱可能に設置されていることが好ましい。これにより、微生物保管箱32内の微生物の活性低下に応じて、交換することが可能となる。また、微生物保管箱32は、カートリッジ30が画像形成装置に装填された際に、カートリッジ30の内壁上方に設置されることが好ましい。通常、装填されたカートリッジ30の下方部に現像剤のトナーやキャリアが滞留していることから、カートリッジ30の上方に空間が形成され易い。そして、上記空間には、トナーやキャリアより揮発した臭気成分の大部分が存在することから、カートリッジ30の内壁上方に微生物保管箱32を設置することにより、効率良く臭気成分が分解され消臭、脱臭される。
細孔34の孔径は、0.5μm以上4μm程度であることが好ましい。
また、細孔34を設けた微生物保管箱32の代わりに、微生物を収容する微生物収容部と、トナーまたは現像剤などが収容されている部屋との間を、ゴアテックス(登録商標)などの通気性の膜、不織布等で仕切ってもよい。また、通気性の膜、不織布等は平均孔径0.1μm以上3.5μm以下程度の開口部を有することが好ましく、0.2μm以上3μm程度の開口部を有することがより好ましい。
細孔34の孔径あるいは開口部の平均孔径が3.5μmを超えると、トナーあるいは現像剤が孔を通過してしまう場合があり、0.1μm未満であると通気が不十分となる場合がある。
また、図4に模式的に示すカートリッジ40は、撹拌式カートリッジにおける一例であって、内容物撹拌手段である、ブラシ46が植毛された撹拌用回転軸42自体が微生物保管箱となっている。撹拌用回転軸42には微生物が内包され、さらに撹拌用回転軸42の表面には複数の細孔44が設けられている。この細孔44は、カートリッジ40の内部の気体と微生物保管箱である撹拌用回転軸42内の気体とを流通可能にするために設けられ、主に、カートリッジ40の内部の臭気成分を含む気体および湿気を微生物が封入された撹拌用回転軸42内へ通気および通湿させるとともに、撹拌用回転軸42内の微生物により浄化された気体をカートリッジ40内に放出するために設けられている。
また、図5に模式的に示すカートリッジ50は、撹拌式カートリッジにおける一例であって、カートリッジ50には、内容物撹拌手段である、ブラシ56が植毛された撹拌用回転軸52が設けられている。さらにカートリッジ50内には、微生物内包カプセル54が複数個混入されている。上記微生物内包カプセル54は、図6に示すように、表面に細孔64が複数個形成され、さらに第1カプセル片60aと第2カプセル片60bとの分割可能に形成されている。このように微生物内包カプセル54を分割可能に形成することにより、微生物内包カプセル54内に微生物が内包された微生物封入袋62を収納し、また、微生物の活性が低下した場合には、微生物内包カプセル54内の微生物封入袋62のみを交換し、微生物活性を一定値以上に維持することができる。また、微生物内包カプセル54の表面に複数設けられた細孔64は、図5に示すカートリッジ50の内部の気体と微生物内包カプセル54内の気体とを流通可能にするために設けられており、主に、カートリッジ50の内部の臭気成分を含む気体および湿気を微生物封入袋62が内包された微生物内包カプセル54内へ通気および通湿させるとともに、微生物内包カプセル54内の微生物により浄化された気体をカートリッジ50内に放出するために設けられている。ここで、微生物封入袋62は、後述する微生物を担持した有機質担体のシートが封入され、微生物封入袋62は、例えば、不織布またはメッシュ素材の合成または天然繊維等からなる。
従来のトナー等の臭気成分の低減方法は、それなりに臭気除去に関して効果があるものの、トナー等の製造工程の変更を伴い、工程導入による付加的なコストが発生するばかりでなく、生産性への影響も大きい。また、活性炭、金属等を利用した消臭剤をトナー等の粉体を保管する時に使用する方法も考えられているが、それらの消臭剤には臭気成分、揮発性有機化合物(VOC)を吸着する量に限りがあり、効果が持続しない。消臭効果の持続性という点で注目されるのが微生物を使用した脱臭剤であり、従来、脱臭剤を洗浄工程等の製造工程で使用する方法も採られている。しかし製造工程で微生物系脱臭剤を使用するには特殊な装置が必要であり、またトナー等の完成後保管時にも効果の持続を期待した場合には適当な加湿状態におくことが必要でトナー等としての特性を維持することが困難であった。また、トナーのみならず樹脂被覆キャリア等から臭気成分が発生することがあり、これらの臭気成分の低減を行うことが求められていた。
本実施形態では、カートリッジ内にトナーまたは現像剤に用いられているトナーまたはキャリアから揮発する臭気成分を分解可能な微生物が収容されているため、トナーまたは現像剤から徐々に放出されるVOC等の臭気成分を微生物が分解することにより、カートリッジ内で除去することができ、臭気成分が低減された画像形成装置を実現することができる。
また、本実施形態によれば、開封前の容器または開封前のカートリッジに充満した臭気成分を容器またはカートリッジに内在された微生物により分解して消臭または脱臭させるだけでなく、特に、画像形成装置の動作時の発熱により、画像形成装置に装填されたトナー用カートリッジや現像剤用カートリッジ内に充填されたトナーやキャリアから揮発する微量の臭気成分を随時分解して、消臭または脱臭することができる。
本実施形態に係るカートリッジは、微生物保管箱内を調湿する調湿機能を有するものであることが好ましい。これにより、消臭効果を長期にわたって持続することができる。
[微生物]
上述した図3に示す微生物保管箱32、図4に示す撹拌用回転軸42、図5および図6に示す微生物内包カプセル54内に収納する微生物封入袋62に在中させる微生物としては、例えば、メルカプタン類、硫化水素、アンモニアおよびアミン類の消臭、脱臭に極めて優れた効果を有する、アスペルギルスグラウカス(Aspergillus glaucus )、アスペルギルスオチラセウス(Aspergillus ochraceus )、アスペルギルスルーバー(Aspergillus ruber )、アスペルギルステレウス(Aspergillus terreus )、ペニシリウムグラウカム(Penicillium glaucum)、またはリゾプスオリゴスポラス(Rhizopus oligospolus)などが挙げられ、また、アンモニア濃度が低下する微生物であれば使用できるが、例えばウレアーゼ陰性のBacillus amyloliquefaciやEnterobacter aerogenesなどの微生物が挙げられ、さらに、硫黄系悪臭成分を酸化することによって硫酸を産生して分解するチオバチルス属系微生物としては、チオバチルス・チオオキシダンス、チオバチルス・フェロオキシダンス、チオバチルス・チオパルス、チオバチルス・デニトリフィガンス、チオバチルス・ネアポリタナス、チオバチルス・テピタリアス、チオバチルス・ベルサタス、チオバチルス・インターメディアスなどが挙げられる。これらのチオバチルス属系微生物は単独あるいは組み合わせて使用することができる。なお、チオバチルス属系微生物を用いる場合には、後述する担体に、中和剤として、例えば、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸水素塩を添加する必要があり、具体的には、アルカリ土類金属の炭酸塩としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウムなどが好適に用いられ、また、アルカリ土類金属としては、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素ストロンチウムなどが好適に用いられる。
上述した図3に示す微生物保管箱32、図4に示す撹拌用回転軸42、図5および図6に示す微生物内包カプセル54内に収納する微生物封入袋62に在中させる微生物としては、例えば、メルカプタン類、硫化水素、アンモニアおよびアミン類の消臭、脱臭に極めて優れた効果を有する、アスペルギルスグラウカス(Aspergillus glaucus )、アスペルギルスオチラセウス(Aspergillus ochraceus )、アスペルギルスルーバー(Aspergillus ruber )、アスペルギルステレウス(Aspergillus terreus )、ペニシリウムグラウカム(Penicillium glaucum)、またはリゾプスオリゴスポラス(Rhizopus oligospolus)などが挙げられ、また、アンモニア濃度が低下する微生物であれば使用できるが、例えばウレアーゼ陰性のBacillus amyloliquefaciやEnterobacter aerogenesなどの微生物が挙げられ、さらに、硫黄系悪臭成分を酸化することによって硫酸を産生して分解するチオバチルス属系微生物としては、チオバチルス・チオオキシダンス、チオバチルス・フェロオキシダンス、チオバチルス・チオパルス、チオバチルス・デニトリフィガンス、チオバチルス・ネアポリタナス、チオバチルス・テピタリアス、チオバチルス・ベルサタス、チオバチルス・インターメディアスなどが挙げられる。これらのチオバチルス属系微生物は単独あるいは組み合わせて使用することができる。なお、チオバチルス属系微生物を用いる場合には、後述する担体に、中和剤として、例えば、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸水素塩を添加する必要があり、具体的には、アルカリ土類金属の炭酸塩としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウムなどが好適に用いられ、また、アルカリ土類金属としては、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素ストロンチウムなどが好適に用いられる。
[微生物を担持させる担体]
本実施の形態における担体としては、無機質担体と有機質担体とこれらの組み合わせとから適宜選択する。なお、担体としては、例えば、通気性、保水性、微生物保持性を有するものが好ましい。
本実施の形態における担体としては、無機質担体と有機質担体とこれらの組み合わせとから適宜選択する。なお、担体としては、例えば、通気性、保水性、微生物保持性を有するものが好ましい。
上記無機質担体としては、例えば、親水性無機質粒子が好ましく、親水性無機質粒子としては、ゼオライト、ケイソウ土、活性炭、アンスラサイトなど、臭気成分を分解する微生物が付着する程度の親水性を有する無機質の粒子が好ましい。ゼオライト、ケイソウ土、活性炭のように多孔質のものが好ましいが、アンスラサイトのように必ずしも多孔質でなくてもよい。これらの粒子の比重は特に制限されないが、1.0以上5.0以下、好ましくは2.0以上3.0以下のものが望ましい。また粒径は10μm以上100μm以下、好ましくは10μm以上50μm以下のものが望ましい。
上記有機質担体としては、吸水性のある高分子吸水性樹脂、吸水性パルプ、パルプモールド、紙、布、セルロースビーズ、多孔質ビーズ、シリカゲルなどが挙げられ、高分子吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸塩系、アクリル酸とアクリル酸ナトリウムの共重合物、澱粉とアクリル酸グラフト化物などが挙げられる。さらに、天然由来高分子として、例えば、−OH、−COOHなどの親水性官能基を多く有するゲルを形成可能なゼラチン、アルギン酸、キトサン等が挙げられる。
[微生物を担体に担持させる方法]
本実施形態では、上記有機質担体を用いる場合には、例えば、上記有機質担体を水溶液中に分散させて、高粘度溶液、例えば、5cP以上500cP以下の溶液に微生物を分散させた混合液を作製する。次いで、この混合液に、例えば、ポリエステル樹脂等の合成樹脂繊維からなる不織布(繊維間の目の大きさは平均80μm)を浸漬させたのち、引き上げながらローラで絞り、50℃から70℃の雰囲気下で乾燥させて微生物を包含するカプセルを繊維間に含有するシートを形成する。ここで、微生物は、例えば、カプセル内に平均で10個以上100個以下で存在し、不織布1cm2あたり500個以上2000個以下の微生物が、より好ましくは800個以上1200個以下の微生物が存在するように調製する。一方、上記無機質担体を用いる場合には、例えば、微生物含有溶液を無機質担体に噴霧したり塗布したりすることにより、無機質担体に微生物を植菌する。なお、不織布1cm2あたり500個未満であると効果が生じにくい場合があり、また2000個を越えても効果はあるものの、増加に伴って微生物の活性が低下する場合がある。
本実施形態では、上記有機質担体を用いる場合には、例えば、上記有機質担体を水溶液中に分散させて、高粘度溶液、例えば、5cP以上500cP以下の溶液に微生物を分散させた混合液を作製する。次いで、この混合液に、例えば、ポリエステル樹脂等の合成樹脂繊維からなる不織布(繊維間の目の大きさは平均80μm)を浸漬させたのち、引き上げながらローラで絞り、50℃から70℃の雰囲気下で乾燥させて微生物を包含するカプセルを繊維間に含有するシートを形成する。ここで、微生物は、例えば、カプセル内に平均で10個以上100個以下で存在し、不織布1cm2あたり500個以上2000個以下の微生物が、より好ましくは800個以上1200個以下の微生物が存在するように調製する。一方、上記無機質担体を用いる場合には、例えば、微生物含有溶液を無機質担体に噴霧したり塗布したりすることにより、無機質担体に微生物を植菌する。なお、不織布1cm2あたり500個未満であると効果が生じにくい場合があり、また2000個を越えても効果はあるものの、増加に伴って微生物の活性が低下する場合がある。
[現像剤]
図1から図5に示すカートリッジ20,30,40,50に封入される現像剤は、静電荷像現像用トナーが、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。また、二成分現像剤として用いる場合には、後述するキャリアと混合して使用される。そこで、まず、本実施の形態の静電荷像現像用トナーについて以下に説明する。
図1から図5に示すカートリッジ20,30,40,50に封入される現像剤は、静電荷像現像用トナーが、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。また、二成分現像剤として用いる場合には、後述するキャリアと混合して使用される。そこで、まず、本実施の形態の静電荷像現像用トナーについて以下に説明する。
本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法としては、例えば、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。特に、乳化重合凝集法等の湿式製法により製造されたトナーの場合、揮発性有機物質を含有する場合があり、臭気成分の原因となることがある。
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、含窒素系単量体等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等をあげることができる。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本実施形態の静電潜像現像用トナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂、マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジメチルアミノエチルメタアクリレート(DMAEMA)、メラミン等の含窒素系樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10μm以上500μm以下であり、好ましくは30μm以上100μm以下である。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
一般に、キャリアは適度な電気抵抗値を有することが必要であり、具体的には108Ωcm以上1014Ωcm以下程度の電気抵抗値が求められている。例えば、鉄粉キャリアのように電気抵抗値が106Ωcmと低い場合には、スリーブからの電荷注入によりキャリアが感光体の画像部へ付着したり、潜像電荷がキャリアを介して逃げ、潜像の乱れや画像の欠損等を生じたりする等の問題が生じる場合がある。一方、絶縁性の樹脂を厚く被覆してしまうと電気抵抗値が高くなりすぎ、キャリア電荷がリークしにくくなり、その結果エッジの効いた画像にはなるが、反面大面積の画像面では中央部の画像濃度が非常に薄くなるというエッジ効果という問題が生じる場合がある。そのためキャリアの抵抗調整のために樹脂被覆層中に導電性粉末を分散させることが好ましい。
キャリア抵抗は、2枚の極板電極の間にキャリア粒子を挟み、電圧を印加した時の電流を測定する、通常の極板間式電気抵抗測定法により求め、103.8V/cmの電界下での抵抗で評価する。
導電粉自身の電気抵抗は108Ωcm以下が好ましく、105Ωcm以下がより好ましい。導電粉の具体例としては、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛のような導電性の金属酸化物単体系;酸化チタン、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ等の粒子の表面を導電性の金属酸化物で被覆した複合系などが挙げられる。製造安定性、コスト、電気抵抗の低さという観点からカーボンブラックが特に好ましい。カーボンブラックの種類は特に限定されないが、製造安定性の良いDBP(ジブチルフタレート)吸油量が50mL/100g以上300mL/100g以下の範囲のものが好適である。導電粉の体積平均粒径は0.1μm以下が好ましく、分散のためには体積平均一次粒径が50nm以下のものが好ましい。
上記樹脂被覆層を、キャリア芯材の表面に形成する方法としては、例えば、キャリア芯材の粉末を被膜層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被膜層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被膜層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、被膜樹脂を粒子化し被膜樹脂の融点以上でキャリア芯材とニーダーコーター中で混合し冷却して被膜させるパウダーコート法等が挙げられるが、ニーダーコーター法及びパウダーコート法が特に好ましく用いられる。
本実施形態の静電潜像現像用キャリアにおいて用いられる芯材(キャリア芯材)としては、特に制限はなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、又は、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用いる観点からは、磁性キャリアであるのが望ましい。キャリア芯材の体積平均粒径としては、一般的には10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上80μm以下がより好ましい。
前記二成分現像剤における本実施の形態の静電荷現像用トナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、例えば、トナー:キャリア=1:100以上30:100以下程度の範囲であり、3:100以上20:100以下程度の範囲が好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[トナーAの調製]
<ポリエステル樹脂粒子分散液の調製>
加熱乾燥した二口フラスコに、アジピン酸ジメチル74重量部、テレフタル酸ジメチル192重量部、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物216重量部、エチレングリコール38重量部と、触媒としてテトラブトキシチタネート0.037重量部とを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃以上230℃以下で約12時間共縮重合反応させ、その後、210℃以上250℃以下で徐々に減圧して、ポリエステル樹脂を合成した。
<ポリエステル樹脂粒子分散液の調製>
加熱乾燥した二口フラスコに、アジピン酸ジメチル74重量部、テレフタル酸ジメチル192重量部、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物216重量部、エチレングリコール38重量部と、触媒としてテトラブトキシチタネート0.037重量部とを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃以上230℃以下で約12時間共縮重合反応させ、その後、210℃以上250℃以下で徐々に減圧して、ポリエステル樹脂を合成した。
得られたポリエステル樹脂のガラス転移温度を、後述の測定方法により示差走査熱量系(DSC)を用いて測定したところ、62℃であった。また、得られたポリエステル樹脂の分子量を後述の測定方法によりGPCを用いて測定したところ、重量平均分子量(Mw)が10,000、数平均分子量(Mn)が5,500であった。また、得られたポリエステルの酸価を測定したところ、15.1KOHmg/gであった。
次いで、このポリエステル樹脂115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンR)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂粒子分散液(樹脂粒子濃度:40重量%)を調製した。
<黒着色剤分散液の調製>
カーボンブラック リーガル330(キャボット社製)99重量部と、アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)15重量部と、イオン交換水300重量部とを混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけることによって黒着色剤分散液を得た。
カーボンブラック リーガル330(キャボット社製)99重量部と、アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)15重量部と、イオン交換水300重量部とを混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけることによって黒着色剤分散液を得た。
得られた、黒着色剤分散液内における着色剤(カーボンブラック)の体積平均粒径を、レーザー回折粒度測定器を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.25μmであった。また、黒着色剤分散液の固形分比率は24重量%であった。
<離型剤分散液の調製>
フィッシャートロプシュワックスFNP92(融点92℃、日本精鑞社製)100重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)3.6重量部と、イオン交換水400重量部とを混合し、100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤分散液を得た。
フィッシャートロプシュワックスFNP92(融点92℃、日本精鑞社製)100重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)3.6重量部と、イオン交換水400重量部とを混合し、100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤分散液を得た。
得られた、離型剤分散液内における離型剤の体積平均粒径を、後述の測定方法によりレーザー回折粒度測定器を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.23μmであった。また、離型剤分散液の固形分比率は20重量%であった。
<トナーAの製造>
ポリエステル樹脂粒子分散液を441重量部と、黒着色剤分散液45重量部と、離型剤分散液115重量部と、脱イオン水402重量部とを丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ウルトラタラックスT50で十分に混合、分散した。
ポリエステル樹脂粒子分散液を441重量部と、黒着色剤分散液45重量部と、離型剤分散液115重量部と、脱イオン水402重量部とを丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ウルトラタラックスT50で十分に混合、分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.37重量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら52℃まで加熱した。52℃で3時間保持した後、ここにポリエステル樹脂粒子分散液を緩やかに175重量部追加した。
その後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分間、300rpmで撹拌、洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.00、電気伝導度8.7μS/cm、表面張力が7.08Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行い、次いで真空乾燥を12時間実施し、トナー母粒子Aを得た。
次にトナー母粒子Aの100重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット製、TS720)を1.5重量部添加し、ヘンシェルミキサーにて3000rpmで5分間ブレンドしてトナーAを得た。
[トナーBの調製]
<樹脂粒子分散液の作製>
スチレン(和光純薬社製、特級) 78重量部
アクリル酸n−ブチル(試薬一級、和光純薬社製) 22重量部
アクリル酸(和光純薬社製) 2重量部
ドデカンチオール(和光純薬社製) 1.5重量部
<樹脂粒子分散液の作製>
スチレン(和光純薬社製、特級) 78重量部
アクリル酸n−ブチル(試薬一級、和光純薬社製) 22重量部
アクリル酸(和光純薬社製) 2重量部
ドデカンチオール(和光純薬社製) 1.5重量部
上記成分を予め混合し、溶解して溶液を調製しておき、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックスA211)4重量部をイオン交換水100重量部に溶解した界面活性剤溶液をフラスコに収容し、上記の溶液103.5重量部を投入して分散し乳化して10分間ゆっくりと撹拌、混合しながら、過硫酸アンモニウム3重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。次いで、系内を窒素で十分に置換した後、フラスコを撹拌しながらオイルバスで系内が68℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して樹脂粒子分散液(1)を得た。樹脂粒子分散液から樹脂粒子を分離して物性を調べたところ、体積平均粒径は200nm、分散液中の固形分量は40%、ガラス転移点は52℃、酸価は14mgKOH/g、重量平均分子量Mwは33,000であった。
<着色剤分散液>
カーボンブラック(R330、キャボット社製) 50重量部
イオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬社製) 5重量部
イオン交換水 195重量部
カーボンブラック(R330、キャボット社製) 50重量部
イオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬社製) 5重量部
イオン交換水 195重量部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10分間分散し、次いで超音波分散機を用いて、28KHzの超音波を10分間照射し、固形分20%、体積平均粒径125nmの着色剤分散液1を得た。
<離型剤分散液>
ポリエチレンワックス 50重量部
(東洋ペトロライト社製、PolyWax725、融点103℃)
イオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬社製) 5重量部
イオン交換水 195重量部
ポリエチレンワックス 50重量部
(東洋ペトロライト社製、PolyWax725、融点103℃)
イオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬社製) 5重量部
イオン交換水 195重量部
上記成分を120℃に加熱し、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理して、固形分20%、体積平均粒径226nmの離型剤分散液を得た。
<トナーBの作製>
樹脂粒子分散液 285重量部
着色剤分散液 60重量部
離型剤分散液 80重量部
ポリ塩化アルミニウム 2.0重量部
イオン交換水 1097重量部
樹脂粒子分散液 285重量部
着色剤分散液 60重量部
離型剤分散液 80重量部
ポリ塩化アルミニウム 2.0重量部
イオン交換水 1097重量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら47℃まで加熱し、47℃で45分間保持して凝集粒子分散液を調製した。この凝集粒子分散液に上記の樹脂粒子分散液を緩やかに145重量部追加し30分放置した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して系内のpHを6.5に調整した後、撹拌を継続しながら96℃まで加熱して1時間経過した後、1モル/リットルの硝酸水溶液を添加し、pHを5.0に調整して5時間保持した。冷却後濾過した後、3リットルのイオン交換水に再分散してヌッチェ式吸引ろ過により固液分離することを6回繰り返して固形物を得た。次いで真空乾燥を40℃で12時間行って体積平均粒径5.2μmのトナー母粒子Bを得た。
次にトナー母粒子100重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット製、TS720)を1.5重量部添加し、ヘンシェルミキサーにて3000rpmで5分間ブレンドしてトナーBを得た。
<キャリアAの調製>
Mn−Mg系フェライト粒子 100重量部
(真比重4.6g/cm3、体積平均粒径35μm、飽和磁化65emu/g)
トルエン 11重量部
ジエチルアミノエチルメタクリレート−スチレン−メチルメタクリレート共重合体
(共重合比2:20:78、重量平均分子量60,000、Mw10,000以下の成分が25%) 2重量部
カーボンブラック(キャボット社製、R330R) 0.2重量部
(体積平均粒径25nm、DBP値71mL/100g、抵抗10Ωcm以下)
Mn−Mg系フェライト粒子 100重量部
(真比重4.6g/cm3、体積平均粒径35μm、飽和磁化65emu/g)
トルエン 11重量部
ジエチルアミノエチルメタクリレート−スチレン−メチルメタクリレート共重合体
(共重合比2:20:78、重量平均分子量60,000、Mw10,000以下の成分が25%) 2重量部
カーボンブラック(キャボット社製、R330R) 0.2重量部
(体積平均粒径25nm、DBP値71mL/100g、抵抗10Ωcm以下)
フェライト粒子を除く上記成分とガラスビーズ(粒径1mm、トルエンと同量)を関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌して被覆樹脂層形成用溶液を調製した。次に、この被覆樹脂層形成用溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃を保って10分間撹拌した後、減圧してトルエンを留去することにより被覆樹脂層を形成してキャリアを得た。被覆樹脂層の厚みは1μmであった。103.8V/cmの電界下でのキャリア抵抗は4×1010Ωcmであった。なお、飽和磁化値は、振動試料型磁力計(東英工業社製)を用いて、印加磁界3000(Oe)という条件のもと、測定して得られたものである。
<キャリアBの調製>
ヘンシェルミキサーに平均粒子径0.40μmの球状マグネタイト粒子粉末(戸田工業社製、磁化値64emu/g(1kOe))500重量部を投入し、十分に撹拌した後、チタネート系カップリング剤(味の素(株)社製「プレンアクトTTS」)3.0重量部を添加し、約100℃まで昇温し30分間良く混合撹拌することにより上記チタネート系カップリング剤で被覆された球状マグネタイト粒子を得た。次に、1Lのフラスコに、フェノール40重量部、40%ホルマリン60重量部、親油化処理されたマグネタイト粒子600重量部と30%アンモニア水10重量部、水50重量部を撹拌混合した。次に、0.8℃/minの昇温速度で昇温し、マグネタイト粒子を含有するゲル状の球状複合体核粒子が形成された時点で(47℃)、更に水50重量部を撹拌混合した。その後、1℃/minの昇温速度で90℃まで昇温し、4時間反応及び硬化させて、球形複合粒子の生成を行った。その後、25℃まで冷却し、500mLの水を添加した後、上澄み液を除去し、複合粒子を含む沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下、50〜60℃で乾燥して複合磁性粒子Bを得た。
ヘンシェルミキサーに平均粒子径0.40μmの球状マグネタイト粒子粉末(戸田工業社製、磁化値64emu/g(1kOe))500重量部を投入し、十分に撹拌した後、チタネート系カップリング剤(味の素(株)社製「プレンアクトTTS」)3.0重量部を添加し、約100℃まで昇温し30分間良く混合撹拌することにより上記チタネート系カップリング剤で被覆された球状マグネタイト粒子を得た。次に、1Lのフラスコに、フェノール40重量部、40%ホルマリン60重量部、親油化処理されたマグネタイト粒子600重量部と30%アンモニア水10重量部、水50重量部を撹拌混合した。次に、0.8℃/minの昇温速度で昇温し、マグネタイト粒子を含有するゲル状の球状複合体核粒子が形成された時点で(47℃)、更に水50重量部を撹拌混合した。その後、1℃/minの昇温速度で90℃まで昇温し、4時間反応及び硬化させて、球形複合粒子の生成を行った。その後、25℃まで冷却し、500mLの水を添加した後、上澄み液を除去し、複合粒子を含む沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下、50〜60℃で乾燥して複合磁性粒子Bを得た。
複合磁性粒子Bを除く下記成分からなる樹脂被覆層形成用溶液とガラスビーズ(粒径1mm、トルエンと同量)を関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度12000rpmで30分間撹拌して被覆樹脂層形成用溶液を調整した。次に、この被覆樹脂層形成用溶液Aと複合磁性粒子Aを真空脱気型ニーダーに入れ、温度を60℃を保って10分間撹拌した後、減圧してトルエンを留去することにより被覆樹脂層を形成したキャリアBを得た。
<樹脂被覆層形成原料溶液>
複合磁性粒子B 100重量部
トルエン 11重量部
スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比30:70) 2重量部
カーボンブラック(Regal330、キャボット社製) 0.2重量部
複合磁性粒子B 100重量部
トルエン 11重量部
スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比30:70) 2重量部
カーボンブラック(Regal330、キャボット社製) 0.2重量部
<トナーとキャリアの物性値測定方法>
上記トナーA,Bおよびキャリアの物性値は以下の方法により測定した。
上記トナーA,Bおよびキャリアの物性値は以下の方法により測定した。
(粒度および粒度分布測定方法)
粒度および粒度分布測定について述べる。本実施例において測定する粒子が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターマルチサイザー−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
粒度および粒度分布測定について述べる。本実施例において測定する粒子が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターマルチサイザー−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2mL中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを前記電解液100mL以上150mL以下中に添加した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定する粒子数は50,000であった。
また本実施例におけるトナーの粒度分布は以下の方法により求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積16%となる体積平均粒径をD16と定義し、累積50%となる体積平均粒径をD50と定義する。さらに累積84%となる体積平均粒径をD84と定義する。
本実施例における体積平均粒径は該D50であり、GSDは以下の式によって算出した。
GSD=(D84/D16)0.5
GSD=(D84/D16)0.5
同様に、測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから数累積分布を描き、累積50%となる粒径を数平均粒径と定義する。
また、本実施例において測定する粒子が2μm未満の場合、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所製)を用いて測定した。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mLにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とした。
(トナーの重量平均分子量の測定方法)
トナーの重量平均分子量は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6mL/min.、サンプル注入量10μL、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
トナーの重量平均分子量は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6mL/min.、サンプル注入量10μL、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(トナーのガラス転移温度の測定方法)
トナーの融点およびガラス転移温度は、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。
トナーの融点およびガラス転移温度は、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。
主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いた。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
<微生物担体の調製>
重量平均分子量Mwが100,000のアクリル酸とアクリル酸ナトリウムの共重合物(共重合比:80:20)10重量部とをイオン交換水100重量部に分散させて、100cPの高粘度溶液を作製し、この高粘度水溶液に表1に示す微生物をそれぞれ分散させた混合液を作製した。次いで、この混合液に、ポリエステル繊維からなる不織布(繊維間の目の大きさは平均3μm)を浸漬させたのち、引き上げながらローラで絞り、70℃の雰囲気下で乾燥させて微生物を包含するカプセルを繊維間に含有するシートを形成した。ここで、カプセル内には、平均で50個の微生物が存在し、不織布1cm2あたり500個以上2000個以下の微生物が存在するように作製した。
重量平均分子量Mwが100,000のアクリル酸とアクリル酸ナトリウムの共重合物(共重合比:80:20)10重量部とをイオン交換水100重量部に分散させて、100cPの高粘度溶液を作製し、この高粘度水溶液に表1に示す微生物をそれぞれ分散させた混合液を作製した。次いで、この混合液に、ポリエステル繊維からなる不織布(繊維間の目の大きさは平均3μm)を浸漬させたのち、引き上げながらローラで絞り、70℃の雰囲気下で乾燥させて微生物を包含するカプセルを繊維間に含有するシートを形成した。ここで、カプセル内には、平均で50個の微生物が存在し、不織布1cm2あたり500個以上2000個以下の微生物が存在するように作製した。
(実施例1)
トナーAの200重量部を図3に示すカートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。カートリッジ収容容器には、小型モータ、電池を備え、固定部にカートリッジを装着した。
トナーAの200重量部を図3に示すカートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。カートリッジ収容容器には、小型モータ、電池を備え、固定部にカートリッジを装着した。
(実施例2)
15cm×30cmのシート10枚、微生物として380万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
15cm×30cmのシート10枚、微生物として380万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
(実施例3)
15cm×30cmのシート10枚、微生物として520万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
15cm×30cmのシート10枚、微生物として520万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
(実施例4)
15cm×30cmのシート10枚、微生物として225万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
15cm×30cmのシート10枚、微生物として225万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
(実施例5)
15cm×30cmのシート10枚、微生物として860万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
15cm×30cmのシート10枚、微生物として860万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
(実施例6)
15cm×30cmのシート10枚、微生物として200万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
15cm×30cmのシート10枚、微生物として200万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
(実施例7)
15cm×30cmのシート10枚、微生物として900万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
15cm×30cmのシート10枚、微生物として900万個を収納する以外は実施例1と同様にしてカートリッジを装着した。
(実施例8)
トナーBの200重量部を図3に示すカートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。
トナーBの200重量部を図3に示すカートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。
(実施例9)
キャリアAの200重量部を図3に示すカートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。
キャリアAの200重量部を図3に示すカートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。
(実施例10)
キャリアBの200重量部を図3に示すカートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてシュードモナス・セパシアを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。
キャリアBの200重量部を図3に示すカートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてシュードモナス・セパシアを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。
(比較例1)
微生物をカートリッジ内に存在させない以外は、実施例1と同様にトナーAを図3に示すカートリッジに収納し、このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。
微生物をカートリッジ内に存在させない以外は、実施例1と同様にトナーAを図3に示すカートリッジに収納し、このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。
(比較例2)
実施例1と同様にトナーAを図3に示すカートリッジに収納し、このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。カートリッジを回転させずに、後述する評価を行った。
実施例1と同様にトナーAを図3に示すカートリッジに収納し、このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。カートリッジを回転させずに、後述する評価を行った。
(比較例3)
実施例8と同様にトナーBを図3に示すカートリッジに収納し、このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。カートリッジを回転させずに、後述する評価を行った。
実施例8と同様にトナーBを図3に示すカートリッジに収納し、このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。カートリッジを回転させずに、後述する評価を行った。
(比較例4)
実施例9と同様にキャリアAを図3に示すカートリッジに収納し、このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。カートリッジを回転させずに、後述する評価を行った。
実施例9と同様にキャリアAを図3に示すカートリッジに収納し、このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。カートリッジを回転させずに、後述する評価を行った。
(比較例5)
実施例10と同様にキャリアBを図3に示すカートリッジに収納し、このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。カートリッジを回転させずに、後述する評価を行った。
実施例10と同様にキャリアBを図3に示すカートリッジに収納し、このカートリッジを図1に示すカートリッジ収容容器に収容した。カートリッジを回転させずに、後述する評価を行った。
[臭気評価]
臭気評価では、相対湿度90%、温度25℃と60℃において、カートリッジ収容容器へのカートリッジ収納時と、収納から2週間後、1ヶ月後の臭気について評価を行った。実施例1〜実施例10、比較例1では、10rpmで1時間おきに10分間カートリッジを回転させた。比較例2〜比較例5においては、カートリッジを回転させずに評価した。評価は1ヶ月後の臭気が初期に対して50%以下になるものを効果ありとした。
臭気評価では、相対湿度90%、温度25℃と60℃において、カートリッジ収容容器へのカートリッジ収納時と、収納から2週間後、1ヶ月後の臭気について評価を行った。実施例1〜実施例10、比較例1では、10rpmで1時間おきに10分間カートリッジを回転させた。比較例2〜比較例5においては、カートリッジを回転させずに評価した。評価は1ヶ月後の臭気が初期に対して50%以下になるものを効果ありとした。
実施例1〜実施例10および比較例1〜比較例5における臭気成分の強いものとして、トナーAではアリルフェノールに着目し、トナーBではクメンに着目し、キャリアAではクメンに着目し、またキャリアBではホルムアルデヒドに着目し、それぞれカートリッジ内の気体を一旦密閉性の高いビニール袋に取り、その中の気体をマイクロシリンジより10μL取って、ガスクロマトグラフに注入し分析を実施した。ガスクロマトグラフは島津製作所製GC−17Aを用い、以下の条件で実施した。
カラム:TC−1 60m
注入口温度:200℃
昇温条件:40℃で5分、4℃/minで140℃に加熱
検出器:FID
カラム:TC−1 60m
注入口温度:200℃
昇温条件:40℃で5分、4℃/minで140℃に加熱
検出器:FID
上述した各注目臭気成分について、クロマトグラフのピーク面積値をそれぞれ1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、10.0、12.0、15.0、20.0ppm含有する試料からあらかじめ検量し、作成しておいた各着目臭気成分の検量線データを用いて各着目臭気成分を定量した。
実施例1〜10のように、微生物を収容したカートリッジをカートリッジ収容容器に収容し、カートリッジを回転させながら保管すると、トナーあるいはキャリア由来の臭気成分を効率良く低減することができた。
1,3 カートリッジ収容体、10 カートリッジ収容容器、12 容器本体、14 回転軸、16 モータ、18 電源、20,30,40,50 カートリッジ、22 固定部、24,32 微生物保管箱、26 撹拌部材、34,44,54,64 細孔、42,52 撹拌用回転軸、46,56 ブラシ、54 微生物内包カプセル、60a 第1カプセル片、60b 第2カプセル片、62 微生物封入袋。
Claims (3)
- 微生物を在中させたトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを収容し、
前記トナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを回転させる回転手段、及び前記トナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジが備える内容物撹拌手段を駆動させる駆動手段のうち少なくとも1つを備えることを特徴とするカートリッジ収容体。 - 請求項1に記載のカートリッジ収容体において、
前記微生物は、温度60℃の環境下で生存可能な微生物であることを特徴とするカートリッジ収容体。 - 微生物を在中させたトナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを収容するためのものであり、
前記トナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジを回転させる回転手段、及び前記トナー用カートリッジまたは現像剤用カートリッジが備える内容物撹拌手段を駆動させる駆動手段のうち少なくとも1つを備えることを特徴とするカートリッジ収容容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008067271A JP2009222988A (ja) | 2008-03-17 | 2008-03-17 | カートリッジ収容体及びカートリッジ収容容器 |
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