JP2009051533A - 樹脂収容容器、現像剤用カートリッジ、トナー用カートリッジおよび現像器 - Google Patents
樹脂収容容器、現像剤用カートリッジ、トナー用カートリッジおよび現像器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】含窒素系樹脂由来の臭気成分を低減することができる樹脂収容容器、現像剤用カートリッジ、トナー用カートリッジおよび現像器を提供する。
【解決手段】含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物を在中させた樹脂収容容器、現像剤用カートリッジ、トナー用カートリッジおよび現像器である。
【選択図】図2
【解決手段】含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物を在中させた樹脂収容容器、現像剤用カートリッジ、トナー用カートリッジおよび現像器である。
【選択図】図2
Description
本発明は、樹脂収容容器、現像剤用カートリッジ、トナー用カートリッジおよび現像器に関する。
一般に、ジメチルアミノエチルメタアクリレート(DMAEMA)樹脂などの含窒素系樹脂の製造には、含窒素系有機化合物が用いられる。そのため、製造された含窒素系樹脂には、残留した極少量の含窒素系有機化合物が含まれることがある。このような含窒素系樹脂を長時間容器に収容すると、上述した微量の含窒素系有機化合物等の含窒素系樹脂に起因する臭気成分が徐々に揮発し、容器内に臭気成分が充満してしまう場合がある。
また、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、ドラム状に形成された像保持体の表面を一様に帯電し、この像保持体の表面を画像情報に基づいて制御された光で露光して像保持体の表面上に静電荷像(静電潜像)を形成し、この静電荷像を静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある)により現像してトナー画像とし、さらにこのトナー画像を記録紙等の被転写材に転写し、これを定着装置によって定着して画像形成している。現像に用いられる現像剤にはトナーと静電荷像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と呼ぶ場合がある)とを含む二成分現像剤と、磁性トナーなどのようにトナー単独で用いられる一成分現像剤とがあるが、二成分現像剤は、キャリアが現像剤の撹拌、搬送、帯電などの機能を分担し、現像剤として機能分離されているため、制御性がよいなどの特徴があり、現在広く用いられている。
キャリアは、一般に磁性芯材(キャリア芯材)表面に樹脂被覆層を有する樹脂被覆キャリアと、表面に被覆層を有しない非被覆キャリアとに大別されるが、現像剤寿命等を考慮した場合には、樹脂被覆キャリアの方が優れていることから、種々のタイプの樹脂被覆キャリアが開発され、かつ実用化されている。
このような電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナー及び現像剤等から揮発性有機化合物(VOC)等の揮発成分が極微量発生することによりわずかながら臭いが発生することがある。特に、含窒素系樹脂で被覆した含窒素系樹脂被覆キャリア等から含窒素系樹脂由来の臭気成分が発生することがある。これらのトナー等からの臭気成分の発生を低減するためにこれまで様々な検討が行われてきた。
例えば、特許文献1には、トナー製造時に使用する、熱定着時に強い臭気を発生させる可能性のある連鎖移動剤を四臭化炭素へ変更することが記載されている。
また、特許文献2には、水系媒体中で生成するトナーについて水系媒体から分離する以前に、植物抽出成分を含有する消臭剤、酵素を含有する消臭剤、金属フタロシアニン系消臭剤、微生物系消臭剤等の消臭剤で処理するトナー製造方法、及びトナー粒子表面に前記消臭剤を吸着させたトナーが記載されている。
さらに、特許文献3には、水系媒体中で懸濁重合によって得られるトナー生成物を、チオバチルス属に属する微生物と当該微生物によって生成する硫黄酸化物を中和する中和剤とを含有する水を使用するトナーの製造方法が記載されている。
これらの方法以外にも、蒸留などによる臭気成分の原因となる不純物の除去、トナー粉体が出来上がった後での乾燥処理等も行われてきた。
本発明は、含窒素系樹脂由来の臭気成分を低減することができる樹脂収容容器、現像剤用カートリッジ、トナー用カートリッジおよび現像器である。
本発明は、含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物を在中させた樹脂収容容器である。
また、前記樹脂収容容器において、前記微生物がエンテロバクター属及びニトロソモナス属のうち少なくとも1つであることが好ましい。
また、本発明は、含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物を在中させた現像剤用カートリッジである。
また、前記現像剤用カートリッジにおいて、前記微生物がエンテロバクター属及びニトロソモナス属のうち少なくとも1つであることが好ましい。
また、本発明は、含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物を在中させたトナー用カートリッジである。
また、前記トナー用カートリッジにおいて、前記微生物がエンテロバクター属及びニトロソモナス属のうち少なくとも1つであることが好ましい。
また、本発明は、前記現像剤用カートリッジを備える現像器である。
本発明の請求項1によると、含窒素系樹脂由来の臭気成分を低減することが可能な樹脂収容容器を提供することができる。
本発明の請求項2によると、含窒素系樹脂由来の臭気成分をより低減することが可能な樹脂収容容器を提供することができる。
本発明の請求項3によると、含窒素系樹脂由来の臭気成分を低減することが可能な現像剤用カートリッジを提供することができる。
本発明の請求項4によると、含窒素系樹脂由来の臭気成分をより低減することが可能な現像剤用カートリッジを提供することができる。
本発明の請求項5によると、含窒素系樹脂由来の臭気成分を低減することが可能なトナー用カートリッジを提供することができる。
本発明の請求項6によると、含窒素系樹脂由来の臭気成分をより低減することが可能なトナー用カートリッジを提供することができる。
本発明の請求項7によると、含窒素系樹脂由来の臭気成分を低減することが可能な現像器を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
[樹脂収容容器]
図1に、本発明の実施形態に係る樹脂収容容器の一例の構造を示す。図1に示すように、樹脂収容容器10の内部に、細孔14が複数設けられ且つ含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物が内包された微生物保管箱12が設置されている。ここで、細孔14は、樹脂収容容器10の内部の気体と微生物保管箱12内の気体とを流通可能にするために設けられ、主に、樹脂収容容器10の内部の含窒素系樹脂由来の臭気成分を含む気体や湿気を微生物保管箱12内に通気および通湿させるとともに、微生物保管箱12により浄化された気体を樹脂収容容器10内に放出するために設けられている。なお、図1では、樹脂収容容器10の中央部に微生物保管箱12を設置しているが、これに限るものではなく、含窒素系樹脂から揮発する臭気成分を分解し消臭、脱臭可能であれば、樹脂収容容器10の内部であれば、如何なる個所に設置してもよい。
図1に、本発明の実施形態に係る樹脂収容容器の一例の構造を示す。図1に示すように、樹脂収容容器10の内部に、細孔14が複数設けられ且つ含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物が内包された微生物保管箱12が設置されている。ここで、細孔14は、樹脂収容容器10の内部の気体と微生物保管箱12内の気体とを流通可能にするために設けられ、主に、樹脂収容容器10の内部の含窒素系樹脂由来の臭気成分を含む気体や湿気を微生物保管箱12内に通気および通湿させるとともに、微生物保管箱12により浄化された気体を樹脂収容容器10内に放出するために設けられている。なお、図1では、樹脂収容容器10の中央部に微生物保管箱12を設置しているが、これに限るものではなく、含窒素系樹脂から揮発する臭気成分を分解し消臭、脱臭可能であれば、樹脂収容容器10の内部であれば、如何なる個所に設置してもよい。
本実施形態では、樹脂収容容器内に含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物が収容されているため、含窒素系樹脂から徐々に放出される含窒素系樹脂由来のVOC等の臭気成分を微生物が分解することにより、樹脂収容容器内で除去することができる。
[現像剤用カートリッジ、トナー用カートリッジおよび現像器]
図2から図4には、本発明の実施形態に係る現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジ(以下、両者を纏めて「カートリッジ」と略す場合がある)の例が模式的に示されている。カートリッジ内部には、トナーまたは現像剤が収容される。また、本実施形態に係る現像器は前記現像剤用カートリッジを備える。
図2から図4には、本発明の実施形態に係る現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジ(以下、両者を纏めて「カートリッジ」と略す場合がある)の例が模式的に示されている。カートリッジ内部には、トナーまたは現像剤が収容される。また、本実施形態に係る現像器は前記現像剤用カートリッジを備える。
図2に模式的に示すカートリッジ20の内壁には、細孔24が複数設けられ且つ含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物が内包された微生物保管箱22が設置されている。また、細孔24は、カートリッジ20の内部の気体と微生物保管箱22内の気体とを流通可能にするために設けられ、主に、カートリッジ20の内部の含窒素系樹脂由来の臭気成分を含む気体および湿気を微生物保管箱22内へ通気および通湿させるとともに、微生物保管箱22内の微生物により浄化された気体をカートリッジ20内に放出するために設けられている。さらに、微生物保管箱22は、カートリッジ20に着脱可能に設置されていることが好ましい。これにより、微生物保管箱22内の微生物の活性低下に応じて、交換することが可能となる。また、微生物保管箱22は、カートリッジ20が画像形成装置に装填された際に、カートリッジ20の内壁上方に設置されることが好ましい。通常、装填されたカートリッジ20の下方部に現像剤のトナーやキャリアが滞留していることから、カートリッジ20の上方に空間が形成され易い。そして、上記空間には、トナーやキャリアより揮発した臭気成分の大部分が存在することから、カートリッジ20の内壁上方に微生物保管箱22を設置することにより、効率良く臭気成分が分解され消臭、脱臭される。
細孔24の孔径は、0.5μm以上4μm程度であることが好ましい。
また、細孔24を設けた微生物保管箱22の代わりに、微生物を収容する微生物収容部と、トナーまたは現像剤などが収容されている部屋との間を、ゴアテックス(登録商標)などの通気性の膜、不織布等で仕切ってもよい。また、通気性の膜、不織布等は平均孔径0.1μm以上3.5μm以下程度の開口部を有することが好ましく、0.2μm以上3μm程度の開口部を有することがより好ましい。
細孔24の孔径あるいは開口部の平均孔径が3.5μmを超えると、トナーあるいは現像剤が孔を通過してしまう場合があり、0.1μm未満であると通気が不十分となる場合がある。
また、図3に模式的に示すカートリッジ30は、撹拌式カートリッジにおける一例であって、ブラシ36が植毛された撹拌用回転軸32自体が微生物保管箱となっている。撹拌用回転軸32には微生物が内包され、さらに撹拌用回転軸32の表面には複数の細孔34が設けられている。この細孔34は、カートリッジ30の内部の気体と微生物保管箱である撹拌用回転軸32内の気体とを流通可能にするために設けられ、主に、カートリッジ30の内部の含窒素系樹脂由来の臭気成分を含む気体および湿気を微生物が封入された撹拌用回転軸32内へ通気および通湿させるとともに、撹拌用回転軸32内の微生物により浄化された気体をカートリッジ30内に放出するために設けられている。
また、図4に模式的に示すカートリッジ40は、撹拌式カートリッジにおける一例であって、カートリッジ40には、ブラシ46が植毛された撹拌用回転軸42が設けられている。さらにカートリッジ40内には、微生物内包カプセル44が複数個混入されている。上記微生物内包カプセル44は、図5に示すように、表面に細孔54が複数個形成され、さらに第1カプセル片50aと第2カプセル片50bとの分割可能に形成されている。このように微生物内包カプセル44を分割可能に形成することにより、微生物内包カプセル44内に微生物が内包された微生物封入袋52を収納し、また、微生物の活性が低下した場合には、微生物内包カプセル44内の微生物封入袋52のみを交換し、微生物活性を一定値以上に維持することができる。また、微生物内包カプセル44の表面に複数設けられた細孔54は、図4に示すカートリッジ40の内部の気体と微生物内包カプセル44内の気体とを流通可能にするために設けられており、主に、カートリッジ40の内部の含窒素系樹脂由来の臭気成分を含む気体および湿気を微生物封入袋52が内包された微生物内包カプセル44内へ通気および通湿させるとともに、微生物内包カプセル44内の微生物により浄化された気体をカートリッジ40内に放出するために設けられている。ここで、微生物封入袋52は、後述する微生物を担持した有機質担体のシートが封入され、微生物封入袋52は、例えば、不織布またはメッシュ素材の合成または天然繊維等からなる。
従来のトナー等の臭気成分の低減方法は、それなりに臭気除去に関して効果があるものの、トナー等の製造工程の変更を伴い、工程導入による付加的なコストが発生するばかりでなく、生産性への影響も大きい。また、活性炭、金属等を利用した消臭剤をトナー等の粉体を保管する時に使用する方法も考えられているが、それらの消臭剤には臭気成分、揮発性有機化合物(VOC)を吸着する量に限りがあり、効果が持続しない。消臭効果の持続性という点で注目されるのが微生物を使用した脱臭剤であり、従来、脱臭剤を洗浄工程等の製造工程で使用する方法も採られている。しかし製造工程で微生物系脱臭剤を使用するには特殊な装置が必要であり、またトナー等の完成後保管時にも効果の持続を期待した場合には適当な加湿状態におくことが必要でトナー等としての特性を維持することが困難であった。また、含窒素系樹脂で被覆した含窒素系樹脂被覆キャリア等から含窒素系樹脂由来の臭気成分が発生することがあり、含窒素系樹脂由来の臭気成分の低減を行うことが求められていた。
本実施形態では、カートリッジ内にトナーまたは現像剤に用いられている含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物が収容されているため、トナーまたは現像剤から徐々に放出される含窒素系樹脂由来のVOC等の臭気成分を微生物が分解することにより、カートリッジ内で除去することができ、含窒素系樹脂由来の臭気成分が低減された画像形成装置を実現することができる。
また、本実施形態によれば、開封前の容器または開封前のカートリッジに充満した含窒素系樹脂由来の臭気成分を容器またはカートリッジに内在された微生物により分解して消臭または脱臭させるだけでなく、特に、電子写真装置の動作時の発熱により、電子写真装置に装填されたトナー用カートリッジや現像剤用カートリッジ内に充填されたトナーやキャリアから揮発する微量の含窒素系樹脂に由来する臭気成分を随時分解して、消臭または脱臭することができる。
本実施形態に係る樹脂収容容器及びカートリッジは、微生物保管箱内を調湿する調湿機能を有するものであることが好ましい。これにより、消臭効果を長期にわたって持続することができる。
現像器としては、現像ロール等と、上記現像剤用カートリッジとを備えるものであれば良く特に制限はない。例えば、トリクル方式の現像器等が挙げられる。
[微生物]
本実施形態において用いられる微生物としては、含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物であれば良く特に制限はないが、例えば、バチルス属、エンテロバクター属、ストレプトコッカス属、リゾープス属、アスペルギルス属、ニトロソモナス属、ニトロバクター属及びシュードモナス属から選ばれる1種以上の微生物を挙げることができる。これらのうち、含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解能が高いことから、微生物がエンテロバクター属及びニトロソモナス属のうち少なくとも1つであることが好ましい。
本実施形態において用いられる微生物としては、含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物であれば良く特に制限はないが、例えば、バチルス属、エンテロバクター属、ストレプトコッカス属、リゾープス属、アスペルギルス属、ニトロソモナス属、ニトロバクター属及びシュードモナス属から選ばれる1種以上の微生物を挙げることができる。これらのうち、含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解能が高いことから、微生物がエンテロバクター属及びニトロソモナス属のうち少なくとも1つであることが好ましい。
微生物は、例えば、これらの微生物10重量部に対して、糖類5重量部以上100重量部以下、水溶性窒素化合物0.1重量部以上50重量部以下及び水1000重量部以上50000重量部を含む混合物を、温度20℃以上40℃以下、酸素供給量0.02リットル/分以上2.0リットル/分以下の条件下で15時間以上40時間以下培養後、遠心分離等により得られた上澄み液または培養液を乾燥して得ることができる微生物系消臭剤として用いても良い。培養液には、必要に応じて微生物を担持するためにオガクズなどの多孔性粉末等の担体20重量部以上300重量部以下を加えてもよい。また、これら微生物系消臭剤には、液状アルデヒド、具体的にはグルタルアルデヒド等を併せて使用しても良い。液状アルデヒドとの混合により、その消臭効果が一層高まり好ましい。
本実施形態において使用される微生物の具体例は以下の通りである。バチルス(Bacillus)属の微生物としては、特にバチルス・サブチルス(B.subtilis)[IAM(Institute of Applied Microbiology;東京大学応用微生物研究所有用菌株保存施設の略称;以下同様にこの略称で示す)1168]、バチルス・ナットウ(B.natto)[IFO(Institute for Fermentation Osaka:財団法人発酵研究所:の略称;以下同様にこの略称で示す)3009]が好適であるが、この他に、バルチス・コアギュラス(B.coagulans)[IAM 1115]、バチルス・マセランス(B.macerans)[IAM 1243]も利用できる。
エンテロバクター(Enterobacter)属の微生物としては、エンテロバクター・サカザキ(E.sakazaki)[IAM 12660]、エンテロバクター・アグロネランス(E.agglonerans)[IAM 12659]などを用いることができる。
ストレプトコッカス(Streptococcus)属の微生物としては、ストレプトコッカス・フェカリス(S.faecalis)[IAM 1119]、ストレプトコッカス・クレモリス(S.cremoris)[IAM 1150]及びストレプトコッカス・ラクチス(S.lactis)[IFO 12546]などを用いることができる。
リゾープス(Rhizopus)属の微生物(カビ)としては、リゾープス・ホーモサエンシス(R.formosaensis)[IAM 6250]、リゾープス・オリザエ(R.oryzae)[IAM 6006]などを用いることができる。
アスペルギルス(Aspergillus)属の微生物としては、アスペルギルス・オリザエ(A.oryzae)[IFO 4176]、アスペルギルス・ニガー(A.niger)[IFO 4066]などを用いることができる。
ニトロソモナス(Nitrosomonas)属の微生物としては、ニトロソモナス・ユーロパエア(N.europaea)[IFO 14298]などを用いることができる。
ニトロバクター(Nitrobacter)属の微生物としては、ニトロバクター・アギリス(N.agilis)[IFO 14297]などを用いることができる。
シュードモナス(Pseudomonas)属の微生物としては、シュードモナス・キャリオフィリ(P.caryophilli)[IFO 12950]、シュードモナス・スタッチェリ(P.statzeri)[IFO 3773]などを用いることができる。
これらの微生物により、含窒素系樹脂由来の臭気成分、例えばアミン臭を効率よく分解することができる。
カートリッジ内に収容する微生物の量は、例えば含窒素系樹脂被覆キャリアを含む現像剤100重量部に対して1重量部以上50重量部以下とすることができる。1重量部未満であると消臭効果が十分に発揮されない場合があり、50重量部を超えるとカートリッジが大きくなりすぎる場合がある。
[微生物を担持させる担体]
微生物は担体に担持させて収容しても良い。本実施形態における担体としては、無機質担体と有機質担体とこれらの組み合わせとから適宜選択することができる。なお、担体としては、例えば、通気性、保水性、微生物保持性を有するものが好ましい。
微生物は担体に担持させて収容しても良い。本実施形態における担体としては、無機質担体と有機質担体とこれらの組み合わせとから適宜選択することができる。なお、担体としては、例えば、通気性、保水性、微生物保持性を有するものが好ましい。
上記無機質担体としては、例えば、親水性無機質粒子が好ましく、親水性無機質粒子としては、ゼオライト、ケイソウ土、活性炭、アンスラサイトなど、臭気成分を分解する微生物が付着する程度の親水性を有する無機質の粒子が好ましい。ゼオライト、ケイソウ土、活性炭のように多孔質のものが好ましいが、アンスラサイトのように必ずしも多孔質でなくてもよい。これらの粒子の比重は特に制限されないが、1.0以上5.0以下、好ましくは2.0以上3.0以下のものが望ましい。また粒径は10μm以上100μm以下、好ましくは10μm以上50μm以下のものが望ましい。
上記有機質担体としては、吸水性のある高分子吸水性樹脂、吸水性パルプ、パルプモールド、紙、布、セルロースビーズ、多孔質ビーズ、シリカゲルなどが挙げられ、高分子吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸塩系、アクリル酸とアクリル酸ナトリウムの共重合物、澱粉とアクリル酸グラフト化物などを挙げる。さらに、天然由来高分子として、例えば、−OH、−COOHなどの親水性官能基を多く有するゲルを形成可能なゼラチン、アルギン酸、キトサン等が挙げられる。
[微生物を担体に担持させる方法]
本実施形態では、上記有機質担体を用いる場合には、上記有機質担体を水溶液中に分散させて、高粘度溶液、例えば、5cP以上50cP以下の溶液に微生物を分散させた混合液を作製する。次いで、この混合液に、ポリエステル樹脂等の合成樹脂繊維からなる不織布(繊維間の目の大きさは例えば平均3μm)を浸漬させたのち、引き揚げながらローラで絞り、50℃から70℃の雰囲気下で乾燥させて微生物を包含するカプセルを繊維間に含有するシートを形成する。ここで、微生物は、カプセル内に平均で10個以上100個以下で存在し、不織布1cm2あたり1000個の微生物が存在するように調製する。一方、上記無機質担体を用いる場合には、微生物含有溶液を無機質担体に噴霧したり塗布したりすることにより、無機質担体に微生物を植菌することができる。
本実施形態では、上記有機質担体を用いる場合には、上記有機質担体を水溶液中に分散させて、高粘度溶液、例えば、5cP以上50cP以下の溶液に微生物を分散させた混合液を作製する。次いで、この混合液に、ポリエステル樹脂等の合成樹脂繊維からなる不織布(繊維間の目の大きさは例えば平均3μm)を浸漬させたのち、引き揚げながらローラで絞り、50℃から70℃の雰囲気下で乾燥させて微生物を包含するカプセルを繊維間に含有するシートを形成する。ここで、微生物は、カプセル内に平均で10個以上100個以下で存在し、不織布1cm2あたり1000個の微生物が存在するように調製する。一方、上記無機質担体を用いる場合には、微生物含有溶液を無機質担体に噴霧したり塗布したりすることにより、無機質担体に微生物を植菌することができる。
[樹脂]
図1に示す樹脂収容容器10に収容される含窒素系樹脂は、如何なる含窒素系樹脂でも良いが、例えば、ジメチルアミノエチルメタアクリレート(DMAEMA)樹脂等のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂などが挙げられる。
図1に示す樹脂収容容器10に収容される含窒素系樹脂は、如何なる含窒素系樹脂でも良いが、例えば、ジメチルアミノエチルメタアクリレート(DMAEMA)樹脂等のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂などが挙げられる。
[現像剤]
図2から図4に示すカートリッジ20,30,40に封入される現像剤は、静電荷像現像用トナーが、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。また、二成分現像剤として用いる場合には、後述するキャリアと混合して使用される。そこで、まず、本実施の形態の静電荷像現像用トナーについて以下に説明する。
図2から図4に示すカートリッジ20,30,40に封入される現像剤は、静電荷像現像用トナーが、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。また、二成分現像剤として用いる場合には、後述するキャリアと混合して使用される。そこで、まず、本実施の形態の静電荷像現像用トナーについて以下に説明する。
本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法としては、例えば、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。特に、乳化重合凝集法等の湿式製法により製造されたトナーの場合、揮発性有機物質を含有する場合があり、臭気成分の原因となることがある。
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、含窒素系単量体等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等をあげることができる。特に、DMAEMA等の含窒素系樹脂を含む場合に前記トナー用カートリッジを用いると効果が発揮される。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本実施形態の静電潜像現像用トナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂、マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジメチルアミノエチルメタアクリレート(DMAEMA)、メラミン等の含窒素系樹脂等を例示することができるが、特に、ジメチルアミノエチルメタアクリレート等の含窒素系樹脂を含む場合に前記現像剤用カートリッジを用いると効果が発揮される。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10μm以上500μm以下であり、好ましくは30μm以上100μm以下である。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
一般に、キャリアは適度な電気抵抗値を有することが必要であり、具体的には108〜1014Ωcm程度の電気抵抗値が求められている。例えば、鉄粉キャリアのように電気抵抗値が106Ωcmと低い場合には、スリーブからの電荷注入によりキャリアが感光体の画像部へ付着したり、潜像電荷がキャリアを介して逃げ、潜像の乱れや画像の欠損等を生じたりする等の問題が生じる。一方、絶縁性の樹脂を厚く被覆してしまうと電気抵抗値が高くなりすぎ、キャリア電荷がリークしにくくなり、その結果エッジの効いた画像にはなるが、反面大面積の画像面では中央部の画像濃度が非常に薄くなるというエッジ効果という問題が生じる。そのためキャリアの抵抗調整のために樹脂被覆層中に導電性微粉末を分散させることが好ましい。
キャリア抵抗は、2枚の極板電極の間にキャリア粒子を挟み、電圧を印加した時の電流を測定する、通常の極板間式電気抵抗測定法により求め、103.8V/cmの電界下での抵抗で評価する。
導電粉自身の電気抵抗は108Ωcm以下が好ましく、105Ωcm以下がより好ましい。導電粉の具体例としては、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛のような導電性の金属酸化物単体系;酸化チタン、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ等の粒子の表面を導電性の金属酸化物で被覆した複合系などが挙げられる。製造安定性、コスト、電気抵抗の低さという観点からカーボンブラックが特に好ましい。カーボンブラックの種類は特に限定されないが、製造安定性の良いDBP(ジブチルフタレート)吸油量が50mL/100g以上300mL/100g以下の範囲のものが好適である。導電粉の体積平均粒径は0.1μm以下が好ましく、分散のためには体積平均一次粒径が50nm以下のものが好ましい。
上記樹脂被覆層を、キャリア芯材の表面に形成する方法としては、例えば、キャリア芯材の粉末を被膜層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被膜層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被膜層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、被膜樹脂を粒子化し被膜樹脂の融点以上でキャリア芯材とニーダーコーター中で混合し冷却して被膜させるパウダーコート法が挙げられるが、ニーダーコーター法及びパウダーコート法が特に好ましく用いられる。
本実施の形態の静電潜像現像用キャリアにおいて用いられる芯材(キャリア芯材)としては、特に制限はなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、又は、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用いる観点からは、磁性キャリアであるのが望ましい。キャリア芯材の体積平均粒径としては、一般的には10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上80μm以下がより好ましい。
前記二成分現像剤における本実施の形態の静電荷現像用トナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100以上30:100以下程度の範囲であり、3:100以上20:100以下程度の範囲がより好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<トナーの調整>
乳化重合凝集法によりトナーを調整した。
乳化重合凝集法によりトナーを調整した。
<現像剤の調整>
導電材料としてキャリアのコート層中にカーボンブラックを5重量%含み、キャリアの被覆樹脂として、ジメチルアミノエチルメタアクリレート(DMAEMA)を10重量%含有するアクリル樹脂を用いて、キャリア(材料フェライト)をニーダーコート法で被覆した。
導電材料としてキャリアのコート層中にカーボンブラックを5重量%含み、キャリアの被覆樹脂として、ジメチルアミノエチルメタアクリレート(DMAEMA)を10重量%含有するアクリル樹脂を用いて、キャリア(材料フェライト)をニーダーコート法で被覆した。
この樹脂被覆キャリアを、トナー8重量%、キャリア92重量%の割合で混合して現像剤とした。また、現像剤用カートリッジ内にトナー80重量%、キャリア20重量%の割合で混合してトリクル方式の現像剤とした。
(実施例1)
補給現像剤を詰めた現像剤用カートリッジの上部に、微生物を収容する微生物保管箱を設けて、その中に担体として平均粒子径20μmのゼオライトに担持した微生物を収納した。微生物としてはエンテロバクター属のもの(具体名:エンテロバクター・アグロネランス)を使用した。微生物の担持量は現像剤に対して10重量%とした。生物保管箱と現像剤が収容されている部屋の間は、平均2μmの開口部を有する不織布で仕切った。
補給現像剤を詰めた現像剤用カートリッジの上部に、微生物を収容する微生物保管箱を設けて、その中に担体として平均粒子径20μmのゼオライトに担持した微生物を収納した。微生物としてはエンテロバクター属のもの(具体名:エンテロバクター・アグロネランス)を使用した。微生物の担持量は現像剤に対して10重量%とした。生物保管箱と現像剤が収容されている部屋の間は、平均2μmの開口部を有する不織布で仕切った。
この現像剤用カートリッジを備える現像器を用いた臭気テストを以下のようにして実施した。上記のように調整した同一のロットのトナー及びキャリアを用い、トナー用カートリッジ及び現像剤用カートリッジにそれらを充填した。この現像剤用カートリッジを温度25℃、湿度60%の条件の保管場所で1ヶ月間放置し、その後、画像形成装置(富士ゼロックス社製、DocuColor a285型)に装着し、画像面積率30%で、30分間、連続して画像形成を行い、20名のパネラーが画像形成装置のリア側の排気口付近で臭いを嗅いで比較する官能検査を実施した。この官能検査は、臭気の強さを表す臭気強度と、臭いが心地よいか不快かを表す快不快度の二つの項目で示される。結果を表1に示す。
(官能検査基準)
この検査では、JIS:Z9080に示される官能検査の指標に従って設けられた尺度を基に、それぞれのパネラーが複写機からの排気を嗅いで、一番近い尺度の値をチェックすることで臭気の強さを表すようになっている。臭気の強度に関しては、0:無臭、1.0:やっと感知できる。2.0:弱い臭い、3.0:楽に感知できる臭い、4.0:強い臭い、5.0:強烈な臭いの6段階で表され、それぞれの間の値に対しては、0.5を加えることで微細な差を見知できるようにしている。また、臭いが心地よいか不快かに関して快不快度という項目を設けて、9段階の尺度で表した。−4.0:極端に不快、−3.0:非常に不快、−2.0:不快、−1.0:やや不快、0:快でも不快でもない、1.0:やや快、2.0:快、3.0:非常に快、4.0:極端に快、である。これらの尺度は、悪臭防止基準や調香師嗅覚試験で使用される尺度と同等である。また、臭気の感じ方は、それぞれのパネラーにより異なっており、画像形成装置からの排気の臭気強度、快不快度の値は全パネラーの平均で示される。
この検査では、JIS:Z9080に示される官能検査の指標に従って設けられた尺度を基に、それぞれのパネラーが複写機からの排気を嗅いで、一番近い尺度の値をチェックすることで臭気の強さを表すようになっている。臭気の強度に関しては、0:無臭、1.0:やっと感知できる。2.0:弱い臭い、3.0:楽に感知できる臭い、4.0:強い臭い、5.0:強烈な臭いの6段階で表され、それぞれの間の値に対しては、0.5を加えることで微細な差を見知できるようにしている。また、臭いが心地よいか不快かに関して快不快度という項目を設けて、9段階の尺度で表した。−4.0:極端に不快、−3.0:非常に不快、−2.0:不快、−1.0:やや不快、0:快でも不快でもない、1.0:やや快、2.0:快、3.0:非常に快、4.0:極端に快、である。これらの尺度は、悪臭防止基準や調香師嗅覚試験で使用される尺度と同等である。また、臭気の感じ方は、それぞれのパネラーにより異なっており、画像形成装置からの排気の臭気強度、快不快度の値は全パネラーの平均で示される。
以上のような官能検査とは別に電子的な機器により臭気の強さを求める方法が各社より開発されている。そこで、我々は島津製作所製のにおい識別装置FF2Aを導入し、画像形成装置からの排気ガスの機器分析を行った。このにおい識別装置は、ガス濃度により抵抗が変化する半導体センサを有しており、そこに臭気ガスを通したときに生ずる半導体センサの抵抗の変化を感知してガスの濃度を検知するものである。ところで、臭いの原因は主に、排気ガスに含まれる揮発性有機化合物(VOC)であり、排気ガスには様々な種類のVOCが含まれている。個々のVOCの濃度と人間が感じる臭気の強さの間には相関があることが知られているが、この関係はVOCの種類毎によって違っており、低いガス濃度で臭気を感じる物質もあれば、その1000倍の濃度でも臭気を感じない物質もある。そこで、人が臭いを感じなくなる濃度を臭気閾値と呼ぶと、この臭気閾値がVOCの種類により違うのである。その為この装置は、VOCの種類による閾値の違いを修正して、人間が感じる臭気感度に変換することが出来ることに特徴がある。そして、その変換された値が臭気指数として示される。
このようにして評価された結果を表1に示す。我々がこれまでの市場調査で得ている、ユーザが不快と感じることのない臭気強度や、におい識別装置FF2Aでの臭気指数の値は、それぞれ、2.5、20以下とされており、快不快度の値は、−1.0以上と定められており、この基準で合格不合格を判断した。
(実施例2)
微生物としてニトロソモナス属のもの(具体名:ニトロモナス・ユーロパエア)を使用した以外は実施例1と同様にして、臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
微生物としてニトロソモナス属のもの(具体名:ニトロモナス・ユーロパエア)を使用した以外は実施例1と同様にして、臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
(実施例3)
微生物としてストレプトコッカス属のもの(具体名:スプレプトコッカス・クレモリス)を使用した以外は実施例1と同様にして、臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
微生物としてストレプトコッカス属のもの(具体名:スプレプトコッカス・クレモリス)を使用した以外は実施例1と同様にして、臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
(実施例4)
エンテロバクター属微生物の担持量を1.5重量%とした以外は実施例1と同様にして、臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
エンテロバクター属微生物の担持量を1.5重量%とした以外は実施例1と同様にして、臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
(比較例1)
微生物を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
微生物を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
このように、微生物を収容した実施例1〜4の現像剤用カートリッジを使用すると含窒素系樹脂由来の臭気成分を低減することができた。特に、エンテロバクター属及びニトロソモナス属の微生物を用いた実施例1,2の現像剤用カートリッジを使用すると含窒素系樹脂由来の臭気成分をより低減することができた。
10 樹脂収容容器、12,22 微生物保管箱、14,24,34,54 細孔、20,30,40 カートリッジ、32,42 撹拌用回転軸、44 微生物内包カプセル、50a 第1カプセル片、50b 第2カプセル片、52 微生物封入袋。
Claims (7)
- 含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物を在中させたことを特徴とする樹脂収容容器。
- 前記微生物がエンテロバクター属及びニトロソモナス属のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂収容容器。
- 含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物を在中させたことを特徴とする現像剤用カートリッジ。
- 前記微生物がエンテロバクター属及びニトロソモナス属のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項3に記載の現像剤用カートリッジ。
- 含窒素系樹脂由来の臭気成分を分解可能な微生物を在中させたことを特徴とするトナー用カートリッジ。
- 前記微生物がエンテロバクター属及びニトロソモナス属のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項5に記載のトナー用カートリッジ。
- 請求項3または4に記載の現像剤用カートリッジを備えることを特徴とする現像器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007220101A JP2009051533A (ja) | 2007-08-27 | 2007-08-27 | 樹脂収容容器、現像剤用カートリッジ、トナー用カートリッジおよび現像器 |
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US11215081B2 (en) | 2014-06-12 | 2022-01-04 | General Electric Company | Shroud hanger assembly |
-
2007
- 2007-08-27 JP JP2007220101A patent/JP2009051533A/ja active Pending
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US11215081B2 (en) | 2014-06-12 | 2022-01-04 | General Electric Company | Shroud hanger assembly |
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