JP2009222850A - マイクロレンズアレイの製造方法及び濃度分布マスク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単位レンズを配列したマイクロレンズアレイを形成するための、遮光パターンを格子上に設置した濃度分布マスクにおいて、個々の単位レンズの領域を、各単位レンズの中心からの距離が異なる階調境界円で分割した複数の環状領域に分割し、前記中心からの距離が同じ前記環状領域内の遮光パターンを全ての単位レンズで集合して一体化した遮光パターン群を複数形成し、前記遮光パターン群を前記マイクロレンズアレイの中心に関して対称に拡大縮小するシュリンク処理が行なわれ、前記単位レンズの中心に近い前記環状領域の前記遮光パターン群ほど大きく拡大縮小されることで前記遮光パターンの位置が移動している濃度分布マスクを用いてマイクロレンズアレイを製造する。
【選択図】図2
Description
性材料パターンによるマイクロレンズアレイ1を形成している。
(1)前記のような3次元構造を製作するために、その3次元構造を基に露光時の露光量の全体的な光強度分布を計算し、基板上での各ポイントの感光性材料の除去量をシミュレーションで計算し、除去量に見合った光を透過する矩形遮光パターンを設計する計算シミュレーション工程。
(2)透明基板上に遮光膜を形成し、さらにその上にマスク用感光性材料層をもつマスクブランクスに電子線またはレーザー光線によって前記の設計された矩形遮光パターンに基づいて露光し、現像してマスク用感光性材料パターンを形成するパターン化工程。
(3)形成されたマスク用感光性材料パターンをマスクとして前記遮光膜をドライエッチング又はウエットエッチングし、矩形遮光パターンを形成する工程。
(4)次いで必要により、工程(3)で形成された遮光パターンを工程(1)で設計された矩形遮光パターンと比較し、両者が一致するように前記形成された濃度分布マスクの遮光パターンを修正する工程。
パターンを格子上に設置した濃度分布マスクにおいて、個々の単位レンズの領域を、各単位レンズの中心からの距離が異なる階調境界円で分割した複数の環状領域に分割し、前記中心からの距離が同じ前記環状領域内の遮光パターンを全ての単位レンズで集合して一体化した遮光パターン群を複数形成し、前記遮光パターン群を前記マイクロレンズアレイの中心に関して対称に拡大縮小するシュリンク処理が行なわれ、前記単位レンズの中心に近い前記環状領域の前記遮光パターン群ほど大きく拡大縮小されることで前記遮光パターンの位置が移動していることを特徴とする濃度分布マスクである。
マイクロレンズアレイ1の形成用の濃度分布マスク2は、実際に形成するパターンの5倍や4倍や1.25倍の寸法に形成し、パターン露光時に、縮小投影型露光装置(ステッパー)で縮小して、露光光の波長以下の寸法のパターンにして投影する。あるいは、濃度分布マスク2を実際に形成するパターンと同じ縮尺の寸法に形成し、マスクアライナーで濃度分布マスク2のパターンを半導体基板11に、コンタクト露光あるいはプロキシミティ露光又は投影露光しても良い。
濃度分布マスク2の濃度(階調)は、グリッド(格子)上の互い違いの千鳥足状の格子点4aの位置に配置された矩形の遮光パターン4の寸法を変えて調整する。すなわち、矩形の遮光パターン4の辺の長さを0からグリッドのピッチの2倍の大きさにまで変えることにより、マスクの光透過率を変えて調整する。矩形の遮光パターン4の辺の長さがちょうどグリッドのピッチと等しい場合は、遮光パターン4と、その間の同じ大きさの正方形の開口パターンとで市松模様が形成される。矩形の遮光パターン4の辺の長さが開口パターンより大きい場合は、隣接する矩形の遮光パターン4同士が重なり合い、その間の矩形の開口パターンの寸法が小さくなる。こうして単位面積当たりに形成される光透過部の割合により濃度分布マスク2の階調を調整する。
図3の平面図に、遮光パターン4を設置する位置である格子点4aを十字線で示す。図3(a)は、マイクロレンズアレイ1の領域の中心の単位レンズの濃度分布パターン3内の格子点4aの分布を示し、図3(b)は、マイクロレンズアレイ1の領域の端部の単位レンズの濃度分布パターン3内の格子点4aの分布を示す。図3(b)に示すように、マイクロレンズアレイ1の領域の端部の単位レンズの環状領域6をその中の格子点4aと一体にして移動させるシュリンク処理を行う。このシュリンク処理により、単位レンズの領域を分けた外側の環状領域6と内側の環状領域6を独立に移動させ、その移動距離を変えることで、場所により、内側の環状領域6と外側の環状領域6を重ねることで格子点4aの密度を高くした部分を形成し、逆に、内側の環状領域6と外側の環状領域6を離すことで格子点4aの密度を低くした部分を形成する。これにより格子点4aの密度分布を変えて、単位レンズの濃度分布パターン3の階調(濃度)の分布を非対称に変える。そして、この濃度分布マスク2で感光性レジスト材料層20に露光することで、個々の単位レンズ毎に異なるパターンの濃度分布パターン3を露光し感光性レジスト材料層20を現像することにより異なる形状の単位レンズから成るマイクロレンズアレイ1を形成する。
格子点4aのピッチは以下の様に設定する。すなわち、半導体基板11側のステッパーの投影レンズの開口比をNaとし、露光する光の波長をλとすると、(λ/Na)に0.2から0.5の係数K1を掛け算した値の寸法より小さいピッチのグリッドに、遮光パターン4を図2(b)の様に互い違いに千鳥足状に配置する。この投影レンズの開口比Naは最大1.3まで可能である。例えば、半導体基板11を露光する光の波長λが0.365μmの場合、投影レンズのNaが0.5程度でK1が0.2の場合、グリッドのピッチの上限は概ね0.15μmになる。この場合は、縮尺が5倍の濃度分布マスク2には、0.75μmのピッチのグリッド上に遮光パターン4を互い違いに千鳥足状に配置したパターンを形成する。このパターンをステッパーで5分の1に縮小して半導体基板側11上の感光性レジスト材料層20に投影する。あるいは、概ね1μmのピッチのグリッドに遮光パターン4を千鳥足状に設置した1:1の縮尺の濃度分布マスク2のパターンを、マスクアライナーで半導体基板11上の感光性レジスト材料層20に投影することもできる。
このようにパターンを設計して製造する濃度分布マスク2は、半導体基板11上に樹脂のマイクロレンズアレイ1を形成するために用いる。それは、そのパターンの設計を含めて、以下の工程で製造する。
(1)マイクロレンズアレイ1を製造するために、そのマイクロレンズアレイ1の3次元構造を基に露光時の露光量の全体的な光強度分布を計算し、半導体基板11上での各ポイントの感光性レジスト材料層20の除去量をシミュレーションで計算し、除去量に見合った光を透過するように矩形の遮光パターン4の大きさを設計する。ここで、以下で説明する濃度分布マスクのパターンのシュリンク処理を行い、マスクのパターンを設計する。
(2)合成石英ガラス基板からなる透明基板上にCr等の金属もしくは金属酸化物遮光膜を形成し、さらにその上にマスク用感光性レジストをもつマスクブランクスに電子線またはレーザー光線によって前記の設計された矩形の遮光パターン4を形成するように露光し、現像してマスク用感光性レジストのパターンを形成する。
(3)形成されたマスク用感光性レジストのパターンをエッチングマスクとして前記遮光膜をドライエッチング又はウエットエッチングし、図2(b)のような遮光パターン4を形成する。
(4)次いで必要に応じ、工程(3)で形成された遮光パターン4を工程(1)で設計された遮光パターン4と比較し、両者が一致するように、濃度分布マスク2に形成された遮光パターン4の寸法を修正する。
濃度分布マスク2のパターンのシュリンク処理は以下のように行う。すなわち、マイクロレンズアレイ1の領域の中心の単位レンズの濃度分布パターン3は、図3(a)のように、等ピッチのグリッド(格子)上の千鳥足状の格子点4aに遮光パターン4を設置する。そして、同心円状の階調境界円5aから5dで領域を分割した各環状領域6毎に遮光パターン4の矩形の寸法を変えることで階調(濃度)を設定する。マイクロレンズアレイ1の領域の各単位レンズの濃度分布パターン3は、図2(a)の中央の単位レンズの濃度分布パターン3における階調境界円5で分割された各環状領域6内の遮光パターン4の格子点4aから、図2(a)の左下の単位レンズの濃度分布パターン3を以下のようにして形成する。図3(a)に示すように、単位レンズの領域を階調境界円5aから5dで分割して、環状領域6に分割する。そして、マイクロレンズアレイ1の全単位レンズの同じ階調境界円5を外周にする環状領域6とその中の格子点4aと遮光パターン4とを一括して、寸法を縮小するシュリンク処理を行う。このシュリンク処理によるパターンの縮小の結果、マイクロレンズアレイ1の端部の単位レンズの環状領域6は、図3(b)のように、移動する。このように、マイクロレンズアレイ1の全単位レンズの同じ直径の環状領域6と遮光パターン4を一括して寸法を所定の割合で縮小させて、その結果、マイクロレンズアレイ1の端部の単位レンズの環状領域6を移動させる処理をシュリンク処理と呼ぶ。
また、マイクロレンズアレイ1の全単位レンズの同じ直径の階調境界円5を外周とする環状領域6の集合を、マイクロレンズアレイ1の中心に関して対称に所定の割合で縮小するシュリンク処理を行い、その結果、図2(a)のように環状領域6の位置をずらす。すなわち、図2(a)のように、直径が小さい環状領域6の集合ほど、元の位置から大きく移動するように縮小し、一番直径の大きい環状領域6の集合はほとんど縮小しないシュリンク処理を行う。図2(a)の左下の単位レンズの濃度分布パターン3を拡大して図3(b)に示す。図3(b)の階調境界円5で分割された各環状領域6内の格子点4aは、以下のシュリンク処理の結果、単位レンズの中心からの距離が異なる環状領域6毎に異なる移動量で移動する。
(1)マイクロレンズアレイ1の全単位レンズの最外周の階調境界円5dを外周とする環状領域6aと格子点4aの座標は等倍に設置する。
(2)マイクロレンズアレイ1の全単位レンズの階調境界円5cを外周とする環状領域6cと格子点4aの座標を0.98倍に縮小させる。
(3)マイクロレンズアレイ1の全単位レンズの階調境界円5bを外周とする環状領域6bと格子点4aの座標を0.96倍に縮小させる。
(4)マイクロレンズアレイ1の全単位レンズの階調境界円5aを外周とする円状の環状領域6aと格子点4aの座標を0.94倍に縮小させる。
以上の条件のシュリンク処理により、図3(b)のように環状領域6と遮光パターン4を移動させたポジ型の濃度分布マスク2で、単位レンズの中心位置に近づくほど光の透過率が下がる濃度分布マスク2を作った。このポジ型の濃度分布マスク2でポジ型の感光性レジスト材料層20を露光することで、濃度分布マスク2を介した露光光の強度分布のグラフは単位レンズの領域にわたる3次元的なお椀形(凹状)の湾曲面の光強度分布で露光する。その露光箇所を現像して除去し、単位レンズの中心ほど厚くレジストを残すことで図1のように凸状の単位レンズを形成する。そのポジ型の濃度分布マスク2でポジ型感光性レジスト材料層20を露光する場合の単位レンズの光の強度分布のシミュレーション結果を図4に示す。図4(a)に、その結果の、光強度分布の平面図を示し、図4(b)に、図4(a)のA−A’部の光の強度を、その縦軸のスケールを逆にしたグラフで示す。図4(b)に示すように、露光光の強度分布のグラフは、単位レンズの領域にわたる3次元的なお椀形(凹状)の湾曲面の光強度分布が非対称な形に形成された。この非対称な形の単位レンズは、シュリンク処理がマイクロレンズアレイ1の中心に関して対称であるため、マイクロレンズアレイ1の中心に関して対称に形成されて配置される。
以下、この濃度分布マスク2を用いてカラー撮像デバイス10にマイクロレンズアレイ1を製造する方法について、図5と図1を参照し詳細に説明する。先ず、図5(a)に示すように、複数のCMOSの撮像デバイス10のパターンが形成された半導体基板11を用いる。この撮像デバイス10は受光素子12の配列から成り、個々の受光素子12に対応する各画素のサイズは、長方形もしくは正方形等の四角形状で寸法が略0.5μm〜略100μmの範囲であり、例えば略0.8μm〜略2.7μmの画素の撮像デバイス10が形成された半導体基板11を用いる。
次に、図5(b)に示すように、半導体基板11の表面に熱硬化型のアクリル系樹脂をスピンコートにより塗布した後に加熱して熱硬化させることにより略0.1μmの厚さの平坦化層13を形成する。
(工程2)
次には、図5(c)に示すように、平坦化層13の上に、個々の受光素子12に対応した個々の画素で、厚さが略1μmの緑,青,そして赤の3色のカラーフィルターの画素14g、14b、14rから成るカラーフィルター層14を形成する。この3色のカラーフィルターの画素14g、14b、14rは、平坦化層13の上の全体に均一に順次形成した夫々の色のネガ型カラーレジスト層から所望の受光素子12に対応した位置にのみ残るようフォトリソグラフィー法により形成する。あるいは、夫々の色のポジ型カラーレジスト層から所望の受光素子12に対応した位置にのみ夫々の色のカラーフィルターの画素14g、14b、14rが残るようフォトリソグラフィー法によりカラーフィルター層14を形成することもできる。
次には、図5(d)に示すように、カラーフィルター層14上に感光性レジスト材料層20を形成する。感光性レジスト材料層20は、カラーフィルター層14上にアクリル系樹脂やフェノール系樹脂やスチレン系樹脂を主体とするポジ型感光性レジスト材料をスピンコーターで1000〜2000rpmでコートし、約100℃で約2秒間プリベークすることで略0.7〜1μmの厚さに形成する。
次に、図5(e)に示すように、感光性レジスト材料層20を、現像後に対応する受光素子12上のカラーフィルター層14のカラーフィルターの画素14g、14b、14r上に図1に示すマイクロレンズアレイ1の単位レンズ1g、1b、1rが形成されるように濃度分布マスク2を用いて、ステッパーで露光する。この各濃度分布マスク2は、5倍レチクルであり、感光性レジスト材料層20の表面に露光するパターンの寸法の5倍の大きさの寸法のパターンを用い、半導体基板11の領域(1)の感光性レジスト材料層20の表面に濃度分布マスク2のパターンを1/5に縮小して、紫外線域の365nmの波長
の光を200〜300mJ/cm2の露光量で照射する。
次に、その感光性レジスト材料層20を、有機アルカリ現像液(TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液:液濃度0.05重量%)を用いて現像する。
(工程6)
次に、現像後に残った感光性レジスト材料層20に365nmの波長の光を200〜2500mJ/cm2の露光量で照射することで、次の加熱処理によってマイクロレンズを形成する樹脂の熱だれが生じない程度に感光性レジスト材料層20を仮硬化させる。最後に、ホットプレートを使用して、3分間の160℃の加熱処理と、それに続く6分間の200℃の加熱処理とでベークすることで、図1のように単位レンズ1r、1g、1bを硬化させる。
って濃度を薄くするように階調を変化させたパターンを用いることで、単位レンズを凹レンズにしたマイクロレンズアレイ1を形成することもできる。
1g、1b、1r・・・(マイクロレンズ)単位レンズ
2・・・濃度分布マスク
3・・・単位レンズの濃度分布パターン
4・・・遮光パターン
4a・・・格子点
5、5a、5b、5c、5d・・・階調境界円
6、6a、6b、6c、6d・・・環状領域
10・・・撮像デバイス
11・・・半導体基板
12・・・受光素子
13・・・平坦化層
14・・・カラーフィルター層
14g、14b、14r・・・カラーフィルターの画素
20・・・感光性レジスト材料層
Claims (4)
- 単位レンズを配列したマイクロレンズアレイの製造方法において、遮光パターンを格子上に千鳥足状に設置した濃度分布マスクを用い、前記濃度分布マスクの個々の単位レンズの領域を、各単位レンズの中心からの距離が異なる階調境界円で分割した複数の環状領域に分割し、前記中心からの距離が同じ前記環状領域内の遮光パターンを全ての単位レンズで集合して一体化した遮光パターン群を複数形成し、前記遮光パターン群を前記マイクロレンズアレイの中心に関して対称に拡大縮小するシュリンク処理を行い、前記遮光パターン群毎に前記シュリンク処理の拡大縮小率を変えた前記濃度分布マスクのパターンを形成する工程と、基板上に塗布した感光性レジスト材料層に、前記濃度分布マスクのパターンを介して露光し、前記感光性レジスト材料層を現像することで非対称な形の前記単位レンズを有する前記マイクロレンズアレイを製造する工程を有することを特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。
- 前記シュリンク処理が、前記遮光パターン群の前記環状領域が単位レンズの中心に近いほど大きく拡大縮小し、かつ、全ての前記階調境界円において、前記階調境界円で分割された内側の環状領域と外側の環状領域の境界が相対的にずれて重なる長さが前記格子のピッチ以下になるシュリンク処理を行うことを特徴とする請求項1記載のマイクロレンズアレイの製造方法。
- 前記基板が、撮像デバイスの半導体基板上にカラーフィルター層を形成して成る基板であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロレンズアレイの製造方法。
- 単位レンズを配列したマイクロレンズアレイを形成するための、遮光パターンを格子上に設置した濃度分布マスクにおいて、個々の単位レンズの領域を、各単位レンズの中心からの距離が異なる階調境界円で分割した複数の環状領域に分割し、前記中心からの距離が同じ前記環状領域内の遮光パターンを全ての単位レンズで集合して一体化した遮光パターン群を複数形成し、前記遮光パターン群を前記マイクロレンズアレイの中心に関して対称に拡大縮小するシュリンク処理が行なわれ、前記単位レンズの中心に近い前記環状領域の前記遮光パターン群ほど大きく拡大縮小されることで前記遮光パターンの位置が移動していることを特徴とする濃度分布マスク。
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