JP2009222718A - 積層構造のシリカナノ粒子の製造方法、積層構造のシリカナノ粒子、及びそれを用いた標識試薬 - Google Patents

積層構造のシリカナノ粒子の製造方法、積層構造のシリカナノ粒子、及びそれを用いた標識試薬 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光色素分子、吸光色素分子等の機能性分子のシリカ粒子への取り込み効率を向上させる積層構造、アルカリ溶液下でシリカナノ粒子から機能性分子の脱離を抑制するシェル層を有する積層構造のシリカナノ粒子の製造方法、及び該シリカナノ粒子を提供する。
【解決手段】下記積層構造のシリカナノ粒子の製造方法。(a)機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物をテトラアルコキシシランとともにアンモニア水含有溶媒中で加水分解した後縮重合させ、機能性分子含有シリカ粒子を調製する工程、及び(b)工程(a)により機能性分子含有シリカ粒子を調製した後に、機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物が残存するアンモニア水含有溶媒にテトラアルコキシシランをさらに含有させ、加水分解と縮重合とにより機能性分子を含有するシリカの層をシリカ粒子の表面上に形成し、調製されるシリカ粒子1個当たりの機能性分子の含有量を増大する工程。
【選択図】図2

Description

本発明は、ナノメートルサイズの積層構造のシリカナノ粒子の製造方法に関する。より詳しくは、タンパク質等の特定物質の検出用ないしは定量用の標識試薬として用いる、ナノメートルサイズの積層構造のシリカナノ粒子の製造方法、該方法により得られた積層構造のシリカナノ粒子、及びそれを用いた標識試薬に関する。
テトラエトキシシラン(以下TEOSということもある。)に代表されるテトラアルコキシシランに、触媒であるアンモニア存在下、水を加えて加水分解すると縮重合によるシロキサン結合(Si−O結合)形成後、ナノ〜ミクロンサイズのシリカ粒子が形成される(例えば、非特許文献1参照)。
シリカ自身には光吸収特性や磁性がないためその粒子を検出することができず、標識試薬として用いることはできない。しかし、シリカには高い化学的安定性や表面修飾についての高い自由度、生体に対する無害性といった標識試薬にとって好ましい特性をいくつも兼ね備えている。そのため、例えばシリカ粒子の内部もしくは表面に蛍光もしくは発色特性を有する有機色素分子を結合させれば、光学的にその存在を検出することができる標識試薬を得ることができる。
シリカ粒子の内部に有機色素分子を取り込む手法としては、アミノ基と反応しやすいN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルを有する色素分子をシランカップリング剤の一種である3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)分子のアミノ基と結合させ、このようにして得られる色素分子とAPS分子からなる化合物(以下、単に「色素結合APS」という。)のエトキシ基を加水分解させてシリカと重合させることで、結果的にシリカと前記色素分子をペプチド結合によって結合させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。しかし前記手法でシリカ粒子を調製する場合、TEOSの方が前記色素結合APSよりも反応速度が速く、結果として前記色素結合APSはシリカ粒子の表面近傍ないしは表面に高濃度に偏在することになる。
色素の種類によっては前記色素結合APSのシリカ粒子への取り込み効率が非常に低いものもある。そのような場合十分な量の色素をシリカ粒子に取り込ませるためには過剰量の前記色素結合APSを前記アンモニア水含有溶媒に含有させなければならず、前記色素結合APSが高価であるため、コストがかさんでしまう。
また、表面修飾の際などに前記の手法で得られたシリカ粒子をアンモニア水や水酸化ナトリウムなどの塩基性溶液に曝すと、前記シリカ粒子表面のシロキサン結合(Si−O結合)が加水分解され、粒子表面に偏在していた色素結合オルガノシロキサン成分が脱離してしまう問題があった。色素分子をシリカ粒子に取り込んで標識試薬とする場合、シリカ粒子から脱離した色素分子はターゲット物質以外のものと非特異的結合を起こしてシグナル/ノイズ比低下の原因となってしまう。さらに、シリカ粒子表面に存在する色素分子がシリカ粒子の表面修飾処理の際に悪影響を及ぼすという問題もあった。
EP1036763B1公報
Journal of Colloid and Interface Science,26,62−69(1968)
本発明の目的は、上記の問題点に鑑みて、蛍光色素分子、吸光色素分子等の機能性分子のシリカ粒子への取り込み効率を向上させる積層構造のシリカナノ粒子の製造方法、アルカリ溶液下で前記シリカナノ粒子から前記機能性分子が脱離することを抑制するシリカのシェル層を有する積層構造のシリカナノ粒子の製造方法、及びそれにより製造される積層構造のシリカナノ粒子を提供することにある。また、本発明の目的は、測定結果の再現性に優れる、極微量標的物質の高感度定量分析が可能な標識試薬を提供することにある。
上記課題は下記の手段により達成された。
(1) 次の工程(a)及び(b)を含んでなることを特徴とする積層構造のシリカナノ粒子の製造方法、
(a)機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物をテトラアルコキシシランとともにアンモニア水含有溶媒中で加水分解した後、加水分解物を縮重合させ、機能性分子含有シリカ粒子を調製する工程、及び
(b)前記工程(a)により前記機能性分子含有シリカ粒子を調製した後に、前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物が残存する前記アンモニア水含有溶媒にテトラアルコキシシランをさらに含有させ、加水分解と縮重合とにより前記機能性分子を含有するシリカの層を前記シリカ粒子の表面上に形成し、調製されるシリカ粒子1個当たりの前記機能性分子の含有量を増大する工程、
(2) 前記工程(b)の代わりに下記工程(c)を、又は前記工程(b)の後、さらに下記工程(c)を含んでなることを特徴とする(1)に記載の積層構造のシリカナノ粒子の製造方法、
(c)前記工程(a)又は(b)の反応液を、前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物を含有しない新たなアンモニア水含有溶媒を用いて溶媒置換した後、テトラアルコキシシランをさらに含有させ加水分解と縮重合とにより、前記工程(a)又は(b)により調製された前記機能性分子含有シリカ粒子に含有される前記機能性分子100質量部に対して、20質量部以下の前記機能性分子を含有するあるいは前記機能性分子を含有しないシリカのシェル層を前記シリカ粒子の表面上に形成する工程、
(3) 前記工程(b)を2回以上繰り返すことを特徴とする(1)又は(2)に記載の積層構造のシリカナノ粒子の製造方法、
(4) 前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物が、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)のアミノ基と機能性分子のカルボキシル基とをペプチド結合により連結させた化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の積層構造のシリカナノ粒子の製造方法。
(5) 前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の製造方法によって得られた積層構造のシリカナノ粒子、
(6) 最も外側の前記シリカの層が、前記機能性分子を含有しないシリカのシェル層であることを特徴とする(5)に記載の積層構造のシリカナノ粒子、
(7) 平均粒径が20〜100nmであり、かつ変動係数が15%以下であることを特徴とする(5)又は(6)に記載の積層構造のシリカナノ粒子、
(8) 平均粒径が100〜500nmであり、かつ変動係数が10%以下であることを特徴とする(5)又は(6)に記載の積層構造のシリカナノ粒子、及び
(9) 前記(5)〜(8)のいずれか1項に記載の積層構造のシリカナノ粒子を用いて調製される標識試薬
を提供するものである。
本明細書及び特許請求の範囲において、「シリカナノ粒子」とは、平均粒径が、1,000nm以下のコロイドシリカ粒子をいう。前記シリカナノ粒子を標識試薬として用いる場合、検出物質や検出法によって使用するのに好適な粒子径は様々であるが、20〜500nmの範囲内である場合が多く、この範囲にあるシリカナノ粒子であることが好ましい。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子の製造方法は、機能性分子の前記シリカ粒子への取り込み効率を向上させることができる。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子の製造方法は、前記シリカ粒子の最も外側に、アルカリ溶液下で前記シリカナノ粒子から機能性分子が脱離することを抑制するシリカのシェル層を形成できる。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子は、蛍光色素分子、吸光色素分子等の機能性分子を高濃度に含有させられ、高感度の標識試薬として用いることが可能である。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子は、前記シリカ粒子の最も外側に、アルカリ溶液下で機能性分子が脱離することを抑制するシリカのシェル層を有するので、高いアルカリ溶液耐性を持つ。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子は平均粒径がナノメートルサイズであり、かつ粒度分布の幅が狭く粒径が揃っている。
本発明の標識試薬は、平均粒径が揃った前記シリカナノ粒子を用いてなるので、測定結果の再現性に優れ、信頼性が高い極微量標的物質の高感度定量分析が可能である。
図1は、0層(対照)、1層、2層、3層のシリカ層を形成してなるシリカナノ粒子それぞれの蛍光強度を示す図である。 図2は、実施例3で得られたシリカナノ粒子のSEM画像を示す図である。 図3は、比較試験で得られたシリカ粒子のSEM画像を示す図である。 図4は、エッチング処理1時間後、2時間後それぞれの脱離色素の蛍光強度のグラフを示す図である。 図5は、実施例4の分子認識試験に用いたストリップの平面図である。
まず、本発明の積層構造のシリカナノ粒子の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」という。)について説明する。
本発明の製造方法は、次の工程(a)及び(b)を含んでなる。
(a)機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物をテトラアルコキシシランとともにアンモニア水含有溶媒中で加水分解した後、加水分解物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより、前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物に由来する機能性分子結合オルガノシロキサン成分を含有するコアとなるシリカ粒子(以下、「機能性分子含有シリカ粒子」という。)を調製する工程、及び
(b)前記工程(a)により前記コアとなる前記機能性分子含有シリカ粒子を調製した後に、前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物が残存する前記アンモニア水含有溶媒に前記テトラアルコキシシランをさらに含有させ、加水分解と縮重合とによるシロキサン結合形成により、前記機能性分子を含有するシリカの層を前記シリカ粒子の表面上に形成し、調製されるシリカ粒子1個当たりの前記機能性分子の含有量を増大する工程。
本発明の製造方法において、前記工程(b)の代わりに下記工程(c)を、又は前記工程(b)の後、さらに下記工程(c)を含むことが好ましい。
(c)前記工程(a)又は(b)の反応液を、前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物を含有しない新たなアンモニア水含有溶媒を用いて溶媒置換処理し上記調製されたシリカ粒子を再分散させた後、テトラアルコキシシランをさらに含有させ加水分解と縮重合とにより、シリカのシェル層を前記シリカ粒子の表面上に形成する工程。
本発明において、溶媒置換とは、前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物を含有する前記工程(a)又は(b)の反応液を、前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物を含有しない新たなアンモニア水含有溶媒で置換することをいい、詳しくはエタノール洗浄、水洗浄等の洗浄操作、減圧蒸留等を行わないこととする。
具体的な溶媒置換処理操作としては、前記工程(a)又は工程(b)の終了後、得られた反応液を200×g〜2,000×gを5〜20分の弱い遠心分離により粒子を沈降させた後、直ちに上清液を除去し、得られた沈殿物を前記新たなアンモニア水含有溶媒に再分散させる方法や、YM−10、YM−100(いずれも商品名、ミリポア社製)等の限外ろ過膜を用いて限外ろ過を行った後、前記新たなアンモニア水含有溶媒に再分散させる方法等が挙げられる。
前記工程(c)において、形成されるシリカのシェル層は、前記機能性分子を含有しないことが好ましい。
前記工程(c)において、上記溶媒置換によっても粒子表面等に残存する前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物を前記新たなアンモニア水含有溶媒に含有させてもよく、前記工程(a)又は(b)により調製された前記機能性分子含有シリカ粒子に含有される前記機能性分子100質量部に対して、20質量部以下の前記機能性分子を含有するシリカのシェル層が形成されてもよく、15質量部以下の前記機能性分子を含有するシリカのシェル層が形成されることが好ましい。
前記工程(c)により、本発明の製造方法により調製されるシリカナノ粒子にアルカリ溶液に対する高い耐性を付与することができる。
本発明の製造方法において前記工程(b)を、2回以上繰り返すことにより、得られるシリカ粒子1個当たりの前記機能性分子の含有量をさらに増大させることが好ましい。ただし前記工程(b)を何度も繰り返すのは煩雑であり、またそれによって合成されるシリカ粒子の粒度分布が広くなるという弊害もあることから、前記工程(b)の繰り返し回数をいくらでも多くすればよいというわけではない。実際には、前記コアとなる前記シリカ粒子の表面上に1〜6層の前記機能性分子を含有するシリカの層を形成するために、前記工程(b)を1〜6回行うことが好ましい。
本発明に用いる前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物は、互いに反応して結合を形成する活性部位を持つ機能性分子とオルガノアルコキシシランとを反応させることで得ることができる。例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)のアミノ基と機能性分子が持つカルボキシル基を脱水縮合させてペプチド結合を形成させる手法がある。カルボキシル基とスクシンイミドを縮合させたN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基を持つ機能性分子であれば、APSと混合させるだけでアミノ基と反応してペプチド結合でつながれた機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物を得ることができ、好ましい。
ここで、前記機能性分子の具体例としては、蛍光色素分子(例えば、TAMRA、ローダミン6G、フルオレセイン)、吸光色素分子、磁性分子、放射線標識分子、pH感受性色素分子等が挙げられる。
前記活性基を有する前記機能性分子の好ましい具体例として、下記式でそれぞれ表される5−カルボキシTAMRA−NHSエステル、5−カルボキシローダミン6G−NHSエステル、5−カルボキシフルオレセイン−NHSエステル(いずれも商品名;Invitrogen社製)等のNHSエステル基を有する蛍光色素化合物を挙げることができる。
前記活性基を有する前記オルガノアルコキシシランは、商業的に市販のものを入手することも可能である。
前記反応性基を有するオルガノアルコキシシランの具体例として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するオルガノアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するオルガノアルコキシシラン等を挙げることができる。中でも、APSが好ましい。メルカプト基を有するオルガノアルコキシシランを用いる場合は、マレイミド基を持つ機能性分子と結合させることができる。
前記NHSエステル基を有する機能性分子と前記アミノ基を有するオルガノアルコキシシランとの反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)やDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)等の溶媒に溶解した後、室温(例えば、25℃)条件下で攪拌しながら反応することによって行うことができる。
その場合反応に用いる前記NHSエステル基を有する機能性分子と前記アミノ基を有するオルガノアルコキシシランとの割合は、モル換算で等量であることが好ましい。NHSエステル基を有する機能性分子は一般に高価なためできるだけ無駄を少なくしたいが、アミノ基を有するオルガノアルコキシシランの割合が高いと未反応のアミノ基を持つオルガノアルコキシシランがシリカ粒子に取り込まれることになり、シリカ粒子が純水中で凝集傾向を持ってしまうことがある。
本発明の製造方法に用いられる前記テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン等が挙げられ、TEOSが好ましい。
前記テトラアルコキシシランのアルコキシ基は前記アンモニア水含有溶媒の中で加水分解されてヒドロキシル基となり、さらにそれらが脱水縮合してシロキサン結合を形成する。
一般にシリカとは、シロキサン結合(Si−O結合)に基づくケイ素原子及び酸素原子からなる3次元構造体を指すが、ここでは前述のようなオルガノシロキサン成分を含有するケイ素原子及び酸素原子からなる3次元構造体を含むものとする。
本発明における前記工程(a)について、テトラアルコキシシランとしてTEOSを用いた場合を下記スキームに例示する。
本発明の製造方法の前記工程(a)において、前記テトラアルコキシシランの前記アンモニア水含有溶媒に含有させる量は、高すぎると粒子同士の融合が発生しやすくなり、逆に低すぎても粒度分布が広がる傾向にある。具体的には0.1〜2.0体積%であることが好ましく、0.2〜1.0体積%であることがより好ましい。
本発明の製造方法の前記工程(a)において、前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物の前記アンモニア水含有溶媒中に含有させる量は、前記テトラアルコキシシランとの混合モル比率として、1:100〜1:5の範囲で反応させることが好ましく、1:50〜1:10の範囲で反応させることがより好ましい。
この溶解ないしは含有させておく前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物の量により、得られる積層構造のシリカナノ粒子中の前記機能性分子の含有量を制御できる。
前記アンモニア水含有溶媒において、水と混合させる前記親水性溶媒としては、エタノール、メタノール等が挙げられるが、エタノールが好ましい。前記水と前記親水性溶媒との体積比が1:20〜1:3の混合溶媒であることが好ましく、1:6〜1:4の混合溶媒であることがより好ましい。
本発明の製造方法で用いられるアンモニア水含有溶媒に含有させるアンモニア水の濃度は、目的の積層構造のシリカナノ粒子の平均粒径を制御する観点から、1〜28質量%であることが好ましく、2〜14質量%であることがより好ましい。
前記アンモニアの含有量(アンモニア濃度)が高いほどシリカ粒子の核形成頻度、シリカ粒子の成長速度共に高くなるが、そのアンモニア濃度依存性はシリカ粒子の成長速度の方が高い。したがって、このアンモニア濃度依存性の違い(差)によりアンモニアの濃度を調節することで目的の積層構造の前記シリカナノ粒子及び前記コアとなる前記シリカ粒子の平均粒径を調整することができる。
前記工程(a)における前記コアとなる前記シリカ粒子の形成の温度条件としては特に制限はないが、高温で合成を行うとシリカへの機能性分子の取り込み効率を高めることができる。したがって、機能性分子の取り込み効率を高くしたい場合は35〜60℃の温度条件下で行うことが好ましい。反応時間としては特に制限はないが、反応時間を長くするとシリカへの機能性分子の取り込み効率を高めることができる。したがって、機能性分子の取り込み効率を高くしたい場合は4〜48時間反応させることが好ましい。
前記機能性分子として蛍光色素分子を用いる場合、前記工程(b)において、後述するFRETによる自己消光を防止するためには10nm以上の厚みの色素分子を多く含まないシェル層を形成させることが望ましい。前記テトラアルコキシシランと比べて反応速度の遅い色素結合APSをシリカ粒子に取り込む場合、前記コアとなるシリカ粒子の表面近傍に色素分子が偏在することになり、ここで前記工程(b)を施すとさらに含有された前記テトラアルコキシシランが色素を多く含まない前記シリカの層を形成することになる。さらに時間をかけると新たに形成された層の表面近傍にも色素が多く取り込まれることになるが、前記コアの表面に偏在する色素からは10nm以上隔たれていることになり、FRETによる自己消光を効果的に防止することができる。
10nm以上の層を形成させるために前記アンモニア水含有溶媒にさらに含有させる前記テトラアルコキシシランの量は、その時点で形成されているシリカ粒子の粒径によって異なる。例えば平均粒径30nmのシリカ粒子に10nmの層を形成させるためには、前記工程(a)において使用した前記テトラアルコキシシラン100質量部に対して100〜120質量部が好ましく、平均粒径100nmのシリカ粒子に10nmの層を形成させるためには、前記工程(a)において使用した前記テトラアルコキシシラン100質量部に対して30〜36質量部が好ましい。
前記工程(b)における前記シリカ層の形成温度条件としては特に制限はないが、前記工程(a)の場合と同様機能性分子の取り込み効率を高くしたい場合は35〜60℃の温度条件下で行うことが好ましい。反応時間としては特に制限はないが、前記工程(a)の場合と同様機能性分子の取り込み効率を高くしたい場合は4〜48時間反応させることが好ましい。
実施例の項において図3を参照して後述するように、前記工程(c)の前に、前記工程(a)又は(b)で調製された反応液についてシリカ粒子の洗浄又は精製を行うとアンモニア水含有溶媒中で粒子同士の凝集傾向が生じてしまい、前記工程(c)のシェル形成反応により前記シリカ粒子同士の不可逆的な融合が生じてしまう。
前記工程(c)における前記シリカシェルの形成反応の温度条件としては特に制限はないが、除去しきれずに残留する機能性分子の取り込みを極力抑えたい場合には前記工程(a)や(b)の場合とは逆に低い温度、すなわち0〜20℃の温度条件下で行うことが好ましい。反応時間としては特に制限はないが、上記のような事情の場合には短時間、すなわち1〜3時間にとどめることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、球状、もしくは、球状に近いシリカナノ粒子が製造できる。球状に近いシリカナノ粒子とは、具体的には長径と短径の比が1.2以下の形状である。
所望の平均粒径のシリカ粒子を得るためには、適切な重力加速度で遠心分離を行い、上清または沈殿のみを回収する手法がある。
次に、本発明の積層構造のシリカナノ粒子について説明する。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子は、前述した本発明の製造方法により製造することができる。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子は、前記工程(a)により得られた前記機能性分子含有シリカ粒子をコアとし、前記シリカ粒子の表面上を1層又は2層以上のシリカの層がシロキサン結合により包囲してなる積層構造のシリカナノ粒子であることを特徴とする。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子において、前記シリカの層数としては、1〜6層であることが好ましい。
前述のように、前記工程(a)により得られたコアとなる前記シリカ粒子を調製する場合、テトラアルコキシシランの方が前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物よりも反応速度が速い。そのため、合成初期にはテトラアルコキシシランが反応して形成されるシリカに含有される前記機能性分子結合オルガノシロキサン成分の比率が低く、逆に合成後期には前記機能性分子結合オルガノシロキサン成分の比率が高くなる。結果として、前記コアとなる前記シリカ粒子の内部においては、前記機能性分子結合オルガノシロキサン成分が表面近傍ないしは表面に高濃度に偏在することになる。前記工程(b)により前記シリカの層を形成する場合においても同様に、前記シリカの層の外側に前記機能性分子結合オルガノシロキサン成分が高濃度に偏在することになる。
前記機能性分子として蛍光色素分子を用いる場合であって、前記工程(b)でシリカの層を2層以上形成する場合、あるシリカ層における前記蛍光色素分子成分が高濃度に偏在する部分と、それに隣接するシリカ層における前記蛍光色素分子成分が高濃度に偏在する部分との距離が近すぎるとFRET(Fluorescence resonant energy transfer;蛍光共鳴エネルギー遷移)が生じ、前記蛍光色素分子成分間で自己消光を起こして蛍光強度が低下してしまう(例えば、Physical Review B 73,245302(2006)参照。)。
そこで、本発明の積層構造のシリカナノ粒子において、前記シリカの層の厚みは、前記FRETによる自己消光を防止する観点から、7nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、10〜20nmがさらに好ましい。
ただし、前記シリカの層が厚くなるとシリカ粒子の重量が増大し、それによりコロイド重量あたりの蛍光強度が減少することになる。そのため、コロイド重量あたりの蛍光強度を高くするには前記FRETによる自己消光が抑制される範囲で前記シリカの層を極力薄くすることが好ましい。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子に、前述のようにアルカリ溶液耐性を付与する観点から、最も外側のシリカの層が、前記工程(c)により形成された前記機能性分子を含有しないシリカのシェル層であることが好ましい。
ただし、前記機能性分子を含有しない純粋なシリカのシェル層でもゆっくりではあるがアルカリ溶液によって溶かされていく。そのため、前記シェル層が厚いほど長時間、もしくは強いアルカリ溶液に耐えることができる。最も外側の前記機能性分子を含有しないシェル層の厚みは、前述のアルカリ溶液耐性を付与する観点から、7nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、10〜20nmがさらに好ましい。
ただし、前記シェル層が厚くなるとシリカ粒子の重量が増大し、それによりコロイド重量あたりの蛍光強度が減少することになる。そのため、コロイド重量あたりの蛍光強度を高くするには必要なアルカリ溶液耐性が得られる範囲で前記シェル層を極力薄くすることが好ましい。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子は、前述のように、本発明の製造方法における前記アンモニア水含有溶媒中のアンモニアの含有量を制御すること、並びに前記工程(b)を1回又は2回以上繰り返すことで制御することにより粒径が揃ったnmサイズの所望の平均粒径とすることができる。
本発明において、前記平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等の画像から直接各粒子(少なくとも100個)の長径と短径を測定し、その平均値を計算して求めたものである。
本発明により得られたシリカナノ粒子の粒度分布の変動係数(以下CVということもある。)は、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ここで、前記変動係数は、粒度の分布の標準偏差を平均粒径で割った値をいう。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子は、前述のように、本発明の製造方法における前記アンモニア水含有溶媒中のアンモニアの含有量を制御すること、並びに前記工程(b)を1回又は2回以上繰り返すことで制御することにより20〜100nmの範囲にある平均粒径とした場合、変動係数は15%以下とすることができる。
また、本発明の積層構造のシリカナノ粒子は、100〜500nmの範囲にある平均粒径とした場合、変動係数は10%以下とすることができる。
本明細書及び特許請求の範囲において、単分散とはCV15%以下の粒子群をいう。
前述の通り、例えばAPSなどのオルガノアルコキシシランと結合させてテトラアルコキシシランと共に反応させることで、前記機能性分子をシリカ粒子に取り込むことができる。ただしその取り込み効率は結合させる機能性分子の種類によって異なり、例えば蛍光色素であるカルボキシフルオレセイン色素をAPSと結合させたオルガノアルコキシシラン化合物は取り込み効率が低い。取り込み効率の低い機能性物質をシリカ粒子に十分取り込ませるためには合成の際に多くのオルガノアルコキシシラン化合物を投入する必要があり、その場合投入した大部分のオルガノアルコキシシラン化合物が取り込まれずに廃棄されることになるため、コスト増大の要因となる。
これに対して、本発明の積層構造のシリカナノ粒子は、前述のように、本発明の製造方法において、前記工程(b)を1回又は2回以上繰り返すことにより、前記機能性分子を高い効率で取り込むことができる。前記機能性分子のシリカ粒子への取り込み効率の低さは、その反応速度の遅さに起因している。反応速度の遅いオルガノアルコキシシラン化合物はテトラアルコキシシランによってシリカ粒子が合成された後で粒子表面に徐々に結合していくが、その密度が高くなると取り込まれにくくなり、ついにはオルガノアルコキシシラン化合物の取り込まれる量と脱離する量が同じになって平衡状態に達し、オルガノアルコキシシラン化合物はそれ以上取り込まれなくなる。この状態で前記工程(b)を施せばシリカ粒子の表面に新たなシリカの層が形成され、その表面にも同様にオルガノアルコキシシラン化合物が高密度に結合することで、一粒子あたりのオルガノアルコキシシラン化合物の結合量を増大させることができる。
一般的には前記機能性分子の取り込み量は多いほど好ましいが、蛍光色素に関しては濃度消光による蛍光強度の低下があるため最適な取り込み量が存在する。その量は1mlあたり3×1017分子程度であり、これは粒径100nmのシリカ粒子に換算すると約13,000分子に相当する。本発明の積層構造のシリカナノ粒子では、シリカ粒子への取り込み効率の低いカルボキシフルオレセイン色素分子でも少ない投入量でこのシリカ粒子内密度を達成することができる。
次に「シリカナノ粒子表面修飾」について説明する。
シリカは、一般に、化学的に不活性であると共に、その修飾が容易であることが知られている。本発明の積層構造のシリカナノ粒子もまた、容易に所望の物質を表面に結合させることが可能である。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子は、所望の標的生体分子を分子認識する物質を表面に結合もしくは吸着させることが好ましい。
前記積層構造のシリカナノ粒子が、前記機能性分子として蛍光色素分子もしくは吸光色素分子を含有する場合、検体(例えば、任意の細胞抽出液、溶菌液、培地・培養液、溶液、バッファー)中の標的生体分子(生理活性物質を含む。)を蛍光ないしは吸光色素標識付けすることができる。
前記積層構造のシリカナノ粒子を表面修飾する前記標的生体分子を分子認識する物質としては、抗体、抗原、ペプチド、DNA、RNA、糖鎖、リガンド、受容体、化学物質等が挙げられる。
ここで、分子認識とは、(1)DNA分子間又はDNA−RNA分子間のハイブリダイゼーション、(2)抗原抗体反応、(3)酵素(受容体)−基質(リガンド)間の反応など、生体分子間の特異的相互作用をいう。
ここで、リガンドとはタンパク質と特異的に結合する物質をいい、例えば、酵素に結合する基質、補酵素、調節因子、あるいはホルモン、神経伝達物質などをいい、低分子量の分子やイオンばかりでなく、高分子量の物質も含む。
また化学物質とは天然有機化合物に限らず、人工的に合成された生理活性を有する化合物や環境ホルモン等を含む。
すなわち、前記シリカナノ粒子を表面修飾した標的生体分子を分子認識する物質は、それ自体が受容体部位となって、例えば抗原−抗体反応、ビオチン−アビジン反応、塩基配列の相補性を利用したハイブリダイゼーションなどの特異的な分子認識を利用して、標的生体分子に特異的に結合することができる。
本発明の積層構造のシリカナノ粒子の表面への、前記生体分子による吸着等の表面修飾が、縮合剤ないしは架橋剤の存在下又は非存在下にて、前記積層構造のシリカナノ粒子のコロイドと前記生体分子の溶液とを混合することにより行われることが好ましい。
例えば、縮合剤等の非存在下、前記積層構造のシリカナノ粒子のコロイドと前記生体分子の溶液とを混合することにより、前記生体分子は、前記シリカナノ粒子の表面と吸着することができる。
前記縮合剤ないしは架橋剤を用いる場合の具体例としては、N−(6−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミド(EMCS)、グルタルアルデヒド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等が挙げられる。
表面修飾に用いる前記縮合剤ないしは架橋剤の当量数、前記コロイドの分散媒、前記生体分子の溶液の溶媒の種類・容量、及び反応温度等の反応条件については表面修飾が進行する限り特に制限はない。
前記表面修飾した後、前記積層構造のシリカナノ粒子と前記シリカナノ粒子に結合ないし吸着していない前記生体分子との分離は、遠心分離または限外ろ過によって可能である。
前記生体分子により前記シリカナノ粒子を表面修飾した後は、前述の非特異的吸着をさらに防止する観点から、PEG、BSAなどの任意のブロッキング剤でブロッキング処理を施してもよい。
前記生体分子の表面修飾が出来たかどうかの確認は、混合液から遠心分離または限外ろ過で粒子を除去した溶液に含まれる前記生体分子を一般的なタンパク質定量法(例えば、UV法、Lowry法、Bradford法)で定量し、減少した前記生体分子の量を定量することで行うことができる。
次に、本発明の標識試薬について説明する。
本発明の標識試薬は、本発明の積層構造のシリカナノ粒子を用いてなる。前記積層構造のシリカナノ粒子を用いて、蛍光ないし吸光色素標識を付与することが好ましい。さらに前述のシリカナノ粒子の表面修飾により抗体やホルモンなどの標的生体分子を分子認識する物質でシリカ粒子表面を修飾し、光学特性を検出する装置又は目視によって前記標的生体分子が評価されるべき試料中に存在するか否か等の評価を可能にする標識試薬として利用することができる。
本発明の標識試薬の具体例としては、生体分子検出試薬、生体分子定量試薬、生体分子分離試薬、生体分子回収試薬または免疫染色用試薬が挙げられる。
前記標的生体分子を検出、定量、分離または回収する分析試薬とすることができる。また、前記標的生体分子との分子認識が、抗原−抗体反応である場合は、前記シリカナノ粒子を用いてなる免疫染色用試薬とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1(本発明の積層構造のシリカナノ粒子の調製)
1.工程(a)
14質量%のアンモニア水をさらにエタノールで5倍に希釈しアンモニア水含有溶媒100mlとし、その中に0.5体積%となる体積500μlのTEOSを、前記TEOSと同体積のカルボキシフルオレセイン‐APSのDMF溶液を、それぞれ、添加して室温(25℃)にて撹拌した。
ここで、前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物としての前記カルボキシフルオレセイン‐APSは下記式で表され、前記カルボキシフルオレセイン−NHSエステルとAPSとを反応させたものを用いた。前記DMF溶液は40mMの濃度に調整したものを用いた。
撹拌1時間ほどでシリカコロイドの生成はほぼ完了したが、蛍光強度を測定すると極めて弱く、前記カルボキシフルオレセイン‐APSが粒子に取り込まれるにはなお2〜3時間を要した。
蛍光強度の測定の結果から、反応開始から4〜5時間経過すると前記カルボキシフルオレセイン‐APSの取り込み速度が減少してきた。ここまでの操作を工程(a)とする。
前記工程(a)により得られたシェル層無しのシリカナノ粒子の蛍光強度を後述する図1において対照とした。
なお、前記シリカ粒子の蛍光強度の測定は、蛍光分光光度計FP−6500(商品名、日本分光社製)を用いて、490nmの励起光における520nmの蛍光強度を測定した。
2.工程(b)
工程(a)で得られたシリカ粒子に、前記カルボキシフルオレセイン‐APSを取り込む余地の豊富なシリカを提供するため、TEOSを追加投入し室温5時間反応させ、1層のシリカ層を有するシリカナノ粒子を得た。
TEOSの追加投入量は、工程(a)における投入量の50%分とした。
さらに、この工程(b)のシェル形成操作を繰り返して積層構造とした粒子も調製した。すなわち、この工程(b)をさらに1回繰り返して2層のシェル層を有するシリカナノ粒子、この工程(b)をさらに2回繰り返して3層のシェル層を有するシリカナノ粒子を、それぞれ、調製した。2回目以降のTEOSの追加投入量も工程(a)における投入量の50%分とした。
上記得られた各シリカナノ粒子を、それぞれ、洗浄し、平均粒径及び蛍光強度を測定した。
具体的な洗浄操作としては、反応終了後、遠心分離(5000×g)を30分行い、粒子を沈降させた後、直ちに上清液を除去した。得られた沈殿物をエタノールに再分散させ、再度遠心分離(5000×g)を30分行い、粒子を沈降させた。同様のエタノール洗浄操作をさらに1回繰り返し、未反応のTEOS等を除去した。さらにエタノールの代わりに蒸留水を用いた以外は同様な洗浄操作を4回行い、遊離色素等を除去した。
3.平均粒径測定
上記得られた各シリカナノ粒子の平均粒径は、SEM画像に写っている各粒子(100個以上)の直径を測定し、その平均値として算出した。
前記工程(a)により得られた対照としてのシェル層無しのシリカナノ粒子の平均粒径は、変動係数9.0%の粒度分布で平均粒径190nmであった。
前記工程(b)により得られたシェル層を1層、2層、3層を有するシリカナノ粒子の平均粒径は、それぞれ、シェル層分だけ平均粒径が増加し、198nm(変動係数8.6%)、204nm(変動係数7.8%)、209nm(変動係数6.1%)であった。
4.蛍光強度測定
前記工程(a)により得られた対照としてのシェル層無しのシリカナノ粒子、前記工程(b)により得られたシェル層を1層、2層、3層有するシリカナノ粒子、それぞれの蛍光強度を前述と同様な装置、測定条件で測定した。図1に得られた結果を示す。
図1は、0層(対照)、1層、2層、3層のシリカ層をそれぞれ形成してなるシリカナノ粒子の蛍光強度を示す図である。
図1において、一定量である工程(a)において添加したカルボキシフルオレセイン‐APSの添加量で規格化(ノーマライズ)したシリカナノ粒子の蛍光強度(前記カルボキシフルオレセイン‐APS添加量当りの蛍光強度)、及び測定対象となったシリカコロイドの質量濃度で規格化した蛍光強度(シリカナノ粒子の質量当りの蛍光強度)の2通りで示した。いずれも単位はarbitrary unit(au:任意単位)として表した。以下同様である。
図1から明らかなように、シリカナノ粒子の層数を1層、2層、3層と増加するごとに前記カルボキシフルオレセイン‐APS投入量当りのシリカナノ粒子の蛍光強度は直線的に増加している。これにより、前記工程(b)を行うごとに、アンモニア水含有溶媒に残存するカルボキシフルオレセイン‐APSが取り込まれていることがわかる。
一方、シリカナノ粒子の質量当りの蛍光強度については、シェルを1層形成することでシェル無しの対照の場合より13%増大し、シェルを2層形成するとシェル無しの対照の場合より43%増大した。しかしシェルを3層形成すると、その増大量は29%に低下した。これは、シェルを形成することによってシリカナノ粒子の質量が増大し、その結果蛍光強度の増大率がシリカコロイドの質量濃度の増大率を下回ったからである。このことから、2層のシェルを形成することが最も機能性分子の取り込み効率が高い結果となった。
しかし、シェル形成のために追加するTEOSの量を適宜減じることにより、シリカナノ粒子の質量の増加率を抑えられるため、上記結果よりもさらにシリカコロイドの質量濃度当りの蛍光強度、すなわち機能性分子の取り込み効率を高めることができる。
実施例2(本発明の積層構造の吸光型シリカナノ粒子の調製)
1.工程(a)
色素を高濃度に含有する吸光型シリカコロイドを合成すべく、2質量%のアンモニア水をさらにエタノールで5倍に希釈してアンモニア水含有溶媒100mlとし、その中に0.5体積%となる体積500μlのTEOSを前記TEOSと同体積のカルボキシTAMRA‐APSのDMF溶液を、それぞれ、添加して室温にて撹拌した。
ここで、前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物としての前記カルボキシTAMRA‐APSは下記式で表され、前記5−カルボキシTAMRA−NHSエステルとAPSとを反応させたものを用いた。前記DMF溶液は40mMの濃度に調整したものを用いた。
室温下、撹拌3時間ほどでシリカ粒子のコロイドが生成したが、この場合前記カルボキシTAMRA‐APSの投入量が多いため、シリカ粒子内部に取り込まれずに溶液中に残留する前記カルボキシTAMRA‐APSの比率が高かった。
溶液中の遊離色素による蛍光強度の測定の結果から、反応開始から7〜8時間経過すると前記カルボキシTAMRA‐APSの取り込み速度が減少し、反応終了とした。得られた粒子は、カルボキシTAMRA色素がシリカ粒子の表面近傍ないしは表面に偏在していた。
2.工程(b)
実施例1の工程(b)と同様な操作によりTEOSを追加投入し反応させ、反応終了後、実施例1と同様な洗浄操作を行った。その結果、1層のシリカ層を有するシリカナノ粒子を得た(平均粒径87nm)。得られたシリカ粒子を実施例2のシリカナノ粒子とする。
溶液中に前記カルボキシTAMRA‐APSが残存する状態で反応させ、シェルを形成しているので、シェル層の表面近傍ないしは表面にも多くの色素が結合していた。
実施例3(本発明の機能性分子脱離防止用シェル層を有するシリカナノ粒子の調製)
1.工程(c)
実施例2の工程(a)と同様な操作により得たシリカ粒子を、工程(b)を行うことなく、アルカリ水溶液耐性を付与するための前記TAMRAを含有しないシェル層を形成するため、以下の工程(c)に供した。
工程(a)終了後、得られたシリカ粒子を前記洗浄操作に供することなく、前記TAMRA‐APSを含有しない新たなアンモニア水含有溶媒で溶媒置換処理を行った。具体的には、1,000×g、10分の条件で遠心分離により粒子を沈降させた後、直ちに上清液を除去後、得られた沈殿物を2質量%のアンモニア水をさらにエタノールで5倍に希釈して得た新たなアンモニア水含有溶媒100mlに再分散させ溶媒置換した。
次に、工程(a)における投入量と等量のTEOSを投入し室温2時間反応させ、反応終了後、実施例1と同様な洗浄操作を行った。その結果、前記カルボキシTAMRA色素をほとんど含有しない1層のシリカのシェル層を有するシリカナノ粒子を得た(収量170mg分;コロイド乾燥重量、収率63%)。得られたシリカ粒子を実施例3のシリカナノ粒子とする。
図3に得られたシリカナノ粒子のSEM画像を示す。なお、図1中のスケールバーは600nmを示す(倍率5万倍)。図中、白く見える球状物質が、得られた積層構造のシリカナノ粒子である。粒子同士が融合するような不具合が生じていないことがわかる。
SEM画像に写っている各粒子(200個以上)の直径を測定し、その粒度分布を算出したところ、変動係数14.7%で平均粒径88nmであった。
2.比較試験
実施例2の工程(a)と同様な操作により得たシリカ粒子を、アルカリ水溶液耐性を付与するシェル層を形成するための前記工程(c)に供する前に、実施例1と同様な洗浄操作を行った後、工程(c)を行うことを試みた。
工程(a)終了後、実施例1と同様な洗浄操作を行ったシリカ粒子を再度シリカ粒子合成液に分散させて新たにTEOSを投入したところ、反応に供したシリカ粒子同士が融合してしまった。
図4に得られたシリカ粒子のSEM画像を示す。なお、図4中のスケールバーは1.0μmを示す(倍率3万倍)。図中、白く見える物質が、得られたシリカ粒子である。図4から明らかなように、粒子の多くがいびつな形状をしており、反応に供したシリカ粒子同士の融合が頻繁に発生したことがわかる。
3.アンモニア水溶液によるエッチング試験
前記カルボキシTAMRA色素を含有する1層のシリカ層を有する実施例2のシリカナノ粒子、前記カルボキシTAMRA色素を含有しない1層のシリカのシェル層を有する実施例3のシリカナノ粒子を、それぞれ、2.8質量%のアンモニア水溶液中に分散させ、アンモニア水溶液によるエッチング試験を行い、アルカリ水溶液に対する耐性を評価した。
色素の脱離量は、遠心分離によって前記アンモニア水溶液からシリカ粒子を除去した残りの溶媒を回収し、その中に遊離している色素がシリカ粒子から脱離した色素とみなし、その蛍光強度を測定することで、その評価を行った。
図4は、エッチング処理1時間後、2時間後それぞれの脱離カルボキシTAMRA色素による蛍光強度のグラフを示す図である。
図4から明らかなように、前記カルボキシTAMRA色素を含有する1層のシリカ層を有する実施例2のシリカナノ粒子については、1時間後には、蛍光強度にして4000au以上の大量の前記カルボキシTAMRA色素がシリカ粒子から脱離してしまったことがわかる。2時間後にも同様に約18000auの蛍光強度が検出され、大量の脱離が起こっていることがわかる。
一方、前記カルボキシTAMRA色素を含有しない1層のシリカのシェル層を有する実施例3のシリカナノ粒子については、1時間後の前記カルボキシTAMRA色素の脱離量は、蛍光強度にして500au未満の僅かな量にとどまったことがわかる。
実施例2のシリカナノ粒子の結果との比較から、実施例3のシリカナノ粒子についてはアルカリ溶液に対して耐性があるといえる。
2時間後についてはアンモニア水溶液中に約14000auの蛍光強度が検出されたが、前記シェル層を越えてエッチングが進行したため、工程(a)で得られた粒子のコア部分から脱離したといえる。
実施例4
(積層構造のシリカナノ粒子のコロイドへの抗体の吸着)
遠心管に50mM KHPO(pH6.5)を1mLと、実施例2の積層構造のシリカナノ粒子のコロイド(10mg/mL)9mLを加えて軽く撹拌した。遠心管に抗hCG抗体(Anti−hCG clone codes/5008, Medix Biochemica社製)1mL(60μg/mL)を撹拌しながら加え、室温で1時間静置した。これに1質量%のPEG(ポリエチレングリコール、分子量20000、和光純薬工業社製)を0.55mL加え軽く撹拌し、更に10%BSAを1.1mL加え軽く撹拌した。
混合液を12,000×Gで15分間遠心分離し、上清を1mL程度残して取り除き、残した上清に沈殿を分散させた。この分散液に保存用バッファー(20mM Tris−HCl(pH 8.2), 0.05% PEG20,000, 1%BSA, 0.1%NaN)を20mL加え、再度遠心分離し、上清を1mL程度残して取り除き、残した上清に沈殿を分散させた(コロイドA)。
(分子認識試験)
続いて、前記抗hCG抗体を表面修飾した積層構造のシリカナノ粒子のコロイド(コロイドA)100μlを96穴マイクロプレートのウェルの1つに入れた。次に、抗IgG抗体(Anti Mouse IgG、Dako社製)が1mg/mL含まれる溶液(50mMKHPO,pH7.0)を用意した。図5は、分子認識試験に用いたストリップ1の平面図である。一方の末端2から約15mmの位置3にライン状に、前記溶液を0.75μL/cmの塗布量(約1mm幅)で塗布したメンブレン4(Hi−Flow Plus120 membrane、MILLIPORE社製)を5mm幅にカットし、ストリップ1(丈25mm)とした。
前記ストリップ1の末端を前記96穴マイクロプレートのウェルの1つに入れた抗hCG抗体を表面修飾した積層構造のシリカナノ粒子のコロイドに浸し、1時間放置した。
図5から明らかなように、抗IgG抗体がライン状に塗布された部分3が赤く発色し、前記抗hCG抗体を表面修飾した積層構造のシリカナノ粒子が形成されていることが確認された。また、本発明の積層構造のシリカナノ粒子が分析試薬として好適であることが分かる。

Claims (6)

  1. 次の工程(a)及び(c)を含んでなることを特徴とする積層構造のシリカナノ粒子の製造方法。
    (a)機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物をテトラアルコキシシランとともにアンモニア水含有溶媒中で加水分解した後、加水分解物を縮重合させ、機能性分子含有シリカ粒子を調製する工程、及び
    (c)前記工程(a)を経て前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物を含有する反応液を、前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物を含有しない新たなアンモニア水含有溶媒を用いて溶媒置換した後、テトラアルコキシシランをさらに含有させ加水分解と縮重合とにより、前記工程(a)により調製された前記機能性分子含有シリカ粒子に含有される前記機能性分子100質量部に対して、20質量部以下の前記機能性分子を含有するあるいは前記機能性分子を含有しないシリカのシェル層を前記機能性分子含有シリカ粒子の表面上に形成する工程。
  2. 前記機能性分子結合オルガノアルコキシシラン化合物が、3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基と機能性分子のカルボキシル基とをペプチド結合により連結させた化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の積層構造のシリカナノ粒子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法によって得られた、最も外側の前記シリカの層が前記機能性分子を含有しないシリカのシェル層であることを特徴とする積層構造のシリカナノ粒子。
  4. 平均粒径が20〜100nmであり、かつ変動係数が15%以下であることを特徴とする請求項3に記載の積層構造のシリカナノ粒子。
  5. 平均粒径が100〜500nmであり、かつ変動係数が10%以下であることを特徴とする請求項3に記載の積層構造のシリカナノ粒子。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の積層構造のシリカナノ粒子を用いて調製される標識試薬。
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