JP2009222666A - 振動ジャイロ用振動子およびその製造方法 - Google Patents

振動ジャイロ用振動子およびその製造方法 Download PDF

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豪 水野
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Abstract


【課題】 小形に適した低コストで高精度な振動ジャイロ用振動子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 振動ジャイロ用振動子1の可動部および基部をレーザー光が透過する材料で構成し、振動ジャイロ用振動子1を透過したレーザー光によって、裏面の調整用電極20d、20eを調整し、駆動信号の検出電極へのクロストークのバランス調整を行う。
【選択図】 図3

Description

本発明は、主として自動車のナビゲーションシステムや姿勢制御装置、カメラ一体型VTRの手振れ防止装置等に用いられるジャイロスコープで、特に圧電振動ジャイロに関するものである。
振動ジャイロは、速度を持つ物体に角速度が与えられると、その物体自身に速度方向と直角な方向にコリオリ力が発生するという力学現象を利用した角速度センサである。
電気的な信号を印加することで機械的な振動(駆動振動モード)を励起させることができ、且つ、駆動振動と直交する方向の機械的な振動(検出振動モード)の大きさを電気的に検出可能とした系において、予め、駆動振動モードを励振した状態で、駆動振動モードの振動面と検出振動モードの振動面との交線と平行な軸を中心とした角速度を与えると、前述のコリオリ力の作用により、検出振動モードが発生し、出力電圧として検出される。検出された出力電圧は駆動振動モードの大きさ及び角速度に比例するため、駆動振動モードの大きさを一定にした状態では、出力電圧の大きさから角速度の大きさを求めることができる。振動ジャイロの中でも、電気的信号と機械的振動の変換を圧電効果で行うものを圧電振動ジャイロと呼ぶ。
小型で安価な圧電振動ジャイロは、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の手振れ検出用センサとして広く一般に利用されている。近年、これら携帯用デジタル機器の小型化、機能の高集積化が益々進められるに伴い、圧電振動ジャイロへの更なる小型・低コスト化の要求も高まってきた。
しかしながら、圧電振動ジャイロの小型化を図る上で、振動子の加工精度、組み立て精度のバラツキの相対的な増加に対し効率の良い補正手段を考える必要が生じている。
これらのバラツキの中に、配線間の静電容量がある。振動子の小型化に伴い、全体の静電容量が小さくなっているため、振動子内の駆動電極と検出電極の間隔も狭くなり、加工精度、組み立て精度のバラツキの影響が顕著になる。この静電容量のバラツキによって最も問題となるのは、駆動信号の検出電極へのクロストークである。
そこで、上記振動ジャイロのクロストークの調整方法として、次のような先行文献がある(例えば、特許文献1参照)。図6は、従来の振動ジャイロ用振動子を示す斜視図である。角速度センサ111は基板112に取付けると共に、基板112には角速度センサ111の周囲に位置して駆動信号を入力する駆動用配線113、114と検出用配線115、116を配置する。また、駆動用配線113、114には、検出用配線115と並行して延在する第1の調整用電極117、118を設けると共に、検出用配線116と並行して延在する第2の調整用電極119、120を配置する。そして、これらの調整用電極117〜120を部分的に切除することによって、駆動用配線113、114と検出用配線115、116との間の静電容量C1〜C4を個別に減少させることができ、検出用配線115、116に対する駆動信号のクロストークをほぼ等しくすることができる。検出用配線115、116の角速度による検出信号は、互いに逆位相であり、差動回路によって信号処理を行うことができる。同時に、信号に混入した駆動信号のクロストーク成分は、同位相の信号であり、差動回路によって信号処理を行うことで相殺することができる。
同様に、駆動用配線113、114と検出用配線115、116の間に、チップコンデンサ等を実装することによって、駆動用配線113、114と検出用配線115、116との間の静電容量C1〜C4を個別に増加させることができ、検出用配線115、116に対する駆動信号のクロストークをほぼ等しくすることができる。なお、図6において、118Aは第1の調整用電極の切除部分を示している。また、111Aは振動体、111B、111Cは駆動電極、111D、111Eは検出電極、113A、114A、115A、116Aは基板側電極パッド、113B、114B、115B、116Bはボンディングワイヤ、111B1、111C1、111D1、111E1は電極パッドである。
特開2003−57038号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、基板表面のみにクロストークの調整用電極が配置されており、クロストークの調整用電極の容量を十分に確保するには、大きな基板の面積が必要となり、小型化、コストに不利である。また、基板上にチップ部品を実装することは、小型化の妨げとなり現実的ではなく、部品、実装コスト面においても不利である。
そこで、本発明の課題は、上記課題を解決し、安価で小型化に適した振動ジャイロ用振動子およびその製造方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、振動ジャイロ用振動子には、駆動振動モードを励振する駆動電極と検出振動モードを検出する検出電極の他に、調整用電極を振動ジャイロ用振動子の表裏両面に配置した。振動ジャイロ用振動子の裏面は、実装基板と対向して実装されるため、裏面は実装後に露出していない。しかし、振動ジャイロ用振動子の裏面に配置した調整用電極は、対向する表面に調整用電極が配置されないように構成し、レーザー光透過材料を用いることにより、表面から振動ジャイロ用振動子を透過させて、レーザー光を照射することにより、裏面の調整用電極を調整し、駆動信号の検出電極へのクロストークのバランス調整することができる。
また、調整用電極を振動ジャイロ用振動子の表裏両面に配置することができるため、裏面の電極を無理に表面に引き回しの配線を行う必要がないため、電極設計に自由度が高くなり、効率良く、電極を配置できる。
したがって、振動ジャイロ用振動子の表裏両面に配置された調整用電極を調整することにより、駆動信号の検出電極へのクロストークの大きさを等しくすることができる。同位相で同じ振幅のクロストークは、差動回路等の信号処理によって、容易に取り除くことが可能である。
本発明によれば、駆動振動および検出振動の振動を行う可動部、前記可動部を接続した基部を一体的に形成し、前記可動部および前記基部の表裏両面に、駆動電極および検出電極を配置し、前記駆動振動を励振する駆動手段、前記検出振動を検出する検出手段を有した、振動ジャイロ用振動子であって、前記可動部および前記基部は、レーザー光を透過する材料で構成され、前記可動部および前記基部表裏両面に調整用電極を配置し、表面の前記調整用電極と裏面の前記調整用電極は、対向しないように配置し、レーザー光で前記調整用電極のすべて、または、一部が除去されたことを特徴とする振動ジャイロ用振動子が得られる。
また、駆動振動および検出振動の振動を行う可動部、前記可動部を接続した基部を一体的に形成し、前記可動部および前記基部の表裏両面に、駆動電極および検出電極を配置し、前記駆動振動を励振する駆動手段、前記検出振動を検出する検出手段を有した、振動ジャイロ用振動子の製造方法であって、前記可動部および前記基部は、レーザー光を透過する材料で構成し、前記可動部および前記基部表裏両面に調整用電極を配置し、表面の前記調整用電極と裏面の前記調整用電極は、対向しないように配置し、レーザー光で前記調整用電極のすべて、または、一部が除去することを特徴とする振動ジャイロ用振動子の製造方法が得られる。
以上の手段を用いる本発明によれば、調整用電極を振動ジャイロ用振動子の表裏両面に配置することができるため、裏面の電極を無理に表面に引き回しの配線を行う必要がないため、電極設計に自由度が高くなり、効率良く、電極を配置できる。静電容量の調整は、レーザー光によって行う。振動ジャイロ用振動子の表面に配置された調整用電極は直接照射し、振動ジャイロ用振動子の裏面に配置された調整用電極には、表面から振動ジャイロ用振動子を透過して照射し、容易に静電容量の調整を行うことができる。
静電容量の調整が容易で、クロストークを除去することができるため、生産性が高く、高精度な振動ジャイロ用振動子が得られる。すなわち、本発明の効果は、小型化に適した低コストで高精度な振動ジャイロ用振動子およびその製造方法を提供できることである。
本発明による振動ジャイロ振動子およびその製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
図3は本発明の実施の形態における振動ジャイロ用振動子の上面図である。図3(a)は表面、図3(b)は裏面を示す。2.7mm×3.8mm、厚さ0.25mmの四辺形状のニオブ酸リチウム圧電単結晶板に穴加工を施すことで、1枚の圧電単結晶板の同一面内に、付加質量部4a〜4dが、ビーム3a〜3hによって、枠体2に接続された形状の振動ジャイロ用振動子1(以下 振動子1)を形成している。付加質量部4a〜4dには、それぞれ、ビーム3a〜3dが接続されているが、各付加質量部の左端にビームが接続されているため、本実施の形態では、振動子1は、紙面に対して、上下対称、左右非対称な形状となっている。振動子1を形成しているニオブ酸リチウム圧電単結晶板は、420nm〜5200nmの波長透過帯域を持つ材料であり、その波長帯のレーザー光、例えばニオブ酸リチウム圧電単結晶板の場合、Greenレーザー(波長1064nm)を用いれば、透過することができる。以下、ニオブ酸リチウム圧電単結晶板の例で説明するが、圧電単結晶材料としては、水晶(波長透過帯域220nm〜2200nm)、タンタル酸リチウム等、レーザー光を透過する他の材料であっても良い。
また、ビーム3aの表裏両面には検出電極6a、基準電位電極7c、7dを、ビーム3bの表裏両面には検出電極6b、基準電位電極7f、7gを、ビーム3cの表裏両面には検出電極6c、基準電位電極7f、7hを、ビーム3dの表裏両面には検出電極6d、基準電位電極7c、7eを、ビーム3eの表裏両面には駆動電極5a、基準電位電極7aを、ビーム3fの表裏両面には駆動電極5b、基準電位電極7bを形成した。各電極は、クロムを下地とした金により電極を形成した。この振動子1の場合は、ビーム3a〜3fと付加質量部4a〜4dが可動部に該当し、枠体2とビーム3g、3hが基板に該当する。
本実施の形態においては、可動部および基部の表裏両面に、駆動電極、検出電極、基準電位電極、調整用電極を形成したが、その他の構成として、可動部および基部の表面に、駆動電極、検出電極、基準電位電極、調整用電極とし、裏面に調整電極を形成しても良い。また、可動部および基部の表面に、調整用電極とし、裏面に駆動電極、検出電極、基準電位電極、調整電極を形成しても良い。
ここで、本実施の形態における振動ジャイロの動作原理について説明する。図1は本実施の形態における振動ジャイロの振動モードを示す図である。すなわち、図1(a)、図1(b)、図1(c)は未動作時の変形前の状態を示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図であり、図1(d)、図1(e)、図1(f)はXモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図であり、図1(g)、図1(h)、図1(i)はYモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図であり、図1(j)、図1(k)、図1(l)はZモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図である。
図1(d)〜図1(f)に示すXモードでは、図3を同時に参照し、2つの同位相の付加質量部4a、4cと、2つの同位相の付加質量部4b、4dとが互いに逆位相で、且つ、付加質量部をX軸方向に振動する。この駆動モードは、非常に対称性が良く、ビーム3e、3fに捩れを発生させるが、ビーム3e、3fの接続部で力が相殺され、その結果、ビーム3g、3hに接続された枠体2への振動の伝播は少なく、枠体2全体がノード点となる。
Xモードを励振した状態で、Y軸(第1の軸)と平行な軸回りの角速度を印加すると、付加質量部には、コリオリ力が働き、付加質量部4a、4cと、付加質量部4b、4dとが互いに逆位相で、Z軸方向に振動する。この振動の検出には、図1(j)〜図1(l)に示すZモードを利用できる。このZモード(第1の検出モード)は、2つの同位相のビーム3a、3cと、2つの同位相のビーム3b、3dとが互いに逆位相で、Z軸方向に屈曲振動する。ビーム3a、3bと、ビーム3c、3dが、それぞれ音叉振動する振動モードである。音叉振動であるため、ビーム3a、ビーム3dの振動による力と、ビーム3bおよびビーム3cの振動による力とは、ビーム3eとビーム3fの接続部で相殺され、その結果、ビーム3g、3hに接続された枠体2への振動の伝播は少なく、枠体2全体がノード点となる。この時、Xモードの振動速度が一定であれば、これらの発生した、Zモードの振幅の大きさは、印加した角速度に比例し、これらの振動を電気的に取り出せば、角速度センサとして機能する。
同様に、Xモードを励振した状態で、Z軸と平行な軸回りの角速度を印加すると、付加質量部には、コリオリ力が働き、付加質量部4a、4cと、付加質量部4b、4dとが互いに逆位相で、Y軸方向に力を受ける。しかし、付加質量部4a〜4dには、それぞれビーム3a〜3dが接続され、Y軸方向の変位が制限されている。したがって、それぞれの付加質量部は、回転し、Z軸方向に振動することとなる。
ここで、前述の通り、振動子は、左右非対称な構造を有している。この非対称性により、ビーム3a、3dと、ビーム3b、3cとが互いに逆位相で、Z軸方向に屈曲振動する。すなわち、Xモードを励振することで、付加質量部4a、4cが+X方向の速度を持ち、付加質量部4b、4dが−X方向の速度を持った状態において、Z軸(第2の軸)と平行な軸回りの角速度を印加し、コリオリ力が発生すると、付加質量部4a、4cは、−Y方向に力を受け、付加質量部4b、4dは、+Y方向に力を受ける。しかし、ビーム3a〜3dの存在により、Y軸方向の変位を制限するため、それぞれの付加質量部は、ビームとの接続部を中心に回転しようとする。その結果、付加質量部4a、4dは、−Z方向に変位し、付加質量部4b、4cは、+Z方向に変位する。したがって、ビーム3a、3dと、ビーム3b、3cとが互いに逆位相で、Z軸方向に屈曲振動する。
この振動の検出には、Yモードを利用できる。このYモード(第2の検出モード)は、2つの同位相のビーム3a、3dと、2つの同位相のビーム3b、3cとが互いに逆位相で、Z軸方向に屈曲振動する。ビーム3a、3bと、ビーム3c、3dが、それぞれ音叉振動する振動モードである。音叉振動であるため、ビーム3a、3dの振動による力と、ビーム3b、3cの振動による力は、ビーム3eとビーム3fの接続部では相殺され、その結果、ビーム3g、3hに接続された枠体2への振動の伝播は少なく、枠体2全体がノード点となる。この時、Xモードの振動速度が一定であれば、これらの発生した、Yモードの振幅の大きさは、印加した角速度に比例し、これらの振動を電気的に取り出せば、角速度センサとして機能する。
上記の振動の励振および検出には、振動子1に配置した電極を用いる。図3に示したビーム3e、3fに形成した駆動電極5a、5bにXモードの共振周波数の電気信号を入力することでXモードを励振し、ビーム3a〜3dに形成した検出電極6a〜6dに生じる電荷を検出することで、YモードおよびZモードの振動が検出できる。
この各電極の配置は、それぞれの振動モードにおけるビームの表面に発生する電荷の分布を解析して決定される。図2は本発明の実施の形態における電荷の分布を示す模式図である。図2(a)、図2(d)はXモードでの電荷の分布を示す模式図、図2(b)、図2(e)はYモードでの電荷の分布を示す模式図、図2(c)、図2(f)はZモードでの電荷の分布を示す模式図である。また、図2(a)、図2(b)、図2(c)は、振動子の表面の電荷分布を示す模式図、図2(d)、図2(e)、図2(f)は、振動子の裏面の電荷分布を示す模式図である。図2において、「+」と「−」は、発生電荷の極性を示し、楕円は、その範囲を示している。この電荷分布は、選択した材料によって異なり、さらに異方性材料であれば、結晶の方位によっても様々な分布を示す。
図4は、本実施の形態における結晶方位を示す図である。本実施の形態に使用したニオブ酸リチウムからなる圧電単結晶板は、図4に示すように厚さ0.25mmにXカットされた素板から、圧電単結晶のZ’軸と振動子のZ軸とが成す角度が50度になるように切り出されたもので、各モードにおける表面に発生する電荷の分布は図2に示した様になる。この電荷分布を考慮して、図3に示すように、ビーム3e、3fの表面にXモードの振動を励振させるための駆動電極5a、5bと、基準電位電極7a、7bとをそれぞれ配置している。
同様に、ビーム3a〜3dの表面に、YモードおよびZモードの振動検出用の検出電極6a〜6dと基準電位電極7c〜7hを配置した。検出電極6a〜6dには、YモードおよびZモードの電荷が発生するが、それぞれ発生する電荷の極性が異なるため、加算や差動回路によって、Yモードによる発生電荷とZモードによる発生電荷とを区別することが可能である。
図5は、本発明の実施の形態における振動ジャイロの回路を示すブロック図である。駆動手段として、電流検出回路9eと、移相回路10aと、AGC回路11(オートゲインコントロール回路)とを有し、検出手段として、電流検出回路9a〜9dと、加算回路14a〜14dと、差動回路13a、13bと、移相回路10bと、同期検波回路15a、15bと、フィルタ回路16a、16bとを有し、また各回路の動作基準電位を設定するための基準電位回路12を有する。
Xモードの周波数で、駆動電極5a、5bを駆動するには、駆動状態を一定に保つためのAGC回路11の出力を駆動電極5a、5bに接続し、電流検出回路9eを基準電位電極7a、7bに接続する。電流検出回路9eの仮想接地の効果により、基準電位電極7a、7bの電位は、基準電位に固定され、駆動電極5a、5bと基準電位電極7a、7bの間に駆動電圧を印加することが可能となる。
駆動電極5a、5bに流れる駆動電流は、基準電位電極の7a、7bの電位を電流検出回路9eで検出、移相回路10aで移相調整、AGC回路11で振幅調整され、駆動電極5a、5bに再び印加される。この閉ループにより、Xモードの共振周波数で自励発振させることができる。同時に、AGC回路11の出力は、移相回路10bを通り、同期検波回路15a、15bの参照信号として入力される。Xモードを自励発振させた状態で、Z軸回りの角速度を印加すると、Yモードの振動が発生する。Yモードの振動により、図2(b)、図2(e)に示す電荷が発生する。
したがって、検出電極6a、6dと検出電極6b、6cには、互いに逆位相の電荷が発生する。検出電極6a〜6dには、電流検出回路9a〜9dがそれぞれ接続され、それぞれの信号が電圧に変換される。加算回路14aには、電流検出回路9aと電流検出回路9d、加算回路14bには、電流検出回路9bと電流検出回路9cが接続され、同相成分同士の信号を加え合わせる。加算回路14aと加算回路14bは、逆相の信号が出力されるため、差動回路13aで増幅することができ、同期検波回路15a、フィルタ回路16aによって、Z軸回りの角速度に比例した電気信号として取り出すことが可能となる。
同様に、Y軸回りの角速度を印加すると、Zモードの振動が発生する。Zモードの振動により、図2(c)、図2(f)のような電荷が発生する。したがって、検出電極6a、6cと検出電極6b、6dには、互いに逆位相の電荷が発生する。加算回路14cには、電流検出回路9aと電流検出回路9c、加算回路14dには、電流検出回路9bと電流検出回路9dが接続され、同相成分同士の信号を加え合わせる。加算回路14cと加算回路14dは、逆相の信号が出力されるため、差動回路13bで増幅することができ、同期検波回路15b、フィルタ回路16bによって、Y軸回りの角速度に比例した電気信号として取り出すことが可能となる。
また、Yモードによる発生電荷は、加算回路14c、14dによって、相殺され、Zモードによる発生電荷は、加算回路14a、14bによって、相殺される。したがって、フィルタ回路16aの出力は、Z軸回りのみの角速度に比例した出力、フィルタ回路16bの出力は、Y軸回りのみの回転角速度に比例した出力が得られる。すなわち、本実施の形態による振動ジャイロは、Y軸およびZ軸の2軸の角速度検出が可能な角速度センサとして機能する。
ここで、製品の製造時において、各電極の配置位置のバラツキ、電極寸法のバラツキ、素子の実装位置のバラツキ、実装基板の内部配線形状のバラツキ等により、各電極間の静電容量に、バラツキを生じる。特に大きな問題となるのが、駆動電極と検出電極との間の静電容量のバラツキである。この静電容量のバラツキにより、駆動信号のそれぞれの検出電極へのクロストークの大きさにバラツキを生じる。前述の回路構成では、差動回路が含まれるため、同位相で同振幅のクロストークであれば、信号処理によりクロストークを除去することが可能である。しかし、クロストークの大きさにバラツキを生じれば、除去することができず、角速度信号となってセンサの出力に現れることとなる。
そこで、図3(a)、図3(b)に示すように調整用電極20a〜20eを配置した。調整用電極20aは、駆動電極5a、5bに接続され、調整用電極20b〜20eは、それぞれ検出電極6a〜6dに接続されている。調整用電極20b〜20eは、レーザー光によって、電極のすべて、または、一部を除去することが可能である。これらの電極を除去することにより、駆動電極5a、5bから、検出電極6a〜6dへのクロストークの大きさを調整することができる。調整用電極20b、20cは、振動子1の表面に配置され、レーザー光を直接照射することで、除去することができる。調整用電極20d、20eは、振動子1の裏面に配置され、振動子1がパッケージ等に実装された場合、露出しておらず、直接、レーザー光を照射することができない。しかし、調整用電極20d、20eの対向する面には、電極が配置されないように構成しているので、振動子1を透過したレーザー光によって、調整用電極20d、20eを除去することができる。具体的には、ニオブ酸リチウムの圧電単結晶板の場合には、Greenレーザー(波長1064nm)を用いて、調整用電極20a〜20eの厚みに合わせて強度を調整して照射することにより、静電容量の調整を行うことが可能である。
実際のレーザー光による調整用電極の調整の手順について、説明する。振動ジャイロ用振動子1の基部を固定し、振動子1に角速度が与えられないようにして、図5の回路図によって、振動ジャイロ用振動子を駆動する。その時、電流検出回路9a〜9dの出力電圧波形を、オシロスコープ等によって測定する。この電流検出回路9a〜9dの出力電圧波形が、一致または振幅0(ゼロ)になるように、レーザー光により調整用電極を調整(トリミング)する。この電流検出回路9a〜9dの出力波形が一致または振幅0になることで角速度が与えられない時(無回転時)の差動回路13a、13bの出力は、0となり、フィルタ回路16a、16bの出力も0となる。この調整に問題があると、無回転時でもフィルタ回路16a、16bの出力にオフセット電圧が発生し角速度を検出したような誤差出力をする。
したがって、前述の通り、表面に配置された調整用電極20b〜20eを調整することにより、調整用電極20aと調整用電極20b〜20eの間の4つの静電容量をすべて等しい大きさに調整することができる。その結果、駆動電極から検出電極へのクロストークは、すべて同位相、同振幅となり、差動回路等の信号処理により、クロストークを除去することが可能となる。
以上の手段を用いる本発明によれば、調整用電極を振動ジャイロ用振動子の両面に配置することができるため、裏面の電極を無理に表面に引き回して配線を行う必要がないため、電極設計に自由度が高くなり、効率良く、電極を配置できる。静電容量の調整は、レーザー光によって行う。振動ジャイロ用振動子の表面に配置された調整用電極は直接照射し、振動ジャイロ用振動子の裏面に配置された調整用電極には、表面から振動ジャイロ用振動子を透過して照射し、静電容量の調整を行う。容易に静電容量を調整し、クロストークを除去することができるため、生産性が高く、高精度な振動ジャイロ用振動子が得られる。すなわち、本発明により、小型化に適した低コストで高精度な振動ジャイロ用振動子およびその製造方法を提供できる。
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明の振動ジャイロ用振動子およびその製造方法を用いることにより、カーナビゲーション装置、各種ロボットの姿勢制御用、カメラの手振れ補正用、に代表される多様なジャイロにおいて、検出する角速度に適したシステムを簡便に構築することができる。
本発明の実施の形態における振動ジャイロの振動モードを示す図。図1(a)、図1(b)、図1(c)は未動作時の変形前の状態を示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図、図1(d)、図1(e)、図1(f)はXモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図、図1(g)、図1(h)、図1(i)はYモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図、図1(j)、図1(k)、図1(l)はZモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図。 本発明の実施の形態における電荷の分布を示す模式図。図2(a)、図2(d)はXモードでの電荷の分布を示す模式図、図2(b)、図2(e)はYモードでの電荷の分布を示す模式図、図2(c)、図2(f)はZモードでの電荷の分布を示す模式図。図2(a)、図2(b)、図2(c)は、振動子の表面の電荷分布を示す模式図、図2(d)、図2(e)、図2(f)は、振動子の裏面の電荷分布を示す模式図。 本発明の実施の形態における振動ジャイロ用振動子の上面図。図3(a)は表面を示し、図3(b)は裏面を示す。 本発明の実施の形態における結晶方位を示す図。 本発明の実施の形態における振動ジャイロの回路を示すブロック図。 従来の振動ジャイロ用振動子を示す斜視図。
符号の説明
1 振動ジャイロ用振動子(振動子)
2 枠体
3a〜3h ビーム
4a〜4d 付加質量部
5a、5b 駆動電極
6a〜6d 検出電極
7a〜7h 基準電位電極
9a〜9e 電流検出回路
10a、10b 移相回路
11 AGC回路
12 基準電位回路
13a、13b 差動回路
14a〜14d 加算回路
15a、15b 同期検波回路
16a、16b フィルタ回路
20a〜20e 調整用電極
111 角速度センサ
111A 振動体
111B、111C 駆動電極
111B1、111C1 電極パッド
111D、111E 検出電極
111D1、111E1 電極パッド
112 基板
113、114 駆動用配線
113A、114A 基板側電極パッド
113B、114B ボンディングワイヤ
115、116 検出用配線
115A、116A 基板側電極パッド
115B、116B ボンディングワイヤ
117、118 第1の調整用電極
119、120 第2の調整用電極
118A 第1の調整用電極の切除部分
C1〜C4 静電容量

Claims (2)

  1. 駆動振動および検出振動の振動を行う可動部、前記可動部を接続した基部を一体的に形成し、
    前記可動部および前記基部の表裏両面に、駆動電極および検出電極を配置し、
    前記駆動振動を励振する駆動手段、前記検出振動を検出する検出手段を有した、
    振動ジャイロ用振動子であって、
    前記可動部および前記基部は、レーザー光を透過する材料で構成され、
    前記可動部および前記基部表裏両面に調整用電極を配置し、
    表面の前記調整用電極と裏面の前記調整用電極は、対向しないように配置し、レーザー光で前記調整用電極のすべて、または、一部が除去されたことを特徴とする振動ジャイロ用振動子。
  2. 駆動振動および検出振動の振動を行う可動部、前記可動部を接続した基部を一体的に形成し、
    前記可動部および前記基部の表裏両面に、駆動電極および検出電極を配置し、
    前記駆動振動を励振する駆動手段、前記検出振動を検出する検出手段を有した、
    振動ジャイロ用振動子の製造方法であって、
    前記可動部および前記基部は、レーザー光を透過する材料で構成し、
    前記可動部および前記基部表裏両面に調整用電極を配置し、
    表面の前記調整用電極と裏面の前記調整用電極は、対向しないように配置し、レーザー光で前記調整用電極のすべて、または、一部が除去することを特徴とする振動ジャイロ用振動子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11555702B2 (en) 2015-08-26 2023-01-17 Seiko Epson Corporation Physical quantity detection device, manufacturing method for physical quantity detection device, electronic apparatus, and moving object

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