JP2009058313A - 振動ジャイロ用振動子およびその調整方法 - Google Patents

振動ジャイロ用振動子およびその調整方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 安価で小型化に適した振動ジャイロを作製するための振動ジャイロ用振動子およびその調整方法を提供すること。
【解決手段】 振動ジャイロ用振動子には、駆動振動モードを励振する駆動電極と検出振動モードを検出する検出電極の他に、調整用電極20a、20b、20c、20d、20eを振動ジャイロ用振動子の表裏両面にわたって配置した。振動ジャイロ用振動子の裏面は、実装基板と対向して実装されるため、裏面は実装後に露出しておらず、裏面に配置された調整用電極20eは、実装後に調整することができない。しかし、振動ジャイロ用振動子の表側の面に配置した調整用電極20a、20b、20c、20dは、駆動電極と検出電極の間の容量調整に十分な大きさを持ち、表側の面に配置した調整用電極20b、20c、20dの調整のみで、駆動信号の検出電極へのクロストークをバランス調整する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、主として自動車のナビゲーションシステムや姿勢制御装置、カメラ一体型VTRの手振れ防止装置等に用いられるジャイロスコープで、振動ジャイロ用振動子およびその調整方法に関するものである。
振動ジャイロは、速度を持つ物体に角速度が与えられると、その物体自身に速度方向と直角な方向にコリオリ力が発生するという力学現象を利用した角速度センサである。その振動子に電気的な信号を印加することで機械的な振動(駆動振動モード)を励起させることができ、且つ、駆動振動と直交する方向の機械的な振動(検出振動モード)の大きさを電気的に検出可能とした系において、予め、駆動振動モードを励振した状態で、駆動振動モードの振動面と検出振動モードの振動面との交線と平行な軸を中心とした角速度を与えると、前述のコリオリ力の作用により、検出振動モードが発生し、出力電圧として検出される。検出された出力電圧は駆動振動モードの大きさおよび角速度に比例するため、駆動振動モードの大きさを一定にした状態では、出力電圧の大きさから角速度の大きさを求めることができる。振動ジャイロの中でも、電気的信号と機械的振動の変換を圧電効果で行うものを圧電振動ジャイロと呼ぶ。
小型で安価な圧電振動ジャイロは、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の手振れ検出用センサとして広く一般に利用されている。近年、これら携帯用デジタル機器の小型化、機能の高集積化が益々進められるに伴い、圧電振動ジャイロへの更に小型・低コスト化の要求も高まってきた。
しかしながら、圧電振動ジャイロの小型化を図る上で、振動子の加工精度、組み立て精度のバラツキの相対的な増加に対し効率の良い補正手段を考える必要が生じている。
これらのバラツキの中に、配線間の静電容量がある。素子の小型化に伴い、全体の静電容量が小さくなっているが、駆動電極と検出電極の間隔も狭くなり、加工精度、組み立て精度のバラツキの相対的な増加が顕著になる。この静電容量のバラツキによって最も問題となるのは、駆動信号の検出電極へのクロストークである。
そこで、上記補正のための振動ジャイロの調整方法として、特許文献1の例がある。図6にその構成を示す。角速度センサ111は基板112に取付けると共に、基板112には角速度センサ111の周囲に位置して駆動信号を入力する駆動用配線113、114と検出用配線115、116を配設する。また、駆動用配線113、114には、検出用配線115に沿って延びる第1の調整用電極117、118を設けると共に、検出用配線116に沿って延びる第2の調整用電極119、120を設ける。そして、これらの調整用電極117〜120を部分的に切除することによって、駆動用配線113、114と検出用配線115、116との間の静電容量C1′〜C4′を個別に減少させることができ、検出用配線115、116に対する駆動信号のクロストークをほぼ等しくすることができる。また検出用配線115、116の角速度による検出信号は、互いに逆位相であり、差動回路によって信号処理を行うことができる。同時に、信号に混入した駆動信号のクロストーク成分は、同位相の信号であり、差動回路によって信号処理を行うことで相殺することができる。
同様に、駆動用配線113または114と検出用配線115または116の間に、チップコンデンサ等を実装することによって、駆動用配線113、114と検出用配線115、116との間の静電容量C1′〜C4′を個別に増加させることができ、検出用配線115、116に対する駆動信号のクロストークをほぼ等しくすることができる。なお、図6において、118Aは第1の調整用電極の切除部分を示している。また、111Aは振動体、111B、111Cは駆動電極、111D、111Eは検出電極、113A、114A、115A、116Aは基板側電極パッド、113B、114B、115B、116Bはボンディングワイヤ、111B1、111C1、111D1、111E1は電極パッドである。
特開2003−57038号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、基板表側の面のみに調整用電極が配置されており、調整用電極の容量を十分に確保するには、大きな基板の面積が必要となり、小型化、コストには不利である。また、基板上にチップ部品を実装することは、小型化の妨げとなり現実的ではない。部品、実装コスト面においても不利である。
そこで、本発明の課題は、安価で小型化に適した振動ジャイロを作製するための振動ジャイロ用振動子およびその調整方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、振動ジャイロ用振動子には、駆動振動モードを励振する駆動電極と検出振動モードを検出する検出電極の他に、調整用電極を振動ジャイロ用振動子の表裏両面に配置した。振動ジャイロ用振動子の裏面は、実装基板と対向して実装されるため、裏面は実装後に露出しておらず、裏面に配置された調整用電極は、実装後に調整することができない。しかし、振動ジャイロ用振動子の表側の面に配置した調整用電極は、駆動電極と検出電極の間の容量調整に十分な大きさを持ち、表側の面に配置した調整用電極の調整のみで、駆動信号の検出電極へのクロストークをバランス調整する。
すなわち、本発明の振動ジャイロ用振動子は、駆動振動および検出振動の振動を行う可動部、この可動部を接続した基部が平板形状で一体的に形成され、前記可動部および前記基部の主面の一方に駆動電極および検出電極が形成され、前記駆動振動を励振する駆動手段および前記検出振動を検出する検出手段と合わせて振動ジャイロを構成する振動ジャイロ用振動子において、前記平板形状の表側の第1主面および基板に対向する側の第2主面の両面に分配するように、駆動用電極に接続した調整用電極と、検出電極に接続した調整用電極とが形成され、前記第2主面に形成され駆動電極に接続した調整用電極と、同じく第2主面に形成され1つの検出用電極に接続した調整用電極との間に発生する静電容量について所定の作製工程を繰り返して得られる値の平均値をXとし、標準偏差をσとするとき、前記第1主面に形成され駆動電極に接続した調整用電極と、同じく第1主面に形成され他の検出電極に接続した調整用電極との間の静電容量が前記平均値Xと前記標準偏差σの2倍との和であるX+2σより大きいことを特徴とする。こうすると、振動ジャイロ用振動子の両面に調整用電極を配置することができるため、1面のみに電極を配置する場合に比べ、調整可能な静電容量を大きくすることができると共に、表側の面に配置した調整用電極の調整のみでクロストークのバランス調整が可能となる。
また、本発明の振動ジャイロ用振動子の調整方法は、前記振動ジャイロ用振動子の前記第1主面に形成された前記調整用電極の少なくとも一部を除去し、前記駆動電極と前記検出電極との間の静電容量を減少させることで前記駆動電極と複数の検出電極との間の静電容量をほぼ等しくすることを特徴とする。
こうして、振動ジャイロ用振動子の表側の面に配置された調整用電極のみを調整することにより、表側の面の静電容量と裏面の静電容量の大きさを一致させることが可能となり、駆動信号の検出電極へのクロストークの大きさを等しくすることができる。なお、同位相で同じ振幅のクロストークは、差動回路等の信号処理によって、容易に取り除くことが可能である。
以上の手段を用いる本発明によれば、静電容量を調整するための調整用電極を振動ジャイロ用振動子の両面に配置することが可能である。そのため、1面だけの電極配置に比べ、大きな静電容量が得られ、小型化に適している。また、静電容量の調整は、振動ジャイロ用振動子の表側の面に配置された調整用電極のみで行う。更に、容易に静電容量を調整し、クロストークを除去することができるため、生産性が高く、高精度な振動ジャイロ用振動子が得られる。すなわち、本発明の効果は、小型化に適した低コストで高精度な振動ジャイロ用振動子およびその調整方法を提供できることである。
本発明による振動ジャイロの調整方法を一実施の形態にて詳細に説明する。
図3は本発明の一実施の形態での振動ジャイロ用振動子を示し、図3(a)はその表側の面を示す平面図であり、図3(b)はその裏面を上に向けたときの平面図である。2.7mm×3.8mm×厚さ0.25mmの四辺形状のニオブ酸リチウム圧電単結晶板に穴加工を施すことで、1枚の圧電単結晶板の同一面内に、付加質量部4a〜4dを、ビーム3a〜3hによって、枠体2に接続し、振動子1を形成している。付加質量部4a〜4dには、それぞれ、ビーム3a〜3dが接続されているが、各付加質量部の左端にビームが接続されているため、本実施の形態では、振動子1は、紙面内で、上下対称、左右非対称な形状となっている。
また、ビーム3aの表裏面には検出電極6a、基準電位電極7c、7dを、ビーム3bの表裏面には検出電極6b、基準電位電極7f、7gを、ビーム3cの表裏面には検出電極6c、基準電位電極7f、7hを、ビーム3dの表裏面には検出電極6d、基準電位電極7c、7eを、ビーム3eの表裏面には駆動電極5a、基準電位電極7aを、ビーム3fの表裏面には駆動電極5b、基準電位電極7bを形成した。各電極は、クロムを下地とした金により電極を形成した。なお、本実施の形態では、検出電極、基準電位電極および駆動電極を振動子の表裏両面に設けることで、効率を高め小型化をはかったが、それらの電極を振動子の片面にのみ設けることもできる。
ここで、本実施の形態による振動ジャイロの動作原理について説明する。図1は本実施の形態における振動ジャイロの振動モードを示す図である。すなわち、図1(a)、図1(b)、図1(c)は未動作時の変形前の状態を示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図であり、図1(d)、図1(e)、図1(f)はXモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図であり、図1(g)、図1(h)、図1(i)はYモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図であり、図1(j)、図1(k)、図1(l)はZモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図である。
図1(d)〜図1(f)に示すXモードでは、図3を同時に参照し、2つの同位相の付加質量部4aおよび4cと、2つの同位相の付加質量部4bおよび4dとが互いに逆位相で、且つ、付加質量部をX軸方向に振動する。この駆動モードは、非常に対称性が良く、ビーム3e、3fに捩れを発生させるが、ビーム3e、3fの接続部で力が相殺され、その結果、ビーム3g、3hに接続された枠体2への振動の伝播は少なく、枠体2全体がノード点となる。
Xモードを励振した状態で、Y軸(第1の軸)と平行な軸回りの角速度を印加すると、付加質量部には、コリオリ力が働き、付加質量部4aおよび4cと、付加質量部4bおよび4dとが互いに逆位相で、Z軸方向に振動する。この振動の検出には、図1(j)〜図1(l)に示すZモードを利用できる。このZモード(第1の検出モード)は、2つの同位相のビーム3aおよび3cと、2つの同位相のビーム3bおよび3dとが互いに逆位相で、Z軸方向に屈曲振動する。ビーム3aおよび3bと、ビーム3cおよび3dが、それぞれ音叉振動する振動モードである。音叉振動であるため、ビーム3aおよびビーム3dの振動による力と、ビーム3bおよびビーム3cの振動による力とは、ビーム3eとビーム3fの接続部で相殺され、その結果、ビーム3g、3hに接続された枠体2への振動の伝播は少なく、枠体2全体がノード点となる。この時、Xモードの振動速度が一定であれば、これらの発生した、Zモードの振幅の大きさは、印加した角速度に比例し、これらの振動を電気的に取り出せば、角速度センサとして機能する。
同様に、Xモードを励振した状態で、Z軸と平行な軸回りの角速度を印加すると、付加質量部には、コリオリ力が働き、付加質量部4aおよび4cと、付加質量部4bおよび4dとが互いに逆位相で、Y軸方向に力を受ける。しかし、付加質量部4a〜4dには、それぞれビーム3a〜3dが接続され、Y軸方向の変位が制限されている。したがって、それぞれの付加質量部は、回転し、Z軸方向に振動することとなる。
ここで、前述の通り、振動子は、左右非対称な構造を有している。この非対称性により、ビーム3aおよび3dと、ビーム3bおよび3cとが互いに逆位相で、Z軸方向に屈曲振動する。すなわち、Xモードを励振することで、付加質量部4aおよび4cが+X方向の速度を持ち、付加質量部4bおよび4dが−X方向の速度を持った状態において、Z軸(第2の軸)と平行な軸回りの角速度を印加し、コリオリ力が発生すると、付加質量部4aおよび4cは、−Y方向に力を受け、付加質量部4bおよび4dは、+Y方向に力を受ける。しかし、ビーム3a〜3dの存在により、Y軸方向の変位を制限するため、それぞれの付加質量部は、ビームとの接続部を中心に回転しようとする。その結果、付加質量部4aおよび4dは、−Z方向に変位し、付加質量部4bおよび4cは、+Z方向に変位する。したがって、ビーム3aおよび3dと、ビーム3bおよび3cとが互いに逆位相で、Z軸方向に屈曲振動する。
この振動の検出には、Yモードを利用できる。このYモード(第2の検出モード)は、2つの同位相のビーム3aおよび3dと、2つの同位相のビーム3bおよび3cとが互いに逆位相で、Z軸方向に屈曲振動する。ビーム3aおよび3bと、ビーム3cおよび3dが、それぞれ音叉振動する振動モードである。音叉振動であるため、ビーム3aおよび3dの振動による力と、ビーム3bおよび3cの振動による力は、ビーム3eとビーム3fの接続部では相殺され、その結果、ビーム3g、3hに接続された枠体2への振動の伝播は少なく、枠体2全体がノード点となる。この時、Xモードの振動速度が一定であれば、これらの発生した、Yモードの振幅の大きさは、印加した角速度に比例し、これらの振動を電気的に取り出せば、角速度センサとして機能する。
上記の振動の励振および検出には、振動子1に配置した電極を用いる。図3に示したビーム3e、3fに形成した駆動電極5a、5bにXモードの共振周波数の電気信号を入力することでXモードを励振し、ビーム3a〜3dに形成した検出電極6a〜6dに生じる電荷を検出することで、YモードおよびZモードの振動が検出できる。
この各電極の配置は、それぞれの振動モードにおけるビームの表側の面に発生する電荷の分布を解析して決定した。図2は電荷の分布を示す模式図である。図2(a)、図2(d)はXモードでの電荷の分布を示す模式図、図2(b)、図2(e)はYモードでの電荷の分布を示す模式図、図2(c)、図2(f)はZモードでの電荷の分布を示す模式図である。また、図2(a)、図2(b)、図2(c)は、振動子の表側の面の電荷分布を示しており、図2(d)、図2(e)、図2(f)は、振動子の裏面の電荷分布を示している。図2において、「+」と「−」は、発生電荷の極性を示し、楕円は、その範囲を示している。この電荷分布は、選択した材料によって異なり、更に異方性材料であれば、結晶の方位によっても様々な分布を示す。
図4は、本実施の形態における結晶方位を示す図である。図4に示すように、本実施の形態に使用したニオブ酸リチウムからなる圧電単結晶板は、厚さ0.25mmにXカットされた素板から、圧電単結晶のZ’軸と振動子のZ軸とが成す角度が50度になるように切り出されたもので、各モードにおける表側の面に発生する電荷の分布は図2に示した様になる。この電荷分布を考慮して、図3に示すように、ビーム3eおよび3fの表側の面にXモードの振動を励振させるための駆動電極5a、5bと、基準電位電極7a、7bとをそれぞれ配置した。
同様に、ビーム3a〜3dの表側の面に、YモードおよびZモードの振動検出用の検出電極6a〜6dと基準電位電極7c〜7hを配置した。検出電極6a、6b、6c、6dには、YモードおよびZモードの電荷が発生するが、それぞれ発生する電荷の極性が異なるため、加算や差動回路によって、Yモードによる発生電荷とZモードによる発生電荷とを区別することが可能である。
図5は、本発明の一実施の形態における振動ジャイロの回路を示すブロック図である。駆動手段として、電流検出回路9eと、移相回路10aと、AGC回路11(オートゲインコントロール回路)とを有し、検出手段として、電流検出回路9a、9b、9c、9dと、加算回路14a、14b、14c、14dと、差動回路13a、13bと、移相回路10bと、同期検波回路15a、15bと、フィルタ回路16a、16bとを有し、また各回路の動作基準電位を設定するための基準電位回路12を有する。
Xモードの周波数で、駆動電極5aおよび5bを駆動するには、駆動状態を一定に保つためのAGC回路11の出力を駆動電極5aおよび5bに接続し、電流検出回路9eを基準電位電極7aおよび7bに接続する。電流検出回路9eの仮想接地の効果により、基準電位電極7aおよび7bの電位は、基準電位に固定され、駆動電極5aおよび5bと基準電位電極7aおよび7bの間に駆動電圧を印加することが可能となる。
駆動電極5aおよび5bに流れる駆動電流は、電流検出回路9eで検出、移相回路10aで位相調整、AGC回路11で振幅調整され、駆動電極5aおよび5bに再び印加される。この閉ループにより、Xモードの共振周波数で自励発振させることができる。同時に、AGC回路11の出力は、移相回路10bを通り、同期検波回路15aおよび15bの参照信号として入力される。Xモードを自励発振させた状態で、Z軸回りの角速度を印加すると、Yモードの振動が発生する。Yモードの振動により、図2(b)、図2(e)に示す電荷が発生する。
したがって、検出電極6aおよび6dと検出電極6bおよび6cには、互いに逆位相の電荷が発生する。検出電極6a〜6dには、電流検出回路9a〜9dがそれぞれ接続され、それぞれの信号が電圧に変換される。加算回路14aには、電流検出回路9aと9d、加算回路14bには、電流検出回路9bと9cが接続され、同相成分同士の信号を加え合わせる。加算回路14aと14bは、逆相の信号が出力されるため、差動回路13aで増幅することができ、同期検波回路15a、フィルタ回路16aによって、Z軸回りの角速度に比例した電気信号として取り出すことが可能となる。
同様に、Y軸回りの角速度を印加すると、Zモードの振動が発生する。Zモードの振動により、図2(c)、図2(f)のような電荷が発生する。したがって、検出電極6aおよび6cと検出電極6bおよび6dには、互いに逆位相の電荷が発生する。加算回路14cには電流検出回路9aと9c、加算回路14dには電流検出回路9bと9dが接続され、同相成分同士の信号を加え合わせる。加算回路14cと14dは、逆相の信号が出力されるため、差動回路13bで増幅することができ、同期検波回路15b、フィルタ回路16bによって、Y軸回りの角速度に比例した電気信号として取り出すことが可能となる。
また、Yモードによる発生電荷は、加算回路14c、14dによって相殺され、Zモードによる発生電荷は、加算回路14a、14bによって相殺される。したがって、フィルタ回路16aの出力はZ軸回りのみの角速度に比例した出力、フィルタ回路16bの出力はY軸回りのみの回転角速度に比例した出力が得られる。すなわち、本実施の形態による振動ジャイロは、Y軸およびZ軸の2軸の角速度検出が可能な角速度センサとして機能する。
ここで、製品の製造時において、各電極の配置位置のバラツキ、電極寸法のバラツキ、素子の実装位置のバラツキ、実装基板の内部配線形状のバラツキ等により、各電極間の静電容量に、バラツキを生じる。特に大きな問題となるのが、駆動電極と検出電極との間の静電容量のバラツキである。この静電容量のバラツキにより、駆動信号のそれぞれの検出電極へのクロストークの大きさにバラツキを生じる。前述の回路構成では、差動回路が含まれるため、同位相で同振幅のクロストークであれば、信号処理によりクロストークを除去することが可能である。しかし、クロストークの大きさにバラツキを生じれば、除去することができず、角速度信号となってセンサの出力に現れることとなる。
そこで、図3(a)、図3(b)に示す様に振動子表裏の両面にわたって調整用電極20a〜20eを配置する。調整用電極20aは、駆動電極5aおよび5bに接続され、調整用電極20b、20c、20d、20eは、それぞれ、検出電極6a、6b、6c、6dに接続されている。図3(b)に示した振動子裏面に配置された調整用電極20eと調整用電極20a(表側の面の調整用電極20aに接続されている。)との間の静電容量は、作製工程を定めてもバラツキが発生するが、その作製工程での平均値Xおよび標準偏差σを予め求める。
次に、図3(a)に示した振動子表側の面(第1主面)に配置された調整用電極20b〜20dと調整用電極20aとの間の静電容量(検出電極または駆動電極に接続された状態)が、裏面(第2主面)の調整用電極20eと調整用電極20aとの間の静電容量(それぞれ検出電極および駆動電極に接続された状態)の前記平均値Xに標準偏差σの2倍を加えた値X+2σより大きくなるように調整用電極20a〜20dの形状などを定める。
このように調整用電極を形成すると、裏面の調整用電極20eと調整用電極20aとの間に形成された静電容量を調整することなく、表側の面の調整用電極20b、20c、20dと調整用電極20aとの間の3つの静電容量をそれぞれ減少させる調整加工を施すことで、駆動電極と4つの検出電極との間の静電容量をほぼ等しい値にすることができる。なお、X+2σ以下の値に静電容量を設定すると調整の歩留まりが低下する。
ところで、上記平均値Xの目標設定値によって、裏面の調整用電極20aおよび20eの形状などを決定するが、その際、調整用電極を形成しないときの駆動電極と4つの検出電極との間の静電容量に発生するすべてのバラツキを考慮して、すなわち、調整用電極を持たない振動子の作製工程を繰り返して得られた静電容量の標準偏差から目標設定値を設定すると良い。
前述の通り、表側の面に配置された調整用電極20b〜20eを調整することにより、調整用電極20aと調整用電極20b〜20eとの間の4つの静電容量をすべて等しい大きさに調整することができる。本実施の形態での調整用電極の調整には、レーザー法を用いた。レーザービームによって、調整用電極20b〜20dのすべて、または、一部を除去した。なお、調整用電極の静電容量を設定する際、静電容量が大きければ大きいほど、調整の歩留まりを改善することができる。
前述のごとく、本発明によれば、静電容量を調整するための調整用電極を振動ジャイロ用振動子の両面に配置することが可能である。そのため、1面だけの調整用電極配置に比べ、大きな静電容量が得られ、小型化に適している。また、静電容量の調整は、振動ジャイロ用振動子の表側の面に配置された調整用電極のみで行う。そうすると容易に静電容量を調整し、クロストークを除去することができるため、生産性が高く、高精度な振動ジャイロ用振動子が得られる。すなわち、本発明により、小型化に適した低コストで高精度な振動ジャイロ用振動子およびその調整方法を提供できる。
本発明の一実施の形態での振動ジャイロの振動モードを示す図。図1(a)、図1(b)、図1(c)は未動作時の変形前の状態を示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図であり、図1(d)、図1(e)、図1(f)はXモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図であり、図1(g)、図1(h)、図1(i)はYモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図であり、図1(j)、図1(k)、図1(l)はZモードを示し、それぞれ、斜視図、正面図、平面図。 電荷の分布を示す模式図。図2(a)、図2(d)はXモードでの電荷の分布を示す模式図、図2(b)、図2(e)はYモードでの電荷の分布を示す模式図、図2(c)、図2(f)はZモードでの電荷の分布を示す模式図であり、図2(a)、図2(b)、図2(c)は、振動子の表側の面の電荷分布を示す模式図、図2(d)、図2(e)、図2(f)は、振動子の裏面の電荷分布を示す模式図。 本発明の一実施の形態での振動ジャイロ用振動子を示す上面図。図3(a)は表側の面を示す図。図3(b)は裏面を示す図。 本発明の一実施の形態での結晶方位を示す図。 本発明の一実施の形態での振動ジャイロの回路を示すブロック図。 従来の振動ジャイロ用振動子を示す斜視図。
符号の説明
1 振動子
2 枠体
3a〜3h ビーム
4a〜4d 付加質量部
5a、5b 駆動電極
6a〜6d 検出電極
7a〜7h 基準電位電極
9a〜9e 電流検出回路
10a、10b 移相回路
11 AGC回路
12 基準電位回路
13a、13b 差動回路
14a、14b、14c、14d 加算回路
15a、15b 同期検波回路
16a、16b フィルタ回路
20a〜20e 調整用電極

Claims (2)

  1. 駆動振動および検出振動の振動を行う可動部と、この可動部に接続した基部とが平板形状で一体的に形成され、
    前記平板形状の主面の一方に駆動電極および検出電極が形成され、
    前記駆動振動を励振する駆動手段および前記検出振動を検出する検出手段と合わせて振動ジャイロを構成する振動ジャイロ用振動子において、
    前記平板形状の表側の第1主面および実装基板に対向する側の第2主面の両面に分配するように、駆動用電極に接続した調整用電極と、検出電極に接続した調整用電極とが形成され、
    前記第2主面に形成され駆動電極に接続した調整用電極と、同じく第2主面に形成され1つの検出用電極に接続した調整用電極との間に発生する静電容量について所定の作製工程を繰り返して得られる値の平均値をXとし、標準偏差をσとするとき、
    前記第1主面に形成され駆動電極に接続した調整用電極と、同じく第1主面に形成され他の検出電極に接続した調整用電極との間の静電容量が、前記平均値Xと前記標準偏差σの2倍との和であるX+2σより大きいことを特徴とする振動ジャイロ用振動子。
  2. 前記振動ジャイロ用振動子の前記第1主面に形成された前記調整用電極の少なくとも一部を除去し、前記駆動電極と前記検出電極との間の静電容量を減少させ、前記駆動電極と複数の検出電極との間の静電容量をほぼ等しくすることを特徴とする、請求項1記載の振動ジャイロ用振動子の調整方法。
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