JP2009221912A - 内燃機関の動弁システム - Google Patents

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Abstract

【課題】カムとバルブとの間に介在する制御軸の回転位置を電力の供給により作動するアクチュエータで操作することにより、カムの回転位置に対するバルブのリフト量を変化させることで、該バルブの作用角を変化させる内燃機関の動弁システムにおいて、バルブの開弁特性を速やかに変更する技術の提供。
【解決手段】作用角の目標値とアクチュエータへの電力の供給を停止するときの作用角との差が、アクチュエータへの電力の供給を停止してから該アクチュエータが反力に抗して慣性により回転することにより変化する作用角と等しくなるように、アクチュエータの慣性力及び反力に基づいて電力の供給を停止する時期としての作用角を決定する(S105)。
【選択図】図8

Description

本発明は、内燃機関の吸気弁又は排気弁のリフト特性を変更可能な動弁システムに関する。
内燃機関の動弁システムにおいて、吸気弁または排気弁の作用角またはリフト量の目標値と実際の値との差に基づいて、該作用角またはリフト量をフィードバック制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−273544号公報 特開2007−255197号公報
このときに比例制御(P制御)を行うと、作用角の実際の値が目標値に近づくに従って、操作量が小さくなるため、目標値に到達するまでの時間が長くなる虞がある。これにより、作用角を目標値に合わせるときの応答性が低下する虞がある。
本発明は、上記したような種々の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バルブの開弁特性を速やかに変更することができる技術の提供にある。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の動弁システムは、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による内燃機関の動弁システムは、
カムとバルブとの間に介在する制御軸の回転位置を電力の供給により作動するアクチュエータで操作することにより、カムの回転位置に対するバルブのリフト量を変化させることで、該バルブの作用角を変化させる内燃機関の動弁システムにおいて、
前記アクチュエータの回転方向に抗する力である反力を発生させる付勢手段と、
前記作用角の目標値を決定する目標作用角決定手段と、
前記作用角の実際の値を取得する実作用角取得手段と、
前記作用角の目標値と前記アクチュエータへの電力の供給を停止するときの作用角との差が、前記アクチュエータへの電力の供給を停止してから該アクチュエータが前記反力に抗して慣性により回転することにより変化する作用角と等しくなるように、前記アクチュエータの慣性力及び前記反力に基づいて前記電力の供給を停止する時期としての作用角を決定する電力供給停止作用角決定手段と、
前記作用角の実際の値が前記電力供給停止作用角決定手段により決定される作用角となったときに前記アクチュエータへの電力の供給を停止する電力供給停止手段と、
を備えることを特徴とする。
カムとバルブとの間に介在する制御軸を制御することで、カムの回転位置に対するバルブのリフト量を変更することができる。これにより、バルブが開く時期を変更するこができるため、該バルブの作用角を変更することもできる。
なお、バルブの作用角は、バルブが開いている角度としても良い。この角度は、クランクシャフトまたはカムシャフトの回転角度とすることができる。以下、作用角といった場合には、このバルブの作用角を指すものとする。
ここで、アクチュエータへの電力の供給を停止したとしても、アクチュエータの慣性により、制御軸はすぐには停止せずに回転を続ける。つまり、作用角が目標値になったときに電力の供給を停止しても、実際の作用角は目標値を越えてしまう。また、電力量をフィードバック制御しても、作用角を目標値に合わせるのに時間がかかる。
これに対し、アクチュエータが慣性で回転する分を考慮して該アクチュエータへの電力の供給を停止させる。この慣性で回転する分は、アクチュエータの慣性力と反力に影響を受ける。そのため、アクチュエータが慣性で回転する分の作用角を慣性力と反力とに応じて求めることができる。つまり、作用角を目標値に合わせるときに、アクチュエータが慣性により回転する分だけ前に該アクチュエータへの電力の供給を停止させる。このように電力の供給を停止させる作用角を、電力供給停止作用角決定手段は決定する。
本発明においては、前記反力は、前記作用角が大きくなるほど大きくなり、
前記目標作用角決定手段により決定される作用角の目標値が規定値以上の場合に限り前記電力供給停止手段は前記アクチュエータへの電力の供給を停止させることができる。
ここで、反力が小さい範囲で作用角が変更されると、アクチュエータが停止するまでに時間がかかる。そのため、作用角の変更が完了するまでに時間がかかってしまう。つまり、目標となる作用角が小さい場合には、目標となる作用角付近で反力が小さいために、アクチュエータの停止に時間がかかる。そのため、システムの応答性が悪化する。作用角が大きな状態から小さくなる場合も同様である。
そこで、作用角の変更にかかる時間が許容範囲を超える場合には、作用角を目標値に合わせるときに慣性力と反力とに頼らないようにする。この場合、例えばアクチュエータの回転数を減速させつつ目標値に合わせる。なお、規定値は、作用角の変更が完了するまでにかかる時間が許容範囲内となるように決定される。
本発明においては、前記電力供給停止作用角決定手段により決定される作用角を、前記内燃機関の潤滑油の温度、前記内燃機関の冷却水の温度、バッテリの電圧の少なくとも1つに基づいて補正することができる。
内燃機関の潤滑油の温度、内燃機関の冷却水の温度、及びバッテリの電圧は、慣性力または反力に影響を与えるため、この影響を考慮して電力の供給を停止させる。これにより、作用角をより速やかに目標値に合わせることができる。
本発明によれば、バルブの開弁特性を速やかに変更することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<実施例1>
[システムの構成]
図1は、実施例1のシステム構成を説明するための図である。本実例1のシステムは、内燃機関1を備えている。内燃機関1は、複数の気筒2を有している。図1には、複数気筒のうちの1気筒のみを示している。
内燃機関1は、内部にピストン3を有するシリンダブロック4を備えている。ピストン3は、クランク機構を介してクランクシャフト5と接続されている。クランクシャフト5
の近傍には、クランク角センサ6が設けられている。クランク角センサ6は、クランクシャフト5の回転角度(すなわち、クランク角)を検出するように構成されている。
シリンダブロック4の上部にはシリンダヘッド8が組み付けられている。ピストン3上面からシリンダヘッド8までの空間は燃焼室10を形成している。
シリンダヘッド8は、燃焼室10と連通する吸気ポート12を備えている。吸気ポート12と燃焼室10との接続部には吸気バルブ14が設けられている。本実施例1のシステムは、気筒毎に設けられた複数の吸気ポート12に対応して複数の吸気バルブ14を備えている。図1には、吸気ポート12と吸気バルブ14とをそれぞれ1つずつ示している。吸気バルブ14と吸気カム軸15に設けられた吸気カム16との間には、可変動弁装置18が設けられている。可変動弁装置18は、吸気バルブ14の開弁特性を機械的に変更可能に構成されている。なお、可変動弁装置18の詳細については、後述する。
また、シリンダヘッド8は、燃焼室10と連通する排気ポート28を備えている。排気ポート28と燃焼室10との接続部には排気バルブ29が設けられている。
そして内燃機関1には、該内燃機関1の冷却水の温度を測定する水温センサ26と、該内燃機関1の潤滑油の温度を測定する油温センサ27とが取り付けられている。
また、本実施例のシステムは、電子制御装置としてのECU60を備えている。ECU60の出力側には、可変動弁装置18等が接続されている。ECU60の入力側には、クランク角センサ6、水温センサ26、油温センサ27の他、運転者がアクセルペダル23を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力するアクセル開度センサ24等が接続されている。ECU60は、各センサの出力に基づいて、燃料噴射制御や点火時期制御のような内燃機関1全体の制御を実行する。
また、ECU60は、クランク角センサ6の出力に基づいて、機関回転数を算出する。さらに、ECU60は、アクセル開度センサ24の出力に基づいて、機関負荷を算出する。また、ECU60には、バッテリ25が接続されており、ECU60はバッテリ25の電圧を算出することができる。そして、このバッテリ25から後述する電動モータ82へ電力が供給される。
[可変動弁装置の構成]
図2は、図1に示すシステムにおいて、可変動弁装置18の構成を説明するための斜視図である。
図2に示すように、吸気カム軸15には、1気筒当たり2つの吸気カム16,17が設けられている。そして、主カムである第1吸気カム16を中心にして、2つの吸気バルブ14L,14Rが左右対称に配置されている。第1吸気カム16と吸気バルブ14L,14Rとの間には、第1吸気カム16の回転運動に各吸気バルブ14L,14Rのリフト運動を連動させる可変動弁機構40L,40Rがそれぞれ設けられている。一方、第2吸気カム17は、第1吸気カム16との間で、第2吸気バルブ14Rを挟むようにして配置されている。第2吸気カム17と第2吸気バルブ14Rとの間には、第2吸気カム17の回転運動に第2吸気バルブ14Rのリフト運動を連動させる固定動弁機構70が設けられている。本可変動弁装置18は、第2吸気バルブ14Rのリフト連動の連動先を、可変動弁機構40Rと固定動弁機構70との間で選択的に切り換えることができるように構成されている。なお、本実施例では、固定動弁機構70の説明は省略する。
(1)可変動弁機構の構成
図3は、図2に示す可変動弁装置18における可変動弁機構40の構成を説明するための図である。具体的には、図3は、可変動弁機構40を吸気カム軸15の軸方向から見た図である。尚、左右の可変動弁機構40L,40Rは、基本的には、第1吸気カム16に対して対称形であるので、ここでは左右の可変動弁機構40L,40Rを区別することなくその構成を説明する。また、本明細書および図面では、左右の可変動弁機構40L,40Rを区別しないときには、単に可変動弁機構40と表記する。同様に、可変動弁機構40L,40Rの各構成部品や吸気バルブ14L,14R等の対称に配置されている部品については、特に区別をする必要がある時以外は、左右を区別するL、Rの記号は付けないものとする。
図3に示すように、ロッカーアーム35は吸気バルブ14によって支持されている。可変動弁機構40は、第1吸気カム16とロッカーアーム35との間に介在している。可変動弁機構40は、第1吸気カム16の回転運動とロッカーアーム35の揺動運動との連動状態を連続的に変化させるように構成されている。
可変動弁機構40は、吸気カム軸15と平行に配置された制御軸41を有している。この制御軸41は、ウォームホイール80及びウォームギヤ81を介して電動モータ82に接続されている(図2参照。)。なお、本実施例においては電動モータ82が、本発明におけるアクチュエータに相当する。よって、制御軸41は、回転駆動可能に構成されている。図3に示すように、制御軸41には、制御アーム42がボルト43によって固定されている。制御アーム42の一部は、制御軸41の径方向に突出している。制御アーム42の突出部には、中間アーム44がピン45によって取り付けられている。ピン45は、制御軸41の中心から偏心した位置に配置されている。よって、中間アーム44は、ピン45を中心にして揺動するように構成されている。中間アーム44の先端部には、後述するローラ52,53が回転可能に設けられている。
制御軸41には、揺動カムアーム50が揺動可能に支持されている。揺動カムアーム50は、第1吸気カム16に対向する側に、スライド面50aを有している。スライド面50aは、第2ローラ53に接触するように形成されている。スライド面50aは、第2ローラ53が揺動カムアーム50の先端側から制御軸41の軸中心側に向かって移動するほど、第1吸気カム16との間隔が徐々に狭まるような曲面で形成されている。また、揺動カムアーム50は、スライド面50aの反対側に、揺動カム面51を有している。揺動カム面51は、揺動カムアーム50の揺動中心からの距離が一定となるように形成された非作用面51aと、非作用面51aから離れた位置ほど制御軸41の軸中心からの距離が遠
くなるように形成された作用面51bとで構成されている。
スライド面50aと第1吸気カム16の周面との間には、第1ローラ52と第2ローラ53が配置されている。より具体的には、第1ローラ52は、第1吸気カム16の周面と接触するように配置されている。また、第2ローラ53は、揺動カムアーム50のスライド面50aに接触するように配置されている。第1ローラ52と第2ローラ53とは、上記中間アーム44の先端部に固定された連結軸54によって回転自在に支持されている。中間アーム44は、ピン45を支点として揺動するので、これらのローラ52,53もピン45から一定距離を保ちながらスライド面50aおよび第1吸気カム16の周面に沿って揺動する。
また、揺動カムアーム50には、バネ座50bが形成されている。このバネ座50bには、ロストモーションスプリング38の一端が掛けられている。ロストモーションスプリング38の他端は、内燃機関の静止部位に固定されている。ロストモーションスプリング38は圧縮バネである。ロストモーションスプリング38から受ける付勢力により、揺動カムアーム50のスライド面50aが第2ローラ53に押し当てられ、更に、第1ローラ
52が第1吸気カム16に押し当てられる。これにより、第1ローラ52及び第2ローラ53は、スライド面50aと第1吸気カム16の周面とに両側から挟み込まれた状態で位置決めされる。
揺動カムアーム50の下方には、上記ロッカーアーム35が配置されている。ロッカーアーム35には、揺動カム面51に対向するようにロッカーローラ36が設けられている。ロッカーローラ36は、ロッカーアーム35の中間部に回転自在に取り付けられている。ロッカーアーム35の一端は、バルブ14のバルブシャフト14aによって支持されており、ロッカーアーム35の他端は、油圧式ラッシュアジャスタ37によって回転自在に支持されている。リフト作動の際、バルブシャフト14aは、バルブスプリング14bによって、閉方向、すなわち、ロッカーアーム35を押し上げる方向に付勢されている。ロッカーローラ36は、この付勢力と油圧式ラッシュアジャスタ37によって揺動カムアーム50の揺動カム面51に押し当てられている。
上述した可変動弁機構40の構成によれば、第1吸気カム16の回転に伴って、第1吸気カム16の押圧力が第1ローラ52及び第2ローラ53を介してスライド面50aに伝達される。その結果、揺動カム面51とロッカーローラ56との接点が非作用面51aから作用面51bにまで及ぶと、ロッカーアーム35が押し下げられ、バルブ14が開弁する。
また、可変動弁機構40の構成によれば、制御軸41の回転角度を変化させると、スライド面50a上における第2ローラ53の位置が変化し、リフト動作時の揺動カムアーム50の揺動範囲が変化する。より具体的には、制御軸41を図3における反時計回り方向に回転させると、スライド面50a上における第2ローラ53の位置が揺動カムアーム50の先端側に移動する。そうすると、第1吸気カム16の押圧力が伝達されることで揺動カムアーム50が揺動動作を開始した後に、現実にロッカーアーム35が押圧され始めるまでに要する揺動カムアーム50の回転角度は、制御軸41が図3における反時計回り方向に回転するほど大きくなる。つまり、制御軸41を図3における反時計回り方向に回転させることにより、バルブ14の作用角及びリフト量を小さくすることができる。逆に、制御軸41を時計回り方向に回転させることにより、バルブ14の作用角及びリフト量を大きくすることができる。
[実施例1の特徴]
本実施例では、電動モータ82への電力の供給を停止させた後に制御軸41が惰性で回転することを考慮して、電動モータ82への電力の供給を停止する時期を決定する。つまり、電動モータ82への電力の供給を停止する時期は、目標作用角よりも前であって、惰性で回転する制御軸41により作用角が変化しても、目標作用角で停止させることができる時期に設定される。具体的には、電動モータ82の慣性力(以下、制御軸41の慣性力ともいう。)と反力とを考慮したマップに基づいて、電動モータ82への電力の供給を停止する時期を求める。
図4は、作用角と制御軸41にかかるトルクとの関係を示した図である。ロストモーションスプリング38及びバルブスプリング14bが制御軸41を回転させる力または電動モータ82を回転させる力(以下、スプリング反力という。)は、作用角を小さくする側、すなわち図3において制御軸41を反時計回りに回転させる向きに働いている。制御軸41にかかるトルクは、スプリング反力と等しい。つまり、作用角を大きくするときには、制御軸41をスプリング反力に抗して回転させることになる。そして、作用角が大きくなるほど、制御軸41にかかるトルクが大きくなる。なお、本実施例においてはロストモーションスプリング38及びバルブスプリング14bが、本発明に係る付勢手段に相当する。
一方、電動モータ82や該電動モータ82を駆動源として作動する部材では、電動モータ82への電力の供給を停止しても、該電動モータ82の慣性によりすぐには停止しない。
本実施例では、電動モータ82への電力の供給を停止した後に、慣性により制御軸41が回転しても、目標作用角となったときに該制御軸41の回転が停止するようにしている。つまり、電動モータ82への電力の供給を停止しても電動モータ82は慣性により回転するが、この回転速度はスプリング反力により徐々に下降して、最後には停止する。この電動モータ82が停止したときに目標作用角となっているように、電動モータ82への電力の供給を停止する作用角を決定する。
そして、電動モータ82への電力の供給を停止する作用角(以下、電力停止作用角という。)は、現時点での作用角(以下、現作用角という。)と目標作用角との差に応じてマップ化しておく。例えば、慣性力が大きいほど、また、スプリング反力が小さいほど、電動モータ82への電力が停止されてから該電動モータ82が実際に停止するまでに変化する作用角は大きくなる。一方、慣性力が小さいほど、また、スプリング反力が大きいほど、電動モータ82への電力が停止されてから制該電動モータ82が実際に停止するまでに変化する作用角は小さくなる。なお、慣性力は現作用角と目標作用角との差と相関があるため、これにより求めることができる。これは、電動モータ82の回転数(若しくは回転速度)と相関があるため、この値により求めても良い。また、スプリング反力は、作用角と相関があるため、これにより求めることができる。
図5は、作用角の推移を示したタイムチャートである。図5Aは電動モータ82の慣性力が比較的大きくスプリング反力が比較的小さい場合を示し、図5Bは電動モータ82の慣性力が比較的小さくスプリング反力が比較的大きい場合を示している。これらの図は、電動モータ82が停止したときに目標作用角となっている場合を示している。なお、Aで示される作用角は現作用角であり、Bで示される作用角は目標作用角であり、Cで示される作用角は電力停止作用角である。
つまり、図5Aに示したように、電動モータ82の慣性力が比較的大きくスプリング反力が比較的小さい場合には、目標作用角Bと電力停止作用角Cとの差が、図5Bで示した場合と比較して大きくなる。つまり、電動モータ82への電力の供給が停止されてから電動モータ82が実際に停止するまでに変化する作用角が大きい。
これらの関係を予め求めてマップ化しておけば、該マップに基づいて電力停止作用角を得ることができる。また、上記慣性力とスプリング反力と電力停止作用角との関係を予め求めてマップ化しておいても良い。なお、いずれの場合であっても、電動モータ82にかかる電圧は一定と仮定する。
ところで、内燃機関1の油温、水温、及びバッテリ25の電圧によっても電力停止作用角は変化し得る。つまり、油温により各部材間のフリクションが変化するため、電動モータ82の回転に抗する力(以下、反力という)が変化する。そのため、見かけ上、スプリング反力が変化する。そこで、本実施例では油温に基づいてスプリング反力を補正する。例えば油温が低いほど、潤滑油の粘度が高くなるため、スプリング反力が大きくなるように補正する。また、油温が高いほど、潤滑油の粘度が低くなるため、スプリング反力が小さくなるように補正する。
ここで、図6は、作用角と制御軸41にかかるトルクと油温との関係を示した図である。横軸が作用角、縦軸が制御軸にかかるトルクを示している。油温が高くなるほど制御軸
41にかかるトルクを(1)で示される側へ下降させ、油温が低くなるほど制御軸41にかかるトルクを(2)で示される側へ上昇させる。このときの上昇量または下降量は予め実験等により求めても良い。
また、水温により電動モータ82の温度が変化すると、該電動モータ82で発生するトルクが変化し得る。つまり、電動モータ82の慣性力が変化し得る。例えば水温が高くなるほど、電動モータ82で発生するトルクが小さくなるため、慣性力が小さくなる。さらに、バッテリ25の電圧により電動モータ82で発生するトルクが変化し得る。つまり、電動モータ82の慣性力が変化し得る。例えばバッテリ25の電圧が低くなるほど、電動モータ82で発生するトルクが小さくなるため、慣性力が小さくなる。そこで、本実施例では水温及びバッテリ25の電圧に基づいて電動モータ82の慣性力を補正する。
図7は、電動モータ82の回転数(速度)と発生トルクとの関係を示した図である。(1)で示される線は、(2)で示される線と比較して、水温が高いか又はバッテリ25の電圧が低い。つまり、水温が高くなるほど、またバッテリ25の電圧が低くなるほど、電動モータ82における発生トルクが下降するため、慣性力が小さくなるように補正する。
このようにして本実施例では、水温、油温、及びバッテリ25の電圧に応じて電力停止作用角を補正する。例えば夫々の基準値を設定しておき、この基準値よりも、油温が低くなるほど、また水温が高くなるほど、さらにはバッテリ25の電圧が低くなるほど、電力停止作用角を目標作用角に近づけても良い。一方、基準値よりも、油温が高くなるほど、また水温が低くなるほど、さらにはバッテリ25の電圧が高くなるほど、電力停止作用角を目標作用角から遠ざけても良い。また例えば、基準値との差を仕事に換算し、補正を行っても良い。さらに、補正量は予め実験等により求めておいても良い。
ところで、目標作用角付近のスプリング反力が小さいときには、電動モータ82への電力の供給を停止してから該電動モータ82の回転が停止するまでの時間が長くなる。つまり、作用角の変更が完了するまでに時間がかかってしまう。このような場合には、本実施例に係る制御を行わないようにしても良い。すなわち、目標作用角が規定値以上の場合に限り本実施例に係る制御を行なっても良い。このときの規定値は、作用角の変更に要求される応答性に応じて決定する。そして、本実施例に係る制御を行わない場合には、電動モータ82を減速させつつ目標作用角に合わせる。
[実施例1における具体的処理]
図8は、本実施例に係る制御軸41の制御のフローを示したフローチャートである。本ルーチンは、バルブの作用角を変更するときに実行される。
ステップS101では、現作用角及び目標作用角が取得される。現作用角は例えばセンサにより求める。また、ECU60に記憶されている値を用いても良い。そして目標作用角は、内燃機関の運転状態(例えば機関回転数及び機関負荷)に応じて決定される。なお、本実施例ではステップS101を処理することにより目標作用角を取得するECU60が、本発明における目標作用角決定手段に相当する。また、本実施例ではステップS101を処理することにより現作用角を取得するECU60が、本発明における実作用角取得手段に相当する。
ステップS102では、目標作用角が規定値以上であるか否か判定される。つまり、本実施例おける制御を行っても、目標作用角へ速やかに合わせることができるか否か判定される。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS103では、油温、水温、及びバッテリ25の電圧が取得される。これらは、センサにより測定される。本ステップでは、電力停止作用角の補正に必要な値が取得される。
ステップS104では、電動モータ82の慣性力とスプリング反力とが算出される。また、電力停止作用角の補正量が算出される。現作用角と目標作用角との差により電動モータ82の慣性力及びスプリング反力が算出される。
ステップS105では、電力停止作用角が決定される。つまり、電動モータ82の慣性力とスプリング反力とをマップに代入して電力停止作用角を得る。なお、現作用角とスプリング反力と電力停止作用角との関係を予め求めてマップ化しておき、該マップにより電力停止作用角を得ても良い。このようにして得られた電力停止作用角を補正することにより、新たな電力停止作用角を得る。なお、本実施例においてはステップS105を処理するECU60が、本発明における電力供給停止作用角決定手段に相当する。
ステップS106では、電力停止作用角にて電動モータ82への電力の供給が停止される。なお、本実施例においてはステップS106を処理するECU60が、本発明における電力供給停止手段に相当する。
このようにして、電動モータ82への電力の供給が停止されると、目標作用角となったときに電動モータ82及び制御軸41が停止する。これにより、作用角を比例制御する場合と比較して速やかに目標作用角に合わせることができる。また、精度良く目標作用角に合わせることができる。
実施例1のシステム構成を説明するための図である。 図1に示すシステムにおいて、可変動弁装置の構成を説明するための斜視図である。 図2に示す可変動弁装置における可変動弁機構の構成を説明するための図である。 作用角と制御軸にかかるトルクとの関係を示した図である。 作用角の推移を示したタイムチャートである。図5Aは電動モータの慣性力が比較的大きくスプリング反力が比較的小さい場合の図であり、図5Bは電動モータの慣性力が比較的小さくスプリング反力が比較的大きい場合の図である。 作用角と制御軸にかかるトルクと油温との関係を示した図である。 電動モータの回転数と発生トルクとの関係を示した図である。 実施例1に係る制御軸の制御のフローを示したフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
12 吸気ポート
14 吸気バルブ
14b バルブスプリング
15 吸気カム軸
16 第1吸気カム
17 第2吸気カム
18 可変動弁装置
23 アクセルペダル
24 アクセル開度センサ
25 バッテリ
26 水温センサ
27 油温センサ
40 可変動弁機構
41 制御軸
50 揺動カムアーム
60 ECU
80 ウォームホイール
81 ウォームギヤ
82 電動モータ

Claims (3)

  1. カムとバルブとの間に介在する制御軸の回転位置を電力の供給により作動するアクチュエータで操作することにより、カムの回転位置に対するバルブのリフト量を変化させることで、該バルブの作用角を変化させる内燃機関の動弁システムにおいて、
    前記アクチュエータの回転方向に抗する力である反力を発生させる付勢手段と、
    前記作用角の目標値を決定する目標作用角決定手段と、
    前記作用角の実際の値を取得する実作用角取得手段と、
    前記作用角の目標値と前記アクチュエータへの電力の供給を停止するときの作用角との差が、前記アクチュエータへの電力の供給を停止してから該アクチュエータが前記反力に抗して慣性により回転することにより変化する作用角と等しくなるように、前記アクチュエータの慣性力及び前記反力に基づいて前記電力の供給を停止する時期としての作用角を決定する電力供給停止作用角決定手段と、
    前記作用角の実際の値が前記電力供給停止作用角決定手段により決定される作用角となったときに前記アクチュエータへの電力の供給を停止する電力供給停止手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の動弁システム。
  2. 前記反力は、前記作用角が大きくなるほど大きくなり、
    前記目標作用角決定手段により決定される作用角の目標値が規定値以上の場合に限り前記電力供給停止手段は前記アクチュエータへの電力の供給を停止させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の動弁システム。
  3. 前記電力供給停止作用角決定手段により決定される作用角を、前記内燃機関の潤滑油の温度、前記内燃機関の冷却水の温度、バッテリの電圧の少なくとも1つに基づいて補正することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の動弁システム。
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