JP2009221497A - 黒皮外周旋削性とねじり強度に優れた鋼材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.35質量%以上0.46質量%以下、Si:0.16質量%以上0.24質量%以下、Mn:1.0質量%超1.4質量%以下、P:0.025質量%以下、S:0.015質量%超0.04質量%以下、Cu:0.05質量%超0.35質量%以下、Al:0.03質量%超0.1%質量%以下、Cr:0.5質量%未満、Sb:0.0005質量%以上0.05%質量%以下、Ti:0.005質量%以上0.04質量%未満、B:0.0003質量%以上0.0070質量%以下、N:0.002質量%以上0.02質量%以下及びO:0.0030質量%以下を含有する成分組成に調整する。
【選択図】なし
Description
(1)C:0.35質量%以上0.46質量%以下、
Si:0.16質量%以上0.24質量%以下、
Mn:1.0質量%超1.4質量%以下、
P:0.025質量%以下、
S:0.015質量%超0.04質量%以下、
Cu:0.05質量%超0.35質量%以下、
Al:0.03質量%超0.1%質量%以下、
Cr:0.5質量%未満、
Sb:0.0005質量%以上0.05%質量%以下、
Ti:0.005質量%以上0.04%質量%未満、
B:0.0003質量%以上0.0070質量%以下、
N:0.002質量%以上0.02質量%以下及び
O:0.0030質量%以下
を含有し、残部Fe及び不可避的不純物の成分組成を有することを特徴とする黒皮外周旋削性とねじり強度に優れた鋼材。
Ni:0.05質量%以上3.5質量%以下
を含有する黒皮外周旋削性とねじり強度に優れた鋼材。
Nb:0.005質量%以上0.1質量%以下及び
V:0.01質量%以上0.5質量%以下
から選ばれる1種または2種を含有する黒皮外周旋削性とねじり強度に優れた鋼材。
C:0.35%以上0.46%以下
Cは、焼入れ性への影響が最も大きい元素であり、焼入硬化層の硬さおよび深さを高めて、ねじり強度を向上させる上で有用である。含有量が0.35%に満たないと、必要とされるねじり強度を確保するために、焼入硬化深さを飛躍的に高めねばならず、その際、焼割れの発生が顕著となることから、C含有量は0.35%以上とする。一方、0.46%を超えて含有させると、ねじり試験時に脆性破壊を起こし、かえってねじり強度が低下する他、焼入れ時に焼割れが発生しやすくなる。従って、C含有量は0.35%以上0.46%以下とする。好ましくは、0.38%以上0.42%以下である。
Siは、炭化物生成を抑制し、炭化物による粒界強度の低下を抑制する。また、フェライト中に固溶し強化するほか、焼入れ後の焼戻し時の焼戻し軟化抵抗を向上させる元素であり、このことによりねじり強度を向上させる。さらに、脱酸元素としても有用であるため、0.16%以上で含有させるが、0.24%を超えて含有させると、フェライトの固溶硬化により硬さが上昇し切削性および冷間鍛造性の低下を招く。従って、Si含有量は、0.16%以上0.24%以下とする。好ましくは、0.22%以下である。
Mnは、焼入れ性を向上させ、焼入れ時の硬化深さを確保する上で必須の成分であり、そのためには1.0%を超える含有が必要である。一方、1.4%を超えて含有させると、焼入れ後の残留オーステナイトが増加して、かえって表面硬度を低下させ、ねじり強度及び疲労強度を低下させるため、1.4%以下の含有とする。好ましくは、1.3%以下、さらに好ましくは1.2%以下である。
Pは、オーステナイトの粒界に偏析し、粒界強度を低下させることによりねじり強度を低下させ、また焼入れ時に焼割れを助長する。従って、その含有量は極力低下させることが望ましいが、0.025%までは許容される。好ましくは、0.020%以下とする。
Sは、鋼中でMnSを形成し切削性を向上させるために含有させる。この効果は、0.015%以下で乏しく、一方0.04%を超えて添加すると、粒界強度を低下させてねじり強度が低下するため、0.04%以下の添加とする。
Cuは、本発明において非常に重要な元素であり、本発明の鋼において、Sbを後述する範囲で含有させた上でCuを0.05%超で含有させれば、鋼材の黒皮下に固溶Sbを有するCuが濃化し、これにより黒皮外周旋削時に工具表面にCuが付着するようになり、工具摩耗を抑制する効果を発揮する。しかし、0.35%を超えて添加すると、熱間加工性を阻害するため0.35%以下の添加とする。好ましくは、0.30%以下とする。
Alは、脱酸に有効な元素であり、また低酸素化のために有用な元素であるとともに、Nと結合してAlNを形成し、これが焼入れ加熱時のオーステナイト粒の成長を抑制する。また、炭化物生成を抑制し、炭化物による粒界強度の低下を抑制する。これらのことによりねじり強度を向上させる元素である。これらの効果は、0.03%以下の含有では小さく、一方0.1%を超えて添加してもその効果が飽和し、成分コストの上昇を招くため、0.03%超え0.1%以下の添加とする。好ましくは、0.07%以下とする。
Crは、焼入れ性に有用な元素であり、焼入れ時の硬化深さを確保するために、好ましくは0.06%以上で添加するが、0.5%以上になると、炭化物を安定化させて残留炭化物の生成を促進し、粒界強度を低下してねじり強度を劣化させる。従って、Crの含有量は、0.5%未満とする。好ましくは0.4%以下、さらに好ましくは0.3%以下とする。
Sbは、本発明において非常に重要な元素であり、Cuとの複合添加により、鋼材の黒皮下に濃化したCu中に固溶し、濃化したCuの融点を低下させる作用を有し、これにより、Cuの黒皮外周旋削時の工具表面への付着を一層促進し、工具摩耗を抑制する効果を発揮する。このためには、Sbの0.0005%以上の添加が必要である。しかし、0.05%を超えて添加すると、熱間加工性を阻害するため、0.05%以下の添加とする。なお、好ましくは、0.001%以上0.01%以下、さらに好ましくは0.0015%以上0.007%以下とする。
Tiは、Nと結合することによって、BがBNとなりBの焼入れ性の向上効果が消失するのを防止し、Bの焼入れ性の向上効果を十分に発揮させるために添加する。そのためには、0.005%以上で含有させる必要がある。一方、含有量が0.04%以上になると、TiNが多量に形成されてねじり強度を低下するため、0.04%未満の添加とする。好ましくは、0.01%以上0.03%以下とする。
Bは、微量の添加により焼入れ性を向上させ、焼入れ時の焼入れ深さを高めることによりねじり強度を向上させる。また、Bは粒界に優先的に偏析し、粒界に偏析するPの濃度を低減し、粒界強度を向上してねじり強度を向上させる元素であり、積極的に添加する。この含有量が0.0003%未満ではその効果が小さく、一方0.0070%を超えて添加すると、その効果が飽和し成分コストの上昇を招くため、0.0070%以下で含有する。好ましくは、0.0005%以上0.0040%以下である。
Nは、Al、Ti又はNbと窒化物を形成しあるいは、Al、Ti又はNbとCとともに結合して炭窒化物を形成し、これが焼入れ加熱時のオーステナイトの成長を抑制することにより、粒界強度、強いてはねじり強度を向上させる。そのためには、0.002%以上で含有させる必要があり、一方0.02%を超えて含有させると、熱間変形能を低下させて連続鋳造時に鋳片の表面欠陥を著しく増加させるため、Nの含有量は0.002%以上0.02%以下とする。好ましくは、0.003%以上0.01%以下である。
Oは、硬質の酸化物系非金属介在物として存在するとともに、粒界に偏析し粒界強度を低下させる原因になる。また、O量の増大は酸化物系非金属介在物のサイズを極めて粗大化させる。これらは、特に疲労強度に有害であるため、極力低減することが望ましく、0.0030%以下に低減する必要がある。好ましくは、0.0020%以下まで抑制する。
Ni:0.05%以上3.5%以下
Niは、炭化物生成を抑制し、この炭化物による粒界強度の低下を抑えてねじり強度を向上させる元素である。また、焼入れ性を向上させる元素であり、焼入れ性を調整する場合に用いることができる。そのためには、0.05%以上で添加することが好ましい。一方、Niは、極めて高価な元素であり、3.5%を超えて添加すると鋼材のコストが上昇するため、3.5%未満の添加とする。より好ましくは、1.0%以下とする。
Nb:0.005%以上0.1%以下
Nbは、鋼中でC、Nと結合し微細球状の炭化物あるいは炭窒化物を形成し、これが焼戻し後の粒界炭化物を球状化することによって、粒界強度の低下を抑制する。また、析出強化作用の極めて強い元素であり、焼戻し軟化抵抗を向上させる元素である。これらのことによりねじり強度を向上させる。そのためには、0.005%以上で添加することが好ましく、一方0.1%を超えて添加してもその効果が飽和するため、0.005%以上0.1%以下の添加とする。より好ましくは、0.01%以上0.05%以下とする。
Vは、鋼中でC、Nと結合し微細球状の炭化物あるいは炭窒化物を形成し、これが焼戻し後の粒界炭化物形状を球状化することによって粒界強度の低下を抑制する。また、Vは析出強化作用の極めて強い元素であることと、焼戻し軟化抵抗を向上させる元素である。これらのことによりねじり強度を向上させる。そのためには、0.01%以上で添加することが好ましく、一方0.5%を超えて添加してもその効果が飽和するため、0.01%以上0.5%以下の添加とする。より好ましくは、0.03%以上0.3%以下である。
なお、ねじり試験片の硬化層深さは、表層から硬さがビッカース硬さで450ポイントとなるまでの距離とした。以上の測定並びに評価の結果を、表1に併記する。
Claims (3)
- C:0.35質量%以上0.46質量%以下、
Si:0.16質量%以上0.24質量%以下、
Mn:1.0質量%超1.4質量%以下、
P:0.025質量%以下、
S:0.015質量%超0.04質量%以下、
Cu:0.05質量%超0.35質量%以下、
Al:0.03質量%超0.1%質量%以下、
Cr:0.5質量%未満、
Sb:0.0005質量%以上0.05%質量%以下、
Ti:0.005質量%以上0.04%質量%未満、
B:0.0003質量%以上0.0070質量%以下、
N:0.002質量%以上0.02質量%以下及び
O:0.0030質量%以下
を含有し、残部Fe及び不可避的不純物の成分組成を有することを特徴とする黒皮外周旋削性とねじり強度に優れた鋼材。 - 請求項1において、さらに
Ni:0.05質量%以上3.5質量%以下
を含有する黒皮外周旋削性とねじり強度に優れた鋼材。 - 請求項1または2において、さらに
Nb:0.005質量%以上0.1質量%以下及び
V:0.01質量%以上0.5質量%以下
から選ばれる1種または2種を含有する黒皮外周旋削性とねじり強度に優れた鋼材。
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JP2008064680A JP5141313B2 (ja) | 2008-03-13 | 2008-03-13 | 黒皮外周旋削性とねじり強度に優れた鋼材 |
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JP2010209368A (ja) * | 2009-03-06 | 2010-09-24 | Jfe Steel Corp | 切削性とねじり疲労強度に優れた鋼材 |
CN103834877A (zh) * | 2014-03-26 | 2014-06-04 | 武汉钢铁(集团)公司 | 一种薄板坯生产切割鞋模用钢及其制备方法 |
CN106399847A (zh) * | 2016-06-15 | 2017-02-15 | 山东钢铁股份有限公司 | 一种车轴轴头用钢及其制备方法 |
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- 2008-03-13 JP JP2008064680A patent/JP5141313B2/ja not_active Expired - Fee Related
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