JP2009221391A - 水溶性フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)平均分子量1000〜30万の澱粉分解物、加工澱粉、加工澱粉分解物、ヒドロキシアルキル化セルロース及びポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上、
(B)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸分解物、ヒアルロン酸誘導体及びそれらの塩から選ばれる1種以上、
(C)可塑剤
を含有する水溶性フィルム。
【選択図】なし
Description
また、このような水溶性フィルムでは、通常化粧用フィルムとして水に溶解して使用する前まで、水溶性フィルム単体であることが必要である。そこで、フィルムの形成能に富む組成物を作成することを目的として、調製時の溶解性や、保存時の耐ブロッキング性能を維持できるように、粉体組成物と配合量の最適化を行なっている。例えば、皮膚上で水に溶解して使用する用途に適したフィルムの賦形剤としては、加工澱粉やデキストリン、蛋白質、プルランやアルギン酸などの多糖類を多量に使用することが一般的であり、化粧水や乳液に速やかに溶解し、保湿感を付与し、かつ粉残り粉吹きなどをさせないという面では不十分であった。
本発明の目的は、皮膚に貼付して使用するための化粧用水溶性フィルムとしての特性、すなわち、貼付後に皮膚上に液状又はジェル状の付着層を形成させることができ、保湿感と有効成分を残留させ、かつ、皮膚上に粉吹きや粉残りがしないという特徴をもつ水溶性フィルムを提供することにある。
(A)平均分子量1000〜30万の澱粉分解物、加工澱粉、加工澱粉分解物、ヒドロキシアルキル化セルロース及びポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上、
(B)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸分解物、ヒアルロン酸誘導体及びそれらの塩から選ばれる1種以上、
(C)可塑剤
を含有する水溶性フィルムを提供するものである。
加工澱粉としては、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、それらの酸化物、及びそれらの酸架橋物が挙げられる。
エーテル化澱粉としては、ヒドロキシプロピル化物、ヒドロキシエチル化物、ヒドロキシメチル化物、及びヒドロキシプロピルメチル化物等のヒドロキシアルキル化澱粉が好ましく、エステル化澱粉としてはアセチル化澱粉が好ましい。
エーテル化澱粉又はエステル化澱粉の酸化物としては、それらの澱粉を次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤により漂白、酸化したものが挙げられる。また、エーテル化澱粉又はエステル化澱粉の酸架橋物としては、リン酸架橋物、アジピン酸架橋物、エピクロルヒドリン架橋物が挙げられる。
エーテル化澱粉又はエステル化澱粉の分解物としては、それらの澱粉の酸分解物、酵素分解物が挙げられる。ここで酸分解物としては、塩酸、硫酸等の無機酸水溶液に浸漬して分解したものが挙げられる。酵素分解物としては、アミラーゼ分解物が挙げられる。
また、エーテル化澱粉又はエステル化澱粉の酸化物又はそれらの架橋物の分解物としては、前記と同様の酸分解物、酵素分解物が挙げられる。
これらのポリアルキレングリコールは、水に溶解した時には粘度を上昇させず、乾燥時にフィルム形成を阻害せず、耐ブロッキング性を向上させることができ、油性成分の保持にも役立つ。分子量が小さすぎないことが、乾燥時のフィルム形成の耐ブロッキング性のために好ましい。また分子量が大きすぎないことが、フィルムの割れを防止するために好ましい。さらに、ポリアルキレングリコールは、可塑剤であるグリセリンとともに溶解した後、そこに水に溶解時に高粘度を示すヒアルロン酸やヒアルロン酸ナトリウム等を分散させた後に、水を加えダマにならないように水溶性フィルムの原液(原体)を調製できるといった利点もある。すなわち、可塑剤のみでは耐ブロッキング性の面から配合量の上限があり、ヒアルロン酸の分散剤として使用するには量的に少ない場合に、ポリアルキレングリコールを併用することでヒアルロン酸の分散剤としての機能を有する。
DEとは澱粉の分解の程度を示す指標で、DE=[(直接還元糖)/(固形分)]×100で求められる。分解が進み還元糖の量が増えるほどDE値は大きくなる。
表1の配合組成に従って、以下の方法で調製を行なった。
成分(C)のグリセリン、プロピレングリコール、ジグリセリンPOE付加物と成分(D)のポリエチレングリコールを加熱溶解した液に、成分(B)のヒアルロン酸、ヒアルロン酸分解物を分散させ、成分(A)の加工澱粉等をその重量の等量から倍量の水に溶解させたものとを混ぜ合わせ、PEフィルム上に塗工し、乾燥後、25℃、湿度40%でエージングをさせた後、水溶性フィルムの評価を行った。なお、比較例2及び3は室温では粘度が高かったため、50℃に加温をして塗工を行なったが、液の伸展性が悪く塗工性が特に悪かった。
フィルム塗工性としては、ベーカー式アプリケーターで一定厚に塗工した時に、20wt%〜70wt%の範囲で調製時に粘度が2000〜8000mP・sの範囲にあり、非常に高い粘度を示したりチキソトロピックな粘弾性を示さずに、粘度2000〜3000mP・sと粘度5000〜8000mP・sで一定厚みでムラ無く塗工できるかどうかを以下の基準で評価した。
○:ある粘度幅で、なめらかにムラなく塗工でき、塗工後の状態に変化がない。
△:ある粘度幅で、なめらかにムラなく塗工できるが、塗工後の状態が変化する。
×:ある粘度幅で、なめらかにムラなく塗工できない。
乾燥し冷却後に得られたフィルムの表面及び、ライナーフィルムとともにロールで保管する場合に、割れや剥れがないかどうかを以下の基準で評価した。
○:フィルム表面がなめらかで、巻取り用にロールさせても剥れたり、割れたりしない。
△:フィルム表面がなめらかだが、巻取り用にロールさせるとわずかに剥れたり浮いたりヒビがはいることがある。
×:フィルム表面がなめらかでなく、巻取り用にロールさせると剥れたり、割れたりしてロール保管することができない。
ライナーフィルムに塗工した状態で乾燥及び冷却した水溶性フィルムを、A4にカットし重ねて、25℃で相対湿度45%及び、50℃相対湿度45%で調整した容器中で3日間保管し、以下の基準で評価した。
○:ブロッキングを起こさず、1枚ずつはがすことができる。
△:ブロッキングを起こすが、水溶性フィルムが破れたりすることなく剥がすことができる。
×:ブロッキングして剥がすことができない。
肌に15分貼付後に、剥がした時にジェル層が肌に転写し、かつ保湿感を感じるかどうかを、以下の基準で評価した。
◎:剥離後に肌に十分に保湿層が転写され、皮膚上でなじませた後もうるおい感がある。
○:剥離後に肌に有意に保湿層が転写され、皮膚上でなじませた後もうるおい感がある。
△:剥離後に肌にわずかに保湿層が転写され、皮膚上でなじませた後もうるおい感はない。
×:剥離後に肌に保湿層が転写されず、皮膚上に何も残った感じがないか、もしくは粘稠物が残る。
肌に15分貼付後に、剥がしてジェル層が肌に転写しなじませた後のべとつきを、以下の基準で評価した。
◎:剥離後に皮膚上でなじませた後、さらっとしベとつかない。
○:剥離後に皮膚上でなじませた後、べとつかない。
△:剥離後に皮膚上でなじませた後、ややべとつく。
×:剥離後に皮膚上でなじませた後、べとつく。
肌に15分貼付後に、皮膚に転写したジェル層をなじませたのちの状態を、以下の基準で評価した。
◎:剥離後に皮膚上でなじませた後、保湿感があり、白く粉残りや粉吹きがない。
○:剥離後に皮膚上でなじませた後、ほとんど、白く粉残りや粉吹きがない。
△:剥離後に皮膚上でなじませた後、やや白く粉残りや粉吹きがある。
×:剥離後に皮膚上でなじませた後、白く粉残りや粉吹きする。
2層積層体の製造方法は、このカルボキシメチルセルロースの架橋前のゲルを、水溶性フィルムをPETフィルム上に形成し乾燥させたものとPEフィルムの間に塗工し、水ゲル層の片面にジェル層を形成させることで得ることができる。
表3に示す組成のフィルムを表1と同様に製造した。PVP K−90の平均分子量は360000であり、PVP−K30の平均分子量は45000である。調製方法及び、評価方法は実施例1と同様である。
Claims (7)
- 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)平均分子量1000〜30万の澱粉分解物、加工澱粉、加工澱粉分解物、ヒドロキシアルキル化セルロース及びポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上、
(B)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸分解物、ヒアルロン酸誘導体及びそれらの塩から選ばれる1種以上、
(C)可塑剤
を含有する水溶性フィルム。 - さらに(D)平均分子量1000〜6000のポリアルキレングリコールを含む請求項1記載の水溶性フィルム
- 成分(A)が、平均分子量1000〜10万の、エーテル化もしくはエステル化澱粉分解物、エーテル化もしくはエステル化澱粉の酸化物及び/又はその分解物、エーテル化もしくはエステル化澱粉の酸架橋物及び/又はその分解物、澱粉分解物、ヒドロキシアルキル化セルロース並びにポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上を、水溶性フィルム中に30〜85質量%含む請求項1又は2記載の水溶性フィルム。
- 成分(A)100重量部に対して、成分(C)を5〜80重量部、かつ成分(C)及び成分(D)の合計量が20〜140重量部である請求項2又は3記載の水溶性フィルム。
- 成分(A)100重量部に対し、成分(B)が1重量部以上であり、成分(C)及び成分(D)の合計量を100として成分(B)が5〜60重量部である請求項2〜4のいずれかに記載の水溶性フィルム。
- 皮膚に貼付して使用する化粧用水溶性フィルムである請求項1〜5のいずれかに記載の水溶性フィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の水溶性フィルムと水ゲルからなる化粧用シート状組成物。
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