JP2009220964A - ウェブ搬送装置およびウェブ接続方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェブ切れ発生時のウェブ搬送装置の復旧時間を短縮するために、作業者の技量によらず、確実にウェブ切れ箇所を接続することができるウェブ搬送装置およびウェブ接続方法を提供する。
【解決手段】ウェブ7を吸着する吸着部14(または吸着部24)を有する吸着ローラ2(または吸着ローラ3)を備え、ウェブ7を吸着ローラ2(または吸着ローラ3)の外周面に沿わせて搬送するウェブ搬送装置1であって、吸着ローラ2(または吸着ローラ3)の外周面にローラ軸2b(またはローラ軸3b)に対して平行な溝部15(または溝部25)を備え、かつ、吸着ローラ2(または吸着ローラ3)の外周面にローラ軸2b(またはローラ軸3b)に対して垂直なガイド部16(またはガイド部26)を備える構成とする。
【選択図】図11

Description

本発明は、ウェブ搬送装置の技術に関し、より詳しくは、ウェブ切れ発生時において、速やかに復旧することができるウェブ搬送装置に関する。
従来、シート成形機や輪転機等、様々な分野の装置において、シート状の部材(ウェブ)を搬送するウェブ搬送が広く行われており、そのためのウェブ搬送装置が種々開発され公知となっている。ウェブ搬送装置としては、例えば、以下の特許文献1に示すウェブ搬送装置が知られている。
特開平2−94262号公報
一般的にウェブ搬送装置では、装置内部の搬送経路の途中で予期せずにウェブが切断されてしまう現象(所謂ウェブ切れ)が発生する場合がある。ウェブ切れが発生すると、ウェブ搬送装置の停止が余儀なくされ、生産に多大な影響を及ぼしてしまう。
従来、ウェブ切れが発生した場合、ウェブの切断箇所を特定した上で、ウェブの切断箇所同士をテープ等で貼りあわせて接続し、その後ウェブ搬送装置を復旧するようにしている。
ウェブ切れが発生したとき、切断されたウェブにはテンションが掛かっていないため、接続しようとして作業者がウェブに触れると、ウェブは自由に変位してしまう。つまり、従来はウェブが自由に変位する不安定な状態で接続作業を行わなければならない状況であった。このため、作業者が思うようにウェブ同士を貼りあわせることができない場合があった。
また、切れたウェブ同士を貼りあわせて接続する作業は、作業者の技量や経験によって、接続の仕上がり具合(即ち、接続箇所の引張強度や曲がり・捻れ具合等の状況)に差異が出てしまうため、仕上がりが良くない場合には、復旧後にウェブの接続箇所が再度外れてしまい、再度の装置停止を招く場合もあった。
つまり、ウェブ切れ箇所の接続を確実かつ容易に行うことができなければ、さらにウェブ搬送装置の復旧時間が延びてしまい、生産に及ぼす影響を拡大させてしまう場合があった。このため、ウェブ搬送装置に対して、作業者の技量に左右されずに、確実かつ容易にウェブ切れ箇所を接続できる技術の開発が望まれている状況であった。
本発明は、係る現状を鑑みて成されたものであり、ウェブ切れ発生時のウェブ搬送装置の復旧時間を短縮するために、作業者の技量によらず、確実にウェブ切れ箇所を接続することができるウェブ搬送装置およびウェブ接続方法を提供することを課題としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、ウェブを吸着する吸着手段を有する吸着ローラを備え、前記ウェブを前記吸着ローラの外周面に沿わせて搬送するウェブ搬送装置であって、前記吸着ローラの外周面に該吸着ローラの軸に対して平行な溝部を備え、かつ、前記吸着ローラの外周面に該吸着ローラの軸に対して垂直なガイド部を備えるものである。
請求項2においては、前記吸着手段は、前記吸着ローラの外周面に形成される複数の吸引孔と、該複数の吸引孔に接続される排気設備と、によって構成するものである。
請求項3においては、前記ウェブは磁力によって吸着される性質を有し、前記吸着手段は、前記吸着ローラが有する電磁石によって構成するものである。
請求項4においては、前記溝部は、前記ウェブの幅に比して広い範囲に形成するものである。
請求項5においては、前記ガイド部は、前記ウェブの幅と略同幅に描かれる2本の平行線で構成するものである。
請求項6においては、前記吸着ローラには、前記吸着ローラから前記ウェブの搬送方向上流側へ延出する上流側ウェブと、前記吸着ローラから前記ウェブの搬送方向下流側へ延出する下流側ウェブとが、重ね合わせた状態で前記吸着ローラの外周面に保持され、前記ウェブ搬送装置は、重ね合わされた状態で前記吸着ローラの外周面に吸着される前記上流側ウェブおよび前記下流側ウェブを、前記溝部に沿って切断する切断治具を備えているものである。
請求項7においては、ウェブを吸着する吸着手段を有する吸着ローラを備え、前記ウェブを前記吸着ローラの外周面に沿わせて搬送するウェブ搬送装置に適用するウェブ接続方法であって、前記吸着ローラの外周面に該吸着ローラの軸に対して垂直に形成するガイド部を目安として前記ウェブの位置を整えるウェブ位置調整工程と、前記ウェブ位置調整工程の後に、前記吸着手段によって前記ウェブを保持するウェブ保持工程と、前記ウェブ保持工程の後に、前記吸着ローラの外周面に該吸着ローラの軸に対して平行に形成する溝部に沿って前記ウェブを切断するウェブ切断工程と、前記ウェブ切断工程の後に、切断箇所の両側に位置し、前記吸着手段によって保持される前記ウェブを接続するウェブ接続工程と、を備えるものである。
請求項8においては、前記ウェブ保持工程においては、前記吸着ローラから前記ウェブの搬送方向上流側へ延出する上流側ウェブと、前記ウェブの搬送方向下流側へ延出する下流側ウェブとが、重ね合わされた状態で前記吸着ローラの外周面に保持されるものである。
請求項9においては、前記吸着手段は、前記吸着ローラの外周面に形成される複数の吸引孔と、該複数の吸引孔に接続される排気設備と、によって構成するものである。
請求項10においては、前記ウェブが磁力によって吸着される性質を有する場合であって、前記吸着手段は、前記吸着ローラが有する電磁石によって構成するものである。
請求項11においては、前記溝部は、前記ウェブの幅に比して広い範囲に形成するものである。
請求項12においては、前記ガイド部は、前記ウェブの幅と略同幅に描かれる2本の平行線で構成するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、切断したウェブを、作業者の技量に係わらず容易かつ確実に接続することができる。これにより、ウェブ切れ発生時におけるウェブ搬送装置の復旧時間を従来に比して短縮することができる。
請求項2においては、ウェブの接続を行う箇所に、簡易な構成で確実にウェブを保持することができる。
請求項3においては、ウェブの接続を行う箇所に、簡易な構成で確実にウェブを保持することができる。
請求項4においては、ウェブの接続を行う作業者が、刃物を容易に溝部に宛がうことができる。これにより、作業者は、容易に溝部に沿って適切にウェブを切断することができる。
請求項5においては、ウェブを配置する位置の目安となるガイド部を、ウェブを傷つけることのない簡易な構成とすることができる。
請求項6においては、ウェブ切れ発生時において、吸着ローラの外周面に吸着させた上流側ウェブおよび下流側ウェブを重ね合わせた状態で前記切断具にて切断することにより、上流側ウェブの端面と下流側ウェブの端面とを付き合わせた状態で吸着ローラに保持させることができる。これにより、ウェブの接続を、ウェブの背面に吸着ローラが存在する状態で行うことができるので、テープなどにより確実かつ迅速にウェブの接続を行うことができる。
請求項7においては、切断したウェブを、作業者の技量に係わらず容易かつ確実に接続することができる。これにより、ウェブ切れ発生時におけるウェブ搬送装置の復旧時間を従来に比して短縮することができる。
請求項8においては、ウェブ切断工程において、吸着ローラの外周面に吸着された上流側ウェブおよび下流側ウェブが重ね合わせた状態で切断され、上流側ウェブの端面と下流側ウェブの端面とが付き合わされた状態で吸着ローラに保持されることとなり、ウェブの接続を、ウェブの背面に吸着ローラが存在する状態で行うことができるので、テープなどにより確実かつ迅速にウェブの接続を行うことができる。
請求項9においては、ウェブの接続を行う箇所に、簡易な構成で確実にウェブを保持することができる。
請求項10においては、ウェブの接続を行う箇所に、簡易な構成で確実にウェブを保持することができる。
請求項11においては、ウェブの接続を行う作業者が、刃物を容易に溝部に宛がうことができる。これにより、作業者は、容易に溝部に沿って適切にウェブを切断することができる。
請求項12においては、ウェブを配置する位置の目安となるガイド部を、ウェブを傷つけることのない簡易な構成とすることができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施例に係るウェブ搬送装置の構成について、図1を用いて説明する。図1は本発明の一実施例に係るウェブ搬送装置(巻取部周辺)を示す模式図である。尚、本説明では、説明の便宜上、ウェブ搬送装置の巻取部周辺に配置された吸着ローラを例示して説明を行うものとするが、吸着ローラは、例えば、ウェブ搬送装置の巻出部の周辺等にも設けることが可能であり、吸着ローラの配置場所によって本発明を限定するものではない。
図1に示す如く、ウェブ搬送装置1の巻取部6の周辺には、ウェブ7の流れ方向の上流側から順番に、吸着ローラ2(または吸着ローラ3)、ダンサー4等が配設されており、これらの各部と複数の従動ローラ5・5・・・によって、ウェブ7の搬送経路を形成している。
ウェブ搬送装置1の搬送対象物であるウェブ7は、一定幅に整えられた連続する帯状の部材であり、ウェブ搬送装置1に備えられた塗工や乾燥等の各工程部(不図示)を経た後に、巻取部6の巻取ローラ6aによってロール状に巻き取られた状態に整えられる。
吸着ローラ2(または吸着ローラ3)は、ウェブ7を吸着して保持することができるローラであり、吸着ローラ2(または吸着ローラ3)において、ウェブ7に付与されるテンションを調整する基準点を形成している。
尚、本発明に係るウェブ搬送装置1では、吸着ローラ2(または吸着ローラ3)がウェブ切れしたウェブ7の接続箇所となることを考慮して、吸着ローラ2(または吸着ローラ3)を、ウェブ搬送装置1内の内装部品の密集度が比較的低く、メンテナンス時に作業者が寄り付きやすい箇所を選択して配置するようにしている。
次に、本発明の第一実施例に係る吸着ローラについて、図2および図3を用いて説明する。図2は本発明の第一実施例に係る吸着ローラを示す平面および側面図、図3は本発明の第一実施例に係る吸着ローラを示す斜視図である。
図2および図3に示す如く、本発明の第一実施例に係る吸着ローラ2は、ローラ本体2aとローラ軸2bからなり、吸着ローラ2の内部には、空隙部2cが形成されている。ローラ本体2aには吸着部14、溝部15、ガイド部16を備えており、また、ローラ軸2bには、空隙部2cと連通する連通孔17を形成している。そして、連通孔17には、排気設備18が接続される。
吸着部14には、複数の吸引孔14a・14a・・・を形成しており、この複数の吸引孔14a・14a・・・は、吸着ローラ2内に形成される空隙部2cと連通している。つまり、複数の吸引孔14a・14a・・・は、空隙部2cを介して連通孔17と連通する構成としている。そして、排気設備18によって空隙部2c内を排気することにより、空隙部2c内の圧力を吸着ローラ2の外部の圧力(大気圧)に比して低い圧力とすることによって、複数の吸引孔14a・14aによる吸引作用を生じさせる構成としている。尚、排気設備18としては、例えば、真空ポンプ等を採用することができる。
即ち、本発明の第一実施例に係る吸着ローラ2において、吸着部14は、吸着ローラ2の外周面に形成される複数の吸引孔14a・14a・・・と、複数の吸引孔14a・14a・・・に接続される排気設備18と、によって構成している。
これにより、ウェブ7の接続を行う箇所となる吸着ローラ2に、簡易な構成で確実にウェブ7を保持することができるのである。
溝部15は、ローラ本体2aの外周面において、ローラ軸2bに対して平行に、端面2dから2eへ至る範囲(即ち、ローラ本体2aの全幅)に形成されるV字状溝である。尚、溝部15を形成する範囲は、必ずしもローラ本体2aの全幅とする必要はなく、搬送されるウェブ7の幅に比して広い幅となるように溝部15の幅を設定すればよく、ウェブ7が存在していても、溝部15の端部15a・15bがウェブ7によって隠れてしまわない幅とすればよい。
ガイド部16は、ローラ本体2aの端面2d・2eから一定距離だけ離間した位置において、ローラ本体2aの外周面にペンキ等の塗料によって描かれる2本の平行線たるガイド線16a・16aによって構成している。このとき、ガイド線16a・16aの間隔W1は、搬送するウェブ7の幅(即ち、図7中に示す幅Z)と略一致させるようにしている。
次に、本発明の第二実施例に係る吸着ローラについて、図4および図5を用いて説明する。図4は本発明の第二実施例に係る吸着ローラを示す平面および側面図、図5は本発明の第二実施例に係る吸着ローラを示す斜視図である。
図4および図5に示す如く、本発明の第二実施例に係る吸着ローラ3は、ローラ本体3aとローラ軸3bからなり、ローラ本体3aには吸着部24、溝部25、ガイド部26を備えている。尚、吸着ローラ3は、ウェブ7が磁力によって吸着される性質を有する場合に用いられるものである。
吸着部24は、ローラ本体3aに内蔵される電磁石27により構成しており、電磁石27に通電することによって発生させる磁力によって、磁力によって吸着される性質を有するウェブ7を吸着させて、吸着部24にウェブ7を保持する構成としている。
即ち、ウェブ7が磁力によって吸着される性質を有する場合には、本発明の第二実施例に係る吸着ローラ3において、吸着部24は、吸着ローラ3が有する電磁石27によって構成している。
これにより、ウェブ7の接続を行う箇所となる吸着ローラ3に、簡易な構成で確実にウェブ7を保持することができるのである。
溝部25は、第一実施例に係る吸着ローラ2に形成される溝部15と同様に、ローラ本体3aの外周面において、ローラ軸3bに対して平行に、端面3dから3eへ至る範囲(即ち、ローラ本体3aの全幅)に形成されるV字状溝である。尚、溝部25を形成する範囲は、必ずしもローラ本体3aの全幅とする必要はなく、搬送されるウェブ7の幅に比して広い幅となるように溝部25の幅を設定すればよく、ウェブ7が存在していても、溝部25の端部25a・25bがウェブ7によって隠れてしまわない幅とすればよい。
また、ガイド部26は、第一実施例に係る吸着ローラ2に形成されるガイド部16と同様に、ローラ本体3aの端面3d・3eから一定距離だけ離間した位置において、ローラ本体3aの外周面にペンキ等の塗料によって描かれる2本の平行線たるガイド線26a・26aによって構成している。このとき、ガイド線26a・26aの間隔W2は、搬送するウェブ7の幅(即ち、図7中に示す幅Z)と略一致させるようにしている。
即ち、本発明の一実施例に係る吸着ローラ2・3においては、ガイド部16・26は、ウェブ7の幅Zと略同幅(幅W1およびW2)に描かれる2本の平行線(ガイド線16a・16aおよびガイド線26a・26a)で構成している。
これにより、ウェブ7の配置の目安となるガイド部16・26を、ウェブ7を傷つけることのない簡易な構成とすることができるのである。
尚、本実施例で示す各吸着ローラ2・3は、従来のウェブ搬送装置に備えられているテンションローラに対して、溝部15・25およびガイド部16・26を追加で設けることによって、既存のテンションローラを流用することも可能である。
次に、本発明の一実施例に係るウェブ搬送装置におけるウェブ接続方法について、図6〜図11を用いて説明する。図6は本発明の一実施例に係るウェブの接続状況(ウェブ切れ状態)を示す模式図、図7は本発明の一実施例に係るウェブ接続方法によるウェブ接続状況(ウェブ位置調整工程)を示す模式図、図8は本発明の一実施例に係るウェブ接続方法によるウェブ接続状況(ウェブ保持工程)を示す模式図、図9は本発明の一実施例に係るウェブ接続方法によるウェブ接続状況(ウェブ切断工程(切断時))を示す模式図、図10は本発明の一実施例に係るウェブ接続方法によるウェブ接続状況(ウェブ切断工程(不要部除去後))を示す模式図、図11は本発明の一実施例に係るウェブ接続方法によるウェブ接続状況(ウェブ接続工程)を示す模式図である。
尚、本例では、ウェブ搬送装置1に本発明の第一実施例に係る吸着ローラ2を備える場合を例示して説明を行うが、ウェブ搬送装置1に本発明の第二実施例に係る吸着ローラ3を備える場合であっても、同様のウェブ接続方法とすることが可能である。
図6に示す如く、ウェブ搬送装置1においてウェブ切れが発生すると、ウェブ7は搬送方向上流側の上流側ウェブ7aと、搬送方向下流側の下流側ウェブ7bに分断された状態となる。この状態では、各ウェブ7a・7bにテンションを付与していないため、ウェブ7は、その幅方向に変位できる状態となっている。
図7に示す如く、ウェブ切れが発生した状態においては、ウェブ7がその幅方向に変位した状態(例えば、図7中に示すウェブ7cやウェブ7dのような状態)となり得る。ウェブ7cやウェブ7dの状態のように、ウェブ7がその幅方向に変位した状態のままで各ウェブ7a・7bを接続してしまうと、ウェブ7が平面視において部分的に曲がってしまい、ウェブ7の直線性が損なわれてしまう。そして、ウェブ7が接続箇所において曲がった状態のままウェブ搬送装置1を復旧すると、ウェブ7にしわが発生したり、搬送中のウェブ7がその幅方向に蛇行したりしてしまい、新たなウェブ切れが発生する可能性が高くなってしまう。つまり、各ウェブ7a・7bを接続するときには、ウェブ7の直線性を損なわないように接続することが重要となってくる。
(ウェブ位置調整工程)
図7に示す如く、本発明に係る吸着ローラ2には、その外周面にウェブ7のあるべき幅方向の配置を示すガイド部16(ガイド線16a・16a)が描かれている。つまり、例えば上流側ウェブ7aをこのガイド部16に合わせることによって、上流側ウェブ7aの直線性を確保することができ、同様に、下流側ウェブ7bをガイド部16に合わせることによって、下流側ウェブ7bの直線性を確保することができる。さらに、ガイド部16によって上流側ウェブ7aと下流側ウェブ7bの位置合わせをすることにより、ウェブ7全体としての直線性を容易に確保することが可能となっている。
また、ガイド部16は、吸着ローラ2の外周面から突起しないようにペンキ等の塗料によって描かれているため、ウェブ7がガイド部16によって破損してしまうことがない。
(ウェブ保持工程)
図8に示す如く、ガイド部16によって位置決めが成された上流側ウェブ7aは、吸着作用を有する吸着ローラ2によって保持されるため、位置決めした状態が確実に保持される。また、ガイド部16によって位置決めが成された下流側ウェブ7bも、同様に吸着ローラ2によって保持されるため、位置決めした状態が確実に保持される。
これにより、作業者がウェブ7から手を離しても、各ウェブ7a・7bの保持状態が維持されるため、従来に比して、ウェブ7の接続作業の作業性が向上している。
(ウェブ切断工程)
図9に示す如く、ガイド部16によって位置決めが成された状態の各ウェブ7a・7bが吸着ローラ2に保持されている状態で、吸着ローラ2の外周面に形成されている溝部15の一方の端部15a(図7等参照)にカッター等の刃物9の刃先を宛がって、その溝部15の端部15aから他方の端部15b(図7等参照)まで刃物9を移動させることによって、溝部15に沿って各ウェブ7a・7bを切断する。
図2、図3および図7に示す如く、本発明に係る吸着ローラ2では、ウェブ7の幅Zに比して広い範囲に溝部15を形成し、端部15a・15bが、ウェブ7よりも外側に位置するようにしている。これにより、作業者が刃物9(の刃先)を宛がう位置を容易に探しだすことができ、各ウェブ7a・7bを共通の位置(即ち、溝部15)で一度の動作で切断することにより、各ウェブ7a・7bの切断を容易に行うことができる構成としている。
即ち、本発明の一実施例に係る吸着ローラ2・3においては、溝部15・25は、ウェブ7の幅Zに比して広い範囲(即ち、幅W1・W2とする)に形成している。
これにより、ウェブ7の接続を行う作業者が、刃物9を容易に溝部15・25に宛がうことができるのである。これにより、作業者は、容易に溝部15・25に沿って適切にウェブ7を切断することができるのである。
図11に示す如く、そして、各ウェブ7a・7bの不要部を除去すると、各ウェブ7a・7bの端部(即ち、各ウェブ7a・7bの接続箇所)を突合せた状態とすることができ、各ウェブ7a・7bの端部同士をテープ10で貼りつけやすい状態に保持することができる。
即ち、吸着ローラ2・3には、吸着ローラ2・3からウェブ7の搬送方向上流側へ延出する上流側ウェブ7aと、吸着ローラ2・3からウェブ7の搬送方向下流側へ延出する下流側ウェブ7bとが、重ね合わせた状態で吸着ローラ2・3の外周面に保持され、ウェブ搬送装置1は、重ね合わされた状態で吸着ローラ2・3の外周面に吸着される上流側ウェブ7aおよび下流側ウェブ7bを、溝部15・25に沿って切断するようにしており、吸着ローラ2・3の溝部15・25によって切断治具を構成している。
このような構成とすることにより、ウェブ切れ発生時において、吸着ローラ2・3の外周面に吸着させた上流側ウェブ7aおよび下流側ウェブ7bを重ね合わせた状態で溝部15・25にて切断することにより、上流側ウェブ7aの端面と下流側ウェブ7bの端面とを付き合わせた状態で吸着ローラ2・3に保持させることができるのである。またこれにより、ウェブ7の接続を、ウェブ7の背面に吸着ローラ2・3が存在する状態で行うことができるので、テープ10などにより確実かつ迅速にウェブ7の接続を行うことができるのである。
(ウェブ接続工程)
図11に示す如く、各ウェブ7a・7bの端部同士を突合せて保持した状態で、作業者が、各ウェブ7a・7bの端部同士をテープ10で貼りつけてウェブ7を接続する。これにより、作業者による一連のウェブ7の接続作業が完了するが、本発明に係るウェブ搬送装置1を用いて、本発明に係るウェブ接続方法を採用することにより、作業者の技量に係わらず、容易かつ確実にウェブ7を接続することが可能となる。
また、本発明に係るウェブ搬送装置1を用いて、本発明に係るウェブ接続方法を採用すれば、ウェブ7の直線性や接続箇所の引張強度を確保することができ、確実にウェブ7を接続することができるため、ウェブ搬送装置1を復旧する際におけるウェブ7の搬送速度を、従来に比して高めることが可能となる。このため、ウェブ切れ発生時におけるウェブ搬送装置1の復旧時間を従来に比して短縮することが可能となる。
即ち、本発明に係るウェブ搬送装置1においては、ウェブ7を吸着する吸着部14(または吸着部24)を有する吸着ローラ2(または吸着ローラ3)を備え、ウェブ7を吸着ローラ2(または吸着ローラ3)の外周面に沿わせて搬送するウェブ搬送装置1であって、吸着ローラ2(または吸着ローラ3)の外周面にローラ軸2b(またはローラ軸3b)に対して平行な溝部15(または溝部25)を備え、かつ、吸着ローラ2(または吸着ローラ3)の外周面にローラ軸2b(またはローラ軸3b)に対して垂直なガイド部16(またはガイド部26)を備える構成としている。
また、本発明に係るウェブ搬送装置1によるウェブ接続方法においては、ウェブ7を吸着する吸着部14(または吸着部24)を有する吸着ローラ2(または吸着ローラ3)を備え、ウェブ7を吸着ローラ2(または吸着ローラ3)の外周面に沿わせて搬送するウェブ搬送装置1に適用するウェブ接続方法であって、吸着ローラ2(または吸着ローラ3)の外周面にローラ軸2b(またはローラ軸3b)に対して垂直に形成するガイド部16(またはガイド部26)を目安としてウェブ7の位置を整えるウェブ位置調整工程と、前記ウェブ位置調整工程の後に、吸着部14(または吸着部24)によってウェブ7を保持するウェブ保持工程と、前記ウェブ保持工程の後に、吸着ローラ2(または吸着ローラ3)の外周面にローラ軸2b(またはローラ軸3b)に対して平行に形成する溝部15(または溝部25)に沿ってウェブ7を切断するウェブ切断工程と、前記ウェブ切断工程の後に、吸着部14(または吸着部24)によって保持されるウェブ7を接続するウェブ接続工程と、を備える構成としている。
これにより、切断したウェブ7を、作業者の技量に係わらず容易かつ確実に接続することができるのである。また、ウェブ切れ発生時におけるウェブ搬送装置1の復旧時間を従来に比して短縮することができるのである。
本発明の一実施例に係るウェブ搬送装置(巻取部周辺)を示す模式図。 本発明の第一実施例に係る吸着ローラを示す平面および側面図。 本発明の第一実施例に係る吸着ローラを示す斜視図。 本発明の第二実施例に係る吸着ローラを示す平面および側面図。 本発明の第二実施例に係る吸着ローラを示す斜視図。 本発明の一実施例に係るウェブの接続状況(ウェブ切れ状態)を示す模式図。 本発明の一実施例に係るウェブ接続方法によるウェブ接続状況(ウェブ位置調整工程)を示す模式図。 本発明の一実施例に係るウェブ接続方法によるウェブ接続状況(ウェブ保持工程)を示す模式図。 本発明の一実施例に係るウェブ接続方法によるウェブ接続状況(ウェブ切断工程(切断時))を示す模式図。 本発明の一実施例に係るウェブ接続方法によるウェブ接続状況(ウェブ切断工程(不要部除去後))を示す模式図。 本発明の一実施例に係るウェブ接続方法によるウェブ接続状況(ウェブ接続工程)を示す模式図。
符号の説明
1 ウェブ搬送装置
2 吸着ローラ
3 吸着ローラ
7 ウェブ
14 吸着部
14a 吸引孔
15 溝部
16 ガイド部
18 排気設備
24 吸着部
25 溝部
26 ガイド部
27 電磁石

Claims (12)

  1. ウェブを吸着する吸着手段を有する吸着ローラを備え、
    前記ウェブを前記吸着ローラの外周面に沿わせて搬送するウェブ搬送装置であって、
    前記吸着ローラの外周面に該吸着ローラの軸に対して平行な溝部を備え、かつ、
    前記吸着ローラの外周面に該吸着ローラの軸に対して垂直なガイド部を備える、
    ことを特徴とするウェブ搬送装置。
  2. 前記吸着手段は、
    前記吸着ローラの外周面に形成される複数の吸引孔と、
    該複数の吸引孔に接続される排気設備と、
    によって構成する、
    ことを特徴とする請求項1記載のウェブ搬送装置。
  3. 前記ウェブは磁力によって吸着される性質を有し、
    前記吸着手段は、
    前記吸着ローラが有する電磁石によって構成する、
    ことを特徴とする請求項1記載のウェブ搬送装置。
  4. 前記溝部は、
    前記ウェブの幅に比して広い範囲に形成する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のウェブ搬送装置。
  5. 前記ガイド部は、
    前記ウェブの幅と略同幅に描かれる2本の平行線で構成する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のウェブ搬送装置。
  6. 前記吸着ローラには、前記吸着ローラから前記ウェブの搬送方向上流側へ延出する上流側ウェブと、前記吸着ローラから前記ウェブの搬送方向下流側へ延出する下流側ウェブとが、重ね合わせた状態で前記吸着ローラの外周面に保持され、
    前記ウェブ搬送装置は、重ね合わされた状態で前記吸着ローラの外周面に吸着される前記上流側ウェブおよび前記下流側ウェブを、前記溝部に沿って切断する切断治具を備えている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のウェブ搬送装置。
  7. ウェブを吸着する吸着手段を有する吸着ローラを備え、
    前記ウェブを前記吸着ローラの外周面に沿わせて搬送するウェブ搬送装置に適用するウェブ接続方法であって、
    前記吸着ローラの外周面に該吸着ローラの軸に対して垂直に形成するガイド部を目安として前記ウェブの位置を整えるウェブ位置調整工程と、
    前記ウェブ位置調整工程の後に、前記吸着手段によって前記ウェブを保持するウェブ保持工程と、
    前記ウェブ保持工程の後に、前記吸着ローラの外周面に該吸着ローラの軸に対して平行に形成する溝部に沿って前記ウェブを切断するウェブ切断工程と、
    前記ウェブ切断工程の後に、切断箇所の両側に位置し、前記吸着手段によって保持される前記ウェブを接続するウェブ接続工程と、
    を備える、
    ことを特徴とするウェブ接続方法。
  8. 前記ウェブ保持工程においては、
    前記吸着ローラから前記ウェブの搬送方向上流側へ延出する上流側ウェブと、前記ウェブの搬送方向下流側へ延出する下流側ウェブとが、重ね合わされた状態で前記吸着ローラの外周面に保持される、
    ことを特徴とする請求項7に記載のウェブ接続方法。
  9. 前記吸着手段は、
    前記吸着ローラの外周面に形成される複数の吸引孔と、
    該複数の吸引孔に接続される排気設備と、
    によって構成する、
    ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のウェブ接続方法。
  10. 前記ウェブが磁力によって吸着される性質を有する場合であって、
    前記吸着手段は、
    前記吸着ローラが有する電磁石によって構成する、
    ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のウェブ接続方法。
  11. 前記溝部は、
    前記ウェブの幅に比して広い範囲に形成する、
    ことを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか一項に記載のウェブ接続方法。
  12. 前記ガイド部は、
    前記ウェブの幅と略同幅に描かれる2本の平行線で構成する、
    ことを特徴とする請求項7〜請求項11のいずれか一項に記載のウェブ接続方法。
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