JP2009220720A - 車輪用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ハブ輪パイロット部の防錆処理につき、防錆層の硬化時間を短縮でき、生産性および信頼性を向上させることができる車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】 外方部材1と内方部材2の転走面3,4の間に転動体5を介在させた車輪用軸受装置に適用される。外方部材1および内方部材2のうちの回転側部材は、ハブ輪9を構成部品とする。ハブ輪9は、車輪取付用のハブフランジ9aと、その根元部付近からアウトボード側に突出し、前記ハブフランジ9aに取付けられるブレーキロータとホイールを案内する円筒状のパイロット部13とを有する。前記パイロット部13の周面に、めっき処理層17を形成する。めっき処理層17は、狭義のめっきである湿式のめっきに限らず、蒸着等の乾式のめっき処理の層であっても良い。
【選択図】 図1
【解決手段】 外方部材1と内方部材2の転走面3,4の間に転動体5を介在させた車輪用軸受装置に適用される。外方部材1および内方部材2のうちの回転側部材は、ハブ輪9を構成部品とする。ハブ輪9は、車輪取付用のハブフランジ9aと、その根元部付近からアウトボード側に突出し、前記ハブフランジ9aに取付けられるブレーキロータとホイールを案内する円筒状のパイロット部13とを有する。前記パイロット部13の周面に、めっき処理層17を形成する。めっき処理層17は、狭義のめっきである湿式のめっきに限らず、蒸着等の乾式のめっき処理の層であっても良い。
【選択図】 図1
Description
この発明は、乗用自動車用や貨物自動車用などの車輪用軸受装置に関する。
従来の車輪用軸受装置では、ハブ輪のパイロット部に防錆を目的とした塗装膜が形成されており、刷毛塗り塗装、吹付け塗装、電着塗装等により塗装膜を形成しているものが知られている。(例えば特許文献1)。
特開2007−223600号公報
しかし、従来の刷毛塗り塗装や吹付け塗装では、塗装膜が完全に硬化するまでに4〜5日必要であり、塗装膜が完全に硬化するまでの生産工程において、製品取扱時の塗装の剥がれや傷付き等の問題が生じていた。また、電着塗装の場合は、電着前の前処理、電着後の焼付け、乾燥が必要であり、多くの工程を要していた。
この発明の目的は、ハブ輪パイロット部の防錆処理につき、防錆層の硬化時間を短縮でき、生産性および信頼性を向上させることができる車輪用軸受装置を提供することである。
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の転走面が形成された外方部材と、前記各転走面に対向する転走面が外周に形成された内方部材と、これら対向する転走面の間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、上記外方部材および内方部材のうちの回転側部材は、車輪取付用のハブフランジと、このハブフランジの根元部付近からアウトボード側に突出し、前記ハブフランジに取付けられるブレーキロータおよびホイールを案内する円筒状のパイロット部とを有するハブ輪を有し、前記パイロット部の周面に、めっき処理層を形成したことを特徴とする。なお、前記めっき処理層は、めっき処理を施した層である。ここで言うめっき処理は、広義のめっき処理であり、化学的、電気化学的な反応によって、被処理物の表面に金属を析出させる処理を言う。
この構成によると、パイロット部の周面にめっき処理層を形成したため、このめっき処理層が防錆膜となり、パイロット部の防錆効果が得られる。めっき処理層は、塗装膜とは異なり、長期にわたり高い耐食性を有する。めっき処理層の形成は、パイロット部の周面にめっき処理を施すことで完成し、前処理としては酸洗い処理、水洗処理、活性化処理、フラックス処理などの簡単な処理や、水分を飛ばす程度の簡単なエア吹付け乾燥だけで良いため、焼付け塗装のような焼付・乾燥工程が不要となる。焼付・乾燥が不要なため、製品取扱時のめっき処理層の剥がれや傷付きなどの問題がなくなる。また、めっき処理では製品への熱影響がないので、組立などの後工程への影響がない。また、めっき処理は膜厚管理が容易であり、めっき処理後の後加工が不要で、パイロット部の厳しい寸法公差の要求にも対応が可能である。これらのことから、パイロット部周面へのめっき処理層の形成を、従来の塗装の場合に比べて、短時間にかつ簡単な工程で形成でき、防錆膜となるめっき処理層でパイロット部の周面を被覆できる。その結果、ハブ輪パイロット部の防錆処理につき、生産性および信頼性を向上させることができる。
前記めっき処理層は、湿式のめっき処理、すなわち狭義のめっき処理を施した層であっても良く、また乾式のめっき処理を施した層であっても良い。乾式のめっき処理は、広義のめっき処理に含まれ、例えば、蒸着、スパッタ、イオンめっき、溶射などである。
この発明において、前記ハブ輪のめっき処理層を、少なくとも前記パイロット部の外周面のホイール嵌合部位に形成しても良い。パイロット部のホイール嵌合部位は、錆が発生するとホイールの着脱の障害となる部位であるため、上記のような信頼性の高いめっき処理層で防錆することが好ましい。
この発明において、前記ハブ輪のめっき処理層を、少なくとも前記パイロット部の内周面に形成しても良い。パイロット部の内周面は、錆の発生し易い部位であり、また錆が発生すると、等速ジョイントを結合するものでは、結合用のナット座面等に影響する。そのため、めっき処理層による信頼性の高い防錆処理が効果的となる。
この発明において、前記ハブ輪のめっき処理層を、前記パイロット部の内周面、端面、および外周面のホイール嵌合部位にわたって形成しても良い。この範囲にわたりめっき処理層を形成すると、より優れた防錆性が得られる。
この発明において、前記ハブ輪のめっき処理層を、前記パイロット部の内周面、端面、外周面のホイール嵌合部位、およびブレーキロータ嵌合部位にわたって形成しても良い。ブレーキロータ嵌合部位は、ホイール嵌合部位に比べると防錆処理の必要性が少ないが、ブレーキロータ嵌合部位まで上記めっき処理層を設けることで、ブレーキロータの着脱性の向上と、さらに優れた防錆性が確保される。
この発明において、前記めっき処理層は前処理面の上に形成しても良く、前記前処理面は、酸洗い処理、水洗処理、活性化処理、フラックス処理のうち、少なくともいずれか1つの処理を施した面であっても良い。また、前記前処理面は、脱脂のみを行なった面であっても良い。
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の転走面が形成された外方部材と、前記各転走面に対向する転走面が外周に形成された内方部材と、これら対向する転走面の間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、上記外方部材および内方部材のうちの回転側部材は、車輪取付用のハブフランジと、このハブフランジの根元部付近からアウトボード側に突出し、前記ハブフランジに取付けられるブレーキロータおよびホイールを案内する円筒状のパイロット部とを有するハブ輪を有し、パイロット部の周面に、めっき処理層を形成したため、ハブ輪パイロット部の防錆処理につき、防錆層の硬化時間を短縮でき、生産性および信頼性を向上させることができる。
この発明の第1の実施形態を図1および図2と共に説明する。この実施形態の車輪用軸受装置は、自動車用であって、第1世代型に分類される複列のアンギュラ玉軸受型であり、内輪回転タイプでかつ駆動輪支持用のものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
この車輪用軸受装置は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、各転走面3,4は接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、密封装置となるシール7,8によってそれぞれ密封されている。
この車輪用軸受装置は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、各転走面3,4は接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、密封装置となるシール7,8によってそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、全体が一体の外輪となる部品である。外方部材1の外径面は全体にわたって円筒状面とされ、車体の懸架装置における円筒状のナックル(図示せず)の内径面に嵌合することで、外方部材1がナックルに固定される。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bの外周に嵌合した2個並ぶ内輪10とでなる。これら内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に2個の内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心にはスプライン11が設けられている。このスプライン11に、等速ジョイントの外輪のステム部(図示せず)に形成されたスプラインを係合し、ステム部の基端周辺の段面と先端に螺合するナット(図示せず)との間で内方部材2を挟むことで、車輪用軸受装置と等速ジョイントとが連結される。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト15の圧入孔16が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ブレーキロータとホイール(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。パイロット部13の外周部分は、ハブフランジ9aに対する先端側の部分がホイール嵌合部位13cとなり、根元部寄りの部分がブレーキロータ嵌合部位13dとなる。ホイール嵌合部位13cはブレーキロータ嵌合部位13dよりも若干小径である。このパイロット部13の案内により、前記ハブフランジ9aにブレーキロータとホイールとを重ね、ハブボルト15で固定する。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bの外周に嵌合した2個並ぶ内輪10とでなる。これら内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に2個の内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心にはスプライン11が設けられている。このスプライン11に、等速ジョイントの外輪のステム部(図示せず)に形成されたスプラインを係合し、ステム部の基端周辺の段面と先端に螺合するナット(図示せず)との間で内方部材2を挟むことで、車輪用軸受装置と等速ジョイントとが連結される。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト15の圧入孔16が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ブレーキロータとホイール(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。パイロット部13の外周部分は、ハブフランジ9aに対する先端側の部分がホイール嵌合部位13cとなり、根元部寄りの部分がブレーキロータ嵌合部位13dとなる。ホイール嵌合部位13cはブレーキロータ嵌合部位13dよりも若干小径である。このパイロット部13の案内により、前記ハブフランジ9aにブレーキロータとホイールとを重ね、ハブボルト15で固定する。
ハブ輪9の断面図を示す図2のように、前記パイロット部13の周面には、不錆性金属のめっき処理層17が形成されている。具体的には、ここではパイロット部13の外周面における前記ハブフランジ9aの根元部からアウトボード側寄りの半部であるホイールの嵌合部位13cに、前記めっき処理層17が形成されている。
このめっき処理層17は、狭義のめっき処理、つまり湿式のめっき処理を施した層である。すなわち、亜鉛めっきや、ニッケルめっき、亜鉛合金めっき、ニッケル合金めっき、クロムめっき等が使用できる。亜鉛めっきは、電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっきのいずれであっても良く、クロメート処理をすることで、より一層の耐食性が得られる。
このめっき処理層17は、狭義のめっき処理、つまり湿式のめっき処理を施した層である。すなわち、亜鉛めっきや、ニッケルめっき、亜鉛合金めっき、ニッケル合金めっき、クロムめっき等が使用できる。亜鉛めっきは、電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっきのいずれであっても良く、クロメート処理をすることで、より一層の耐食性が得られる。
前記めっき処理層17の形成は以下の手順による処理工程で行なわれる。すなわち、先ずパイロット部13の外周面に、例えば酸洗い処理、水洗処理、活性化処理、フラックス処理エア吹付け乾燥などの前処理を施す。この前処理は、上記いずれかの処理の1つでも、これらの処理のいくつかを組み合わせたものであっても良い。この前処理として、例えば脱脂のみを行なっても良い。ついで、このような処理を施した前処理面に、めっき処理を施すことで前記めっき処理層17が形成される。
この構成の車輪用軸受装置によると、パイロット部13の周面にめっき処理層17を形成したため、このめっき処理層17が防錆膜となり、パイロット部13の防錆効果が得られる。めっき処理層17は、塗装膜とは異なり、長期にわたり高い耐食性を有する。
また、めっき処理層17の形成は、パイロット部13の周面にめっき処理を施すことで完成し、前処理としては上記したような簡単な処理だけで良いため、焼付け塗装のような焼付・乾燥工程が不要となる。焼付・乾燥が不要なため、製品取扱時のめっき処理層17の剥がれや傷付きなどの問題がなくなる。また、めっき処理では製品への熱影響がないので、組立などの後工程への影響がない。また、めっき処理は膜厚管理が容易であり、めっき処理後の後加工が不要で、パイロット部13の厳しい寸法公差の要求にも対応が可能である。これらのことから、この車輪用軸受装置によると、パイロット部13の外周面へのめっき処理層17の形成を、従来の塗装の場合に比べて、短時間にかつ簡単な工程で形成でき、防錆膜となるめっき処理層17でパイロット部13の外周面を被覆することができる。
また、めっき処理層17の形成は、パイロット部13の周面にめっき処理を施すことで完成し、前処理としては上記したような簡単な処理だけで良いため、焼付け塗装のような焼付・乾燥工程が不要となる。焼付・乾燥が不要なため、製品取扱時のめっき処理層17の剥がれや傷付きなどの問題がなくなる。また、めっき処理では製品への熱影響がないので、組立などの後工程への影響がない。また、めっき処理は膜厚管理が容易であり、めっき処理後の後加工が不要で、パイロット部13の厳しい寸法公差の要求にも対応が可能である。これらのことから、この車輪用軸受装置によると、パイロット部13の外周面へのめっき処理層17の形成を、従来の塗装の場合に比べて、短時間にかつ簡単な工程で形成でき、防錆膜となるめっき処理層17でパイロット部13の外周面を被覆することができる。
なお、ハブ輪9におけるパイロット部13の周面へのめっき処理は、ハブ輪9の単体の状態で行なっても良いが、車輪用軸受装置として組み立てた後においても行うことができる。
なお、図1および図2では、前記パイロット部13の外周面のホイール嵌合部位13cにめっき処理層17を形成した例を示したが、めっき処理層17を図3〜図5に示す範囲に形成しても良い。図3は、パイロット部13の内周面13aにめっき処理層17を形成した例を示す。図4は、パイロット部13の内周面13a、端面13b、および外周面のホイール嵌合部位13cにわたってめっき処理層17を形成した例を示す。図5は、パイロット部13の内周面13a、端面13b、外周面のホイール嵌合部位13cおよびブレーキロータ嵌合部位13dにめっき処理層17を形成した例を示す。
図6は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態の車輪用軸受装置は、第2世代型に分類される複列のアンギュラ玉軸受型であり、内輪回転タイプでかつ駆動輪支持用のものである。外方部材1は、車体の懸架装置におけるナックル(図示せず)に取付ける車体取付用のフランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには、周方向の複数箇所に車体取付用のボルト孔14が設けられ、インボード側からナックルのボルト挿通孔に挿通したナックルボルト(いずれも図示せず)を前記ボルト孔14に螺合することにより、フランジ1aがナックルにボルト止めされる。ハブ輪9のパイロット部13には、その内周面13a、端面13b、および外周面におけるホイール嵌合部位13cにわたってめっき処理層17が形成されている。その他の構成は図1および図2に示す実施形態の場合と同様である。
図7は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の車輪用軸受装置は、第3世代型に分類される複列のアンギュラ玉軸受型であり、内輪回転タイプでかつ駆動輪支持用のものである。内方部材2は、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した単列の内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、内方部材2の各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端には、内輪10を加締固定する加締部9baが形成されている。これにより、等速ジョイントの外輪のステム部先端に螺合するナットと前記加締部9baとの間で内方部材2が挟まれ、車輪用軸受装置と等速ジョイントとが連結される。外方部材1の外周に、車体の懸架装置におけるナックル(図示せず)に取付ける車体取付用のフランジ1aを有すること、およびハブ輪9のパイロット部13における内周面13a、端面13b、外周面におけるホイール嵌合部位13cにわたってめっき処理層17が形成されていることは、図6の実施形態の場合と同様である。その他の構成は図1および図2に示す実施形態の場合と同様である。
図8は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態では、図7に示した実施形態の車輪用軸受装置において、ハブ輪9の軸部9bのインボート側端に加締部を形成せず、等速ジョイントの外輪のステム部の基端周辺の段面と先端に螺合するナット(いずれも図示せず)との間で内方部材2を挟み込むことで、車輪用軸受装置と等速ジョイントとが連結される。その他の構成は図7の実施形態の場合と同様である。
図9は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の車輪用軸受装置は、第3世代型に分類される複列のアンギュラ玉軸受型であり、内輪回転タイプでかつ従動輪支持用のものである。回転側部材である内方部材2は、車輪取付用フランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなり、ハブ輪9の軸部9bのインボード側端に内輪10を加締固定する加締部9baを形成している。ハブ輪9は中実状のものであって、図7の実施形態の場合のようなスプライン11がなく、車輪用軸受装置には等速ジョイントが連結されない。図7における車体取付用のフランジ1aのボルト孔14はボルト挿通孔14Aに、また図7におけるハブフランジ9aの圧入孔16はボルト孔16Aにそれぞれ代えられている。その他の構成は図7の実施形態の場合と同様である。
なお、上記各実施形態は、いずれも、防錆膜となるめっき処理層17として、狭義のめっき処理である湿式のめっき処理層を形成した場合につき説明したが、この発明は、上記各実施形態において、めっき処理層17は、乾式のめっき処理を施した層であっても良い。前記乾式のめっき処理は、広義のめっき処理に含まれ、例えば、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、溶射などである。
また、上記各実施形態では、軸受の転動体としてボールを使用する例を示したが、円錐ころを使用したものであってもよい。
また、上記各実施形態では、軸受の転動体としてボールを使用する例を示したが、円錐ころを使用したものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されることなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1…外方部材
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
9…ハブ輪
9a…ハブフランジ
13…パイロット部
13a…パイロット部の内周面
13b…パイロット部の端面
13c…パイロット部のホイール嵌合部位
13d…パイロット部のブレーキロータ嵌合部位
17…めっき処理層
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
9…ハブ輪
9a…ハブフランジ
13…パイロット部
13a…パイロット部の内周面
13b…パイロット部の端面
13c…パイロット部のホイール嵌合部位
13d…パイロット部のブレーキロータ嵌合部位
17…めっき処理層
Claims (10)
- 内周に複列の転走面が形成された外方部材と、前記各転走面に対向する転走面が外周に形成された内方部材と、これら対向する転走面の間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、
上記外方部材および内方部材のうちの回転側部材は、車輪取付用のハブフランジと、このハブフランジの根元部付近からアウトボード側に突出し、前記ハブフランジに取付けられるブレーキロータおよびホイールを案内する円筒状のパイロット部とを有するハブ輪を有し、前記パイロット部の周面に、めっき処理層を形成したことを特徴とする車輪用軸受装置。 - 請求項1において、前記めっき処理層は、湿式のめっき処理を施した層である車輪用軸受装置。
- 請求項1において、前記めっき処理層は、乾式のめっき処理を施した層である車輪用軸受装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ハブ輪のめっき処理層を、少なくとも前記パイロット部の外周面のホイール嵌合部位に形成した車輪用軸受装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ハブ輪のめっき処理層を、少なくとも前記パイロット部の内周面に形成した車輪用軸受装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ハブ輪のめっき処理層を、前記パイロット部の内周面、端面、および外周面のホイール嵌合部位にわたって形成した車輪用軸受装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ハブ輪のめっき処理層を、前記パイロット部の内周面、端面、外周面のホイール嵌合部位、およびブレーキロータ嵌合部位にわたって形成した車輪用軸受装置。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記めっき処理層は前処理面の上に形成した車輪用軸受装置。
- 請求項8において、前記前処理面は、酸洗い処理、水洗処理、活性化処理、フラックス処理のうち、少なくともいずれか1つの処理を施した面である車輪用軸受装置。
- 請求項8において、前記前処理面は、脱脂のみを行なった面である車輪用軸受装置。
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