JP2009220179A - 二重管の接合方法 - Google Patents

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雅貴 田村
Takehisa Hino
武久 日野
Wataru Kono
渉 河野
Yoshinobu Makino
吉延 牧野
Kenji Mori
建二 森
Noboru Jinbo
昇 神保
Yoshimi Tanaka
義美 田中
Toru Sakamoto
徹 坂本
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Abstract

【課題】二重管の内管の開先に内面からアクセスすることが可能な小型のレーザ溶接ヘッ
ドを用いて、内管及び外管をレーザ溶接により接合することにより、内管と外管の隙間を
埋めることなく、1パス貫通のレーザ溶接を可能とする。
【解決手段】内管1の開先3位置を内側からレーザ照射によって突合せ溶接する工程と、
外管2の開先4位置を外側からレーザ照射によって突合せ溶接する工程と、を有する。内
管と外管の開先の溶接線の二重管の軸方向高さが互いに異なるよう設定するとよい。内管
1と外管2の間には隙間5が設けられ、かつこの隙間5の位置に内管1と外管2に挟まれ
るように網状中間層11を設けもよい。網状中間層11は内管1と外管2の開先位置近傍
を除く位置に配置するとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、高速増殖炉の蒸気発生器等に用いられる二重管を溶接して接合する二重管の
接合方法に関する。
高速増殖炉の蒸気発生器に用いられる二重伝熱管は、内管と、外管と、内管と外管の隙
間に挟み込まれるように配置される網状の中間層(組網線)によって構成される。この内
管と外管の隙間には、内管または外管が破損したときに、破損を検知するためのヘリウム
(He)ガスが流されており、機能上、その隙間が埋まることは許されない。一方、こう
した二重管は、製造上その長さが制限されるため、長尺の二重管を得るためには、二重管
同士を接合することが要求される。したがって、二重管の接合では、当然、隙間が埋まら
ないことが前提条件となる。
従来、こうした二重管の接合方法として、特許文献1に示されるような拡散接合による
もの、及び特許文献2に示されるような溶融溶接によるものが知られている。
拡散接合では、特許文献1の図2に示される開先を用いることにより、ロウ材が重力に
よりたれてきても内管と外管の隙間を埋めないことが期待される。一方、溶融溶接として
、特許文献2の図1に示されるように、内管をレーザ溶接で接合した後、外管をTIG溶
接で開先を埋める方法が提案されている。この方法では、内管の外周側と外管の内周側に
長円状空隙を設けることにより、溶接により隙間が埋まらない構造となっている。
また、高速増殖炉の蒸気発生器に用いられる二重伝熱管として、改良9Cr-1Mo鋼製の二
重管の適用が検討されている。この改良9Cr-1Mo鋼は、溶接時に熱影響部が硬化しやすく
、溶接時に250℃程度の予熱が必要である(非特許文献1参照)。
特開平8−118042号公報 特開平10−34373号公報
H.Okabayashi and R.Kune, Effect of Pre- and Post-Heating on Weld Cracking of 9Cr-1Mo-Nb-V Steel, Transaction of the Japan Welding
上述した二重管の接合方法では、以下のような課題が考えられる。
まず、上述した拡散接合の場合には、接合時のロウ付け時の姿勢が制限され、配管を横
向きにすると隙間にロウ材が流れ込む。さらに、外側からヒーターで加熱する場合、隙間
があるため、内管と外管の温度を一様に管理するのが困難である。すなわち、この方法で
は、比較的構造が複雑となる蒸気発生器の据え付けられる現場での二重管の接合が難しい
一方、溶融溶接では、溶接により隙間が埋まらないように、内管及び外管に長円状空隙
を設けるため、接合面積が減少することにより継手強度が低下する。また、外側から溶接
ヘッドをアクセスさせるため、内管は1パス貫通でレーザ溶接が可能であるが、外管はV
型開先に対して多層の肉盛溶接を行う必要があり、それだけ施工に時間がかかる。
さらに、特に高速増殖炉の蒸気発生器に用いられる改良9Cr-1Mo鋼製の二重伝熱管の場合
は、R150mm程度の曲率を有しており、曲率から要求される溶接ヘッドの軸方向の長さは70
mm程度となる。外側から管状ヒータ、半割形状のヒータを用いて加熱する場合、70mm程度
という長さでは溶接ヘッド端部までが200℃付近にまで加熱される可能性がある。そのた
め、外側から管状ヒータ、半割形状のヒータを用いた場合は、溶接ヘッドの耐熱性を向上
させる必要があり、また熱ひずみを考慮した溶接ヘッドの設計を行う必要がある。なお、
予熱後に溶接ヘッドを溶接位置に移動させて溶接を行うことも可能ではあるが、開先が狭
いため、正確な位置に溶接ヘッドを移動させ溶接を行うことはかなりの困難を伴う。
本発明はこうした課題を解決するためになされたものであり、内管の開先に内面からア
クセスすることが可能な小型のレーザ溶接ヘッドを用いて、内管及び外管をレーザ溶接に
より接合することにより、内管と外管の隙間を埋めることなく、1パス貫通のレーザ溶接
が可能となる二重管の接合方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、二重管の接合方法における上述したレーザ溶接工程に先んじてなされ
る予熱工程として、上述した溶接ヘッドの耐熱性等の制約を伴うことなく簡便にかつ適切
に実施することができる二重管の接合方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、内管と外管より構成される二重管を開先位置にお
いて接合する方法であって、前記内管の開先位置を内側からレーザ照射によって突合せ溶
接する工程と、前記外管の開先位置を外側からレーザ照射によって突合せ溶接する工程と
、を有することを特徴とする。
本発明によれば、内管及び外管をレーザで突合せ溶接することにより、内管と外管の隙
間を埋めることなく1パス貫通のレーザ溶接によって、従来の溶融溶接と比べて接合を短
時間で行うとともに、従来の拡散接合による方法では実現できなかった現場での二重管の
接合が可能になる。
本発明の実施例1における二重管と溶接ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施例1の変形例における二重管と溶接ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施例1の別の変形例における二重管と溶接ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施例2における二重管と溶接ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施例3における二重管と溶接ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施例4における二重管と溶接ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施例4における予熱による二重管内面の温度上昇経過を示すグラフである。
以下、本発明に係る二重管の接合方法について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1における二重管と溶接ヘッドの概念を示す断面図である。
本実施例に係る二重管の接合方法は、接合される二重管を適切に配置する工程と、この
配置された二重管にレーザ溶接を施すレーザ溶接工程とからなるものである。すなわち、
図1に示すように、二重管を構成する内管1および外管2の開先位置において、その上下
の端面をそれぞれ突き合わせて完全に一致させたうえで、内管1は内側から、外管2は外
側から、それぞれレーザ照射によって突合せ溶接を行い接合することを特徴とする。すな
わち、図1に示される内管1の開先3および外管2の開先4を、それぞれ溶接ヘッド10
によりレーザを照射して突合せ接合する。
上記背景技術において説明したように、内管1と外管2の間には隙間5が設けられ、ま
たこの隙間5の位置には内管1と外管2に挟み込まれるように網状の中間層(組網線)1
1が配置されている。網状の中間層11はその内外で網目を通して気体が流通するような
、通気性を有する構造となっており、通気性を有する薄い形状のもので代替可能である。
ただし、この網状の中間層11は、内管1と外管2の開先位置近傍を除く位置に配置する
こととし、開先位置近傍における溶接金属との接触を避けるように設定されている。
内管1の内面施工用の溶接ヘッド10は、筐体6に光学系7が内蔵されてなり、光ファ
イバー8より伝送されたレーザビーム9を集光する。光学系7は、レーザビーム9の入射
側から、コリメートレンズ7a、集光レンズ7bおよび反射ミラー7cにより構成される
。外管2の外面施工用の溶接ヘッド10も同様の構成からなる。なお、図1では内管1の
内面施工用の溶接ヘッド10と外管2の外面施工用の溶接ヘッド10とを併記しているが
、片側の溶接施工を行った後に同一の溶接ヘッドで他側の施工を行う構成としてもよい。
また、溶接施工の順序は特に問わない。
ここで、溶接接合工程における二重管表面の酸化を防止するため、各開先3,4の溶接
位置近傍にはシールドガス12aが供給される。すなわち、溶接ヘッド10側からシール
ドガス12aが内管1の開先3の内側近傍および外管2の開先4の外側近傍に供給されて
おり、また、内管1と外管2の隙間5にもシールドガス12bが供給される。シールドガ
ス12aは、溶接ヘッド10に接続する図示しない外部供給源から、レーザ光照射窓を介
して外部に放出されるように構成される。こうして溶接ヘッド6側と隙間5側の双方から
シールドを確保する。ここで、シールドガス12a,12bとしては、不活性気体として
、例えばヘリウム(He)やアルゴン(Ar)を使用することが考えられる。
ここで、溶接ヘッド10には光学系7だけでなく、回転駆動機構(図示せず)が設けら
れている。光学系7と回転駆動機構からなる構造が比較的単純な溶接ヘッド10を用いる
ことにより、二重管の内管1の内側へのアクセスと、内側からの溶接施工が可能となる。
実際に内管1の内側からレーザ溶接を行うにあたって、連続発振モードを適用した場合
の溶接条件として、例えば、レーザ出力:1.0〜3.0kW、溶接速度:0.2〜3.0m/minとする
。二重管における内管1と外管2の隙間5の幅は0.4mm程度であり、上記の溶接条件によ
り裏波溶接部の突起高さを隙間5の幅以下にして、隙間5を埋めないように溶接すること
が十分可能である。
なお、連続発振モードに代えてパルス発振モードを適用した場合の溶接条件として、例
えば、平均出力:0.8〜2.0kW、溶接速度:0.2〜1.5m/min、デューティ(duty):30〜70%
、周波数:30〜60Hzとする。
また、外管2の溶接も同様の方法で行われる。
なお、本実施例では、好適な構成として、二重管において内管1の開先3位置と外管2
の開先4位置を上下にずらし、各開先3,4の溶接線の管軸方向高さが互いに異なるよう
に配置している。こうして開先位置をずらす構成は、内管1と外管2の溶接によって内管
1の外側と外管2の内側に発生する裏波溶接部の突起が内管1と外管2の隙間5を閉塞し
ないよう、より確実に隙間5を確保するためである。ここで、裏波溶接部のビード幅、す
なわち溶接面の裏側の面からはみ出す溶接金属の裏側の面の高さ位置における幅は、0.2m
m以上あるため、溶接部が重ならないためには、開先をずらす量をビード幅の半分以上、
すなわち0.1mm以上確保すればよい。
また、本実施例においては、裏波溶接部の突起を抑えるため、隙間5に流すシールドガ
ス12bの圧力を、溶接ヘッド10側から流すシールドガス12aの圧力より高く設定す
ることが好適である。例えば、前者を0.6MPa、後者を0.5MPaと設定することが考えられる
。ここで、両者の圧力差は0.01〜0.1MPa程度とすることが望ましい。これは、圧力差が小
さすぎると裏波溶接部の突起を抑える効果が認められず、逆に大きすぎると、シールドガ
スが逆流して内側に溶接金属が噴出する可能性があるためである。
さらに、シールドガス12a,12bとして、アルゴン等の不活性ガスに代えて、炭酸
ガスを用いることも考えられる。これにより、溶融現象が安定し、裏波溶接部の突起を抑
えることが可能である。すなわち、溶接接合面の微小の酸化層が形成され、通常接合面に
向かって微量に発生する金属蒸気の速度を低下させ、もって接合面外に排出される金属粒
子の量を低減させることができる。
このように構成された実施例1によれば、内管1と外管2の隙間5を閉塞させることな
く、1パス貫通のレーザ溶接によって、二重管を接合することができる。
なお、本実施例の変形例として、継手強度の低下や溶接割れが起こることが考えられる
場合は、図2に示すように、目的に応じた材質で製作された内管1および外管2それぞれ
の断面形状と一致するようにリング状に設けられた溶加材13を、各開先3,4に挟んだ
うえで溶接してもよい。
さらに、本実施例の別の変形例として、裏波溶接部の突起をより確実に抑制する必要が
ある場合は、図3に示すように、内管1の開先3の外側と、外管2開先4の内側のうち少
なくとも一方を面取りし、凹部を設けることにより、裏波溶接部の突起を吸収することも
考えられる。
本発明の実施例2について、図4を用いて説明する。なお、実施例1と同様の構成は同
一符号を付し説明を省略する。
本実施例は、実施例1とは異なり、シールドガス12a,12bとして、不活性ガスを
主成分としこれに低濃度の酸素を含有させてなる気体を用いる。ここで、ガス中の酸素濃
度は例えば5%程度とし、内管1、外管2の酸化を最小限に抑えて脆化させることなく、
レーザ溶接による深い溶込み形状を得ることができる。
本実施例によれば、実施例1の効果に加えて、以下の効果を奏する。すなわち、内管1
と外管2の隙間5を埋めることなく、図4に示すように、レーザをデフォーカスさせた状
態、すなわち、内管1の内表面および外管2の外表面からレーザの焦点を離間させてぼか
して照射した状態でも、貫通溶接が可能となる。
本発明の実施例3について、図5を用いて説明する。なお、実施例1と同様の構成は同
一符号を付し説明を省略する。
本実施例は、実施例1、2とは異なり、開先3,4を二重管の垂直面に対して傾斜して
設定する。すなわち、図5に示すように、例えば内管1の開先3の外側面での突合せ位置
を内側面での突合せ位置より高く設定する。ただし、その開先面の水平面に対する角度は
、過大になるとそれだけレーザ光の吸収が低下してしまうため、20°以下とすることが望
ましい。
本実施例によれば、実施例1の効果に加えて、以下の効果を奏する。すなわち、内管1
と外管2の隙間5の幅が、傾斜分だけ実質的に増加するから、裏波溶接部の突起により隙
間5が閉塞するのをより確実に抑止することができる。
本発明の実施例4について、図6を用いて説明する。なお、実施例1と同様の構成は同
一符号を付し説明を省略する。また、図6では二重管の外側から溶接を行う溶接ヘッドの
図示を省略している。本実施例は、溶接ヘッド10から開先3の内側近傍に対してシール
ドガス12aを供給するための具体的な構成として、溶接ヘッド10の筐体6には、レー
ザビーム9を伝送する光ファイバ8に加えて、チューブ14が接続されている。また、チ
ューブ14と筐体6との接合部分にはチューブ14と溶接ヘッド10のシールをするため
のOリング15が設けられている。シールドガス12aは、溶接時に光学系7のスパッタ
、ヒューム等による汚れを防止するために図示しないガス供給源からチューブ14を介し
て供給されるものであり、例えばアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることが考
えられる。あるいは、シールドガスとして、例えば、不活性ガスを主成分とし酸素を含有
するガス、あるいは炭酸ガスを採用してもよい。
次に、各構成要素の材質の好適な一例を説明する。筐体4は銅製で、コリメートレンズ
7aと集光レンズ7bは石英により、また反射ミラー7cは無酸素銅に金メッキを施して
なるものとすることが考えられる。また、チューブ14は、例えばR150mm程度の曲率をも
った二重管を通過させる必要があるため、柔軟性が高いが耐熱温度は約80℃であるウレタ
ン系のチューブを使用することが望ましい。また、Oリング15としては、例えば耐熱温
度が約200℃以上であるフッ素系のゴムを使用することが考えられる。
かかる構成からなる本実施例における二重管の接合方法は、上述した実施例1〜3で説
明したレーザ溶接工程による本溶接の前に、二重管を予熱する予熱工程をさらに有するも
のである。すなわち、本実施例では、まず、溶接ヘッド10により内管1の内側から本溶
接時よりも低い出力にて予熱処理を行う。実際に内管1の内側からレーザ照射による予熱
を行うにあたって、連続発振モードを適用した場合の条件としては、例えば、レーザ出力
:0.3kW、回転速度:2.0〜10.0m/min程度とすることが好適である。すなわち、好適な一
例として、予熱時におけるレーザ出力を本溶接時の約1/5〜1/2程度とすることが考
えられる。
なお、この予熱処理は、二重管を軸方向に揺動させながら行ってもよい。あるいは、例
えばウィービング(weaving)により、溶接ヘッド10側を動作させながら行ってもよい
。こうして、本溶接により溶接される溶接点の周囲を予熱しておくことで、本溶接におい
て局所的に応力が集中して発生することを抑止し、溶接による接合を均一に行うことがで
きる。
この予熱による二重管内面の温度上昇経過を、図7に模式的に示す。ここに示されるよう
に、予熱によって溶接部近傍を約100〜270℃としたうえで本溶接を行うことが望ましく、
これにより、溶接割れのない組織をより確実に得ることができる。
こうして二重管を予熱した後、内管1の内側から同一の溶接ヘッド10により、レーザ出
力を上げて本溶接を行う。この本溶接は上述した実施例1〜3で説明した工程からなり、
この際の溶接条件は、連続発振モードを適用した場合の条件としては、例えば、レーザ出
力:1.0〜3.0kW、回転速度:0.2〜3.0m/minとすることが好適である。
なお、本実施例の変形例として、上述した本溶接に引き続いて、溶接ヘッド10により
内管1の内側から溶接時よりも低い出力にて後熱処理を行ってもよい。実際に内管1の内
側からレーザによる後熱処理を行うにあたって、連続発振モードを適用した場合の条件と
しては、例えば、レーザ出力:0.3kW、回転速度:2.0m/min〜10m/minとする。これにより
、さらに溶接割れのない組織をより確実に得ることができる。
以上説明した予熱処理あるいは後熱処理においては、レーザとして、YAGレーザ、ま
たはファイバーレーザを使用することが好適である。また、この場合、例えば、レーザの
波長を1064〜1070nmと設定するとよい。
さらに、本実施例の変形例として、本溶接によって外管2および内管1に対し突合せ溶
接を行った後に、溶接ヘッド10を溶接部から退避させて、その外側から管状、筒状ある
いは半割型の加熱炉(ヒータ)によって、温度域:600〜750℃にて、0.5〜20時間程度に
わたって加熱する焼き戻し処理を行うことも考えられる。ここで用いる加熱炉は、例えば
、リボンヒータや、金属ヒータ、あるいは高周波加熱によるものを用いることが考えられ
る。かかる焼き戻し処理により、溶接部の靭性のさらなる向上を図ることができる。
以上、本発明の実施例を説明してきたが、本発明では、こうした複数の実施例にて説明
した特徴を任意に組み合わせてなる構成とすることも考えられる。当業者にあっては各構
成要素についてより適切な形状や溶接条件を選択し、必要に応じて構成要素の追加、変更
を行うことが可能である。
1…内管、2…外管、3…開先(内管)、4…開先(外管)、5…隙間、6…溶接ヘッ
ド筐体、7…光学系、8…光ファイバー、9…レーザビーム、10…溶接ヘッド、11…
網状の中間層(組網線)、12a…シールドガス(溶接ヘッド側)、12b…シールドガ
ス(隙間側)、13…リング状溶加材、14…ウレタンチューブ、15…Oリング。

Claims (11)

  1. 内管と外管より構成される二重管を開先位置において接合する方法であって、前記内管
    の開先位置を内側からレーザ照射によって突合せ溶接する工程と、前記外管の開先位置を
    外側からレーザ照射によって突合せ溶接する工程と、を有することを特徴とする二重管の
    接合方法。
  2. 前記内管と前記外管の開先の溶接線の二重管の軸方向高さが互いに異なるよう設定した
    ことを特徴とする請求項1記載の二重管の接合方法。
  3. 前記内管と前記外管の間には隙間が設けられ、かつこの隙間の位置に前記内管と前記外
    管に挟まれるように網状中間層を設けてなることを特徴とする請求項1または2記載の二
    重管の接合方法。
  4. 前記網状中間層は前記内管と前記外管の開先位置近傍を除く位置に配置されることを特
    徴とする請求項3記載の二重管の接合方法。
  5. 前記内管の開先の外側と、前記外管の開先の内側のうち少なくとも一方が面取りされて
    なることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の二重管の接合方法。
  6. 前記開先面の溶接線を前記二重管の垂直面に対して傾斜させてなることを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれか記載の二重管の接合方法。
  7. 前記隙間に第1のシールドガスを流通させる工程と、前記内管の外側の開先位置近傍お
    よび前記外管の内側の開先位置近傍に第2のシールドガスを局所的に流通させる工程とを
    さらに有し、前記第1のシールドガスの圧力を前記第2のシールドガスの圧力より高く設
    定してなることを特徴とする請求項3または4記載の二重管の接合方法。
  8. 前記隙間に第1のシールドガスを流通させる工程と、前記内管の外側の開先位置近傍お
    よび前記外管の内側の開先位置近傍に第2のシールドガスを局所的に流通させる工程とを
    さらに有し、前記第1のシールドガスおよび前記第2のシールドガスを、不活性ガス、不
    活性ガスを主成分とし酸素を含有するガス、炭酸ガスのいずれかとしたことを特徴とする
    請求項3または4記載の二重管の接合方法。
  9. 前記内管および外管を突合せ溶接する工程に先立って、この突合せ溶接時のレーザの出
    力より低い出力によって前記開先位置にレーザを照射する予熱工程を行うことを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれか記載の二重管の接合方法。
  10. 前記内管および外管を突合せ溶接する工程の後に、この突合せ溶接時のレーザの出力よ
    り低い出力によって前記開先位置にレーザを照射する後熱工程を行うことを特徴とする請
    求項1ないし9のいずれか記載の二重管の接合方法。
  11. 前記内管および外管を突合せ溶接する工程の後に、前記外管の外側から加熱炉によって
    焼き戻し処理を行うことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の二重管の接合方
    法。
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