JP2009195948A - レーザー溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶接強度が高く、ポロシティー及び溶接歪が少なく、さらには製品コストの安いレーザー溶接方法を提供する。
【解決手段】 スリーブ(被溶接部材)、ストッパ(被溶接部材)の溶接部に亘りパルス状のパルス波レーザービーム27を照射するレーザー溶接方法であって、溶接部で隣合う溶接ビードA1、B1が重なるようにパルス波レーザービーム27を一定のパルスピッチPで照射する第1照射工程と、第1照射工程と同じパルス波レーザービーム27の溶接条件で第1照射工程において形成された隣合う溶接ビードA1、B1の間に溶接ビードA2が形成されるようにパルス波レーザービーム27を照射する第2照射工程と、を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、少なくとも2つの被溶接部材にパルス状のレーザービームを照射して溶接するレーザー溶接方法に関する。
従来技術のレーザー溶接方法として、少なくとも2つの被溶接部材を重ねて、その重ね合わせ部分における一方の被溶接部材にレーザービームを照射する。このレーザービーム照射において、レーザービームをパルス状に照射し、加熱溶融深さが他方の被溶接部材に達するようにビームによる加熱溶融度合を調節することにより、2つの被溶接部材を互いに溶接する溶接部を形成する溶接工程と、溶接工程の後、溶接工程において形成された溶接部に、さらにビームを照射するものであって、そのビーム照射において、レーザービームを連続的に照射し、加熱溶融深さが当該ビームを直接照射する側の被溶接部材の厚さ以下になるようにビームによる加熱溶融度合を調節することにより、溶接工程において発生した気孔消失工程とを備えるレーザー溶接方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、アルミニウム及びアルミニウム合金のレーザー溶接において、二つのレーザー光を被溶接材に前後して照射し、2番目のレーザー光照射によりビームの中心部の溶融状態及び凝固速度を制御してポロシティの発生及び溶込み溶融深さを制御するレーザー溶接方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、静止部材と回転部材が潤滑流体を介して相対回転を行う動圧軸受を有するスピンドルモータにおける潤滑流体と接する複数の部材の接合方法において、接合方法は溶接を用い、部材間の溶接箇所に封孔処理を行っている。溶接箇所の溶接は指向性エネルギービームを照射するレーザー溶接であり、封孔処理は照射する指向性エネルギービームのエネルギー密度を低下させている。更に溶接工程は溶接の始点と重なる箇所より徐々に照射する指向性エネルギービームを絞っている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2005−246440号公報 特開平10−216973号公報 特開2006−174545号公報
しかしながら、特許文献1によれば、溶接工程において、レーザービームをパルス状に照射し、加熱溶融深さが他方の被溶接部材に達する。しかし、溶接工程の後に行われる気孔消失工程は、レーザービームを連続的に照射して、被溶接部材を加熱溶融するが加熱溶融深さが当該ビームを直接照射する側の被溶接部材の厚さ以下である。従って、溶接工程において隣接するパルスの間隔距離が長いと、間隔距離の中間位置近傍の加熱溶融深さが他方の被溶接部材に達しない。結果、周方向の溶接されない部分が生じ、溶接長さが短くなる。また、溶接歪を少なくするには、溶融幅を狭くする必要がある。従って、溶接強度が確保出来ない問題がある。
溶接工程の後に行われる気孔消失工程は、レーザービームを連続的に照射して、被溶接部材を加熱溶融するが加熱溶融深さが当該ビームを直接照射する側の被溶接部材の厚さ以下であるため、一方の被溶接部材と他方の被溶接部材流体の接合部近傍の気孔は、消失せず溶接熱で気孔が膨張し、溶融部に達し溶接後の流体漏れに繋がるポロシティーになる問題を生じる。
気孔消失工程において、レーザービームを連続的に照射し被溶接部材を加熱溶融するため、被溶接部材の投入エネルギーが多量になり、熱歪が増加する問題がある。
さらには、溶接工程の後に行われる気孔消失工程は、溶接工程とは異なる加熱溶融度合を調節する再溶接設備工程が必要となり製品のコストアップの問題がある。
特許文献2によれば、二つのレーザー光を被溶接材に前後して同時に照射するため、被溶接部材には集中して多量のエネルギーが投入されるため、熱歪が増加する問題がある。
また、特許文献3によれば、溶接工程と、その後の封孔処理の溶接工程は、熱歪対策のため、溶接の始点と重なる箇所より徐々に照射する指向性エネルギービームを絞っているが、レーザービームを連続的に照射しているため、被溶接部材の投入エネルギーが多量になり、熱歪が増加する問題がある。封孔処理の溶接工程は、溶接の始点と重なる箇所より徐々に照射する指向性エネルギービームを絞っているため、投入エネルギーの少ない終わりに近い溶接部は、封孔処理が不確実になる恐れがあり、流体漏れが起こる問題がある。さらに、被溶接部材を溶接する溶接工程と、その後、被溶接部材を溶接する溶接工程に比べて指向性エネルギービームを絞り封孔処理の溶接工程とが有るため、再溶接設備工程が必要となり製品のコストアップの問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、溶接強度が高く、ポロシティー及び溶接歪が少なく、さらには製品コストの安いレーザー溶接方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、少なくとも二つの被溶接部材の溶接部に亘りパルス状のパルス波レーザービームを照射するレーザー溶接方法であって、前記溶接部で隣合う溶接ビードが重なるように前記パルス波レーザービームを一定のパルスピッチで照射する第1照射工程と、前記第1照射工程と同じ前記パルス波レーザービームの溶接条件で、第1照射工程において形成された隣合う前記溶接ビードの間に溶接ビードが形成されるように前記パルス波レーザービームを照射する第2照射工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、第2照射工程で形成される溶接ビードは、第1照射工程で形成された溶接ビードに対し、パルス波レーザービームのパルスピッチの半分ずらすことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、被溶接部材を重ね合わせた溶接部に亘るパルス波レーザービームの照射は、隣合う溶融部が重なる再溶融部の最大溶融深さが、被溶接部材の重ね合せ面を越えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、レーザー溶接は、1回目のパルス波レーザービーム照射による第1照射工程と、2回目のパルス波レーザービーム照射による第2照射工程の二つの工程が行われる。レーザー溶接装置から溶接部には、第1照射工程と、第2照射工程とも、所定の同じデューティー比のパルス状のパルス波レーザービームが照射される。第1照射工程のパルス波レーザービームは、隣合う溶接ビードとが重なるように溶接部に亘り照射される。第2照射工程のパルス波レーザービームの照射は、第1照射工程と同じ溶接条件の下で行われ、第2照射工程のパルス波レーザービームは、溶接ビードが第1照射工程で形成された隣合う溶接ビードの間に形成されるよう溶接部に亘り照射される。従って、第2照射工程のパルス波レーザービームによる溶融部の最大溶融深さと、溶接ビード長さと、溶接ビード幅は、第1照射工程と略同じになる。結果、第1照射工程と第2照射工程にまたがる溶接長さは、第1照射工程の溶接長さより長くなり、第1照射工程の溶接が補強されるので、従来技術より高い溶接強度が得られ、溶接強度の高いレーザー溶接方法を提供できる。
また、第1照射工程のパルス波レーザービームによる隣合う溶接ビードは、溶接部に亘り互いに重なるので、ポロシティーによる漏れは抑制され、気密性が向上する。第2照射工程の溶接は、第1照射工程に比べ重ね合せ面はより清浄になるので、第2照射工程の溶接に於ける清浄度と、すき間に起因するポロシティーの発生は、第1照射工程に対して著しく減少する。さらに、第2照射工程の溶接に於いて、重ね合せ面のすき間(重ね合せ面のみ溶接箇所)の占める割合も減少する。一方、溶融深さは第1照射工程とほぼ同じになる。従って、第1照射工程で発生したポロシティー、特に重ね合せ面近傍の溶け込みの深い位置に発生したポロシティーをも含め殆どのポロシティーは第2照射工程の再加熱溶融により消失される。以上により、ポロシティーの少ないレーザー溶接方法を提供できる。
また、レーザー溶接装置から重ね合せ溶接部に照射されるレーザービームは、第1照射工程と、第2照射工程とも、同じ溶接条件、即ち、所定の同じデューティー比、同じレーザー出力、同じ周波数のパルス状のパルス波レーザービームが照射される。結果、重ね合せ溶接部に照射されるパルス波レーザービームのエネルギーは、従来技術より低くなり、溶接歪の少ないレーザー溶接方法を提供できる。
また、第2照射工程は、被溶接部材である加工ワークをレーザー溶接装置の保持冶具から取外すことなく、第1照射工程が引続き行われ、第1照射工程に対して溶接ビードのピッチ位置をずらす以外は、前述したように第1照射工程と同じ溶接条件の下で溶接される。従って、設備費、スペースが低減できると共に、始めにパルス波レーザービームの溶接条件を設定すれば、以後は溶接条件の設定が不要で、第2照射工程の溶接は溶接ビードのピッチ位置をずらすだけで時間が掛からない。結果、従来技術に比べ再溶接設備及び再溶接工程が不要になり、製品コストの安いレーザー溶接方法を提供できる。
また、請求項2に記載の発明では、第2照射工程のパルス波レーザービームによる溶接ビードは、第1照射工程のパルス波レーザービームによって形成される溶接ビードに対し、
パルス波レーザービームのパルスピッチの半分ずらす。即ち、第1照射工程で形成された溶接ビードのピッチの中央に位置するように照射される。これにより、重ね合せ面の全長に亘り、溶接ビード面からの溶融深さ及び溶融幅は従来技術より均等化され、溶接強度の高いレーザー溶接方法を提供できる。
また、請求項3に記載の発明では、パルス波レーザービームにより形成され、隣合う溶融部が重なる再溶融部の最大溶融深さは、被溶接部材の重ね合せ面を越える。これにより、重ね合せ面の全長に亘り溶接され、溶接強度の高いレーザー溶接方法を提供できる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わるレーザー溶接方法に適用される電磁弁の断面図である。図1に示すように、電磁弁1は、電磁石2と、加工ワークである弁本体3とから構成される。弁本体3は、スリーブ4(被溶接部材)と、スリーブ4の両端の開口部にそれぞれ圧入されストッパ5(被溶接部材)及びガイド9と、スリーブ4内に収納される弁棒6と、バネ7とから構成される。後述するように、スリーブ4とストッパ5及びスリーブ4とガイド9の圧入された重ね合せ溶接部Y及びZは、全周に亘りレーザー溶接され、溶融部10が形成される。ガイド9は、流路8aを有する弁座8と、流路9aとを備える。弁棒6は球形状の弁6aを備える。弁棒6とガイド5の間にバネ7が設けられる。
図2は、本発明の実施形態に係わるレーザー溶接装置の説明図である。図2に示すように、レーザー溶接装置20は、レーザー発振器21と、溶接ヘッド22と、制御回路23と、保持冶具25を備えた駆動モータ24と、ガスノズル28とを備える。保持冶具25には、加工ワークである弁本体3が装着される。
レーザー発振器21からパルス波状のレーザー26が発振され、溶接ヘッド22で集光される。溶接ヘッド22で集光されたパルス状のパルス波レーザービーム27は、スリーブ4とストッパ5の重ね合せ溶接部Yに照射される。溶接ヘッド22は、重ね合せ溶接部Yに対する位置と焦点を調節する機構(図示せず)が設けられ、照射位置や焦点位置が調節される。また、レーザー発振器21は、制御回路23からの信号によりレーザー出力強度や、出力タイミング(連続出力、パルス出力およびパルス周波数)を変更できる。
レーザー溶接装置20は、溶融池へのエア巻込みと、酸化を防止する目的で、シールドガスとして窒素ガスを供給する供給源(図示せず)を備えている。窒素ガスは、ガスノズル28により重ね合せ溶接部Yに所定の流量、所定の角度を持って供給される。その結果、レーザー照射位置、即ち溶融池の発生箇所は、窒素ガスによってシールドされる。
駆動モータ24は、溶接ヘッド22からのパルス波レーザービーム27が重ね合せ溶接部Yの所定の位置に照射されるように弁本体3を回転する。
制御回路23は、レーザー発振器21のレーザー出力強度、出力タイミングと、溶接ヘッド22の照射位置、焦点位置と、駆動モータ24の回転速度、回転角度とを調節する制御信号を各機器に送信し、各機器が制御される。
次に、本発明の実施形態のレーザー溶接方法の作動と効果について説明する。
以下に説明するように、本発明の実施形態に於いてレーザー溶接は、第1照射工程のパルス波レーザービームの照射による溶接と、第2照射工程のパルス波レーザービームの照射による気孔消失の溶接とが同一設備、同一条件の下で、加工ワークである弁本体3を保持冶具25から取外すことなく実施される。
図3は、図2のX−X断面を展開した弁本体の溶接状態を示す図である。レーザー溶接装置20から重ね合せ溶接部Yに照射されるビームは、第1照射工程と、第2照射工程とも、所定の同じデューティー比、同じレーザー出力、同じ周波数のパルス状のパルス波レーザービーム27である。
スリーブ4とガイド5との重ね合せ溶接部Yにパルス波レーザービーム27を照射し、加熱溶融すると、溶融部10が形成され、スリーブ4とストッパ5との重ね合せ溶接部Yが溶接される。溶接強度と、気密確保のため、重ね合せ面11からの最大溶込み深さh1及び重ね合せ面11の溶込み幅W1(図2)を所定の下限値以上となる条件で溶接を行う。
図3の(a)は第1照射工程の溶接状態を示し、図3の(b)は第2照射工程の溶接状態を示す。尚、図中の矢印は、弁本体3の移動方向を示す。図3の(a)に示すように、第1照射工程のパルス波レーザービーム27による照射は、溶融部10の最大溶融深さH1がスリーブ4とストッパ5との重ね合せ面11を越える。また、溶融部10の溶接ビードA1と、次のパルス波レーザービーム27による溶融部10の溶接ビードB1とが重なり、重なり合った溶接ビードC1が重ね合せ溶接部Yの一周に亘り形成され、ポロシティー(気孔)による漏れは抑制され、気密性が向上する。
溶接ビード部A1、B1とが重なり過ぎると直前の溶融池の振動の影響でポロシティーが発生し易くなるため、弁本体3の回転速度と、デューティー比とを調整して気密性が確保できる最低限の重なりになるように調整して溶接強度と、気密性を確保する。即ち、第1照射工程のパルス波レーザービーム27は、最大溶融深さH1(最大溶融深さH1=スリーブ4の板厚t+最大溶込み深さh1)及び溶込み幅W1を所定の下限値以上となる条件で一周に亘り溶接される。例えば、本実施形態の弁本体3では、最大溶融深さH1の下限値が(t+0.1)mm、即ち、最大溶込み深さh1が0.1mm、溶込み幅W1が0.16mmで、この下限値以上になるようにパルス波レーザービーム27のレーザー出力は、700〜950Wに設定される。
ところで、パルスピッチPは、パルス波レーザービーム27が照射される被溶接部材の位置と、次のパルス波レーザービーム27が照射される被溶接部材の位置との間の距離である。従って、図3の(a)に示すように、パルスピッチPは、隣合う溶接ビードの始まり位置の間の距離、あるいは、隣合う最大溶融深さH1の位置の間の距離でもある。
第1照射工程の溶接の気密性をより確実にするため、前述したように、第2照射工程の気孔消失の溶接が行われる。図3の(b)に示すように、点線は第1照射工程の溶接ビードを示し、実線は第2照射工程の溶接ビードを示す。第2照射工程は、第1照射工程の同じレーザー溶接装置20で、弁本体3を保持冶具25から取外すことなく、第1照射工程の同じパルス波レーザービーム27の溶接条件のもとで行われる。そして第2照射工程のパルス波レーザービーム27は、溶接ビードA2が第1照射工程に形成された隣合う溶接ビードA1とB1の間に形成されるよう一周に亘り照射される。即ち、第2照射工程の溶接ビードの最大溶融深さH2の位置は、第1照射工程のパルスピッチPの間に形成される。
前述したように、第1照射工程のパルス波レーザービーム27による隣合う溶接ビードA1、B1とは、重ね合せ溶接部Yに亘り重なるので、ポロシティーによる漏れは抑制され、気密性が向上する。また、第2照射工程の溶接は、第1照射工程に比べ重ね合せ面11はより清浄になっており、重ね合せ面11のすき間(重ね合せ面11の未溶接箇所)の占める割合も減少しているので、第2照射工程の溶接に於ける清浄度と、すき間に起因するポロシティーの発生は、第1照射工程に対して著しく減少する。一方、溶融深さは第1照射工程とほぼ同じになる。従って、第1照射工程に発生したポロシティー、特に重ね合せ面11近傍の溶け込みの深い位置に発生したポロシティーをも含め殆どのポロシティーは第2照射工程の再加熱溶融により消失される。以上により、ポロシティーの少ないレーザー溶接方法を提供できる。
また、第2照射工程の溶接により、第2照射工程のパルス波レーザービーム27の溶接条件は第1照射工程と同じであるので、第2照射工程の溶融部の最大溶融深さH2及び溶込み幅W2(図示せず)は、それぞれ第1照射工程の溶融部の最大溶融深さH1及び溶込み幅W1とほぼ同じになる。また第2照射工程の溶接ビード長さL2も第1照射工程の溶接ビード長さL1とほぼ同じになる。第1照射工程の隣合う溶接ビードの間に第2照射工程のパルス波レーザービーム27を照射することにより、スリーブ4とストッパ5との重ね合面11の周方向の溶接される長さは、第1照射工程の溶接長さより長くなり溶接強度が補強され、従来技術より高い溶接強度が得られる。結果、溶接強度の高いレーザー溶接方法を提供できる。
第2照射工程の溶接ビードA2は、第1照射工程の溶接ビードA1に対しパルスピッチPの半分ずらす。即ち、第2照射工程のパルス波レーザービーム27は、第2照射工程の最大溶融深さH2位置が第1照射工程のパルス波レーザービーム27に隣接した最大溶融深さ位置の中央、つまりパルスピッチPの中央に位置するように照射される。これにより、重ね合せ面11の全周に亘り、第1照射工程及び第2照射工程の溶接ビード面からの溶融深さが従来技術より均等化され、溶接強度の高いレーザー溶接方法を提供できる。
さらに、前述のパルス波レーザービームによる溶融部10と次のパルス波レーザービームによる溶融部10との重なり合った再溶融部12(溶接ビードC1に対応する溶融部)の最大溶融深さH3は、重ね合せ面11を越えるように弁本体3の回転速度と、第1照射工程のパルスピッチPとが調節される。これにより、重ね合せ面11の全周に亘り溶接され、溶接強度の高いレーザー溶接方法を提供できる。
図4は、図2の溶融部10の温度と、従来技術の溶融部の温度を比較した図である。図4において、図2の溶融部10の温度(実線)方が、従来技術の溶融部の温度(点線)方より低い。これは、図2の方が従来技術より、投入エネルギーが低いことを示す。
前述したように、第1照射工程と、第2照射工程は、共に同じパルス波レーザービーム条件でパルス波レーザービーム27を重ね合せ溶接部Yに照射し、重ね合せ溶接部Yが加熱溶融され、溶接される。結果、図4に示すように、スリーブ4とストッパ5の溶融部10に投入されるエネルギーは、従来技術より少なく、さらには第1照射工程の隣合う溶接ビードA1、B1は最低限以上の重なりになるように調節され、溶融部10に投入されるエネルギーはさらに減少する。結果、熱歪の少ないレーザー溶接方法を提供できる。
以上により、ポロシティーが少なく、溶接強度が高く、熱歪の少ないレーザー溶接方法を提供できる。
また、スリーブ4とストッパ5の溶接は、第1照射工程と第2照射工程の2回行われ、第2照射工程は、第1照射工程に対して溶接ビードのピッチ位置をずらす以外は、第1照射工程と同じ条件で溶接される。即ち、前述したように、同じレーザー溶接装置20で、弁体3を保持冶具25から取外すことなく、同じパルス波レーザービーム27の溶接条件で行われる。従って、設備費、スペースが低減できると共に、始めにパルス波レーザービーム27の溶接条件を設定すれば、以後は溶接条件の設定が不要で、第2照射工程の溶接は溶接ビードのピッチ位置をずらすだけで時間が掛からない。結果、従来技術に比べ再溶接設備及び再溶接工程が不要になり、製品コストの安いレーザー溶接方法を提供できる。
尚、重ね合わせ溶接部Zについても、前述述と同じようにレーザー溶接される。
図5は、本発明の実施形態に係わる他のレーザー溶接方法の説明図で、図2のX−X断面を示す。また図中、矢印は、弁本体3の回転方向を示す。
弁本体3の回転数と、パルス波レーザービーム27の照射タイミングを制御して、例えば、図5に示すように、(1),(2),(3),(4),(5),(6),(7),(8)・・・と一周に亘りパルス波レーザービーム27を照射し、前述と同じ要領で第1照射工程のレーザー溶接を行い、その後、前述と同じ要領で第2照射工程のレーザー溶接を行う。この場合、弁本体3を回転させ、重ね合わせ溶接部Y1、Y2、Y3、Y4の複数方向側からパルス波レーザービーム27を照射し溶接する。これにより、一方向に連続して溶接する場合に比べ、良好に放熱が行われ、弁本体3の熱こもりが減少し、低歪溶接が可能になる。また、溶接ヘッドを複数台、同一円周上で、且つ円の中心に対し対称位置に配備することにより、溶接時間も短縮できる。
本発明の実施形態に係わる溶接方法に適用される電磁弁の断面図である。 本発明の実施形態に係わるレーザー溶接装置の説明図である。 図2のX−X断面を展開した弁本体の溶接状態を示す図である。 図2の溶融部と、従来技術の溶融部の温度を比較した図である。 本発明の実施形態に係わる他のレーザー溶接方法の説明図である。
符号の説明
4 スリーブ(被溶接部材)
5 ストッパ(被溶接部材)
10 溶融部
12 再溶融部
11 重ね合せ面
27 パルス波レーザービーム
A1、A2、B1 溶接ビード
H3 最大溶融深さ
P パルスピッチ
Y 重ね合せ溶接部

Claims (3)

  1. 少なくとも二つの被溶接部材の溶接部に亘りパルス状のパルス波レーザービームを照射するレーザー溶接方法であって、
    前記溶接部で隣合う溶接ビードが重なるように前記パルス波レーザービームを一定のパルスピッチで照射する第1照射工程と、
    前記第1照射工程と同じ前記パルス波レーザービームの溶接条件で、第1照射工程において形成された隣合う前記溶接ビードの間に溶接ビードが形成されるように前記パルス波レーザービームを照射する第2照射工程と、を備えることを特徴とするレーザー溶接方法。
  2. 前記第2照射工程で形成される前記溶接ビードは、前記第1照射工程で形成された前記溶接ビードに対し、前記パルス波レーザービームの前記パルスピッチを半分ずらす、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶接方法。
  3. 前記被溶接部材を重ね合わせた前記溶接部に亘る前記パルス波レーザービームの照射は、隣合う溶融部が重なる再溶融部の最大溶融深さが、前記被溶接部材の重ね合せ面を越える、ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のレーザー溶接方法。
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